JP2018139498A - 高リコピントマト含有飲料及びその製造方法 - Google Patents

高リコピントマト含有飲料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トマト色素を添加せずとも、トマト含有飲料として適正な粘度を有し、リコピン含有量が高く、濃厚さがあり、さらにのどごしの良好なトマト含有飲料を簡易な方法かつ低コストで製造する技術を提供する。【解決手段】リコピン含有量が14mg/100g以上であり、CPC粘度が110〜300秒の範囲内であり、漿液比粘度が1.05〜1.45の範囲内であり、沈澱重量比が10.0〜15.0%の範囲内である、高リコピントマト含有飲料の製造方法であって、トマトペーストを水で希釈したトマトペースト希釈液の粘度を低下させる粘度低下工程と、粘度が低下したトマトペースト希釈液に、新たにトマトペーストと、水を混合して加熱処理する工程と、を有する高リコピントマト含有飲料の製造方法により解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、トマト含有飲料及びその製造方法に関し、殊に、リコピン含有量が高く、かつ、濃厚さがあり、のどごしの良好な高リコピントマト含有飲料及びその製造方法に関する。
一般的なトマトジュースや野菜ジュースは、食物繊維などの水不溶性固形分が多く含まれているため粘度が高く、またこれら固形分以外の漿液自体にも粘性があるために、飲用する際にドロドロした感覚や口内に残存する感覚を与えるためにのどごしの悪さや、後味のすっきり感、キレが悪いという欠点を有することから、飲みにくく、結果、トマトジュースや野菜ジュースを苦手としている人も多い。これらのジュースに含まれるリコピン等の栄養素は、その鮮やかな色調や健康効果から大きな注目を集めており、継続的に飲用したいという明確な消費者ニーズが認められているが、それにもかかわらず、トマトジュースまたは野菜ジュース特有の上述のような飲みにくさが、継続的なトマトジュース摂取の妨げとなっている。
またその一方で、消費者の健康志向の高まりから、野菜やトマトのスムージータイプの飲料が注目されており、濃厚さとのどごしの良さ、飲みやすさを合わせもった飲料が求められている。
上記の問題を解決するため、低粘度でのどごしの良いトマト含有飲料が提案されている。例えば、特許第4812703号公報には、粘度を250〜3000mPa・sの範囲に調整した原料トマトジュースに、植物組織崩壊酵素を添加し、10〜101/sの剪断速度範囲で処理する低粘度トマトジュースの製造方法が開示されている。
しかしながら、酵素処理すればトマトジュースの粘度を下げることができるものの、分離(トマトのパルプ分が落ちるが漿液はまだ赤い状態)や清澄化(トマトのパルプ分が落ち、且つ漿液も透明化する状態)が起こり、品質の面で問題がある。
また、特許第4260158号公報には、トマトからリコピンを得る際に副産物として生じる漿液のパルプ質をペクチナーゼで処理してなるトマトジュースまたはその濃縮物が開示されている(特許文献2)。
しかしながら、この技術はリコピンを分離した後のトマト漿液を主要原料とするため、リコピン含量が少なくリコピンの有する健康効果は期待できない。また、一般的なトマトジューズに比べて赤色が少なくトマトジュースらしい色調に欠けるため、食品に添加するための風味増強素材としては適しているが、トマト含有飲料としての商品価値は高いとはいえない。トマト色素(トマトの果実から得られたリコピンを主成分とするもの)を別途添加することにより色素を補うこともできるが、健康効果が得られる程度のリコピンを添加すると、トマトの濃厚さが付与できない、トマト色素のコストが高いという欠点に加え、ジュース色調が絵の具のような不自然な濃赤色になり、トマト含有飲料としての嗜好性が低下してしまう。
また、特許第3606702号公報には、トマト果実の搾汁液に含まれるペクチンを酵素分解した酵素処理物を得る工程、酵素処理物を固液分離機に供して固液分離し、溶液分として微細パルプ分を得る工程、微細パルプ分を膜濾過装置に供して膜濾過することにより、低粘度で高リコピン含量の食品材料を得る食品材料の製造方法が開示されている(特許文献3)。
しかしながら、この製造方法では膜ろ過が必要であり、ランニングコストが高いという欠点を有する。また、搾汁液を酵素処理すれば粘度を下げることができるものの、分離や清澄化が起こり、トマト含有飲料としては適さないという欠点を有する。
特許第4812703号公報 特許第4260158号公報 特許第3606702号公報
のどごしの悪さや、キレが悪いという欠点を改善するため、単に濾過等の方法で固形分を除去したり、酵素処理を行い、ペクチンを分解してしまうと、トマトの濃厚さは失われてしまう。製造コストを考慮しても、特別な処理や工程はなるべく用いず、簡易な方法で、濃厚さとのどごしの良さを合わせもった高リコピン含有飲料を得ることが望まれている。
トマト色素を添加する他にリコピン含有量を高めるための方法として、トマト色素の代わりにトマトペースト(裏ごししたトマトを煮詰めて濃縮したトマトピューレをさらに濃縮してペースト状にしたもの)を添加する方法がある。しかしながら、トマト色素を使わずにリコピン含有量を高めるには、トマトペーストを糖度(Brix、以下「Bx」と略す)8以上となるように添加する必要がある。ところが、トマトペーストをBx8以上となるように添加すると、トマトジュースがピューレ状になってしまい、ジュースといえる程度の粘度ではなくなる。従来技術のように、ペクチナーゼやセルラーゼ等の酵素処理を行えば粘度を下げることはできるが、トマトジュースの分離や清澄化が起こり、やはりジュースとしては適さないものとなる。
そこで、本発明の目的は、トマト色素を添加せずとも、トマトジュースとして適正な粘度を有し、リコピン含有量が高く、さらにトマトの濃厚さがあり、かつ、のどごしの良好なトマト含有飲料を簡易な方法かつ低コストで製造する技術を提供することにある。
本発明者らが上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、トマト搾汁液を濃縮して得られたトマトペーストの希釈液を、酵素処理や物理的処理によって粘度を下げ、その後新たにトマトペーストと水を添加したものを加熱処理することで、得られたトマト含有飲料は、リコピン含有量が高く、濃厚さがあり、のどごしも良好であるとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、リコピン含有量が14mg/100g以上であり、CPC粘度が110〜300秒の範囲内であり、漿液比粘度が1.05〜1.45の範囲内であり、沈澱重量比が10.0〜15.0%の範囲内である、高リコピントマト含有飲料を提供するものである。
また、本発明は、リコピン含有量が14mg/100g以上であり、CPC粘度が110〜300秒の範囲内であり、漿液比粘度が1.05〜1.45の範囲内であり、沈澱重量比が10.0〜15.0%の範囲内である、高リコピントマト含有飲料の製造方法であって、トマトペーストを水で希釈したトマトペースト希釈液の粘度を低下させる粘度低下工程と、粘度が低下したトマトペースト希釈液に新たにトマトペーストと水を混合して加熱処理する工程と、を有する高リコピントマト含有飲料の製造方法を提供するものである。
本発明のトマト含有飲料によれば、トマト色素を添加せずとも、トマト飲料として適正な粘度を有し、リコピン含有量が高く、さらに濃厚さがあり、のどごしの良好なトマト含有飲料を簡易な方法かつ低コストで製造することができる。
まず、本発明の高リコピントマト含有飲料について説明する。
本実施形態の高リコピントマト含有飲料は、リコピン含有量が14mg/100g以上である。
日本農林規格においては、トマトジュース(濃縮トマトを希釈してトマトジュースとする場合は濃縮トマト)のリコピン量は、有機溶媒で抽出した後吸光光度法により測定して7mg%(7mg/100g)以上(濃縮トマトにあっては無塩可溶性固形分4.5%に換算して7mg%以上)のものであることとすると規定されている。従って、本実施形態において「高リコピン」というときは、リコピン含有量が有機溶媒で抽出した後吸光光度法により測定して14mg%(14mg/100g)以上であることをいい、好ましくは16.5mg%(16.5mg/100g)以上であることをいう。
本実施形態において、「トマト含有飲料」とは、トマト搾汁液由来のトマトジュース又はこれを膜ろ過や遠心分離等でトマトパルプ分を除去または一部除去したトマト漿液(特開2003−135038号公報)又はトマト液をそのまま又は濃縮し、これらを原料又は原料の一部に使用するものであって、例えば日本農林規格(JAS)で定めるトマトジュース、トマトミックスジュース、果実・野菜ミックスジュース等が含まれるが、トマトを使用した飲料であればこれらに限定されるものではない。
ここで、トマト搾汁液由来のトマトジュースとは、トマト搾汁液をそのまま原料としたトマトジュース又はこれに食塩を加えたものであり、トマト搾汁液をそのままストレートでトマトジュースとしたもの(ストレートトマトジュース又は単にストレートと分類できる)、または、トマト搾汁液の濃縮物であるトマトピューレやトマトペースト等の濃縮トマトを水で希釈還元して搾汁の状態に戻しトマトジュースとしたもの又はこれに食塩を加えたもの(濃縮還元トマトジュース又は単に濃縮還元と分類できる)、または両者をブレンドしたもの(濃縮還元トマトジュース又は単に濃縮還元と分類できる)である。
トマトミックスジュースとは、トマトジュースを主原料とし、これに、にんじんその他の野菜類を破砕して搾汁したもの又はこれに濃縮したものを希釈して搾汁の状態に戻したものを加えたものである。
トマト搾汁液とは、食用されるトマトを破砕又は裏ごしして、皮、種子等を除去することにより得られた液汁や、濃縮トマトを希釈することにより得られた液汁をいう。また、日本農林規格に規定されているトマトジュースや、トマトピューレ、トマトペースト等のトマト加工品を、例えば希釈等してトマト搾汁液として用いることもできる。このようにトマト搾汁液の態様は限定されない。なお、これらのトマト搾汁液は、1種類の品種を単独で使用してもよく、2種類以上の品種を併用してもよい。
本実施形態の高リコピントマト含有飲料は、CPC粘度が110〜300秒である。
ここで、「CPC粘度」とは、一定容積の25℃に調製した高リコピントマト含有飲料がCPC粘度計を流出する時間であり、高リコピントマト含有飲料を飲み込んだ時の食感(口当たり)、のどごしの指標となる。一般的なトマトジュースを基準として、CPC粘度が大きい程、口あたり、のどごしが悪くなり、飲料としての嗜好性が低下する。逆にCPC粘度が小さい程、口あたり、のどごしが良くなり、飲みやすさは向上するが、小さすぎると濃厚さが損なわれる。食感(口当たり)、のどごしのなめらかさと、濃厚さがある適度なとろみの観点から、CPC粘度は110〜300秒であることが好ましく、110〜240秒であることがより好ましい。なお、CPC粘度は分析便覧[トマト加工品・ソース類・食酢関係](Part1)(財団法人全国トマト加工品・調味料検査協会編、昭和56年3月刊)に記載の方法で測定することができる。
本実施形態の高リコピントマト含有飲料は、その漿液比粘度が、1.05〜1.45の範囲内である。
ここで、「漿液比粘度」(RSV)とは、20℃に調製した試料の漿液の粘度をキャノンフェンスケ粘度計で測定し、水の粘度との相対比で示したもので、数値が大きい程、飲食品中のパルプ成分や不溶成分を除いた水溶液そのものの粘度が大きいことを示す。一般的なトマトジュースを基準として、RSVが大きい程、ジュース漿液に粘性があり、飲み込みにくくなるために、のどごしが悪くなり、飲料としての嗜好性が低下する。逆にRSVが小さい程、漿液に粘性がないので、のどごしがなめらかになり飲み込みやすくなる。RSVは、液の流動性の指標のため、なるべく低い方が好ましく、かかる観点から、漿液比粘度は1.05〜1.45の範囲内であることが好ましく、1.05〜1.39の範囲内であることがより好ましい。
本実施形態の高リコピントマト含有飲料は、沈澱重量比が10.0〜15.0%の範囲内である。
ここで、「沈殿重量比」(PPT)とは、試料を11,700rpm、4℃、30分で、遠心分離し得られた沈殿物の重量を、試料重量で除した百分率で示したもので、数値が大きい程、高リコピントマト含有飲料中のパルプ成分等の食物繊維やタンパク質等の不溶成分の量が多いことを示す。一般的なトマトジュースを基準として、PPTが大きいほど喫食時に口内に残存する時間が長くなり呈味の持続性が高まり、官能的にドロドロした感覚を想起させ、結果的に飲料としての嗜好性が低下し、のどごしが悪くなる。逆にPPTが小さいほどパルプ成分等が少ないことで、のどごしがなめらかになり、飲みやすくなるが、小さすぎると濃厚さが損なわれる。かかる観点から、沈澱重量比は10.0〜15.0%の範囲内であることが好ましく、11.5〜14.5%の範囲内であることがより好ましい。
次に、本発明の高リコピントマト含有飲料の製造方法について説明する。
本実施形態の高リコピントマト含有飲料の製造方法は、トマトペーストを水で希釈したトマトペースト希釈液の粘度を低下させる粘度低下工程を有する。
ここで、「トマトペースト」とは、日本農林規格に規定されているトマトペーストの定義に準ずる。すなわち、1)濃縮トマトのうち、無塩可溶性固形分が24%以上のもの、または、2)前記1)にトマト固有の香味を変えない程度に少量の食塩、香辛料、たまねぎその他の野菜類、レモン又はpH調整剤を加えたもので無塩可溶性固形分が24%以上のものをいう。
粘度低下工程は、トマトペーストを水で希釈したトマトペースト希釈液の粘度を下げることを目的とし、その方法は、生化学的方法、物理的方法のいずれも採用することができる。
トマトペーストの希釈は、生化学的方法では、酵素が混ざり反応が進む希釈率であれば特に限定されない。物理的方法でも、装置でパルプ除去ができる希釈率であれば特に限定されないが、希釈率は高い方が効率が良い。
生化学的方法としては、植物細胞壁分解酵素をトマトペースト希釈液に添加する方法を挙げることができる。植物細胞壁分解酵素としては、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼからなる群から選択された少なくとも1種を使用することが好ましい。植物細胞壁分解酵素は市販の酵素製剤を使用することができる。例えば、ペクチナーゼST(協和化成社製)、ペクチナーゼPL「アマノ」(天野エンザイム社製)、スミチームSPC(新日本化学工業社製)、セルラーゼTP5協和(協和化成社製)などを挙げることができる。
物理的方法としては、トマトペースト希釈液を遠心分離や濾過で固液分離する方法を挙げることができる。例えば、1000〜3000rpmの低速回転で遠心分離することにより、トマトペースト希釈液中のパルプ成分の一部を分離除去して粘度を低下することができる。セパレーター装置は、連続遠心分離機やデカンターなどが挙げられるが、回転数を調整できるセパレーター装置であればいずれの装置でもよい。また、振動篩等の濾過機でも作業効率は劣るものの代用は可能である。物理的方法で得た除パルプトマト液は、例えば、Bx15〜25まで濃縮して、除パルプトマト濃縮液として調製することでトマト含有飲料に使用できる。
本実施形態の高リコピントマト含有飲料の製造方法は、粘度が低下したトマトペースト希釈液に、新たにトマトペーストと水を混合して、加熱処理する工程を有する。
加熱処理は酵素処理を行った場合の酵素反応の停止と殺菌も兼ねているため、一般的なトマト含有飲料の殺菌条件を適用することができる。例えば、121℃、20〜60秒で加熱することが好ましい。この加熱処理により、殺菌を行うと共に、粘度を下げたトマトペースト希釈液に新たに加えたトマトペーストのトマトがよく混ざり合い、濃厚さのある適度な粘度と酵素処理を行ったトマトペースト希釈液の分離や清澄化を抑制することができる。
以上のような製造方法により、リコピン含有量が14mg/100g以上であり、CPC粘度が110〜300秒の範囲内であり、漿液比粘度が1.05〜1.45の範囲内であり、沈澱重量比が10.0〜15.0%の範囲内である、高リコピントマト含有飲料を製造することができる。
本実施形態において、トマト含有飲料の「のどごし」とは、粘性のある飲食品の飲み込み易さを官能評価として表現したものであり、粘性が高い場合や時にパルプ成分等の微粒子が多い場合は飲み込みにくく、結果、のどごしが悪いといい、逆であればのどごしが良いという。
「トマトの濃厚感」とは、トマト含有飲料の野菜、トマトの濃厚さや濃さを表現したものであり、ジュースの糖度(Bx)に加え、飲料に適度な粘性がある時に、口内に残存する野菜やトマトの呈味の持続性や余韻を官能評価として表現したものである。「のどごし」が良すぎると逆に「トマトの濃厚感」は損なわれてしまう恐れがある。
「色の濃さ」とは、官能評価でのジュースの色調の濃さを表現したものであり、トマト含有飲料のトマト量やリコピン含量に由来する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、スケールアップ/ダウンは任意に行うことができる。
1.サンプルの調製方法
(1)Bx36トマトペーストの調製
水でバブリング洗浄した加工用トマトをディスインテグレータ(精研社製)で破砕し、トマト破砕物を得た後、70±10℃で2〜3分間予備加熱した。その後、トマト破砕物をブラウン型パルパーフィニッシャー(精研社製)を用いて搾汁し、トマト搾汁液を得た。
上記搾汁液をBx36まで濃縮し、いわゆるコールドブレイクトマトペーストを得た。なお、一般的トマトペーストのBxはBx28〜38程度あり、本発明の実施例ではBx36のトマトペーストを用いているが、そのBxは特に限定されない。また実施例で使用するときは水で適宜希釈して使用する。
(2)酵素処理トマト液の調整
Bx36のトマトペースト293gを水で希釈し、トマトペースト希釈液1kgを調製した。このトマトペースト希釈液1kgにペクチナーゼ(協和化成社製ペクチナーゼST)1.0gを添加し、50℃で3時間、撹拌しながら酵素反応を行い、生化学的方法でトマトペースト希釈液の粘度を下げた酵素処理トマト液を調製した。
(3)除パルプトマト濃縮液の調製
Bx36トマトペースト125gを水で希釈し、トマトペースト希釈液1kgを調製した。このトマトペースト希釈液を、連続遠心分離機(三益産業社製)で1500rpmの遠心分離を行い、得られた液をBx19まで濃縮することで、トマトペースト希釈液中のパルプ成分の一部を除去した除パルプトマト濃縮液を調製した。
(4)トマト含有飲料の調製
対象例1
市販のA社製トマトジュース(食塩無添加)を用いた。
実施例1
前記(2)の方法で調製した酵素処理トマト液と、Bx36のトマトペーストと、水とを、それぞれ90重量%、2.5重量%、7.5重量%の配合割合になるように混合、調製した後、121℃で40〜50秒チューブ型加熱機(MicroThermics社製)を用いて加熱処理を行うことにより、所望の高リコピントマト含有飲料を得た。
実施例2
前記(2)の方法で調製した酵素処理トマト液と、Bx36のトマトペーストと、水とを、それぞれ81重量%、5.0重量%、14重量%の配合割合になるように混合、調製した後、121℃で40〜50秒、チューブ型加熱機(MicroThermics社製)を用いて加熱処理を行うことにより、所望の高リコピントマト含有飲料を得た。
実施例3
前記(3)の方法で調製した除パルプトマト濃縮液と、Bx36のトマトペーストと、水とを、それぞれ23重量%、15.3重量%、61.7重量%の配合割合になるように混合、調製した後、121℃で40〜50秒、チューブ型加熱機(MicroThermics社製)を用いて加熱処理を行うことにより、所望の高リコピントマト含有飲料を得た。
実施例4
前記(3)の方法で調製した除パルプトマト濃縮液と、Bx36のトマトペーストと、水とを、それぞれ23重量%、11.5重量%、65.5重量%の配合割合になるように混合、調製した後、121℃で40〜50秒、チューブ型加熱機(MicroThermics社製)を用いて加熱処理を行うことにより、所望の高リコピントマト含有飲料を得た。
比較例1
市販のB社濃縮トマト飲料をそのまま利用した。
比較例2
市販のC社濃縮トマト飲料をそのまま使用した。
比較例3
リコピン色素(三栄源エフ・エフ・アイ社製)とBx36トマトペーストと、水とを、それぞれ0.7重量%、16.3重量%、83重量%の配合割合になるように混合、調製した後、121℃で 40〜50秒、チューブ型加熱機(MicroThermics社製)用いて加熱処理を行うことにより所望のトマト含有飲料を得た。
比較例4
前記(2)の方法で調製した酵素処理トマト液を121℃で40〜50秒、チューブ型加熱機(MicroThermics社製)を用いて加熱処理を行うことにより所望のトマト含有飲料を得た。
比較例5
Bx36トマトペーストと、水とを、それぞれ28.3重量%、71.7重量%の配合割合で混合、調製した後、121℃で40〜50秒、チューブ型加熱機(MicroThermics社製)を用いて加熱処理を行うことにより所望のトマト含有飲料を得た。
比較例6
高速回転の遠心分離で、パルプを完全に除去したトマト漿液の濃縮物であるBx60トマト漿液(ライコレッド社製)と、Bx36トマトペーストと、水とを、それぞれ6.9重量%、17重量%、76.1重量%の配合割合で混合、調製した後、121℃で40〜50秒、チューブ型加熱機(MicroThermics社製)を用いて加熱処理を行うことにより所望のトマト含有飲料を得た。
2.高リコピントマト含有飲料の分析
上記で製造した高リコピントマト含有飲料について、糖度(Brix)、CPC粘度、漿液比粘度(RSV)、沈殿重量比(PPT)、リコピン含有量を測定した。
(1)糖度(Brix)
サンプルを屈折率糖度計(アタゴ社製のRX−5000α)を用いて測定した。
(2)CPC粘度
分析便覧[トマト加工品・ソース類・食酢関係](Part1)(財団法人全国トマト加工品・調味料検査協会編、昭和56年3月刊)に記載のCPC粘度測定方法により実施した。すなわち、補正(目盛調整)を行ったCPC粘度計に、泡が入らないように25℃に調整した試料を満たし、流出開始から前記目盛まで液面が低下するまでの時間(秒)を測定した。
(3)漿液比粘度(RSV)
漿液比粘度(RSV)分析は次の通り実施した。サンプルを11,700rpm、4℃、30分で、遠心分離し得られた上清を5C濾紙で濾過、濾液を試験管に分取した。この濾液を粘度計用恒温水槽を用いて20℃に調整後、キャノンフェンスケ粘度計SO♯150(柴田科学株式会社製)を用いて粘度測定し、同様に測定したイオン交換水の粘度との相対比で示した。
(4)沈殿重量比(PPT)
沈殿重量比(PPT)は、サンプルを11,700rpm、4℃、30分で、遠心分離し得られた沈殿物の重量を、サンプル重量で除した百分率で示した。
(5)リコピン含有量
リコピンの分析は、ヘキサンとアセトンからなる有機溶剤を用いて試料からリコピンを抽出し、吸光度法により測定した(トマト加工品・ソース類・食酢関係PART1、分析便覧、8−10頁、昭和56年、財団法人全国トマト加工品・調味料検査協会発行、新・食品分析法、643−647頁、平成8年、日本食品科学工学会発行)。
3.官能評価
3名の健常者をパネラーとして、以下の各項目について官能評価を実施し、パネラーの評価の平均を表した。すなわち、対象例1を一般的なトマトジュースの基準として、上記で製造した高リコピントマト含有飲料について、トマトの濃厚感、のどごしの良さ、色の濃さ及び総合評価について、以下に示す基準で評価した。結果を表2に示す。
<トマトの濃厚感>
◎:とてもよい
○:よい
△:ふつう
×:悪い
<のどごしの良さ>
◎:とても良い
○:良い
△:ふつう
×:悪い
<色の濃さ>
◎:とても良い
○:良い
△:ふつう
×:悪い
<総合評価(濃厚トマト含有飲料としての商品適性)>
◎:とても良い
○:良い
△:ふつう
×:悪い

Claims (4)

  1. リコピン含有量が14mg/100g以上であり、
    CPC粘度が110〜300秒の範囲内であり、
    漿液比粘度が1.05〜1.45の範囲内であり、
    沈澱重量比が10.0〜15.0%の範囲内である、
    高リコピントマト含有飲料。
  2. リコピン含有量が14mg/100g以上であり、CPC粘度が110〜300秒の範囲内であり、漿液比粘度が1.05〜1.45の範囲内であり、沈澱重量比が10.0〜15.0%の範囲内である、高リコピントマト含有飲料の製造方法であって、
    トマトペーストを水で希釈したトマトペースト希釈液の粘度を低下させる粘度低下工程と、
    粘度が低下したトマトペースト希釈液に、新たにトマトペーストと、水を混合して加熱処理する工程と、
    を有する高リコピントマト含有飲料の製造方法。
  3. 前記粘度低下工程が、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼからなる群から選択された少なくとも1種の植物細胞壁分解酵素を添加することにより行われる、請求項2に記載の高リコピントマト含有飲料の製造方法。
  4. 前記粘度低下工程が、物理的な固液分離処理によりトマトペースト希釈液中のパルプ成分を分離除去することにより行われる、請求項2に記載の高リコピントマト含有飲料の製造方法。
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