JP4610076B2 - リチウムアルミノシリケート系セラミックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密機器用部品に適したリチウムアルミノシリケート系セラミックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
精密機器用部品として、軽量で、熱的な寸法変化が少なく、変形しにくいという理由で、アルミナ系セラミックスや窒化珪素系セラミックスが広く用いられている。
【0003】
また、最近では、コージェライトの低熱膨張性を利用することも提案されている(特開平1−191422、特公平6−97675号各公報参照)。コージェライト系セラミックスは、コージェライト粉末あるいはコージェライトを形成するMgO、Al2O3、SiO2粉末を配合、合成して、これに焼結助剤として希土類元素酸化物やCaO、SiO2、MgOなどを添加し、所定形状に成形後、1000〜1400℃の温度で焼成することによって得られる(特公昭57−3629号、特開平2−229760号各公報参照)。
【0004】
一般に低熱膨張材料としては、コージェライト系セラミックスの他にリチウムアルミノシリケート(以降、LASと表記。)系セラミックスがよく知られている。LAS系セラミックスの一種であるβ−スポジュメンについては、天然原料を使用して、所定形状に成形後、1100〜1400℃で焼成することによって得られる(特公昭53−9605号、特公昭56−16407号各公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
精密機器用部品として、一般に用いられてきたアルミナ系セラミックス、窒化珪素系セラミックスなどのセラミックスは、アルミナ系セラミックスの比重が3.8、窒化珪素系セラミックスの比重が3.0と金属と比べて軽量であるが、機器の大型化に伴う質量の増加を抑えるため、更に軽量な素材が必要とされるようになってきている。
【0006】
また、測定温度範囲が0〜20℃における熱膨張係数は、アルミナ系セラミックスは約5.0×10−6/℃、窒化珪素系セラミックスは約1.5×10−6/℃であり、精密機器に用いるには熱の影響を受けやすく、より低熱膨張の材料が必要とされてきている。
【0007】
精密機器用部品として望まれる材料の特性は、低比重、低熱膨張、高剛性であるが上述したようにアルミナや窒化珪素系セラミックスでは、低比重、低熱膨張の特性を満足できなかった。
【0008】
一方、低熱膨張材料として知られるコージェライト系セラミックスは、比重が2.6〜2.7と低いものの、ヤング率が70〜90GPaと低いため、精密機器用部品として用いる場合、たわみによる変形や部材の固有振動数低下に伴う共振発生による誤差の影響が増加するという問題があった。
【0009】
なお、最近の報告で希土類元素酸化物を焼結助剤とするコージェライト系セラミックスは、比重2.7、熱膨張係数−0.1〜0.1×10−6/℃、ヤング率130〜140GPaを有するものがあり、変形対策や固有振動数の向上に期待されている(特開平11−255557号公報参照)が、剛性はさらに大きなものが望ましい。
【0010】
石英もまた低熱膨張材料として知られる材料であり、熱膨張係数は、測定温度範囲が0〜20℃で、0.4〜0.5×10−6/℃、比重2.2であるが、ヤング率70〜80GPaと剛性が低い材料である。
【0011】
LAS系セラミックスの1種であるβ−スポジュメンは、比重2.0〜2.4、熱膨張係数は室温〜800℃で0.3〜2.7×10−6/℃、室温付近では0〜0.2×10−6/℃であるが、ヤング率は60〜80GPaと剛性の低い材料である。
【0012】
本発明は軽量で低熱膨張を有するとともに、剛性の高いセラミックスを提
供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスは、β−ユークリプタイトのリチウムアルミノシリケートと、炭化珪素、窒化珪素、アルミナのいずれか1種からなる剛性強化剤と、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化チタニウムの少なくとも1種からなる焼結助剤とを含み、上記剛性強化剤の含有量が、炭化珪素であれば28.6〜57.2質量%、窒化珪素であれば21.9〜87.5質量%、アルミナであれば30.0〜40.0質量%であり、焼結助剤の含有量が2.5〜9.0質量%であり、残部がリチウムアルミノシリケートからなることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスは、LASと、剛性強化剤として炭化珪素、窒化珪素、アルミナのいずれか1種と、焼結助剤として酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化チタニウムの少なくとも1種とを複合化したことにより、高剛性で低熱膨張特性を有したものである。
【0015】
剛性強化剤としては、剛性が300GPa以上と高く、軽量で、安価な材料という点で炭化珪素、窒化珪素、アルミナのいずれか1種を用いる。これらの他に炭化硼素、炭化チタン、炭化タングステン等も挙げられるが、炭化硼素は、LASと複合化する場合、焼成温度が高温となり、LASの分解を生じさせる可能性を有し、炭化チタン、炭化タングステンは重く、高価な材料であるため不適当である。剛性強化剤を添加すると剛性の増加と同時に熱膨張係数も増加するが、この添加量は、最終焼結体のヤング率が140GPa以上、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下となるような範囲で調整することが必要である。ヤング率は既存の低熱膨張材料で最も高い値を示すコージェライトの140GPa以上とし、熱膨張係数は窒化珪素の熱膨張係数1.5×10−6/℃と同等以下をその目標とした。そのためには、剛性強化剤が窒化珪素であれば、その含有量は、21.9〜87.5質量%の範囲であることが重要である。
【0016】
これは、剛性強化剤である窒化珪素の含有量が87.5質量%を越えるとLASの分解が発生し緻密化は困難となり、また、21.9質量%未満であるとヤング率が140GPa未満となるためである。
【0017】
また、剛性強化剤を成すのが炭化珪素であれば、含有量は28.6〜57.2質量%であることが重要である。剛性強化剤である炭化珪素の含有量が28.6質量%未満ではヤング率は140GPaを下回り、また57.2質量%を超えると熱膨張係数が1.5×10−6/℃を超えてしまう。また、剛性強化剤を成すのがアルミナであれば、含有量は30.0〜40.0質量%であることが重要である。剛性強化剤であるアルミナの含有量が40.0質量%を超えると熱膨張係数が1.5×10−6/℃を超え、一方30.0質量%未満ではヤング率が140GPaを下回る。
【0018】
さらに、本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスは、焼結助剤として酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化チタニウムの少なくとも1種を含み、含有量は2.5〜9.0質量%である。
【0019】
焼結助剤である酸化ストロンチウム及び酸化バリウムは、イオン半径が1.0Å以上と大きく、LASの珪酸網目構造を切断し、液相生成を助長するような物質を添加することで焼結を促進する。また、酸化ストロンチウムまたは酸化バリウムとLASの化合物は熱処理により針状化し、破壊靱性、強度の向上を促進する働きを有する。また、他の焼結助剤として酸化チタニウムは粒成長を抑制する効果を有し、粒成長に起因するクラックを防止することができる。
【0020】
さらに、本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスは、上記剛性強化剤、焼結助材以外の成分として、低熱膨張材料として知られるLASの中でもβ−ユークリプタイトを使用する。LASは、酸化リチウムとアルミナと石英とからなる複合酸化物であり、質量比率でLi2O:Al2O3:SiO2=12.5:40.5:47に処方したβ−ユークリプタイトは、熱膨張係数で−6.0〜−5.0×10−6/℃を示す。
【0021】
β−ユークリプタイトを用いる理由としては、負の熱膨張特性が大きいほど複合時に少量でその効果が発現できて、より高剛性材料を得ることができるためである。他にLi2O:Al2O3:SiO2=4.6:17.6:77.8、Li2O:Al2O3:SiO2=8.5:31.5:60、Li2O:Al2O3:SiO2=11:38:51の組成のLASを用いたときには、熱膨張係数が−0.5〜0.1×10−6/℃で、ヤング率が140〜150GPaのセラミックスを得ることができる。
【0022】
本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスは、比重が2.5〜2.9と小さく、一般的な低熱膨張材セラミックスの中ではヤング率が142〜242GPaと高く、また、熱膨張係数は測定温度0〜20℃で0.3〜1.5×10−6/℃で高剛性低熱膨張特性を有する。
【0023】
なお、上記LAS(β−ユークリプタイトのリチウムアルミノシリケート)、剛性強化剤、焼結助材以外の成分として、ジルコニアを添加することもできる。ジルコニアは、酸化チタニウム同様に粒成長の抑制に効果を有し、また、粒界に分散させることでその体積変化特性により、少量の添加で強度向上に活用することができる。ジルコニアは、1〜20質量%の添加が好ましい。これは、添加量が1質量%未満では強度向上がほとんどなく、20質量%を超えると比重が3.2を超えて重くなるからである。
【0024】
次に本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスの製造方法を説明する。
【0025】
比表面積が2〜3m2/g、平均粒径が5〜7μmのLAS原料粉末、比表面積が1〜2m2/gの酸化ストロンチウムと比表面積が1〜2m2/gの酸化バリウムと比表面積が6〜7m2/gの酸化チタニウムを所定量配合する。次に、比表面積が20〜23m2/gの炭化珪素粉末あるいは比表面積が15〜20m2/gの窒化珪素粉末あるいは比表面積が2〜4m2/gのアルミナ粉末を所定量配合する。
【0026】
配合の後、振動ミル等を使用して、平均粒径が1μm未満となるように粉砕混合し、所定形状に成形後、焼成を行う。炭化珪素、窒化珪素を含む仕様では、真空雰囲気下で1200〜1400℃で、好ましくは1250〜1370℃で熱処理を行うことで欠陥のない焼成体を得ることができる。また、アルミナを含む仕様では、大気雰囲気下で1100〜1400℃で、好ましくは1250〜1300℃で熱処理を行うことで欠陥のない焼成体を得ることができる。
【0027】
本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスは、上述のような特徴を生かし、精密機器用部品として用いることにより、温度変化に対して寸法安定性に優れ、変形・振動の影響を極めて少なくすることが可能となる。
【0028】
【実施例】
実施例1
比表面積が1.1m2/gの酸化ストロンチウムを0.5質量%、比表面積が1.4m2/gの酸化バリウムを1.0質量%、比表面積が6.2m2/gの酸化チタニウムを1.0質量%、また、比表面積が22m2/gの炭化珪素を20.0〜90.0質量%、比表面積が22m2/gの窒化珪素を20.0〜90.0質量%、比表面積が2.4m2/gのアルミナを26.7〜70.0質量%、残部が2.3m 2 /gのβ−ユークリプタイトとなるように各原料粉末を表1に示す組成でそれぞれ配合し、振動ミルにより72時間混合し、粉砕粒度をそれぞれ平均粒径で0.9〜1.0μmとした。造粒後、乾式プレス成形により抗折試験片形状に製作して成形体を得た。
【0029】
炭化珪素と窒化珪素を添加した成形体は、真空雰囲気下で焼成し、焼成体を製作し評価を行った。焼成は1200〜1400℃の範囲で条件を設定し、各組成の最適な焼成温度を確認し、その最適な温度条件で得られた焼成体の特性を記した。評価の結果、1250〜1370℃の範囲で緻密な焼成体が得られることが確認できた。アルミナを添加した成形体は、大気雰囲気下で1200〜1400℃の範囲で条件を設定し、各組成の最適な焼成温度を確認し、その最適な温度条件で得られた焼成体の特性を記した。評価の結果、1250〜1300℃の範囲で緻密な焼成体が得られることが確認できた。評価は、焼成体の緻密性とヤング率が140GPa以上、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下であるか否かで行った。
【0030】
結果を表1に示す。表1において、炭化珪素の添加量が28.6〜57.2質量%(No.2〜5)でヤング率が140GPa以上で、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下となる焼成体が得られた。添加量が20.0質量%(No.1)ではヤング率が低く、添加量が68.6質量%以上では熱膨張係数が大きくなった。
【0031】
また、窒化珪素の添加量が21.9〜87.5質量%(No.10〜16)でヤング率が140GPa以上で、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下となる焼成体が得られた。添加量が20.0質量%(No.9)ではヤング率が低かった。
【0032】
さらに、アルミナの添加量が30.0〜40.0質量%(No.19〜20)でヤング率が140GPa以上で、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下となる焼成体が得られた。添加量が26.7質量%(No.18)ではヤング率が低く、添加量が53.3質量%を越えると熱膨張係数が大きくなった。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例2
比表面積が1.1m2/gの酸化ストロンチウムを5.0質量%、比表面積が1.4m2/gの酸化バリウムを3.0質量%、比表面積が6.2m2/gの酸化チタニウムを1.0質量%、また、比表面積が22m2/gの炭化珪素を20.0〜90.0質量%、比表面積が22m2/gの窒化珪素を20.0〜90.0質量%、比表面積が2.4m2/gのアルミナを26.7〜70.0質量%、残部が比表面積が2.3m 2 /gのβ−ユークリプタイトとなるように各原料粉末を表2に示す組成でそれぞれ配合し、振動ミルにより72時間混合し、粉砕粒度をそれぞれ平均粒径で0.9〜1.0μmとした。造粒後、乾式プレス成形により抗折試験片形状に製作して成形体を得た。
【0035】
炭化珪素と窒化珪素を添加した成形体は、真空雰囲気下で焼成し、焼成体を製作し評価を行った。焼成は1200〜1400℃の範囲で条件を設定し、各組成の最適な焼成温度を確認し、その最適な温度条件で得られた焼成体の特性を記した。評価の結果、1250〜1370℃の範囲で緻密な焼成体が得られることが確認できた。アルミナを添加した成形体は、大気雰囲気下で1200〜1400℃の範囲で条件を設定し、各組成の最適な焼成温度を確認し、その最適な温度条件で得られた焼成体の特性を記した。評価の結果、1250〜1300℃の範囲で緻密な焼成体が得られることが確認できた。評価は、焼成体の緻密性とヤング率が140GPa以上、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下であるか否かで行った。
【0036】
結果を表2に示す。表2において、炭化珪素の添加量が28.6〜57.2質量%(No.25〜28)で、ヤング率が140GPa以上で、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下となる焼成体が得られた。添加量が20.0質量%(No.24)ではヤング率が低く、添加量が68.6質量%以上では熱膨張係数が大きくなった。
【0037】
また、窒化珪素の添加量が21.9〜87.5質量%(No.33〜39)でヤング率が140GPa以上で、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下となる焼成体が得られた。添加量が20.0質量%(No.32)ではヤング率が低かった。
【0038】
さらに、アルミナの添加量が30.0〜40.0質量%(No.42〜43)でヤング率が140GPa以上で、熱膨張係数が1.5×10−6/℃以下となる焼成体が得られた。添加量が26.7質量%(No.41)ではヤング率が低く、添加量が53.3質量%以上では熱膨張係数が大きくなった。
【0039】
また、酸化ストロンチウムを15.0質量%、酸化バリウムを15.0質量%、酸化チタニウムを1.0質量%および3.0質量%、炭化珪素を0.0質量%および5.0質量%、残部がβ−ユークリプタイトとなるように各原料粉末を表2に示す組成でそれぞれ配合し、振動ミルにより72時間混合し、粉砕粒度をそれぞれ平均粒径で0.9〜1.0μmとした。造粒後、乾式プレス成形により抗折試験片形状に製作して成形体を得た。この成形体を真空雰囲気下で焼成し、焼成体を製作し評価を行った。焼結助剤の合計添加量が31.0質量%の原料組成の焼成体の熱膨張係数は1.5×10−6/℃となり、31.0質量%を超える組成では熱膨張係数は1.5×10−6/℃を上回る結果となった。
【0040】
【表2】
【0041】
表1、表2に見られるように、リチウムアルミノシリケートと剛性強化剤として炭化珪素、窒化珪素、アルミナのいずれか1種を添加し、焼結助剤として酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化チタニウムを総量で2.5〜9.0質量%含む組成で良好な焼成体を得ることができた。
【0042】
表1と表2の結果から、剛性強化剤の添加量が多い方がヤング率、熱膨張係数が大きくなる傾向にあることが分かる。4点曲げ強度、破壊靱性の向上は、炭化珪素、窒化珪素、アルミナの高剛性材料との複合化と焼結助剤成分の針状化の効果を合わせた結果と考えられる。焼結助剤成分の針状化は、助剤添加量が多い方がよりアスペクト比の大きい組織が得られる傾向がある。
【0043】
以上の方法にて得られたセラミックスは、比重が2.5〜2.9と小さく、一般的な低熱膨張材セラミックスの中ではヤング率が142〜242GPaと高く、また、熱膨張係数は測定温度0〜20℃で0.3〜1.5×10−6/℃で高剛性低熱膨張特性を有する。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳述したとおり、本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスは、β−ユークリプタイトのリチウムアルミノシリケートと、炭化珪素、窒化珪素、アルミナのいずれか1種からなる剛性強化剤と、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化チタニウムの少なくとも1種からなる焼結助剤とを含み、剛性強化剤の含有量が、炭化珪素であれば28.6〜57.2質量%、窒化珪素であれば21.9〜87.5質量%、アルミナであれば30.0〜40.0質量%であり、焼結助剤の含有量が2.5〜9.0質量%であり、残部がリチウムアルミノシリケートからなる組成に調整することによって、比重が2.5〜2.9、ヤング率が142〜242GPa、熱膨張係数が0.3〜1.5×10−6/℃、破壊靱性が2.5〜3.7MPa√m、4点曲げ強度が182〜236MPaとなるセラミックスを得ることができる。
【0045】
本発明のリチウムアルミノシリケート系セラミックスを精密機器用部品として用いることにより、温度変化に対して寸法安定性に優れ、変形・振動の影響を極めて少なくすることができる。
Claims (3)
- β−ユークリプタイトのリチウムアルミノシリケートと、剛性強化剤である炭化珪素と、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化チタニウムの少なくとも1種からなる焼結助剤とを含み、上記剛性強化剤が28.6〜57.2質量%、上記焼結助剤が2.5〜9.0質量%、残部がリチウムアルミノシリケートからなることを特徴とするリチウムアルミノシリケート系セラミックス。
- β−ユークリプタイトのリチウムアルミノシリケートと、剛性強化剤である窒化珪素と、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化チタニウムの少なくとも1種からなる焼結助剤とを含み、上記剛性強化剤が21.9〜87.5質量%、上記焼結助剤が2.5〜9.0質量%、残部がリチウムアルミノシリケートからなることを特徴とするリチウムアルミノシリケート系セラミックス。
- β−ユークリプタイトのリチウムアルミノシリケートと、剛性強化剤であるアルミナと、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化チタニウムの少なくとも1種からなる焼結助剤とを含み、上記剛性強化剤が30.0〜40.0質量%、上記焼結助剤が2.5〜9.0質量%、残部がリチウムアルミノシリケートからなることを特徴とするリチウムアルミノシリケート系セラミックス。
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