JPH10215835A - 甘藷ジュースの製造方法 - Google Patents

甘藷ジュースの製造方法

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JPH10215835A
JPH10215835A JP9041635A JP4163597A JPH10215835A JP H10215835 A JPH10215835 A JP H10215835A JP 9041635 A JP9041635 A JP 9041635A JP 4163597 A JP4163597 A JP 4163597A JP H10215835 A JPH10215835 A JP H10215835A
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哲也 深谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粘度が低く、糖度が高い、したがって飲み易い
甘藷ジュースを歩留まり良く製造できる、甘藷ジュース
の製造方法を提供する。 【解決手段】下記の第1工程、第2工程及び第3工程を
経て甘藷ジュースを製造する。 第1工程:甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキ
シダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化す
る条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%
となるように加熱処理する工程。 第2工程:加熱処理した甘藷を圧搾搾汁する工程。 第3工程:圧搾搾汁した搾汁液分を該搾汁液分中の澱粉
粒に基因する粘度が低下するように処理する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は甘藷ジュースの製造
方法、更に詳しくは飲み易い甘藷ジュースを歩留まり良
く製造できる甘藷ジュースの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、甘藷ジュースの製造方法として、
甘藷を剥皮し、加熱処理した後、切断して、ジューサー
で搾汁することが提案されている(名古屋女子大学紀要
41巻,93〜100頁,1995年)。最近、高色素
含量の甘藷が種々提供されており、上記の従来法でも、
これら高色素含量の甘藷が検討されている。この従来法
で甘藷ジュースを製品化する場合、ジューサーで搾汁し
た搾汁液分を何らかの容器に充填して密封し、通常はそ
の前後で加熱殺菌してから冷却する。ところが、かかる
従来法で甘藷ジュースを製品化すると、実際のところ、
粘度が高く、糖度が低い、したがって飲み難い甘藷ジュ
ースになってしまい、とりわけ歩留まりが悪いという欠
点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来法で甘藷ジュースを製品化すると、粘
度が高く、糖度が低い、したがって飲み難い甘藷ジュー
スになってしまい、とりわけ歩留まりが悪い点である。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記の課題を解決するべく研究した結果、甘藷に特定の
加熱処理、圧搾搾汁及び圧搾搾汁した搾汁液中の澱粉粒
に基因する粘度の低下処理を組み合わせて施すと、粘度
が低く、糖度が高い、したがって飲み易い甘藷ジュース
を歩留まり良く製品化できることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、下記の第1工程、第2
工程及び第3工程を経ることを特徴とする甘藷ジュース
の製造方法に係る。 第1工程:甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキ
シダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化す
る条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%
となるように加熱処理する工程。 第2工程:加熱処理した甘藷を圧搾搾汁する工程。 第3工程:圧搾搾汁した搾汁液分を該搾汁液分中の澱粉
粒に基因する粘度が低下するように処理する工程。
【0006】本発明において、原料として用いる甘藷
は、その品種に特に制限はなく、これには例えば、1)
ベニアズマ、ベニサツマ、高系14号等の一般流通品で
ある黄系甘藷、2)ベニハヤト、ヘルシーレッド、ひが
しやま、九州120号等のβ−カロチンを多く含む橙系
甘藷、3)山川紫、知覧紫、種子島紫、九州109号、
九州113号、ナカムラサキ等のアントシアニンを多く
含む紫系甘藷があるが、なかでも、いずれも上記したよ
うな、β−カロチンを1.0mg%以上含有する高カロチ
ン含量の橙系甘藷或はその周皮を除いた部分にアントシ
アニンを色価で0.10以上含有する高アントシアニン
含量の紫系甘藷が好ましい。高色素含量の鮮やかな色調
を呈する甘藷ジュースを製造できるからである。本発明
において色価とは、それが原料の甘藷である場合には、
甘藷を剥皮及び摩砕し、その摩砕物を蒸留水で10重量
倍希釈して、遠心分離した後、その上澄液の500〜6
00nmにおける最大吸収波長での吸光度を測定し、こ
の吸光度を10倍した値である。またそれが製造した甘
藷ジュースである場合には、甘藷ジュースを蒸留水で1
0重量倍希釈して、遠心分離した後、以下上記と同様に
して測定した吸光度を10倍した値である。
【0007】本発明では、上記のような甘藷を加熱処理
する。加熱処理は、甘藷中に含まれるポリフェノールオ
キシダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化
する条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量
%、好ましくは3.0〜8.0重量%となるように行な
う。ポリフェノールオキシダーゼはアミラーゼよりも失
活温度が低く、その基質であるポリフェノールの殆どが
甘藷の表層部に集中しているので、加熱処理の温度及び
時間を選定することにより、ポリフェノールオキシダー
ゼを実質的に失活する一方で、アミラーゼを活性化する
ことができる。ポリフェノールオキシダーゼを失活する
ことにより良好な色調の甘藷ジュースを製造でき、また
アミラーゼを活性化することにより澱粉の糖化を促して
糖度が高い甘藷ジュースを製造できる。
【0008】本発明では、上記のように、甘藷をこれに
含まれるポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活す
るが、アミラーゼを活性化する条件下で、そのマルトー
ス含量が1.0〜10重量%、好ましくは3.0〜8.
0重量%となるように加熱処理する。ポリフェノールオ
キシダーゼを実質的に失活し、その一方でアミラーゼを
活性化する条件下であっても、アミラーゼの作用で澱粉
の糖化により生成するマルトース含量が1.0重量%未
満となるような加熱処理では、糖度が低い甘藷ジュース
しか製造できない。逆にマルトース含量が10重量%超
となるような加熱処理では、澱粉が糊化して膨潤するた
めと推察されるが、その圧搾搾汁が難しくなって、歩留
まりが悪くなる。加熱処理それ自体は、甘藷を熱水中に
浸漬する方法、甘藷に水蒸気を噴霧する方法等、公知の
方法を適用でき、エネルギー効率的には甘藷を70〜8
0℃の熱水中に10〜20分間浸漬する方法を適用でき
るが、合目的的には甘藷を80〜100℃未満の熱水中
に5〜20分間浸漬する方法を適用するのが好ましい。
【0009】本発明では、かくして加熱処理した甘藷を
圧搾搾汁する。搾汁機には、パルパー、ギナー、デカン
ター等の遠心分離式のものと、フィルタープレス、スク
リュープレス、搾汁用二軸回転型エクストルーダー等の
圧搾式のものとがあるが、本発明では後者の圧搾式の搾
汁機により圧搾搾汁する。なかでも、スクリューと該ス
クリューを包囲するスクリーンとを装着したスクリュー
プレス又は搾汁用二軸回転型エクストルーダーにより圧
搾搾汁するのが好ましい。甘藷ジュースを歩留まり良く
製造できるからである。
【0010】加熱処理した甘藷を圧搾搾汁すると、搾汁
液分と搾汁残渣としての搾汁パルプ分とが得られる。圧
搾搾汁した搾汁液分中には、原料由来の澱粉粒が浮遊乃
至懸濁しており、かかる澱粉粒が搾汁液分を製品化する
ときの加熱殺菌で糊化し、製品化した甘藷ジュースの粘
度を高める要因となる。そこで本発明では、粘度が低
く、したがって飲み易い甘藷ジュースを製品化するた
め、圧搾搾汁した搾汁液分を該搾汁液分中の澱粉粒に基
因する粘度が低下するように処理する。かかる処理とし
ては、その方法に特に制限はないが、1)澱粉粒を形成
する澱粉を分解する酵素処理、2)澱粉粒を形成する澱
粉を破壊するホモジナイズ処理、3)澱粉粒を除去する
遠心分離処理、4)澱粉粒を相対的に濃度低下させる希
釈処理が好ましい。
【0011】上記の1)では、搾汁液分をこれに含まれ
る澱粉粒が糊化するように加熱処理した後、アミラーゼ
を加えて酵素処理し、糊化した澱粉を分解する。上記の
2)では、搾汁液分をこれに含まれる澱粉粒が糊化する
ように加熱処理した後、ホモジナイズ処理し、糊化した
澱粉を破壊する。上記の3)では、搾汁液分を遠心分離
処理し、これに含まれる澱粉粒を除去する。上記の4)
では、搾汁液分に水、野菜汁、果実汁及び/又は発酵乳
を加えて希釈処理し、これに含まれる澱粉粒の濃度を相
対的に低下させる。以上説明した1)〜4)の方法は適
宜に組み合わせて行なうこともできる。
【0012】かくして甘藷を加熱処理し、加熱処理した
甘藷を圧搾搾汁して、圧搾搾汁した搾汁液分を該搾汁液
分中の澱粉粒に基因する粘度が低下するように処理した
後、容器に充填して密封し、通常はその前後で加熱殺菌
してから冷却することにより、甘藷ジュースを製品化す
る。
【0013】以上、本発明について説明したが、本発明
でも、圧搾搾汁の前の段階で、具体的には加熱処理の前
の段階又は加熱処理の後であって圧搾搾汁の前の段階
で、甘藷を剥皮するのが好ましい。より色調の良好な苦
味の少ない甘藷ジュースを製造できるからである。剥皮
方法には、機械的剥皮方法、化学的剥皮方法、これらを
組み合わせた剥皮方法等、公知の剥皮方法を適用できる
が、合目的的には加熱を伴わない機械的剥皮方法、例え
ばピーラーで剥皮する方法が好ましい。また圧搾搾汁の
前の段階で、加熱処理した甘藷を破砕又は切断するのが
好ましい。圧搾搾汁を円滑に行なって歩留まりをより良
くするためである。更に圧搾搾汁は品温(圧搾搾汁に供
する加熱処理した甘藷の中心温度)が75℃以下で行な
うのが好ましい。澱粉の糊化を防止して歩留まりをより
良くするためである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態としては、下記
の1)〜8)が好適例として挙げられる。 1)黄系甘藷のベニアズマを90℃の熱水中に10分間
浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活す
る一方でアミラーゼを活性化して、マルトースを5重量
%含有する加熱処理物を得る。この加熱処理物をピーラ
ーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、品温70
℃でスクリュープレスにより圧搾搾汁し、搾汁液分を得
る。この搾汁液分を、3000G×10分、遠心分離処
理して澱粉粒を除去する。かくして澱粉粒を除去したも
のを製品化する。
【0015】2)黄系甘藷のベニアズマを95℃の熱水
中に10分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実
質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マルト
ースを6重量%含有する加熱処理物を得る。この加熱処
理物をピーラーで剥皮し、クラッシャーで破砕した後、
品温70℃で搾汁用二軸異方向回転型エクストルーダー
により圧搾搾汁し、搾汁液分を得る。この搾汁液分を等
量の発酵乳で希釈処理して澱粉粒濃度を低下する。かく
して澱粉粒濃度を低下したものを製品化する。
【0016】3)橙系甘藷のヘルシーレッドを90℃の
熱水中に10分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼ
を実質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マ
ルトースを5重量%含有する加熱処理物を得る。この加
熱処理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕
した後、品温70℃でスクリュープレスにより圧搾搾汁
し、搾汁液分を得る。この搾汁液分を90℃達温で加熱
した後、冷却し、これに0.05重量%のアミラーゼを
加え、60℃×30分、酵素処理して糊化澱粉を分解す
る。かくして糊化澱粉を分解したものを製品化する。
【0017】4)橙系甘藷の九州120号を95℃の熱
水中に10分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを
実質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マル
トースを6重量%含有する加熱処理物を得る。この加熱
処理物をピーラーで剥皮し、クラッシャーで破砕した
後、品温70℃で搾汁用二軸異方向回転型エクストルー
ダーにより圧搾搾汁し、搾汁液分を得る。この搾汁液分
を90℃達温で加熱した後、150kg/cm2でホモジナイ
ズ処理して糊化澱粉を破壊する。かくして糊化澱粉を破
壊したものを製品化する。
【0018】5)橙系甘藷のベニハヤトを80℃の熱水
中に20分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実
質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マルト
ースを7重量%含有する加熱処理物を得る。この加熱処
理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した
後、品温70℃で搾汁用二軸異方向回転型エクストルー
ダーにより圧搾搾汁し、搾汁液分を得る。この搾汁液分
を、3000G×10分、遠心分離処理して澱粉粒を除
去する。かくして澱粉粒を除去したものを製品化する。
【0019】6)紫系甘藷の山川紫を90℃の熱水中に
10分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実質的
に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マルトース
を5重量%含有する加熱処理物を得る。この加熱処理物
をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、
品温70℃でスクリュープレスにより圧搾搾汁し、搾汁
液分を得る。この搾汁液分を90℃達温で加熱した後、
冷却し、これに0.05重量%のアミラーゼを加え、6
0℃×30分、酵素処理して糊化澱粉を分解する。かく
して糊化澱粉を分解したものを製品化する。
【0020】7)紫系甘藷の知覧紫を95℃の熱水中に
10分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを実質的
に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マルトース
を6重量%含有する加熱処理物を得る。この加熱処理物
をピーラーで剥皮し、クラッシャーで破砕した後、品温
70℃で搾汁用二軸異方向回転型エクストルーダーによ
り圧搾搾汁し、搾汁液分を得る。この搾汁液分を90℃
達温で加熱した後、150kg/cm2でホモジナイズ処理し
て糊化澱粉を破壊する。かくして糊化澱粉を破壊したも
のを製品化する。
【0021】8)紫系甘藷の九州113号を80℃の熱
水中に20分間浸漬し、ポリフェノールオキシダーゼを
実質的に失活する一方でアミラーゼを活性化して、マル
トースを7重量%含有する加熱処理物を得る。この加熱
処理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕し
た後、品温70℃で搾汁用二軸異方向回転型エクストル
ーダーにより圧搾搾汁し、搾汁液分を得る。この搾汁液
分を、3000G×10分、遠心分離処理して澱粉粒を
除去する。かくして澱粉粒を除去したものを製品化す
る。
【0022】
【実施例】
実施例1 黄系甘藷のベニアズマを80℃の熱水中に8分間浸漬
し、ポリフェノールオキシダーゼを実質的に失活する一
方でアミラーゼを活性化して、マルトースを3.0重量
%含有する加熱処理物を得た。この加熱処理物をピーラ
ーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、品温70
℃でスクリュープレスにより圧搾搾汁し、搾汁液分を得
た。この搾汁液分を、3000G×10分、遠心分離処
理して澱粉粒を除去した後、121℃×4分、レトルト
で加熱殺菌し、20℃に冷却した。尚、実施例1も含
め、以下の各例では、容器に充填して密封する工程を省
略した。
【0023】比較例1 実施例1と同じ黄系甘藷のベニアズマを80℃の熱水中
に20秒間浸漬して、加熱処理物を得た。この加熱処理
物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した
後、品温70℃でジューサーにより搾汁し、搾汁液分を
得た。この搾汁液分を121℃×4分、レトルトで加熱
殺菌し、20℃に冷却した。
【0024】実施例2,3及び比較例2,3 手順は実施例1の場合と同様にして、加熱処理条件を表
1記載のように変えて行なった。実施例1及び比較例1
の場合も含め、各例の製造条件、並びに各例で製造した
甘藷ジュースの結果を表1にまとめて示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1において、 マルトース:液体クロマトグラフィーで測定した。 糖度:糖度計で測定した。 粘度:B型回転粘度計で測定した。 歩留まり:原料に対する歩留まり。 官能評価:男性25名及び女性25名の合計50名によ
り、各実施例の甘藷ジュースと比較例1の甘藷ジュース
とを2点比較し、どちらが好ましいかを選択させ、各例
の甘藷ジュースを好ましいとした人数を表記した(尚、
表中の**印は1%以下の危険率で有意であることを示
す)。
【0027】実施例4 β−カロチンを10.2mg%含有する橙系甘藷の九州1
20号を90℃の熱水中に10分間浸漬し、ポリフェノ
ールオキシダーゼを実質的に失活する一方でアミラーゼ
を活性化して、マルトースを5.0重量%含有する加熱
処理物を得た。この加熱処理物をピーラーで剥皮し、ミ
クログレーダーで破砕した後、品温70℃で搾汁用二軸
異方向回転型エクストルーダーにより圧搾搾汁し、搾汁
液分を得た。この搾汁液分を、3000G×10分、遠
心分離処理して澱粉粒を除去した後、121℃×4分、
レトルトで加熱殺菌し、20℃に冷却した。
【0028】実施例5 実施例4と同じ橙系甘藷の九州120号を用い、実施例
4と同様にして搾汁液分を得た。この搾汁液分を90℃
達温で加熱した後、冷却し、これに0.05重量%のア
ミラーゼを加え、60℃×30分、酵素処理して糊化澱
粉を分解した後、121℃×4分、レトルトで加熱殺菌
し、20℃に冷却した。
【0029】実施例6 実施例4と同じ橙系甘藷の九州120号を用い、実施例
4と同様にして搾汁液分を得た。この搾汁液分を90℃
達温で加熱した後、150kg/cm2でホモジナイズ処理し
て糊化澱粉を破壊した後、121℃×4分、レトルトで
加熱殺菌し、20℃に冷却した。
【0030】比較例4 実施例4と同じ橙系甘藷の九州120号を80℃の熱水
中に20秒間浸漬して、加熱処理物を得た。この加熱処
理物をピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した
後、品温70℃でジューサーにより搾汁し、搾汁液分を
得た。この搾汁液分を121℃×4分、レトルトで加熱
殺菌し、20℃に冷却した。
【0031】比較例5 実施例4と同じ橙系甘藷の九州120号を用い、実施例
4と同様にして搾汁液分を得た。この搾汁液分を121
℃×4分、レトルトで加熱殺菌し、20℃に冷却した。
実施例4〜6及び比較例4の場合も含め、各例の製造条
件、並びに各例で製造した甘藷ジュースの結果を表2に
まとめて示した。
【0032】
【表2】
【0033】表2において、 マルトース,糖度,粘度,歩留まり:表1の場合と同
じ。 β−カロチン:液体クロマトグラフィーで測定した。 官能評価:各例の甘藷ジュースと比較例4の甘藷ジュー
スとを2点比較した以外は表1の場合と同様にして表記
した。
【0034】実施例7 アントシアニンを色価で3.2含有する紫系甘藷の山川
紫を80℃の熱水中に8分間浸漬し、ポリフェノールオ
キシダーゼを実質的に失活する一方でアミラーゼを活性
化して、マルトースを3.0重量%含有する加熱処理物
を得た。この加熱処理物をピーラーで剥皮し、ミクログ
レーダーで破砕した後、品温70℃で搾汁用二軸異方向
回転型エクストルーダーにより圧搾搾汁し、搾汁液分を
得た。この搾汁液分を、3000G×10分、遠心分離
処理して澱粉粒を除去した後、121℃×4分、レトル
トで加熱殺菌し、20℃冷却した。
【0035】実施例8 実施例7と同じ紫系甘藷の山川紫を用い、実施例7と同
様にして搾汁液分を得た。この搾汁液分を90℃達温で
加熱した後、冷却し、これに0.05重量%のアミラー
ゼを加え、60℃×30分、酵素処理して糊化澱粉を分
解した後、121℃×4分、レトルトで加熱殺菌し、2
0℃に冷却した。
【0036】実施例9 実施例7と同じ紫系甘藷の山川紫を用い、実施例7と同
様にして搾汁液分を得た。この搾汁液分を90℃達温で
加熱した後、150kg/cm2でホモジナイズ処理して糊化
澱粉を破壊した後、121℃×4分、レトルトで加熱殺
菌し、20℃に冷却した。
【0037】比較例6 実施例7と同じ紫系甘藷の山川紫を80℃の熱水中に2
0秒間浸漬して、加熱処理物を得た。この加熱処理物を
ピーラーで剥皮し、ミクログレーダーで破砕した後、品
温70℃でジューサーにより搾汁し、搾汁液分を得た。
この搾汁液分を121℃×4分、レトルトで加熱殺菌
し、20℃に冷却した。
【0038】比較例7 実施例7と同じ紫系甘藷の山川紫を用い、実施例7と同
様にして搾汁液分を得た。この搾汁液分を121℃×4
分、レトルトで加熱殺菌し、20℃に冷却した。実施例
7〜9及び比較例6の場合も含め、各例の製造条件、並
びに各例で製造した甘藷ジュースの結果を表3にまとめ
て示した。
【0039】
【表3】
【0040】表3において、 マルトース,糖度,粘度,歩留まり:表1の場合と同
じ。 アントシアニンの色価:前述した方法で測定した。 官能評価:各例の甘藷ジュースと比較例6の甘藷ジュー
スとを2点比較した以外は表1の場合と同様にして表記
した。
【0041】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、粘度が低く、糖度が高い、したがって飲み易い
甘藷ジュースを歩留まり良く製造できるという効果があ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の第1工程、第2工程及び第3工程
    を経ることを特徴とする甘藷ジュースの製造方法。 第1工程:甘藷を、これに含まれるポリフェノールオキ
    シダーゼを実質的に失活するが、アミラーゼを活性化す
    る条件下で、そのマルトース含量が1.0〜10重量%
    となるように加熱処理する工程。 第2工程:加熱処理した甘藷を圧搾搾汁する工程。 第3工程:圧搾搾汁した搾汁液分を該搾汁液分中の澱粉
    粒に基因する粘度が低下するように処理する工程。
  2. 【請求項2】 第1工程において、甘藷をそのマルトー
    ス含量が3.0〜8.0重量%となるように加熱処理す
    る請求項1記載の甘藷ジュースの製造方法。
  3. 【請求項3】 第2工程において、加熱処理した甘藷を
    スクリュープレス又は搾汁用二軸回転型エクストルーダ
    ーで圧搾搾汁する請求項1又は2記載の甘藷ジュースの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 第3工程において、圧搾搾汁した搾汁液
    分をこれに含まれる澱粉粒が糊化するように加熱処理し
    た後、アミラーゼで酵素処理する請求項1、2又は3記
    載の甘藷ジュースの製造方法。
  5. 【請求項5】 第3工程において、圧搾搾汁した搾汁液
    分をこれに含まれる澱粉粒が糊化するように加熱処理し
    た後、ホモジナイズ処理する請求項1、2又は3記載の
    甘藷ジュースの製造方法。
  6. 【請求項6】 第3工程において、圧搾搾汁した搾汁液
    分を遠心分離処理する請求項1、2又は3記載の甘藷ジ
    ュースの製造方法。
  7. 【請求項7】 第3工程において、圧搾搾汁した搾汁液
    分をこれに水、野菜汁、果実汁及び/又は発酵乳を加え
    て希釈処理する請求項1、2又は3記載の甘藷ジュース
    の製造方法。
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