JPH11225724A - 食品添加剤及びその製造方法 - Google Patents

食品添加剤及びその製造方法

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JPH11225724A
JPH11225724A JP10054488A JP5448898A JPH11225724A JP H11225724 A JPH11225724 A JP H11225724A JP 10054488 A JP10054488 A JP 10054488A JP 5448898 A JP5448898 A JP 5448898A JP H11225724 A JPH11225724 A JP H11225724A
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JP
Japan
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food additive
extract
solvent
yucca
resveratrol
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Application number
JP10054488A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Ashida
勉 芦田
Shinji Matsuda
真治 松田
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Yushiro Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Yushiro Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Yushiro Chemical Industry Co Ltd filed Critical Yushiro Chemical Industry Co Ltd
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  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に酵母に対する抗菌性に優れ、且つ臭気が
少ない食品添加剤及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 ユッカシディゲラ(Yucca sch
idigera)の根及び茎を乾燥し、これを80体積
%のエタノールと20体積%の水とからなる溶媒によっ
て抽出し、濾過し、得られる抽出液を濃縮し、噴霧乾燥
してサポニン、フラボン及びレスベラトロ−ルを含有す
る食品添加剤を得る。また、これを水に溶解し、シリカ
ゲルに吸着させ、水によって糖分を抽出して、これを除
去し、その後、抽出残渣を30体積%のエタノールと7
0体積%の水とからなる溶媒によって抽出して主として
サポニンを含む抽出液を得、次いで、エタノールによっ
て抽出して主としてフラボン及びレスベラトロ−ルを含
む抽出液を得、これらの抽出液を濃縮し、噴霧乾燥し
て、より抗菌性に優れた食品添加剤を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユッカ抽出物から
なり、特定の成分を含有する食品添加剤に関する。ま
た、ユッカ抽出物より糖分及びこの糖分に含まれている
有臭成分等の大部分が除去され、抗菌性を有するととも
に臭気の少ない食品添加剤に関する。更に、本発明は、
低級アルコールと水との混合溶媒によって、ユッカ抽出
物より抗菌性等を有する成分を抽出することにより、特
定のユッカ抽出成分を含む食品添加剤を製造する方法に
関する。本発明の食品添加剤は、天然系の成分からな
り、抗菌性、特に酵母に対する優れた抗菌性を有するば
かりでなく、抗酸化性及び紫外線吸収性をも併せ備え
る。
【0002】
【従来の技術】食品用の抗菌剤、特に酵母に対する抗菌
剤としては、ソルビン酸及びその塩、パラオキシ安息香
酸及びそのエステル等、多数の合成品が提供されてお
り、使用されている。しかし、天然物を主成分とするも
のはほとんど知られていない。また、これらの抗菌剤
は、細菌等、酵母以外の微生物に対する抗菌剤を併用し
て製剤とされているが、この製剤には化学的に合成され
た抗酸化剤が配合されることが多い。これら化学的に合
成された成分を含む食品添加剤は、人体に対する副作用
等の問題もあり、この合成品に代わる、安全で、且つ経
済的な天然系の食品用添加剤の開発が望まれている。
【0003】ユッカ抽出物に含まれる特定のステロイド
サポニンが抗菌性を有することについては、特開平7−
149608号公報に記載されている。しかし、この公
報に記載された方法で分画した場合、得られる特定のス
テロイドサポニンは相当に高価なものとなる。また、こ
の特定のステロイドサポニンは抗酸化性及び紫外線吸収
性は有していない。このように、天然系の成分からな
り、安全、且つ経済的であって、抗菌性とともに抗酸化
性及び紫外線吸収性をも併せ備える食品添加剤は数少な
いのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点を解決するものであり、天然系の成分から
なり、安全であって、且つ低コストで経済的であり、抗
菌性、特に酵母に対する優れた抗菌性を有するととも
に、抗酸化性及び紫外線吸収性をも併せ備え、また、臭
気の少ない食品添加剤を提供することを目的とする。更
に、本発明は、ユッカ抽出物を成分として含み、上記の
優れた特性を併せ備える食品添加剤を、簡易な装置及び
操作によって経済的に製造する方法を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明の食品添加剤
は、ユッカ抽出物からなり、サポニン、フラボン及びレ
スベラトロールを含有することを特徴とする。また、第
2発明の食品添加剤は、ユッカ抽出物からなり、サポニ
ン、フラボン及びレスベラトロールを含有する食品添加
剤であって、該食品添加剤を100重量部とした場合に
糖分が5重量部以下であることを特徴とする。
【0006】上記「ユッカ抽出物」を得るためのユッカ
としては、ユッカシディゲラ(Yucca schid
igera)、ユッカアラボリセン(Yucca ar
aborescenes)、アツバキミガヨラン(Yu
cca gloriosaLinn)、キミガヨラン
(Yucca recurvifolia Salis
b)、イトラン(Yucca smalliana F
ernald)及びセンジュラン(Yucca alo
ifolia Linn)等を使用することができる。
これらのユッカは1種のみを用いてもよいし、2種以上
を併用することもできる。
【0007】第1及び第2発明において、ユッカ抽出物
は、ユッカの、特に根及び茎を乾燥し、適宜の溶媒によ
って抽出し、得られる抽出液から溶媒を留去し、乾燥す
ることにより調製することができる。このユッカ抽出物
は粉末であってもよいし、顆粒等、より粒径の大きいも
のであってもよい。また、ユッカは所定の温度に調温さ
れた恒温槽などによって乾燥してもよいし、天日によっ
て乾燥してもよい。
【0008】更に、抽出に用いる溶媒としては、親水性
有機溶剤と水との混合溶媒などが好ましい。この親水性
有機溶剤としては、メタノール、エタノール等の1価の
低級アルコール、エチレングリコール、グリセリン等の
多価アルコール等が挙げられる。効率よく抽出するため
には、特にメタノール、エタノール等の1価の低級アル
コールを多量に含む溶媒が好ましい。このユッカの抽出
の方法は特に限定はされず、ユッカを溶媒中に浸漬する
ことによってサポニン、レスベラトロール等の有効成分
を十分に抽出することができる。抽出の温度も室温から
溶媒の沸点近傍まで、有効成分の変質等を生ずることの
ない範囲で適宜に設定することができる。この抽出の温
度は、室温から80℃、特に60℃、更には40℃まで
の比較的低い温度範囲とすることが好ましい。
【0009】また、第1及び第2発明においては、特定
の溶媒によってユッカ抽出物から上記「サポニン」、上
記「フラボン」及び上記「レスベラトロール」を選択的
に抽出し、これらの成分をさらに高い量比で含有する食
品添加剤とすることもできる。このような食品添加剤
は、ユッカ抽出物を適宜の溶媒に溶解した溶液を用い、
液−液分配抽出、各種クロマトグラフィー及び膜分離法
等、適宜の方法によって調製することができる。
【0010】更に、第2発明の食品添加剤では「糖分」
が5重量部以下となっており、糖分の大部分が除去され
ているが、この糖分はユッカ抽出物を糖分の良溶媒であ
る水等に浸漬して抽出し、除去することができる。ま
た、カラムクロマトグラフィ等により分取し、除去する
こともできる。このカラムクロマトグラフィによれば、
糖分を容易に、且つ効率よく分画し、除去することがで
きるため好ましい。この糖分は腐敗し易く、有臭成分も
含まれているため、これを除去することにより、得られ
る食品添加剤の臭気を抑えることができる。
【0011】第1及び第2発明の食品添加剤は、細菌、
かび、酵母等、各種の微生物の生育を阻止する作用を有
する。特に、第3発明のように、この食品添加剤は「抗
酵母型食品添加剤」であり、酵母に対する優れた抗菌性
を有する。このように酵母に対する選択的な優れた抗菌
性を有するのは、サポニン、フラボン及びレスベラトロ
ールが混合して、含有されていることが理由ではないか
と推察される。
【0012】この食品添加剤の酵母に対する抗菌性を、
寒天培地希釈法によって測定した最小生育阻止濃度(以
下、「MIC」と略称する。)により評価すると、糖分
を除去しない場合のMICは50〜100ppm、特に
50〜70ppm程度である。また、糖分の大部分を除
去した場合、MICはより小さくなり、10〜60pp
m、特に10〜40ppm程度であって、酵母に対する
非常に優れた抗菌性を有している。尚、このMICの測
定は以下のようにして行う。先ず、酵母を滅菌水に溶解
して試料液を調製し、トリプトソイブヨン培地にスラン
トより1白金耳接種し、30℃で7時間振とうし、培養
し、菌液とする。その後、pHが6.0に調整された麦
芽エキス培地に、この菌液が0.5重量%含まれるよう
に倍数希釈法に従って操作し、25℃で72時間培養し
た後、判定する。
【0013】第4発明の食品添加剤の製造方法は、ユッ
カを乾燥した後、70〜95体積%の低級アルコールと
5〜30体積%の水とからなる第1溶媒によって抽出
し、第1抽出液を得る第1工程、該第1抽出液から上記
第1溶媒を留去し、乾燥して得られるユッカ抽出物を、
20〜45体積%の低級アルコールと55〜80体積%
の水とからなる第2溶媒によって抽出し、第2抽出液を
得る第2工程、該第2工程における抽出残渣を、80〜
100体積%の低級アルコールと0〜20体積%の水と
からなる第3溶媒によって抽出し、第3抽出液を得る第
3工程を備えることを特徴とする。
【0014】この第4発明の食品添加剤の製造方法は、
水と低級アルコールとの混合溶媒若しくは低級アルコー
ルを適宜に使用し、ユッカ抽出物を、順次、これらの溶
媒によって抽出し、サポニン等の有効成分を得るもので
ある。この特定の方法によれば、サポニン等の特定の有
効成分を効率よく抽出することができ、酵母等に対する
抗菌性を有する食品添加剤を容易に得ることができる。
【0015】上記「第1工程」において、ユッカは、適
宜の温度に調温された恒温槽等によって乾燥してもよい
し、天日によって乾燥してもよい。また、ユッカの根及
び茎等をそのまま乾燥してもよいが、第5発明のよう
に、ユッカの「根及び茎」のうちの少なくとも一方を
「破砕」した後、乾燥し、若しくは乾燥した後、破砕
し、その後、抽出することが好ましい。更に、この破砕
したものを粉砕し、より微細な粒子とした後、抽出する
こともできる。このように破砕又は粉砕した後、抽出す
れば、少量のユッカから効率よくサポニン等の有効成分
を抽出することができる。
【0016】この第1工程によって得られる上記「第1
抽出液」からは、第1発明に対応する食品添加剤を得る
ことができる。尚、この第1抽出液に含まれるサポニ
ン、フラボン、レスベラトロール及び糖分の合計量を1
00重量部とした場合に、サポニンは40〜65重量
部、フラボンは7〜18重量部、レスベラトロールは
0.05〜0.35重量部及び糖分は20〜50重量部
であり、この第1工程では、主としてサポニンと糖分と
が抽出される。
【0017】第1工程の上記「第1溶媒」における「低
級アルコール」が70体積%未満である場合は、ユッカ
に含まれるフラボン及びレスベラトロールの抽出が不十
分となる。また、このように水の量比が高い溶媒では、
多量の糖分が抽出されるため好ましくない。一方、低級
アルコールが95体積%を越える場合は、サポニンが十
分に抽出されない。第1工程における低級アルコール
は、特に75〜90体積%、更には75〜85体積%で
あることが好ましく、この範囲の量比であれば、上記の
3成分を効率よく抽出することができる。この低級アル
コールとしては、メタノール、エタノール等、炭素数1
〜3の脂肪族モノアルコールを使用することができる。
更に、以下の第2及び第3工程における低級アルコール
としても、同様にメタノール、エタノール等の脂肪族モ
ノアルコールを用いることが好ましい。
【0018】また、第6発明のように、第2抽出液を得
る抽出操作に先立ち、水或いは少量の低級アルコールを
含む上記「第4溶媒」によって糖分を抽出することもで
きる。この糖分の抽出は、水を溶媒とするシリカゲルク
ロマトグラフィ等の方法によって行うことができる。こ
の操作によってユッカ抽出物から水に易溶の糖分が抽出
されるが、糖分は不要であり、この抽出液は廃棄しても
よい。この操作を加えれば、糖分の大部分が除去され、
5重量部以下、特に2重量部以下と、少量の糖分しか含
まない第2発明に対応する食品添加剤とすることができ
る。尚、水が90体積%未満である場合は、糖分が十分
に抽出されないため好ましくない。この糖分の抽出はユ
ッカ抽出物を第4溶媒に浸漬することにより行うことが
できるが、攪拌、加温等によって抽出を促進することも
できる。加温する場合の温度は40〜60℃程度とする
ことができる。
【0019】上記「第2工程」においては、ユッカ抽出
物を、20〜45体積%の低級アルコールと55〜80
体積%の水とからなる上記「第2溶媒」によって抽出
し、上記「第2抽出液」を得る。第2抽出液に含まれる
サポニン、フラボン及びレスベラトロールの合計量を1
00重量部とした場合に、サポニンは75〜90重量
部、フラボンは10〜25重量部及びレスベラトロール
は0.1〜0.3重量部であり、この第2工程では、主
としてサポニンが抽出される。
【0020】この第2工程において、低級アルコールが
20体積%未満では、フラボン及びレスベラトロールが
ほとんど抽出されない。一方、低級アルコールが45体
積%を越える場合は、サポニンを効率よく抽出すること
ができない。第2工程における低級アルコールは、特に
65〜75体積%であることが好ましく、この範囲の量
比であれば、サポニン、フラボン及びレスベラトロール
を効率よく抽出することができる。この第2工程によっ
て得られる第2抽出液からも、第1発明に対応する食品
添加剤、或いは第4溶媒によって糖分の大部分を除去す
れば、第2発明に対応する食品添加剤を得ることができ
る。
【0021】上記「第3工程」においては、第2工程に
おける抽出残渣を、低級アルコールの量比が高い、場合
によっては水を含まず、低級アルコールのみからなる上
記「第3溶媒」によって抽出し、上記「第3抽出液」を
得る。第3抽出液に含まれるサポニン、フラボン及びレ
スベラトロールの合計量を100重量部とした場合に、
サポニンは20〜39重量部、フラボンは60〜80重
量部及びレスベラトロールは0.3〜1.0重量部であ
る。このように、第3工程では、主としてフラボン及び
レスベラトロールが抽出される。第3工程において、低
級アルコールが80体積%未満では、フラボン及びレス
ベラトロールを十分に抽出することができない。この低
級アルコールは90体積%以上、特に95体積%以上で
あることが好ましく、このように低級アルコールの量比
の高い第3溶媒を使用すれば、フラボン及びレスベラト
ロールを効率よく抽出することができる。
【0022】上記のようにして得られた第2及び第3抽
出液から第2及び第3溶媒を留去し、乾燥してサポニ
ン、フラボン及び少量のレスベラトロールを含有する食
品添加剤を得る。第2抽出液と第3抽出液とは、それぞ
れ溶媒を留去し、乾燥して、第2抽出液からは主として
サポニンを含む粉末を得、第3抽出液からはサポニン、
フラボン及び微量のレスベラトロールを含む粉末を得
る。そして、第2抽出液若しくは第3抽出液から得られ
る粉末のみを、或いは第2及び第3抽出液から得られる
粉末が混合されたものを食品添加剤として使用すること
ができる。
【0023】また、第2抽出液と第3抽出液とを予め混
合した後、溶媒を留去し、乾燥して、サポニン、フラボ
ン及び少量のレスベラトロールを含有する食品添加剤を
得ることもできる。尚、乾燥の方法は特に限定されない
が、スプレードライヤ等による噴霧乾燥によれば、有臭
成分を効率よく除去することができるため好ましい。更
に、抽出液をそのまま乾燥するよりも、適宜の濃度に濃
縮し、沈降物を濾過した後、この濃縮液を乾燥する方法
がより好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明をさ
らに詳しく説明する。 (1)食品添加剤(A)及び(B)の調製 ユッカシディゲラ(Yucca schidiger
a)の根及び茎を天日によって乾燥した。乾燥後の根及
び茎120gを、80体積%のエタノールと20体積%
の水とからなる第1溶媒1リットルを収容した容器に、
常温で24時間浸漬した後、濾過し、第1抽出液を得
た。
【0025】この抽出液を50℃に加熱し、減圧下に溶
媒を留去して、15重量%の固形分を含む濃縮液とし、
その後、この濃縮液をスプレードライヤによって瞬時1
10℃に加熱し、溶媒を留去し、糖、サポニン、フラボ
ン及びレスベラトロールを含有する22gの第1発明に
対応する食品添加剤(A)を得た。尚、この食品添加剤
(A)を100重量部とした場合、糖は35重量部、サ
ポニンは52重量部、フラボンは12.8重量部及びレ
スベラトロールは0.2重量部であった。
【0026】次いで、上記の食品添加剤(A)15gを
300ミリリットルの水に溶解し、この水溶液をシリカ
ゲルに吸着させ、以下の溶媒を用いて有効成分を抽出し
た。先ず、1.5リットルの水によって抽出し、主とし
て糖分を含むこの抽出液は廃棄した。その後、抽出残渣
を、30体積%のエタノールと70体積%の水とからな
る第2溶媒1リットルによって抽出し、主としてサポニ
ンを含有する第2抽出液を得た。次いで、この抽出後の
抽出残渣を、1リットルのエタノールからなる第3溶媒
によって抽出し、主としてフラボン及び少量のレスベラ
トロールを含有する第3抽出液を得た。
【0027】その後、これら第2抽出液と第3抽出液と
を混合し、50℃に加熱し、溶媒を留去して、13重量
%の固形分を含む濃縮液とし、次いで、この濃縮液をス
プレードライヤによって噴霧乾燥し、サポニン、フラボ
ン及びレスベラトロールを含有する8.8gの第2発明
に対応する食品添加剤(B)を得た。尚、この食品添加
剤(B)を100重量部とした場合、サポニンは82.
6重量部、フラボンは17.1重量部及びレスベラトロ
ールは0.3重量部であった。
【0028】(2)抽出溶媒の組成と有効成分の含有量 第1溶媒を表1に記載のものとした他は、上記(1)の
場合と同様にして第1発明に対応する食品添加剤を得
た。この食品添加剤のサポニン、フラボン及びレスベラ
トロールの含有量を表1に併記する。また、第2抽出液
を得るための第2溶媒を表1に記載のものとした他は、
上記(1)の場合と同様にして第2発明に対応する食品
添加剤を得た。この食品添加剤のサポニン、フラボン及
びレスベラトロールの含有量を表1に併記する。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果によれば、第1、第2及び第3
溶媒の組成によって、サポニンとフラボン及びレスベラ
トロールの量比は変化する。各成分の含有量は、第1発
明に対応する食品添加剤では、サポニンは約45〜60
重量部、フラボンは約9〜14重量部、レスベラトロー
ルは約0.1〜0.25重量部であり、残部は糖分であ
る。また、第2発明に対応する食品添加剤では、サポニ
ンは約75〜90重量部、フラボンは約13〜22重量
部、レスベラトロールは0.14〜0.4重量部であ
り、糖分は実質的に含まれていない。このように、第4
発明において特定される量比の溶媒によって抽出するこ
とにより、食品添加剤(A)或いは(B)と同様の組成
の食品添加剤が得られることが分かる。
【0031】(3)食品添加剤(A)及び(B)の性能
評価 食品添加剤(A)及び(B)の表2に記載の微生物に対
する抗菌性を、寒天培地希釈法によるMICを測定して
評価した。尚、表2における微生物の詳細は下記のとお
りである。 細菌(a);Bacillus subtilis 細菌(b);Stamphylcococcus au
reus かび(a);Aspergillus niger かび(b);Penicillium chrysog
enum 酵母(a);Hansenula anomala 酵母(b);Saccharomyces cerev
isiae 酵母(b);Pichia membranaefac
iens
【0032】上記の細菌、かび及び酵母を滅菌水に溶解
し、試料液を調製した。また、細菌と酵母では、トリプ
トソイブヨン培地にスラントより1白金耳接種し、30
℃で7時間振とうし、培養したものを菌液として使用し
た。また、かびの場合は、0.005重量%濃度のジオ
クチルスルホコハク酸ナトリウム水溶液10ミリリット
ルに、25℃で5〜7日間培養したポテトデキストロー
ス培地のスラントより3〜5白金耳とり、十分に振とう
したものを菌液として用いた。
【0033】MICの測定は以下のようにして行った。
細菌ではハートインフュージョン培地、かび及び酵母で
は麦芽エキス培地に、上記の各菌液を0.5重量%含む
ように倍数希釈法に従って操作し、細菌では30℃で4
8時間培養、かび及び酵母では25℃で72時間培養し
た後、判定した。培地のpHはいずれも6.0に調整し
た。
【0034】
【表2】
【0035】表2の結果によれば、第1工程の抽出操作
により得られた抽出液から溶媒を留去して濃縮し、この
濃縮液を加熱、乾燥して得られた食品添加剤(A)で
は、細菌及びかびの場合、MICは4000ppmであ
り、この濃度を越えれば生育は阻止される。また、酵母
では、このMICは50〜60ppm程度と非常に低
く、特に酵母に対する抗菌性に優れる食品添加剤である
ことが分かる。上記の抽出操作では、80体積%のエタ
ノールを含む溶媒に、乾燥したユッカを室温で長時間浸
漬しているが、このような抽出条件によって酵母に対し
て特に優れた抗菌性を有する成分が効率よく抽出された
ものと推察される。
【0036】一方、この食品添加剤(A)から糖分を除
去し、特定の溶媒によって有効成分を抽出して得られた
食品添加剤(B)では、細菌及びかびの場合、MICは
3200ppmと食品添加剤(A)の4000ppmに
比べて4/5とさらに低い濃度になっている。酵母でも
同様にMICはより低く、特に酵母(a)では10pp
m程度と、食品添加剤(A)の場合に比べて1/5程度
の非常に低い濃度であっても生育が阻止されることが分
かる。このように、食品添加剤(A)及び(B)は、い
ずれも特に酵母に対する優れた抗菌性を有するものであ
ることを確認することができた。
【0037】食品添加剤(A)及び(B)は紫外線吸収
性をも併せ有する。図1及び図2は、それぞれ食品添加
剤(A)及び(B)の紫外線吸収特性を表すチャートで
ある。また、図3は、紫外分光光度計によって測定した
レスベラトロールの紫外線吸収特性を表すチャートであ
る。これらの図より明らかなとおり、レスベラトロール
を含有する食品添加剤(A)及び(B)では、レスベラ
トロ−ルの紫外線吸収のピーク位置近傍における波長域
において紫外線吸収能を有することが分かる。
【0038】尚、本発明においては、上記の実施例に記
載したものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。例え
ば、ユッカ抽出物の調製において、抽出溶媒としてエタ
ノールの代わりにメタノールを用いた場合も同様の結果
が得られる。また、この抽出溶媒としては、n−プロパ
ノール、iso−プロパノール及びこれらと水との混合
溶媒を用いることもできる。更に、第1抽出液から第4
溶媒によって糖分を抽出することにより、第1抽出液か
ら第2発明に対応する食品添加剤を得ることもできる。
【0039】
【発明の効果】第1及び第2発明の食品添加剤は、優れ
た抗菌性を有し、且つ特に第2発明の食品添加剤では臭
気も少ない。また、この食品添加剤は、第3発明のよう
に、酵母に対する抗菌性に非常に優れる。更に、この食
品添加剤は優れた抗酸化性及び紫外線吸収性をも併せ備
え、食品の発酵、腐敗等が効果的に抑えられる。また、
第4及び第5発明の食品添加剤の製造方法によれば、簡
易な操作によって、容易に、且つ経済的に第1発明の食
品添加剤を製造することができる。更に、第6発明によ
れば、糖分の大部分が除去された第2発明のより抗菌性
に優れた食品添加剤を容易に得るこができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】食品添加剤(A)の紫外線吸収特性を表すチャ
ートである。
【図2】食品添加剤(B)の紫外線吸収特性を表すチャ
ートである。
【図3】レスベラトロールの紫外線吸収特性を表すチャ
ートである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ユッカ抽出物からなり、サポニン、フラ
    ボン及びレスベラトロールを含有することを特徴とする
    食品添加剤。
  2. 【請求項2】 ユッカ抽出物からなり、サポニン、フラ
    ボン及びレスベラトロールを含有する食品添加剤であっ
    て、該食品添加剤を100重量部とした場合に糖分が5
    重量部以下であることを特徴とする食品添加剤。
  3. 【請求項3】 抗酵母型食品添加剤である請求項1又は
    2記載の食品添加剤。
  4. 【請求項4】 ユッカを乾燥した後、70〜95体積%
    の低級アルコールと5〜30体積%の水とからなる第1
    溶媒によって抽出し、第1抽出液を得る第1工程、該第
    1抽出液から上記第1溶媒を留去し、乾燥して得られる
    ユッカ抽出物を、20〜45体積%の低級アルコールと
    55〜80体積%の水とからなる第2溶媒によって抽出
    し、第2抽出液を得る第2工程、及び該第2工程におけ
    る抽出残渣を、80〜100体積%の低級アルコールと
    0〜20体積%の水とからなる第3溶媒によって抽出
    し、第3抽出液を得る第3工程を備えることを特徴とす
    る食品添加剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 ユッカの根及び茎のうちの少なくとも一
    方を破砕した後、乾燥し、若しくは乾燥した後、破砕
    し、その後、上記第1溶媒によって抽出する請求項4記
    載の食品添加剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記ユッカ抽出物を、0〜10体積%の
    低級アルコールと90〜100体積%の水とからなる第
    4溶媒によって抽出した後、抽出残渣を上記第2溶媒に
    よって抽出する請求項4又は5記載の食品添加剤の製造
    方法。
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