JP2932763B2 - 射出成形粉末冶金製品の製造方法 - Google Patents

射出成形粉末冶金製品の製造方法

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JP2932763B2 JP15107891A JP15107891A JP2932763B2 JP 2932763 B2 JP2932763 B2 JP 2932763B2 JP 15107891 A JP15107891 A JP 15107891A JP 15107891 A JP15107891 A JP 15107891A JP 2932763 B2 JP2932763 B2 JP 2932763B2
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良雄 木嶋
俊人 岸
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形粉末冶金法を
用いて焼結製品を製造する方法の改良に関する。
【0002】
【従来技術】射出成形粉末冶金法は、原料金属粉末とバ
インダーとの混練物を、該バインダーの溶融温度以上に
おいて射出成形し、得られた成形物を脱バインダーした
後に焼結することにより焼結製品を製造する方法であ
り、特に三次元的に複雑な形状を有する金属製品を製造
するのに有効な方法である。
【0003】上記の射出成形粉末冶金法において、バイ
ンダーとしてワックス、ポリエチレン等の有機物が一般
的に使用されており、また金属粉末とバインダーとの濡
れ性を向上させるためにバインダー中に濡れ剤を含有さ
せること、及び脱バインダーする際に焼結工程への搬送
のためにセラミックセッター上に載置すること等が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記のよ
うな通常使用されている方法では、脱バインダー工程の
後において成形物表面の肌あれ、変形等の脱バインダー
不良に起因する現象が多くみられ、歩留り低下の原因と
なっている。従って本発明の目的は、脱バインダー不良
が有効に防止された射出成形粉末冶金法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属粉
末と有機バインダーとの混練物を射出成形し、得られた
成形物を、前記有機バインダーの流動開始温度未満の温
度で加熱処理した後に、脱バインダーを行ない、次いで
焼結を行なうことを特徴とする射出成形粉末冶金製品の
製造方法が提供される。
【0006】
【作用】本発明においては、脱バインダーに先立って、
有機バインダーの流動開始温度未満の温度で加熱処理を
行なうことが顕著な特徴であり、このような熱処理を行
なうことにより脱バインダー不良を有効に防止すること
が可能となる。本発明において、このような熱処理によ
って脱バインダー不良が有効に防止されることの正確な
理由は明らかではないが、本発明者等は次のように推定
している。
【0007】一般に金属粉末と有機バインダーとの混練
物の射出成形は、有機バインダーの溶融温度以上で行な
われ、射出成形によって溶融状態にあるバインダーは射
出金型内で圧力を加えられた状態で急冷凝固される。こ
の場合、射出成形体中のバインダーには急冷凝固による
熱歪と高圧力下に置かれたことによる残留応力による歪
が蓄えられていると考えられる。また一個の射出成形体
の内部における凝固時期、冷却速度及び応力分布は一様
ではないため、蓄えられる歪は、射出成形体内部で均一
ではないと考えられる。即ち、成形体表面の肌あれ、変
形を生じせしめる脱バインダー不良は、上記のような成
形体内部で不均一な歪を与えられたバインダーが脱バイ
ンダー工程において短時間で高温に昇温されるため、蓄
積された歪の差に応じてバインダーの溶融及びガス化が
部分的に不均一に行なわれるために生じるものと推測さ
れる。従って本発明によれば、脱バインダーに先立って
行なわれる熱処理により、上述した歪が除去されるため
に、このような不均一な歪に起因する脱バインダー不良
が有効に防止されるものと考えられる。
【0008】本発明において、上述した熱処理は、有機
バインダーの流動開始温度未満の温度で行なうことが必
要である。この流動開始温度以上の温度で熱処理を行な
うと、該有機バインダーの溶融、ガス化等を生じ、結果
として脱バインダーを生じ、このような熱処理を行なう
ことの意義が全く失われてしまうからである。一般的に
言って、この熱処理温度は、有機バインダーの溶融、ガ
ス化等を有効に防止するために、前記流動開始温度より
も5℃以上低いことが好ましい。尚、本明細書におい
て、有機バインダーの流動開始温度とは、該バインダー
が単独の有機物から形成されているときにはその融点で
あり、複数の有機物の混合体から形成されている場合に
はその見掛けの融点を意味する。
【0009】また本発明において、上記の熱処理は、有
機バインダー中に含まれるワックスの再結晶温度以上で
行なうことが望ましい。通常使用される有機バインダー
中には相当量のワックスが含まれており、バインダー中
の残留歪は、上記熱処理によりワックスが再結晶する過
程で徐々に消失するものと考えられる。因に一般的に使
用されている有機バインダー中に含まれるパラフィンワ
ックスの再結晶温度は39℃である。
【0010】上述した熱処理は、例えば熱風循環式の乾
燥炉、塩浴炉、真空乾燥炉、油浴炉等の炉を用いて行な
われる。また処理時間は、有機バインダー中の歪が完全
に消失するまでとされるが、一般的には10時間以上、好
ましくは20時間以上とされる。
【0011】本発明の射出成形粉末冶金製品の製造方法
は、脱バインダーに先立って上述した熱処理を行なうこ
とを除けば、それ自体公知の方法を採用して実施され
る。
【0012】例えば、用いる原料金属粉末としては、各
種の金属ないし合金粉末、これらの混合粉末等が、目的
とする製品に応じて使用される。また有機バインダーと
しては、パラフィンワックス等のワックス類、ポリエチ
レン等の熱可塑性プラスチックス等が単独または2種以
上の組み合わせで使用される。一般的には、ワックス類
を40重量%以上含有する有機バインダーが好適に使用さ
れ、さらに有機硼素系界面活性剤等の濡れ剤を2〜20重
量%含有しているものも好適に使用される。これら有機
バインダーは、前記金属粉末当たり5〜15重量%の割合
で使用される。
【0013】上述した金属粉末と有機バインダーとの混
練物は、有機バインダーの溶融温度以上で射出成形に付
され、得られた成形体について、前述した熱処理が行な
われる。かかる熱処理が行なわれた成形体は、有機バイ
ンダーのガス化温度以上に加熱されて脱バインダーが行
なわれる。この脱バインダーは、酸化等を防止するため
に窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行なうことが一般
的である。
【0014】脱バインダーされた成形体は次いで焼結に
付され、これにより、例えば三次元的に複雑形状を有す
る焼結金属製品が得られる。かかる焼結の条件は、用い
る金属粉末の種類等に応じて適宜決定される。
【0015】
【実施例】
実施例1 平均粒径14μm のガスアトマイズSUS 316 粉末に有機バ
インダーを7重量%加えて混練を行なった。用いた有機
バインダーの組成は、パラフィンワックス(再結晶温度
39℃)60重量%、ポリエチレン30重量%、濡れ剤(有機
硼素系界面活性剤)10重量%であり、その見掛けの融点
は65℃である。得られた混練物を用いて、成形温度80
℃、金型温度30℃の条件で射出成形を行ない、縦20mm、
横10mm、高さ4mmの複雑形状電子部品成形体を1000個作
成した。これらの成形体を熱風循環式の乾燥炉に入れ、
55℃において24時間、バインダー中の歪除去のための熱
処理を行なった。次いで、脱バインダー炉により、窒素
ガス中で20℃/時の昇温速度で 300℃まで加熱した後に
冷却して脱バインダーを行なった。得られた脱バインダ
ー成形体について、脱バインダー不良の発生率を、表面
肌あれ、変形を生じた個数を測定することにより評価し
た。結果を表1に示す。
【0016】実施例2 平均粒径6μm のカーボニル鉄粉末に平均粒径6μm の
カーボニルニッケル粉末を2重量%添加し、得られた混
合粉末に有機バインダーを7重量%加えて混練を行なっ
た。用いた有機バインダーの組成は、パラフィンワック
ス(再結晶温度39℃)40重量%、ポリエチレン40重量
%、濡れ剤(有機硼素系界面活性剤)20重量%であり、
その見掛けの融点は75℃である。得られた混練物を用い
て、成形温度85℃、金型温度30℃の条件で射出成形を行
ない、縦10mm、横10mm、高さ4mmの複雑形状電子部品成
形体を1000個作成した。これらの成形体を熱風循環式の
乾燥炉に入れ、60℃において24時間、バインダー中の歪
除去のための熱処理を行なった。次いで、脱バインダー
炉により、窒素ガス中で20℃/時の昇温速度で 300℃ま
で加熱した後に冷却して脱バインダーを行なった。得ら
れた脱バインダー成形体について、実施例1と同様の測
定を行ない、脱バインダー不良の発生率を評価した。結
果を表1に示す。
【0017】比較例1 バインダーの歪除去のための熱処理を行なわない以外は
実施例1と全く同様にして脱バインダー成形体を得た。
この成形体について、実施例1と同様の測定を行ない、
脱バインダー不良の発生率を評価した。結果を表1に示
す。
【0018】比較例2 バインダーの歪除去のための熱処理を行なわない以外は
実施例2と全く同様にして脱バインダー成形体を得た。
この成形体について、実施例1と同様の測定を行ない、
脱バインダー不良の発生率を評価した。結果を表1に示
す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の射出成形粉末冶金製品の製造方
法によれば、原料金属粉末と有機バインダーとの混練物
を用いて得られる射出成形体について、脱バインダー不
良を極めて有効に抑制することができ、製品の歩留りを
著しく向上させることが可能となる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末と有機バインダーとの混練物を
    射出成形し、得られた成形物を、前記有機バインダーの
    流動開始温度未満の温度で加熱処理した後に、脱バイン
    ダーを行ない、次いで焼結を行なうことを特徴とする射
    出成形粉末冶金製品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱処理を、有機バインダーの流動
    開始温度よりも5℃以上低い温度で行なう請求項1に記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記有機バインダーとして、パラフィン
    ワックスを40重量%以上含有しているものを使用する請
    求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理を、パラフィンワックスの
    再結晶温度以上の温度で行なう請求項3に記載の製造方
    法。
JP15107891A 1991-05-27 1991-05-27 射出成形粉末冶金製品の製造方法 Expired - Lifetime JP2932763B2 (ja)

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