JPH07116487B2 - 金属粉末射出成形体の脱脂方法 - Google Patents

金属粉末射出成形体の脱脂方法

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JPH07116487B2 JP16099788A JP16099788A JPH07116487B2 JP H07116487 B2 JPH07116487 B2 JP H07116487B2 JP 16099788 A JP16099788 A JP 16099788A JP 16099788 A JP16099788 A JP 16099788A JP H07116487 B2 JPH07116487 B2 JP H07116487B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、金属焼結部材を射出成形体を利用して製造
する技術において、射出成形して得た成形体より有機バ
インダを効率的に低コストで除去する金属粉末の射出成
形体の脱脂方法に関する。
[従来の技術] 近年、金属粉末を射出成形法で成形して、その焼結体を
得る方法は、他の方法に比べると複雑な形状のものを大
量に生産できるので注目されるようになった。
この方法は、金属粉末を各種ワックスとポリマーとを組
合せてなる有機バインダとともに加熱混練して得た混合
材料を、通常のプラスチック射出成形と同様の方法で射
出成形し、その後脱脂、焼結を行って金属の焼結体を得
るものである。
この工程中、脱脂とは射出成形体を焼結する前に、有機
バインダを成形体より除去することである。このため有
機バインダを流動体(液体、気体、蒸気)として、成形
体を変形させることなく除去する必要がある。
このための方法として大別すると、下記の2つの方法が
ある。
(1)抽出法(溶媒抽出法、超臨界ガス抽出法) (2)加熱法 [発明が解決しようとする課題] 上記従来行なわれている技術は、コストがかかり過ぎた
り、長時間(3〜5日)の処理が必要だったり、又、製
品厚み10mm程度のものしか製造できないという欠点を持
っている。それは従来の脱脂方法では、短時間に脱脂し
ようとすると、射出成形体にふくれとか割れなどの脱脂
欠陥が生じるためである。
そこで、本発明では、かかる欠点を除去し、健全な焼結
体を得るための脱脂を短時間に行おうとするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明は、金属粉末と低融点物質を含有する有機バイン
ダとの混合材料を射出成形して得た成形体をアルミナ粉
中に埋込み、脱脂炉内で化学的に不活性な雰囲気の中で
200℃まで加熱して有機バインダ中の低融点物質を成形
体を変形することなく除去し、次いでこの成形体を雰囲
気温度を均一に保つため蓋付焼結用容器に入れ、真空炉
内に設置し、真空炉を真空に減圧し真空炉内に不活性ガ
スを供給しながら、300〜600℃/hrの昇温速度で550〜65
0℃まで加温して成形体中の有機バインダを除去するこ
とを特徴とする金属粉末射出成形体の脱脂方法である。
これを図面に基づいて具体的に説明すると、金属粉末と
有機バインダとを加熱混練して得た混合材料を、射出成
形機により通常のプラスチック射出成形法と同様にして
射出成形する。ここで有機バインダとしては例えばアク
リル系結合剤等に低融点成分として滑剤および可塑剤等
を混合したものである。ついで第1図に示すように得ら
れた成形体1,2…を脱脂炉3の中で、アルミナ粉4に埋
め込み、排気管5より排気して炉内を真空にし、供給管
6より窒素などの化学的に不活性なガスを炉内に装入す
る。これをヒーター7により200℃程度に加熱し、有機
バインダ中の低融点物質(滑剤、ワックスおよび可塑
剤)を成形体2を変形することなく除去する。この場
合、室温から200℃まで直線的に昇温するが、特に複雑
形状品の成形体では昇温中に軟化して変形する恐れがあ
る。これを防止する目的で成形体を昇温前にアルミナ粉
中に埋込み、成形体を固定し昇温を行うのである。
又、200℃までの昇温によって、有機バインダ中の低融
点物質が除去され成形体中に微細な空洞を生じる。この
空洞は成形体内部から表面まで貫通しており、以後の真
空脱脂時に急速に昇温しても、加熱分解成分は熱分解後
直ちに空洞を通り成形体表面へ達し、次いでワックスト
ラップに捕集されることとなる。
次に、第2図に示すように上記処理した成形体1,2を焼
結用容器12に入れ、真空炉8に配置したグラファイトボ
ックス9内に装入し、真空ポンプ10により排気管5より
炉内の排気をし、供給管6より不活性ガス(例:窒素ガ
ス)を供給しながら、300〜600℃/hrの昇温速度で加熱
する。
供給管6より供給された不活性ガスの流れは、真空ポン
プで吸引することにより、グラファイトボックス9内外
の隙間を通過し、炉外のワックストラップ11を経て真空
ポンプ10で吸引される。このとき、成形体内の有機バイ
ンダにより発生する有機性の上記または熱分解ガスは、
供給されたガスと同一の経路を経て炉外に排出されるが
ワックスのような低融点有機物はワックストラップ11で
冷やされて固体となる。
成形体2を真空炉8内に剥き出しの状態に置いた場合、
真空中での熱伝導は輻射によってのみ行なわれ、直接成
形体2表面が加熱される。このため、成形体2は均等に
加熱されにくく、焼結時に焼結体に反りやねじれ等の不
具合を生じる。特に揮発性金属成分、例えばクロム、ア
ルミニウム、銅等を含有する鋼粉末を真空焼結する場
合、焼結時に前記焼結用容器に成形体を配置しないと、
揮発性金属成分が焼結体表面から選択的に蒸発し、焼結
体の外観が灰色から黒色に変化し、また変形する場合が
多い。
そこで本発明では、樹脂にひき続き連続して焼結工程に
移行するので、脱脂、焼結用の容器として、グラファイ
トに比較して熱伝導性の悪いアルミナ等のセラミックス
材を脱脂及び焼結用容器12として用い、この中に成形体
2を配置し、脱脂、焼結を行うと均等に収縮した良好な
金属光沢を有する製品が得られる。
昇温速度を300〜600℃/hrとし、550〜650℃まで加温す
ることに限定したのは、多くの有機バインダの場合、不
活性雰囲気中で減量率は550℃までの加熱で98.5%の除
去率となっており、実用上は550〜650℃までの範囲で十
分であるからである。又、昇温速度は小さければ小さい
程、脱脂時の欠陥を生じる可能性が少なくなるが、作業
性を考慮すればできるだけ短時間で脱脂するのが好まし
い。本発明の2段階脱脂によれば300〜600℃/hrと昇温
速度を速めても特に弊害はない。
[作 用] 本発明においては、2段階の脱脂を行っている。成形体
を直接真空下で加熱して脱脂すれば、低融点成分や樹脂
の除去は容易であるが、成形体の割れやふくれ等の欠陥
を生じる。このため一段目の脱脂では金属粒子間を密に
充填している有機バインダの低融点成分を流動または蒸
発させ、成形体内に気孔を形成させる目的で行う。これ
により、二段目の真空脱脂を急速に加熱することによっ
て行っても、成形体にふくれとか割れなどの脱脂に伴う
欠陥を生じることなく、短時間に脱脂することができ
る。
[実施例] 次に本発明を実施例によって説明する。
実施例1 ステンレス鋼粉末(SUS 304L、平均粒径10μm)100重
量部と、融点50℃のパラフィンワックス1.0重量部、ス
テアリン酸1.0重量部及びアクリル系樹脂7.0重量部とよ
りなる有機バインダとを150℃で均一に加熱混練する。
この混練物を粒状となして射出成形機で射出成形し、5m
m厚さのブロック状抗折試験片の成形体を得る。
ついで、この成形体をアルミナ粉中に埋込み、密閉構造
の脱脂炉の中に入れ、脱脂炉を真空引き(1mbar以下)
後、窒素ガスで炉内を置換する。その後、窒素ガスを2
/分の流量で供給しながら100℃まで30分で昇温後、
引続き10℃/hrの昇温速度で200℃まで加熱後、冷却す
る。冷却後、成形体表面に付着しているアルミナ粉を除
去し、アルミナセラミックス製の焼結用容器に処理した
成形体を入れ、蓋をして真空炉内に配置する。
真空炉内を真空引き後、窒素ガスを1/分の流量で供
給しながら300℃/hrの昇温速度で室温から600℃まで直
線的に加熱し30分保持する。これに引き続き10-3Torr以
下の高真空下で1250℃まで300℃/hrの昇温速度で直線的
に加熱し一時間保持の焼結を行った後、冷却する。
焼結体にはふくれとか割れ等の脱脂による欠陥は全く認
められず、健全な焼結体が得られた。焼結体の密度は7.
6g/cm3で、焼結後の製品厚さは4.20mmで、線収縮率は1
6.5%であった。また、600℃まで加熱した脱脂後の試料
の残留炭素量は0.10重量%で、焼結後は0.01重量%以下
となっており、上記脱脂の目的は十分に達せられた。
実施例2 実施例1で用いたステンレス鋼粉末の代りにカルボニル
鉄粉(平均粒径6μm)と、実施例1と同一のバインダ
の同量とを加熱混練した。混練物を射出成形機でリング
状の成形体を成形した。以後の脱脂、焼結は実施例1と
同様に行った。
焼結後の試料にはふくれや割れ等の脱脂による欠陥は全
く認められず、健全な焼結体が得られた。焼結体の密度
は7.4g/cm3で、成形体の外径50.0mmが、焼結後は外径4
1.8mmで線収縮率は16.5%であった。また、600℃まで加
熱した脱脂後の試料の残留炭素量は0.15重量%で、真空
焼結後は0.01重量%以下となっており、脱脂の目的は十
分に達せられた。
焼結体の磁気測定を行った結果、最大透磁率2000μm、
磁束密度B25(G)=14,500、保持力0.20Hc(Oe)であ
り、優れた特性を示した。
[発明の効果] 本発明によれば、金属粉末射出成形体の焼結に先立つ有
機バインダの脱脂にあたって、2段階の脱脂を行うこと
によって、脱脂時間の短縮、バインダの炭化、金属の酸
化、成形体に生じるふくれや割れなどの脱脂欠陥を除去
することができる。そして、ひいては焼結体の残留炭素
量の低減ができ、金属粉末の射出成形焼結における品質
の向上に寄与することができる。
そして、第1段の脱脂において、成形体をアルミナ粉中
に埋込んで200℃に加熱することにより、有機バインダ
中の滑剤、低融点ワックスおよび可塑剤等の低融点成分
を成形体表面から徐々に内部まで均一に除去し、成形体
内に連通気孔を形成する。これによって、二段目の真空
脱脂を300〜600℃/hrの昇温速度で600℃まで急速に加熱
しても成形体にふくれや割れの生じる恐れがなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1段脱脂を実施する装置の断面図、第2図は
第2段脱脂を実施する装置の断面図である。 1,2……成形体、3……脱脂炉、4……アルミナ粉、 5……排気管、6……供給管、7……ヒーター、 8……真空炉、9……グラファイトボックス、 10……真空ポンプ、11……ワックストラップ、 12……焼結用容器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属粉末と低融点物質を含有する有機バイ
    ンダとの混合材料を射出成形して得た成形体をアルミナ
    粉中に埋込み、脱脂炉内で化学的に不活性な雰囲気の中
    で200℃まで加熱して有機バインダ中の低融点物質を成
    形体を変形することなく除去し、次いでこの成形体を雰
    囲気温度を均一に保つため蓋付焼結用容器に入れ、真空
    炉内に設置し、真空炉を真空に減圧し真空炉内に不活性
    ガスを供給しながら、300〜600℃/hrの昇温速度で550〜
    650℃まで加温して成形体中の有機バインダを除去する
    ことを特徴とする金属粉末射出成形体の脱脂方法。
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