JP4595236B2 - 熱電材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電材料に関し、更に詳しくは、熱電特性に優れた結晶配向性を有する熱電材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の熱電材料の要求特性の1つである熱電気発電(熱電発電)というのは、二種類の金属(若しくは半導体等)の両側を接合した接点を異なる温度に保った時に流れる熱電流や、回路を開いた時に生じる起電力をいわゆるゼーベック効果によって得るというものである。この熱電気発電は、エネルギー変換の際に老廃物が生じることはなく、メンテナンス効率がよい等の特長を有している。また、ゼーベック効果の逆過程であるペルチェ効果を利用し、電子冷却を行うこともできるものである。
【0003】
この熱電材料の熱電特性を評価する指標として、熱電特性の最大効率(ηmax)や、性能指数(Z)といった数値が用いられている。熱電特性の最大効率(ηmax)は数1に示した算出式で表され、また性能指数(Z)は数2に示した算出式で表される。
【0004】
【数1】
ηmax={(T−T)/T
x{((ZT+1)1/2−1)/((ZT+1)1/2+T/T)}
ηmax:最大効率
:高温側温度
:低温側温度
ZT:無次元性能指数
【0005】
【数2】
Z=Sσ/κ
Z:性能指数
σ:電気伝導率
S:熱起電力ゼーベック係数
σ:熱電出力因子
κ:熱伝導率
【0006】
数1及び数2の算出式より、熱電材料としての熱電特性の向上には、性能指数Zの大きい物質であること、すなわちゼーベック係数(S)や電気伝導率(σ)の値が高く、熱伝導率(κ)の値が小さい物質であることが要求される。ここで、ゼーベック係数(S)は材料そのものの物性値であるためどのような熱電材料を用いるかによって決定されるが、電気伝導率(σ)及び熱伝導率(κ)はその熱電材料の組成や結晶組織によって大きく変化させることが可能である。そのため、ゼーベック係数(S)の高い熱電材料とはどういうものなのか、また電気伝導率(σ)が高く、熱伝導率(κ)を低くするためにはどのような結晶組織が良いのか等が種々検討されている。
【0007】
ところで、現在用いられている熱電材料としては、例えば、Bi−Te系、Si−Ge系、Pb−Te系等が一般的に知られている。中でも、性能指数Zの値がもっとも大きいBi−Te系は、実用化材料の中で最も熱電特性がよい熱電材料であるとされている。なぜならば、Bi−Te系はゼーベック係数(S)が大きく、電気伝導率(σ)が適度に高い上に、Seを少し固溶させることにより熱伝導率(κ)を低下させることが可能となり、その結果、性能指数(Z)を増加させることができるとされているからである。
【0008】
しかし、このBi−Te系熱電材料は融点が低く、熱電特性における好適な温度域を示す範囲が狭いという難がある。また、その融点が低いために高温域での使用ができないことから、低温側温度と高温側温度との差が小さくなってしまい、それに伴って熱電特性の最大効率ηmaxの値が低くなってしまい、さらに材料コストが高く、材料そのものが環境負荷物質であるという環境上の問題もある。また、Bi−Te系以外のSi−Ge系、あるいはPb−Te系の熱電材料についても、Bi−Te系よりもその熱電特性が劣るばかりでなく、環境上の問題がある物質もある。
【0009】
そうした技術的背景の中で、Na−Co−O系の材料が熱電材料特性に優れることが寺崎氏らにより報告された(専門誌「固体物理」Vol.33 No.31998参照)。この報告によれば、組成式NaCoで表される単結晶材料が、従来最も優れていたBi−Te系と同等以上の熱電特性を有するというものである。
【0010】
しかし、この寺崎氏らにより報告されたNaCo材料は、単結晶構造のものである。CoO面とNaとの層がc軸方向に積層した積層構造を持つことから、その異方性が大きく、特定の方位で使用する単結晶材料としては優れた熱電特性を有するとしても、通常の等方性の焼結体としては熱電特性がそれ程高くはない。一方、単結晶材料は高コストであり、実用に供する大きさの材料を作製するのは困難である。また、たとえ作製してもその強度値は低く、実用に耐え得ない。
【0011】
そうした中で最近知られたこの種の熱電材料として、例えば、特開2000−12915号公報に示されるようなZn−In−O系熱電変換材料が挙げられる。これは、n型酸化物セラミックス材料の一種であって、結晶配向性についての言及はないものの、通常の粉末プロセスで調製された無配向多結晶の材料と考えられる。
【0012】
また例えば、特開平11−266038号公報に示されるようなNa−Co−O系熱電変換材料も知られている。これは、p型酸化物セラミックス材料の一種であって、やはり結晶配向性についての言及はないが、通常の粉末プロセスで調製された無配向多結晶の材料と考えられる。
【0013】
さらに例えば、第38回セラミックス基礎科学討論会(2000年1月開催)において本発明者らが発表(予稿集p247,280参照)したもので、Zn−In−O系のn型酸化物セラミックスの組成に関し、ホットフォージング法(ホットワーキング法の一種)で配向化し焼結することによりアンドープZn−In−O系焼結体を製造する技術が開示されている。
【0014】
さらにまた、例えば、特開平11−340530号公報には熱電半導体焼結材料の製造方法として、やはりホットワーキング法の一種である熱間押出法によって作製し、熱間でせん断応力を印加することによりすべり面を利用して結晶配向性を可能とした製造プロセスが開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の特開2000−12915号公報、および特開平11−266038号公報に示されるものは、構造異方性を有する材料であり、従って、熱電特性の異方性を有するにも関わらず、通常の粉末プロセスで作製された無配向多結晶であるため、単結晶に比べて熱電特性が低いという問題がある。
【0016】
また、前述の第38回セラミックス基礎科学討論会で発表された配向Zn−In−Oセラミックス材料、及び特開平11−340530号公報に示される材料はいずれもホットワーキング(熱間加工)法により作製されたものであり、高温での加工を必要とするため製造コストが高くなる。また後者の例では、加圧によるせん断応力が生じやすいため配向性が不均一となり、結果的にはこの熱間加工材から作製した材料の熱電特性には大きなバラツキが生じ、十分な機能が発揮できないという問題もあった。
【0017】
そこで本発明者らは、これらの問題を解消するものとして、常温での成形を可能とし、単結晶構造の熱電材料と同等以上の熱電特性を有する熱電材料を提案し、すでに特許出願している(特願平11−17164号参照)。これは、Co、Fe、Mn、Ni等を含む板状結晶の前駆体粉末を主たる出発原料とし、これにアルカリ金属塩を混合し、この混合物を一方向に配向するように成形して焼結することにより、c軸が一軸配向した結晶配向性の例えば、Na−Co−O系熱電材料としたものである。この材料は無配向のものよりも高い熱電特性を発現している。
【0018】
しかし、この結晶配向性の例えば、Na−Co−O系熱電材料は、板状結晶の前駆体粉末に混合する反応物質としてアルカリ金属塩を用いている。遷移金属とアルカリ金属のみの組み合わせから成る複合酸化物材料中のアルカリ金属イオンは動き易く、電界を印加したときに移動したり、大気中の水分と反応するなど物理的及び化学的安定性に乏しい。そのために、大気中/高温下/電界下で長時間安定して使用することができないという問題があった。
【0019】
そこで本発明者らは、種々実験を重ねた結果、このアルカリ金属−遷移金属複合酸化物系の結晶配向性を有する熱電材料をさらに改良するものとして、熱電特性の経時的劣化のない熱電材料を製造する方法を考えるに至ったものである。
【0020】
本発明の解決しようとする課題は、配向性を有する多結晶の熱電材料であって、その熱電特性の経時的劣化も少ないものを製造する方法を提供するものである。またこの熱電材料を200℃以下の常温成形法および常圧焼結法で製造することにより、製造コストの低廉化も達成するものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明に係る熱電材料の製造方法は、請求項1に記載のように、結晶配向材料のテンプレートとなる物質である形状異方性を有する粉末材料と、この形状異方性を有する粉末材料との反応によって結晶異方性のある導電性化合物を生成する1種または2種以上の物質(アルカリ金属塩のみの場合を除く)とを混合し、この混合材料を前記形状異方性を有する粉末材料が一方向に配向するように成形し、この成形物を熱処理することにより合成し、その後に焼結するようにしたことを要旨とするものである。ここで一方向に配向するとは、形状異方性を有する粉末材料が板状粒子の場合には、板状粒子の広がり面が特定の軸方向にのみ平行に配列することとする。すなわち、テープ成形のような手法で広がり面が平行に配列していても良いし、棒状試料の押出成形のような手法で広がり面が押出方向を軸として含むように配列しても良い。
【0022】
次の表1は、結晶異方性のある導電性化合物を作製するために、用いる形状異方性を有する粉末材料と、この形状異方性を有する粉末材料との反応物質の組み合わせの例を示したものである。
【0023】
【表1】
Figure 0004595236
【0024】
この場合に形状異方性を有する粉末材料としては、請求項3に記載のように、この粉末材料との反応によって生成する結晶異方性のある導電性化合物と2次元的または3次元的に格子整合性を有する材料であることが望ましい。これにより、熱処理時にテンプレート物質である前記形状異方性を有する粉末材料の結晶配向方位がそのまま保存されるようにエピタキシー反応またはトポタキシー反応で目的物質である結晶配向性の導電性化合物が作製できるため、ホットフォージング等の高温加工を必要としない。
【0025】
さらに前記形状異方性を有する粉末材料との反応により結晶異方性のある導電性化合物を生成する物質には、前記形状異方性を有する粉末材料および/または結晶異方性のある導電性化合物と同じ物質でかつ形状異方性が少なく粒径が小さい粉末原料が含まれていても良い。特に、目的物質である結晶異方性のある導電性化合物と同じ物質でかつ形状異方性が少なく粒径の小さい粉末原料が含まれていることが望ましい。これにより、合成反応による試料の膨張を最小限に抑えることができ、容易に目的物質である結晶配向性の導電性化合物が作製できる。
【0026】
そして前記形状異方性を有する粉末材料が配向する成形法としては、ドクターブレード法、押出成形法、射出成形法、展伸成形法、遠心成形法、鋳込み成形法、圧延法等の200℃以下の常温成形法であることが望ましい。このような常温成形法を採用することにより、熱間成形(ホットフォージング等)のような配向性のバラツキが回避され、均一かつ安定した熱電特性が得られる。また、常温成形により装置が簡便となるためコストの低廉化が図られ、量産性、生産性も良いものとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
形状異方性を有する板状α−Alの粉末(平均粒径5μm、アスペクト比約10)、微粉末のCuO及び固相法で作製した微粉末のCuAlOをモル比で1:1:2の割合で配合し、湿式で混合した。次いで、この混合物に結合材(バインダ)として有機系のポリビニルブチル(PVB)アルコールを加え、また可塑剤としてフタル酸ジ−n−ブチルを加えてさらに混合した後、ドクターブレード法により厚さ約200μmのテープ成形体を作製した。そして得られたテープを5枚積層圧着し、厚さ約1mmの成形体とした後、600℃で脱脂処理を行い、次いで、還元雰囲気中1100℃で10時間焼結を行った。得られる焼結体はトポタキシー反応により生成されたものと考えられる。このトポタキシー反応そのものは一般的に知られているので説明を割愛する。
【0028】
焼結体は、CuAlOの{001}面がテープ面に平行に優先配向しており、Lotgering法で計算した配向度は90%以上であった。また、焼結体の優先配向面に平行な方向に温度差を設けて800℃でゼーベック係数(S)と同じ方向での電気伝導率(σ)を測定したところ、熱電出力因子(Sσ)は1.4x10−4W/mKであった。また、同試料を室温大気中で10日間放置したが、外見に変化はなく、再度測定したところ、熱電出力因子に変化はなかった。
【0029】
(実施例2)
形状異方性を有する板状ZnOの粉末(平均粒径5μm、アスペクト比>10)、及びAl微粉末をモル比で97:1.5で配合した以外は、実施例1と同一の条件下で、厚さ約1mmのテープ成形体を作製した。得られたテープを600℃で脱脂処理した後、大気中1400℃で10時間焼結を行い、AlドープZnO系焼結体を作製した。
【0030】
焼結体は、ウルツ鉱型を主相とするZnOの{001}面がテープ面に平行に優先配向しており、Lotgering法で計算した配向度は86%であった。また、焼結体の優先配向面に平行な方向に温度差を設けて800℃でゼーベック係数(S)と同じ方向での電気伝導率(σ)を測定したところ、熱電出力因子(Sσ)は3.0x10−4W/mKであった。
【0031】
(実施例3)
同じく形状異方性を有する板状LaCuOの粉末(平均粒径5μm、アスペクト比>10)及び固相法で合成した微粉末のLaCuOをモル比で1:1で配合したこと、および焼結を1100℃x10時間で行ったこと以外は、実施例1および実施例2と同一の条件下で、LaCuO系焼結体を作製した。
【0032】
焼結体は、{001}面がテープ面に平行に優先配向しており、Lotgering法で計算した配向度は83%であった。また、焼結体の優先配向面に平行な方向に温度差を設けて500℃でゼーベック係数(S)と同じ方向での電気伝導率(σ)を測定したところ、熱電出力因子(Sσ)は3.1x10−4W/mKであった。
【0033】
(実施例4)
同じく形状異方性を有する板状α−Alの粉末(平均粒径5μm、アスペクト比約10)、微粉末のCuO及び固相法で作製した微粉末のCuAlOをモル比で1:1:2の割合で配合し、湿式で混合した。次いで、この混合物に結合材(バインダ)と可塑剤を加えてさらに混練した後、一方向に押出成形を行って直径約1cmの円柱状成形体を作製した。得られた棒状の成形体を1cm程度の長さに切り分け、直径約1cm、長さ約1cmの試料とした後、600℃で脱脂処理を行い、次いで、還元雰囲気中1100℃で10時間焼結を行った。
【0034】
焼結体は、CuAlOの{001}面が押出方向を軸とする方向に平行に配向していた。しかし、この場合はテープ成形と異なり、多結晶組織中のCuAlO粒子の{001}面が粒子間でお互いに平行になっている面配向ではないため、Lotgering法で計算した配向度では表現することができない。そのため、押出方向に垂直な面のX線回折パターンを調べ、下記のような配向指標で結晶配向セラミックスの軸配向度Q’を定義したところ、軸配向度は0.48であった。
また、焼結体の押出方向に平行な方向に温度差を設けて測定した場合のゼーベック係数(S)と同じ方向での電気伝導率(σ)を800℃で測定したところ、熱電出力因子(Sσ)は1.1x10−4W/mKであった。
【0035】
【数3】
Figure 0004595236
【0036】
但し、数3の算出式において、ΣI(hkl)は、結晶配向セラミックスにおけるすべての結晶面(hkl)からのX線回折強度の総和である。また、Σ’I(HKL)は、結晶配向セラミックスにおける特定の結晶面(HKL)(例えば、I(006)、I(008)、I(0010)等の面に平行な結晶面)からのX線回折強度の総和である。一方、ΣI(hkl)およびΣ’I(HKL)は、それぞれ、結晶配向セラミックスと同一組成の同一化合物であり、かつ無配向のものについて測定されたすべての結晶面(hkl)からのX線回折強度の総和、および特定の結晶面(HKL)からのX線回折強度の総和である。
【0037】
数3の算出式に示す軸配向度Q’の値は、無配向の場合には0%、X線回折測定における回折面に平行な特定の結晶面(HKL)が存在しない場合には100%となる。また、特定の結晶面(HKL)が軸配向している場合、軸配向の方向から測定された結晶面(HKL)の軸配向度Q’の値は、これと直交する方向から測定された軸配向度Q’の値よりも突出した値となる。
【0038】
(比較例1)
この比較例1は、実施例1と対比されるものである。ここでは形状異方性を有しない微粉末の試薬であるγ−Al粉末及びCuO粉末をモル比で1:1で配合し、湿式で混合した。混合した粉末を乾燥した後、還元雰囲気中1100℃で12時間加熱して、CuAlO粉末を作製した。得られた熱処理体を粉砕して粉末化した後、30MPaの圧力でプレス成形し、成形体とした後、還元雰囲気中1100℃で10時間焼結を行った。こうして得られた焼結体は、優勢配向していなかった。
【0039】
次の表2は、本実施例1と比較例1における熱電特性の比較をしたものである。この熱電特性は800℃の温度領域での比較値を示している。そしてこの表2からわかるように、本実施例1は800℃において熱電出力因子(Sσ)の値が1.4x10−4W/mKと、比較例1の値、0.19x10−4W/mKよりも約7倍高い値を示している。
【0040】
【表2】
Figure 0004595236
【0041】
(比較例2)
この比較例2は、板状Co結晶粉末を形状異方性を有する粉末材料として用いるものであるが、これとの反応物質にナトリウム(アルカリ)塩を用いて、遷移金属とアルカリ金属のみの組み合わせから成る複合酸化物材料を作製する点で上記各実施例1〜4とは違うものである(この比較例2は本発明者らによる先の出願である特願平11−017164号に相当するものである)。具体的には、硝酸コバルト水溶液に水酸化ナトリウムを滴下し、板状のCo(OH)を沈殿物として得た。得られた沈殿物をそのままの状態で三日間継続して攪拌し、Co(OH)を空気酸化することにより板状のCo(平均粒径約1μm、アスペクト比>10)を作製した。得られたCo粉末及びNaCO粉末をモル比で2:1.65の割合で配合し、湿式で混合した。得られた混合粉末に可塑剤と結合材を加えて再度混合した後、ドクターブレード法によりテープ成形体を作製した。得られたテープを積層圧着し、厚さ約1mmの成形体とした後、600℃で脱脂処理をして、次いで、従来の固相法で作製したNaCo粉末に埋めて900℃で12時間焼結、若しくは900℃で1時間ホットプレス(圧力25MPa)を行った。
【0042】
焼結体は、いずれの焼結条件でもNaCoの{001}面がテープ面に平行に優先配向しており、Lotgering法で計算した配向度は90%以上であった。焼結体の熱電特性を800℃まで測定した後、試料表面に熱分解反応によって生成したと思われる汚れが観察された。さらに、同試料を大気中に10日間放置したところ、試料表面の汚れはさらに顕著になり、表面状態が悪化し、再度熱電特性の測定を行うことができなかった。
【0043】
(比較例3)
この比較例3は、実施例2と対比されるものである。ここでは形状異方性を有しない等方性の試薬であるZnO粉末及びAl粉末をモル比で97:1.5で配合し、湿式で混合した。混合した粉末を乾燥した後、1200℃で10時間加熱して、AlドープZnO系粉末を作製した。得られた粉末を30MPaの圧力でプレス成形し、成形体とした後、大気中1400℃で10時間焼結を行った。
【0044】
焼結体は、ウルツ鉱型を主相とするAlドープZnO系であり、優先配向はしていなかった。また、800℃でゼーベック係数(S)と同じ方向での電気伝導率(σ)を測定したところ、熱電出力因子(Sσ)は1.4x10−4W/mKであり、実施例2の配向焼結体の1/2以下の値であった。
【0045】
(比較例4)
この比較例4は実施例3と対比されるものである。固相法で合成したLaCuO微粉末を30MPaの圧力でプレス成形し、成形体とした後、大気中1100℃で10時間焼結を行った。
【0046】
焼結体は、優先配向していなかった。また、500℃でゼーベック係数(S)と同じ方向での電気伝導率(σ)を測定したところ、熱電出力因子(Sσ)は0.56x10−4W/mKであり、実施例3の配向焼結体の1/5以下であった。
【0047】
次の表3は、本実施例品(実施例1〜4)と比較例品(比較例1〜4)に用いられた材料、及び測定データ(配向性、熱電特性)を表にまとめたものである。表からわかるように、本実施例品の熱電出力因子(Sσ)の値は対比される比較例品の値と較べていずれも高く、良好な結果が得られた。
【0048】
すなわち、実施例1との比較では、比較例1の熱電出力因子(Sσ)が800℃において、0.19x10−4W/mKであるのに対して、比較例1では1.4x10−4W/mKと7倍も高い値を示している。一方、実施例1と同じ原料を用い、押出成形法により作製した実施例4の熱電出力因子(Sσ)は800℃において、1.1x10−4W/mKであり、実施例1よりも若干低い値であるが、比較例1の場合の5倍以上の高い値を示している。また、実施例2との比較では、比較例3の熱電出力因子(Sσ)が800℃において、1.4x10−4W/mKであるのに対して、実施例2の試料では3.0x10−4W/mKと2倍以上の高い値を示している。さらに、実施例3の比較では、比較例4の熱電出力因子(Sσ)が500℃において、0.56x10−4W/mKであるのに対して、実施例3の試料では3.1x10−4W/mKと5倍以上の高い値を示している。
【0049】
【表3】
Figure 0004595236
【0050】
このように、本発明の実施例1〜4に示した各種の焼結体材料は、多結晶組織中の導電性化合物を電気伝導率が高い結晶面が特定の軸方向にのみ平行に配向させたものとし、かつ焼結前の成形方法として常温下でのドクターブレード法または押出成形法に依ることにより、熱電出力因子(Sσ)が高いデータが得られることが確認された。
【0051】
以上、各実施例について説明したように、熱電特性の異方性の大きな導電性化合物について特性の高い面または結晶方位を特定の方向にのみ平行に配向させた配向多結晶を作製し、その方向を電界を印加する方向(電子冷却・加熱の場合)、温度勾配を設けて電界を発生させる方向(熱電発電の場合)とすることにより、無配向多結晶よりも高い性能を発揮するばかりでなく、多結晶に較べ熱伝導率を低減できるため、むしろ単結晶より高い特性をも期待できる。さらに配向多結晶の製造コストは単結晶より小さい。しかも、単結晶では組成むらが生じやすく、均一なドーピングが困難であるが、そのような問題もないものである。
【0052】
そして、本発明の製造方法は、このような配向多結晶熱電材料を作製するために極めて有効であり、成形体中で配向した異方性形状粉末テンプレートの反応によって合成することにより、(1)配向度が均一で、かつ高く、(2)均一な組成を容易に実現でき、(3)通常の粉体成形・焼結プロセスで作製するため、低コストである、という大きなメリットが生じるものである。
【0053】
そして、このような効果が得られる理由としては、次のようなことが挙げられる。
(1)熱電材料の性能指数(Z)は、熱起電力(ゼーベック係数)の二乗と電気伝導率の積を熱伝導率で割った値であるが、これらの値には方位依存性がある場合が多く、一般に電気伝導率が高い方位に電界を加えたり、温度勾配を設けることによって高性能な特性を引き出すことができる。多結晶は単結晶より破壊靭性に優れるため、機械的強度が大きくなる。また、フォノンが粒界や空孔で散乱されるため、熱伝導率が低くなる。こうした総合的理由から、組成が同じ材料間で比較した場合、配向多結晶は無配向多結晶や単結晶よりも優れた材料である。
特に、酸化物の配向多結晶焼結体は耐酸化性に優れているため、廃熱発電で期待される材料であると言える。
(2)テープ成形法等によってテンプレート粉末を均一に成形するのは容易であり、焼結体の配向はテンプレート粉末の配向に従うため、均一な配向ができる。
(3)異方形状粉末は単純な組成の物質を使用し、キャリアのドーピングなど、正確な目的組成は反応によって実現するため、組成再現性が高い。
(4)単結晶育成や気相輸送蒸着法、圧力印加(ホットフォージング法)のような高コスト手法を用いることなく、通常のセラミック・プロセスで作製が可能となる。
【0054】
本発明は上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、結晶配向のテンプレートとなる形状異方性を有する粉末材料として、板状結晶のα−Al粉末やZnO粉末等を用い、またこの粉末材料との反応物質にCuO+CuAlOやAlを用いた例を示したが、前記表1に示したような各種の形状異方性を有する粉末材料を用いることができ、またこの粉末材料との反応物質としても前記表1に示したような種々の物質を用いることも材料の特性上勿論可能なことである。
また、配向性を持たせるための成形法として、上記した実施例ではドクターブレード法と押出成形法を用いたが、その他に常温下で配向性良く成形できるものであれば、常温での展伸成形、射出成形、遠心成形、鋳込み成形、圧延成形等も可能であると考える。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る多結晶配向性熱電材料の製造方法によれば、テンプレート物質となる形状異方性を有する粉末材料に、目的物質と2次元的または3次元的に格子整合性のある物質を選択し、この形状異方性を有する粉末材料との反応により結晶異方性のある導電性化合物を生成する原料とを混合し、形状異方性を有する粉末材料が配向するように成形した後、熱処理過程においてテンプレート物質の配向方位が保存されるようにエピタキシー反応またはトポタキシー反応で目的物質が合成され、しかる後焼結により結晶配向した高特性の熱電材料が得られるものである。そしてこの形状異方性を有する粉末材料との反応物質にアルカリ金属塩のみを使用することは避け、アルカリ土類等のその他の金属塩を用いるようにしたことにより、遷移金属とアルカリ金属のみの組み合わせから成る複合酸化物以外の導電性化合物が作製されるため熱電特性の経時的低下も回避され、長期間に亘り安定した熱電特性が発祥される熱電材料が得られるものである。
【0056】
また、本発明方法によれば酸化物系セラミックス材料を出発原料とし、焼結前の成形物を常温成形および常圧焼結の条件下で製造するものであるから、量産性に優れて市場に低廉に提供でき、さらに材料そのものが従来一般に用いられてきたBi−Te系と違って環境負荷特性に優れていることから環境汚染の防止にも対応できるという利点も有するものである。

Claims (5)

  1. 結晶配向材料のテンプレートとなる物質である形状異方性を有する粉末材料と、前記形状異方性を有する粉末材料との反応によって結晶異方性のある導電性化合物を生成する1種または2種以上の物質(アルカリ金属塩のみの場合を除く)とを混合し、この混合材料を前記形状異方性を有する粉末材料が一方向に配向するように成形し、この成形物を熱処理することにより合成し、その後に焼結するようにしたことを特徴とする熱電材料の製造方法。
  2. 前記形状異方性を有する粉末材料が、酸化物系セラミックス材料であることを特徴とする請求項1に記載される熱電材料の製造方法。
  3. 前記形状異方性を有する粉末材料が、この粉末材料との反応によって生成する結晶異方性のある導電性化合物と2次元的または3次元的に格子整合性を有する材料であることを特徴とする請求項1または2に記載される熱電材料の製造方法。
  4. 前記形状異方性を有する粉末材料との反応により結晶異方性のある導電性化合物を生成する物質には、前記形状異方性を有する粉末材料および/または結晶異方性のある導電性化合物と同じ物質でかつ形状異方性の少ない粉末原料が含まれていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載される熱電材料の製造方法。
  5. 前記形状異方性を有する粉末材料が配向する成形法は、ドクターブレード法、押出成形法、射出成形法、展伸成形法、遠心成形法、鋳込み成形法、圧延法等の200℃以下の常温成形法であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載される熱電材料の製造方法。
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