JP4613588B2 - 自動変速機の摩擦係合装置 - Google Patents

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Description

この発明は、一般的には、自動変速機の摩擦係合装置に関し、より特定的には、自動変速機のブレーキやクラッチとして使用される摩擦係合装置に関する。
従来の自動変速機の摩擦係合装置に関して、たとえば、特開平11−141662号公報には、車体フロアとの干渉を避けると同時に、ブレーキピストンの剛性を確保することを目的とした自動変速機が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示された自動変速機には、多板ブレーキを構成する固定側および回転側の摩擦板と、これらの摩擦板を押圧するリング状のブレーキピストンとが設けられている。ブレーキピストンに隣り合った位置には、油圧室が形成されており、その油圧室の底部には、油圧コントロールバルブユニットに通じる油穴が形成されている。
特開平11−141662号公報
上述の特許文献1に開示された自動変速機では、油穴を介して、油圧コントロールバルブユニットから油圧室に油圧供給される。これにより、ブレーキピストンがストロークし、固定側および回転側の摩擦板を互いに係合させる。しかしながら、油穴は、油圧室の底部にのみ設けられているため、ブレーキピストンが傾いた状態で摩擦板を押圧してしまう。この場合、摩擦板への負荷が不均一となり、摩擦板の耐久性が損なわれる。また、摩擦板が受ける力が、摩擦板の周方向でばらつき、円滑な変速動作を妨げる原因となる。このような現象は、油の粘性が高くなる低温時に発生しやすくなるため、特に寒冷地等での使用に際して、自動変速機の信頼性が低下してしまう。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、摩擦板への負荷が局所的に大きくなることを防止するとともに、円滑な変速動作が実現される自動変速機の摩擦係合装置を提供することである。
この発明に従った自動変速機の摩擦係合装置は、油圧によりピストンを作動させ、そのピストンによって摩擦板を押圧する自動変速機の摩擦係合装置である。自動変速機の摩擦係合装置は、環状に延びて形成された油圧室と、油圧室に油を供給し、それぞれ独立して延びる複数の油路とを備える。複数の油路の各々は、油圧室が延びる周方向において互いに異なる位置で油圧室に連通している。
このように構成された自動変速機の摩擦係合装置によれば、油は、複数の油路を通って油圧室の周方向にずれた複数箇所に供給される。このため、油圧室内の位置によって、油圧が発生するタイミングに差が生じることを防止し、ピストンを傾きのない状態で作動させることができる。これにより、ピストンによって押圧される摩擦板への負荷を均一化し、摩擦板の耐久性を向上させることができる。また、円滑な変速動作を実現するとともに、自動変速機の制御性を向上させることができる。
また、複数の油路は、相対的に短い油路長を有する第1の油路と、相対的に長い油路長を有する第2の油路とを含む。自動変速機の摩擦係合装置は、第2の油路に開閉自在に設けられ、第2の油路の油の流れを制御する遮断部材をさらに備える。このように構成された自動変速機の摩擦係合装置によれば、遮断部材を開き、第1および第2の油路から油圧室に油を供給することによって、ピストンを傾きのない状態で作動させることができる。また、遮断部材を閉じ、相対的に短い油路長を有する第1の油路から油圧室に油を供給することによって、油圧供給をより短時間で行なうことができる。これにより、自動変速機の応答性を向上させることができる。
また好ましくは、遮断部材は、油温が所定の温度よりも高いと判断された時に閉じられて、第2の油路の油の流れを遮断し、油温が所定の温度よりも低いと判断された時に開かれて、第2の油路の油の流れを許容する。また好ましくは、遮断部材は、油の粘度が所定の値よりも低いと判断された時に閉じられて、第2の油路の油の流れを遮断し、油の粘度が所定の値よりも高いと判断された時に開かれて、第2の油路の油の流れを許容する。
このように構成された自動変速機の摩擦係合装置によれば、油温が高い時、つまり油の粘度が低い時には、油圧室内で油のまわりが比較的良くなる。このため、ピストンの作動時に傾きが生じにくくなる。したがって、この時には、遮断部材を閉じ、第1の油路から油圧室に油を供給することで、自動変速機の応答性を向上させる。一方、油温が低い時、つまり油の粘度が高い時には、油圧室内で油のまわりが比較的悪くなる。このため、ピストンの作動時に傾きが生じやすくなる。したがって、この時には、遮断部材を開き、第1および第2の油路から油圧室に油を供給することで、ピストンが傾いた状態で作動することを防止する。これにより、応答性の向上とピストンの傾き防止とを両立した自動変速機を実現することができる。
また好ましくは、遮断部材は、油温によってばね係数が変化する形状記憶スプリングと、形状記憶スプリングにより付勢され、第2の油路を開閉するチェックボールとを含む。このように構成された自動変速機の摩擦係合装置によれば、形状記憶スプリングによってチェックボールを付勢する力を、油温によって変化させ、その油温に対応した開閉位置にチェックボールを位置決めする。これにより、簡易かつ安価な構成で、第2の油路の油の流れを制御することができる。
また好ましくは、遮断部材は、電磁弁である。このように構成された自動変速機の摩擦係合装置によれば、第2の油路の油の流れを制御する際の制御性を向上させることができる。
また、複数の油路は、相対的に短い油路長を有する第1の油路と、相対的に長い油路長を有する第2の油路とを含む。好ましくは、第1の油路は、油が相対的に大きい抵抗を受けて流れるように形成されており、第2の油路は、油が相対的に小さい抵抗を受けて流れるように形成されている。このように構成された自動変速機の摩擦係合装置によれば、油路長の違いにより、第1および第2の油路が油圧室に連通する位置の間で、油圧が発生するタイミングにずれが生じることを防止できる。これにより、作動時に生じるピストンの傾きを、さらに効果的に抑制することができる。
以上説明したように、この発明に従えば、摩擦板への負荷が局所的に大きくなることを防止するとともに、円滑な変速動作が実現される自動変速機の摩擦係合装置を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ参照番号が付されている。
図1は、この発明の実施の形態における摩擦係合装置が適用された自動変速機を示す断面図である。図1を参照して、自動変速機10は、入力された回転を、減速または加速して出力したり、逆回転にして出力するプラネタリギア17を備える。自動変速機10には、プラネタリギア17を構成するプラネタリキャリアの回転をロックするブレーキ11が設けられている。
ブレーキ11は、プラネタリギア17を収容するケース体12に固定された摩擦板13と、プラネタリキャリア側に固定された摩擦板14と、プラネタリギア17の軸方向に摩擦板13および14と並んで配置されたブレーキピストン15とを備える。摩擦板13および14は、ケース体12の内周面に沿って延在するリング形状を有し、プラネタリギア17の軸方向に沿って交互に入り組んだ櫛の歯状に形成されている。ブレーキピストン15は、摩擦板13および14と同様にリング形状を有する。
ケース体12内には、ブレーキピストン15に隣り合った位置で環状に延在する油圧室20が形成されている。油圧室20は、ケース体12の内周面から半径方向内側に突出するリブ状部12rと、ブレーキピストン15とに囲まれた位置に形成されている。油圧室20への油圧供給により、ブレーキピストン15は、プラネタリギア17の軸方向にストロークし、摩擦板13および14を押圧する。押圧された摩擦板13および14は、互いに圧着し、これによって、プラネタリキャリアの回転がロックされる。
図2は、図1中のII−II線上から見た自動変速機を示す模式図である。図2を参照して、自動変速機10には、油圧を発生させるオイルポンプ24と、油圧制御を行なうソレノイドバルブが取り付けられたバルブボディ21とが設けられている。バルブボディ21は、自動変速機10のオイルパンが設けられた側、つまり、油圧室20の底部側に設けられている。バルブボディ21には、油温センサ23が設けられており、油温センサ23によって、バルブボディ21内を流れる作動油の温度が検出される。
自動変速機10には、さらに、バルブボディ21から油圧室20に達するメイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36が形成されている。メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36は、バルブボディ21内で分岐した位置から油圧室20に向けて、互いに独立して延びている。メイン油圧供給路31は、ケース体12に形成された開口部32によって、油圧室20の底部近くに連通している。サブ油圧供給路36は、ケース体12に形成された開口部37によって、油圧室20の頂部近くに連通している。つまり、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36は、油圧室20が延在する周方向にずれた位置で、それぞれ、油圧室20に連通している。メイン油圧供給路31は、相対的に短い管路長で形成されており、サブ油圧供給路36は、相対的に長い管路長で形成されている。
このような構成により、本実施の形態では、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36の2つの経路を介して、油圧室20に作動油が供給される。このため、油圧室20に対して、油圧室20が延在する周方向にずれた複数箇所から油圧供給することができ、油圧を受けるブレーキピストン15の表面全体で、油圧供給のタイミング(油圧のアプライタイミング)を均一化することができる。これにより、ブレーキピストン15を傾きのない状態でストロークさせることができる。
また、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36は、メイン油圧供給路31の管路抵抗がサブ油圧供給路36の管路抵抗よりも大きくなるように形成されていることが好ましい。この場合、管路抵抗が相対的に大きいメイン油圧供給路31で油が流れにくくなり、管路抵抗が相対的に小さいサブ油圧供給路36で油が流れやすくなる。結果、メイン油圧供給路31とサブ油圧供給路36との間で、管路長の差に起因して、油圧のアプライタイミングがずれることを防止できる。これにより、ブレーキピストン15のストローク時の傾きを、さらに効果的に抑えることができる。
メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36の管路抵抗を、上述のように操作する方法としては、たとえば、メイン油圧供給路31の管路径を、サブ油圧供給路36の管路径よりも小さくする方法がある。また、開口部32の直径を、開口部37の直径よりも小さく設定したり、メイン油圧供給路31の内壁の表面粗さを、サブ油圧供給路36の内壁の表面粗さよりも大きく設定したりする方法もある。また、メイン油圧供給路31の経路上に、作動油の流れの抵抗となる回転羽根を設けても良い。
なお、図2中では、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36が、バルブボディ21内で分岐した形状に描かれているが、メイン油圧供給路31とサブ油圧供給路36とは、バルブボディ21の外側、たとえばケース体12内で分岐して形成されていても良い。この場合、その分岐した位置から油圧室20に達するまでの油路が、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36となる。また、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36は、互いに等しい長さで形成されていても良く、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36とは別の油圧供給路が、さらに形成されていても良い。
図3は、図2中の2点鎖線IIIで囲まれた位置を拡大して示す断面図である。図3を参照して、バルブボディ21には、サブ油圧供給路36の経路上に位置して、油圧切り換え機構41が設けられている。油圧切り換え機構41は、チェックボール43と、チェックボール43を両側から付勢するように配置されたスプリング44および45とから構成されている。チェックボール43は、隔壁42に形成された孔42hを塞ぐように配置されている。スプリング44および45の周りは、サブ油圧供給路36を流れる作動油によって満たされる。
図4は、図3中のスプリングのばね特性を示すグラフである。図4を参照して、図中では、スプリング44および45のばね特性が、それぞれ、直線47および48によって示されている。図3および図4を参照して、スプリング44および45のばね特性は、サブ油圧供給路36を流れる作動油の温度によって変化する。油温が高いほどスプリングのばね係数が大きくなり、チェックボール43を付勢するばね荷重が大きくなる。油温の変化に対するばね荷重の変化の割合(直線47および48の傾き)は、スプリング45の方がスプリング44よりも大きい。
油温がT(℃)よりも低い範囲では、スプリング44によるばね荷重が、スプリング45によるばね荷重よりも大きくなる。このとき、チェックボール43は、スプリング44によって、孔42hから離れた位置まで押し戻され、サブ油圧供給路36は、作動油の流れが許容された状態になる。これに対して、油温がT(℃)よりも高い範囲では、スプリング45によるばね荷重が、スプリング44によるばね荷重よりも大きくなる。このとき、チェックボール43は、スプリング45によって、孔42hを塞ぐ位置に押し付けられ、サブ油圧供給路36は、作動油の流れが遮断された状態になる。
このような構成により、作動油の温度がT(℃)よりも低い場合には、作動油が、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36の双方から油圧室20に供給される。油温が低いと、作動油の粘度が大きくなる。このため、作動油が流れにくくなり、油圧室20内で油圧のアプライタイミングにずれが生じやすくなる。したがって、この場合には、油圧室20に対して複数箇所から油圧供給し、ブレーキピストン15が傾いてストロークすることを確実に防止する。一方、作動油の温度がT(℃)よりも高い場合には、作動油が、メイン油圧供給路31のみから油圧室20に供給される。油温が高い場合、作動油の粘度は小さくなり、油圧のアプライタイミングにずれが生じにくくなる。したがって、この場合には、相対的に短い管路長で形成されたメイン油圧供給路31のみを用いることで、自動変速機10の応答性を向上させる。
なお、チェックボール43と、スプリング44および45とから構成される油圧切り換え機構41は、バルブボディ21の外側、たとえばケース体12に形成されたサブ油圧供給路36に配置されていても良い。
図5は、図3中の油圧切り換え機構の変形例を示す模式図である。図5を参照して、本変形例では、図3中の油圧切り換え機構41に替えて、サブ油圧供給路36に電磁弁51が設けられている。電磁弁51は、たとえば、バルブボディ21に設けられたソレノイドバルブと一体に構成されている。電磁弁51は、油温センサ23から信号を受け、油温センサ23で検出された作動油の温度に基づいて制御される。つまり、検出された油温がT(℃)よりも低い場合には、電磁弁51は、開く側に制御され、サブ油圧供給路36の作動油の流れが許容される。一方、検出された油温がT(℃)よりも高い場合には、電磁弁51は、閉じる側に制御され、サブ油圧供給路36の作動油の流れが遮断される。
なお、油温センサ23とは別に粘度検出センサを設け、そのセンサで検出された作動油の粘度に基づいて、電磁弁51の開閉を制御しても良い。この場合、作動油の粘度が、油温がT(℃)の時、Y(Pa・s)であるとすれば、検出された粘度がY(Pa・s)よりも高い時に、電磁弁51は、開く側に制御され、検出された粘度がY(Pa・s)よりも低い時に、電磁弁51は、閉じる側に制御される。
メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36が油圧室20に連通する位置と、ブレーキピストン15の傾き量との関係を調べるために、以下に説明する試験を行なった。
図6は、メイン油圧供給路およびサブ油圧供給路が油圧室に連通する位置を示す模式図である。図6を参照して、メイン油圧供給路31が油圧室20に連通する位置を、図中の0°の位置に固定して、まず比較のため、メイン油圧供給路31から油圧室20に油圧供給を行なった。そして、ブレーキピストン15のストロークを複数箇所で測定し、その測定結果から、油圧供給時のブレーキピストン15の傾き量を求めた。作動油の粘度は、−30(℃)の時の粘度とした。次に、図中の60°、120°および180°の位置で油圧室20に連通するように、サブ油圧供給路36を順に設け、メイン油圧供給路31と、それぞれの位置で連通するサブ油圧供給路36との2経路から油圧室20に油圧供給を行なった。同様に、それぞれの場合で、ブレーキピストン15の傾き量を求めた。以上の結果を、続いて説明する図7にまとめた。
図7は、アプライ角度(メイン油圧供給路31とサブ油圧供給路36との位相差)と、ブレーキピストンの傾き量との関係を示すグラフである。図7から分かるように、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36の2経路から油圧供給することによって、メイン油圧供給路31のみから油圧供給した場合と比較して、ブレーキピストン15の傾き量を小さく抑えることができた。また、メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36のアプライ角度が大きいほど、ブレーキピストン15の傾き量は小さくなり、アプライ角度が180°の時に、ブレーキピストン15の傾き量が最も小さい値となった。
この発明の実施の形態における自動変速機の摩擦係合装置は、油圧によりピストンとしてのブレーキピストン15を作動させ、ブレーキピストン15によって摩擦板13および14を押圧する自動変速機10の摩擦係合装置である。自動変速機10の摩擦係合装置は、環状に延びて形成された油圧室20と、油圧室20に油を供給し、それぞれ独立して延びる複数の油路としてのメイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36とを備える。メイン油圧供給路31およびサブ油圧供給路36の各々は、油圧室20が延びる周方向において互いに異なる位置で油圧室20に連通している。自動変速機の摩擦係合装置は、自動変速機10のブレーキ装置としてのブレーキ11に用いられている。
メイン油圧供給路31とサブ油圧供給路36とが、それぞれ油圧室20に連通する位置の位相差は、60°以上180°以下であることが好ましい。メイン油圧供給路31とサブ油圧供給路36とが、それぞれ油圧室20に連通する位置の位相差は、90°以上180°以下であることが、さらに好ましい。メイン油圧供給路31とサブ油圧供給路36とが、それぞれ油圧室20に連通する位置の位相差は、120°以上180°以下であることが、さらに好ましい。
このように構成された、この発明の実施の形態における自動変速機の摩擦係合装置によれば、ブレーキピストン15を傾きのない状態でストロークさせ、摩擦板13および14に負荷する力を、摩擦板の周方向に均一に分散させることができる。これにより、摩擦板13および14への熱的負荷が局所的に大きくなることを防止し、摩擦板13および14の焼損等の不具合を解消することができる。また、摩擦板13および14を均一に圧着させることで、油圧制御に対応したブレーキ11の正確な作動を得ることができる。これにより、滑らかな変速動作を実現することができ、たとえば、クラッチtoクラッチ制御による変速時にも、ショックが生じることを確実に防止できる。
なお、本実施の形態では、本発明を、ブレーキ11に適用した場合について説明したが、自動変速機のクラッチに適用しても良い。また、本発明を、無段変速機に適用しても良い。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態における摩擦係合装置が適用された自動変速機を示す断面図である。 図1中のII−II線上から見た自動変速機を示す模式図である。 図2中の2点鎖線IIIで囲まれた位置を拡大して示す断面図である。 図3中のスプリングのばね特性を示すグラフである。 図3中の油圧切り換え機構の変形例を示す模式図である。 メイン油圧供給路およびサブ油圧供給路が油圧室に連通する位置を示す模式図である。 アプライ角度と、ブレーキピストンの傾き量との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 自動変速機、15 ブレーキピストン、13,14 摩擦板、20 油圧室、31 メイン油圧供給路、36 サブ油圧供給路、41 油圧切り換え機構、43 チェックボール、44,45 スプリング、51 電磁弁。

Claims (8)

  1. 油圧によりピストンを作動させ、そのピストンによって摩擦板を押圧する自動変速機の摩擦係合装置であって、
    環状に延びて形成された油圧室と、
    前記油圧室に油を供給し、それぞれ独立して延びる複数の油路とを備え、
    前記複数の油路の各々は、前記油圧室が延びる周方向において互いに異なる位置で前記油圧室に連通し
    前記複数の油路は、相対的に短い油路長を有する第1の油路と、相対的に長い油路長を有する第2の油路とを含み、
    前記第2の油路に開閉自在に設けられ、前記第2の油路の油の流れを制御する遮断部材をさらに備える、自動変速機の摩擦係合装置。
  2. 前記遮断部材は、油温が所定の温度よりも高いと判断された時に閉じられて、前記第2の油路の油の流れを遮断し、油温が前記所定の温度よりも低いと判断された時に開かれて、前記第2の油路の油の流れを許容する、請求項に記載の自動変速機の摩擦係合装置。
  3. 前記遮断部材は、油の粘度が所定の値よりも低いと判断された時に閉じられて、前記第2の油路の油の流れを遮断し、油の粘度が前記所定の値よりも高いと判断された時に開かれて、前記第2の油路の油の流れを許容する、請求項に記載の自動変速機の摩擦係合装置。
  4. 前記遮断部材は、油温によってばね係数が変化する形状記憶スプリングと、前記形状記憶スプリングにより付勢され、前記第2の油路を開閉するチェックボールとを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動変速機の摩擦係合装置。
  5. 前記遮断部材は、電磁弁である、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動変速機の摩擦係合装置。
  6. 前記複数の油路は、相対的に短い油路長を有する第1の油路と、相対的に長い油路長を有する第2の油路とを含み、
    前記第1の油路は、油が相対的に大きい抵抗を受けて流れるように形成されており、前記第2の油路は、油が相対的に小さい抵抗を受けて流れるように形成されている、請求項1からのいずれか1項に記載の自動変速機の摩擦係合装置。
  7. 油圧によりピストンを作動させ、そのピストンによって摩擦板を押圧する自動変速機の摩擦係合装置であって、
    環状に延びて形成された油圧室と、
    前記油圧室に油を供給し、それぞれ独立して延びる複数の油路とを備え、
    前記複数の油路の各々は、前記油圧室が延びる周方向において互いに異なる位置で前記油圧室に連通し、
    前記複数の油路は、相対的に短い油路長を有する第1の油路と、相対的に長い油路長を有する第2の油路とを含み、
    前記第1の油路は、油が相対的に大きい抵抗を受けて流れるように形成されており、前記第2の油路は、油が相対的に小さい抵抗を受けて流れるように形成されている、自動変速機の摩擦係合装置。
  8. 前記相対的に大きい抵抗および前記相対的に小さい抵抗は、前記第1の油路と前記第2の油路との間で、油路長の差に起因して前記油圧室への油圧の適用タイミングがずれないように設定される、請求項7に記載の自動変速機の摩擦係合装置。
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