JP4615852B2 - 変倍光学系及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

変倍光学系及びそれを用いた電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、変倍光学系及びそれを用いた電子機器に関するものであり、特に、コンパクトな変倍光学系、及び、そのような変倍光学系を用いた電子機器に関する。この電子機器には、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯電話、情報携帯端末がある。
近年、PDAと呼ばれる情報携帯端末や携帯電話が爆発的に普及してきている。これの機器には、デジタルカメラの機能や、デジタルビデオの機能が付加されたものもある。これらの機能を実現するために、撮像素子として、CCD(Charge Coupled Device )やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )センサーが使われている。このような機器を小型化するには、受光面の有効エリアが比較的小さい撮像素子を使うのが良い。この場合、光学系の性能を高性能に保ったままで、小型化と低コスト化の両立が必要となる。従来、小型化されかつ低コストの光学系の1つとして、特許文献1や特許文献2に開示された変倍光学系があげられる。
特開平9−179026号公報 特開平10−333034号公報
しかし、特許文献1に開示された変倍光学系は、第3群に2枚のレンズを有しているため、小型化の効果は十分とはいえない。また、特許文献2に開示された変倍光学系は、第2群に分布屈折率レンズを用いているために、レンズ厚さが大きくなりレンズ全長が長くなってしまう。
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コスト化と小型化との両立が効果的に可能な変倍光学系とそれを用いた電子機器を提供することである。
上記目的を達成する本発明の変倍光学系は、物体側から順に、両凹負レンズ若しくは両凹負レンズと像側に凹面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズからなり負の屈折力を有する第1レンズ群と、両凸正レンズからなり正の屈折力を有する第2レンズ群と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなり負の屈折力を有する第3レンズ群と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズからなり正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成され、広角端から望遠端への変倍の際に、第1レンズ群は固定であり、第2レンズ群と第3レンズ群とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群は固定の変倍光学系であって、
前記第2レンズ群は1枚の均質正レンズからなり、
以下の条件式を満足することを特徴とするものである。
1.18≦|f1 |/fw <5 ・・・(2)’
0.3<|f2 |/fw <1.3 ・・・(6)
ただし、f1 :前記第1レンズ群の負レンズの焦点距離、
2 :前記第2レンズ群の正レンズの焦点距離、
w :広角端における全系の焦点距離、
である。
以下、上記本発明の変倍光学系の背景をなす第1から第30の変倍光学系とその変倍光学系を用いた電子機器について説明する。
第1の変倍光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成された変倍光学系であって、
前記第2レンズ群は1枚の均質正レンズからなることを特徴とするものである。
第1の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。
上記のような、レンズ群の屈折力が、負の屈折力、正の屈折力、負の屈折力、正屈折力の順になっている変倍光学系は、全長が固定された光学系を、少ないレンズ枚数でかつ短い全長で実現できる。よって、コンパクトかつ低コストな光学系を実現できるので、好ましい。
そして、第2レンズ群を負レンズ1枚で実現することで、より少ない枚数で光学系を構成できる。その結果、光学系が低コストになる。
また、第2レンズ群を均質レンズで構成することにより、分布屈折率レンズ等の不均質レンズを用いる場合よりもレンズ全長を小さくできる。
なお、このような変倍光学系においては、例えば、第2レンズ群と第3レンズ群を共に物体側に移動させることで、広角端から望遠端への変倍が行われる。この時、第2レンズ群と第3レンズ群の間隔を若干変化させながら、両レンズ群を移動させる。もちろん、その変倍のために、第1レンズ群と第4レンズ群の少なくとも一方も移動させるようにしてもよい。
第2の変倍光学系は、第1の変倍光学系において、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズは、物体側の面に非球面を有することを特徴とするものである。
第2の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。このタイプの変倍光学系では、広角端では、第1レンズ群での光線高が高い。そこで、負レンズの物体側に非球面を有することで、コマ収差等の軸外収差を良好に補正できる。
また、望遠端では、第1レンズ群での光束径は大きい。そこで、負レンズの物体側に非球面を有することで、球面収差等を良好に補正できる。
第3の変倍光学系は、第1、第2の変倍光学系において、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズは、像側の面に非球面を有することを特徴とするものである。
第3の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。このタイプの変倍光学系では、広角端では、第1レンズ群での光線高が高い。そこで、負レンズの像側に非球面を有することで、非点収差等の軸外収差を良好に補正できる。
第4の変倍光学系は、第1〜第3の変倍光学系において、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズは、樹脂材料で製作されたレンズであることを特徴とするものである。
第4の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。樹脂材料のレンズは、ガラスより低コストで製作できる。そのため、第1レンズ群の負レンズに樹脂材料で製作されたレンズを用いると、光学系を低コスト化できる。
第5の変倍光学系は、第1〜第4の変倍光学系において、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とするものである。
40<νd1<100 ・・・(1)
ただし、νd1:前記第1レンズ群の負レンズのアッベ数、
である。
第5の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群は負のパワーを有するので、特に、広角端で大きな倍率色収差を発生する。しかも、第1レンズ群を負レンズ1枚で構成するためには、第1レンズ群に正レンズを配置して倍率色収差の発生量を抑えることはできない。そこで、第1レンズ群の負レンズが、(1)の条件式を満たすようにする。このようにすることで、倍率色収差の発生量を小さくできる。
条件式(1)の上限値の100を越えると、レンズに適した素材(材料)の入手が困難となる。下限値の40を下回ると、第1レンズ群で発生する倍率色収差が、大きくなりすぎる。全系でこの倍率色収差を小さくするためには、多くのレンズ枚数が必要となってしまうので、低コスト化、小型化が困難になる。
なお、以下の条件式(1−2)を満たすことが好ましい。この場合、倍率色収差の発生量を小さくできる。
50<νd1<100 ・・・(1−2)
また、以下の条件式(1−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、倍率色収差の発生量を、より小さくできる。
55<νd1<100 ・・・(1−3)
第6の変倍光学系は、第1〜第5の変倍光学系において、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とするものである。
0.5<|f1 |/fw <5 ・・・(2)
ただし、f1 :前記第1レンズ群の負レンズの焦点距離、
w :広角端における全系の焦点距離、
である。
第6の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群は、レンズ径が第2レンズ群や第3レンズ群と比較して大きくなる。そこで、第1レンズ群にパワーを持たせる。すると、入射瞳位置はより物体側となるので、レンズ有効径を小さくできるだけでなく、レンズ全長の小さくできる。このとき、(2)の条件式を満たすことで、性能を良好に保ったまま、レンズ有効径やレンズ全長を小さくできる。
条件式(2)の上限値の5を越えると、負のパワーが強くなりすぎてしまう。この場合、広角端で発生するコマ収差や望遠端で発生する非点収差等が大きくなる。よって、収差補正上好ましくない。条件式(2)の下限値の0.5を下回る、負のパワーが弱くなってしまい、レンズ有効径やレンズ全長を十分に小さくできない。
なお、以下の条件式(2−2)を満たすことが好ましい。この場合、性能を良好に保ったまま、レンズ有効径やレンズ全長を小さくできる。
1<|f1 |/fw <3 ・・・(2−2)
また、以下の条件式(2−3)を満たすことが、より望ましい。この場合、性能を良好に保ったまま、レンズ有効径やレンズ全長を、より小さくできる。
1.5<|f1 |/fw <2 ・・・(2−3)
第7の変倍光学系は、第1〜第6の変倍光学系において、前記第1レンズ群が少なくとも1枚の接合レンズを有することを特徴とするものである。
第7の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群に接合レンズを有することで、偏心感度を小さくできる。その結果、光学系の組み立てが容易になり、低コスト化につながる。
第8の変倍光学系は、第1〜第7の変倍光学系において、前記第1レンズ群が少なくとも1枚の正レンズを有することを特徴とするものである。
第8の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群は、レンズ径が第2レンズ群や第3レンズ群と比較して大きくなる。そこで、第1レンズ群の負の屈折力を大きくする。すると、入射瞳位置はより物体側となるので、レンズ有効径を小さくできるだけでなく、レンズ全長を小さくできる。しかし、第1レンズ群の負レンズのパワーが大きくなると、倍率色収差が大きくなるので収差補正上好ましくない。そこで、第1レンズ群に正レンズを用いることで、第1レンズ群の倍率色収差量を小さくできる。なお、この正レンズの形状をメニスカス形状とし、更に、負レンズと接合して接合レンズにする。このようにすれば、第1レンズ群が大型になるのを抑えることができる。
第9の変倍光学系は、第8の変倍光学系において、前記正レンズは最も像側に配置されていることを特徴とするものである。
第9の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群の最も像側を正レンズとすることで、変倍に伴う球面収差やコマ収差・倍率色収差等の諸収差の変動を抑制できる。
第10の変倍光学系は、第1〜第4の変倍光学系において、前記第1レンズ群が、以下の条件式を満たすことを特徴とするものである。
−10<SFG1<1 ・・・(3)
ただし、SFG1=(rG11 +rG12 )/(rG11 −rG12 )、
SFG1:前記第1レンズ群のシェイピングファクター、
G11 :前記第1レンズ群の最も物体側の面の曲率半径、
G12 :前記第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径、
である。
第10の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群は、レンズ径が第2レンズ群や第3レンズ群と比較して大きくなる。そこで、第1レンズ群にパワーを持たせる。すると、入射瞳位置はより物体側となるので、レンズ有効径を小さくできるだけでなく、レンズ全長を小さくできる。このとき、(3)の条件式を満たすようにする。このようにすることで、性能を良好に保ったまま、レンズ有効径を小さくできる。
条件式(3)の上限値の1を越えると、物体側の面の正のパワーが大きくなりすぎ、入射瞳位置はより像側となる。その結果、レンズ有効径は大きくなるので、好ましくない。条件式(3)の下限値の−10を下回ると、物体側の負のパワーが強くなりすぎてしまう。その結果、広角端で発生するコマ収差や望遠端で発生する非点収差等が大きくなるため、収差補正上好ましくない。
なお、以下の条件式(3−2)を満たすことが好ましい。この場合、性能を良好に保ったままレンズ有効径を小さくできる。
−1<SFG1<1 ・・・(3−2)
また、以下の条件式(3−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、性能を良好に保ったまま、レンズ有効径をより小さくできる。
−0.5<SFG1<0.5 ・・・(3−3)
第11の変倍光学系は、第1〜第10の変倍光学系において、前記第2レンズ群の正レンズが、物体側に非球面を有することを特徴とするものである。
第11の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第2レンズ群での光束径は大きい。そこで、正レンズの物体側に非球面を有することにより、特に広角端での球面収差等を良好に補正できる。
第12の変倍光学系は、第1〜第11の変倍光学系において、前記第2レンズ群の正レンズが、像側に非球面を有することを特徴とするものである。
第12の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第2レンズ群での光束径は大きい。そこで、正レンズの像側に非球面を有することにより、特に広角端での球面収差等を良好に補正できる。
また、第2レンズ群の正レンズに大きなパワーを持たせると、第2レンズ群の移動量が小さくなる。よって、コンパクトな光学系が実現できる。ただし、第2レンズ群での正レンズが大きなパワーを持つと、非点収差やコマ収差等が大きく発生してしまう。そこで、正レンズの像側に非球面を有することにより、特に広角端でのコマ収差や非点収差等を良好に補正できる。その結果、コンパクトで収差の少ない光学系が実現できる。
第13の変倍光学系は、第1〜第12の変倍光学系において、前記第2レンズ群の正レンズが、樹脂材料で製作されたことを特徴とするものである。
第13の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。樹脂材料のレンズは、ガラスより低コストで製作できる。そのため、第2レンズ群の正レンズに樹脂材料で製作されたレンズを用いると、光学系を低コスト化できる。
第14の変倍光学系は、第1〜第13の変倍光学系において、前記第2レンズ群が以下の条件式を満たすことを特徴とするものである。
−5<SFG2<1 ・・・(4)
ただし、SFG2=(rG21 +rG22 )/(rG21 −rG22 )、
SFG2:前記第2レンズ群の正レンズのシェイピングファクター、
G21 :前記第2レンズ群の正レンズの物体側の面の曲率半径、
G22 :前記第2レンズ群の正レンズの像側の面の曲率半径、
である。
第14の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第2レンズ群が条件式(4)を満たすことで、像側の面の正の屈折力を小さくできる。その結果、次のような効果が得られる。(1)主点位置が第1レンズ群側に移動するので、第1レンズ群と第2レンズ群の主点間隔が短縮できる。よって、レンズ全長の短縮につながる。(2)第2レンズ群の倍率を大きくできるので、変倍に伴う第2レンズ群の移動量を小さくできる。よって、全長の短縮につながる。
条件式(4)の上限値の1を越えると、最も像側の面の正の屈折力が大きくなる。そのため、第2レンズ群の倍率が小さくなるので、変倍比が小さくなってしまう。若しくは、同じ変倍比を得るには、変倍に伴う第2レンズ群の移動量を大きくしなくてはいけなくなる。下限値の−5を下回ると、最も物体側の面で発生する非点収差と最も像側の面で発生するコマ収差が、共に大きくなりする。そのため、補正により多くのレンズが必要となる。
なお、以下の条件式(4−2)を満たすことが好ましい。この場合、光学系のコンパクト化が実現できる。
−1<SFG2<0.5 ・・・(4−2)
また、以下の条件式(4−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、光学系のよりコンパクト化が実現できる。
−0.5<SFG2<0 ・・・(4−3)
第15の変倍光学系は、第1〜第14の変倍光学系において、前記第2レンズ群の正レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とするものである。
40<νd2<100 ・・・(5)
ただし、νd2:前記第2レンズ群の正レンズのアッベ数、
である。
第15の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第2レンズ群の正レンズに大きなパワーを持たせると、第2レンズ群の移動量が小さくなり、コンパクトな光学系が実現できる。しかしながら、第2レンズ群の正レンズが大きなパワーを持つと、それに伴い軸上色収差が大きく発生してしまう。そこで、第2レンズ群の正レンズが(5)の条件式を満たすようにする。このようにすることで、軸上色収差の発生量を小さくできる。
条件式(5)の上限値の100を越えると、レンズに適した素材(材料)の入手が困難となる。下限値の40を下回ると、第2レンズ群で発生する軸上色収差が、大きくなりすぎる。この場合、全系で軸上色収差を抑制するために多くのレンズ枚数が必要となってしまうので、光学系の小型化が困難になる。
なお、以下の条件式(5−2)を満たすことが好ましい。この場合、軸上色収差の発生量を小さくできる。
45<νd2<100 ・・・(5−2)
また、以下の条件式(5−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、軸上色収差の発生量を、より小さくできる。
50<νd2<100 ・・・(5−3)
第16の変倍光学系は、第1〜第15の変倍光学系において、前記第2レンズ群の正レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とするものである。
0.3<|f2 |/fw <1.3 ・・・(6)
ただし、f2 :前記第2レンズ群の正レンズの焦点距離、
w :広角端における全系の焦点距離、
である。
第16の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第2レンズ群の正レンズに大きなパワーを持たせると、第2レンズ群の移動量が小さくなり、コンパクトな光学系が実現できる。しかしながら、第2レンズ群での正レンズが大きなパワーを持つと、それに伴い軸上色収差やコマ収差、非点収差等が大きく発生してしまう。そこで、(6)の条件式を満たすようにする。このようにすることで、性能を良好に保ったまま、コンパクトな光学系を実現できる。
条件式(6)の上限値の1.3を越えると、正のパワーが強くなりすぎてしまう。その結果、軸上色収差や広角端でのコマ収差・非点収差等が大きくなる。条件式(6)の下限値の0.3を下回ると、正のパワーが弱くなってしまう。その結果、第2レンズ群の移動量が大きくなるので、レンズ全長を十分に小さくできない。
なお、以下の条件式(6−2)を満たすことが好ましい。この場合、性能を良好に保ったまま、レンズ有効径やレンズ全長を小さくできる。
0.5<|f2 |/fw <1 ・・・(6−2)
また、以下の条件式(6−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、性能を良好に保ったまま、レンズ有効径やレンズ全長をより小さくできる。
0.6<|f2 |/fw <0.8 ・・・(6−3)
第17の変倍光学系は、第1〜第16の変倍光学系において、前記第3レンズ群の少なくとも1枚の負レンズが、樹脂材料で製作されたことを特徴とするものである。
第17の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明すると、樹脂材料のレンズはガラスより低コストで製作できる。そのため、第3レンズ群の負レンズに樹脂材料で製作されたレンズを用いると、光学系を低コスト化できる。
第18の変倍光学系は、第1〜第17の変倍光学系において、前記第3レンズ群の少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とするものである。
−1<SFG3<10 ・・・(7)
ただし、SFG3=(rG31 +rG32 )/(rG31 −rG32 )、
SFG3:前記第3レンズ群の負レンズのシェイピングファクター、
G31 :前記第3レンズ群の負レンズの物体側の面の曲率半径、
G32 :前記第3レンズ群の負レンズの像側の面の曲率半径、
である。
第18の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。条件式(7)を満たすことで、第3レンズ群の負レンズの主点位置が、より物体側となる。その結果、第2レンズ群と第3レンズ群との主点間隔が短縮できるので、レンズ全長の短縮につながる。
条件式(7)の上限値の10を越えると、像側の面で発生する非点収差等の諸収差の変動が大きくなる。下限値の−1を下回ると、第3レンズ群の負レンズの主点位置が像側となる。そのため、第2レンズ群と第3レンズ群との主点間隔が長くなってしまい、レンズ全長も増大する。
なお、以下の条件式(7−2)を満たすことが好ましい。この場合、光学系のコンパクト化が実現できる。
0<SFG3<5 ・・・(7−2)
また、以下の条件式(7−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、光学系のよりコンパクト化が実現できる。
1<SFG3<2 ・・・(7−3)
第19の変倍光学系は、第1〜第18の変倍光学系において、前記第3レンズ群の少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とするものである。
0<νd3<40 ・・・(8)
ただし、νd3:前記第3レンズ群の負レンズのアッベ数、
である。
第19の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群を1枚の負レンズで構成すると、倍率色収差が大きく発生する。また、第2レンズ群では、軸上色収差が発生する。そこで、条件式(8)を満たすことで、第1レンズ群を1枚の負レンズで構成しても良好に倍率色収差を補正できるだけでなく、第2レンズ群で発生した軸上色収差も良好に補正できる。
条件式(8)の上限値40を越えると、第1群レンズ群で発生した倍率色収差、及び第2レンズ群で発生した軸上色収差を抑制できなくなる。特に、第2レンズ群で発生した軸上色収差を補正できないと、変倍に伴う軸上色収差の変動が大きくなる。その結果、画像中心での画質が大きく劣化する。下限値の0を下回ると、レンズに適した素材(材料)の入手が困難となる。
なお、以下の条件式(8−2)を満たすことが好ましい。この場合、第1レンズ群と第2レンズ群で発生した色収差を良好に補正できる。
0<νd3<35 ・・・(8−2)
また、以下の条件式(8−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、第1レンズ群と第2レンズ群で発生した色収差を、より良好に補正できる。
0<νd3<30 ・・・(8−3)
第20の変倍光学系は、第1〜第19の変倍光学系において、前記第4レンズ群の少なくとも1枚の正レンズが、樹脂材料で製作されたことを特徴とするものである。
第20の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。樹脂材料のレンズは、ガラスより低コストで製作できる。そのため、第4レンズ群の正レンズに樹脂材料で製作されたレンズを用いると、光学系を低コスト化できる。
第21の変倍光学系は、第1〜第20の変倍光学系において、前記第4レンズ群の少なくとも1枚の正レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とするものである。
−1<SFG4<10 ・・・(9)
ただし、SFG4=(rG41 +rG42 )/(rG41 −rG42 )、
SFG4:前記第4レンズ群の正レンズのシェイピングファクター、
G41 :前記第4レンズ群の正レンズの物体側の面の曲率半径、
G42 :前記第4レンズ群の正レンズの像側の面の曲率半径、
である。
第21の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第3レンズ群で発生する収差量を小さくするには、第3レンズ群での光線高が小さいのが好ましい。そこで、第4レンズ群が条件式(9)を満たすようにする。このようにすることで、物体側の面の正の屈折力が小さくなるため、物体側の面でのコマ収差や非点収差等の発生量を小さくできる。
条件式(9)の上限の10を越えると、物体側の面の負の屈折力が大きくなりすぎる。その結果、コマ収差や非点収差等を、条件式(9)と逆符号側に大きく発生してしまう。また、偏心感度も大きくなる。下限の−1を下回ると、物体側の面の正の屈折力が大きくなる。そのために、コマ収差や非点収差等諸収差の発生量が、大きくなってしまう。この場合、これを補正するにはより多くのレンズ枚数が必要となる。
なお、以下の条件式(9−2)を満たすことが好ましい。この場合、諸収差の発生量を小さくできる。
0<SFG4<7 ・・・(9−2)
また、以下の条件式(9−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、諸収差の発生量を、より小さくできる。
1.5<SFG4<3 ・・・(9−3)
第22の変倍光学系は、第1〜第21の変倍光学系において、前記第4レンズ群少なくとも1枚の正レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とするものである。
40<νd4<100 ・・・(10)
ただし、νd4:前記第4レンズ群の正レンズのアッベ数、
である。
第22の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群を1枚の負レンズで構成すると、特に広角端で、倍率色収差が大きく発生する。第3レンズ群の負の屈折力で、この倍率色収差を補正するようにすると、望遠端で補正過剰となる。そこで、条件式(10)を満たすようにする。このようにすることで、望遠端での補正過剰による倍率色収差の発生を、良好に抑制することができる。
条件式(10)の上限値100を越えると、レンズに適した素材(材料)の入手が困難となる。下限値40を下回ると、望遠端で発生する倍率色収差を、抑制できなくなる。この場合、補正するにはより多くのレンズ枚数が必要となる。
なお、以下の条件式(10−2)を満たすことが好ましい。この場合、倍率色収差の発生を良好に抑制することができる。
45<νd4<100 ・・・(10−2)
また、以下の条件式(10−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、倍率色収差の発生を、より良好に抑制することができる。
50<νd4<100 ・・・(10−3)
第23の変倍光学系は、第1〜第22の変倍光学系において、以下の条件式を満たすことを特徴とするものである。
−30<DTmin <20 ・・・(11)
ただし、DTmin :最小歪曲収差量[%]、
である。
第23の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。歪曲収差を電気的に補正し広画角化する場合、広角端でマイナスの歪曲収差を発生させるとよい。そこで、条件式(11)を満たすようにする。このようにすることで、電気的に歪曲収差を補正した際、良好な画質で広画角化が実現できる。
条件式(11)の上限値20を越えると、広角端でプラスの歪曲収差が発生することになる。そのため、歪曲収差を電気的に補正しても、広画角化は実現できない。下限値−30を下回ると、画像最周辺の引き伸ばし倍率が大きくなる。その結果、歪曲収差を電気的に補正した後の画像が粗くなる。
なお、以下の条件式(11−2)を満たすことが好ましい。この場合、画像を粗くしないままで広画角化できる。
−20<DTmin <0 ・・・(11−2)
また、以下の条件式(11−3)を満たすことが、より好ましい。この場合、画像をより粗くしないままで広画角化できる。
−15<DTmin <−5 ・・・(11−3)
第24の変倍光学系は、第1〜第23の変倍光学系において、光学系で発生する歪曲収差を電気的に補正するようにしたことを特徴とするものである。
第24の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。歪曲収差を光学系で良好に補正しようとすると、レンズ枚数が増え光学系が大型化する。そこで、光学系で補正し切れない歪曲収差を、電気的に補正する。このようにすることで、光学系をよりコンパクトにすることができる。
また、レトロフォーカスタイプの光学系は、広角端での負の歪曲収差が大きい。そこで、このような光学系では、電気的に像歪を補正する際に、広画角化・高倍率化しやすい。
第25の変倍光学系は、第1〜第24の変倍光学系において、光学系で発生する倍率色収差を電気的に補正するようにしたことを特徴とするものである。
第25の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。第1レンズ群を1枚の負レンズで構成すると、広角端で大きく倍率色収差が発生する。この倍率色収差を光学系で良好に補正しようとすると、レンズ枚数が増え光学系が大型化する。そこで、光学系で補正し切れない倍率色収差を、電気的に補正する。このようにすることで、光学系をよりコンパクトにすることができる。
第26の変倍光学系は、第1〜第25の変倍光学系において、光学系を構成する少なくとも1つの光学素子の光学材料として有機無機複合材料を用いることを特徴とするものである。
第26の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。光学素子の光学材料として有機無機複合材料を用いると、有機成分と無機成分の種類と存在量比率に応じて、種々の光学特性(屈折率、波長分散性)が発現するようになる(得られる)。このように、 有機成分と無機成分を任意の比率で配合することで、 所望の光学特性、あるいは高い光学特性を持つ光学材料を実現できる。これにより、性能の高い光学素子を得ることができるので、より少ない枚数で諸収差を補正できる。よって、光学系を低コスト・小型化できる。
第27の変倍光学系は、第26の変倍光学系において、前記有機無機複合体はジルコニアのナノ粒子を含むことを特徴とするものである。
第28の変倍光学系は、第26の変倍光学系において、前記有機無機複合体はジルコニアとアルミナのナノ粒子を含むことを特徴とするものである。
第29の変倍光学系は、第26の変倍光学系において、前記有機無機複合体はニオブ酸化物のナノ粒子を含むことを特徴とするものである。
第30の変倍光学系は、第26の変倍光学系において、前記有機無機複合体はジルコニウムアルコキシドの加水分解物とアルミナのナノ粒子を含むことを特徴とするものである。
第27〜第30の変倍光学系において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。これらの材料のナノ粒子は、無機成分の例示である。そして、このようなナノ粒子を有機成分のプラスチック中に所定の存在量比率で分散させることにより、種々の光学特性(屈折率、波長分散性)を発現させることができる。
以上の変倍光学系を用いた電子機器は、第1〜第30の変倍光学系と、その像側に配された電子撮像素子とを有することを特徴とするものである。
この電子機器において、上記構成をとる理由とその作用を説明する。以上の変倍光学系は、小型で低コストなものである。よって、このような変倍光学系を撮像光学系として搭載した電子機器において、機器の小型化・低コスト化を図ることができる。なお、電子機器としては、デジタルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオユニット、パーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯電話、情報携帯端末等がある。
本発明によると、変倍光学系の低コスト化と小型化との両立を効果的に行うことができ、それを用いた電子機器も同様に低コスト化と小型化を達成することができる。
以下に、本発明の変倍光学系(ズームレンズ)の実施例1〜6について、図面を参照して説明する。実施例1〜6の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)の光軸に沿うレンズ断面図をそれぞれ図1〜図6に示す。各図中、G1は第1レンズ群、G2は第2レンズ群、G3は第3レンズ群、G4は第4レンズ群、Sは開口絞り、Fは近赤外カットフィルター、ローパスフィルター、電子撮像素子のカバーガラス等の平行平面板群、Iは像面を示す。また、実施例1〜6の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)の球面収差、非点収差、倍率色(収差)、歪曲収差の収差図をそれぞれ図7〜図12に示す。なお、これら収差図中において、“FIY”は像高を表す。
実施例1の変倍光学系は、図1に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とで構成されている。そして、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定であり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。開口絞りSは第2レンズ群G2と共に物体側へ移動する。
第1レンズ群G1は、両凹負レンズで構成されており、負のパワーを有している。この両凹負レンズの両面は非球面である。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズで構成されており、正のパワーを有している。この両凸正レンズの両面は非球面である。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズで構成されており、負のパワーを有している。この負メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズで構成されており、正のパワーを有している。この正メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
本実施例のレンズは全て樹脂材料で製作されている。
実施例2の変倍光学系は、図2に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とで構成されている。そして、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定であり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。開口絞りSは第2レンズ群G2と共に物体側へ移動する。
第1レンズ群G1は、両凹負レンズで構成されており、負のパワーを有している。この両凹負レンズの両面は非球面である。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズで構成されており、正のパワーを有している。この両凸正レンズの両面は非球面である。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズで構成されており、負のパワーを有している。この負メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズで構成されており、正のパワーを有している。この正メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
本実施例のレンズは、第1レンズ群G1の両凹負レンズがガラスで製作されている他は、全て樹脂材料で製作されている。
実施例3の変倍光学系は、図3に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とで構成されている。そして、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定であり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。開口絞りSは第2レンズ群G2と共に物体側へ移動する。
第1レンズ群G1は、両凹負レンズで構成されており、負のパワーを有している。この両凹負レンズの両面は非球面である。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズで構成されており、正のパワーを有している。この両凸正レンズの両面は非球面である。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズで構成されており、負のパワーを有している。この負メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズで構成されており、正のパワーを有している。この正メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
本実施例のレンズは、第2レンズ群G2の両凸正レンズがガラスで製作されている他は、全て樹脂材料で製作されている。
実施例4の変倍光学系は、図4に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とで構成されている。そして、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定であり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。開口絞りSは第2レンズ群G2と共に物体側へ移動する。
第1レンズ群G1は、両凹負レンズで構成されており、負のパワーを有している。この両凹負レンズの両面は非球面である。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズで構成されており、正のパワーを有している。この両凸正レンズの両面は非球面である。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズで構成されており、負のパワーを有している。この負メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズで構成されており、正のパワーを有している。この正メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
本実施例のレンズは、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズがガラスで製作されている他は、全て樹脂材料で製作されている。
実施例5の変倍光学系は、図5に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とで構成されている。そして、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定であり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。開口絞りSは第2レンズ群G2と共に物体側へ移動する。
第1レンズ群G1は、両凹負レンズで構成されており、負のパワーを有している。この両凹負レンズの両面は非球面である。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズで構成されており、正のパワーを有している。この両凸正レンズの両面は非球面である。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズで構成されており、負のパワーを有している。この負メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズで構成されており、正のパワーを有している。この正メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
本実施例のレンズは、第4レンズ群G4の正メニスカスレンズがガラスで製作されている他は、全て樹脂材料で製作されている。
実施例6の変倍光学系は、図6に示すように、物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、第4レンズ群G4とで構成されている。そして、広角端から望遠端に変倍する際は、第1レンズ群G1は固定であり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群G4は固定である。開口絞りSは第2レンズ群G2と共に物体側へ移動する。
第1レンズ群G1は、両凹負レンズと像側に凹面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズで構成されており、負のパワーを有している。この接合レンズの最も物体側と最も像側の面は非球面である。
第2レンズ群G2は、両凸正レンズで構成されており、正のパワーを有している。この両凸正レンズの両面は非球面である。
第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズで構成されており、負のパワーを有している。この負メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
第4レンズ群G4は、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズで構成されており、正のパワーを有している。この正メニスカスレンズの像側の面は非球面である。
本実施例のレンズは、第3レンズ群の負メニスカスレンズが樹脂材料で製作されている他は、全てガラスで製作されている。
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 1/2
+A4 4 +A6 6 +A8 8 +A1010
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4 、A6 、A8 、A10はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。

実施例1
1 = -6.301 (非球面) d1 = 0.50 nd1 =1.52542 νd1 =55.78
2 = 6.669 (非球面) d2 = (可変)
3 = ∞(絞り) d3 = 0.00
4 = 2.086 (非球面) d4 = 1.32 nd2 =1.52542 νd2 =55.78
5 = -3.231 (非球面) d5 = (可変)
6 = 18.094 d6 = 0.50 nd3 =1.60687 νd3 =27.03
7 = 1.822 (非球面) d7 = (可変)
8 = -12.307 d8 = 1.07 nd4 =1.52542 νd4 =55.78
9 = -3.906 (非球面) d9 = 2.64
10= ∞ d10= 0.50 nd5 =1.51633 νd5 =64.14
11= ∞
非球面係数
第1面
K = 0.000
4 = 4.32714×10-3
6 = 4.14536×10-4
8 = -3.27778×10-5
10= 0
第2面
K = 0.000
4 = 1.38944×10-3
6 = 1.02204×10-3
8 = 5.50333×10-5
10= 0
第4面
K = -0.977
4 = 1.25280×10-3
6 = -2.01568×10-3
8 = 0
10= 0
第5面
K = 0.000
4 = 2.91744×10-2
6 = -1.10534×10-2
8 = 1.98860×10-3
10= 0
第7面
K = -0.752
4 = -1.87308×10-3
6 = 2.47042×10-2
8 = -5.43689×10-3
10= 0
第9面
K = -4.700
4 = -7.43924×10-3
6 = -9.40285×10-5
8 = 1.07428×10-5
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 3.600 6.235 10.800
NO 2.80 3.76 4.84
ω (°) . . .
2 4.83 2.36 0.20
5 0.31 0.40 0.85
7 0.70 3.09 4.80 。

実施例2
1 = -6.192 (非球面) d1 = 0.50 nd1 =1.49700 νd1 =81.54
2 = 6.326 (非球面) d2 = (可変)
3 = ∞(絞り) d3 = -0.01
4 = 2.037 (非球面) d4 = 1.14 nd2 =1.52542 νd2 =55.78
5 = -3.175 (非球面) d5 = (可変)
6 = 25.280 d6 = 0.85 nd3 =1.60687 νd3 =27.03
7 = 1.808 (非球面) d7 = (可変)
8 = -7.945 d8 = 0.98 nd4 =1.52542 νd4 =55.78
9 = -3.406 (非球面) d9 = 2.57
10= ∞ d10= 0.50 nd5 =1.51633 νd5 =64.14
11= ∞
非球面係数
第1面
K = 0.000
4 = 4.19483×10-3
6 = 3.77619×10-4
8 = -2.91910×10-5
10= 0
第2面
K = 0.000
4 = 1.32079×10-3
6 = 9.54364×10-4
8 = 6.88330×10-5
10= 0
第4面
K = -0.921
4 = 2.81890×10-3
6 = -1.75660×10-3
8 = 0
10= 0
第5面
K = 0.000
4 = 3.35772×10-2
6 = -1.14423×10-2
8 = 2.01674×10-3
10= 0
第7面
K = -0.725
4 = -4.31569×10-3
6 = 2.60664×10-2
8 = -4.78944×10-3
10= 0
第9面
K = -1.439
4 = -7.76886×10-4
6 = -6.77723×10-4
8 = 3.26587×10-5
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 3.600 6.235 10.800
NO 2.80 3.78 4.88
ω (°) . . .
2 4.84 2.38 0.21
5 0.10 0.15 0.53
7 0.81 3.22 5.01 。

実施例3
1 = -6.428 (非球面) d1 = 0.50 nd1 =1.52542 νd1 =55.78
2 = 5.853 (非球面) d2 = (可変)
3 = ∞(絞り) d3 = -0.02
4 = 2.319 (非球面) d4 = 1.31 nd2 =1.58313 νd2 =59.38
5 = -3.417 (非球面) d5 = (可変)
6 = 13.426 d6 = 0.50 nd3 =1.60687 νd3 =27.03
7 = 1.748 (非球面) d7 = (可変)
8 = -9.086 d8 = 1.04 nd4 =1.52542 νd4 =55.78
9 = -3.678 (非球面) d9 = 2.43
10= ∞ d10= 0.50 nd5 =1.51633 νd5 =64.14
11= ∞
非球面係数
第1面
K = 0.000
4 = 5.72036×10-4
6 = 9.00099×10-4
8 = -5.48955×10-5
10= 0
第2面
K = 0.000
4 = -1.97082×10-3
6 = 9.63123×10-4
8 = 1.39941×10-4
10= 0
第4面
K = -1.332
4 = -1.68761×10-3
6 = -3.42873×10-5
8 = -1.91821×10-3
10= 0
第5面
K = 0.000
4 = 1.62582×10-2
6 = -6.71707×10-3
8 = -1.90345×10-4
10= 0
第7面
K = -0.808
4 = 6.89314×10-3
6 = 2.12931×10-2
8 = -4.86310×10-3
10= 0
第9面
K = -4.680
4 = -8.68046×10-3
6 = -1.93553×10-4
8 = 1.87597×10-5
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 3.600 6.235 10.800
NO 2.80 3.77 4.87
ω (°) . . .
2 4.56 2.24 0.22
5 0.39 0.47 0.94
7 0.80 3.04 4.59 。

実施例4
1 = -6.033 (非球面) d1 = 0.50 nd1 =1.52542 νd1 =55.78
2 = 6.342 (非球面) d2 = (可変)
3 = ∞(絞り) d3 = -0.02
4 = 2.148 (非球面) d4 = 1.43 nd2 =1.52542 νd2 =55.78
5 = -2.989 (非球面) d5 = (可変)
6 = 6.270 d6 = 0.50 nd3 =1.84666 νd3 =23.78
7 = 1.851 (非球面) d7 = (可変)
8 = -8.613 d8 = 1.13 nd4 =1.52542 νd4 =55.78
9 = -3.368 (非球面) d9 = 2.52
10= ∞ d10= 0.50 nd5 =1.51633 νd5 =64.14
11= ∞
非球面係数
第1面
K = 0.000
4 = 5.69641×10-3
6 = 2.35992×10-4
8 = -2.52963×10-5
10= 0
第2面
K = 0.000
4 = 2.09681×10-3
6 = 8.85379×10-4
8 = 4.65698×10-5
10= 0
第4面
K = -1.264
4 = -2.99871×10-3
6 = 8.56382×10-4
8 = -2.45981×10-3
10= 0
第5面
K = 0.000
4 = 2.32834×10-2
6 = -9.13667×10-3
8 = 9.53145×10-5
10= 0
第7面
K = -0.733
4 = 3.87360×10-4
6 = 2.27818×10-2
8 = -5.56995×10-3
10= 0
第9面
K = -2.574
4 = -5.23761×10-3
6 = -5.27217×10-4
8 = 3.23103×10-5
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 3.600 6.235 10.800
NO 2.80 3.76 4.82
ω (°) . . .
2 4.67 2.29 0.22
5 0.32 0.44 0.92
7 0.80 3.07 4.66 。

実施例5
1 = -6.732 (非球面) d1 = 0.50 nd1 =1.52542 νd1 =55.78
2 = 6.165 (非球面) d2 = (可変)
3 = ∞(絞り) d3 = -0.01
4 = 2.048 (非球面) d4 = 1.35 nd2 =1.52542 νd2 =55.78
5 = -3.022 (非球面) d5 = (可変)
6 = 183.412 d6 = 0.50 nd3 =1.60687 νd3 =27.03
7 = 1.933 (非球面) d7 = (可変)
8 = -17.147 d8 = 0.78 nd4 =1.80610 νd4 =40.92
9 = -6.330 (非球面) d9 = 2.73
10= ∞ d10= 0.50 nd5 =1.51633 νd5 =64.14
11= ∞
非球面係数
第1面
K = 0.000
4 = 4.63841×10-4
6 = 1.08537×10-3
8 = -6.98340×10-5
10= 0
第2面
K = 0.000
4 = -1.88067×10-3
6 = 1.55321×10-3
8 = 1.17595×10-4
10= 0
第4面
K = -0.937
4 = 1.97158×10-3
6 = -1.62289×10-3
8 = 0
10= 0
第5面
K = 0.000
4 = 3.38035×10-2
6 = -1.14048×10-2
8 = 2.03601×10-3
10= 0
第7面
K = -0.819
4 = -3.16022×10-3
6 = 2.55549×10-2
8 = -4.49060×10-3
10= 0
第9面
K = -15.541
4 = -6.65987×10-3
6 = 1.78885×10-4
8 = -4.33306×10-6
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 3.600 6.235 10.800
NO 2.80 3.77 4.86
ω (°) . . .
2 4.78 2.35 0.21
5 0.32 0.38 0.78
7 0.63 3.00 4.73 。

実施例6
1 = -54.769 (非球面) d1 = 0.50 nd1 =1.69350 νd1 =53.21
2 = 3.126 d2 = 0.70 nd2 =1.84666 νd2 =23.78
3 = 3.947 (非球面) d3 = (可変)
4 = ∞(絞り) d4 = -0.06
5 = 1.992 (非球面) d5 = 1.21 nd3 =1.49700 νd3 =81.54
6 = -2.932 (非球面) d6 = (可変)
7 = 15.805 d7 = 0.50 nd4 =1.60687 νd4 =27.03
8 = 1.891 (非球面) d8 = (可変)
9 = -4.095 d9 = 0.73 nd5 =1.84666 νd5 =23.78
10= -3.011 (非球面) d10= 2.47
11= ∞ d11= 0.50 nd6 =1.51633 νd6 =64.14
12= ∞
非球面係数
第1面
K = 0.000
4 = -6.72926×10-3
6 = 1.15286×10-3
8 = -5.26790×10-5
10= 0
第3面
K = 0.000
4 = -8.89810×10-3
6 = 1.48887×10-3
8 = 5.88055×10-5
10= 0
第5面
K = -1.007
4 = 1.59735×10-3
6 = -2.61339×10-3
8 = 0
10= 0
第6面
K = 0.000
4 = 3.08596×10-2
6 = -1.02710×10-2
8 = 1.61860×10-3
10= 0
第8面
K = -0.405
4 = -6.12497×10-3
6 = 2.47450×10-2
8 = -4.85178×10-3
10= 0
第10面
K = -1.024
4 = -1.06816×10-3
6 = -6.43565×10-4
8 = 5.39028×10-6
10= 0
ズームデータ(∞)
WE ST TE
f (mm) 3.600 6.236 10.800
NO 2.80 3.77 4.87
ω (°) . . .
3 4.40 2.18 0.26
6 0.44 0.53 1.07
8 0.94 3.07 4.46 。
次に、上記各実施例における条件式(1)〜(11)の値を示す。
条件式 (1) (2) (3) (4) (5) (6)
実施例1 55.78 1.69 -0.03 -0.22 55.78 0.73
実施例2 81.54 1.73 -0.01 -0.22 55.78 0.71
実施例3 55.78 1.60 0.05 -0.19 59.38 0.72
実施例4 55.78 1.61 -0.02 -0.16 55.78 0.73
実施例5 55.78 1.68 0.04 -0.19 55.78 0.71
実施例6 53.21 1.18 0.87 -0.19 81.54 0.72

条件式 (7) (8) (9) (10) (11)
実施例1 1.22 27.03 1.93 55.78 -9.5
実施例2 1.15 27.03 2.50 55.78 -9.8
実施例3 1.30 27.03 2.36 55.78 -11.0
実施例4 1.84 23.78 2.28 55.78 -7.4
実施例5 1.02 27.03 2.17 40.92 -12.8
実施例6 1.27 27.03 6.55 23.78 -8.4
ところで、以上の実施例のズームレンズ(変倍光学系)は何れも、歪曲収差が比較的大きく発生している。したがって、電子撮像素子を介して被写体画像情報を取り込むと、電子撮像素子から出力される映像信号も、その歪みの情報が含まれる。すなわち、歪みを持つ画像データが、電子撮像装置に取り込まれる。このような光学歪みの例としては、図13に示すような樽型歪曲収差がある。この樽型歪曲収差の場合、本来、破線で示される位置にあるべき画面101の画像が、実線位置に結像した画面102の画像となるような歪みである。
以上の全ての実施例においては、このような歪曲収差を電気的に補正している。その電気的な補正方法について以下に説明する。
上記のような電子撮像素子を介して取り込まれた光学歪みを伴う映像信号において、その歪みを補正するには、まず、映像信号をデジタル信号に変換して画像メモリに書き込む。そして、歪み特性に応じて読み出すことにより、画像メモリ上で歪みを補正する。図13において、歪曲収差がない場合、格子状の画像は破線で示す画像101となる。一方、歪曲収差がある場合、格子状の画像は破線で示す画像102となる。本発明のズームレンズのように、光学系で光学歪みが発生する状態では、破線で示す画像101が、上記の光学歪みにより、実線の画像102のように画像メモリに記憶される。そこで、この歪みの補正を行うには、この補正前画像データを画像メモリから読み出すとき、PA 点を読み出すべきタイミングにPa 点に記憶されている補正前画像データを、また、PB 点を読み出すべきタイミングにPb 点に記憶されている補正前画像データを、同様にPD 点を読み出すぺきタイミングにPd 点に記憶されている補正前画像データをそれぞれ読み出す。このようにすると、補正前画像102は、破線で示す歪みのない元の格子状の画面101の画像として読み出されるので、光学歪みが補正された画像が表示される。
図14は、光学歪み補正を行う画像処理機能を備えた装置のブロック構成図である。この装置においては、まず、本発明のズームレンズ1を介して、被写体像がCCD(電子撮像素子)2の撮像面上に形成される。このCCD2の撮像面に形成されている被写体像は、上記のような光学歪みを含んでいる。この被写体像は、CCD2で電気信号に変換される。CCD2からの電気信号は、撮像プロセス回路3で所定の処理が施されて映像信号としてA/D変換回路4に供給される。そのA/D変換回路4でデジタル信号に変換された映像信号は、画像メモリ5に記憶される。画像メモリ5への信号の書き込み及び読み出しは、ライトコントロール回路10とリードコントロール回路12Aによって制御される。
なお、SSG(同期信号発生)回路9は、基準タイミング信号を発生する。そして、SSG(同期信号発生)回路9はこの基準タイミング信号を、後述するTG(タイミング発生)回路8、上記撮像プロセス回路3、および、ライトコントロール回路10、リードコントロール回路12Aに供給する。TG回路8は、SSG回路9からの水平(H)方向、垂直(V)方向の読み出しタイミング信号をCCD2に送出する。また、補正量ROM13Aには、画面の各部について、予め定まる補正量データが格納されている。この予め定まる補正量として格納されるものは、例えば、図13に示すように、実線上の位置と破線上の位置との関係で定まる光学歪みを補正する補正量アドレス値である。
そして、上記リードコントロール回路12Aから出力されるリード信号により、画像メモリ5から信号(データ)が読み出される。この時、信号は、光学歪みを補正すべく画像メモリ5から読み出される。読み出された信号は、補間処理回路6で補間処理された後、D/Aコンバータ7によりアナログ信号に変換され、出力される。
なお、デジタルカメラ(電子カメラ)の場合、画像メモリ5に余裕がない場合もある。そのような場合には、画像メモリ5に記憶する前、すなわちCCD2から映像信号を読み出すときに、光学歪みの補正量に相当する時間だけタイミングを変化させるようにしてもよい。
次に、倍率色収差も、色分解画像それぞれについて上記と同様の歪み補正をすれば電気系に補正することができる。以上の全ての実施例においては、歪曲収差だけでなく倍率色収差も同時に電気的に補正している。
ところで、以上の実施例の変倍光学系ではレンズにガラスや樹脂材料を用いているが、代わりに有機無機複合材料を用いてもよい。本発明で利用可能な有機無機複合体について説明する。
有機無機複合体は、有機成分と無機成分とが分子レベル、若しくはナノスケールで混合複合化されたものである。その形態は、(1) 有機骨格からなる高分子マトリックスと無機骨格からなるマトリックスが相互に絡み合い、互いのマトリックスへ貫入された構造のもの、(2) 有機骨格からなる高分子マトリックス中に、ナノスケールの光の波長より十分小さな無機微粒子(いわゆるナノ粒子)が均一分散したもの、及び(3) これらの複合構造になったものがある。有機成分と無機成分との間には、水素結合や分散力、クーロン力等の分子間力や、共有結合、イオン結合、π電子雲の相互作用による引力等、何らかの相互作用が働いている。有機無機複合体では、前述のように有機成分と無機成分が分子レベル、若しくは光の波長より小さなスケール領域で混合されている。このため、光の散乱に対する影響がほとんどなくなっており、透明体が得られる。また、マックスウェル方程式からも導かれるように、有機成分、無機成分それぞれの光学特性を反映した材料となる。よって、有機成分、無機成分の種類と存在量比率に応じて、種々の光学特性(屈折率、波長分散性)を発現するようになる。このことから、 有機成分と無機成分を任意の比率で配合することで、 種々の光学特性が得られるようになる。
以下の表1は、アクリレート樹脂(紫外線硬化型)とジルコニア(ZrO2 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。表2は、アクリレート樹脂とジルコニア(ZrO2 )/アルミナ(Al2 3 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。表3は、アクリレート系樹脂とニオブ酸化物(Nb2 5 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。表4は、アクリレート樹脂とジルコニウムアルコキシドとアルミナ(Al2 3 )ナノ粒子の有機無機複合体の組成例を示す。

表1
┌────┬────┬────┬────┬────┬────┬─────┐
│ジルコニ│nd │νd │nC │nF │ng │ 備考 │
│ア含有量│ │ │ │ │ │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0 │1.49236 │57.85664│1.48981 │1.49832 │1.50309 │アクリル │
│ │ │ │ │ │ │100 % │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.1 │1.579526│54.85037│1.57579 │1.586355│1.59311 │ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.2 │1.662128│53.223 │1.657315│1.669756│1.678308│ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.3 │1.740814│52.27971│1.735014│1.749184│1.759385│ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.4 │1.816094│51.71726│1.809379│1.825159│1.836887│ │
├────┼────┼────┼────┼────┼────┼─────┤
│ 0.5 │1.888376│51.3837 │1.880807│1.898096│1.911249│ │
└────┴────┴────┴────┴────┴────┴─────┘

表2
┌───┬───┬────┬────┬────┬────┬────┬────┐
│AlsO3 │ZrOs │nd │νd │nC │nF │ng │ 備考 │
│存在率│存在率│ │ │ │ │ │ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.1 │0.4 │1.831515│53.56672│1.824851│1.840374│1.851956│アクリレ│
│ │ │ │ │ │ │ │ート50%│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.2 │0.3 │1.772832│56.58516│1.767125│1.780783│1.790701│ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.3 │0.2 │1.712138│60.97687│1.707449│1.719127│1.727275│ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.4 │0.1 │1.649213│67.85669│1.645609│1.655177│1.661429│ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.2 │0.2 │1.695632│58.32581│1.690903│1.702829│1.774891│ │
└───┴───┴────┴────┴────┴────┴────┴────┘

表3
┌───┬───┬────┬────┬────┬────┬────┐
│NbsO5 │AlsO3 │nd │νd │nC │nF │ng
│含有量│含有量│ │ │ │ │ │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.1 │ 0 │1.589861│29.55772│1.584508│1.604464│1.617565│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.2 │ 0 │1.681719│22.6091 │1.673857│1.70401 │1.724457│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.3 │ 0 │1.768813│19.52321│1.758673│1.798053│1.8251 │
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.4 │ 0 │1.851815│17.80818│1.839583│1.887415│1.920475│
├───┼───┼────┼────┼────┼────┼────┤
│0.5 │ 0 │1.931253│16.73291│1.91708 │1.972734│2.011334│
└───┴───┴────┴────┴────┴────┴────┘

表4
┌─────┬──────┬────┬────┬────┬────┐
│AlsOc(膜)│ジルコニアア│nd │νd │nC │nF
│含有量 │ルコキシド │ │ │ │ │
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0 │ 0.3 │1.533113│58.39837│1.530205│1.539334│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.1 │ 0.27 │1.54737 │62.10192│1.544525│1.553339│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.2 │ 0.24 │1.561498│66.01481│1.558713│1.567219│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.3 │ 0.21 │1.575498│70.15415│1.572774│1.580977│
├─────┼──────┼────┼────┼────┼────┤
│ 0.4 │ 0.18 │1.589376│74.53905│1.586709│1.594616│
└─────┴──────┴────┴────┴────┴────┘
さて、以上のような本発明の変倍光学系、結像光学系を備えた電子機器について説明する。この電子機器には、上記光学系で物体像を形成し、その像をCCD等の撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置が用いられている。電子機器には、デジタルカメラやビデオカメラ、デジタルビデオユニット、情報処理装置の例であるパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話、情報携帯端末等がある。以下に、その実施形態を例示する。
図15〜図17はデジタルカメラの例であり、本発明による変倍光学系を撮影光学系41として用いた構成の概念図である。図15はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図16は同後方斜視図、図17はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。
デジタルカメラ40は、この例の場合、撮影光学系41ファインダー光学系43、シャッター45、フラッシュ46、液晶表示モニター47等を含む。撮影光学系41は、撮影用光路42上に配置されている。また、ファインダー光学系43は、撮影用光路42とは別のファインダー用光路44上に配置されている。また、カメラ40の上部には、シャッター45が設けられている。よって、撮影者がシャッター45を押圧すると、それに連動して撮影光学系41、例えば実施例1の変倍光学系を通して撮影が行われる。撮影光学系41によって形成された物体像は、平行平板P1とカバーガラスP2を介して、CCD49の撮像面上に形成される。ここで、平行平板P1には近紫外線カットコートが施されている。また、平行平板P1に、ローパスフィルター作用を持たせても良い。CCD49で受光された物体像は、処理手段51を介して、電子画像として液晶表示モニター47に表示される。液晶表示モニター47は、カメラ背面に設けられている。また、この処理手段51には記録手段52が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、この記録手段52は処理手段51と別体に設けてもよい。例えば、記録手段52は、フロッピーディスク、メモリーカードあるいはMO等であってもよい。このように記録手段52は、、電子的に記録書込を行うように構成してもよい。また、CCD49に代わって、銀塩フィルムを配置した銀塩カメラとして構成してもよい。
ファインダー用光路44上には、ファインダー用対物光学系53が配置してある。このファインダー用対物光学系53によって形成された物体像は、視野枠57上に形成される。ここで、視野枠57上は、像正立部材であるポロプリズム55に設けられている。このポリプリズム55の後方には、正立正像にされた像を観察者眼球Eに導く接眼光学系59が配置されている。なお、撮影光学系41及びファインダー用対物光学系53の入射側、接眼光学系59の射出側には、それぞれカバー部材50が配置されている。なお、ここでは、カバー部材50として平行平面板を配置しているが、パワーを持ったレンズを用いてもよい。
このように構成されたデジタルカメラ40は、撮影光学系41が高性能で小型であるので、高性能・小型化が実現できる。
次に、図18〜図20は情報処理装置の一例であるパソコンであって、本発明の変倍光学系を対物光学系として用いた構成の概念図である。図18はパソコン300のカバーを開いた前方斜視図、図19はパソコン300の撮影光学系303の断面図、図20は図18の状態の側面図である。
パソコン300は、外部から繰作者が情報を入力するためのキーボード301と、情報を操作者に表示するモニター302と、操作者自身や周辺の像を撮影するための撮影光学系303とを有している。更に、パソコン300は、図示を省略した情報処理手段や記録手段を有する。ここで、モニター302は、図示しないバックライトにより背面から照明する透過型液晶表示素子や、前面からの光を反射して表示する反射型液晶表示素子や、CRTディスプレイ等であってよい。また、図中、撮影光学系303は、モニター302の右上に内蔵されているが、その場所に限られない。例えば、モニター302の周囲や、キーボード301の周囲のどこであってもよい。
この撮影光学系303は、撮影光路304上に、本発明による変倍光学系(図では略記)からなる対物レンズ112と、像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらはパソコン300に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には、光学的ローパスフィルター等の平行平面板群Fが、付加的に貼り付けられている。よって、撮像素子チップ162と平行平面板群Fは一体となって、撮像ユニット160を構成している。そして、この撮像ユニット160は、対物レンズ112の鏡枠113の後端に、ワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。そのため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや、面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中の変倍光学系の駆動機構は図示を省いてある。
撮像素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、パソコン300の処理手段に入力される。そして、物体像は、電子画像としてモニター302に表示される、図18には、その一例として、操作者の撮影された画像305が示されている。また、この画像305は、処理手段を介し、インターネットや電話を介して、遠隔地から通信相手のパソコンに表示されることも可能である。
次に、図21は情報処理装置の一例である電話であって、本発明の変倍光学系を撮影光学系として用いた構成の概念図である。ここで、電話は、持ち運びに便利な携帯電話である。図21(a)は携帯電話400の正面図、図21(b)は側面図、図21(c)は撮影光学系405の断面図である。
携帯電話400は、マイク部401、スピーカ部402、入力ダイアル403、モニター404、撮影光学系405、アンテナ406及び処理手段(図示せず)とを有している。マイク部401には、操作者の声が情報として入力される。スピーカ部402は、通話相手の声を出力する。入力ダイアル403は、操作者が情報を入力するボタンを有する。モニター404は、操作者自身や通話相手等の撮影像や、電話番号等の情報を表示する。アンテナ406は、通信電波の送信と受信を行う。ここで、モニター404は、液晶表示素子である。また、図中、各構成の配置位置は、特にこれらに限られない。この撮影光学系405は、撮影光路407上に配置されている。そして、この撮影光学系405は、本発明による変倍光学系(図では略記)からなる対物レンズ112と、物体像を受光する撮像素子チップ162とを有している。これらは、携帯電話400に内蔵されている。
ここで、撮像素子チップ162上には、光学的ローパスフィルター等の平行平面板群Fが、付加的に貼り付けられている。よって、撮像素子チップ162と平行平面板群Fは一体となって、撮像ユニット160を構成している。そして、この撮像ユニット160は、対物レンズ112の鏡枠113の後端に、ワンタッチで嵌め込まれて取り付け可能になっている。そのため、対物レンズ112と撮像素子チップ162の中心合わせや、面間隔の調整が不要であり、組立が簡単となっている。また、鏡枠113の先端には、対物レンズ112を保護するためのカバーガラス114が配置されている。なお、鏡枠113中の変倍光学系の駆動機構は図示を省いてある。
撮影素子チップ162で受光された物体像は、端子166を介して、図示していない処理手段に入力される。そして、物体像は、電子画像としてモニター404に表示される。また、撮像素子チップ162で受光された物体像の情報を、送信可能な信号へと変換する信号処理機能が処理手段に含まれている。よって、通信相手に画像を送信することができるので、物体像を通信相手のモニターに表示させることもできる。
以上の本発明の変倍光学系及びそれを用いた電子機器は、例えば次のように構成することができる。
〔1〕 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成された変倍光学系であって、
前記第2レンズ群は1枚の均質正レンズからなることを特徴とする変倍光学系。
〔2〕 前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズは、物体側の面に非球面を有することを特徴とする上記1記載の変倍光学系。
〔3〕 前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズは、像側の面に非球面を有することを特徴とする上記1又は2記載の変倍光学系。
〔4〕 前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズは、樹脂材料で製作されたレンズであることを特徴とする上記1から3の何れか1項記載の変倍光学系。
〔5〕 前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の変倍光学系。
40<νd1<100 ・・・(1)
ただし、νd1:前記第1レンズ群の負レンズのアッベ数、
である。
〔6〕 前記第1レンズ群に含まれる少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から5の何れか1項記載の変倍光学系。
0.5<|f1 |/fw <5 ・・・(2)
ただし、f1 :前記第1レンズ群の負レンズの焦点距離、
w :広角端における全系の焦点距離、
である。
〔7〕 前記第1レンズ群が少なくとも1枚の接合レンズを有することを特徴とする上記1から6の何れか1項記載の変倍光学系。
〔8〕 前記第1レンズ群が少なくとも1枚の正レンズを有することを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の変倍光学系。
〔9〕 前記正レンズは最も像側に配置されていることを特徴とする上記8記載の変倍光学系。
〔10〕 前記第1レンズ群が、以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から4の何れか1項記載の変倍光学系。
−10<SFG1<1 ・・・(3)
ただし、SFG1=(rG11 +rG12 )/(rG11 −rG12 )、
SFG1:前記第1レンズ群のシェイピングファクター、
G11 :前記第1レンズ群の最も物体側の面の曲率半径、
G12 :前記第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径、
である。
〔11〕 前記第2レンズ群の正レンズが、物体側に非球面を有することを特徴とする上記1から10の何れか1項記載の変倍光学系。
〔12〕 前記第2レンズ群の正レンズが、像側に非球面を有することを特徴とする上記1から11の何れか1項記載の変倍光学系。
〔13〕 前記第2レンズ群の正レンズが、樹脂材料で製作されたことを特徴とする上記1から12の何れか1項記載の変倍光学系。
〔14〕 前記第2レンズ群が以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から13の何れか1項記載の変倍光学系。
−5<SFG2<1 ・・・(4)
ただし、SFG2=(rG21 +rG22 )/(rG21 −rG22 )、
SFG2:前記第2レンズ群の負レンズのシェイピングファクター、
G21 :前記第2レンズ群の負レンズの物体側の面の曲率半径、
G22 :前記第2レンズ群の負レンズの像側の面の曲率半径、
である。
〔15〕 前記第2レンズ群の正レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とする上記1から14の何れか1項記載の変倍光学系。
40<νd2<100 ・・・(5)
ただし、νd2:前記第2レンズ群の正レンズのアッベ数、
である。
〔16〕 前記第2レンズ群の正レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から15の何れか1項記載の変倍光学系。
0.3<|f2 |/fw <1.3 ・・・(6)
ただし、f2 :前記第2レンズ群の正レンズの焦点距離、
w :広角端における全系の焦点距離、
である。
〔17〕 前記第3レンズ群の少なくとも1枚の負レンズが、樹脂材料で製作されたことを特徴とする上記1から16の何れか1項記載の変倍光学系。
〔18〕 前記第3レンズ群の少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から17の何れか1項記載の変倍光学系。
−1<SFG3<10 ・・・(7)
ただし、SFG3=(rG31 +rG32 )/(rG31 −rG32 )、
SFG3:前記第3レンズ群の負レンズのシェイピングファクター、
G31 :前記第3レンズ群の負レンズの物体側の面の曲率半径、
G32 :前記第3レンズ群の負レンズの像側の面の曲率半径、
である。
〔19〕 前記第3レンズ群の少なくとも1枚の負レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とする上記1から18の何れか1項記載の変倍光学系。
0<νd3<40 ・・・(8)
ただし、νd3:前記第3レンズ群の負レンズのアッベ数、
である。
〔20〕 前記第4レンズ群の少なくとも1枚の正レンズが、樹脂材料で製作されたことを特徴とする上記1から19の何れか1項記載の変倍光学系。
〔21〕 前記第4レンズ群の少なくとも1枚の正レンズが、以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から20の何れか1項記載の変倍光学系。
−1<SFG4<10 ・・・(9)
ただし、SFG4=(rG41 +rG42 )/(rG41 −rG42 )、
SFG4:前記第4レンズ群の正レンズのシェイピングファクター、
G41 :前記第4レンズ群の正レンズの物体側の面の曲率半径、
G42 :前記第4レンズ群の正レンズの像側の面の曲率半径、
である。
〔22〕 前記第4レンズ群少なくとも1枚の正レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とする上記1から21の何れか1項記載の変倍光学系。
40<νd4<100 ・・・(10)
ただし、νd4:前記第4レンズ群の正レンズのアッベ数、
である。
〔23〕 以下の条件式を満たすことを特徴とする上記1から22の何れか1項記載の変倍光学系。
−30<DTmin <20 ・・・(11)
ただし、DTmin :最小歪曲収差量[%]、
である。
〔24〕 光学系で発生する歪曲収差を電気的に補正するようにしたことを特徴とする上記1から23の何れか1項記載の変倍光学系。
〔25〕 光学系で発生する倍率色収差を電気的に補正するようにしたことを特徴とする上記1から24の何れか1項記載の変倍光学系。
〔26〕 光学系を構成する少なくとも1つの光学素子の光学材料として有機無機複合材料を用いることを特徴とする上記1から31の何れか1項記載の変倍光学系。
〔27〕 前記有機無機複合体はジルコニアのナノ粒子を含むことを特徴とする上記26記載の変倍光学系。
〔28〕 前記有機無機複合体はジルコニアとアルミナのナノ粒子を含むことを特徴とする上記26記載の変倍光学系。
〔29〕 前記有機無機複合体はニオブ酸化物のナノ粒子を含むことを特徴とする上記26記載の変倍光学系。
〔30〕 前記有機無機複合体はジルコニウムアルコキシドの加水分解物とアルミナのナノ粒子を含むことを特徴とする上記26記載の変倍光学系。
〔31〕 上記1から30の何れか1項記載の変倍光学系と、その像側に配された電子撮像素子とを有することを特徴とする電子機器。
本発明の変倍光学系の実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)でのレンズ断面図である。 実施例2の変倍光学系の図1と同様のレンズ断面図である。 実施例3の変倍光学系の図1と同様のレンズ断面図である。 実施例4の変倍光学系の図1と同様のレンズ断面図である。 実施例5の変倍光学系の図1と同様のレンズ断面図である。 実施例6の変倍光学系の図1と同様のレンズ断面図である。 実施例1の無限遠物点合焦時の広角端(a)、中間状態(b)、望遠端(c)での収差図である。 実施例2の図8と同様の収差図である。 実施例3の図8と同様の収差図である。 実施例4の図8と同様の収差図である。 実施例5の図8と同様の収差図である。 実施例6の図8と同様の収差図である。 光学歪みの例としての樽型歪曲収差と本来の画面の画像とを示す光学歪み図である。 光学歪み補正を行う画像処理装置の1例のブロック構成図である。 本発明による変倍光学系を組み込んだデジタルカメラの外観を示す前方斜視図である。 図15のデジタルカメラの後方斜視図である。 図15のデジタルカメラの断面図である。 本発明による変倍光学系を対物光学系として組み込れたパソコンのカバーを開いた前方斜視図である。 パソコンの撮影光学系の断面図である。 図18の状態の側面図である。 本発明による変倍光学系を対物光学系として組み込れた携帯電話の正面図(a)、側面図(b)、その撮影光学系の断面図(c)である。
符号の説明
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
S…開口絞り
F…平行平面板群
I…像面
E…観察者眼球
1…ズームレンズ
2…CCD
3…撮像プロセス回路
4…A/D変換回路
5…画像メモリ
6…補間処理回路
7…D/Aコンバータ
8…TG(タイミング発生)回路
9…SSG(同期信号発生)回路
10…ライトコントロール回路
12A…リードコントロール回路
13A…補正量ROM
40…デジタルカメラ
41…撮影光学系
42…撮影用光路
43…ファインダー光学系
44…ファインダー用光路
45…シャッター
46…フラッシュ
47…液晶表示モニター
49…CCD
50…カバー部材
51…処理手段
52…記録手段
53…ファインダー用対物光学系
55…ポロプリズム
57…視野枠
59…接眼光学系
101…歪みのない状態の画面
102…光学歪みを持った画面
112…対物レンズ
113…鏡枠
114…カバーガラス
160…撮像ユニット
162…撮像素子チップ
166…端子
300…パソコン
301…キーボード
302…モニター
303…撮影光学系
304…撮影光路
305…画像
400…携帯電話
401…マイク部
402…スピーカ部
403…入力ダイアル
404…モニター
405…撮影光学系
406…アンテナ
407…撮影光路

Claims (26)

  1. 物体側から順に、両凹負レンズ若しくは両凹負レンズと像側に凹面を向けた正メニスカスレンズとの接合レンズからなり負の屈折力を有する第1レンズ群と、両凸正レンズからなり正の屈折力を有する第2レンズ群と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなり負の屈折力を有する第3レンズ群と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズからなり正の屈折力を有する第4レンズ群とから構成され、広角端から望遠端への変倍の際に、第1レンズ群は固定であり、第2レンズ群と第3レンズ群とは両群間の間隔を広げながら何れも物体側へ移動し、第4レンズ群は固定の変倍光学系であって、
    前記第2レンズ群は1枚の均質正レンズからなり、
    以下の条件式を満足することを特徴とする変倍光学系。
    1.18≦|f1 |/fw <5 ・・・(2)’
    0.3<|f2 |/fw <1.3 ・・・(6)
    ただし、f1 :前記第1レンズ群の負レンズの焦点距離、
    2 :前記第2レンズ群の正レンズの焦点距離、
    w :広角端における全系の焦点距離、
    である。
  2. 前記第1レンズ群は、物体側の面に非球面を有する負レンズを含むことを特徴とする請求項1記載の変倍光学系。
  3. 前記第1レンズ群は、像側の面に非球面を有する負レンズを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の変倍光学系。
  4. 前記第1レンズ群は、樹脂材料で製作された負レンズを含むことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の変倍光学系。
  5. 前記第1レンズ群は、以下の条件式を満たす材料により製作された負レンズを含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の変倍光学系。
    40<νd1<100 ・・・(1)
    ただし、νd1:前記第1レンズ群の負レンズのアッベ数、
    である。
  6. 前記第1レンズ群が、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の変倍光学系。
    −10<SFG1<1 ・・・(3)
    ただし、SFG1=(rG11 +rG12 )/(rG11 −rG12 )、
    であり、
    G11 :前記第1レンズ群の最も物体側の面の曲率半径、
    G12 :前記第1レンズ群の最も像側の面の曲率半径、
    である。
  7. 前記第2レンズ群の正レンズが、物体側に非球面を有することを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の変倍光学系。
  8. 前記第2レンズ群の正レンズが、像側に非球面を有することを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載の変倍光学系。
  9. 前記第2レンズ群の正レンズが、樹脂材料で製作されたことを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載の変倍光学系。
  10. 前記第2レンズ群が以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から9の何れか1項記載の変倍光学系。
    −5<SFG2<1 ・・・(4)
    ただし、SFG2=(rG21 +rG22 )/(rG21 −rG22 )、
    であり、
    G21 :前記第2レンズ群の正レンズの物体側の面の曲率半径、
    G22 :前記第2レンズ群の正レンズの像側の面の曲率半径、
    である。
  11. 前記第2レンズ群の正レンズが、以下の条件式を満たす材料により製作されたことを特徴とする請求項1から10の何れか1項記載の変倍光学系。
    40<νd2<100 ・・・(5)
    ただし、νd2:前記第2レンズ群の正レンズのアッベ数、
    である。
  12. 前記第3レンズ群が、樹脂材料で製作された負レンズからなることを特徴とする請求項1から11の何れか1項記載の変倍光学系。
  13. 前記第3レンズ群が、以下の条件式を満たす負レンズからなることを特徴とする請求項1から12の何れか1項記載の変倍光学系。
    −1<SFG3<10 ・・・(7)
    ただし、SFG3=(rG31 +rG32 )/(rG31 −rG32 )、
    であり、
    G31 :前記第3レンズ群の負レンズの物体側の面の曲率半径、
    G32 :前記第3レンズ群の負レンズの像側の面の曲率半径、
    である。
  14. 前記第1レンズ群が両凹負レンズからなり、前記第3レンズ群が、以下の条件式を満たす材料により製作された負レンズからなることを特徴とする請求項1から13の何れか1項記載の変倍光学系。
    0<νd3<40 ・・・(8)
    ただし、νd3:前記第3レンズ群の負レンズのアッベ数、
    である。
  15. 前記第4レンズ群が、樹脂材料で製作された正レンズからなることを特徴とする請求項1から14の何れか1項記載の変倍光学系。
  16. 前記第4レンズ群が、以下の条件式を満たす正レンズからなることを特徴とする請求項1から15の何れか1項記載の変倍光学系。
    −1<SFG4<10 ・・・(9)
    ただし、SFG4=(rG41 +rG42 )/(rG41 −rG42 )、
    であり、
    G41 :前記第4レンズ群の正レンズの物体側の面の曲率半径、
    G42 :前記第4レンズ群の正レンズの像側の面の曲率半径、
    である。
  17. 前記第4レンズ群が、以下の条件式を満たす材料により製作された正レンズからなることを特徴とする請求項1から16の何れか1項記載の変倍光学系。
    40<νd4<100 ・・・(10)
    ただし、νd4:前記第4レンズ群の正レンズのアッベ数、
    である。
  18. 以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1から17の何れか1項記載の変倍光学系。
    −30<DTmin <20 ・・・(11)
    ただし、DTmin :最小歪曲収差量[%]、
    である。
  19. 請求項1から18の何れか1項記載の変倍光学系と、その像側に配された電子撮像素子とを含み、
    前記変倍光学系で発生する歪曲収差を電気的に補正するようにしたことを特徴とする電子機器。
  20. 請求項1から18の何れか1項記載の変倍光学系と、その像側に配された電子撮像素子とを含み、
    前記変倍光学系で発生する倍率色収差を電気的に補正するようにしたことを特徴とする電子機器。
  21. 前記変倍光学系を構成する少なくとも1つの光学素子の光学材料として有機成分と無機成分とが混合複合化された有機無機複合材料を用いることを特徴とする請求項1から18の何れか1項記載の変倍光学系。
  22. 前記有機無機複合体はジルコニアのナノ粒子を含むことを特徴とする請求項21記載の変倍光学系。
  23. 前記有機無機複合体はジルコニアとアルミナのナノ粒子を含むことを特徴とする請求項21記載の変倍光学系。
  24. 前記有機無機複合体はニオブ酸化物のナノ粒子を含むことを特徴とする請求項21記載の変倍光学系。
  25. 前記有機無機複合体はジルコニウムアルコキシドの加水分解物とアルミナのナノ粒子を含むことを特徴とする請求項21記載の変倍光学系。
  26. 請求項1から18、21から25の何れか1項記載の変倍光学系と、その像側に配された電子撮像素子とを有することを特徴とする電子機器。
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