JP4605947B2 - 染毛剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘナの葉の乾燥粉末を主剤とした染毛剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヘナはミソハギ科シコウカ属の灌木である。従来、この種の染毛剤は、ヘナの葉の乾燥粉末を水又は温水に溶解させた後に染毛作業を行うようになっている(第1の従来構成)。
【0003】
また、鉄等の金属と、アルコールと、水とを含有する第1剤と、ヘマティン、ヘンナタンニン、カテキン等の植物色素染料と、アルコールと、水とを含有する第2剤とから二剤型の染毛剤として構成されているものが知られている(第2の従来構成)。尚、第1剤において、金属はイオン化されている。そして、第1剤を毛髪に塗布して金属イオンを毛髪に浸透させた後に、第2剤を毛髪に塗布して植物色素染料を毛髪に浸透させ、毛髪中で金属イオンと植物色素染料とが錯体を形成することにより毛髪を染色するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、第1の従来構成の染毛剤においては、染毛操作を行うときに、ヘナの葉の乾燥粉末を水又は温水に溶解させなくてはならない。このため、染毛操作が煩雑になるという問題があった。さらに、毛髪を褐色に染色することができないという問題があった。また、第2の従来構成の染毛剤においては、染毛操作を行うときには、第1剤を毛髪に塗布した後に第2剤を毛髪に塗布するようになっている。このため、第1の従来構成の染毛剤と同様に、染毛操作が煩雑になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、毛髪を褐色に染色することができるとともに、染毛操作を容易にすることができる染毛剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の染毛剤は、ヘナの葉の乾燥粉末と、鉄塩、銅塩、亜鉛塩、及び鉛塩から選ばれる少なくとも一種の金属塩と、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、及び炭酸から選ばれる少なくとも一種の無機酸と、水とを含有するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における染毛剤には、ヘナの葉の乾燥粉末と、金属塩と、水とが含有され、一剤型の染毛剤として構成されている。この染毛剤は、液状、乳液状、ゲル状、エアゾール状等の毛髪に適用可能な形態で使用される。
【0009】
ヘナの葉の乾燥粉末は、ヘナの葉に含まれている染毛成分に基づいて染毛を行うために配合される。ヘナ(Lawsonia inermis L.syn.L.alba)は北アフリカ、インド等の熱帯地方に産するミソハギ科シコウカ属の灌木で、シコウカとも呼ばれる。また、ヘナの葉の乾燥粉末は、ヘナの葉を乾燥させた後に、葉を粉砕することによって得られるものである。
【0010】
ヘナの葉の乾燥粉末は、ヘナの葉の乾燥粉末を水に溶解したときに、十分に拡散する粒度にまで粉砕されているとともに、ヘナの葉の粉砕後に、粉砕された粉末粒子同士が、粉末粒子に含まれている水分により互いに接着するのを防止することができる程度の水分含有量にまで乾燥されている。具体的には、粒度は200〜18メッシュの篩を通過する大きさが好ましく、水分含有量は0〜10重量%が好ましい。粒度が200メッシュの篩を通過する大きさよりも小さいと製造が困難になりやすい。一方、18メッシュの篩を通過する大きさを超えるとヘナの葉の乾燥粉末を水に溶解したときに、十分に拡散することができない。また、水分含有量が10重量%を超えると、粉砕されたヘナの葉の乾燥粉末粒子同士が接着しやすい。
【0011】
ヘナの葉の乾燥粉末の配合量は好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは5〜35重量%である。1重量%未満では十分な染毛力が得られにくい。一方、50重量%を超えて配合してもそれ以上の染毛力は得られにくい。
【0012】
続いて、金属塩は、水に溶解したときには金属イオンを生成し、毛髪中において、この金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが錯体を形成することにより染毛を行うために配合される。金属塩の具体例としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、酢酸第一鉄、リン酸第一鉄、蓚酸第一鉄、硝酸第一鉄、クエン酸第一鉄、炭酸第一鉄、ピロリン酸第一鉄、塩素酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、酢酸第二鉄、リン酸第二鉄、硝酸第二鉄等の鉄塩、硫酸銅、塩化銅等の銅塩、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の亜鉛塩、塩化鉛、硝酸鉛、硫酸鉛、酢酸鉛等の鉛塩等が挙げられる。これらの中でも、染毛効果が高いことから鉄塩が好ましい。これら種々の金属塩とヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とを組み合わせることにより、褐色の色調を得ることができるようになっている。金属塩の配合量は好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。0.01重量%未満では十分な染毛効果が得られにくい。一方、10重量%を超えて配合してもそれ以上の染毛効果は得られにくい。
【0013】
水は、ヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分と金属塩とを溶解するために配合される。水の配合量は好ましくは40〜99重量%、さらに好ましくは60〜90重量%、最も好ましくは65〜80重量%である。40重量%未満では、ヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分と金属塩とが溶解しにくい。一方、99重量%を超えて配合すると、染毛成分が薄くなり、期待する染毛効果が得られにくい。
【0014】
この染毛剤には、その他の添加成分として、ケイ酸塩、メタケイ酸塩、ポリヒドロキシ化合物、臭素酸塩、天然色素、油性成分、界面活性剤、高級アルコール、高級脂肪酸、エステル類、高分子化合物、有機溶剤、シリコーン類、噴射剤、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、その他の添加剤等の公知の化粧品成分、コラーゲン、ケラチン、エラスチン、フィブロイン、コンキオリン、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチン等の蛋白質を酸、アルカリ、酵素等により加水分解した蛋白加水分解物、及びこれらを4級化したカチオン変性蛋白加水分解物等のポリペプタイド類、ソルビトール、ヒアルロン酸、尿素等の保湿剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類等を配合してもよい。その他の添加成分の配合量は染毛剤の常法に従って決定される。
【0015】
ケイ酸塩、メタケイ酸塩、ポリヒドロキシ化合物、臭素酸塩等の添加剤は、染毛剤に種々の色調を加えるために配合される。これらの成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。これらの成分の配合量は好ましくは0.1〜40重量%、さらに好ましくは1〜30重量%である。0.1重量%未満では十分な色調は得られにくい。一方、40重量%を超えて配合してもそれ以上の色調は得られにくい。
【0016】
ケイ酸塩の具体例としては、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム・マグネシウム塩等が挙げられる。これらの中でも色調が強いことからナトリウム塩が好ましい。
【0017】
続いて、メタケイ酸塩の具体例としては、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、ナトリウム・マグネシウム塩等が挙げられる。これらの中でも色調が強いことからナトリウム塩が好ましい。
【0018】
さらに、ポリヒドロキシ化合物の具体例としては、レゾルシン、カテコール、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン、没食子酸、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、タンニン酸、1,2,4−ベンゼントリオール等が挙げられる。これらの中でも色調が強いことからレゾルシンが好ましい。
【0019】
続いて、天然色素は、色調の範囲を広げるために配合される。この天然色素の具体例としては、カロチノイド系、アントラキノン系、フラボノイド系(アントシアニン系、カルコン系、フラボン系)、ポリフィニン系、ジケトン系、ベタシアニン系、アゾフィロン系等が挙げられ、具体的には、アカネ色素、アナトー色素、パプリカ色素、クチナシ黄色色素、抽出カロチン、コチニール色素、ラック色素、赤キャベツ色素、シソ色素、紫コーン色素、エルダーベリー色素、ボイセンベリー色素、ブドウ果皮色素、ブドウ果汁色素、紫イモ色素、ベニバナ黄色素、ベニバナ赤色素、コウリャン色素、タマネギ色素、カカオ色素、サンダルウッド色素、スピルリナ青色素、フロロフィル、ウコン色素、ビーレッド、紅麹赤色素、紅麹黄色素、クチナシ青色素、クチナシ赤色素等が挙げられる。これらの中でも染毛力が高いことからアカネ色素、パプリカ色素、コチニール色素、ラック色素、コウリャン色素、タマネギ色素、カカオ色素、サンダルウッド色素、クチナシ青色素、クチナシ赤色素等が好ましい。これらの天然色素は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。天然色素の配合量は好ましくは0.001〜5重量%である。0.001重量%未満では十分な色調を得ることは困難である。一方、5重量%を超えて配合してもそれ以上鮮やかで濃い色調を得ることは困難である。
【0020】
さらに、油性成分は、毛髪の感触を良くするために配合される。この油性成分の具体例としては、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、プリスタン等の炭化水素、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、牛脂、カカオ脂、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等の油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、ホホバ油、ラノリン等のロウ類等が挙げられる。これらの中でも配合が容易なことから液状油性成分が好ましく、化学的に安定で毛髪の感触をより良くすることから、流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン等がさらに好ましい。これらの油性成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0021】
界面活性剤は、染毛剤に配合された成分の分散性を良くするために配合される。この界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0022】
アニオン性界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(以下、POEと言う)ラウリルエーテル、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、POEラウリルエーテルリン酸及びその塩等が挙げられる。
【0023】
続いて、カチオン性界面活性剤の具体例としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0024】
さらに、ノニオン性界面活性剤の具体例としては、POEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・ポリオキシプロピレン(以下、POPと言う)アルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの中でも酸やアルカリ剤に強いことからPOEアルキルエーテル類、POEアルキルフェニルエーテル類、POE・POPアルキルエーテル類、POEソルビタン脂肪酸エステル類等が好ましく、POEアルキルエーテル類がより好ましい。POEアルキルエーテル類の具体例としては、POEラウリルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル等が挙げられる。
【0025】
次に、両イオン性界面活性剤の具体例としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン等が挙げられる。これらの中でも皮膚や目に対して刺激性が少ないことからココアミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が好ましい。
【0026】
この染毛剤が乳液状の場合において、高級アルコールは、染毛剤の乳化を補助するために配合される。この高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール等が挙げられる。
【0027】
続いて、高級脂肪酸は、乳化安定化のために配合される。この高級脂肪酸の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
【0028】
さらに、エステル類は、毛髪を滑らかにするために配合される。このエステル類の具体例としては、オクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル等が挙げられる。
【0029】
次に、有機溶剤は、染毛剤に配合された成分を溶解するために配合される。この有機溶剤の具体例としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0030】
シリコーン類は、染毛剤に配合された成分を溶解するために配合される。このシリコーン類の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0031】
本実施形態の染毛剤は、酸を配合するのが好ましい。酸は、染毛操作を行う前の状態において、水中に存在する金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが錯体を形成するのを抑制するために配合される。さらに、染毛操作を行うときには、金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが毛髪へ浸透するのを促進するために配合される。酸の具体例としては、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、ピロリドンカルボン酸、レブリン酸、フマル酸、コハク酸、酪酸、吉草酸、シュウ酸、酢酸、マレイン酸、マンデル酸、アスパラギン酸、アジピン酸、ニコチン酸等の有機酸、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸等の無機酸が挙げられる。また、これらの酸に、これらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等を組み合わせて配合することによって、染毛剤に緩衝作用をもたせてもよい。
【0032】
酸の配合量は好ましくは0.1〜5重量%である。0.1重量%未満では、染毛操作を行う前の状態において、水中に存在する金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが錯体を形成するのを抑制しにくい。さらに、染毛操作を行うときには、金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが毛髪へ浸透するのを促進しにくい。一方、5重量%を超えて配合すると、染毛操作を行うときに毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。本実施形態の染毛剤に酸を配合したときには、染毛剤のpHは好ましくは3〜7の範囲である。染毛剤のpHは、3未満では染毛操作を行うときに毛髪に損傷等の不具合が発生しやすい。一方、7を超えると染毛後に毛髪の色調が変化する場合がある。
【0033】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態の染毛剤においては、金属塩とヘナの葉の乾燥粉末とが含有されている。このため、褐色の色調に染毛することができる。
【0034】
・ 本実施形態の染毛剤においては、酸が含有されている。このため、染毛操作を行う前の状態において、水中に存在する金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが錯体を形成するのを抑制することができる。このため、金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とは毛髪中でのみ錯体を形成する。よって、染毛剤を一剤型として構成することができるために、染毛操作を容易に行うことができる。
【0035】
しかも、染毛操作を行うときには、金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが毛髪へ浸透するのを促進することができる。よって、染毛剤の染毛力を高めることができる。
【0036】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記実施形態の染毛剤で毛髪を処理した後に、アルカリ剤を含有する水溶液で毛髪を処理するように構成してもよい。アルカリ剤の具体例としては、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。これらの中でも染毛効果の持続性を高める効果が高いことからアンモニアが好ましい。これらアルカリ剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。アルカリ剤の配合量は好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。染毛操作を行うときには、染毛剤を毛髪に塗布した後に30分間放置し、その後シャンプーで染毛剤を洗い流す。そして、アルカリ剤を含有する水溶液を毛髪に塗布した後に、シャンプーで水溶液を洗い流す。このように構成した場合は、染毛色調を変化させることなく、染毛効果の持続性を高めることができる。
【0037】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(各実施例、各参考例、比較例1及び比較例2)
一剤型の染毛剤としての各実施例、各参考例、比較例1及び比較例2は、表1に示すように調製した。なお、表1の数値は、pH以外はグラム(g)で示す。また、表1中のpHは調製後のpHを示す。
【0038】
【表1】
表1の各列の染毛剤について、それぞれの染毛剤を人毛毛束に塗布した後に30分間放置し、その後シャンプーで染毛剤を洗い流した。そして、実施例7〜9では、28重量%アンモニア水を6重量%含有する水溶液を人毛毛束に塗布した後に、シャンプーで水溶液を洗い流した。そして、染毛後の人毛毛束について、下記(1)の項目に関し評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0039】
(1)染毛力
染毛後の人毛毛束を目視にて観察し、染毛剤の染毛力について、優れた染毛力(◎)、良好な染毛力(○)、やや染毛力が劣る(△)、かなり染毛力が劣る(×)の4段階で官能評価した。
【0040】
表1に示すように、参考例1〜3においては、酸が配合されていないために、良好な染毛力〜優れた染毛力と評価された。また、実施例4〜9においては、優れた染毛力と評価された。一方、比較例1及び比較例2は、金属塩が配合されていないために、かなり染毛力が劣ると評価された。また、表1に示すように、染毛色調は褐色ではなくオレンジだった。
【0041】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記ヘナの葉の乾燥粉末は、粒度が200〜18メッシュの範囲の篩を通過する大きさであるとともに、水分含有量が0〜10%の範囲に設定されている前記染毛剤。この構成によれば、ヘナの葉の乾燥粉末が互いに接着するのを防止することができるとともに、ヘナの葉の乾燥粉末を水に溶解するときには、ヘナの葉の乾燥粉末を十分に拡散することができる。
【0042】
(2)前記ヘナの葉の乾燥粉末の含有量は、1〜50重量%の範囲に設定されている前記染毛剤。この構成によれば、十分な染毛力を得ることができる。
【0043】
(3)前記金属塩の含有量は、0.01〜10重量%の範囲に設定されている前記染毛剤。この構成によれば、十分な染毛効果を得ることができる。
【0044】
(4)前記酸の配合量は、0.1〜5重量%の範囲に設定されている前記染毛剤。この構成によれば、染毛を行う前の状態において、水中に存在する金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが錯体を形成するのを十分に抑制することができる。さらに、染毛を行うときには、金属イオンとヘナの葉の乾燥粉末に含まれている染毛成分とが毛髪へ浸透するのを促進することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の染毛剤によれば、毛髪を褐色に染色することができるとともに、染毛操作を容易にすることができる。
【0046】
また、染毛操作をより容易にすることができる。
Claims (1)
- ヘナの葉の乾燥粉末と、鉄塩、銅塩、亜鉛塩、及び鉛塩から選ばれる少なくとも一種の金属塩と、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、及び炭酸から選ばれる少なくとも一種の無機酸と、水とを含有することを特徴とする染毛剤。
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