JP3799817B2 - 実像式ズームファインダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのファインダとして用いられる実像式ズームファインダに関し、特に、コンパクトでありながらも対物レンズのバックフォーカスを大きく確保できる実像式ズームファインダに関する。
【0002】
【従来の技術】
実像式ズームファインダは、虚像式のものに比べ、高変倍比化が容易であり、又、視野枠の明瞭さでも有利であるため、近年ズームファインダとして広く用いられている。実像式ファインダには像を反転させる正立部が必要となることから、正立部の配置のためコンパクトで且つ対物レンズのバックフォーカスの長いものが要求されている。
【0003】
又、実像式ズームファインダの対物レンズとしては、変倍中の視度変化を補正するため、少なくとも2つのレンズ群が移動する構成のものが多く用いられている。移動群が2つ以上のものは、更に最も物体側のレンズ群が移動するものとそうでないものとに分けられるが、最も物体側のレンズ群が移動するものは、構造的にファインダ内にゴミが入りやすく好ましくない。更に対物レンズのバックフォーカスを無理なく確保するには、対物レンズの最も物体側に負の屈折力を有するレンズ群を配置するのが望ましい。
【0004】
これらの要求を満たすため、最も物体側に負の屈折力の固定群、及び変倍時に移動可能な2つの群の少なくとも3つのレンズ群からなり、比較的バックフォーカスの長めな対物レンズを有する実像式ズームファインダの例が、特開平8−234103号公報、特開平8−248315号公報等に開示されている。これらの従来例は、広角端でのファインダ倍率を0.4倍としながらも、対物レンズのバックフォーカスとしてはダハミラーや、ポロプリズムの2面の反射面を入れるのに十分なスペースが確保できている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら最近では、カメラ全体のコンパクト化が図られる中、他の部品配置の都合上、例えば対物レンズと視野枠との間に3面の反射面を持つ反射素子を配置すると言った、対物レンズのバックフォーカスがより大きく取れる実像式ズームファインダの要求が多くなってきている。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。即ち、広角端で大きめのファインダ倍率を維持しながらも、対物レンズのバックフォーカスを大きく確保できる実像式ズームファインダを提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記手段を採ることによって達成される。
【0008】
即ち、正の屈折力の対物レンズと、該対物レンズの焦点位置近傍に配置された視野枠と、物体像の反転のための正立部と、前記対物レンズによる像及び視野枠を拡大する正の屈折力の接眼レンズとを備えた実像式ズームファインダにおいて、前記対物レンズは物体側より順に、単レンズからなる負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第2、第3レンズ群が光軸に沿って移動し、以下の条件式を満足することを特徴とする実像式ズームファインダ。
【0009】
1.95≦fB/fW (1)
1.0<|f1|/fW<2.0 (2)
但し、
fB:前記対物レンズの最も瞳側の面から前記視野枠までの空気換算距離の最小値
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
fW:前記対物レンズの広角端における焦点距離
【0011】
又、前記対物レンズは物体側より順に、負の第1レンズ、両凸形状の正の第2レンズ、負の第3レンズ、正の第4レンズからなり、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第2、第3レンズが光軸に沿って移動することを特徴とする実像式ズームファインダ。
【0012】
又、前記物体像反転のための正立部は、前記対物レンズと前記視野枠との間に位置する3面の反射面を有する第1の反射素子と、前記視野枠と前記接眼レンズとの間に位置する1面の反射面を有する第2の反射素子とで構成されることを特徴とする実像式ズームファインダ。
【0013】
又、前記物体像反転のための正立部は、前記対物レンズと前記視野枠との間に位置する、ダハ面を有する第1の反射素子と、前記視野枠と前記接眼レンズの間に位置する2面の反射面を有する第2の反射素子からなり、前記第1の反射素子は、前記対物レンズの光軸に沿って入射した軸上入射光線と、その反射光線とが鋭角をなすように配置されていることを特徴とする実像式ズームファインダ。
【0014】
ここで、本発明の実像式ズームファインダの作用について説明する。
【0015】
対物レンズを物体側より順に負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群を有する構成とすると、本発明の目的であるバックフォーカスの確保が容易な構成であるとともに、画角が大きくなっても前玉径はそれほど大きくならず、コンパクト化には望ましい構成である。
【0016】
更に負又は正の屈折力の第3レンズ群を加え、広角端から望遠端への変倍を、第2レンズ群を光軸方向に移動することにより行う構成の対物レンズとすることで、変倍中の視度変化のないフィインダーとすることができる。
【0017】
次に条件式について説明する。
【0018】
条件式(1)は、対物レンズのバックフォーカスの長い実像式ファインダの条件であり、本発明ではこの式を満足するレベルの実像式ズームファインダを提供している。
【0019】
条件(2)は、単レンズからなる負の第1レンズ群の屈折力を規定するものである。上限を越え第1レンズ群の屈折力が小さくなると、必要なバックフォーカスの確保が困難となる。下限を越えて第1レンズ群の屈折力が大きくなると、バックフォーカスは確保しやすいものの、この群での収差の発生が顕著になり、他の群での補正が困難となる。尚、より望ましくは以下の条件を満足するのが良い。
【0020】
1.0<|f1|/fW<1.8 (2)′
又、変倍比が2倍程度までのズームファインダにおいては、負の第1レンズの屈折力を、(2)式の代わりに以下の条件式で規定してもよい。
【0021】
1.8<|f1|・Z/fW<3.0 (2)″
ここで、Z=ft/fW
但し、
ft:前記対物レンズの望遠端における焦点距離
本条件式の上限、下限の意味付けは(2)式と同等である。即ち、上限を越えるとバックフォーカスの確保が困難となり、下限を越えると第1レンズ群での収差の発生が顕著になる。
【0022】
又、本発明のファインダは副次的に以下の条件を満足することで、ファインダ全体のコンパクト化を図ることができる。
【0023】
2.0<D/fW<3.2 (3)
但し、
D:前記対物レンズの軸上厚(最も物体側の面から最も瞳側の面までの距離)の最大値
fW:前記対物レンズの広角端における焦点距離
である。
【0024】
(3)式は対物レンズの軸上厚の最大値を適切に設定するための条件である。上限を越え対物レンズの軸上厚が大きくなるとコンパクト性を損なう。下限を越えた対物レンズの軸上厚が小さくなると、各レンズ群の屈折力が大きくなり諸収差を良好に補正するのが困難になる。更にはレンズ偏芯時の収差の劣化も目立つようになるため、ファインダ組み立て時の要求精度が厳しくなってしまう。
【0025】
尚、本発明の実像式ズームファインダのより望ましい構成としては、対物レンズを物体側より順に、屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群で構成し、広角端から望遠端への変倍を、第2、第3レンズ群を光軸方向に移動することにより行うのが良い。全体で4群構成とすることにより、3群構成の場合に比べ、変倍時の収差変動も小さく、全変倍域において見え味の良いファインダが得られる。又、各レンズ群を単レンズで構成することにより、対物レンズの軸上厚を短く抑えることができる。
【0026】
以下に、4群構成対物レンズの作用を説明する。
【0027】
本発明の条件式(1)を満たすバックフォーカスを確保するためには、前記負の第1レンズ群に強い負の屈折力が必要とされる。第1レンズ群を単レンズで構成する場合は、瞳側の曲率半径が小さくなり過ぎると、高次収差の発生や製造上の困難さを伴うので注意を要する。従って広角端の画角がそれほど大きくない場合は、負の第1レンズは両凹形状とするのが望ましい。強い負の歪曲収差の補正のためには、第1レンズの少なくとも1面を、周辺に行くに従い負の屈折力が小さくなるような非球面とするのが良い。
【0028】
又、本発明の4群構成の対物レンズでは、ファインダの高変倍比化に伴い、変倍作用の大部分を負担する正の第2レンズ群の屈折力が大きくなる。従って、単レンズで構成する場合には、両凸レンズとして正の屈折力を物体側面と瞳側面に分担させることにより、諸収差の発生を最小限に抑えることができる。更に少なくとも1面を、周辺に近くに従い正の屈折力が小さくなるような非球面とすることにより、球面収差やコマ収差を良好に補正することができる。
【0029】
負の屈折力の第3レンズ群は、主に視度変化を補正する役目を担っているが、広角端で大きく負になりがちな歪曲収差の補正や、非点収差の補正等にも効果がある。尚、第3レンズ群の屈折力については、副次時に以下の条件式を満足することが望ましい。
【0030】
0.8<|f3|/f2<1.4 (4)
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
である。
【0031】
条件式(4)の上限を越えて負の第3レンズ群の屈折力が小さくなると、対物レンズのバックフォーカスを十分に確保することが困難になるとともに、広角端での負の歪曲収差等の補正効果も小さくなり好ましくない。更に視度補正のための第3レンズの移動量も大きくなってしまう。下限を越え第3レンズ群の屈折力が大きくなると、この群での諸収差発生が顕著になり、全変倍域で収差を良好に補正するのが困難になる。
【0032】
正の屈折力の第4レンズ群の瞳側に、正立部を構成するプリズムを配置する場合は、プリズム入射面も正の屈折力の面とすることで、球面収差等の収差補正を第4レンズと分担することができる。又、第3、第4レンズ群についても非球面を導入すれば、収差補正の自由度が増し、収差の少ない見え味の良いファインダとすることができる。
【0033】
尚、本発明では、視野枠より物体側に位置する正立部が屈折力を有する場合、前述のfW及びftは、対物レンズ部と視野枠より物体側の正立部の合成焦点距離で定義するものとする。
【0034】
【実施例】
以下に本発明の実像式ズームファインダの実施例を示す。各実施例における記号は下記の意味である。
【0035】
ω:半画角
r:面の曲率半径
d:軸上面間隔
nd:d線に対する屈折率
νd:アッベ数
又、本発明の非球面(*印の面)形状は、面の頂点を原点として光軸方向をX軸とした直交座標系において、頂点曲率をC、円錐定数をK、非球面係数をAi(i=4,6,8)として、下記の数式で表す。
【0036】
【数1】
【0037】
実施例1
表1、表2は実施例1のレンズデータ、図1(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端でのファインダ断面図、図2(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端での収差図である。
【0038】
ω(°) :27.2〜20.9〜15.9
ファインダ倍率:0.43〜0.57〜0.77
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
対物レンズは両凹の第1負レンズL1、両凸の第2正レンズL2、両凹の第3負レンズL3、両凸の第4正レンズL4からなり、対物レンズによる像はプリズムP1の射出面近傍に結像する。P1の入射面はL4とともに正の屈折力の一部を担うよう球面で構成され、射出面はコンデンサーレンズの役目を兼ねている。又、広角端から望遠端への変倍に際しL1,L4は固定で、L2が物体側へ単調移動、、L3が往復移動する。変倍作用の大部分はL2が負担し、L3は主とし像面補正を分担している。L6は接眼レンズで、Fは視野枠、EPはアイポイントである。
【0042】
正立部は3面の反射面を有するプリズムP1とP1〜L6間に位置する図示しない反射ミラーからなる。
【0043】
実施例2
表3、表4は実施例2のレンズデータ、図3(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端でのファインダ断面図、図4(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端での収差図である。
【0044】
ω(°) :25.6〜19.5〜15.0
ファインダ倍率:0.39〜0.52〜0.69
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
対物レンズは両凹の第1負レンズL1、両凸の第2正レンズL2、両凹の第3負レンズL3、瞳側に凸面を向けたメニスカス形状の第4正レンズL4からなり、対物レンズによる像はコンデンサーレンズL5の入射面近傍に結像する。又、広角端から望遠端への変倍に際しL1,L4は固定で、L2が物体側へ単調移動、L3が往復移動する。変倍作用の大部分はL2が負担し、L3は主とし像面補正を分担している。L6は接眼レンズで、Fは視野枠、EPはアイポイントである。正立部はL4〜L5の間に位置する図示しないダハミラーとプリズムP2からなる。
【0048】
実施例3
表5、表6は実施例3のレンズデータ、図5(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端でのファインダ断面図、図6(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端での収差図である。
【0049】
ω(°) :25.6〜19.5〜14.5
ファインダ倍率:0.39〜0.53〜0.73
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
対物レンズは両凹の第1負レンズL1、瞳側に凸面を向けたメニスカス形状の第2正レンズL2、両凸の第3正レンズL3からなり、対物レンズによる像はコンデンサーレンズL5の入射面近傍に結像する。又、広角端から望遠端への変倍に際しL1は固定で、L2,L3が物体側へ単調移動する。変倍作用の多くはL3が負担し、L2は主として像面補正を分担している。L6は接眼レンズで、Fは視野枠、EPはアイポイントである。正立部はL3〜L5の間に位置する図示しないダハミラーとプリズムP2からなる。
【0053】
実施例4
表7、表8は実施例4のレンズデータ、図7(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端でのファインダ断面図、図8(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端での収差図である。
【0054】
ω(°) :23.6〜14.5〜8.5
ファインダ倍率:0.47〜0.78〜1.37
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
対物レンズは両凹の第1負レンズL1、両凸の第2正レンズL2、両凹の第3負レンズL3、瞳側に凸面を向けたメニスカス形状の第4正レンズL4からなり、対物レンズによる像はプリズムP2の射出面近傍に結像する。P2の入射面はL4とともに正の屈折力の一部を担うよう球面で構成され、射出面はコンデンサレンズの役目を兼ねている。又、広角端から望遠端への変倍に際し、L1,L4は固定で、L2が物体側へ単調移動、L3が往復移動する。変倍作用の大部分はL2が負担し、L3は主として像面補正を行っている。L6は接眼レンズで、Fは視野枠、EPはアイポイントである。正立部は2面の反射面を有するプリズムP2とP2〜L6間に位置する図示しないダハミラーからなる。
【0058】
実施例5
表9、表10は実施例5のレンズデータ、図9(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端でのファインダ断面図、図10(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端での収差図である。
【0059】
ω(°) :23.6〜15.6〜9.1
ファインダ倍率:0.46〜0.72〜1.27
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
対物レンズは両凹の第1負レンズL1、両凸の第2正レンズL2、両凹の第3負レンズL3、瞳側に凸面を向けたメニスカス形状の第4正レンズL4からなり、対物レンズによる像はプリズムP2の射出面近傍に結像する。P2の入射面はL4とともに正の屈折力の一部を担うよう球面で構成され、射出面はコンデンサレンズの役目を兼ねている。又、広角端から望遠端への変倍に際し、L1,L4は固定で、L2が物体側へ単調移動、L3が往復移動する。変倍作用の大部分はL2が負担し、L3は主として像面補正を行っている。L6は接眼レンズで、Fは視野枠、EPはアイポイントである。正立部は2面の反射面を有するプリズムP2とP2〜L6間に位置する図示しないダハミラーからなる。
【0063】
実施例6
表11、表12は実施例6のレンズデータ、図11(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端でのファインダ断面図、図12(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端での収差図である。
【0064】
ω(°) :23.6〜16.4〜9.0
ファインダ倍率:0.45〜0.66〜1.24
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
【0067】
対物レンズは両凹の第1負レンズL1、両凸の第2正レンズL2、両凹の第3負レンズL3、瞳側に凸面を向けたメニスカス形状の第4正レンズL4からなり、対物レンズによる像はプリズムP2の射出面近傍に結像する。P2の入射面はL4とともに正の屈折力の一部を担うよう球面で構成され、射出面はコンデンサレンズの役目を兼ねている。又、広角端から望遠端への変倍に際し、L1,L4は固定で、L2が物体側へ単調移動、L3が往復移動する。変倍作用の大部分はL2が負担し、L3は主として像面補正を行っている。L6は接眼レンズで、Fは視野枠、EPはアイポイントである。正立部は2面の反射面を有するプリズムP2とP2〜L6間に位置する図示しないダハミラーからなる。
【0068】
実施例7
表13、表14は実施例7のレンズデータ、図13(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端でのファインダ断面図、図14(a),(b),(c)はそれぞれ広角端、中間域、望遠端での収差図である。
【0069】
ω(°) :30.0〜21.5〜13.4
ファインダ倍率:0.36〜0.53〜0.87
【0070】
【表13】
【0071】
【表14】
【0072】
対物レンズは物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第1負レンズL1、両凸の第2正レンズL2、両凹の第3負レンズL3、両凸の第4正レンズL4からなり、対物レンズによる像はプリズムP1の射出面近傍に結像する。P1の入射面はL4とともに正の屈折力の一部を担うよう球面で構成され、射出面はコンデンサレンズの役目を兼ねている。又、広角端から望遠端への変倍に際し、L1,L4は固定で、L2が物体側へ単調移動、L3が往復移動する。変倍作用の大部分はL2が負担し、L3は主として像面補正を行っている。L6は接眼レンズで、Fは視野枠、EPはアイポイントである。正立部は3面の反射面を有するプリズムP1とP1〜L6間に位置する図示しない反射ミラーからなる。
【0073】
尚、本発明の実施例のファインダのレンズ及びプリズムは全てプラスチック材料で構成されている。勿論、無機ガラスで構成するようにしても良いし、一部を無機ガラスで構成し、残りをプラスチック材料で構成するようにしても良い。
【0074】
又、各実施例の条件式(1)〜(4)に対応する数値は表15の通りである。
【0075】
【表15】
【0076】
ところで、各実施例に用いる正立部の構成であるが、実施例1及び実施例7の正立部の構成は図15に示すようなポロタイプである。但し、図15のようにP1に第1〜第3の3つの反射面を持たせ、第4の反射面はミラーで構成している。このタイプは、ダハミラーを用いるタイプに比べ、対物レンズの瞳側に位置する正立部の厚みを抑えることができる。視野枠位置(図15には図示せず)を第3反射面と第4反射面の間に配置する目的は、視野枠サイズ切り替え機構が必要な場合、視野を遮る部品の待避スペースは対物レンズ光軸方向の方が確保しやすく、ファインダユニット全体のコンパクト化に有利であるからである。このような正立部の構成は、本発明のバックフォーカスの長い対物レンズを有するファインダにおいて可能となる。
【0077】
実施例2及び3では、図16(a)のようなダハミラーとペンタプリズムの構成が一般的である、これはファインダをカメラ本体に組み込んだ際に、カメラ本体の高さを小さく抑えることのできる構成である。又、ファインダ全体のカメラ厚み方向のサイズも小さく抑えるには、図16(b)のように、対物レンズの光軸に沿って入射した軸上光束の主光線を、ダハミラーにより鋭角に反射させる構成が良い。反射角度としては45°〜70°程度の設定が適当である。ダハミラー以降の正立部の構成は、図16(b)は2面の反射面を有するプリズムを用いた例であるが、ペンタプリズムタイプの構成も可能である。図16(b)のようなダハミラー配置にする場合は、視野枠F付近に存在する各レンズ保持部材や、視野枠サイズ切り替え機構の必要な場合等の配置スペースを考えると、本発明のバックフォーカスの長い対物レンズを有するファインダである必要がある。
【0078】
実施例4、実施例5、実施例6の正立部は図17に示すような構成である。ファインダユニットのカメラ厚み方向のサイズを小さく抑える必要のない場合は、このような構成も可能である。
【0079】
尚、ここで言う視野枠サイズ切り替え機構が必要な場合とは、例えば、撮影画面サイズのアスペクト比を変更することのできるカメラに用いられるファインダなどの場合である。
【0080】
又、本発明の正立部は、ミラーで構成された反射素子をプリズムに、或いはプリズムで構成された反射素子をミラーに置き換えることも可能である。
【0081】
【発明の効果】
本発明により、広角端で大きめのファインダ倍率を維持しながらも、対物レンズのバックフォーカスを大きく確保できる実像式ズームファインダが提供されることになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の実像式ズームファインダの断面図である。
【図2】実施例1の実像式ズームファインダの収差図である。
【図3】実施例2の実像式ズームファインダの断面図である。
【図4】実施例2の実像式ズームファインダの収差図である。
【図5】実施例3の実像式ズームファインダの断面図である。
【図6】実施例3の実像式ズームファインダの収差図である。
【図7】実施例4の実像式ズームファインダの断面図である。
【図8】実施例4の実像式ズームファインダの収差図である。
【図9】実施例5の実像式ズームファインダの断面図である。
【図10】実施例5の実像式ズームファインダの収差図である。
【図11】実施例6の実像式ズームファインダの断面図である。
【図12】実施例6の実像式ズームファインダの収差図である。
【図13】実施例7の実像式ズームファインダの断面図である。
【図14】実施例7の実像式ズームファインダの収差図である。
【図15】実施例1及び7の正立部の構成を示す図である。
【図16】実施例2及び3の正立部の構成を示す図である。
【図17】実施例4,5及び6の正立部の構成を示す図である。
Claims (4)
- 正の屈折力の対物レンズと、該対物レンズの焦点位置近傍に配置された視野枠と、物体像の反転のための正立部と、前記対物レンズによる像及び視野枠を拡大する正の屈折力の接眼レンズとを備えた実像式ズームファインダにおいて、前記対物レンズは物体側より順に、単レンズからなる負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第2、第3レンズ群が光軸に沿って移動し、以下の条件式を満足することを特徴とする実像式ズームファインダ。
1.95≦fB/fW
1.0<|f1|/fW<2.0
但し、
fB:前記対物レンズの最も瞳側の面から前記視野枠までの空気換算距離の最小値
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
fW:前記対物レンズの広角端における焦点距離 - 前記対物レンズは物体側より順に、負の第1レンズ、両凸形状の正の第2レンズ、負の第3レンズ、正の第4レンズからなり、広角端から望遠端への変倍に際し、前記第2、第3レンズが光軸に沿って移動することを特徴とする請求項1記載の実像式ズームファインダ。
- 前記物体像反転のための正立部は、前記対物レンズと前記視野枠との間に位置する3面の反射面を有する第1の反射素子と、前記視野枠と前記接眼レンズとの間に位置する1面の反射面を有する第2の反射素子とで構成されることを特徴とする請求項1に記載の実像式ズームファインダ。
- 前記物体像反転のための正立部は、前記対物レンズと前記視野枠との間に位置する、ダハ面を有する第1の反射素子と、前記視野枠と前記接眼レンズの間に位置する2面の反射面を有する第2の反射素子からなり、前記第1の反射素子は、前記対物レンズの光軸に沿って入射した軸上入射光線と、その反射光線とが鋭角をなすように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の実像式ズームファインダ。
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