JP4606700B2 - 防カビ剤、防カビ用組成物、及び防カビ性飲食物、並びに飲食物の保存性向上方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲食物の変質や腐敗を引き起こすカビに対して優れた防カビ作用を有する天然物系防カビ剤、該防カビ剤を含有する防カビ用組成物、及び該防カビ剤及び防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを添加又は付着させてなる防カビ性飲食物並びに飲食物の保存性向上方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、微生物の繁殖による変質や腐敗を起こし易い飲食物に添加して有害な微生物の増殖を抑制し、飲食物の保存性を向上させるための飲食物用保存剤としては、各種の化学合成品又は天然物由来品が使用されている。かかる飲食物用保存剤は飲食物と共に体内に摂取されるのが普通であるから、使用量を誤ると人体に対して有害である化学合成品よりも、人体に対して悪影響がなく安全性の高い天然物由来品が消費者には好まれている。
【0003】
これまでも細菌類に対して有効な天然物系抗菌剤については、いくつか提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
前記特許文献1には、ユッカを含んで成る抗菌剤が、食品変質の原因となる多くの細菌類に対して有効な抗菌剤となることが提案されている。しかし、細菌類に対するユッカ抽出物の抗菌活性は弱く、低濃度のユッカ抽出物ではほとんど効果がないという欠点がある。
前記特許文献2には、ユッカ抽出物に炭素数4〜12の脂肪酸モノグリセライドを所定の割合で混合することにより、ユッカ抽出物の静菌作用を強化している。
前記特許文献3には、ユッカ樹液に有機酸又は無機酸を配合することにより殺菌効果の向上を図っている。
しかし、前記特許文献2及び特許文献3に記載のユッカ抽出物と助剤を併用する方法は、併用効果がそれほど顕著でないばかりか、却って併用された助剤の影響により抗菌剤の用途が制限されてしまうという問題がある。
【0004】
一方、真菌類に対して優れた抗菌活性を有する天然物系抗菌剤の数は少ないのが現状である。例えば、ユッカ由来の4種類のステロイドサポニンが、真菌類、特に酵母に対して強い抗菌活性を有し、天然物系抗菌剤として好適であることを提案している(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。また、アミノ酸、エタノール、ポリリジン、プロタミン、リゾチーム、甘草抽出物、ローズマリー抽出物及び可食性有機酸から選ばれる抗菌性物質と、ユッカ由来のステロイドサポニンとを併用する食品用保存剤が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
しかしながら、従来より確認されているユッカ抽出物の抗菌作用は、細菌類及び酵母に対するものであって、飲食物の変質や腐敗を引き起こすカビに対して、実用上十分な防カビ効果を有することは全く知られていなかった。
【0005】
このように現在までのところ、カビに対して有効な天然物系防カビ剤はほとんど存在せず、しかも、カビによる汚染は、飲食物を開封後に大気中から混入する二次汚染も多く発生しており、カビの繁殖によって飲食物の商品価値が消失する場合があることから、カビの発育を抑えることができる安全性に優れた天然物系防カビ剤及び防カビ用組成物の速やかな提供が強く要望されているのが現状である。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−74105号公報
【特許文献2】
特開平4−278070号公報
【特許文献3】
特公平5−7361号公報
【特許文献4】
特開平7−149608号公報
【特許文献5】
特開2001−39812号公報
【特許文献6】
特開平8−089224号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、飲食物に対して変質や腐敗を引き起こすカビ、特に、ペニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、エウロチウム(Eurotium)属及びクラドスポリウム(Cladosporium)属から選択される少なくとも1種のカビに対して強い防カビ作用を示し、かつ飲食物の風味に対する悪影響が少ない天然物系防カビ剤、該防カビ剤を含有する防カビ用組成物、及び該防カビ剤及び防カビ用組成物の少なくともいずれかを添加又は付着させてなる防カビ性飲食物、並びに飲食物の保存性を確実に向上させる方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、本発明者らが、数多くの天然物成分について防カビ活性の有無を鋭意調査した結果、リュウゼツラン科ユッカ(Yucca)属植物の抽出物が、特にペニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、エウロチウム(Eurotium)属及びクラドスポリウム(Cladosporium)属から選択される少なくとも1種のカビに対し極めて優れた防カビ活性を有することを知見した。
また、前記ユッカ抽出物と、可食性有機酸、エタノール、糖質、食塩及び水から選択される少なくとも1種とを含有する防カビ用組成物は、その理由については定かでないが、いずれの成分も単独では到底達成不可能な優れた防カビ作用を示すことを知見した。
従って、前記防カビ剤及び防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを飲食物に添加又は付着させることにより、カビの増殖により飲食物の変質や腐敗が生じることを確実に防止できると共に、飲食物の風味に対する悪影響が少ないことを見出し、本発明をなすにいたった。
【0009】
即ち、本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては下記の通りである。
<1> リュウゼツラン科ユッカ(Yucca)属植物の抽出物と、可食性有機酸、トレハロース、及び食塩から選択される少なくとも1種とを含有し、前記可食性有機酸が、酢酸、アジピン酸及びこれらの塩から選択される少なくとも1種であり、ペニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、エウロチウム(Eurotium)属及びクラドスポリウム(Cladosporium)属から選択される少なくとも1種のカビに対して防カビ作用を有することを特徴とする防カビ用組成物である。
<2> リュウゼツラン科ユッカ属植物が、Yucca arizonica、Yucca brevifolia、Yucca elata、Yucca intermdia、Yucca mohavensis、Yucca schidigera、Yucca peninsularis、Yucca schottii及びYucca whippleiから選択される少なくとも1種である前記<1>のいずれかに記載の防カビ用組成物である。
<3> リュウゼツラン科ユッカ(Yucca)属植物の抽出物が、前記リュウゼツラン科ユッカ属(Yucca)植物の地下部及び地上部の少なくともいずれかを水、親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出処理して得られる前記<1>から<2>のいずれかに記載の防カビ用組成物である。
<4> ステロイドサポニン含有率が0.5質量%〜10質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の防カビ用組成物である。
<5> 可食性有機酸の配合量が、ユッカ抽出物1質量部に対して0.1質量部〜100質量部である前記<1>から<4>のいずれかに記載の防カビ用組成物である。
<6> トレハロースの配合量が、ユッカ抽出物1質量部に対して1質量部〜1,000質量部である前記<1>から<5>のいずれかに記載の防カビ用組成物である。
<7> 食塩の配合量が、ユッカ抽出物1質量部に対して0.1質量部〜500質量部である前記<1>から<6>のいずれかに記載の防カビ用組成物である。
<8> 前記<1>から<7>のいずれかに記載の防カビ用組成物を飲食物に対し添加又は付着させてなることを特徴とする防カビ性飲食物である。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の防カビ用組成物を飲食物に対し添加又は付着させることを特徴とする飲食物の保存性向上方法である。
【0011】
なお、ユッカ抽出物が、細菌類及び真菌類(特に酵母)に対して抗菌性を有することは既に知られているが、カビ、特に飲食物の変質や腐敗を引き起こすペニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、エウロチウム(Eurotium)属及びクラドスポリウム(Cladosporium)属から選択される少なくとも1種のカビに対して優れた防カビ作用を有すること、該防カビ作用が、ユッカ抽出物に、可食性有機酸、エタノール、糖質、食塩及び水から選択される少なくとも1種を併用することにより増強されることは、本発明者らによる新知見である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
(防カビ剤)
本発明の防カビ剤は、リュウゼツラン科ユッカ属(Yucca)植物の抽出物を有効成分として含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0013】
前記リュウゼツラン科ユッカ属(Yucca)植物としては、特に制限はなく、ユッカ属植物のほとんどが使用可能であるが、入手が比較的容易であるなどの点から、例えば、Yucca arizonica、Yucca brevifolia、Yucca elata、Yucca intermdia、Yuccamohavensis、Yucca schidigera(モハヴユッカ)、Yucca peninsularis、Yucca schottii、Yucca whipplei、などが挙げられ、これらの中でも、Yucca schidigera(モハヴユッカ)、Yucca brevifoliaが好ましい。
【0014】
前記ユッカ属植物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、地下部及び地上部(種子を含む)の少なくともいずれも抽出原料として使用することができる。前記抽出原料は、生のまま又は乾燥したものを適当な大きさに粉砕してから、水、親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出処理する。
【0015】
前記抽出溶媒として使用し得る水には、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0016】
前記親水性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混合系溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部、多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜90質量部添加することが好ましい。
【0017】
前記ユッカ抽出物の抽出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、常温乃至沸騰点近くの温度に維持した溶媒中に浸積することによって、有効成分を効率よく抽出することができる。
【0018】
前記抽出処理により抽出原料から可溶性成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得ることができる。得られた抽出液は、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物を得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。前記精製等の処理は、具体的には、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂処理等によって行うことができる。
【0019】
得られたユッカ抽出物又はそれを適宜精製したものは、そのまま、或いは他の活性物質や成形助剤と共に、常法に従って製剤化して粉末状、顆粒状、錠剤状等、任意の剤形として提供することもできる。製剤化する場合、保存や取扱いを容易にするため、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容され得るキャリアー、その他任意の助剤を添加することができる。
本発明の防カビ剤におけるステロイドサポニン含有率は、特に制限はないが、0.5〜10質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
【0020】
(防カビ用組成物)
前記防カビ用組成物としては、可食性有機酸、エタノール、糖質、水及び食塩から選択される少なくとも1種と、前記本発明の防カビ剤とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
【0021】
−可食性有機酸−
前記可食性有機酸としては、飲食物の保存性向上のために通常使用されているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、酢酸、乳酸、アジピン酸、酢酸ナトリウム、などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記可食性有機酸の配合量は、可食性有機酸の品質、防カビ用組成物の用途等によって異なるが、標準的なユッカ抽出物(ステロイドサポニン含有率が約0.5〜3質量%のもの)を用いる場合で、ユッカ抽出物1質量部に対して0.1〜100質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。
【0022】
−エタノール−
前記エタノールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、専売法による発酵アルコールが好適である。
前記エタノールの配合量は、エタノールの品質、防カビ用組成物の用途等によって異なるが、標準的なユッカ抽出物(ステロイドサポニン含有率が約0.5〜3質量%のもの)を用いる場合で、ユッカ抽出物1質量部に対して1〜1000質量部が好ましく、1〜100質量部がより好ましい。
【0023】
−水−
前記水としては、飲食物の製造に通常使用されているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、水道水、精製水、イオン交換水、などが好適である。
前記水の配合量は、水の品質、防カビ用組成物の用途等によって異なるが、標準的なユッカ抽出物(ステロイドサポニン含有率が約0.5〜3質量%のもの)を用いる場合で、ユッカ抽出物1質量部に対して1〜1000質量部が好ましく、1〜100質量部がより好ましい。
【0024】
−糖質−
前記糖質としては、飲食物の製造に通常使用されているものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、トレハロース、スクロース、などが挙げられる。
前記糖質の配合量は、糖質の品質、防カビ用組成物の用途等によって異なるが、標準的なユッカ抽出物(ステロイドサポニン含有率が約0.5〜3質量%のもの)を用いる場合で、ユッカ抽出物1質量部に対して1〜1000質量部が好ましく、1〜600質量部がより好ましい。
【0025】
−食塩−
前記食塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、食品製造に通常使用されているものを用いることができる。
前記食塩の配合量は、食塩の品質、防カビ用組成物の用途等によって異なるが、標準的なユッカ抽出物(ステロイドサポニン含有率が約0.5〜3質量%のもの)を用いる場合で、ユッカ抽出物1質量部に対して0.1〜500質量部が好ましく、1〜120質量部がより好ましい。
【0026】
前記可食性有機酸、エタノール、糖質、水及び食塩から選択される少なくとも1種の成分は、ユッカ抽出物と混合するとなんらかの不都合を生じる場合を除き、2種以上を併用することができる。
【0027】
本発明の防カビ剤又は防カビ用組成物は、種々のカビに対して防カビ作用を有するが、特に、飲食物の変質や腐敗を引き起こすペニシリウム(Penicillium)属(例えば、Penicillium frequentans、Penicillium expansumなど)、アスペルギルス(Aspergillus)属(例えば、Aspergillus restrictusなど)、エウロチウム(Eurotium)属(例えば、Eurotium rubrumなど)、及びクラドスポリウム(Cladosporium)属(例えば、Cladosporium cladosporioidesなど)から選択される少なくとも1種のカビに対して防カビ作用が認められる。
【0028】
本発明の防カビ剤又は防カビ用組成物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、飲食物の原料又は半製品に対して、或いはできあがった飲食物に対して、混合、噴霧、塗布、浸漬などの方法で混入するか付着させることにより優れた防カビ性を容易に付与することができる。
【0029】
(防カビ性飲食物)
本発明の防カビ性飲食物は、前記本発明の防カビ剤及び防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを飲食物に対し添加又は付着させてなる。
【0030】
前記飲食物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、ジャム、フルーツソース、フルーツジュースなど果実加工品類;たくあん、梅干し、白菜など各種漬物類;野菜、果物、畜肉、魚介類等を用いた惣菜類;佃煮類;マシュマロ、クッキー、ビスケット、ピザ、せんべい、飴、チューイングガム、チョコレート、グミ、まんじゅう、ゼリー、クリーム(ホィップ、カスタード)、羊かん等の菓子類;うどん、そば、そうめん、パスタ等の麺類;カマボコ、ちくわ、ソーセージ、はんぺん等の練り製品;麺つゆ、焼き肉のタレ、醤油、梅酢等の調味料;ワイン、その他の醸造酒類等、広範囲の食品に使用可能である。なお、対象となる飲食物はこれらに限られるものではない。
【0031】
本発明の防カビ剤又は防カビ用組成物の飲食物への添加量は、添加する飲食物種類によって異なり一概には規定できないが、例えば、ジャムに添加する場合には、通常、ジャム全量に対し0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5.0質量%がより好ましく、0.1〜1.0質量%が更に好ましい。
また、ジュースに添加する場合には、通常、ジュース全量に対し0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。
【0032】
(飲食物の保存性向上方法)
本発明の飲食物の保存性向上方法は、前記本発明の防カビ剤及び前記本発明の防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを飲食物に添加又は付着させるものである。これにより、飲食物に対し容易に防カビ性を付与することができる。
前記飲食物に添加する場合には、飲食物の原料又は半製品或いはできあがった飲食物に対して前記本発明の防カビ剤及び前記本発明の防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを所定量を添加する。また、飲食物に付着させる場合には、前記本発明の防カビ剤及び前記本発明の防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを飲食物に直接噴霧する方法などが挙げられる。
なお、前記本発明の防カビ剤及び前記本発明の防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを通気性袋体等のパッケージに封入して取り付ける方法などを採用することもできる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】
(製造例1)
−ユッカ抽出物の調製−
ユッカ・シジゲラ(Yucca schidigera)の根茎部1kgに対し90質量%メタノールを10リットル添加し、沸騰水浴中で2時間、還流下に加熱した。得られた抽出液に活性炭を10g加え、80℃で1時間、還流下に加熱した。次いで、セライトを濾過助剤として加え濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮した後、乾燥させてユッカ抽出物150gを得た。
なお、得られたユッカ抽出物におけるステロイドサポニンの含有率は約2.5質量%であった。
【0035】
−防カビ剤及び防カビ用組成物の調製−
製造例1のユッカ抽出物を用いて、下記表1に示す防カビ剤又は防カビ用組成物を調製した。
【0036】
【表1】
【0037】
(実施例1〜3、参考例1〜2、及び比較例1)
−防カビ活性の評価(1)−
前記調製した防カビ剤又は防カビ用組成物(本発明品1〜3及び6〜7)について、下記表2に示したA〜Eのカビ5株に対する防カビ活性を、下記組成の合成培地を用いて評価した。
まず、ユッカ抽出物の添加量が0.05(w/w)%なるよう各防カビ剤又は防カビ用組成物を加え、酵母エキスを2(w/w)%、スクロースを30(w/w)%含む、pH3.5に調製した寒天培地上に下記表2のA〜Eのカビの胞子懸濁液を塗布し、表2に示した培養温度で恒温器に放置し、防カビ性を評価した。結果を表3に示す。
比較例1は、培地に防カビ剤又は防カビ用組成物を添加しないで同様に防カビ性の評価を行った。結果を表3に示す。
なお、防カビ活性は、カビの発育が初めて観察されるまでの日数を求めることにより評価した。防カビ活性が強いほどカビの発育が初めて観察されるまでの日数は大きくなる。
【0038】
【表2】
−試験に用いたカビと培養温度−
【0039】
【表3】
【0040】
(実施例4〜7及び比較例2)
−防カビ活性の評価(2)−
前記調製した防カビ用組成物(本発明品4〜5及び8〜9)について、上記表2に示したA〜Eのカビ5株に対する防カビ活性を、下記組成のイチゴジャムを用いて評価した。
<イチゴジャム>
いちご1kgと、上白糖0.8kgとを原料としてイチゴジャムの常法によりイチゴジャムを作製した。得られたイチゴジャムの糖度は40℃であった。
【0041】
ユッカ抽出物の添加量が0.1(w/w)%になるように各防カビ用組成物を上記イチゴジャムに添加し、該イチゴジャムの表面に上記表2のA〜Eのカビの胞子懸濁液を塗布し、表2に示した培養温度で恒温器に放置し、防カビ性を評価した。結果を表4に示す。
比較例2は、ジャムの表面に防カビ用組成物を添加しないで同様に防カビ性の評価を行った。結果を表4に示す。
なお、防カビ活性は、ジャム表面にカビの発育が初めて観察されるまでの日数を求めることにより評価した。防カビ活性が強いほどカビの発育が初めて観察されるまでの日数は大きくなる。
【0042】
【0043】
(実施例8及び比較例3)
−防カビ活性の評価(3)−
防カビ用組成物(本発明品4)について、上記表2のC〜Eのカビ3株に対する防カビ活性を、オレンジジュースを用いて評価した。
100%オレンジジュース(糖濃度11%)にスクロースを添加し、糖濃度が20、30、及び36%のオレンジジュースを調製した。該オレンジジュースにユッカ抽出物の添加量が0.05(w/w)%になるよう配合した後、上記表2のC〜Eのカビの胞子懸濁液を添加し、20℃に設定した恒温器に放置し、防カビ性を評価した。結果を表5に示す。
比較例3は、オレンジジュースに防カビ用組成物を添加しないで同様に防カビ性の評価を行った。結果を表5に示す。
なお、防カビ活性はジュース液面にカビの発育が初めて観察されるまでの日数を求めることにより評価した。防カビ活性が強いほどカビの発育が初めて観察されるまでの日数は大きくなる。
【0044】
【表5】
【0045】
(実施例9)
−防カビ活性の評価(4)−
防カビ剤(本発明品1)と、食塩濃度を0質量%、3質量%、及び5質量%になるようにポテトデキストロース寒天培地に添加した寒天培地を調製し、上記表2のA〜Dのカビ4株に対する防カビ活性を寒天培地希釈法による最小発育阻止濃度(MIC)によって評価した。培養温度は25℃で行い、培養5日後、コロニーの発育の有無を肉眼で判断した。結果を表6に示す。なお、表中の数値はMIC(%)であり、防カビ活性が強いほどこの数値は小さくなる。
【0046】
【表6】
ユッカ抽出物の最小発育阻止濃度(MIC)
【0047】
以下、ユッカ抽出物と他の原料を用いた防カビ作用を有する飲食物の製造例を示す。
【0048】
(実施例10) フルーツジュース
グレープフルーツ85g、オレンジ120g、及びリンゴ80gをジューサーで絞り、更にイチゴ45gと、表1の本発明品4の防カビ用組成物2gを加えて撹拌することにより、防カビ作用を有するフルーツジュースを製造した。
【0049】
(実施例11) イチゴジャム
いちご1kgと、上白糖0.8kgとから常法によりイチゴジャムを製造した。得られたイチゴジャムに表1の本発明品2の防カビ用組成物5gを加えて混ぜることにより、防カビ作用を有するイチゴジャムを製造した。
【0050】
(実施例12) フルーツソース
実施例11で作製したイチゴジャムを小鍋に入れ、ブランデーを数滴加えて多少煮詰めて冷蔵庫に入れて冷やすことで、防カビ作用を有するフルーツソースを製造した。
【0051】
(実施例13) マシュマロ
まず、卵2個分の卵白に上白糖10gを加えて、メレンゲを作製した。次に、粉ゼラチン20gを水100mlでふやかし、加熱した後、上白糖200gと、表1の本発明品3の防カビ用組成物0.6gを加えて混ぜ、再び加熱しゼラチンシロップを作製した。該ゼラチンシロップに前記メレンゲを加えて混ぜた後、フルーツジャム66gを加えて冷し固めることにより、防カビ作用を有するフルーツ味マシュマロを製造した。
【0052】
(実施例14) みかん
表1の本発明品5の防カビ用組成物をスプレー容器に入れ、みかんに直接噴霧し、自然乾燥させることで、防カビ性を施したみかんを製造した。
【0053】
(実施例15) 梅酢
クエン酸30g、リンゴ酸20g、コハク酸ナトリウム1g、グルタミン酸ナトリウム1g、アミノ酸液30ミリリットル、食塩150g、水1.85リットル、及びシソ色素0.2gを常法により混合して梅酢を製造した。この梅酢に表1の本発明品6の防カビ組成物10gを添加し、防カビ作用を有する梅酢を製造した。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、飲食物に対して変質や腐敗を引き起こすカビ、特に、ペニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、エウロチウム(Eurotium)属及びクラドスポリウム(Cladosporium)属から選択される少なくとも1種のカビに対して強い防カビ作用を示し、かつ飲食物の風味に対する悪影響が少ない天然物系防カビ剤、該防カビ剤を含有する防カビ用組成物、該防カビ剤及び防カビ用組成物から選択される少なくともいずれかを添加又は付着させて飲食物の保存性を確実に向上させることができる。
Claims (8)
- リュウゼツラン科ユッカ(Yucca)属植物の抽出物と、可食性有機酸、トレハロース、及び食塩から選択される少なくとも1種とを含有し、
前記可食性有機酸が、酢酸、アジピン酸及びこれらの塩から選択される少なくとも1種であり、
ペニシリウム(Penicillium)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、エウロチウム(Eurotium)属及びクラドスポリウム(Cladosporium)属から選択される少なくとも1種のカビに対して防カビ作用を有することを特徴とする防カビ用組成物。 - リュウゼツラン科ユッカ属植物が、Yucca arizonica、Yucca brevifolia、Yucca elata、Yucca intermdia、Yucca mohavensis、Yucca schidigera、Yucca peninsularis、Yucca schottii及びYucca whippleiから選択される少なくとも1種である請求項1に記載の防カビ用組成物。
- ステロイドサポニン含有率が0.5質量%〜10質量%である請求項1から2のいずれかに記載の防カビ用組成物。
- 可食性有機酸の配合量が、ユッカ抽出物1質量部に対して0.1質量部〜100質量部である請求項1から3のいずれかに記載の防カビ用組成物。
- トレハロースの配合量が、ユッカ抽出物1質量部に対して1質量部〜1,000質量部である請求項1から4のいずれかに記載の防カビ用組成物。
- 食塩の配合量が、ユッカ抽出物1質量部に対して0.1質量部〜500質量部である請求項1から5のいずれかに記載の防カビ用組成物。
- 請求項1から6のいずれかに記載の防カビ用組成物を飲食物に対し添加又は付着させてなることを特徴とする防カビ性飲食物。
- 請求項1から6のいずれかに記載の防カビ用組成物を飲食物に対し添加又は付着させることを特徴とする飲食物の保存性向上方法。
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