JP2009159818A - 野菜汁及び/又は果汁飲料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な量の水不溶性固形分を含有し、かつ飲み易い野菜汁及び/又は果汁飲料の提供。
【解決手段】水不溶性固形分(A)を0.3〜1.1質量%含有し、20℃における粘度(B)(mPa・s)が次式(1)
(B) ≦ 110×(A)−30・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
の範囲にある野菜汁及び/又は果汁飲料組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、食物繊維を含有する野菜汁及び/又は果汁飲料組成物に関する。
野菜汁及び/又は果汁飲料は、野菜汁及び果汁に含まれる各種ビタミン類や食物繊維等を簡便かつ効率良く摂取するための飲料として広く普及している。特に食物繊維の摂取量が不足しがちな日本人にとって野菜汁及び/又は果汁飲料は食物繊維を摂取するための飲料として重要である。食物繊維の中で、セルロース、ヘミセルロースなどの不溶性食物繊維は水を吸収・膨潤して腸内のぜん動運動を活発化することにより便秘などを予防する効果がある。不溶性食物繊維はカロテンやリコピンなどの疎水性栄養成分を吸着した水不溶性固形分として存在している。ところが、水不溶性固形分を高濃度に含有する野菜汁及び/又は果汁飲料は、粘度が高く飲みにくいという欠点を有する。
トマトジュース等の野菜汁及び/又は果汁飲料を飲み易くするために、スクリーン孔径の細かいエクストルーダに供して固形分を破砕・切断し、搾汁率を調整する方法(特許文献1)、遠心分離などにより不溶性固形分を除去する方法(特許文献2)が報告されているが、不溶性固形分を除去すると飲料中の不溶性食物繊維や疎水性栄養成分の含有量が少なくなってしまう。またペクチナーゼ等の植物組織分解酵素処理により粘度を低下させる手段も報告されている(特許文献3、4)が、酵素処理のみでは粘度低下が不十分であり、遠心分離や篩別工程によって水不溶性固形分を除去する必要があった。また、水不溶性固形分含量を低減した清澄汁は、野菜及び/又は果汁由来の優れたコクも低減してしまうという問題もあった。
特開平8−336376号公報 特開2005−204663号公報 特開2001−61434号公報 特開2007−37530号公報
本発明の目的は、十分な量の水不溶性固形分を含有し、かつ飲み易い野菜汁及び/又は果汁飲料組成物を提供することにある。
このように、従来の野菜汁及び/又は果汁飲料においては、水不溶性固形分と飲み易さとは相反するものであるため、両者を満足する飲料の提供は困難であると信じられてきた。そこで、本発明者は、かかる相反する特性を同時に解決すべく種々検討したところ、全く意外にも、粘度を一定の範囲に調整すれば、水不溶性固形分を高濃度含有するにもかかわらず、のど越しが良好でコクもあって飲み易い野菜汁及び/又は果汁飲料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、水不溶性固形分(A)を0.3〜1.1質量%含有し、20℃における粘度(B)(mPa・s)が次式(1)
(B) ≦ 110×(A)−30・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
の範囲にある野菜汁及び/又は果汁飲料組成物を提供するものである。
本発明の野菜汁及び/又は果汁飲料は、十分な水不溶性固形分量を維持しつつ、かつ飲み易いため、不溶性食物繊維や疎水性栄養成分摂取用の飲料として特に有用である。
本発明で原料として用いる野菜汁及び/又は果汁は特に限定されないが、ニンジン、大根及び牛蒡などの根菜類;セロリ、ブロッコリー、ケール、ホウレン草、白菜、キャベツ、メキャベツ及びレタスなどの葉菜類;赤ピーマン、黄ピーマン等のピーマン、トマトなどの果菜類;バナナ、リンゴ、メロン、みかん及びブドウなどの果実類などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上混合して使用することができる。このうち、本発明は、トマト、ニンジン、ケール、ブロッコリー、セロリ、赤ピーマン、ホウレン草及びメキャベツから選ばれる野菜の搾汁に適用するのが特に好ましい。
本発明の野菜汁及び/又は果汁飲料組成物は、水不溶性固形分(A)を0.3〜1.1質量%含有し、20℃における粘度(B)(mPa・s)が次式(1)
(B) ≦ 110×(A)−30・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
の範囲のものである。
ここで水不溶性固形分量は、不溶性食物繊維や疎水性栄養成分の摂取量が十分となり、また野菜及び/又は果汁由来の優れたコクを感じることができるという観点より、0.3質量%以上であり、0.4質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.6質量%以上がさらに好ましい。
また、飲用時にザラつきがなく、また水不溶性固形分の沈殿量が少なく飲料としての商品価値が高いという観点より、1.1質量%以下であり、0.9質量%以下が好ましく、0.8質量%以下がより好ましい。ここで水不溶性固形分量は後記の方法により測定されるものである。
また、20℃における粘度(B)は飲みやすさの点から式(1)の範囲に調整するのが良く、好ましくは次式(2)
(B) ≦ 75×(A)−22・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
の範囲に調整するのが良い。粘度が式(1)の範囲内であるとのど越しが良好で飲みやすい。
また、20℃における粘度(B)は、式(3)を満たすことが好ましい。
(B) ≧ 110×(A)−110・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
また、後述する測定法による体積基準の水不溶性固形分(水不溶性固形分(体積%))は、5〜50体積%が好ましく、10〜40体積%がより好ましく、15〜35体積%がさらに好ましい。
また、本発明の飲料組成物の粘度は、20℃における粘度が1〜80mPa・s、さらに1〜50mPa・s、特に3〜15mPa・sが好ましい。1mPa・s以上において野菜及び/又は果汁由来の優れたコクが得られ、80mPa・s以下においてよいのど越しが得られる。
また、本発明の飲料中の水不溶性固形分の粒径は、舌触りがよく、飲みやすいという観点より、個数基準平均粒径が30μm以下であることが好ましく、20μm以下がより好ましい。下限は特に規定されないが、0.3μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましく、4μm以上がさらに好ましい。粒径はレーザー回折法(島津製作所製SALD−2100など)により測定される。
水不溶性固形分量と粘度とを上述の範囲とするには、例えば野菜汁及び/又は果汁を機械的破砕処理と植物組織分解酵素処理の両者を行うことにより調整することができる。野菜汁/果汁を機械的破砕処理すると植物組織が微細化されて粘度が増加する。また、植物組織分解酵素で処理すると植物組織が微細化・可溶化されて粘度が低下する。この2つの処理をバランスよく組み合わせることにより、野菜汁/果汁由来の水不溶性固形分を大幅に減らすことなく粘度を下げ、のど越しが良好な飲料が製造できる。
原料である野菜汁及び/又は果汁は、野菜及び/又は果物を常法、例えば、スクリュープレスにより搾汁した後、必要に応じて濃度調整を行うことにより得ることができ、その粘度は特に限定されないが、100〜2000mPa・s(B型粘度計,20℃)であるのが好ましい。本発明によれば、このような粘度の野菜汁及び/又は果汁を、水不溶性固形分を除去することなく、より低い粘度で喉越し良好な野菜汁及び/又は果汁にすることができる。
機械的破砕処理に用いる装置は限定されない。ラインミキサー、エマルダーのような高せん断を与える装置、カッターミル、ディスパー、ジューサーミキサー、マイルダー、ホモミキサーのようなカッター式破砕装置、高圧ホモジナイザーのような圧力を利用した装置を用いることができる。
このうち、カッター式破砕装置は短時間で粘度を低下できるため好ましい。カッター式破砕装置としては、周速15〜80m/sで剪断処理できる装置が好ましく、さらに回転する金属製の刃、又はローターを備え、回転数1200〜36000r/min、周速15〜80m/sで処理する装置が良い。この装置を用いると水不溶性固形分が微細化され、舌触りが良くなる。例えば、ジューサーミキサー((株)エフ・エム・アイ製MX−1500)、マイルダー(太平洋機工(株)製MDN303V)、ホモミクサー(プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARKII2.5型)などが挙げられる。回転数及び周速が速すぎると発熱により風味が低下する。処理液量が多い場合は、機械的破砕処理装置と野菜汁及び/又は果汁を溶解したタンクを用いて循環処理するのが好ましい。
機械的破砕処理の温度は、加熱による野菜汁及び/又は果汁の風味劣化を抑制する観点から、0〜60℃、特に0〜40℃であるのが好ましい。
植物組織崩壊酵素とは、植物性農産物に含まれるセルロース、キシランをはじめとするヘミセルロース、ペクチンなどの、分子構造の大きい不溶性食物繊維を低分子に分解する酵素であり、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ(キシラナーゼ)、ペクチナーゼなどを用いることができる。ただし、これらに限定されない。これらは1種あるいは2種以上で使用することができる。反応効率を向上させるためには、2種以上を使用することが好ましい。
前記酵素の使用量は、用いる酵素の活性によっても異なるが、野菜汁及び/又は果汁に対し0.01〜6重量%、さらに0.1〜4重量%が好ましい。
酵素処理は、温度0〜60℃で0.2〜3時間行うのが飲料の風味劣化を抑制する点から好ましい。
機械的破砕処理と酵素処理は同時に行っても良く、交互に行っても良い。機械的破砕処理が強すぎると粘度が増加しすぎ、飲みにくくなる。酵素処理が強すぎると粘度は低下するが、水不溶性固形分量が少なくなり、野菜果汁由来の食物繊維が低分子可溶化されてしまい、充分に摂取できない。
本発明の野菜汁及び/又は果汁飲料組成物は、原料野菜汁及び/又は果汁を、植物組織崩壊酵素の存在下、カッター式破砕機にて周速15〜80m/sで剪断処理することにより製造するのが好ましい。
かくして得られた野菜汁及び/又は果汁飲料組成物は、容器詰飲料とすることができ、加熱殺菌することが好ましい。加熱殺菌は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造することができる。PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法を採用してもよい。また、本発明の野菜飲料組成物を充填した容器に、無菌下で別の成分を配合充填しても良い。
加熱殺菌条件は、F0値(致死値)を一定値以上に設定して加熱殺菌処理を行うことにより製造される。F0値は、微生物学的安定性の点で、0.7以上が好ましく、1以上がより好ましい。ここで、F0値とは、加熱殺菌効果を評価する値で、基準温度(121.1℃)に規格化した場合の加熱時間(分)に相当する。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の加熱殺菌後のpHは、保存安定性及び飲み易さの点からpH3〜5、好ましくは3.5〜4.6、さらに好ましくは3.8〜4.5が良い。pHの調整は、加熱殺菌前に行うことが好ましい。pHの調整には、野菜汁や果汁由来にあわせて、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、pH調整剤、などの添加剤を単独、あるいは併用して用いることができる。このとき、これらの添加剤を直接、又は適当な濃度に希釈した水溶液として適量加えて調整する。このときpHメーターなどによりpHを確認しながら加えても良い。これらの添加剤には、例えば、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸とその塩などが挙げられる。加熱殺菌の前後でpHが変化する場合は、予め変化分を考慮して加熱殺菌前のpHを調整すると良い。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の野菜汁飲料は、たとえば、最新・ソフトドリンクス(平成15年9月30日発行、編纂:最新・ソフトドリンクス編集委員会、出版:光琳)の12〜13頁に記載されている(7)野菜飲料の1)〜8)に該当する飲料を指す。より具体的には1)トマトジュース、2)トマトミックスジュース、3)トマト果汁飲料、4)にんじんジュース、5)にんじんミックスジュース、6)野菜ジュース、7)野菜果汁ミックスジュース、8)その他野菜飲料が挙げられる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の果汁飲料は、最新・ソフトドリンクス(前出)の10〜11頁に記載されている(2)果実飲料の1)〜8)に該当する飲料を指す。より具体的には1)果実ジュース、2)果実ミックスジュース、3)果汁入り飲料、4)果肉飲料、5)果粒入り果実飲料、6)果汁入り混合飲料、7)果汁入り炭酸飲料、8)その他直接飲料などである。一方、同出典の10〜11頁に記載されている9)希釈飲料、10)フルーツシロップは明確にこれを除外する。また本発明の飲料は、より好ましくは8)その他の直接飲料を除いた1)〜7)の飲料が良い。
なお、上記野菜飲料と上記果汁飲料の混合飲料も本発明の範囲に含まれる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。また使用するは紙容器よりも酸素透過性が低いものが好ましく、容器の酸素透過係数(22℃)は0.0001〜0.1mL/350mL・day・atm、好ましくは、0.0005〜0.08mL/350mL・day・atm、より好ましくは0.001〜0.06mL/350mL・day・atm、さらに好ましくは、0.0015〜0.04mL/350mL・day・atmである。沈殿物の付着を確認できる透明容器が好ましく、透明容器とは実質的に容器底部の沈殿物の有無を視認できるものをいう。着色された容器であっても、内容物を視認することができれば透明容器に含まれる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料は、野菜汁や果汁由来にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
(水不溶性固形分量(質量%)測定法)
25℃に恒温したサンプルを良く攪拌し均一な状態にし、10gを遠沈管に定量し、高速冷却遠心機(HITACHI himac CR20G)を用いて、処理温度20℃、最大遠心加速度4×105〜5.2×105[m/s2]の範囲に設定して10分間遠心した。保留粒子径が1μm(ADVANTEC No. 5C、直径90mm)の濾紙の乾燥質量を測定した後、遠沈管内の遠心後の上清固形分を減圧濾過により集めた。次に遠沈管中にイオン交換水を加えて攪拌し、再び同条件で10分間遠心した。遠沈管内の遠心後の上清固形分を該濾紙上に減圧濾過により集めた。さらに遠沈管中にイオン交換水を加えて攪拌し、同条件で10分間遠心した。遠沈管内の遠心後の上清固形分を該濾紙上に減圧濾過により集めた。残った固形分も該濾紙上に集めて水洗し、減圧濾過した。水洗に用いたイオン交換水は全量で100mLとした。該濾紙を乾燥後に質量を測定した。(水不溶性固形分量(質量%))=((乾燥後の濾紙質量(g))−(濾紙の初期乾燥質量(g)))/10(g)×100とした。
(水不溶性固形分量(体積%)測定法)
サンプル10mLを日本農林規格検査法(日本果汁協会監修:最新果汁・果実飲料事典566頁〜575頁,出版:朝倉書店)記載の不溶性固形分の分析法で定義される不溶性固形分測定用遠心沈殿管にとり、遠心分離機で3000回転を示してから30分間遠心した。上清を5mL抜き取り、イオン交換水を5mL加えて、再び30分間遠心した。さらに、上清を5mL抜き取り、イオン交換水を5mL加えて、30分間遠心した。操作は20℃で行い自然停止してから直ちに沈殿の平均した上端までの容積をよんだ。水不溶性固形分量(体積%)=(上端までの容積(mL))/10(mL)×100とした。
(粘度測定法)
粘度は、サンプルの品温を20℃にした後、(株)トキメック製B8L型粘度計を使用して測定した。粘度が50mPa・s以上の場合はローターNo.2を用い、50mPa・sより低い場合はローターNo.1を用いた。回転数はいずれも60r/minで行い、1分回転後の数値を読みとった。
(個数基準平均粒径の測定方法)
個数基準平均粒径は、粒径分布測定装置SALD−2100((株)島津製作所製)を用いてフローセルを使用し、水を溶媒として測定した。
実施例1
Brix27のトマトペーストにイオン交換水を加え、Brix12で粘度950mPa・sの原料トマト汁を調製した。このトマト汁970gにセルラーゼ(ノボザイムズ(株)製セルクラスト1.5L FG)の10%水溶液を30g添加し、25℃でジューサーミキサー((株)エフ・エム・アイ製MX−1500)を用いて、9000r/min(周速33m/s)で剪断をかけながら酵素処理した。30分処理後、95℃で3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。このトマト汁を2倍希釈してトマト飲料を得た。
実施例2
実施例1で調製した原料トマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの原液(1gあたり700ユニットのエンドグルカナーゼ活性を有する)を30g添加し、25℃で実施例1で使用したジューサーミキサーを用いて、18000r/min(周速65m/s)で剪断をかけながら酵素処理した。30分処理後、95℃で3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。このトマト汁を2倍希釈してトマト飲料を得た。
実施例3
実施例1で調製した原料トマト汁874gにキシラナーゼ((株)樋口商会製Xylanase Conc)の25%水溶液を36g添加し、50℃でホモミクサー(プライミクス(株)製T.K.ホモミクサーMARKII2.5型)を用いて、15000r/min(周速22m/s)で剪断をかけながら酵素処理した。120分処理後、95℃で3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。このトマト汁を2.7倍希釈してトマト飲料を得た。
実施例4
市販ニンジンを100℃で15分間ブランチングし、ジュース&パルプセパレーター((株)エフ・エム・アイ製JEX−450)で処理した後、液部とパルプ部を混合し、イオン交換水で質量を1.7倍にし、Brix2.6で粘度492mPa・sの原料ニンジン汁を調製した。このニンジン汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、30℃でマイルダー(太平洋機工(株)製MDN303V)を用いて、15000r/min(周速24m/s)、5.4L/hで循環しながら酵素処理した。120分処理後、95℃で3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、ニンジン飲料を得た。
比較例1
実施例1で使用した原料トマト汁を2倍希釈した。
比較例2
実施例1で調製した原料トマト汁970gに実施例1で使用したセルラーゼの10%水溶液を30g添加し、30℃で4枚プロペラ翼(φ70mm)を用いて、400r/min(周速1.5m/s)にて攪拌しながら酵素処理した。120分処理後、95℃で3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。このトマト汁を2倍希釈してトマト飲料を得た。
比較例3
特開2005−204663号公報記載の実施例に従い、低分子アルギン酸ナトリウム(紀文フードケミファ製)24g、グアーガム分解物(太陽化学製)16g、実施例1で調製した原料トマト汁500gを配合し、イオン交換水で1000gに調製した。遠心分離により水不溶性固形分の一部を除去し、水不溶性固形分量を0.9質量%に調整したトマト飲料を得た。
比較例4
比較例3と同様にして、特開2005−204663号公報記載の実施例に従い、水不溶性固形分量を0.4質量%に調整したトマト飲料を得た。
比較例5〜14
市販の野菜・果汁飲料の水不溶性固形分量と食感を評価した。
実施例1〜4及び比較例1〜14により得られた野菜汁及び/又は果汁の物性を表1及び表2に示す。
実施例1〜4で得られたトマト飲料及びニンジン飲料を、126.5℃30秒の条件(F0は1.7)で加熱殺菌した後PETボトルに充填して、容器詰野菜飲料を製造した。得られた飲料は、いずれも、のど越しが良好でコクがあり、飲みやすい飲料であった。
Figure 2009159818
Figure 2009159818
[のど越し、舌触り、コク]
パネラー3名で評価し、平均スコアを評価結果として採用した(小数以下は四捨五入した)。
5.極めて良好。
4.良好。
3.問題ない。
2.好ましくないが問題ない。
1.極めて好ましくない。
表1及び表2から明らかなように、水不溶性固形分と粘度を本発明の範囲とすることにより、十分な水不溶性固形分を含有しつつ、飲み易い野菜汁及び/又は果汁飲料が得られる。
水不溶性固形分が少ない場合は、野菜及び/又は果汁由来の優れたコクが乏しく水っぽく感じられた(比較例4)。
水不溶性固形分がより多い飲料であっても、粘度が高すぎる場合は、のど越しが悪くサラサラ感がなく、食感は不充分であった。
また、市販の飲料で本発明の範囲に入るものは見出されなかった(比較例5〜14)。

Claims (6)

  1. 水不溶性固形分(A)を0.3〜1.1質量%含有し、20℃における粘度(B)(mPa・s)が次式(1)
    (B) ≦ 110×(A)−30・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
    の範囲にある、野菜汁及び/又は果汁飲料組成物。
  2. 原料野菜及び/又は果実由来の水不溶性固形分を除去することなく調製された、請求項1記載の野菜汁及び/又は果汁飲料組成物。
  3. 野菜の搾汁としてトマト、ニンジン、ケール、ブロッコリー、セロリ、赤ピーマン、ホウレン草及びメキャベツから選ばれる1種又は2種以上を含有するものである、請求項1又は2に記載の野菜汁及び/又は果汁飲料組成物。
  4. 加熱殺菌処理を施した、請求項1〜3のいずれか一項に記載の野菜汁及び/又は果汁飲料組成物。
  5. 容器詰飲料である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の野菜汁及び/又は果汁飲料組成物。
  6. 原料野菜汁及び/又は果汁を植物組織崩壊酵素の存在下、カッター式破砕機にて周速15〜80m/sで剪断処理する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の野菜汁及び/又は果汁飲料組成物の製造法。
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