JP2007029081A - 野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料 - Google Patents

野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】野菜や果物由来の有効成分をできる限り損なうことなく飲料中に含有させるという観点から、長期保存時の沈殿生成は許容するものの、軽い振とうにより野菜や果物由来の有効成分を含んだ沈殿物を速やかに消失させ、もって均等な容器からの排出が可能な沈殿物の脱着性及び再分散性に優れ、かつ飲みやすい容器詰飲料の提供。
【解決手段】次の成分(A)〜(D):
(A)ポリデキストロース 0.5〜12質量%、
(B)グアガム分解物 0.5〜10質量%、
(C)不溶性固形物 2〜30体積%、
(D)水分 50質量%以上、
を含有し、
(1)((A)+(B))/(C)≦3.4(質量%/体積%)、
(2)加熱殺菌処理後のpH3〜5、
(3)加熱殺菌処理後の粘度 300mPa・s以下
である野菜汁及び/又は果汁容器詰飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は、飲用感が良好で、容器から沈殿の脱着性及び再分散性に優れた野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料に関する。
栄養素の偏りは生活習慣病のリスクファクターの1つであり、適正化することは健康な生活を送るために重要である。野菜や果物の充分な摂取は栄養素摂取の偏りを是正するために有用であることが明らかとなっており、我が国では「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」において、1日当たり野菜の摂取量350g(基準値292g;平成9年国民栄養調査)以上が目標値として設定されている。一方、野菜摂取量は平成7年をピークに減少傾向を示し、平成10年では野菜全体では260g程度、緑黄色野菜では90g程度と目標値に比べ軒並み低い状況にある。このような背景の中、野菜を野菜原型のまま摂取するのみでなく、ジュース等の形態で補充することは重要と考えられている。
ジュースに配合される野菜搾汁や果物搾汁は、カロチノイドやミネラルなどの有効成分を多く含む不溶性固形物を有する。そのため、これら不溶性固形物を飲料中に大量に配合した場合、野菜や果物由来の沈殿物が多く発生することになる。そしてこの沈殿物の生成により、野菜や果物由来の有効成分を含んだ不溶性固形物が容器壁面に付着し、振とうによっても容易に解消せず、もって排出不可能な状態が生じてしまうという課題が発生していた。
このように、野菜搾汁や果汁を配合した飲料の最大の特徴はその沈殿物の多さであることから、これまでに提案されている技術はいずれも沈殿生成を予め防ぐ方法であった。
例えば、不溶性固形物の分散法としては、飲料に寒天を添加する技術が提案されている(特許文献1)。この技術では寒天を0.001〜0.5重量%添加することにより、不溶性固形物の系内での分散状態を維持し、振ったり、攪拌したりしなくても、最初から最後まで内容物の割合が均一なものを飲用可能であるとしている。しかしながら、寒天を使用することによって長期保存後で均一な分散性が保たれるものの、ゲルに近い液物性となる欠点があった。
また、不可逆性のゲル化剤を用いたゼリー飲料として、ジェランガムとペクチンの混合品や寒天とローカストビーンガムの混合品などを配合する方法がある(特許文献2)。しかしながら、これらの技術ではゲル化することによって確実に沈殿形成を抑制できるもののゼリー状となってしまい、従来の野菜飲料や野菜・果汁混合飲料とはおよそ異なる食感になるという欠点があった。
また、おから飲料中のおからペーストの分散安定性を向上させる技術として、増粘剤である寒天、キサンタンガム、タラガムなどを使用する方法が開示されている(特許文献3)。しかしながら沈殿生成の抑制は可能であるが、配合濃度依存によるゲル化領域が存在し、配合量の自由度が損なわれるという課題があった。
この様に、一般に野菜汁や果汁などの沈殿性の食品素材に対する安定性向上には、ペクチン、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘剤が多用されるものの(非特許文献1)、沈殿物生成抑制には効果がある反面、肝心の食感が犠牲になるという問題が生じていた。
特開平7−123934号公報 特開2002−291453号公報 特開2002−51755号公報 食品と開発,31巻,7号,32〜35頁
本発明の目的は、野菜や果物由来の有効成分を損なうことなく飲料中に含有させるという観点から、長期保存時の沈殿生成は許容するものの、軽い振とうにより野菜や果物由来の有効成分を含んだ沈殿物を速やかに消失させ、もって均等な容器からの排出が可能な沈殿物の脱着性及び再分散性に優れ、かつ飲みやすい容器詰飲料を提供することにある。
本発明者は、野菜汁及び/又は果汁を配合した飲料を調製し、その加熱殺菌処理後の風味及び保存性について検討したところ、ポリデキストロースとグアガム分解物を組み合せて用い、水分、不溶性固形物量、飲料粘度及びpHをコントロールすることによって、保存後の飲用性が向上し、かつ容器詰飲料容器内に生成した沈殿物の脱着性及び再分散性が向上することを見出した。
本発明は、次の成分(A)〜(D):
(A)ポリデキストロース 0.5〜12質量%、
(B)グアガム分解物 0.5〜10質量%、
(C)不溶性固形物 2〜30体積%、
(D)水分 50質量%以上、
を含有し、
(1)((A)+(B))/(C)≦3.4(質量%/体積%)、
(2)加熱殺菌処理後のpH3〜5、
(3)加熱殺菌後の粘度 300mPa・s以下
である野菜汁及び/又は果汁容器詰飲料を提供するものである。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有飲料は飲み易く且つ保存後の野菜や果物の有効成分を含んだ沈殿物の脱着性及び再分散性に優れる。より具体的には沈殿の発生は許容するものの、容器からの沈殿物の脱着性及び再分散性に優れかつ飲み易い飲料である。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料は、一般的に凝集沈殿し易いとされる野菜の搾汁又は果物の搾汁を含有することができる。野菜の搾汁としては、トマト、ニンジン、ホウレンソウ、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、セロリ、レタス、パセリ、クレソン、ケール、かぼちゃ、赤ピーマン、ピーマン、ダイコン等が挙げられるが、本発明において、野菜搾汁としては特にトマト、ニンジン、ホウレンソウ、パセリ、セロリ、キャベツが使用できる。また野菜搾汁としてアロエも使用できる。
また、果物の搾汁として、レモン、りんご、みかん、オレンジ、もも、メロン、スイカ、ウメ、キウィ、グアバ、プルーン等の果汁を使用できる。これらの中でも特にレモン、りんご、みかん、オレンジ、ももが好ましい。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料における不溶性固形物は、以下の分析法で測定することができる。
(不溶性固形物量測定法)
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の内容物10mLを日本農林規格検査法
(日本果汁協会監修:最新果汁・果実飲料事典 566頁から575頁,出版:朝倉書店)記載の不溶性固形物の分析法で定義される不溶性固形物測定用遠心沈殿管にとり、回転半径14.5cmの遠心分離機で3000回転数を示してから正確に30分間遠心する。上清を5mL抜き取り、蒸留水を5mL加えて、回転半径14.5cmの遠心分離機で3000回転数を示してから正確に30分間遠心する。さらに、上清を5mL抜き取り、蒸留水を5mL加えて同様に、回転半径14.5cmの遠心分離機で3000回転数を示してから正確に30分間遠心する。操作は20℃で行い自然停止してから直ちに沈殿の平均した上端までの容積を不溶性固形物量とする。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料中の不溶性固形物量は2〜30体積%が好ましく、より好ましくは4〜25体積%、更に好ましくは6〜20体積%、特に好ましくは8〜18体積%が良い。2体積%未満では野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料としての有効成分が少なくなり、30体積%を超えると飲用性が低くなる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料における不溶性固形物量の調整は、野菜や果物の搾汁中に不溶性固形物が過剰に含まれる場合は、ろ過や遠心分離により不溶性固形物を除去する操作によって行うことができる。また、野菜や果物の搾汁中に不溶性固形物が少量、もしくはほとんど含まれない場合には、他の野菜及び/又は果物の搾汁からろ過や遠心分離により得た不溶性固形物を添加することにより行うこともできる。また最新・ソフトドリンクス(平成15年9月30日発行、編纂:最新・ソフトドリンクス編集委員会、出版:光琳)416頁〜427頁に記載のトマト・野菜ジュースの製造法や同出典330頁〜337頁に記載の果実飲料の製造法のいずれの方法でも適宜使用しても良い。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料は、水分量が少なくとも50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上である。50質量%未満では、飲用性の低下や不溶性固形分の再分散性を低くする一因となる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料で使用するポリデキストロース及びグアガム分解物は食品の栄養表示基準制度 第2版(平成11年7月1日発行、編集 財団法人日本健康・栄養食品協会・栄養食品部、46頁〜51頁)に記載のプロスキー法(酵素−重量法)および高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)による分析対象を指し、より具体的にはポリデキストロース(成分(A))は、平成15年2月17日付け食新発第0217002号厚生労働省医薬局食品保健部企画課新開発食品保健対策室長通知の項1(「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」の一部改正)の1)および2)で定義されているエネルギー換算係数0(kcal/g)の成分である。
ポリデキストロースは、野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料中に0.5〜12質量%含有することができ、好ましくは1.5〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%、が良い。ポリデキストロースの含有量は、容器壁面からの脱着性の観点から0.5質量%以上が好ましく、また飲み易さの観点から12質量%以下が好ましい。なお、ポリデキストロースの含有量測定は食品の栄養表示基準制度 第2版(平成11年7月1日発行、編集 財団法人日本健康・栄養食品協会・栄養食品部、46頁〜51頁)に記載の高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)を使用する。このとき、不溶性固形分由来の食物繊維を除くために、日本栄養・食糧学会誌,46(3)244(1993)に記載のとおり、セライトを入れたガラスフィルター(No.2)を用いて水溶性食物繊維を分取することを行っても良い。また、併用して、酸または酵素等を作用させて加水分解することにより、成分(A)に含まれるソルビトールを指標に測定してもよい。このときの内部標準には、例えばライテスウルトラ(ダニスコジャパン(株))を用いることができる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料で使用するグアガム分解物(成分(B))は、平成15年2月17日付け食新発第0217002号厚生労働省医薬局食品保健部企画課新開発食品保健対策室長通知の項1(「栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について」の一部改正)の1)および2)で定義されているエネルギー換算係数2(kcal/g)の成分であり、このうち、グァーガム酵素分解物を使用できる。またグアガム分解物としては、酵素分解物の他、例えば化学的分解物も使用できる。
グアガム分解物は、野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料中に0.5〜10質量%含有することができ、好ましくは1.5〜8質量%、より好ましくは2〜6質量%が良い。グアガム分解物の含有量は、容器壁面からの脱着性の観点から0.5質量%以上が好ましく、また飲み易さの観点から10質量%以下が好ましい。なお、グアガム分解物の含有量測定は食品の栄養表示基準制度 第2版(平成11年7月1日発行、編集 財団法人日本健康・栄養食品協会・栄養食品部、46頁〜51頁)に記載のプロスキー法(酵素−重量法)を使用する。このとき、不溶性固形分由来の食物繊維を除くために、日本栄養・食糧学会誌,46(3)244(1993)に記載のとおり、セライト入れたガラスフィルター(No.2)を用いて水溶性食物繊維を分取することを行っても良い。また、併用して、酸または酵素等を作用させて加水分解することにより、成分(A)に含まれるソルビトールを指標に測定して高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)との差分を求めても良い。このときの内部標準には、例えばライテスウルトラ(ダニスコジャパン(株))を用いることができる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料で使用する成分(A)と成分(B)の合計量は容器詰飲料あたり約22質量%以下、より好ましくは19質量%以下、更に好ましくは16質量%以下が好ましい。約22質量%を超えると飲み易さの観点において好ましくない。
なお、本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料で使用する成分(B)を使用せず、(A)のみを使用した場合、成分(A)の大腸内での浸透圧効果によりお腹がゆるくなるなどの好ましくない影響があり、成分(B)を併せて使用することによりお腹がゆるくなるなどの好ましくない影響を低減することができる。
また、 本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料で使用する成分(A)と成分(B)の合計量は、成分(C)の不溶性固形物の体積量に対して3.4(質量%/体積%)以下であることが好ましく、より好ましくは0.05〜2、更に好ましくは0.1〜1である。成分(A)と成分(B)の合計量が、成分(C)の体積量の3.4以下とすることにより容器壁面からの不溶性固形物の脱着性が向上する。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の加熱殺菌後のpHは、保存安定性及び飲み易さの点からpH3〜5、好ましくは3.5〜4.6、更に好ましくは3.8〜4.5が良い。pHの調整は、加熱殺菌前に行う。pHの調整には、野菜汁や果汁由来にあわせて、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、pH調整剤、などの添加剤を単独、あるいは併用して用いることができる。このとき、これらの添加剤を直接、または適当な濃度に希釈した水溶液として適量加えて調整する。このときpHメーターなどによりpHを確認しながら加えても良い。これらの添加剤には、例えば、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アスコルビン酸とその塩などが挙げられる。加熱殺菌の前後でpHが変化する場合は、予め変化分を考慮して加熱殺菌前のpHを調整すると良い。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の加熱殺菌処理後の粘度は300 mPa・s以下の範囲が好ましく、より好ましくは1〜250mPa・s、更に好ましくは2〜225mPa・s、特に好ましくは3〜200mPa・sが良い。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の野菜飲料は、たとえば、最新・ソフトドリンクス(平成15年9月30日発行、編纂:最新・ソフトドリンクス編集委員会、出版:光琳)の12〜13頁に記載されている(7)野菜飲料の1)〜8)に該当する飲料を指す。より具体的には1)トマトジュース、2)トマトミックスジュース、3)トマト果汁飲料、4)にんじんジュース、5)にんじんミックスジュース、6)野菜ジュース、7)野菜果汁ミックスジュース、8)その他野菜飲料が挙げられる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の果汁飲料は、最新・ソフトドリンクス(平成15年9月30日発行、編纂:最新・ソフトドリンクス編集委員会、出版:光琳)の10〜11頁に記載されている(2)果実飲料の1)〜8)に該当する飲料を指す。より具体的には1)果実ジュース、2)果実ミックスジュース、3)果汁入り飲料、4)果肉飲料、5)果粒入り果実飲料、6)果汁入り混合飲料、7)果汁入り炭酸飲料、8)その他直接飲料などである。一方、同出典の10〜11頁に記載されている9)き釈飲料、10)フルーツシロップは明確にこれを除外する。また本発明の飲料は、より好ましくは8)その他の直接飲料を除いた1)〜7)の飲料が良い。
なお、上記野菜汁飲料と上記果汁飲料の混合飲料も本発明の範囲に含まれる。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。また使用するは紙容器よりも酸素透過性が低いものが好ましく、容器の酸素透過係数(22℃)は0.0001〜0.1mL/350mL・day・atm、好ましくは、0.0005〜0.08mL/350mL・day・atm、より好ましくは0.001〜0.06mL/350mL・day・atm、更に好ましくは、0.0015〜0.04mL/350mL・day・atmである。着色された酸素透過性の容器であっても、透明容器であれば含まれる。沈殿物の付着を確認できる透明容器が好ましく、透明容器とは実質的に容器底部の沈殿物の有無を視認できるものをいう。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料は、野菜汁や果汁由来にあわせて、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合しても良い。
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造される。またPETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。その際、無菌下で容器に充填してもよい。また無菌下で充填された容器に別の成分を無菌下で後から充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。
(容器詰飲料の製造法)
実施例1:水に有効量として2.0gの加熱処理を施したポリデキストロースと有効量として1.5gのグアガム分解物を溶かし込み全量50gの水溶液を調製した。次に不溶性固形分量を調節した2倍濃縮トマト汁50gと混合し、調製液100gを得た。
スクリュー管(硼珪酸ガラス、容量110mL、胴径40.0mm、全長120mm、口内径20.0mm:マルエム社製、型番No.8)に調製液90mLを充填した後、キャップにてシールを行い、殺菌条件85℃、40分の殺菌処理を施した。殺菌後速やかに水にて常温になるまで冷却を行った。
実施例2〜4、比較例1〜3においても表1に記載の通り、ポリデキストロース及びグアガム分解物の量を調整して調製液を得た後、同様の殺菌条件を用いた。尚、実施例1及び比較例3では不溶性固形物量が15体積%となるように調節した2倍濃縮トマト汁(1)を用い、比較例1、2では容器詰飲料の不溶性固形物量が1体積%となるように調節した2倍濃縮トマト汁(2)を用い、実施例2、3では容器詰飲料の不溶性固形物量が8体積%となるように調節した2倍濃縮トマト汁(3)、(4)を用い、実施例4では容器詰飲料の不溶性固形物量が12体積%となるように調節した2倍濃縮トマト汁(5)を用いた。
ポリデキストロース:ライテスウルトラ(ダニスコジャパン(株))
グアガム分解物:サンファイバーR(太陽化学(株))
(不溶性固形物量測定法)
本発明の野菜汁及び/又は果汁含有容器詰飲料の内容物10mLを日本農林規格検査法(日本果実協会監修:最新果汁・果実飲料事典 566頁から575頁,出版:朝倉書店)記載の不溶性固形物の分析法で定義される不溶性固形物測定用遠心沈殿管にとり、回転半径14.5cmの遠心分離機で3000回転数を示してから正確に30分間遠心する。上清を5mL抜き取り、蒸留水を5mL加えて、回転半径14.5cmの遠心分離機で3000回転数を示してから正確に30分間遠心する。さらに、上清を5mL抜き取り、蒸留水を5mL加えて同様に、回転半径14.5cmの遠心分離機で3000回転数を示してから正確に30分間遠心する。操作は20℃で行い自然停止してから直ちに沈殿の平均した上端までの容積を読む。
(水分量の測定法)
常圧にて、105℃、2時間の加熱乾燥法によって測定した。
(ポリデキストロース、グアガム分解物の測定法)
ポリデキストロースは、食品の栄養表示基準制度 第2版(平成11年7月1日発行、編集 財団法人日本健康・栄養食品協会・栄養食品部、46頁〜51頁)に記載の高速液体クロマトグラフ法(酵素−HPLC法)を使用し、グアガム分解物は、同文献に記載のプロスキー法(酵素−重量法)を使用した。
(加熱殺菌処理後のpHの測定法)
pHは、サンプルの品温を20℃にした後、(株)堀場製作所製pHメーター(F−22)を使用し測定した。
(加熱殺菌処理後の粘度の測定法)
粘度は、サンプルの品温を20℃にした後、(株)トキメック製B8L型粘度計を使用して測定した(回転子:No.1、回転速度:60回転/分)。
(脱着性の評価方法)
製造された容器詰飲料を保存条件25℃、10日間の条件で静置したものを評価対象とした。脱着性の評価は容器を角速度90度/2秒の速度で横倒し、連続して更に角速度90度/2秒の速度で倒立状態まで持っていった。容器倒立後20秒間静置させている間に脱着性1回目の評価を実施した。脱着性の評価は容器底部の状態を目視で観察することによって実施した。20秒間の静置の後、逆方向へ角速度90度/2秒の速度で正立まで戻した。脱着性2回目以降の評価は、1回目の評価方法に準拠して実施した。また各脱着性評価間(例えば脱着性1回目と脱着性2回目の間の時間間隔を指す)の時間間隔はいずれも正立後、速やかに次の評価へと移行した。
(再分散性の評価方法)
脱着性評価の3回目の観察時に同時に再分散性の評価を実施した。
(脱着性評価基準)
容器底部の沈殿物の輪(底部周辺部)が途切れていない ××
容器底部の沈殿物の輪が5割以上〜10割未満で途切れていない ×
容器底部の沈殿物の輪が2割以上〜5割未満で途切れていない △
容器底部の沈殿物の輪が2割未満で存在する ○△
容器底部の沈殿物の輪が存在しない ○
(再分散性評価基準)
塊が米粒大以上である ×
塊が米粒より小さく、胡麻粒状の大きさで認められる △
塊が胡麻粒より小さく、微細な粒子として認められる ○△
塊が認められない ○
Figure 2007029081
*果汁ミックス(1)の調製法:野菜生活100(カゴメ社製)1000g、アロエ1/5(東京フードテクノ社製)10g、オレンジみかん100%(glico社製)10g、ももジュース果汁20%(小岩井社製)10gを混合し、その後に水を加えて、ブリックス4.3になるように調節したものを使用した。また、実施例3におけるトマト汁(4)のブリックスも4.3に調節したものを使用した。尚、野菜生活100の内容物はニンジン、ホウレンソウ、パセリ、セロリ、キャベツ、レモン、リンゴであった。また飲料中の不溶性固形物のトマト由来は19体積%であった。
*果汁ミックス(2)の調製法:野菜生活100(カゴメ社製)1000g、アロエ1/5(東京フードテクノ社製)10g、オレンジみかん100%(glico社製)10g、ももジュース果汁20%(小岩井社製)10gを混合し、その後に水を加えて、ブリックス5.8になるように調節したものを使用した。また、実施例4におけるトマト汁(5)のブリックスも5.8に調節したものを使用した。尚、野菜生活100の内容物はニンジン、ホウレンソウ、パセリ、セロリ、キャベツ、レモン、リンゴであった。また飲料中の不溶性固形物のトマト由来は33体積%であった。
表1から明らかなように、ポリデキストロースとグアガム分解物を配合していない比較例1、3では容器底部に付着した沈殿の脱着性が悪いのに対し、ポリデキストロースとグアガム分解物を配合した実施例1〜4では脱着性が改善されることがわかった。また、不溶性固形物が少ない比較例2ではポリデキストロースとグアガム分解物を配合しても脱着性が改善しにくいことが判った。

Claims (6)

  1. 次の成分(A)〜(D):
    (A)ポリデキストロース 0.5〜12質量%、
    (B)グアガム分解物 0.5〜10質量%、
    (C)不溶性固形物 2〜30体積%、
    (D)水分 50質量%以上、
    を含有し、
    (1)((A)+(B))/(C)≦3.4(質量%/体積%)、
    (2)加熱殺菌処理後のpH3〜5、
    (3)加熱殺菌処理後の粘度 300mPa・s以下
    である野菜汁及び/又は果汁容器詰飲料。
  2. 野菜汁としてトマト、ホウレンソウ、ニンジン、パセリ、セロリ、キャベツ及びアロエから選ばれる1種又は2種以上の野菜汁を含有するものである請求項1記載の容器詰飲料。
  3. 果汁としてレモン、りんご、みかん、オレンジ及びももから選ばれる1種又は2種以上の果汁を含有するものである請求項1又は2記載の容器詰飲料。
  4. 容器詰飲料が野菜飲料又は野菜・果汁混合飲料のいずれかである請求項1乃至3のいずれか1項記載の容器詰飲料。
  5. 容器詰飲料の容器が透明容器である請求項1乃至4のいずれか1項記載の容器詰飲料。
  6. 容器詰飲料の容器の酸素透過性が0.0001〜0.1mL/350mL・day・atmである請求項1乃至5のいずれか1項記載の容器詰飲料。
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