JP2006096625A - 自焼結炭化珪素質匣鉢およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 炭化珪素粉末、カーボンブラック、炭化ホウ素粉末、バインダ、分散媒を含有するスラリーを成形した後、乾燥し、不活性ガス雰囲気中または真空下、2000℃以上2300℃以下で焼成し、気孔率5%以下の自焼結体からなる自焼結炭化珪素質匣鉢を得る。
【選択図】 なし
Description
このような粉末原料の熱処理は、匣鉢等の焼成用容器に前記粉末原料を入れて、炉内で加熱することにより行われる。
また、例えば、特許文献1には、炭化珪素とシリコンの複合材からなる炭化珪素質焼結体も、陶磁器等の焼成用棚板、匣鉢等の焼成用部材として使用することができることが開示されている。
また、チタン酸アルミニウム質の匣鉢は、前記磁器質のものに比べて耐熱衝撃性に優れているが、これも、載置する粉末原料の焼成品中のNa、Al等の不純物量が多くなるという問題を有していた。
したがって、粉末等を載置して熱処理する際、該被熱処理品への匣鉢の材質に由来する不純物汚染をできる限り低減することができ、しかも、耐熱衝撃性にも優れた材質からなる匣鉢が求められていた。
このような緻密な自焼結炭化珪素質からなる匣鉢は、熱伝導率が高く、耐熱衝撃性に優れ、高強度であり、加熱の均一化、匣鉢の肉薄化を図ることができ、また、割れや変形も生じ難く、耐久性の向上を図ることができるだけでなく、被熱処理品に対する匣鉢由来の不純物の影響を低減することができる。
上記製造方法によれば、自焼結炭化珪素質からなり、上記のような高強度かつ不純物汚染を抑制することができる匣鉢を容易に提供することができる。
また、本発明に係る自焼結炭化珪素質匣鉢によれば、被熱処理品に対する匣鉢由来の不純物の影響を低減することができ、特に、金属酸化物または水和物等の粉末の熱処理に好適に用いることができ、ひいては、金属酸化物系セラミックスの原料粉末を、高純度かつ低コストで製造することが可能となる。
本発明に係る自焼結炭化珪素質匣鉢は、炭化珪素粉末を原料主成分とした自焼結炭化珪素により構成されるものである。
ここで、自焼結炭化珪素とは、シリコンとカーボンを原料として、Si+C→SiCの反応を利用して炭化珪素焼結体を得る反応焼結に対して、「自焼結」という用語を用いたものである。すなわち、焼結体と同様の材質である炭化珪素粉末自体の焼結体であることを意味するものである。
したがって、反応焼結法による炭化珪素焼結体からは、その原料であるシリコン、カーボンが不純物汚染源として発生しやすいが、本発明のような自焼結炭化珪素質の場合には、原料自体も炭化珪素であり、炭化珪素は不純物汚染源となり難いという利点を有している。
このように、気孔率が5%以下の緻密体の自焼結炭化珪素は、高強度であるため、匣鉢の肉厚を薄くしても、割れたり、変形したりすることがなく、さらに、薄く形成することにより、熱容量を小さくすることができ、また、熱伝導率が高いため、これに載置する被処理品の温度の均一化を図ることができる。
さらに、耐熱衝撃性にも優れており、高速昇降温の繰り返しにも耐えられ、匣鉢の耐久性の向上も図ることができる。
また、焼結助剤として用いられるカーボンブラックは、緻密化等の観点から、配合比率は、炭化珪素粉末に対して1〜6重量%であることが好ましい。
また、炭化ホウ素粉末も、焼結助剤として用いられるものであり、緻密化等の観点から、平均粒径が5μm以下であり、配合比率は、炭化珪素粉末に対して0.1〜2重量%であることが好ましい。
また、原料スラリーの分散媒としては、水またはアルコール等の有機溶剤を用いることができるが、その種類および量は、スラリーが均一な分散状態となり、注型が容易な粘性を有するものとして得られる限り、特に限定されるものではない。
焼成温度が2000℃未満の場合は、気孔率が5%を超えて、自焼結体の強度の低下を招きやすくなる。
一方、焼成温度が2300℃を超える場合は、結晶成長が促進され、この場合も、自焼結体の強度低下および気孔率の上昇傾向が見られ、また、炭化珪素の分解が始まる。
なお、不活性ガスの中でも、窒素ガスは、炭化珪素との反応性を考慮すると、好ましくなく、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を用いることが好ましい。
まず、分散剤としてポリカルボン酸0.005〜2重量部を添加した水20〜50重量部に、原料として、炭化珪素粉末100重量部、カーボンブラック1〜6重量部、炭化ホウ素粉末0.1〜2重量部を添加し、ボールミルで混合し、スラリーとする。さらに、バインダとして0.5〜15重量部を添加する。
得られたスラリーを所定形状の匣鉢の石膏型に鋳込み、成形体を作製する。
前記成形体を脱型し、乾燥後、アルゴンガス雰囲気中、2000〜2300℃で1hr程度焼成することにより、本発明に係る自焼結炭化珪素質匣鉢が得られる。
[実施例1]
分散剤1重量部を水40重量部に溶解し、平均粒径0.7μmの炭化珪素粉末100重量部、炭化ホウ素粉末1.5重量部、カーボンブラック1.5重量部をボールミルで混合し、スラリーとし、さらに、バインダ3重量部を添加した。
得られたスラリーを匣鉢の石膏型に鋳込み、作製した成形体を取り出して、乾燥させた。
この成形体をアルゴンガス雰囲気中、2250℃で1hr焼成し、250mm×250mm×高さ100mmの自焼結炭化珪素質匣鉢を得た。
これらの各匣鉢の気孔率をJIS R 1634で測定したところ、0%であった。
この結果を表1に示す。
この結果を表2に示す。
焼成温度を表1の実施例2,3および比較例1に示す温度として、それ以外については、実施例1と同様にして、自焼結炭化珪素質匣鉢を得た。
これらの各匣鉢について、実施例1と同様にして、気孔率、熱処理による亀裂発生、粉末の不純物量について評価した。
これらの結果を表1および表2に示す。
アルミナ磁器質、ムライト磁器質、チタン酸アルミニウム質、再結晶炭化珪素質、石英質の各匣鉢を作製し、実施例1と同様にして、気孔率、熱処理による亀裂発生、粉末の不純物量について評価した。
これらの結果を表1および表2に示す。
また、表2に示したように、比較例1〜6の匣鉢に載置した粉末は、匣鉢の材質に由来する成分の不純物量が20ppm以上と多かった。
これに対して、気孔率が5%以下の自焼結炭化珪素質匣鉢(実施例1〜3)は、載置した粉末における各不純物量が20ppm未満、合計不純物量が30ppm未満であり、不純物汚染の影響を低減することができることが認められた。
Claims (2)
- 炭化珪素粉末を原料主成分とした自焼結炭化珪素により構成され、気孔率が5%以下であることを特徴とする自焼結炭化珪素質匣鉢。
- 炭化珪素粉末、カーボンブラック、炭化ホウ素粉末、バインダ、分散媒を含有するスラリーを成形した後、乾燥し、不活性ガス雰囲気中または真空下、2000℃以上2300℃以下で焼成し、気孔率5%以下の焼結体として得ることを特徴とする自焼結炭化珪素質匣鉢の製造方法。
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CN104402442A (zh) * | 2014-10-27 | 2015-03-11 | 合肥市东庐机械制造有限公司 | 一种切削刀具用高抗磨陶瓷及其制备方法 |
CN112830798A (zh) * | 2021-01-19 | 2021-05-25 | 黑龙江冠瓷科技有限公司 | 一种无压烧结用碳化硼造粒粉的制备方法 |
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