JP4618252B2 - 多関節ロボット - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、多関節ロボット、特に垂直動作機構によって長大な昇降ストロークを実現する多関節ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、大型の液晶基板のようなワークを昇降させ、あるいは水平移動させるために、垂直動作機構と水平動作機構を組み合わせて、垂直動作機構に昇降動作を受け持たせ、水平動作機構に水平移動動作を受け持たせたロボットが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【特許文献1】
特開2000−24966号公報
【特許文献2】
特開2002−326182号公報
【特許文献3】
特開平11−123675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、このような産業用ロボットに対して、低い最低姿勢と長大な昇降ストロークが求められているが、特許文献1あるいは特許文献2に記載のロボットを単純に拡大すると、アーム長が長大になり、最低姿勢を取ったときに長大なアームが水平に延びて場所をとるという問題があった。
また、単純に関節の数を増やしただけでは剛性が確保できず、そのため位置精度が確保されないという問題があった。
さらに、特許文献3に記載のロボットは直動タイプのため、長い昇降ストロークを確保するためには長い直動機構が必要なため、最低姿勢を取った時に据付面からの高さが高くなってしまうという問題があった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、低い最低姿勢と長大な昇降ストロークを備えると共に、設置面の省スペース化を可能とし、所定の位置精度を確保できるような剛性を備えた産業用ロボットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、基台と、一端を前記基台に支持され、第1水平軸回りに回転自在にされた第1アームと、一端を前記第1アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第2水平軸回りに回転自在にされた第2アームと、一端を前記第2アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第3水平軸回りに回転自在にされた第3アームと、前記第3アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第4水平軸回りに回転自在にされた昇降台と、一端を前記基台に支持され、前記第1水平軸回りに回転自在にされた第4アームと、一端を前記第4アームに支持され、前記第1水平軸に平行な第5水平軸回りに回転自在にされ、他端を前記第2アームに支持されて前記第1水平軸に平行な第6水平軸回りに回転自在にされた第5アームと、一端を前記第2水平軸回りに回転自在に前記第1アームに支持されるとともに、他端を前記第3水平軸回り回転自在に前記第3アームに支持され、前記第2アームと共に、前記第3アームを両持で支持した補助アームと、前記第2水平軸に回転自在に支持された第1リンクベースと、前記第3水平軸に回転自在に支持された第2リンクベースと、前記基台と前記第1リンクベースに回転自在に支持されて、前記第1リンクベース、前記第1アームおよび前記基台とともに第1平行リンク機構を形成する第1補助リンクと、前記第1リンクベースと前記第2リンクベースに回転自在に支持されて、前記第2リンクベース、前記第2アームおよび前記第1リンクベースとともに第2平行リンク機構を形成する第2補助リンクと、前記第2リンクベースと前記昇降台に回転自在に支持されて、前記昇降台、前記第3アームおよび前記第2リンクベースとともに第3平行リンク機構を形成する第3補助リンクと、を備えるとともに、前記第1アーム、前記第2アーム、前記第3アーム、前記第4アームおよび前記第5アームの長さ比は1:2:1:1:1であり、前記第1アームと前記第1アームに対向する前記第4アームの間に前記第2アームと前記第3アームが配置され、前記第6水平軸は前記第2水平軸と前記第3水平軸の中間にあり、前記第1アームおよび前記第3アームをそれぞれ前記第1水平軸および前記第3水平軸周りに同方向に旋回することによって、前記昇降台は前記第1水平軸に直交する垂直軸(30)に沿って上下に昇降するものである。
【0005】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多関節ロボットにおいて、前記第2アームに第1モータを取り付けて、前記第1モータは第1減速機を介して前記第3アームを前記第2アームに対して相対的に回転させ、前記第4アームに第2モータを取り付け、前記第2モータは第2減速機を介して前記第5アームを前記第4アームに対して相対的に回転させるとともに、前記第4アームの中に備えられた連結手段と第3減速機を介して前記第4アームを前記基台に対して相対的に回転させることを特徴としている。
【0006】
また、請求項3に記載の発明は、多関節ロボットに係り、基台と、一端を前記基台に支持され、第1水平軸回りに回転自在にされた第1アームと、一端を前記第1アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第2水平軸回りに回転自在にされた第2アームと、一端を前記第2アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第3水平軸回りに回転自在にされた第3アームと、前記第3アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第4水平軸回りに回転自在にされた昇降台と、一端を前記基台に支持され、前記第1水平軸回りに回転自在にされ、前記第1アームと共に前記第2アームを前記第2水平軸回りに両持ちに支持する第4アームと、一端を前記第2水平軸回りに回転自在に前記第1アームに支持されるとともに、他端を前記第3水平軸回り回転自在に前記第3アームに支持され、前記第2アームと共に、前記第3アームを両持で支持した補助アームと、前記第2水平軸に回転自在に支持された第1リンクベースと、前記第3水平軸に回転自在に支持された第2リンクベースと、前記基台と前記第1リンクベースに回転自在に支持されて、前記第1リンクベース、前記第1アームおよび前記基台とともに第1平行リンク機構を形成する第1補助リンクと、前記第1リンクベースと前記第2リンクベースに回転自在に支持されて、前記第2リンクベース、前記第2アームおよび前記第1リンクベースとともに第2平行リンク機構を形成する第2補助リンクと、前記第2リンクベースと前記昇降台に回転自在に支持されて、前記昇降台、前記第3アームおよび前記第2リンクベースとともに第3平行リンク機構を形成する第3補助リンクと、を備え、前記第1アーム、前記第2アーム、前記第3アーム、前記第4アームおよび前記補助アームの長さ比は1:2:1:1:2とし、前記第1アームと前記第1アームに対向する前記第4アームの間に前記第2アームと前記第3アームが配置され、前記第1アームおよび前記第3アームをそれぞれ前記第1水平軸および前記第3水平軸周りに同方向に旋回することによって、前記昇降台は前記第1水平軸に直交する垂直軸(30)に沿って上下に昇降することを特徴としている。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の多関節ロボットにおいて、前記第2アームに第1モータおよび第2モータを取り付け、前記第1モータは第1減速機を介して前記第2アームを前記第1アームに対して相対的に回転させ、第2減速機を介して前記第2アームを前記第4アームに対して相対的に回転させ、前記第1アームの中に備えられた第1連結手段と第3減速機を介して前記第1アームを前記基台に対して相対的に回転させ、前記第4アームの中に備えられた第2連結手段と第4減速機を介して前記第4アームを前記基台に対して相対的に回転させるとともに、前記第2モータは第5の減速機を介して前記第3アームを前記第2アームに対して相対的に回転させることを特徴としている。
【0008】
また、請求項5 に記載の発明は、請求項1 または3 に記載の多関節ロボットにおいて、前記補助アームの内部を中空とし、ケーブルの通路としたことを特徴としている。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1または3に記載の多関節ロボットにおいて、前記昇降台に水平多関節アームを取り付けたことを特徴としている。
【0012】
本発明によれば、昇降機構を3つの平行リンク機構からなる垂直多関節機構で構成したので、低い最低姿勢と長大な昇降ストロークが得られると共に、最低姿勢をとった時の寸法が小さく、設置面積を小さくできる効果がある。
また、アームを両持ちで支持したので剛性が大きくなり、安定した搬送姿勢と、正確な位置決めができる効果がある。
さらに、昇降機構の2つのモータがそれぞれ独立であることにより、それぞれのモータの回転数を調整し、より正確に垂直動作をできる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0014】
図1および図2は、本発明の第1実施例を示す多関節ロボットの外形図であり、図1は正面図であり、図2は側面図である。
両図において、1は多関節ロボットの基台である。
2は第1アームで、その下端を基台1に固定された第1水平軸3の回りに回転自在に取り付けられ、その先端で第2アーム4を支持している。
4は第2アームで、その下端を第1アーム2の先端に固定された第2水平軸5の回りに回転自在に取り付けられ、その先端で第3アーム6を支持している。
6は第3アームで、その下端を第2アーム4の先端に固定された第3水平軸7の回りに回転自在に取り付けられ、その先端で昇降台8を支持している。
8は昇降台で、第3アーム6の先端に固定された第4水平軸の9回りに回転自在に取り付けられている。
【0015】
一方、10は、第4アームで、その下端を基台1に固定された第1水平軸3の回りに回転自在に取り付けられ、その先端で第5アーム411支持している。
11は第5アームで、その下端を第4アーム10の先端に固定された第5水平軸12の回りに回転自在に取り付けられ、その先端は前記第2アーム4の中央に固定の第6水平軸13の回りに回転自在に支持されている。
ここで、第1水平軸3、第2水平軸5、第3水平軸7、第4水平軸9および第5水平軸12および第6水平軸13はすべて平行であり、第1アーム2、第2アーム4、第3アーム6、第4アーム10および第5アーム11の長さの比は1:2:1:1:1である。
【0016】
14は第2水平軸5に回転自在に支持された第1リンクベースである。
15は両端を基台1と第1リンクベース14にそれぞれ回転自在に支持された第1補助リンクである。
第1補助リンク15は、第1リンクベース14、第1アーム2、および基台1とともに、第1平行リンク機構16を形成する。
17は第3水平軸7に回転自在に支持された第2リンクベースである。
18は両端を第1リンクベース14と第2リンクベース17にそれぞれ回転自在に支持された第2補助リンクである。
第2補助リンク18は、第2リンクベース17、第2アーム4、および第1リンクベース14とともに、第2平行リンク機構19を形成する。
20は両端を第2リンクベース17と昇降台8にそれぞれ回転自在に支持された第3補助リンクである。
第3補助リンク20は、昇降台8、第3アーム6、および第2リンクベース17とともに、第3平行リンク機構21を形成する。
第1平行リンク機構16、第2平行リンク機構19、および第3平行リンク機構21の働きによって、昇降台8の姿勢は水平に保たれる。
【0017】
22(図1)は、下端を、第1アーム2の上端に固定の第2水平軸5の回りに回転自在に取り付けられ、上端を、第3アーム6の下端に固定の第3水平軸7の回りに回転自在に取り付けられた補助アームである。この補助アーム22は第2アーム4と共に第3アーム6を両持ち支持している。また、補助アーム22の内部は中空であり、基部1から昇降台8に延設されるケーブルの通路として使用される。
【0018】
23は第2アーム4に固定された第1モータである。第1モータ23は第1減速機24を介して第3アーム6を駆動し、第3アーム6を第2アーム4に対して相対的に回転させる。
25は第4アーム10に固定された第2モータである。第2モータ25は第2減速機26を介して第5アーム11を駆動して、第5アーム11を第4アーム10に対して相対的に回転させるとともに、第4アーム10の中に備えられた連結手段27(ここではベルトプーリ機構だが、シャフトと歯車の組合せでもよい)と第3減速機28を介して第4アーム10を基台1に対して相対的に回転させる。
第1モータ23および第2モータ25は図示しない制御装置によって、独立あるいは協調運転される。
このようにして、第1アーム2、第2アーム4、第3アーム6、第4アーム10および第5アーム11は相対的に回転して昇降台8を昇降させる。この時、第1減速機24、第2減速機26、第3減速機28の回転比は理論上2:2:1となるが、アームの剛性が低い場合など、アームの変形により垂直に動作しないことも想定できる。この場合においても、図示しない制御装置により第1モータ23および第2モータ25の回転数(回転比)を調整することで正確に垂直に動作させることができる。
【0019】
次に、第1実施例に係る多関節ロボットの昇降動作を説明する。
<上昇動作>
図1および図2の状態から、第2モータ25(図1)を回転させて第2減速機26を介して第5アーム11を図2で時計方向に回転させるとともに、連結手段27と第3減速機28を介して第4アーム10を逆方向に回転させると、第1アーム2と第2アーム4の半分長と第4アーム10および第5アーム11とで構成する菱形が上下方向に伸張する。さらに、第1モータ23を回転させて第1減速機24を介して第3アーム6を時計方向に駆動することにより、第1平行リンク機構16、第2平行リンク機構19、および第3平行リンク機構21もそれぞれ上下方向に長く延びることとなる。この時、第1減速機24、第2減速機26、第3減速機28の回転比を2:2:1とすることで、昇降台8は水平状態を保ちながら垂直に上昇する。
<下降動作>
図1および図2の状態から、第2モータ25(図1)を逆回転させて、第5アーム11を図2で反時計方向に回転させるとともに第4アーム10を逆方向に回転させると、第1アーム2と第2アーム4の半分長と第4アーム10および第5アーム11とで構成する菱形が上下方向に短縮する。さらに第1モータ23を回転させて第3アーム6を逆回転させることにより、第1平行リンク機構16、第2平行リンク機構19、および第3平行リンク機構21もそれぞれ斜めに大きく傾いていき、上下方向に低くなる。この時、第1減速機24、第2減速機26、第3減速機28の回転比を2:2:1とすることで、昇降台8は水平状態を保ちながら垂直に下降する。
【0020】
以上のように、第1実施例によれば、第1アーム2〜第5アーム11の伸縮機構によって、低い最低姿勢と長大な昇降ストロークを採ることができる上に、設置面の省スペース化ができて、所定の位置精度を確保できるような剛性を備えた産業用ロボットが得られることとなる。
【実施例2】
【0021】
図3および図4は、本発明の第2実施例を示す多関節ロボットの外形図であり、図3は正面図であり、図4は側面図である。
両図において、41は多関節ロボットの基台である。
42は基台41に支持された第1アームであり、第1水平軸43回りに回転自在に取り付けられている。44は第1アーム42の先端に支持された第2アームであり、第2水平軸45回りに回転自在に取り付けられている。46は第2アーム44の先端に支持された第3アームであり、第3水平軸47回りに回転自在に取り付けられている。48は第3アーム46の先端に支持された昇降台であり、第4水平軸49回りに回転自在に取り付けられている。50は、基台1に支持された第4アームであり、第1水平軸43回りに回転自在に取り付けられている。第4アーム50先端は第2アーム44に支持され、第2水平軸45回りに回転自在に取り付けられている。第4アーム50は第1アーム42と共に、第2アーム44を両持ちで支持していることになる。
【0022】
51は第2水平軸45に回転自在に支持された第1リンクベースであり、52は両端を基台41と第1リンクベース51に回転自在に支持された第1補助リンクであり、第1リンクベース51、第1アーム42および基台41とともに第1平行リンク機構53を形成する。
54は第3水平軸47に回転自在に支持された第2リンクベースであり、55は両端を第1リンクベース51と第2リンクベース54に回転自在に支持された第2補助リンクであり、第2リンクベース54、第2アーム44および第1リンクベース51とともに第2平行リンク機構56を形成する。
57は第2リンクベース54と、昇降台48に回転自在に支持された第3補助リンクであり、昇降台48、第3アーム46および第2リンクベース54とともに第3平行リンク機構58を形成する。
第1平行リンク機構53、第2平行リンク機構56および第3平行リンク機構58の働きによって、昇降台48の姿勢は水平に保たれる。59は昇降台48の上に取り付けられた水平多関節機構である。水平多関節機構59の構成と機能は前記第1実施例のそれと同一なので説明を省略する。
【0023】
60は一端を第1アーム42に取り付けられて、第2水平軸45回りに回転自在とされ、他端を第3アーム46に軸支されて、第3水平軸47回りに回転自在にされた補助アームである。補助アーム60は第2アーム44と共に第3アーム46を両持ち支持している。また、補助アーム60の内部は中空であり、基部41から昇降台48に延設されるケーブルの通路として使用される。
【0024】
61は第2アーム44の上部に固定された第1モータである。第1モータ61は第1減速機62を介して第3アーム46を駆動し、第3アーム46を第2アーム44に対して相対的に回転させる。63は第2アーム44の下部に固定された第2モータである。第2モータ63の動力は連結手段64(ここではベルトプーリ機構だが、シャフトと歯車の組み合わせでもよい)を介してシャフト65に伝えられ、シャフト65は第2減速機66、第3減速機67と結合して第2アーム44を第1アーム42と第4アーム50に対して相対的に回転させる。シャフト65の動力は第1アーム42の中に備えられた連結手段68(ここではベルトプーリ機構だが、シャフトと歯車の組合せでもよい)と第4減速機69を介して第1アーム42を基台41に対して相対的に回転させる。またシャフト65の動力は第4アーム50の中に備えられた連結手段70(ここではベルトプーリ機構だが、シャフトと歯車の組合せでもよい)と第5減速機71を介して第4アーム50を基台41に対して相対的に回転させる。
第1モータ61および第2モータ63は図示しない制御装置によって、独立あるいは協調運転される。このようにして、第1アーム42、第2アーム44、第3アーム46および第4アーム50は相対的に回転して昇降台48を昇降させる。この時も前記第1実施例と同様に、図示しない制御装置によりモータの回転数を補正することができる。
【0025】
次に、第2実施例に係る多関節ロボットの昇降動作を説明する。
<上昇動作>
図3および図4の状態から、第2モータ63(図1)を回転させて、連結手段64を介してシャフト65に伝え、シャフト65は第2減速機66、第3減速機67と結合して第2アーム44を図4で見て反時計方向に回転させる。また、シャフト65の動力は第1アーム42の中に備えられた連結手段68と第4減速機69を介して第1アーム42を基台41に対して時計方向に回転させる。同じく、シャフト65の動力は第4アーム50の中に備えられた連結手段70と第5減速機71を介して第4アーム50を基台41に対して時計方向に回転させる。その結果、第2アーム44の上端は上昇し、さらに、第1モータ61を回転させて第1減速機62を介して第3アーム46を時計方向に駆動することで、これに伴って、第1平行リンク機構53、第2平行リンク機構56、および第3平行リンク機構58もそれぞれ上下方向に長く延びることとなる。この時、第1減速機62、第2減速機66、第3減速機67、第4減速機69、第5減速機71の回転比を2:2:2:1:1とすることで、昇降台48は水平状態を保ちながら垂直に上昇する。
<下降動作>
図3および図4の状態から、第2モータ63(図1)を逆回転させて、連結手段64を介してシャフト65に伝え、シャフト65は第2減速機66、第3減速機67と結合して第2アーム44を図4で見て時計方向に回転させる。また、シャフト65の動力は第1アーム42の中に備えられた連結手段68と第4減速機69を介して第1アーム42を基台41に対して反時計方向に回転させる。同じく、シャフト65の動力は第4アーム50の中に備えられた連結手段70と第5減速機71を介して第4アーム50を基台41に対して反時計方向に回転させる。その結果、第2アーム44の上端は下降し、さらに、第1モータ61を逆回転させて第1減速機62を介して第3アーム46を反時計方向に駆動することで、これに伴って、第1平行リンク機構53、第2平行リンク機構56、および第3平行リンク機構58もそれぞれ上下方向に短縮することとなる。この時、第1減速機62、第2減速機66、第3減速機67、第4減速機69、第5減速機71の回転比を2:2:2:1:1とすることで、昇降台48は水平状態を保ちながら垂直に下降する。
【0026】
第2実施例によれば、第1アーム42と第2アーム44と第3アーム46と第4アーム50との組み合わせで構成される伸縮機構と平行リンク機構によって、低い最低姿勢と長大な昇降ストロークを採ることができる上に、設置面の省スペース化ができて、所定の位置精度を確保できるような剛性を備えた産業用ロボットが得られることとなる。
【0027】
図5および図6は本発明の第3実施例を示す水平多関節機構で、図5は多関節ロボットを含む全体図であり、図6は水平多関節機構を説明するための、多関節ロボットの最低姿勢の図で、両図において、29は昇降台8(図2)の上に取り付けられた水平多関節機構である。
図5において、(a)は多関節ロボット上の水平多関節機構29が閉じた状態、(b)は水平多関節機構29が開いた状態で、(a)、(b)においてそれぞれ(1)は正面図、(2)は側面図、(3)は平面図である。
図6において、(a)は水平多関節機構29が閉じた状態、(b)は水平多関節機構29が開いた状態で、(a)、(b)においてそれぞれ(1)は正面図、(2)は平面図である。
水平多関節機構29は垂直軸30(図2)の回りに旋回する旋回ベース31と、旋回ベース31上に並置されて水平方向に進退する2組の水平アーム32から構成されている。
水平アーム32の先端には図示しないハンドが取り付けられ、搬送対象のワークが前記ハンド上に載置される。
本多関節ロボットは上記旋回ベース31による旋回と2組の水平アーム32による伸縮運動により、搬送対象となるワークを旋回、水平移動の搬送作業を行うものである。
【0028】
本発明は、上記のような構成および作用・効果を有するので、多関節ロボット、特に垂直多関節機構によって長大な昇降ストロークを実現する多関節ロボットとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施例を示す多関節ロボットの正面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す多関節ロボットの側面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す多関節ロボットの正面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す多関節ロボットの側面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す水平多関節機構の多関節ロボットを含む全体図である。
【図6】本発明の第3実施例を示す水平多関節機構を説明する図である。
【符号の説明】
【0030】
1 基台
2 第1アーム
3 第1水平軸
4 第2アーム
5 第2水平軸
6 第3アーム
7 第3水平軸
8 昇降台
9 第4水平軸
10 第4アーム
11 第5アーム
12 第5水平軸
13 第6水平軸
14 第1リンクベース
15 第1補助リンク
16 第1平行リンク機構
17 第2リンクベース
18 第2補助リンク
19 第2平行リンク機構
20 第3補助リンク
21 第3平行リンク機構
22 補助アーム
23 第1モータ
24 第1減速機
25 第2モータ
26 第2減速機
27 連結手段
28 第3減速機
29 水平多関節機構
30 垂直軸
31 旋回ベース
32 水平アーム
33 基台
34 第1アーム
35 第1水平軸
36 第2アーム
37 第2水平軸
38 第3アーム
39 第3水平軸
41 基台
42 第1アーム
43 第1水平軸
44 第2アーム
45 第2水平軸
46 第3アーム
47 第3水平軸
48 昇降台
49 第4水平軸
50 第4アーム
51 第1リンクベース
52 第1補助リンク
53 第1平行リンク機構
54 第2リンクベース
55 第2補助リンク
56 第2平行リンク機構
57 第3補助リンク
58 第3平行リンク機構
59 水平多関節機構
60 補助アーム
61 第1モータ
62 第1減速機
63 第2モータ
64 連結手段
65 シャフト
66 第2減速機
67 第3減速機
68 連結手段
69 第4減速機
70 連結手段
71 第5減速機

Claims (6)

  1. 基台と、
    一端を前記基台に支持され、第1水平軸回りに回転自在にされた第1アームと、
    一端を前記第1アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第2水平軸回りに回転自在にされた第2アームと、
    一端を前記第2アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第3水平軸回りに回転自在にされた第3アームと、
    前記第3アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第4水平軸回りに回転自在にされた昇降台と、
    一端を前記基台に支持され、前記第1水平軸回りに回転自在にされた第4アームと、
    一端を前記第4アームに支持され、前記第1水平軸に平行な第5水平軸回りに回転自在にされ、他端を前記第2アームに支持されて前記第1水平軸に平行な第6水平軸回りに回転自在にされた第5アームと、
    一端を前記第2水平軸回りに回転自在に前記第1アームに支持されるとともに、他端を前記第3水平軸回り回転自在に前記第3アームに支持され、前記第2アームと共に、前記第3アームを両持で支持した補助アームと、
    前記第2水平軸に回転自在に支持された第1リンクベースと、
    前記第3水平軸に回転自在に支持された第2リンクベースと、
    前記基台と前記第1リンクベースに回転自在に支持されて、前記第1リンクベース、前記第1アームおよび前記基台とともに第1平行リンク機構を形成する第1補助リンクと、
    前記第1リンクベースと前記第2リンクベースに回転自在に支持されて、前記第2リンクベース、前記第2アームおよび前記第1リンクベースとともに第2平行リンク機構を形成する第2補助リンクと、
    前記第2リンクベースと前記昇降台に回転自在に支持されて、前記昇降台、前記第3アームおよび前記第2リンクベースとともに第3平行リンク機構を形成する第3補助リンクと、を備えるとともに、
    前記第1アーム、前記第2アーム、前記第3アーム、前記第4アームおよび前記第5アームの長さ比は1:2:1:1:1であり、前記第1アームと前記第1アームに対向する前記第4アームの間に前記第2アームと前記第3アームが配置され、
    前記第6水平軸は前記第2水平軸と前記第3水平軸の中間にあり、
    前記第1アームおよび前記第3アームをそれぞれ前記第1水平軸および前記第3水平軸周りに同方向に旋回することによって、前記昇降台は前記第1水平軸に直交する垂直軸(30)に沿って上下に昇降する
    ことを特徴とする多関節ロボット。
  2. 前記第2アームに第1モータを取り付けて、前記第1モータは第1減速機を介して前記第3アームを前記第2アームに対して相対的に回転させ、
    前記第4アームに第2モータを取り付け、前記第2モータは第2減速機を介して前記第5アームを前記第4アームに対して相対的に回転させるとともに、前記第4アームの中に備えられた連結手段と第3減速機を介して前記第4アームを前記基台に対して相対的に回転させることを特徴とする請求項1記載の多関節ロボット。
  3. 基台と、
    一端を前記基台に支持され、第1水平軸回りに回転自在にされた第1アームと、
    一端を前記第1アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第2水平軸回りに回転自在にされた第2アームと、
    一端を前記第2アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第3水平軸回りに回転自在にされた第3アームと、
    前記第3アームの他端に支持され、前記第1水平軸に平行な第4水平軸回りに回転自在にされた昇降台と、
    一端を前記基台に支持され、前記第1水平軸回りに回転自在にされ、前記第1アームと共に前記第2アームを前記第2水平軸回りに両持ちに支持する第4アームと、
    一端を前記第2水平軸回りに回転自在に前記第1アームに支持されるとともに、他端を前記第3水平軸回り回転自在に前記第3アームに支持され、前記第2アームと共に、前記第3アームを両持で支持した補助アームと、
    前記第2水平軸に回転自在に支持された第1リンクベースと、
    前記第3水平軸に回転自在に支持された第2リンクベースと、
    前記基台と前記第1リンクベースに回転自在に支持されて、前記第1リンクベース、前記第1アームおよび前記基台とともに第1平行リンク機構を形成する第1補助リンクと、
    前記第1リンクベースと前記第2リンクベースに回転自在に支持されて、前記第2リンクベース、前記第2アームおよび前記第1リンクベースとともに第2平行リンク機構を形成する第2補助リンクと、
    前記第2リンクベースと前記昇降台に回転自在に支持されて、前記昇降台、前記第3アームおよび前記第2リンクベースとともに第3平行リンク機構を形成する第3補助リンクと、を備え、
    前記第1アーム、前記第2アーム、前記第3アーム、前記第4アームおよび前記補助アームの長さ比は1:2:1:1:2とし、前記第1アームと前記第1アームに対向する前記第4アームの間に前記第2アームと前記第3アームが配置され、
    前記第1アームおよび前記第3アームをそれぞれ前記第1水平軸および前記第3水平軸周りに同方向に旋回することによって、前記昇降台は前記第1水平軸に直交する垂直軸(30)に沿って上下に昇降する
    ことを特徴とする多関節ロボット。
  4. 前記第2アームに第1モータおよび第2モータを取り付け、前記第1モータは第1減速機を介して前記第2アームを前記第1アームに対して相対的に回転させると共に、第2減速機を介して前記第2アームを前記第4アームに対して相対的に回転させ、前記第1アームの中に備えられた第1連結手段と第3減速機を介して前記第1アームを前記基台に対して相対的に回転させ、前記第4アームの中に備えられた第2連結手段と第4減速機を介して前記第4アームを前記基台に対して相対的に回転させるとともに、前記第2モータは第5の減速機を介して前記第3アームを前記第2アームに対して相対的に回転させることを特徴とする請求項3記載の多関節ロボット。
  5. 前記補助アームの内部を中空とし、ケーブルの通路としたことを特徴とする請求項1または3記載の多関節ロボット。
  6. 前記昇降台に水平多関節アームを取り付けたことを特徴とする請求項1または3記載の多関節ロボット。
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