JP4614028B2 - チタン及びチタン合金を含む焼結体の製造方法 - Google Patents

チタン及びチタン合金を含む焼結体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、チタン及びチタン合金を含む焼結用粉末を押出成形若しくは射出成形法により成形し、この成形体を熱処理して焼結体製品を得るための、新規の焼結炉構造及び焼結方法を採用し、更にその成形から焼結までの処理によく馴染む新規組成の有機バインダを用いることを含む焼結体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知の通り、チタン及びチタン合金を含む焼結用粉末を用いて複雑形状の製品を得るためには押出成形若しくは射出成形法が利用され、これらの成形法の実施においては粉末に流動性を持たせるため種々の有機化合物・熱可塑性樹脂が添加されて加熱混練される。この混練後物質は成形用原料として成形工程に供され、それによる成形体を脱脂・焼結することにより焼結体製品が得られる。
【0003】
従来、チタン及びチタン合金の焼結体を得るために、射出成形法によって成形した場合には、その成形体を不活性ガス雰囲気下で加熱脱脂するか、溶媒を用いて抽出脱脂を行った後に同じく不活性ガス雰囲気下で加熱脱脂し、成形体はこのような脱脂体となって初めて焼結炉に入れられる。(例えば、特開平10─8106号公報参照)
【0004】
しかしながら、これらの方法では焼結を行うための前処理工程として、溶媒抽出はバインダの組成に応じて選択的に必要とされるものであるが、脱脂専用炉を用いた加熱脱脂を行うことは一般的に不可欠とされるものであり、そのための時間及び設備を要する分だけ、全体的な処理時間が長くなり経済的効率が悪くなることは明らかである。また、原料であるチタン及びチタン合金粉末として球状のガスアトマイズ粉末を用いることが多いため、その場合、成形体を脱脂炉から焼結炉に移す際に傷やクラック等が生じやすく、しかも脱脂炉から出して焼結炉に移すまで長期間空気中に放置すると酸素量が増大し、これが焼結体に悪影響を与え、特に炭素材料からなる焼結炉においては炉材の酸化に伴う問題点が加わることになる。
【0005】
そこで、炭素材料からなる焼結炉においても酸素による問題を軽減しようとして、上記特開平10─8106号公報の方法では、主としてチタンからなるガス吸着用ゲッター材料を用いることにより、炭素量及び酸素量の低い焼結体を得るようにしている。しかしながら、これらゲッター材料は使用回数が進むと、焼結の際に既吸着のガスを放出して逆に炉内を汚染し、焼結体への着色と炭素量及び酸素量の増加をもたらす。このゲッター材料であるチタンは還元その他の処理によって炭素及び酸素を除去すること、従って再使用に供することは極めて困難であり、多くの場合廃棄される。
【0006】
このような焼結の際の炉内汚染を抑えるためには、炉材としてモリブデン等の金属材料を用いるのが一般的であるが、これらの金属材料は高価である上、その寿命が炭素材料の場合の半分以下であり、生産コストを大きくする原因となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、複雑形状の製品を得るためにチタン又はチタン合金粉末を含む焼結用粉末を用いて成形し、脱脂・焼結する際に物理的欠陥を生じることなく、それらの熱処理時間を短縮すべく鋭意検討した結果、次のような焼結体の製造方法の発明に到達した。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、チタン粉末若しくはチタン合金粉末からなるか、又は窒化物セラミックス、炭化物セラミックス若しくは金属粉末のいずれか一種以上の粉末をチタン粉末と混合したものからなる焼結用粉末に対し、有機バインダを添加・混合して成形用組成物を調製する工程と、
その成形用組成物によって成形体を作成する工程と、
作成された成形体を脱脂専用炉による脱脂工程を経ることなく、焼結炉に直接入れて脱脂及び焼結する工程とからなり、
前記焼結炉には減圧・排気回路を付設して、この回路中にバインダトラップを挿入したことにより、成形体焼結までの昇温過程において前記減圧・排気回路を作動させ、有機バインダの分解ガスを抜き取って排出するとともに、バインダトラップにおいて分解ガス中に含まれたワックス及び熱可塑性樹脂成分の固化物を捕捉することを特徴とするチタン及びチタン合金等焼結体の製造方法を構成したものである。
【0009】
本発明において、上記の有機バインダ(これを“A”とする)の組成は、(a)不活性ガス雰囲気下500℃における熱分解率が97%以上である熱可塑性樹脂を20〜70vol%と、(b)融点が120℃以下、ビカット軟化点における粘度が200mPa・s以下であって、不活性ガス雰囲気下500℃における熱分解率が95%以上である有機化合物を30〜80vol%と、を含むものであり、この有機バインダ(A)は焼結用粉末に対して30〜60vol%添加・混合される。ここに、上記の熱可塑性樹脂及び有機化合物の「熱分解率」は、次の測定手順において特定されたものである。
【0010】
熱可塑性樹脂又は有機化合物材料20〜50mgを熱天秤に載せ、窒素若しくはアルゴン等の不活性ガス雰囲気下において、30℃〜500℃の間を毎分10℃の昇温速度で加熱し、その昇温前の秤量値と500℃に達したときの秤量値とから下式の通り「熱分解率」を特定する。
熱分解率=(1−500℃における残留重量/昇温前の重量)×100(%)
【0011】
有機バインダ(A)の添加量は、それが30vol%に満たなければ成形時の流動性が低下し、健全な成形体が得られない。逆に60vol%を越えると焼結炉中でバインダが分解する際、製品にクラック等の欠陥が生じるとともに焼結後の焼結体中に多くのカーボンが残留する。また(A)の熱可塑性樹脂(a)の500℃における熱分解率が最低限の97%未満である場合、及び有機化合物(b)の500℃における熱分解率が最低限の95%未満、特に90%以下の場合には、焼結後に多くのカーボンが残留する。
【0012】
次に本発明における(a)の熱可塑性樹脂としては、ポリアセタール、ポリアセタールを含むポリマーアロイ化物、ポリスチレン、ポリスチレンを含むポリマーアロイ化物、ポリプロピレン、ポリプロピレンを含むポリマーアロイ化物、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、アタクチックポリプロピレン、エチレン─グリシジルメタクリレートを含むポリマーアロイ化物、及び平均分子量が6,000以下であるポリオレフィン樹脂のうちから一種以上のものを採用し、前記(b)の有機化合物としては、カルナバワックス、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、パラフィンワックス、ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ウレタン化ワックス及びポリグリコールから選ばれる一種以上のものを採用することができる。
【0013】
本発明において、成形体を焼結炉に直接入れて脱脂及び焼結するための熱処理は、処理温度50〜500℃の間においては、アルゴン又は窒素等の不活性ガス雰囲気下、圧力10〜86000Pa、昇温速度5〜150℃/hrの条件で加熱する工程と、処理温度が500℃に達した後は、圧力0.1Pa以下、昇温速度50〜500℃/hrの条件で加熱・昇温し、成形体を900〜1500℃で焼結する工程とからなる。
【0014】
本発明の実施において、成形体を焼結炉に入れる際は、酸化物セラミックス製の底板と、この周囲を囲繞する同一セラミックス製の枠縁とからなる成形体支持容器であって、前記底板の上面に酸化イットリア、酸化マグネシア、酸化カルシウムからなる別のセラミック材料からなる保護内張り材を被覆し、この成形体支持容器に前記成形体を支持した後、酸化物セラミックス製の上蓋を前記枠縁との間に、好ましくは0.1〜0.5mm程度の隙間を維持し、被せてから焼結炉内に入れることにより、この隙間からバインダ分解ガスを炉内に放出するとともに、成形体焼結時において支持容器炉内外に生ずる圧力差により、同容器内の成形体を炉内汚染から防護するものである。
【0015】
本発明の実施において、焼結炉の内壁断熱材、天板及び底板にそれぞれ近接して配置された上部ヒータ及び下部ヒータが炭素材料からなるとともに両ヒータ間に、内部温度を均一化するための、少なくとも1側壁を蓋部とし他側壁との間に通気可能な隙間を有して内外を実質的に遮断するようにした炭素材料からなるボックスを設け、このボックス内に前記蓋付き支持容器を配置し、成形体を出し入れできるようにしたものである。
【0016】
上記の構成により、従来はチタン又はチタン合金を含む焼結用粉末に流動性を付与すべく添加していた有機バインダを焼結前に除去するため、脱脂炉を用いることが必須であったが、本発明においては焼結炉のみで脱脂及び焼結を行うことができる。また、その焼結炉自体、安価で使用寿命の長い炭素材料で形成し、炭素及び酸素を吸着するための還元材料である高価なゲッター材料を必要としないものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施に用いる焼結炉、及び補助部品の構造について説明する。
【0018】
図1において、焼結炉1は適当な耐熱物質からなる外壁の内面に炭素製断熱材2を装着し、その天面断熱材2aと、底面断熱材2bにそれぞれ近接した炉室内に炭素製ヒータ3a、3bを配置したものである。ヒータ3a、3b間には前後左右の四面と、上下二面を覆う壁構造からなる炭素材料製のボックス4が配置され、このボックス4からの均等な二次放射赤外線により、その内部温度を均一化するようになっている。ボックス4は、少なくとも一側壁を蓋又は扉部とし、その蓋又は扉部の四縁と他側壁端縁との間に通気可能な隙間を有した状態で内外を遮断するものであり、この蓋又は扉部を炉1の蓋又は扉(いずれも図示せず)に固定し、炉1の開扉と同時に当該部分も開放して、内部に成形体用の蓋付き支持台5を、炭素材料製のトレー6に載せて出し入れできるようになっている。
【0019】
焼結炉1には、バインダトラップ用の減圧・排気回路7、及び焼結用真空回路8が接続される。減圧・排気回路7は、焼結炉1内(この場合、底部)から、減圧ポンプ9により排気して圧力10〜86000Paの減圧状態を与えるものであり、且つその回路7中に、凝固空間を有するバインダトラップ構造体10を配置したものである。実際の脱脂工程において、焼結炉1内は不活性ガスで満たされた上で前記の減圧状態とされ、同時に所定の昇温速度で500℃まで加熱される過程で有機バインダの気化・熱分解が進み、減圧ポンプ9の排気筒9aから排ガスとしてそのまま放出されるか、バインダトラップ構造体10において凝固し、その工程の終了以後に取り出される。このような固化物として取り出されるのは、主としてワックス成分であるが、熱分解以前に気化した他の有機化合物も含まれる。
【0020】
焼結用真空回路8は、焼結炉1内(この場合、底部)から、高真空ポンプ11により吸気・減圧して圧力0.1Pa以下の高真空状態を与える真空回路中に、フィルタ12を配置した構成である。実際の焼結工程において、焼結炉1内は高温の故に炭素、酸素その他の汚染ガスが発生し、これを放置すると焼結体が汚染され又は劣化するために、この真空回路8を用いて汚染ガスを抜き取り、煤等はフィルタ12で捕捉する。
【0021】
図2は、蓋付き支持台5の詳細構造を示す断面図であり、支持台5の本体は酸化物セラミックスからなる底板5aと、同一材料からなる枠縁5bとからなり、同じく酸化物セラミックスからなる蓋板13がこれに併用される。底板5aの上面には酸化イットリア、酸化マグネシア、酸化カルシウム等のセラミック材料層14を塗布その他の方法で被覆し、この上に成形体15を配置する。蓋板13は、図示の通り枠縁5bの上端との間に僅かな隙間(例えば、支持台5の平面積が20×35cm2 程度において、平均0.1〜0.5mmの隙間)を維持するようにして被せられる。この隙間は適当なスペーサチップを用いるか、又は枠縁5bの上端に凹凸を設けるなどして形成される。
【0022】
成形体15を配置した蓋付き支持台5のセラミック材料層14は、焼成されるまでは水分及び炭酸ガスの吸収体となるが、焼結炉1内に入れて加熱されると耐火セラミックスとなり、成形体のチタン材料と反応しない安定な支持台5の保護膜となる。
【0023】
【実施例】
以下、好ましい実施例及び比較例について説明するが、本発明は当然ながらこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
実施例1
160℃に加熱した加圧ニーダー中に、まずポリスチレンとアタクチックポリプロピレンを投入し、溶融させた後、住友スチックス製純チタン粉末(平均粒径:23μm、カーボン量:0.08%、酸素量:0.25%)、低分子ポリエチレン(平均分子量3000)、パラフィンワックス(融点63℃)、カルナバワックスを投入して40分間混練し、取り出した後、混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。次に、成形温度150℃の条件で厚さ4mm、幅10m、長さ60mmの成形体を得た。焼結用粉末としてのチタン粉末と、有機バインダからなる成形用物組成物の比率、及びバインダ組成は次の通りである。
【0025】
成形用組成物
チタン粉末 65vol%
全バインダ量 35vol%
【0026】
バインダ組成
ポリスチレン 20.0vol%
アタクチックポリプロピレン 20.0vol%
低分子ポリエチレン(平均分子量3000) 10.0vol%
パラフィンワックス 45.0vol%
カルナバワックス 5.0vol%
【0027】
実施例2
160℃に加熱した加圧ニーダー中に、まずポリプロピレン、ポリアセタール及びアタクチックポリプロピレンを投入し、溶融させた後、住友スチックス製純チタン粉末(平均粒径:20μm)、パラフィンワックス(融点63℃)、ウレタンワックスを投入して40分間混練し、取り出した後、混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。次に、成形温度150℃の条件で厚さ4mm、幅10m、長さ60mmの成形体を得た。焼結用粉末としてのチタン粉末と、有機バインダからなる成形用組成物の比率、及びバインダ組成は次の通りである。
【0028】
成形用組成物
チタン粉末 65vol%
全バインダ量 35vol%
【0029】
バインダ組成
ポリプロピレン 20.0vol%
ポリアセタール 5.0vol%
アタクチックポリプロピレン 25.0vol%
パラフィンワックス 40.0vol%
ウレタン化ワックス 10.0vol%
【0030】
比較例1
160℃に加熱した加圧ニーダー中に、まずナイロン66を投入し、溶融させた後、純チタン粉末(平均粒径:10μm)、パラフィンワックス(融点46℃)、カルナバワックスを投入して40分間混練し、取り出した後、混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。次に、成形温度140℃の条件で厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。
【0031】
成形用組成物
チタン粉末 65vol%
全バインダ量 35vol%
【0032】
バインダ組成
ナイロン66 40.0vol%
パラフィンワックス 45.0vol%
カルナバワックス 15.0vol%
【0033】
比較例2
160℃に加熱した加圧ニーダー中に、まず熱可塑性樹脂である高密度ポリエチレン、エチレン‐酢酸ビニル共重合体を投入し、溶融させた後、純チタン粉末(平均粒径:10μm)、パラフィンワックス(融点46℃)、カルナバワックスを投入して40分間混練し、取り出した後、混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。次に、成形温度140℃の条件で厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。
【0034】
成形用組成物
チタン粉末 65vol%
全バインダ量 35vol%
【0035】
バインダ組成
高密度ポリエチレン 20.0vol%
エチレン‐酢酸ビニル共重合体 20.0vol%
パラフィンワックス 50.0vol%
カルナバワックス 10.0vol%
【0036】
実施例1、2及び比較例1、2より得られた射出成形体を炉内に定置し、50℃から500℃までを昇温速度30℃/hr、窒素雰囲気下700Paの圧力で加熱し、500℃から1250℃までを昇温速度50℃/hrで10-3Paの真空下で焼結を行い、2時間保持の後、冷却した。成形体の炉内への定置は、接地部を酸化イットリアでコーティングしたアルミナセラミックスの枠付き容器で支持し、上部からアルミナセラミックスで蓋をした状態で行った。実施例及び比較例で用いた熱可塑性樹脂の500℃での熱分解率と、焼結体の相対焼結密度、カーボン量及び酸素量を測定した結果を表1及び表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004614028
【0038】
【表2】
Figure 0004614028
【0039】
【発明の効果】
以上のように、500℃における熱分解率が高い熱可塑性樹脂及び有機化合物を、有機バインダに用いて成形し、成形体の接地部をチタン材料と反応しないセラミックス粉末をコーティングしたセラミックス容器中に成形体を設置し、被蓋・封閉の上、直接焼結炉内で焼結することにより、カーボン量、酸素量の低い焼結体を得ることができた。
【0040】
本発明により、従来とは異なり、脱脂専用炉における脱脂工程と、抽出脱脂を伴う加熱脱脂を必要とせず、一つの炉内で脱脂、焼結を行うことができ、脱脂工程から焼結工程に製品を移動する際の問題を低減し、製造工程の効率化を図ることができる。また本発明の炉構造によれば、焼結炉材として安価な炭素材料からなる焼結炉を用い、しかもゲッター材料を用いないで焼結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するために用いられる焼結炉構造の一例を示す断面構造及び配管接続の略図である。
【図2】上記の焼結炉に収納する成形体用蓋付き支持容器を示す断面図である。
【符号の説明】
1 焼結炉
2 断熱材
3a、3b ヒータ
4 ボックス
5 支持台
6 トレー
7 減圧・排気回路
8 焼結用真空回路
9 減圧ポンプ
10 バインダトラップ構造体
11 高真空ポンプ
12 フィルタ
13 支持台の蓋
14 セラミック材料層
15 成形体

Claims (6)

  1. チタン粉末若しくはチタン合金粉末からなるか、又は窒化物セラミックス、炭化物セラミックス若しくは金属粉末のいずれか一種以上の粉末をチタン粉末と混合したものからなる焼結用粉末に対し、有機バインダを添加・混合して成形用組成物を調製する工程と、前記成形用組成物によって成形体を作成する工程と、作成された前記成形体を脱脂専用炉による脱脂工程を経ることなく、焼結炉に直接入れて脱脂及び焼結する工程とからなり、前記焼結炉には減圧・排気回路を付設して、前記減圧・排気回路中にバインダトラップを挿入したことにより、前記成形体を焼結するまでの昇温過程において前記減圧・排気回路を作動させ、前記有機バインダの分解ガスを抜き取って排出するとともに、前記バインダトラップにおいて前記分解ガス中に含まれたワックス及び熱可塑性樹脂成分の固化物を捕捉することによりチタン及びチタン合金を含む焼結体を製造する方法であって、
    前記焼結炉内に、酸化物セラミックス製の底板及び前記底板の周囲を囲繞する枠縁と、酸化物セラミックス製の上蓋とからなる成形体支持容器であって、前記底板の上面にチタン材料と反応しないセラミック材料からなる保護内張り材を被覆し、前記保護内張り材上に前記成形体を配置した後、前記上蓋と前記枠縁との間にスペーサチップを用いるか、又は前記枠縁の上端に凹凸を設けることで形成された前記上蓋と前記枠縁との間の隙間を維持するように前記上蓋を前記枠縁に被せることにより、前記隙間から前記分解ガスを前記焼結炉内に放出するとともに、前記成形体の焼結時において前記成形体支持容器の内外に生ずる圧力差により、前記成形体を炉内汚染から防護することを特徴とする方法。
  2. 前記焼結用粉末に対し、有機バインダ(A)として
    a)不活性ガス雰囲気下500℃における熱分解率が97%以上である熱可塑性樹脂を20〜70vol%と、b)融点が120℃以下、ビカット軟化点における粘度が200mPa・s以下であって、不活性ガス雰囲気下500℃における熱分解率が95%以上である有機化合物を30〜80vol%と、を含むもの(A)を30〜60vol%添加・混合して成形用組成物を調製することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記(a)の熱可塑性樹脂が、ポリアセタール、ポリアセタールを含むポリマーアロイ化物、ポリスチレン、ポリスチレンを含むポリマーアロイ化物、ポリプロピレン、ポリプロピレンを含むポリマーアロイ化物、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、アタクチックポリプロピレン、エチレン─グリシジルメタクリレートを含むポリマーアロイ化物、及び平均分子量が6,000以下であるポリオレフィン樹脂のうち一種以上のものからなることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記(b)の有機化合物が、カルナバワックス、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、パラフィンワックス、ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ウレタン化ワックス及びポリグリコールから選ばれる一種以上のものからなることを特徴とする請求項2又は3記載の方法。
  5. 前記成形体を焼結炉に直接入れて脱脂及び焼結するための熱処理が、処理温度50〜500℃の間においては、不活性ガス雰囲気下、圧力10〜86000Pa、昇温速度5〜150℃/hrの条件で加熱し、処理温度が500℃に達した後は、圧力0.1Pa以下、昇温速度50〜500℃/hrの条件で加熱・昇温し、成形体を900〜1500℃で焼結することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 焼結炉の内壁断熱材、天板及び底板にそれぞれ近接して配置された上部ヒータ及び下部ヒータが炭素材料からなるとともに両ヒータ間に、内部温度を均一化するための、少なくとも1側壁を蓋部とし他側壁との間に通気可能な隙間を有して内外を実質的に遮断するようにした炭素材料からなるボックスを設け、このボックス内に前記成形体支持容器を配置し、成形体を出し入れできるようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載
    の方法。
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