JP2007225048A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 変速クラッチを有する自動変速機の制御装置において、スリップ制御によりトルク変動を吸収させつつ、フェーシングの昇温を抑制する。
【解決手段】 非変速時に変速クラッチを所定の目標スリップ量に制御するスリップ制御手段を有する自動変速機の制御装置であって、前記変速クラッチのフェーシング近傍を流れた潤滑油の温度を検出する潤滑油温度検出センサが備えられ、前記スリップ制御手段は、該潤滑油温度検出センサにより検出された潤滑油温度が第1設定温度T以上であるときに、前記目標スリップ量に回転補正係数cfcを乗算して該目標スリップ量を低減させる。また、変速クラッチの目標スリップ量の低減量に応じて、ロックアップクラッチのスリップ量を増大させる。
【選択図】 図13

Description

本発明は、変速クラッチを備えた自動変速機の制御装置に関し、自動車に搭載される変速機の技術分野に属する。
自動車用の自動変速機は、トルクコンバータと変速歯車機構とを組合せ、この変速歯車機構の動力伝達経路を複数の変速クラッチ等の選択的作動により切り換えて、所定の変速段に自動的に変速するように構成したものであるが、前記変速クラッチは、一般にクラッチドラムと、該クラッチドラムの内周側に設けられたクラッチハブと、該クラッチドラムとクラッチハブとの間に列設されて該クラッチドラムとクラッチハブに交互に係合された複数の摩擦プレートとを備えた構成で、クラッチドラム又はクラッチハブのいずれか一方に係合された摩擦プレートの表面には、摩擦材としてのフェーシングが貼り付けられるのが通例である。
また、前記トルクコンバータには、ポンプ等の入力要素とタービン等の出力要素とを油圧室への油圧制御により締結又は解放するロックアップクラッチが設けられることがある。そして、エンジン負荷や車速等の車両の走行状態に基づくロックアップクラッチの制御領域が設定され、例えばロックアップ領域では入力要素と出力要素が完全締結されて燃費が向上し、コンバータ領域では、入力要素と出力要素とが完全解放されてトルク増大作用が得られ、スリップ領域では、入力要素と出力要素とが半ば締結されて燃費性能の向上と例えば加速減速時のトルク変動の振動の吸収とが図られるようになっている。
ところが、このロックアップクラッチは、径が大きく、油圧室の容積が大きく、油圧により制御されるピストン部材の質量が大きいため、イナーシャや油圧の応答性により解放又は締結の応答性が悪く、特に走行状態がスリップ領域にあるときにスリップ量の制御精度に劣るという不具合を伴う。
これに対して、特許文献1には、前記変速歯車機構に備えられて、前進走行時に多くの変速段で締結される変速クラッチによりスリップ制御を行うものが開示されている。この変速クラッチは、前記ロックアップクラッチに比べて、径が小さく、油圧室の容積が小さく、ピストンの質量が小さいため、応答性に優れ、スリップ量の制御精度に優れるという利点を有する。
特開2004−263733 号公報
ところで、前記ロックアップクラッチに代えて変速クラッチを用いたスリップ制御が行われる場合には、変速クラッチはロックアップクラッチに比べて潤滑油による冷却効果が低く、また周辺への熱伝達性が劣るなどの理由から、フェーシングの発熱による昇温が顕著となる。そして、フェーシングが高温の状態でスリップ制御を継続すると、フェーシングの摩損が進行し易くなって変速クラッチの耐久性が低下すると共に、潤滑油が過度な温度上昇により劣化するおそれがある。
そこで、本発明は、変速クラッチを有する自動変速機の制御装置において、スリップ制御によりトルク変動を吸収させつつ、フェーシングの昇温を抑制することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、非変速時に変速クラッチを所定の目標スリップ量に制御するスリップ制御手段を有する自動変速機の制御装置であって、前記変速クラッチのフェーシング温度に関連する温度を検出するフェーシング温度検出手段が備えられ、前記スリップ制御手段は、該フェーシング温度検出手段により検出されたフェーシング温度が第1設定温度以上であるときに、前記目標スリップ量を低減させることを特徴とする。
なお、前記フェーシング温度検出手段は、フェーシング近傍の温度を検出したり、フェーシング近傍を流れる潤滑油の温度やオイルパン中の潤滑油の温度を検出するものの他、スリップ制御による損失エネルギーと変速クラッチの熱容量とから演算される熱エネルギーをフェーシング温度として推定してもよく、また、検出した温度をフェーシングと検出位置との距離などに応じて演算補正するようにしてもよい。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、前記スリップ制御手段は、前記フェーシング温度検出手段により検出されたフェーシング温度が前記第1設定温度よりも高温の第2設定温度以上であるときに、前記目標スリップ量をゼロにすることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、ロックアップクラッチ付き流体伝動装置と、非変速時に該ロックアップクラッチを所定の目標スリップ量に制御するスリップ制御手段とが備えられていると共に、該ロックアップクラッチ用スリップ制御手段は、前記変速クラッチ用制御手段により変速クラッチの目標スリップ量が低減されたときに、その低減量に応じて、前記ロックアップクラッチの目標スリップ量を増大させることを特徴とする。
なお、前記流体伝動装置は、流体継手やトルクコンバータが含まれる。
一方、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、前記変速クラッチは、クラッチドラムと、該クラッチドラムの内周側に設けられたクラッチハブと、該クラッチドラムとクラッチハブとの間に列設された複数の摩擦プレートと、前記クラッチハブの内周側から潤滑油を該摩擦プレートに供給する潤滑油供給手段とを有すると共に、前記クラッチドラムには、摩擦プレートに供給された潤滑油を径方向外部に排出する潤滑油排出口が設けられ、かつ、前記フェーシング温度検出手段は、前記潤滑油排出口から径方向外部に排出された潤滑油の油温を検出する油温検出手段であることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の自動変速機の制御装置において、前記油温検出手段は、前記クラッチドラムを内包する変速機ケースに固設された固定部と、該固定部からケース内方に延びて前記クラッチドラムの潤滑油排出口に近接位置する感温部とを有することを特徴とする。
そして、請求項6に記載の発明は、前記請求項4または請求項5に記載の自動変速機の制御装置において、前記クラッチドラムの潤滑油排出口は、前記複数の摩擦プレートが列設された範囲の軸方向中間部に設けられていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、非変速時に変速クラッチを所定の目標スリップ量に制御する際に、フェーシング温度に関連する温度が第1設定温度以上であることが検出された場合に、スリップ制御手段により目標スリップ量が低減されるので、フェーシングの摩擦による発熱が抑制され、該フェーシングの昇温に起因した摩損の進行による変速クラッチの耐久性の低下が防止されると共に、潤滑油が過度に温度上昇することによる劣化が防止される。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記フェーシング温度検出手段により検出されたフェーシング温度が前記第1設定温度よりも高温の第2設定温度以上であるときに、スリップ制御手段により前記目標スリップ量がゼロに制御されるので、変速クラッチは完全締結状態となって、フェーシングの摩擦が生じることなく、フェーシングの温度上昇が防止される。
ところで、このように変速クラッチの目標スリップ量が低減されると、フェーシングの保護が図られるのであるが、トルク変動の吸収作用が低減するため、例えば加速減速時にショックなどが発生するおそれがある。
これに対して、請求項3に記載の発明によれば、ロックアップクラッチ付き流体伝動装置と、非変速時に該ロックアップクラッチを所定の目標スリップ量に制御するスリップ制御手段とが備えられ、該ロックアップクラッチ用スリップ制御手段は、前記変速クラッチ用制御手段により変速クラッチの目標スリップ量が低減されたときに、その低減量に応じて、前記ロックアップクラッチの目標スリップ量を増大させるので、変速クラッチの目標スリップ量の低減によるトルク変動の吸収作用の低下がロックアップクラッチのスリップ量の増大により補われ、フェーシング温度の上昇が抑制されつつトルク変動の吸収作用が維持されることになる。
一方、請求項4に記載の発明によれば、前記変速クラッチは、クラッチドラムと、該クラッチドラムの内周側に設けられたクラッチハブと、該クラッチドラムとクラッチハブとの間に列設された複数の摩擦プレートと、前記クラッチハブの内周側から潤滑油を該摩擦プレートに供給する潤滑油供給手段とを有すると共に、前記クラッチドラムには、摩擦プレートに供給された潤滑油を遠心力により径方向外部に排出する潤滑油排出口が設けられ、かつ、前記フェーシング温度検出手段として前記潤滑油排出口から径方向外部に排出された潤滑油の油温を検出する油温検出手段が設けられた構造であるから、フェーシングを通過した直後の潤滑油の温度に応じて前記スリップ制御手段により目標スリップ量の制御が行われることになって、オイルパン等の潤滑油の温度を検出する場合に比べて、検出精度の向上が図られ、フェーシングの耐久性の低下がより緻密に防止されると共に、不要なスリップ量の低減が防止される。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記油温検出手段は、前記クラッチドラムを内包する変速機ケースに固設された固定部と、該固定部からケース内方に延びて前記クラッチドラムの潤滑油排出口に近接位置する感温部とを有する構成であるから、固定部が確実に変速機ケース固定されて感温部を潤滑油排出口により近接させることができる。この結果、検出精度の一層の向上が図られる。
ところで、前記複数の摩擦プレートが列設された範囲の軸方向両端部の摩擦プレートは、リテーニングプレートなどの熱容量の大きな部材に接するので熱が逃げ易いのに対して、中間部は熱がこもり、両端部に比べて昇温しやすくなる。そのため、両端部の潤滑油の温度を検出し、これに基づいてスリップ量を低減させるようにすると、中間部のフェーシングの摩損が進行し易くなるという問題がある。
これに対し、請求項6に記載の発明によれば、前記クラッチドラムの潤滑油排出口は、前記複数の摩擦プレートが列設された範囲の軸方向中間部に設けられているので、この範囲で最も温度が高くなる摩擦プレートのフェーシング近傍を通過した潤滑油の温度が油温検出手段により検出され、これに基づいて変速クラッチの目標スリップ量を低減させることにより中間部のフェーシングの摩損進行が抑制される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1の骨子図により本実施の形態に係る自動変速機1全体の機械的な概略構成を説明する。この自動変速機1は、エンジンルーム内に横置きされたエンジンの出力軸2の回転を入力し、この回転を変速して車輪に伝達する。
自動変速機1は、主な構成要素として、トルクコンバータ10と、該トルクコンバータ10の出力回転が入力される変速機構20とを有している。該変速機構20の出力回転は中間伝動機構50に入力され、該中間伝達機構50の出力回転は差動装置60に入力されるようになっている。
前記トルクコンバータ10は、エンジン出力軸2に連結されたケース11と、該ケース11内に固設されたポンプ12と、該ポンプ12に対向して配置されて該ポンプ12により作動油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12とタービン13との間に介設され、かつ、変速機ケース3(又は変速機ケース3に一体とされた後述のスリーブ部材6)にワンウェイクラッチ14を介して支持されてトルク増大作用を行うステータ15と、前記ケース11とタービン13との間に設けられ、該ケース11を介してエンジン出力軸2とタービン15とを直結するロックアップクラッチ16とで構成されている。そして、前記タービン15の回転がタービン軸17を介して変速機構20側に出力されるようになっている。また、このトルクコンバータ10の後方には、該トルクコンバータ10のケース11を介してエンジン出力軸2に駆動されるオイルポンプ18が配置されている。
前記変速機構20は、第1〜第4プラネタリギヤセット21〜24と、これらのプラネタリギヤセット21〜24でなる動力伝達経路を切り換えるクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素31〜35とを有し、これらにより前進1〜6速及び後退速が得られるようになっている。
一方、前記第1〜第4プラネタリギヤセット21〜24は、いずれもサンギヤ21a〜24aと、このサンギヤ21a〜24aに噛合った複数のピニオン21b〜24bと、これらのピニオン21b〜24bを支持するキャリヤ21c〜24cと、ピニオン21b〜24bに噛合ったリングギヤ21d〜24dとで構成される、シングルピニオンタイプのプラネタリギヤセットである。
そして、第1プラネタリギヤセット21は、サンギヤ21aが変速機ケース3に固定され、リングギヤ21dが第1メンバ41によりタービン軸17に固定された構成になっている。第2プラネタリギヤセット22は、変速機ケース3の壁部にサンギヤ22aがスプライン嵌合され、リングギヤ22dが第2メンバ42によりタービン軸17に固定されている。
一方、第3プラネタリギヤセット23のリングギヤ23dと第4プラネタリギヤセット24のキャリヤ24cとが一体回転するように第3メンバ43により連結されていると共に、第4プラネタリギヤセット24のキャリヤ24cに出力ギヤ25が一体回転するように連結されている。また、第3プラネタリギヤセット23のキャリヤ23cと第4プラネタリギヤセット24のリングギヤ24dとが一体回転するように第4連結メンバ44により連結されている。ここで、第3及び第4プラネタリギヤセット23,24は、合わせて4つの回転要素を有するように互いに連結されている。
そして、第1〜第3クラッチ31〜33と、第1、第2ブレーキ34,35とを選択的に締結させて、タービン軸17から出力ギヤ25までの動力伝達経路を切り換えることにより、前進6速と後退速とが得られることになる。
前記第1クラッチ31は、第1プラネタリギヤセット21のキャリヤ21cと第4プラネタリギヤセット24のサンギヤ24aとの間の動力伝達経路を断接するクラッチである。また、第2クラッチ32は、第1プラネタリギヤセット21のリングギヤ21dと第3プラネタリギヤセット23のサンギヤ23aとの間の動力伝達経路を断接するクラッチである。また、第3クラッチ33は、第2プラネタリギヤセット22のキャリヤ22cと第3プラネタリギヤセット23のサンギヤ23aとの間の動力伝達経路を断接するものである。
一方、第1ブレーキ34は、第3プラネタリギヤセット23のサンギヤ23aを変速機ケース3に対して断接するものである。また、第2ブレーキ35は、第3プラネタリギヤセット23のキャリヤ23c及び第4プラネタリギヤセット23のリングギヤ23dとを連結する第4メンバ44を変速機ケース3に対して断接するものである。なお、第2ブレーキ35と並列にワンウェイクラッチを配設するようにしてもよい。
そして、出力ギヤ25が、中間伝動機構50を構成する中間軸51上の第1中間ギヤ52に噛合わされていると共に、該中間軸51上の第2中間ギヤ53と差動装置60の入力ギヤ61とが噛合わされて、前記出力ギヤ25の回転が差動装置60のデフケース62に入力され、該差動装置60を介して左右の車軸63,64が駆動されるようになっている。
ここで、前記クラッチ31〜33とブレーキ34,35の作動状態と変速段との関係を表1に示す。
Figure 2007225048
一方、図2に示すように、トルクコンバータ10のロックアップクラッチ16には、コンバータケース11とタービン13との間にピストン16aが備えられ、該ピストン16aがコンバータケース11に押付けられたときにエンジン出力軸2とタービン軸17とが直結される。さらに、ピストン16aは、タービン13に固設され、コンバータケース11内の締結室16b内の作動油の圧力により常に締結方向に付勢されつつ、解放室16c内の作動油の圧力により解放方向に付勢される。
このロックアップクラッチ16を制御する油圧制御回路には、該ロックアップクラッチ16のスリップ状態を制御する制御手段としてのデューティソレノイドバルブ70が配設されている(図5参照)。そして、デューティソレノイドバルブ70に印加するデューティ率(1ON−OFF周期におけるON時間の比率)を大きくしていくと、制御圧(解放用油圧)Ptが小さくなり、その結果、ロックアップクラッチ16の締結力が大きくなっていって、ロックアップクラッチ16は完全締結される(ロックアップ状態)。一方、デューティ率を小さくしていくと、制御圧Ptが大きくなっていき、その結果、ロックアップクラッチ16の締結力が小さくなり、ロックアップクラッチ16は完全解放される(コンバータ状態)。そして、デューティ率をその間で制御することにより、制御圧Pt、ひいてはロックアップクラッチ16の締結力が調整され、ロックアップクラッチ16は半ば締結される(スリップ状態)。
次に、前記第1クラッチ13の周辺の構造について説明すると、図3に示すように、前記トルクコンバータ10を収容するコンバータハウジング4と前記変速機ケース3とがボルト4aにより締結されていると共に、前記オイルポンプ18を収容するポンプハウジング5と前記変速機ケース3とがボルト5aにより締結されている。また、ポンプハウジング5の反トルクコンバータ10側の側壁にはスリーブ部材6がボルト6aにより締結されている。
前記第1クラッチ31は、第1プラネタリギヤセット21のキャリヤ21cに連結されて前記スリーブ部材6に対して回転自在に嵌合された内径部材31aと、該内径部材31aに固設されたクラッチドラム31bと、該クラッチドラム31bの内周側に設けられて第4プラネタリギヤセット34のキャリヤ34cに連結されたクラッチハブ31cと、これらのクラッチドラム31b及びクラッチハブ31cにそれぞれ交互にスプライン嵌合された複数の摩擦プレート31d…31dと、クラッチドラム31b内に軸方向に移動可能に収納されたピストン31eとを有している。前記摩擦プレート31d…31dのうちのクラッチハブ31cに嵌合するものには、両面にそれぞれ摩擦材としてのフェーシング31d′…31d′が貼り付けられている(図4参照)。
また、該ピストン31eとクラッチドラム31bとの間には油圧室31fが形成されている。さらに、前記内径部材31aには、ピストン31eのクラッチドラム31bに対する反対側にバランスプレート31gが固設され、該プレート31gとピストン31eとの間に油圧室31fの遠心油圧を相殺するためのバランス室31hが形成されている。また、前記バランスプレート31gには、ピストン31eをクラッチドラム31b側に常時付勢するリターンスプリング31iの一端が支持されている。
一方、スリーブ部材6には、ポンプハウジング5に設けられた図示しないコントロールバルブに連通する油路6bが設けられ、この油路6bは前記内径部材31aに設けられた連通路31a′を介して前記油圧室31fに連通している。また、タービン軸17には潤滑用油路17aが設けられ、この潤滑用油路17aが前記スリーブ部材6に設けられた油路6cに連通し、この油路6cから前記第1プラネタリギヤセット21の内周側付近から潤滑油が噴出すようになっている。さらに、前記油路6cは、内径部材31aに設けられた連通路31a″を介して前記バランス室31hにも連通している。
また、図4に示すように、前記クラッチハブ31cにおける摩擦プレート31d…31dが嵌合された範囲には、潤滑油を各摩擦プレート31d…31d間に供給するための潤滑油供給口31c′…31c′が設けられていると共に、クラッチドラム31bの外周部には摩擦プレート31d…31d間を流れた作動油を該クラッチドラム31bの径方向外部に排出するための複数の潤滑油排出口31b′…31b′が設けられている。前記潤滑油排出口31b′…31b′のうちの少なくとも一つ(31b″)は、摩擦プレート31d…31dが配置された範囲において軸方向の略中間位置に形成されている。
また、前記変速機ケース3には、クラッチドラム31bの外周側に位置して潤滑油温度検出センサ110が装着されている。潤滑油温度検出センサ110は、温度を電気信号に変換するセンサであり、感温部111は例えば熱電対、サーミスタ等で構成されている。図4に示すように、潤滑油温度検出センサ110は、中心に穴112aが形成された筒状の支持部材112を有し、該支持部材112は、変速機ケース3に固定される固定部112bと、固定部112bからクラッチドラム31bの外周壁の外側表面へ向けて延びる延設部112cとを有する。固定部112bは変速機ケース3を貫通しており、ネジ締結或いは接着剤等により両者が固定される。そして、支持部材112の中心の穴112aにおいて延設部112cの先端の部分に前記感温部111が配設されている。さらに、穴112aには感温部111から伸びる信号線113が通過すると共に、穴112aは樹脂材により埋められている。また、前記感温部111は、前記クラッチドラム31bの潤滑油排出口31b″に対峙した位置に配置されている。
そして、この第1クラッチ31を制御する油圧制御回路には、該第1クラッチ31のスリップ状態を制御する制御手段としてのデューティソレノイドバルブ80が配設されている(図5参照)。そして、デューティソレノイドバルブ80に印加するデューティ率を小さくしていくと、制御圧(クラッチ締結用油圧)Pcが大きくなり、その結果、第1クラッチ31は、油圧室31fに作動油が供給されてピストン31eがリターンスプリング31iに抗して移動し、締結状態になる。また、デューティー率を調整し、油圧Pcがバランス室31hへの油圧、ピストン31eに対するリターンスプリング31iの付勢力、及びシール部材31kとピストン31eとの摩擦力に略釣り合うように制御することにより、クラッチドラム31bとクラッチハブ31cとの間に所定の差回転が実現されてスリップ状態となる。また、デューティ率を大きくしていくと、油圧Pcが小さくなり、ピストンがリターンスプリング31iに付勢されて油圧室31fの油圧がドレンされ、解放状態になる。
図5に示すように、この自動変速機1のコントロールユニット100は、潤滑油の温度を検出する潤滑油温度検出センサ110からの信号、エンジンのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ120からの信号、エンジン回転数としてエンジン出力軸2の回転数espを検出するエンジン回転センサ130からの信号、タービン回転数としてタービン軸17の回転数trevを検出するタービン回転センサ140からの信号、車速として出力ギヤ25の回転数を検出する車速センサ150からの信号、運転者により選択されているレンジでONするレンジスイッチ160からの信号、アクセルペダルの非踏み込みでONするアイドルスイッチ170からの信号、及びブレーキペダルの踏み込みでONするブレーキスイッチ180からの信号等を入力する。そして、コントロールユニット100は、それらの信号が示す車両の走行状態(特にスロットル開度及び車速)に基づいて、目標変速段を設定し、その目標変速段が達成されるように、上記摩擦要素31〜35に対する作動圧の給排を行う変速制御用デューティソレノイドバルブ80,90…90に制御信号を出力する。また、コントロールユニット100は、変速中でないときは、同じく上記信号が示す車両の走行状態(特にスロットル開度及び車速)を複数の領域に分類し、その分類結果に応じて、上記ロックアップクラッチ制御用デューティソレノイドバルブ70及び第1クラッチ制御用デューティソレノイドバルブ80に制御信号を出力し、ロックアップクラッチ16のスリップ制御と第1クラッチ31のスリップ制御とを連係して制御する。
次に、前記自動変速機1の制御について、図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、コントロールユニット100は、ステップS1で前記各センサ、スイッチからの入力信号により車両の状態量を検出し、ステップS2で前記潤滑油温度検出センサ110からの入力信号により潤滑油の温度を検出する。
そして、ステップS3で、現在のレンジがNレンジ又はPレンジにあるか否かについて判定を行い、N又はPレンジにないときは、ステップS4に進み、第1クラッチ31の制御領域を設定する。この制御領域の一例を図7に示すと、高車速側に締結領域が設定され、低車速側にスリップ領域が設定されていると共に、スロットル開度がごく小さい領域に減速スリップ領域が設定され、車速及びスロットル開度が共にごく小さい領域に解放領域が設定されている。そして、ステップS5で、走行状態が締結領域にあるか否かを判定し、走行状態が締結領域にあると判定されたときは、ステップS6で第1クラッチ31の締結制御を行う。
図8のフローチャートに示すように、この締結制御は、ステップS21で締結方向に油圧Pcを変更するようになっている。
また、前記ステップS5で、走行状態がスリップ制御領域にあると判定されたときは、ステップS7に進み、図9のフローチャートに示すスリップ制御を行う。このスリップ制御は、ステップS31で、目標スリップ量Δecを設定する。ここでは、図10に示すマップに基づいて領域Δec 11,Δec 12…からスリップ量Δecを設定するようになっている。このマップにおいては、図11に示すように、スロットル開度が大きいほどスリップ量Δecが小さくなる傾向を有すると共に、図12に示すように、車速がV未満では一定で、車速がV以上では車速が大きくなるほどスリップ量Δecが小さくなる傾向を有する。
次に、ステップS32で、回転補正係数cfcの設定を行う。この回転補正係数cfcは、図13のマップに示すように、前記ステップS2で検出された潤滑油温度に基づいて、温度T未満の領域では1.0に設定されると共に、温度T〜Tの領域では温度が高いほど小さくなるように設定される。また、油温T以上の領域では前記回転補正係数cfcはゼロに設定される。
そして、ステップS33で前記目標スリップ量Δecに前記回転補正係数cfcを乗算した値を目標偏差Δetとする。また、ステップS34で、第1クラッチ31の入力回転Ncl_inから出力回転Ncl_outを減算した値を回転偏差Δecとする。
なお、前記入力回転Ncl_inは、前記潤滑油温度検出センサ110に回転検出機能を追加するなどしてクラッチドラム31bの回転数を直接検出する他、第1プラネタリギヤセット21のギヤ比に基づいてタービン回転数trevから算出するようにしてもよい。また、前記出力回転Ncl_outは、センサによりクラッチハブ31cの回転数を直接検出する他、出力ギヤ25の回転数から第4プラネタリギヤセット24のギヤ比に基づいて算出するようにしてもよい。
次に、ステップS35で、前記回転偏差Δecが前記目標偏差Δec以上か否かについての判定を行う。ここで、回転偏差Δecが目標偏差Δec以上のときは、ステップS36で締結方向に油圧Pcを変更する一方、回転偏差Δecが目標偏差Δec未満のときは、ステップS37で解放方向に油圧Pcを変更する。
続いて、図6のフローチャートのステップS8において、ロックアップクラッチ16の制御領域を設定する。この制御領域は、例えば図14に示すように、スロットル開度の大きい領域にコンバータ領域が設定され、スロットル開度が小さい領域にロックアップ領域が設定され、前記コンバータ領域とロックアップ領域との間の低車速側にスリップ領域が設定されている。そして、ステップS9で、走行状態がロックアップ領域にあるか否かについて判定を行い、非ロックアップ領域であると判定されたときは、ステップS10に進み、走行状態がスリップ領域にあるか否かについて判定を行う。
前記ステップS10で走行状態がスリップ領域にあると判定されたときは、ステップS11に進み、ロックアップクラッチ16のスリップ制御を行う。このスリップ制御は、図15のフローチャートに示すように、ステップS41で、目標スリップ量Δetの設定を行う。この目標スリップ量Δecは、図16のマップに基いて車速とスロットル開度とに応じてΔet 11,Δet 12…の値に設定される。ここでは、スリップ量Δetは、図17のマップに示すように、スロットル開度が大きいほど大きくなる傾向を有している。
次に、ステップS42で、回転補正係数cftを設定する。この回転補正係数cftは、図18のマップに従って設定される。つまり、潤滑油温度検出センサ110により検出された潤滑油の温度がT以下で前記第1クラッチ31のスリップ制御における回転補正係数cfcが1.0のときは、回転補正係数cftも1.0に設定され、潤滑油の温度がT以上で回転補正係数cfcが1.0未満のときは、該回転補正係数cfcが小さくなるに従って、回転補正係数cftが増加するように設定される。
次に、ステップS43で、前記スリップ量Δetと回転補正係数cftとを乗算した値を目標偏差Δetとして設定する。
そして、ステップS44で回転偏差Δetをエンジン回転数espからタービン回転数trevを減算して算出する。そして、ステップS44で、前記回転偏差Δetが目標偏差Δet以上であるか否かについて判定を行う。ここで、回転偏差Δetがが目標偏差Δet以上であると判定されたときは、ステップS46に進み、締結方向に油圧Ptを変更する一方、目標スリップ量Δetが偏差Δet未満であると判定されたときは、ステップS47に進み、解放方向に油圧Ptを変更する。
また、図6のフローチャートにおいて、ステップS9で走行状態がロックアップ領域にあると判定されたときは、ステップS12に進み、ロックアップクラッチ16のロックアップ制御を行う。このロックアップ制御は、図19のフローチャートに示すように、ステップS51で、前記第1クラッチ31のスリップ制御における回転補正係数cfcが1.0以上であるか否かについて判定を行う。ここで回転補正係数cfcが1.0であると判定されたときは、ステップS52に進み、締結方向に油圧Ptを変更する。また、回転補正係数cfcが1.0以上であると判定されたときは、図15のフローチャートのステップS41に進む。つまり、潤滑油の温度が高いときには、走行状態がロックアップ領域にあるときであってもロックアップクラッチ16のスリップ制御を行うようになっている。
さらに、図6のフローチャートにおいて、ステップS10で走行状態がスリップ領域にないと判定されたときは、ステップS13に進み、ロックアップクラッチ16のコンバータ制御を行う。このコンバータ制御は、図20のフローチャートに示すように、ステップS61で解放方向に油圧Ptを変更する。
一方、図6のフローチャートにおいて、ステップS3で走行レンジがPレンジ又はNレンジにあると判定されたときは、ステップS14の解放制御を行う。この第1クラッチの解放制御は、図21のフローチャートに示すように、ステップS71で解放方向に油圧Pcを変更する。そして、ステップS15で、前記ステップS12と同様のロックアップクラッチ16のロックアップ制御を行う。
以上のように、非変速時に第1クラッチ31を所定の目標スリップ量Δecに制御する際に、潤滑油温度検出センサ110により検出された潤滑油の温度がT以上であることが検出された場合に、回転補正係数cfcが低減されることにより、目標スリップ量Δecが低減されるので、第1クラッチ31の摩擦による発熱が抑制され、該クラッチ31のフェーシング31d′の昇温による耐久性の低下が防止されると共に、潤滑油の昇温による劣化が防止される。
また、図13に示したように、前記フェーシング温度検出手段により検出された温度がTよりも高温のT以上であるときに、回転補正係数cfcがゼロ、即ち目標スリップ量Δecがゼロに制御されるので、第1クラッチ31は完全締結状態となって、フェーシング31d′の摩擦が生じることなく、フェーシング31d′の温度上昇が防止される。
ところで、このように第1クラッチ31の目標スリップ量Δecが低減されると、フェーシング31d′の保護が図られるのであるが、トルク変動の吸収作用が低減するため、例えば加速減速時にショックなどが発生するおそれがある。
これに対して、本実施形態においては、非変速時にロックアップクラッチ16を所定の目標スリップ量Δetに制御可能になっており、前記のように潤滑油の温度が高く、目標スリップ量Δecが低減されたときに、その低減量に応じて、回転補正係数cftを増大させ、前記目標スリップ量Δetを増大させるので、第1クラッチ31の目標スリップ量Δecの低減によるトルク変動の吸収作用の低下がロックアップクラッチ16のスリップ量Δetの増大により補われ、フェーシング31d′の温度の上昇が抑制されつつトルク変動の吸収作用が維持される。なお、潤滑油の温度が高いときは、ロックアップクラッチ16は、ロックアップ制御からスリップ制御に切換えられ、又はスリップ制御におけるスリップ量の拡大が行われることになる。
また、前記のように回転補正係数cfc、cftを設定しない方法として、エンジン出力軸2と出力ギヤ25との回転差として、目標スリップ量を設定し、このスリップ量を実現するために、潤滑油温度が低いときは第1クラッチ31のスリップ制御により前記目標スリップ量を実現させ、潤滑油温度が高いときはロックアップクラッチ16に目標スリップ量のうちの一部を分担させ、両者のスリップ量の合計が前記目標スリップ量となるようにしてもよい。本実施の形態のように、第1クラッチ31が第1プラネタリギヤセット21の減速回転を入力しているような場合には、第1クラッチ31のスリップ低減量に対して、第1プラネタリギヤセット21のギヤ比に基づいてこの低減量を換算(ギヤ比を乗算)した上でロックアップクラッチ16のスリップ量が設定される。
一方、前記第1クラッチ31は、クラッチドラム31bと、該クラッチドラム31bの内周側に設けられたクラッチハブ31cと、該クラッチドラム31bとクラッチハブ31cとの間に列設された複数の摩擦プレート31d…31dとを有し、前記クラッチハブ31cの内周側潤滑油供給口31c′…31c′を介してから潤滑油を該摩擦プレート31d…31dに供給するようになっていると共に、前記クラッチドラム31bには、摩擦プレート31d…31dに供給された潤滑油を遠心力により径方向外部に排出する潤滑油排出口31d′…31d′が設けられ、かつ、前記潤滑油排出口31b′…31b′の外周側に排出された潤滑油の油温を検出する潤滑油温度検出センサ110が設けられた構造において、フェーシング31d′を通過した直後の潤滑油の温度に応じて目標スリップ量Δec、Δetの制御が行われることになって、オイルパン等の潤滑油の温度を検出する場合に比べて、検出精度の向上が図られ、フェーシング31d′の耐久性の低下がより緻密に防止されると共に、不要なスリップ量の低減が防止される。
また、潤滑油温度検出センサ110は、変速機ケース3に固定される固定部112bと、固定部112bからクラッチドラム31bの外周壁の外側表面へ向けて延びる延設部112cとを有し、該延設部112cの先端部に感温部111が装着された構成であり、固定部112bで確実に変速機ケース3に固定されているから、延設部112cが潤滑油排出口31b″に近接することができる。そして、この延設部112cの近接位置に感温部111が設けられているので、フェーシング31d′により近接して感温部111が位置することになって、検出精度の一層の向上が図られる。
ところで、摩擦プレート31d…31dが設けられた範囲の軸方向両端部の摩擦プレート31dは、リテーニングプレート31jなどの熱容量の大きな部材に接するので熱が逃げ易いのに対して、中間部は熱がこもり、両端部に比べて昇温しやすくなるため、図22に示すような温度特性となる。つまり、図4に示すように、摩擦プレート31d…31dが設けられた軸方向両端の位置をX,Yとすると、両端が最も温度が低く、中間部に近づくに従って温度が上昇する特性となる。そのため、両端部の潤滑油の温度を検出し、これに基づいてスリップ量Δecを低減させるようにすると、中間部のフェーシング31dの摩損が進行し易くなるという問題がある。
これに対し、前記潤滑油排出口31b″は、前記複数の摩擦プレート31d…31dが設けられた範囲の軸方向中間部に設けられているので、この範囲で最も温度が高くなる摩擦プレート31dのフェーシング31d′近傍を通過した潤滑油の温度が潤滑油温度検出手段110により検出されるようになるので、中間部のフェーシング31d′の摩損進行が抑制される。
本発明は、変速クラッチを備えた自動変速機に関し、スリップ制御によるトルク変動吸収作用を維持しつつ、発熱に起因したフェーシングの摩損を防止することができるので、自動車産業に広く好適である。
本発明の実施の形態に係る自動変速機の概略構成を示す骨子図である。 トルクコンバータの断面図である。 第1クラッチ周辺の断面図である。 潤滑油温度検出センサの拡大断面図である。 制御システムのブロック図である。 第1クラッチ及びロックアップクラッチの制御のフローチャートである。 第1クラッチの制御領域のマップである。 第1クラッチの締結制御のフローチャートである。 第1クラッチのスリップ制御のフローチャートである。 変速クラッチの目標スリップ量のマップである。 変速クラッチの目標スリップ量のスロットル開度に応じた傾向を示すグラフである。 変速クラッチの目標スリップ量の車速に応じた傾向を示すグラフである。 潤滑油温度に応じた変速クラッチの回転補正係数のマップである。 ロックアップクラッチの制御領域のマップである。 ロックアップクラッチのスリップ制御のフローチャートである。 ロックアップクラッチの目標スリップ量のマップである。 ロックアップクラッチの目標スリップ量のスロットル開度に応じた傾向を示すグラフである。 変速クラッチの回転補正係数に応じたロックアップクラッチの回転補正係数のマップである。 ロックアップクラッチのロックアップ制御のフローチャートである。 ロックアップクラッチのコンバータ制御のフローチャートである。 第1クラッチの解放制御のフローチャートである。 摩擦プレートが列設された範囲におけるフェーシング温度の特性図である。
符号の説明
1 自動変速機
3 変速機ケース
10 トルクコンバータ
16 ロックアップクラッチ
31 第1クラッチ
31b クラッチドラム
31b′ 潤滑油排出口
31c クラッチハブ
31c′ 潤滑油供給口
31d 摩擦プレート
31d′ フェーシング
100 コントロールユニット
110 潤滑油温度検出センサ
111 感温部
112b 固定部

Claims (6)

  1. 非変速時に変速クラッチを所定の目標スリップ量に制御するスリップ制御手段を有する自動変速機の制御装置であって、
    前記変速クラッチのフェーシング温度に関連する温度を検出するフェーシング温度検出手段が備えられ、
    前記スリップ制御手段は、該フェーシング温度検出手段により検出されたフェーシング温度が第1設定温度以上であるときに、前記目標スリップ量を低減させることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記スリップ制御手段は、前記フェーシング温度検出手段により検出されたフェーシング温度が前記第1設定温度よりも高温の第2設定温度以上であるときに、前記目標スリップ量をゼロにすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 前記請求項1または請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、
    ロックアップクラッチ付き流体伝動装置と、非変速時に該ロックアップクラッチを所定の目標スリップ量に制御するスリップ制御手段とが備えられていると共に、
    該ロックアップクラッチ用スリップ制御手段は、前記変速クラッチ用制御手段により変速クラッチの目標スリップ量が低減されたときに、その低減量に応じて、前記ロックアップクラッチの目標スリップ量を増大させることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記変速クラッチは、クラッチドラムと、該クラッチドラムの内周側に設けられたクラッチハブと、該クラッチドラムとクラッチハブとの間に列設された複数の摩擦プレートと、前記クラッチハブの内周側から潤滑油を該摩擦プレートに供給する潤滑油供給手段とを有すると共に、
    前記クラッチドラムには、摩擦プレートに供給された潤滑油を径方向外部に排出する潤滑油排出口が設けられ、かつ、
    前記フェーシング温度検出手段は、前記潤滑油排出口から径方向外部に排出された潤滑油の油温を検出する油温検出手段であることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 前記請求項4に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記油温検出手段は、前記クラッチドラムを内包する変速機ケースに固設された固定部と、該固定部からケース内方に延びて前記クラッチドラムの潤滑油排出口に近接位置する感温部とを有することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 前記請求項4または請求項5に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記クラッチドラムの潤滑油排出口は、前記複数の摩擦プレートが列設された範囲の軸方向中間部に設けられていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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