JP2000228962A - 野菜搾汁液の製造方法 - Google Patents

野菜搾汁液の製造方法

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JP2000228962A
JP2000228962A JP11030527A JP3052799A JP2000228962A JP 2000228962 A JP2000228962 A JP 2000228962A JP 11030527 A JP11030527 A JP 11030527A JP 3052799 A JP3052799 A JP 3052799A JP 2000228962 A JP2000228962 A JP 2000228962A
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vegetable
vegetables
treatment
vegetable juice
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JP11030527A
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Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Hiroshi Sasai
博司 笹井
Aki Sannomiya
亜希 三宮
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Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モロヘイヤ、オクラ、ツルムラサキ等のぬめ
りを有する野菜の搾汁液を調製する際、搾汁液の粘度を
低下させ、そのぬめり感を低減するとともに、風味が良
好な搾汁液の製造方法を提供すること。 【解決手段】 ぬめりを有する野菜を搾汁して野菜搾汁
液を製造するに際し、搾汁の前処理工程として少なくと
も(a)野菜を冷凍後、解凍する工程、および/また
は、搾汁の後処理工程として少なくとも(b)野菜搾汁
液に有機酸を添加する工程を含むことを特徴とする野菜
搾汁液の製造方法並びにこの方法により得られる野菜搾
汁液およびこれを含有する飲料ないし食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ぬめりを有する野
菜から野菜搾汁液を製造する方法およびこの野菜搾汁液
を含有する飲料や食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、商品として提供されている野菜飲
料としては、トマトジュースをベースとするものが多数
を占めており、その他の野菜飲料としては、比較的臭気
の少ないニンジンやほうれん草、かぼちゃ等を原料とし
たものが提供されているに過ぎない。しかし、近年の消
費者の健康意識・嗜好性の向上に伴い、より多くの種類
の野菜飲料や、多くの野菜を原料とした野菜飲料の提供
が要望されている。
【0003】ところで、モロヘイヤ、オクラ、ツルムラ
サキ等の野菜は、比較的臭気も少なく、栄養価も高いた
め、飲料等の原料として好ましいものである。このう
ち、モロヘイヤはカリウム、カルシウムの他多くのビタ
ミン類を含んでおり、近年特に注目されている食品素材
である。また、オクラはビタミンA、C、カルシウム、
鉄などを多く含み、ツルムラサキはカルシウム、鉄、ビ
タミンA、B 、Cを多く含むことが知られている。
【0004】これらの野菜のうち、特にモロヘイヤの利
用に関してはいくつかの報告がなされており、特開昭6
2−107753号公報、特開平1−196282号公
報、特開平5−38358号公報、特開平5−9183
7号公報、特開平5−176704号公報、特開平5−
244885号公報、特開平6−62777号公報等
に、モロヘイヤの粉末、あるいはモロヘイヤ抽出物を添
加してなる食品や飲料等が開示されている。
【0005】しかしながら、モロヘイヤ、オクラ、ツル
ムラサキ等は、不溶性の繊維質など高粘度成分を多く含
有しているため、これらから抽出液を得る際に特有の粘
性が生じ、抽出残渣と抽出液とを分離する作業の障害と
なるばかりか、抽出残渣からの抽出液(エキス分)を充
分に分離できない原因ともなっていた。また、得られた
モロヘイヤ等のエキスは、粘性を有しているがゆえに飲
料原料等と均一に混合することが難しいなど、その取り
扱いに問題があり、また、飲料自体の粘性も高くなるた
め独特のぬめり感が生じてしまい飲みにくいという問題
もあった。
【0006】これに対し、特開平10−191922号
公報には、モロヘイヤを有機酸または有機酸塩を添加し
た熱水で抽出することで、モロヘイヤエキス(モロヘイ
ヤ抽出液)の粘度を低下させる技術が開示されている。
しかし、この方法で得られるエキスを使用し飲料を調製
すると、保存時に沈澱が生じる傾向にあり、また、エキ
スは乾燥葉を使用するために、独特の枯葉臭があるとい
う問題がある。
【0007】また、一般に野菜の搾汁液は、抽出液に比
べより多くの栄養成分等を含んでいるため、上記ぬめり
を有する野菜類の利用においても、抽出より搾汁して利
用できることが望ましい。しかし、上記のような高粘度
成分を有する野菜類から搾汁液を調製しようとしても、
搾汁液は抽出液よりもさらにBx(ブリックス:可溶性
固形分濃度)値が高くなるため、粘度もより高くなり、
一層取り扱いが困難であった。
【0008】すなわち、一般的に搾汁液の調製は、原料
を洗浄し、熱水または蒸気にてブランチングをした後、
冷却、水切りし、適宜グレーダーやミル等を用いて破砕
を行ない、デカンターやフィルタープレス等を用いて搾
汁する工程により実施されるが、上記のような野菜では
破砕後の液の粘性が高く、パルプ分離することが非常に
困難であり、搾汁効率も低いという問題があった。この
ため、モロヘイヤ等のぬめりを有する野菜から、粘度
面、風味面等における問題点の解消された搾汁液を製造
する方法が望まれているが、未だ十分な方法は確立され
ていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、モ
ロヘイヤ等のぬめりを有する野菜の搾汁液を調製する
際、搾汁液の粘度を低下させ、そのぬめり感を低減する
とともに、風味が良好な搾汁液の製造方法を提供するこ
とを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記実情に鑑み、本発明
者らは鋭意研究の結果、ぬめりを有する野菜を搾汁して
野菜搾汁液を製造するに際し、特定の前処理または後処
理を行うことで、意外にも搾汁液の粘度を低下させられ
るとともに、ぬめり感がなく、風味良好な搾汁液を得る
ことができることを見出し本発明を完成した。
【0011】すなわち本発明は、ぬめりを有する野菜を
搾汁して野菜搾汁液を製造するに際し、搾汁の前処理工
程として少なくとも次の工程(a) (a)野菜を冷凍後、解凍する工程および/または、搾
汁の後処理工程として少なくとも次の工程(b) (b)野菜搾汁液に有機酸またはその誘導体を添加する
工程を含むことを特徴とする野菜搾汁液の製造方法を提
供するものである。
【0012】更に本発明は、上記方法により得られる粘
性の低減された野菜搾汁液およびこの野菜搾汁液を含有
する飲料ないし食品を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、野菜搾汁液を得
るための原料となるぬめりを有する野菜とは、細断・破
砕することで曳糸性のぬめりを生ずる野菜をいい、その
具体例としては、モロヘイヤ、オクラ、ツルムラサキ等
が挙げられる。ぬめりを有する野菜の多くは、多糖類を
含有するため、これがぬめりや粘性を生じる原因と考え
られる。
【0014】また、野菜搾汁液とは、原料野菜から粗大
パルプや繊維分を除去した液体をいい、例えばフィルタ
ープレス、スクリュープレス、遠心分離機(デカンタ
ー)等を用いて原料野菜を搾汁することにより調製され
るものである。
【0015】本発明方法は、主工程である搾汁工程に先
立ち、前処理として原料野菜を冷凍後、解凍する工程
(a)を実施する方法(第1態様発明)と、主工程であ
る搾汁工程後に、後処理として野菜搾汁液に有機酸また
はその誘導体を添加する工程(b)を実施する方法(第
2態様発明)含むものである。もちろん、主工程である
搾汁工程の前処理として工程(a)、後処理として工程
(b)を行なうことも可能であり、より優れた効果が得
られる。
【0016】第1態様発明の前処理工程(a)は、搾汁
対象となる原料野菜を一旦冷凍し、その後解凍すること
により実施される。原料野菜は、例えばモロヘイヤであ
れば主に葉の部分を、オクラであれば主に果実を、ツル
ムラサキであれば主に若芽を、それぞれ用いる。これら
は上記部位をそのまま、あるいは適宜カットしたり、破
砕等の簡単な処理を施してから用いてもよい。また、そ
の他の部位を搾汁の対象として適宜併用してもよい。
【0017】冷凍は、通常用いられる冷凍庫、フリージ
ングトンネルや、液体窒素をはじめとする液化ガス等を
用いて行うことができる。その際、冷凍条件は特に限定
されず、完全凍結の状態が得られればよい。特に、−2
0℃以下の温度で完全凍結の状態が得られる時間処理す
れば、その後の搾汁工程を経て得られる搾汁液の粘度を
低下させる効果が高くなるため好ましい。また、解凍
は、作業時間の短縮や原料の品質保持の観点から60分
以内に行うことが好ましい。解凍は、冷凍された野菜を
室温下に放置して行えばよく、また、クラッシュヒータ
ー等の装置を用いてもよい。
【0018】なお、上記工程(a)においては、採取
し、洗浄した生の状態の野菜を利用しても良いが、ブラ
ンチング処理した状態の野菜を利用すると、搾汁液の粘
度を一層低下させ、搾汁液の収率もよくなるためより好
ましい。このブランチング処理とは、果実・野菜等の加
工中にポリフェノールオキシダーゼによる褐変や、ビタ
ミンC酸化酵素によるビタミンCの分解などが生ずるの
を抑制する為に、加工操作の最初に加熱してこれらの酵
素を不活性化させる処理をいう。このブランチングには
殺菌の効果もあり、加工中の微生物による変敗防止も兼
ねるものである。
【0019】上記のブランチング処理は、常法により熱
水もしくは蒸気で加熱処理を行えばよいが、より粘度を
低下させるためには、80℃〜90℃の温度で、1〜5
分間程度の条件で実施することが好ましい。
【0020】次に、第2態様発明の工程(b)について
説明する。この工程は、主工程である搾汁工程で得られ
た搾汁液に有機酸またはその誘導体を添加することによ
り実施される。添加する有機酸またはその誘導体として
は、例えばL−アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、
酒石酸、フマル酸等の有機酸、あるいは塩を含むこれら
の誘導体が挙げられ、食品に添加可能なものを1種また
は2種以上組合せて使用することができる。また本発明
では、有機酸として例えばレモンや梅果汁のように酸度
の高い果汁を用いることも可能である。
【0021】上記有機酸またはその誘導体(以下、「有
機酸等」という)の中でも、アスコルビン酸またはその
誘導体を用いると、搾汁液の粘度を低下させる効果が高
く、搾汁液の風味も良質となるためより好ましい。
【0022】有機酸等の添加は、搾汁液のpHが6.3
以下、特に5.6以下になるまで行うと、搾汁液の粘度
を低下させる効果が高くなるため好ましい。また、10
0%搾汁液としての風味を考慮すると、搾汁液のpHは
4.0以上、特に4.2以上とすることが好ましい。
【0023】また、第2態様発明においては、搾汁液に
有機酸等を添加する工程(b)の後に、さらに工程
(c)として加熱処理を施すことがより好ましい。この
ように、有機酸等の添加と加熱処理を組み合わせること
によって、搾汁液の粘度を一層低下させることが可能と
なる。上記工程(c)の加熱処理は、およそ85℃〜1
00℃の温度を、達温から10分間程度保持すればよい
が、特に90℃以上で5分間以上の加熱を行うことが好
ましい。
【0024】以上説明した第1態様発明または第2態様
発明のいずれかを実施することによって、ぬめりを有す
る野菜搾汁液の粘度を低下させ、かつ、ぬめり感の抑制
された良質な風味の野菜搾汁液を得ることができる。し
かし、両者を併用することにより、更に低粘度の搾汁液
を得ることができる。
【0025】なお、本発明方法においては、最後に、搾
汁液の不溶物を除去する処理を加えることができる。こ
の不溶物の除去工程は、遠心分離、濾過等の通常用いら
れている手段により行うことができる。この不溶物除去
処理は、搾汁液もしくはこれを含有する飲料等の保存時
の沈殿生成を顕著に抑制することができる。
【0026】上記の不要物の除去工程が実施できるの
は、本発明方法で得られた搾汁液が従来のエキスや搾汁
液と比較して、沈殿物となりうる成分の除去を容易に行
うことが可能となるためであり、この工程を加えること
は本発明方法によって、例えばモロヘイヤ等の透明飲料
を製造する際に特に有用である。
【0027】本発明の搾汁液の製造方法では、上記工程
以外は、主工程である搾汁工程を含め、常法により実施
することができる。すなわち、ぬめりを有する野菜を原
料とし、これを洗浄後水切りし、適宜グレーダーやミル
等を用いて破砕し、デカンターやフィルタープレス、ス
クリュープレス等を用いて搾汁する通常の搾汁方法によ
り実施することができる。
【0028】こうして得られるぬめりを有する野菜の搾
汁液は、その粘度が低減されている上、ぬめり感の抑制
された良質な風味を有し、野菜飲料や野菜搾汁含有食品
の製造に供しやすい。すなわち、本発明方法により得ら
れた搾汁液は、調製後の混合、殺菌等各種作業工程にお
ける均質化、送液等が簡便に行うことができ、また、野
菜飲料や野菜搾汁含有食品の調製に用いる際には、搾汁
液をそのままあるいは必要に応じ常法により濃縮あるい
は希釈して用いることができる。
【0029】なお、本発明方法により得られた搾汁液の
粘度をより低減化させる必要がある場合は、酵素処理等
を施すことができる。この場合に好適に用いられる酵素
製剤としては、例えば、ペクチナーゼ、セルラーゼ、ヘ
ミセルラーゼ、プロテアーゼ、マンナーゼ等が挙げら
れ、搾汁液の種類に応じて適宜選択して使い分けること
ができる。
【0030】前記した野菜搾汁液を利用した飲料や食品
の調製は、通常用いられている手段により行うことがで
きる。例えば、1種または2種以上の野菜搾汁液と、そ
の他の原料とを所定の処方箋に従って配合し、混合、殺
菌、充填等すればよい。配合される他の原料としては、
ケール、ホウレンソウ、ニンジン、アロエ、キャベツ、
ピ−マン、セロリ等の野菜の搾汁液、アップル、パイン
アップル、レモン、オレンジ、ブドウ、グレープフルー
ツ等の果汁、グラニュー糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖、
ぶどう糖果糖液糖、トレハロース、パラチノース、アス
パルテーム、マルチトール、キシリトール、エリスリト
ール等の糖質、デンプン類の食品原料、その他香料や各
種ビタミン類等が例示される
【0031】特に本発明の搾汁液から飲料を調製する際
には、搾汁液を飲料中に重量換算で1〜100%配合す
れば、粘性、沈澱等の物性面および風味の良好な飲料を
製造することが可能となる。
【0032】さらに、本発明の野菜搾汁液は、野菜飲料
に限らず、各種医薬品、化粧品、消臭剤等の用途にも適
用可能である。これらの製造も、適宜他の成分を配合
し、通常の手段により行えばよい。
【0033】
【実施例】以下、実施例および試験例を挙げて本発明を
更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約され
るものではない。
【0034】試 験 例 1 冷凍処理効果の検討:モロヘイヤの生葉を原料とし、冷
凍、解凍処理等が搾汁液の粘度や風味に与える影響を検
討した。すなわち、モロヘイヤの生葉約300gを以下
のサンプル1〜4の条件で冷凍および/またはブランチ
ングし、遠心型搾汁機((株)日立家電製VA−17J
型)で搾汁し、得られた搾汁液の性状測定および風味評
価を行った。搾汁液の粘度はBL型粘度計((株)トキ
メック製)にて測定し、風味の評価は下の風味評価の指
標に従って行った。この結果を表1に示す。
【0035】( 処理条件 ) サンプル1:生葉を冷凍せずにブランチングし、搾汁し
た(コントロール)。 サンプル2:生葉をそのまま冷凍(−20℃の冷凍庫に
一晩放置)した。翌日解凍後、ブランチングし搾汁し
た。 サンプル3:生葉をブランチング(85℃、3分間)後
に冷凍(−20℃の冷凍庫に一晩放置)した。翌日解凍
後、搾汁した。 サンプル4:生葉をブランチング(85℃、3分間)
後、粗ピューレ状に加工し、冷凍(−20℃の冷凍庫に
一晩放置)した。翌日解凍後搾汁した。
【0036】( 風味評価の指標 )専門パネラー12
名により試飲を行い、サンプル1〜4を飲みやすい順に
1〜4位まで順位付けして評価した。表1では、得られ
た順位を平均した数値を風味評価として記載した。
【0037】( 結 果 )
【表1】
【0038】表1から明らかなように、冷凍後解凍する
ことで粘度を低下できることがわかり、特に冷凍前にブ
ランチング処理することで、低粘度かつ風味良好な搾汁
液を収率よく得られることがわかった。
【0039】試 験 例 2 酸処理条件(酸の種類)の検討: (1)モロヘイヤの生葉約1kgを水洗い、水切りし、
ブランチング処理後冷却、又は生葉のまま細断し、搾汁
機(試験例1と同じ)で搾汁した。得られた搾汁液に表
2に示す各種条件の酸処理を施し、試験例1と同様にそ
の性状測定を行った。なお、ブランチング処理は全て8
5℃、3分間の条件で行った。結果を表2に示す。
【0040】( 結 果 )
【表2】
【0041】表2から明らかなように、酸添加により搾
汁液の粘度が低下することがわかった。特に、アスコル
ビン酸添加後、5分間加熱したサンプルで、最も低粘度
の搾汁液が得られた。また、サンプル14は粘度が高す
ぎ、測定不能であった。
【0042】(2)上記表2のサンプル1、3〜9、1
3および14について、以下の指標に基づき専門パネラ
ーによる風味評価を行った。その結果を表3に示す。
【0043】 <評点> < 風 味 内 容 > 5 : 野菜特有の雑味(渋味、収斂味等)やぬめり感がなく、飲み やすい。 4 : 野菜特有の雑味はあまり感じられないが、ややぬめり感があ る。 3 : 雑味がやや感じられ、ぬめり感があり、やや飲みにくい。 2 : 雑味・ぬめり感がしっかり感じられ、かなり飲みにくい。 1 : 雑味・ぬめり感が強く、非常に飲みにくい。
【0044】( 結 果 )
【表3】
【0045】表3の結果から、本発明方法により得られ
たサンプルは、コントロール(サンプル14)やブラン
チング処理のみを施したサンプル1に比べ、いずれも良
好な風味を有していることが明らかになった。その中で
も、酸としてアスコルビン酸を用いたサンプルが特に良
好な風味を有していた。
【0046】試 験 例 3 酸(アスコルビン酸)添加量の検討:モロヘイヤの生葉
約1kgを水洗い、水切りし、ブランチング後、搾汁機
(試験例1と同じ)で搾汁した。得られた搾汁液に表4
に示す各種濃度のアスコルビン酸を添加し、試験例2と
同様にその性状測定および風味評価を行った。なお、ブ
ランチング処理は、85℃、3分間にて行った。結果を
表4に示す。
【0047】( 結 果 )
【表4】
【0048】表4から明らかなように、アスコルビン酸
の添加量0.05%以上、すなわち、搾汁液のpH6.3
以下で粘度低下が見られ、アスコルビン酸の添加量0.
10%ないし0.50%、すなわち、搾汁液のpH4.2
〜5.6程度で低粘度かつ風味良好な搾汁液が得られ
た。
【0049】試 験 例 4 沈澱量の比較:下に示す3種のサンプル(モロヘイヤエ
キスおよび搾汁液)を調製し、保存時の沈殿量を比較し
た。すなわち、これらを90℃、達温まで加熱し、12
0mlガラス瓶に熱間充填し、倒置殺菌後冷却した。こ
のサンプルを5℃にて3週間保存し、沈殿物の発生状況
を経時的に観察し、下に示す評価基準に基づいて判定し
た。その結果を表5に示す。
【0050】( サンプル ) モロヘイヤエキス:市販のモロヘイヤエキス(株式会社
長野サンヨーフーズ製)を水で希釈し、下記搾汁液と同
一のBx(Bx1.6)とした。 搾汁液(比較品):モロヘイヤ生葉1kgを遠心型搾
汁機で搾汁し、得られた搾汁液を水で希釈して下記搾汁
液と同一のBx(Bx1.6)に調整した。 搾汁液(本発明品):モロヘイヤ生葉1kgを85℃
で、3分間ブランチング後冷凍し、翌日解凍搾汁した。
得られた搾汁液にアスコルビン酸0.5%を添加し、9
0℃で5分間加熱処理を行った後、遠心分離を行なって
透明搾汁液(Bx1.6)を得た。
【0051】( 評価基準 ) <評価> < 内 容 > − : 沈澱物がない ± : 沈澱物があるが目立たない + : 沈澱物がある ++ : 沈澱物がかなりある
【0052】( 結 果 )
【表5】
【0053】表5から明らかなように、本発明の方法で
調製された搾汁液からは、殆ど沈殿物が発生しなかっ
た。これに対し、モロヘイヤ生葉を搾汁し、水で希釈し
ただけの搾汁液は、調製直後から均一に分散せず沈殿
を生じた。
【0054】試 験 例 5 オクラでの処理効果の検討:オクラ生果約300gを原
料とし、下記搾汁条件により2つの搾汁液サンプルを得
た。この搾汁液サンプルについて、その物性を測定した
結果を表6に示す。なお、粘度はBL型粘度計では測定
できず、トマトペースト用粘度測定器であるボストウィ
ック粘度計を使用した。
【0055】( 搾汁条件 ) 条件1:生果を直接、搾汁機(試験例1と同じ)で搾汁
した(サンプルNo.1;比較品)。 条件2:生果を85℃、3分間ブランチング後、−20
℃の冷蔵庫で一晩放置して冷凍処理を行い、翌日解凍
後、搾汁した。得られた搾汁液に対してアスコルビン酸
を0.5%量添加し、90℃、5分間の酸加熱処理を行
った(サンプルNo.2:本発明品)。
【0056】( 結 果 )
【表6】
【0057】表6から明らかなように、サンプルNo.
1(比較品)では全く飲料にすることのできない物性で
あったが、サンプルNo.2(本発明品)では液状であ
り、飲料化が可能な物性であった。更にBxを同一とす
るために、サンプルNo.1に水を加えても分散でき
ず、希釈することもできなかった。
【0058】実 施 例 1 飲料の製造(モロヘイヤ):生モロヘイヤ葉を85℃
で、3分間ブランチング処理した後、冷凍し、翌日解凍
した後に破砕、搾汁した。搾汁液にアスコルビン酸を
0.5%加え、90℃で、5分間酸加熱処理を行い、遠
心分離にて不溶物を除去し、搾汁液を得た。この搾汁液
を用いて常法に従い、下記表7に記載した配合で飲料を
製造した。
【0059】( 配 合 )
【表7】 ─────────────────────── 原 料 1000gあたり ─────────────────────── モロヘイヤ搾汁液 300.0g トレハロース 50.0g レモン果汁 5.0g 原料水 645.0g ─────────────────────── 合 計 1000.0g ───────────────────────
【0060】得られた飲料の性状は、Bx5.5、酸度
0.22%、pH4.0であった。上記のようにして製造
されたモロヘイヤ搾汁液の粘性が低いために、飲料の製
造に当たっても他の成分と配合させやすく、取り扱いは
極めて容易であった。また、香味については枯れ草臭が
なく、粘度の点からも飲みやすいものであった。
【0061】実 施 例 2 飲料の製造(オクラ) 生オクラを85℃で、3分間ブランチング処理した後、
冷凍し、翌日解凍した後に破砕、搾汁した。搾汁液にア
スコルビン酸を0.5%加え、90℃で、5分間酸加熱
処理を行い、搾汁液を得た。この搾汁液を用いて常法に
従い、下記表8に記載した配合の飲料を製造した。
【0062】( 配 合 )
【表8】 ─────────────────────── 原 料 1000gあたり ─────────────────────── オクラ搾汁液 200.0g 果糖ブドウ糖液糖 71.0g クエン酸 2.8g ビタミンC 5.0g 原料水 721.2g ─────────────────────── 合 計 1000.0g ───────────────────────
【0063】得られた飲料の性状は、Bx6.4、酸度
0.30%、pH4.1であった。上記のようにして製造
されたオクラ搾汁液は粘性が低いために、飲料の製造に
当たっても他の成分と配合させやすく、取り扱いは容易
であった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、ぬめりを有する野菜を
原料として、粘度を低下させた風味良好な搾汁液を得る
ことができるため、野菜飲料等の作業性向上、風味改善
等が可能となる。また、本発明により得られる粘性の低
減された野菜搾汁液は、食品素材として幅広い用途に利
用できるものである。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宮 亜希 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 Fターム(参考) 4B016 LC02 LG05 LK04 LP01 LP02 LP06 LP11 LP13 4B017 LC02 LG07 LP01 LP14 LP18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ぬめりを有する野菜を搾汁して野菜搾汁
    液を製造するに際し、搾汁の前処理工程として少なくと
    も次の工程(a) (a)野菜を冷凍後、解凍する工程および/または、搾
    汁の後処理工程として少なくとも次の工程(b) (b)野菜搾汁液に有機酸またはその誘導体を添加する
    工程を含むことを特徴とする野菜搾汁液の製造方法。
  2. 【請求項2】 野菜が、生野菜またはブランチング処理
    した野菜である請求項1記載の野菜搾汁液の製造方法。
  3. 【請求項3】 後処理として、工程(b)の後に更に次
    の工程(c) (c)加熱工程を含むことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の野菜搾汁液の製造方法。
  4. 【請求項4】 後処理工程(b)または(c)の後に、
    更に搾汁液から不溶物を除去する処理を含む請求項1な
    いし請求項3のいずれかの項記載の野菜搾汁液の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 ぬめりを有する野菜が、モロヘイヤ、オ
    クラまたはツルムラサキである請求項1ないし請求項4
    のいずれかの項記載の野菜搾汁液の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかの項
    に記載の方法により製造される粘性が低減された野菜搾
    汁液。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の野菜搾汁液を含有する飲
    料ないし食品。
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