JP4601918B2 - 塗工用ダイヘッド、塗工装置及び塗工用ダイヘッドの製造方法 - Google Patents

塗工用ダイヘッド、塗工装置及び塗工用ダイヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス板などの平板状の基板に対して、ダイヘッドを用いて塗布液を高精度で塗布する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶用カラーフィルタの製造工程において、ガラス板などの基板に対して、R、G、Bなどの着色層の形成、或いはアクリルなどの表面保護層や樹脂製のブラックマトリックス(遮光層)形成のために、液状のレジストを塗布することが行なわれている。これらのレジストの塗布に当たっては高精度塗布が必要であることから、通常、基板表面に過剰量の液滴を供給し、基板を高速回転させて薄く均一に拡げるスピン方式が用いられている。しかし、この方法では供給したレジストの大半が周囲に飛散してしまうため、レジストの消費量が多くなり、コスト高となるという問題があった。また、図9に示すように、基板2をチャック台5に保持させ、その基板2の表面に塗工用ダイヘッド1の先端を近接配置し、基板2をダイヘッド1に対して相対的に移動させながらダイヘッド1から液状のレジストを吐出し、基板表面にレジストを塗布して塗布層4を形成し、その後直ちに、基板2を高速回転させて塗布層4の厚さを均一にする方法も知られている。しかしながら、この方法では、ダイヘッドによる塗布工程と、その後のスピン工程の2工程が必要となるため、やはりコスト高となるという問題があった。そこで、これらに代わる方法として、特許文献1のようなダイヘッド1による塗布工程のみで、塗布層4の厚さを均一にする方法も知られている。ここで、液晶用カラーフィルタの製造時の仕様において、塗布層4の膜厚が均一化するまでの膜厚不良域を、塗布開始端部4aから塗布方向に5mm以内に抑えることが要求されてきている。ところが、ダイヘッド1による塗布では、膜厚不良域を塗布開始端部4aから塗布方向に5mm以内に抑えることが難しく問題となっていた。
【0003】
次に、ダイヘッド1による塗布における塗布開始端部4aでの膜厚不良域の発生原因を説明する。ダイヘッド1は、図10に示すように、塗布すべきレジスト(塗布液という)を吐出するスリット11と、スリット11の先端両側にスリット11にほぼ直角に形成されたリップ部12と、リップ部12の外側に位置し、リップ部12に対して傾斜した先端側面13とを有しており、塗布時には、リップ部12と基板2との間に塗布液の溜まり(ビード)3を形成し、そのビード3の塗布液を基板2の表面に塗布している。塗布開始時に、このスリット11から吐出される塗布液がリップ部12の塗布幅方向に移動してビード3を形成する。その形成時間が短ければ、塗布開始端部での膜厚が均一化するまでの膜厚不良域が短くなる。ところが、実際には、リップ部12表面の最終仕上における研磨に関しては、研磨機の性能ないし手作業に委ねられており、表面粗さが大きく、表面の凹凸により、リップ部12の塗布液に対する接触角が局部的に変化して、塗布液の移動を阻害する。そして、塗布液が塗布幅方向に移動しにくくなり、ビード3の形成時間が長くなると、ビード3を形成するための塗布液量(初期ビード量)を多く必要とするため、塗布開始端部にて膜厚が厚くなり、塗布開始端部での膜厚が均一化するまでの膜厚不良域が長くなってしまった。
【0004】
また、ダイヘッド1による塗布では、下記するように、塗布層4にすじ41や段むら42を生じ、塗布厚のむらを許容範囲内に抑えることができない。ここで、ダイヘッド1による塗布における塗布厚のむらの発生原因を説明する。図10において、塗布中、ビード3が安定し、一定の形状を保っておれば、すなわち、ビード3の最外部の液がダイヘッド1から離れる点A、Bが、ダイヘッド1のリップ部12と先端側面13との境界線(エッジ部)上に保持されておれば、塗布層4の厚さむらはほとんど発生しない。ところが、実際には、ビード3の最外部の液がダイヘッド1から離れる点A、Bが、ダイヘッド1のエッジ部に保持されず、矢印Cで示すようにリップ部12から先端側面13に回り込み、先端側面13上を移動するとか、矢印Dで示すように、リップ部12で移動することが多く、ビード3が不安定に変化することが多い。そして、点A、Bの移動がダイヘッド1の幅方向に局部的に生じると、基板の移動方向に延びるすじ41(図9参照)を生じ、全幅に渡って全体的に生じると、基板の横方向に延びる段むら42を生じていた。
【0005】
そこで、ビード3の最外部の液がダイヘッド1から離れる点A、Bを一定位置に保持してビード3を安定させるため、図11に示すように、リップ部12の外側の端部に鋭角状のエッジ18を形成したダイヘッド1Aが知られている。しかしながら、この構成のダイヘッド1Aは、図10に示すダイヘッド1に比べては、ビード3を或る程度安定させることができるが、ビード3の最外部の液がダイヘッド1Aから離れる点A、Bの不安定な移動を十分には抑制できず、このため、すじや段むらは多少減る程度であって、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことはできなかった。
【0006】
【特許文献1】
特許第3201195号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる状況に鑑みてなされたもので、塗布開始端部での膜厚不良域および塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は下記の本発明によって解決される。すなわち、
本発明の請求項1に係る塗工用ダイヘッドは、基板に対して相対的に移動しながら塗布液を吐出し、前記基板表面に塗布する塗工用ダイヘッドであって、塗布液を吐出するスリットと、前記スリットの先端両側に前記スリットにほぼ直角に形成されたリップ部と、前記リップ部の外側に位置し、前記リップ部に対して傾斜した先端側面とを有する塗工用ダイヘッドにおいて、前記リップ部の表面に鏡面研削加工を施し表面粗さをRmax0.2S以下とし、前記先端側面にフッ素樹脂を含有した無電解ニッケルメッキ処理を施し前記先端側面の塗布液に対する接触角を前記リップ部の塗布液に対する接触角よりも大きくし、前記先端側面とリップ部との境界線の真直度及び前記スリットに対する平行度を2μm/m以下とし、前記先端側面及びリップ部の境界領域における接触角の大きい領域と小さい領域との境界線と、前記先端側面とリップ部との境界線とのずれを2μm以下としたものである。本発明によれば、前記リップ部の表面粗さが小さくなり、前記リップ部の塗布液に対する接触角の局部的な変化が小さくなることで、塗布液が塗布幅方向に移動し易くなり、ビードの形成時間を短くすることができ、また、ビードの最外部の液がダイヘッドから離れる点を、先端側面とリップ部との境界線であるエッジ部に保持することができる。したがって、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗工開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制し、また、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドを提供する。また、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗工開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制すると共に、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドを提供する。また、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドを提供する。
【0010】
また本発明の請求項2に係る塗工用ダイヘッドは、請求項1に係る塗工用ダイヘッドにおいて、前記鏡面研削加工が電解インプロセスドレッシング研削加工(ELID研削加工)としたものである。
【0013】
また本発明の請求項3に係る塗工用ダイヘッドは、請求項1または2に係る塗工用ダイヘッドにおいて、前記先端側面の表面粗さとリップ部の表面粗さとを互いに異ならせたものである。本発明によれば、ビードの最外部の液がダイヘッドから離れる点を、先端側面とリップ部との境界線であるエッジ部に保持することができる。したがって、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドを提供する。
【0016】
また本発明の請求項4に係る塗工装置は、請求項1〜3のいずれかに係る塗工用ダイヘッドと、前記塗工用ダイヘッドが吐出する塗布液を基板表面に塗布するよう、前記塗工用ダイヘッドの先端を前記基板に近接させた状態で前記塗工用ダイヘッドと基板とを相対的に移動させる手段とを備えたものである。本発明によれば、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗布開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制すると共に、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工装置を提供する。
【0017】
また本発明の請求項5に係る塗工用ダイヘッドの製造方法は、基板に対して相対的に移動しながら塗布液を吐出し、前記基板表面に塗布する塗工用ダイヘッドであって、塗布液を吐出するスリットと、前記スリットの先端両側に前記スリットにほぼ直角に形成されたリップ部と、前記リップ部の外側に位置し、前記リップ部に対して傾斜した先端側面とを有する塗工用ダイヘッドの製造方法において、前記リップ部の表面に鏡面研削加工を施し表面粗さをRmax0.2S以下とし、前記先端側面にフッ素樹脂を含有した無電解ニッケルメッキ処理を施し前記先端側面の塗布液に対する接触角を、前記リップ部の塗布液に対する接触角よりも大きくし、前記先端側面とリップ部との境界線の真直度及び前記スリットに対する平行度を2μm/m以下とし、前記先端側面及びリップ部の境界領域における接触角の大きい領域と小さい領域との境界線と、前記先端側面とリップ部との境界線とのずれを2μm以下としたものである。本発明によれば、前記リップ部の表面粗さが小さくなり、前記リップ部の塗布液に対する接触角の局部的な変化が小さくなることで、塗布液が塗布幅方向に移動し易くなり、ビードの形成時間を短くすることができ、また、ビードの最外部の液がダイヘッドから離れる点を、先端側面とリップ部との境界線であるエッジ部に保持することができる。したがって、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗工開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制し、また、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドの製造方法を提供する。
【0019】
なお、本発明の塗工用ダイヘッド並びに塗工装置は、液晶用カラーフィルタ製造用途以外の塗布に用いても良いことは言うまでもない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る塗工用ダイヘッド1を示す概略斜視図及びその一部の拡大断面図である。図2はそのダイヘッド1の先端部を拡大して示す概略斜視図である。
【0021】
この実施形態のダイヘッド1も従来のものと同様に、塗布すべき塗布液を吐出するスリット11と、その先端両側に前記スリット11にほぼ直角に形成されたリップ部12と、その外側に位置し、リップ部12に対して傾斜した先端側面13とを有している。このダイヘッド1は、全体がステンレス鋼によって形成されている。リップ部12の幅dは、通常0.03mm〜0.1mm程度に設定されている。また、リップ部12は、ダイヘッド1の母材をそのまま露出させた形態であり、表面の研磨方法としてELID研削加工にて、表面粗さRmax0.05S以下で仕上げている。ここで、表面粗さRmaxはJIS B0601に準拠し、対象面全域における最大高さと定義する。なお、その測定方法としては、JIS B0601に準拠した蝕針式測定方法とする。一方、先端側面13は、その上に塗布液に対して濡れ性の悪い材料をメッキ或いはコーティングして表面層14を形成している。従って、先端側面13は、塗布液に対して濡れ性の悪い(接触角の大きい)表面となっている。ここで、表面層14の形成には、フッ素樹脂を1〜10%含有した無電解ニッケルメッキ処理を施している。塗布液として、液晶用カラーフィルタの製造に用いる液状のレジストを用いる場合、リップ部12の塗布液に対する接触角が7〜10度程度であり、表面層14の形成にフッ素樹脂を1〜10%含有した無電解ニッケルメッキ処理を施すと、接触角が55度程度となり、40度以上の差を確保できる。フッ素樹脂の含有率が10%以内であれば、母材そのものの硬度(ロックウェル硬さHRC45〜55)と同程度であり、リップ部12の表面の耐磨耗性を維持できる。なお、フッ素樹脂の含有率が1%より少ないと、リップ部12の塗布液に対する接触角が小さくなる。また、フッ素樹脂の含有率が10%より多いと、リップ部12の表面の耐磨耗性を維持できなくなる。なお、表面層14を形成する領域は、少なくとも、塗布時に塗布液が回り込む恐れのある領域とすればよい。
【0022】
図2に示すように、先端側面13に形成する表面層14は、リップ部12と表面層14との境界線に一致する位置まで正確に形成されている。更に、リップ部12と先端側面13の表面層14との境界線15は直線状に形成されると共に、その境界線15の真直度及びスリット11に対する平行度は、2μm/m以下となるように作られている。ここで、表面層14を、リップ部12と表面層14との境界線に一致する位置まで正確に形成し、且つ境界線15の真直度及びスリット11に対する平行度を2μm/m以下とするには、図3(a)に示すように、ダイヘッド1の先端側面13のみならず、リップ部12にもメッキ、コーティング等によって表面層14を形成し、その後、図3(b)に示すように、リップ部12を研磨して、その部分の表面層14を除去し、且つ境界線15を所望の真直度となるようにすればよい。なお、境界線15の真直度は、JIS B0601に準拠した蝕針式測定方法により測定する。
【0023】
このダイヘッド1を用いて塗布を行うには、図4に示すように、チャック台(図示せず)に保持された基板2の表面にダイヘッド1の先端を近接配置し、基板2をダイヘッド1に対して移動させながらダイヘッド1から塗布液を吐出し、リップ部12と基板2との間にビード3を形成し、そのビード3の塗布液を基板2の表面に塗布する。ここで、図5はダイヘッド1から塗布液が吐出している状態を示す概略斜視図である。図5(b)に示すように、ダイヘッド1のリップ部12の表面を従来の遊離砥粒にて研磨した場合には、表面粗さが大きくなり、リップ部12の塗布液に対する接触角の局部的な変化が大きくなるので、塗布液が塗布幅方向に移動しにくくなり、ビード3aの形成時間が長くなる。このため、図6(a)に示すように、ビード3aを形成するための塗布液量(初期ビード量)が多くなり、基板2上に形成される塗布層は、塗工開始端部での膜厚が厚く、塗工開始端部での膜厚が均一化するまでの膜厚不良域が長くなる。そこで、図5(c)に示すように、ダイヘッド1のリップ部12の表面をELID研削加工にて研磨することにより、表面粗さが小さくなる。従って、リップ部12の塗布液に対する接触角の局部的な変化が小さくなるので、塗布液が塗布幅方向に移動し易くなり、ビード3bの形成時間を短くすることができる。このため、図6(b)に示すように、ビード3bを形成するための初期ビード量を極めて少なく抑制し、基板2上に形成される塗布層4には、塗工開始端部での膜厚が均一化するまでの膜厚不良域が極めて短い(例えば、5mm以内の)塗布層4を形成できる。このため、液晶用カラーフィルタの製造におけるレジスト塗布に用いることにより、液晶用カラーフィルタの製造時に要求される塗布精度(例えば、塗工開始端部での膜厚不良域が5mm以内)の塗工を行うことができる。
【0024】
なお、ELID研削加工にて研磨することによる表面粗さはRmax0.2S以下であり、リップ部12に鏡面性を持たせ、リップ部12の塗布液に対する接触角の局部的な変化を小さくさせ、塗布液を塗布幅方向に移動し易くし、ビード3の形成時間を短くする上では、表面粗さをRmax0.1Sとするのが好ましく、更には表面粗さをRmax0.05Sとするのがより好ましい。
【0025】
また、ダイヘッド1の先端側面13を、ビード3が接触しているリップ部12よりも、塗布液に対する接触角が大きくなるように、従って塗布液に対する濡れ性が悪くなるようにしているので、塗布中、ビード3の最外部の液がダイヘッドから離れる点A、Bは、濡れ性の良いリップ部12と濡れ性の悪い先端側面13との境界線であるエッジ部に保持され、ほとんど変動しない。このため、塗布中、ビード3が安定しており、基板2上に形成される塗布層4には、従来生じていたすじや段むらがほとんど発生せず、極めて厚さむらの小さい(例えば、厚さの±1.5%以内の)塗布層4を形成できる。このため、液晶用カラーフィルタの製造におけるレジスト塗布に用いることにより、液晶用カラーフィルタの製造時に要求される塗布精度(例えば、厚さむらが厚さの±1.5%以内)の塗工を行うことができる。
【0026】
なお、上記した実施の形態では、ダイヘッド1のリップ部12は母材のままの表面とし、先端側面13に塗布液に対する濡れ性の悪い(接触角の大きい)表面層14をメッキ、コーティング等の表面処理により形成し、リップ部12よりも接触角を大きくなるようにしているが、本発明はリップ部12及び先端側面13の接触角を変更する方法として、この構成に限らない。例えば、図7に示すように、リップ部12を形成する部分と先端側面13を形成する部分とを別部材で形成し、その表面材質を異ならせることや、または、図8に示すように、全体を同一材料で構成するが、リップ部12の表面粗さを大きくして塗布液に対して濡れ易くし(接触角を小さくし)、先端側面13の表面粗さを小さくして塗布液に対して濡れにくく(接触角を大きく)して、表面粗さを異ならせることによっても、先端側面13の接触角を、リップ部12の接触角よりも大きくできる。なお、リップ部12及び先端側面13の接触角を変更するには、リップ部12及び先端側面13の表面材質を異ならせることと、表面粗さを異ならせることを適宜組み合わせる方法を採用しても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上のようであるから、本発明の請求項1から3に係る塗工用ダイヘッドによれば、リップ部の表面粗さが小さくなり、リップ部の塗布液に対する接触角の局部的な変化が小さくなることで、塗布液が塗布幅方向に移動し易くなり、ビードの形成時間を短くすることができ、また、ビードの最外部の液がダイヘッドから離れる点を、先端側面とリップ部との境界線であるエッジ部に保持することができる。したがって、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗工開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制し、また、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドが提供される。また、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗工開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制すると共に、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことができる。また、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドを提供する。
また本発明の請求項4に係る塗工装置によれば、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗工開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制すると共に、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことができる。
本発明の請求項5に係る塗工用ダイヘッドの製造方法によれば、リップ部の表面粗さが小さくなり、リップ部の塗布液に対する接触角の局部的な変化が小さくなることで、塗布液が塗布幅方向に移動し易くなり、ビードの形成時間を短くすることができ、また、ビードの最外部の液がダイヘッドから離れる点を、先端側面とリップ部との境界線であるエッジ部に保持することができる。したがって、液晶用カラーフィルタ製造におけるレジスト塗布に用いることにより、塗工開始端部での膜厚不良域を極めて短く抑制し、また、塗布厚のむらを極めて小さく抑制し、液晶用カラーフィルタの製造時に要求されるような高精度塗布を行うことを可能とする塗工用ダイヘッドの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る塗工用ダイヘッドの概略斜視図及びその一部の拡大断面図
【図2】図1に示すダイヘッドの先端部を拡大して示す概略斜視図
【図3】(a)、(b)は図1に示すダイヘッドの製造工程を説明する概略斜視図
【図4】図1のダイヘッドで基板表面に塗布する状態を示す概略断面図
【図5】(a)はダイヘッドから塗布液が吐出している状態を示す概略斜視図、(b)はリップ部表面を遊離砥粒にて研磨した場合のリップ部表面の拡大断面図、(c)はリップ部表面をELID研削加工にて研磨した場合のリップ部表面の拡大断面図
【図6】(a)はリップ部表面を遊離砥粒にて研磨した場合に形成される初期ビードを示す概略断面図、(b)はリップ部表面をELID研削加工にて研磨した場合に形成される初期ビードを示す概略断面図
【図7】本発明の他の実施の形態に係るダイヘッドの先端部の概略斜視図
【図8】本発明の更に他の実施の形態に係るダイヘッドの先端部の概略斜視図
【図9】従来のダイヘッドで基板表面に塗布する状態を示す概略斜視図
【図10】従来のダイヘッドで基板表面に塗布する状態を示す概略断面図
【図11】従来の他のダイヘッドで基板表面に塗布する状態を示す概略断面図
【符号の説明】
1 ダイヘッド
2 基板
3 ビード
4 塗布層
5 チャック台
11 スリット
12 リップ部
13 先端側面
14 表面層
15 境界線

Claims (5)

  1. 基板に対して相対的に移動しながら塗布液を吐出し、前記基板表面に塗布する塗工用ダイヘッドであって、塗布液を吐出するスリットと、前記スリットの先端両側に前記スリットにほぼ直角に形成されたリップ部と、前記リップ部の外側に位置し、前記リップ部に対して傾斜した先端側面とを有する塗工用ダイヘッドにおいて、前記リップ部の表面に鏡面研削加工を施し表面粗さをRmax0.2S以下とし、前記先端側面にフッ素樹脂を含有した無電解ニッケルメッキ処理を施し前記先端側面の塗布液に対する接触角を前記リップ部の塗布液に対する接触角よりも大きくし、前記先端側面とリップ部との境界線の真直度及び前記スリットに対する平行度を2μm/m以下とし、前記先端側面及びリップ部の境界領域における接触角の大きい領域と小さい領域との境界線と、前記先端側面とリップ部との境界線とのずれを2μm以下としたことを特徴とする塗工用ダイヘッド。
  2. 前記鏡面研削加工が電解インプロセスドレッシング研削加工であることを特徴とする請求項1記載の塗工用ダイヘッド。
  3. 前記先端側面の表面粗さとリップ部の表面粗さとを互いに異ならせていることを特徴とする請求項1または2に記載の塗工用ダイヘッド。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の塗工用ダイヘッドと、前記塗工用ダイヘッドが吐出する塗布液を基板表面に塗布するよう、前記塗工用ダイヘッドの先端を前記基板に近接させた状態で前記塗工用ダイヘッドと基板とを相対的に移動させる手段とを備えた塗工装置。
  5. 基板に対して相対的に移動しながら塗布液を吐出し、前記基板表面に塗布する塗工用ダイヘッドであって、塗布液を吐出するスリットと、前記スリットの先端両側に前記スリットにほぼ直角に形成されたリップ部と、前記リップ部の外側に位置し、前記リップ部に対して傾斜した先端側面とを有する塗工用ダイヘッドにおいて、前記リップ部の表面に鏡面研削加工を施し表面粗さをRmax0.2S以下とし、前記先端側面にフッ素樹脂を含有した無電解ニッケルメッキ処理を施し前記先端側面の塗布液に対する接触角を前記リップ部の塗布液に対する接触角よりも大きくし、前記先端側面とリップ部との境界線の真直度及び前記スリットに対する平行度を2μm/m以下とし、前記先端側面及びリップ部の境界領域における接触角の大きい領域と小さい領域との境界線と、前記先端側面とリップ部との境界線とのずれを2μm以下とした塗工用ダイヘッドの製造方法。
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