JPH1072257A - 結晶配向性セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

結晶配向性セラミックス及びその製造方法

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JPH1072257A
JPH1072257A JP8247297A JP24729796A JPH1072257A JP H1072257 A JPH1072257 A JP H1072257A JP 8247297 A JP8247297 A JP 8247297A JP 24729796 A JP24729796 A JP 24729796A JP H1072257 A JPH1072257 A JP H1072257A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気伝導度が高く,優れた熱電素子を得るこ
とができる,結晶配向セラミックス及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 K2 NiF4 型構造の化学式A2 BO4
(ここにAはアルカリ元素,アルカリ土類元素,希土類
元素より選ばれる少なくとも1種の元素,BはCuを除
く少なくとも1種の遷移元素)である化合物よりなり,
結晶のc軸が一軸配向しており,Lotgering法
による配向度が20%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,熱起電力効果等の特性を有する
2 NiF4 型構造の化学式A2 BO4 である化合物よ
りなる結晶配向性セラミックス及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来,日本セラミックス協会誌103[1
1]1112−1116には,K2NiF4 型であるL
1-x Sr1+x CrO4+a (0≦x≦0.3)焼結体の
熱電的特性測定結果,また,日本セラミックス協会誌1
03[12]1297−1301には,同じくK2 Ni
4 型構造であるLa2-x Srx MnO4+a (1≦x≦
2)焼結体の熱電的特性測定結果について掲載されてい
る。同誌によれば,これらの焼結体はいずれも固相法で
合成された原料紛未を常圧焼結することにより作成され
ている。
【0003】ところで,上記K2 NiF4 型構造の化学
式A2 BO4 である化合物は半導体酸化物として,特に
その熱起電力の大きさが評価され,熱電素子としての利
用が考えられつつある。ただし,上記化学式中の酸素分
子の数は金属元素の価数に応じ4からずれることがあ
る。
【0004】一般に熱電素子を熱電発電に使用する場合
の性能指数Zは,熱電素子を構成する化合物の物質パラ
メーターに大きく依存している。即ち,Sをゼーベック
定数(V/deg),σを電気伝導度(Ω-1cm-1),
κを熱伝導度(W/cm・deg)とすると,Zは以下
に示す式にて表現することができる。 Z=S2 ・σ/κ(deg-1) 即ち,Zを大きくするためには,σをより大きく,κを
より小さくすればよい。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記K2 Ni
4 型構造の化学式A2 BO4 である化合物の結晶に
は,電気伝導度の高い方位と低い方位とがある。即ち,
上記化合物の結晶構造は正方晶または擬正方晶である
が,電気伝導度は正方晶または擬正方晶における2本の
a軸により張られたC面内方位で高く,c軸方位で低
い。
【0006】従って,無配向の多結晶セラミックスの状
態にある上記化合物よりなる焼結体の電気伝導度は,単
結晶の状態にある上記化合物の電気伝導度よりも低い。
なぜなら,多結晶セラミックスは単結晶の結晶子が多数
集合して構成されており,かつ全体として各結晶子の方
位はランダムである。従って,電気伝導度が焼結体全体
で平均化されてしまうからである。よって,上記従来の
多結晶セラミックスである焼結体を熱電発電に使用する
熱電素子として利用した場合には,性能が低かった。
【0007】ところで,上記化合物の単結晶を作成し,
これを上記熱電素子として使用することも考えられる。
しかしながら,上記単結晶においては,フォノンの散乱
が少ないため,熱伝導度が高い。よって,上記性能指数
Zが低くなってしまう。このため,単結晶の状態にある
化合物も上記熱電素子としては不適当である。
【0008】本発明は,かかる問題点に鑑み,電気伝導
度が高く,優れた熱電素子を得ることができる,結晶配
向性セラミックス及びその製造方法を提供しようとする
ものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,K2 NiF4
構造の化学式A2 BO4 (ここにAはアルカリ元素,ア
ルカリ土類元素,希土類元素より選ばれる少なくとも1
種の元素,BはCuを除く少なくとも1種の遷移元素)
である化合物よりなり,結晶のc軸が一軸配向してお
り,ロットゲーリング(Lotgering)法による
配向度が20%以上であることを特徴とする結晶配向性
セラミックスにある。
【0010】上記化学式A2 BO4 において,Aはアル
カリ元素,アルカリ土類,希土類元素より選ばれる少な
くとも一種の元素である。上記Aの具体例としては,M
g,Ca,Sr,Ba,Y,La,Ce,Pr,Nd等
を挙げることができる。また,上記Aは,Ca,Sr,
La,Ce,Nd,Sm,Euより選ばれる少なくとも
一種であることがより好ましい。これにより上記結晶配
向性セラミックスを熱電素子として使用した場合に,高
い熱起電力を得ることができる。
【0011】次に,化学式A2 BO4 において,BはC
uを除く遷移元素より選ばれる少なくとも1種の元素で
ある。またBは,Cuを除く2種以上の遷移元素よりな
る固溶体としてもよい。上記Bの具体例としては,M
n,Cr,Co,Fe,Ni等を挙げることができる。
また,上記Bは,Mn,Crより選ばれる少なくとも一
種であることがより好ましい。これにより上記結晶配向
性セラミックスを熱電素子として使用した場合に,高い
熱起電力を得ることができる。なお,上記BとしてCu
は除外してあるが,これはCuを含んだ上記化合物は熱
起電力が低いため,Cuを含んだ上記化合物は熱電素子
の材料としては不向きであるからである。
【0012】また,上記A2 BO4 の結晶構造は,C面
方向に広がったABO3 で表されるペロブスカイト構造
の層とAOで表される岩塩構造の層がc軸方向に交互に
重なった構造となっており,この結晶におけるc軸とは
この層の広がり方向と垂直な方向である。
【0013】なお,上記化合物の具体例としては,(L
a,Sr)2 CrO4 ,(La,Sr)2 MnO4
(La,Sr)2 FeO4 ,(La,Ca)2 Mn
4 ,(Nd,Sr)2 MnO4 ,(La,Sr)
2 (Mn,Fe)O4 等を挙げることができる。ただ
し,Oは4からずれる場合もある。なお,(La,S
r)はLaxSr1-x を示す。
【0014】また,上記化合物はLotgering法
による配向度が20%以上である。上記配向度が20%
未満である場合には,本発明の効果を得ることができな
いおそれがある。
【0015】なお,上記Lotgering法につき,
以下に説明する。即ち,Lotgering法により得
られた結晶配向性セラミックスの配向度Q(HKL)
は,以下の数1により定義される。
【0016】
【数1】
【0017】ここに,I(HKL)は結晶配向性セラミ
ックスにおける結晶面(HKL)からのX線回折強度で
ある。一方,I0 (HKL)は,上記結晶配向性セラミ
ックスと同一組成であり,かつ無配向の多結晶セラミッ
クスにおける結晶面(HKL)からのX線回折強度であ
る。
【0018】また,Σ´I(HKL)はI(100),
I(200),I(300)等,結晶配向性セラミック
スにおける各配向結晶面からのX線回折強度の総和であ
る。一方,ΣI0 (hkl)は,上記無配向の多結晶セ
ラミックスにおける全ての結晶面(hkl)からのX線
回折強度の総和である。なお,Q(HKL)の値は無配
向の場合に0%,全ての結晶粒子が配向している場合に
100%となるよう規格化してある。
【0019】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明にかかる結晶配向性セラミックスにおいては,結晶
のc軸が一軸配向した状態にあり,かつLotgeri
ng法による配向度が20%以上である。ところで,K
2 NiF4 型構造の化学式A2 BO4 の化合物の結晶構
造は正方晶または擬正方晶であるが,電気伝導度は正方
晶または擬正方晶における2本のa軸により張られたC
面内方位で高く,c軸方位で低い。以上により,c軸配
向した状態にある結晶配向性セラミックスには,電気伝
導度の高い方向が存在する。
【0020】そして,熱電素子を熱電発電に使用する場
合,熱電素子を構成する物質の電気伝導度が高いほど,
熱電素子の優劣を決める性能指数Zは高くなる。
【0021】以上のように,本発明によれば,電気伝導
度が高く,優れた熱電素子を得ることができる,結晶配
向性セラミックスを提供することができる。
【0022】なお,上記結晶配向性セラミックスを製造
する方法については,以下の請求項2に示すごとく,原
料粉末として板状の結晶粒子を使用する方法がある。し
かし,原料粉末として,等軸状の結晶粒子,即ち球状等
の等方的でアスペクト比の小さい結晶粒子を用いても,
請求項3に示すごとく,加圧しながら加熱焼結する,い
わゆるホットフォージング法を用いれば請求項1を満た
す結晶配向性セラミックスを得ることができる。
【0023】次に,請求項2の発明は,K2 NiF4
構造の化学式A2 BO4 (ここにAはアルカリ元素,ア
ルカリ土類元素,希土類元素より選ばれる少なくとも1
種の元素,BはCuを除く少なくとも1種の遷移元素)
である化合物よりなり,結晶のc軸が一軸配向してお
り,ロットゲーリング(Lotgering)法による
配向度が20%以上である結晶配向性セラミックスを製
造するに当たり,板状の結晶粒子よりなり,上記結晶配
向性セラミックスを得るための原料粉末を成形すると共
に配向させ,配向成形体となす第一工程と,上記配向成
形体を熱処理することにより緻密化させる第二工程とよ
りなることを特徴とする結晶配向性セラミックスの製造
方法にある。
【0024】上記原料粉末について説明する。上記原料
粉末は得ようとする結晶配向性セラミックスと同一組成
のK2 NiF4 型構造の化学式A2 BO4 である化合物
よりなる板状の結晶粒子である。上記板状の結晶粒子は
単結晶の状態にあり,図1(a)に示すごとく,各結晶
粒子10は広がり面の長手方向の寸法を厚みで割った
値,いわゆるアスペクト比の大きい形状を有している。
【0025】上記アスペクト比は大きいほど好ましく,
3以上であることがより好ましい。これにより,より配
向度の高い結晶配向性セラミックスを得ることができ
る。また,上記アスペクト比が特に5以上である場合に
は,更に高い配向度を有する結晶配向性セラミックスを
得ることができる。
【0026】次に,上記原料粉末は,液相または気相中
での合成により得ることができる。特にアスペクト比の
高い原料粉末を得るためには,高温の融液中で合成する
フラックス法(自己フラックス法を含む),水熱法,過
飽和溶液中における析出を利用して合成することが好ま
しい。
【0027】このような合成方法を利用することによ
り,上記結晶粒子は,図1(a)に示すごとく,その厚
み方向が結晶のc軸となる。そして,上記結晶粒子の広
がり面が擬正方晶の2本のa軸により張られたC面より
構成される。これは,上記化合物の結晶の結合エネルギ
ーの異方性によるものである。
【0028】また,上記熱処理については,いわゆる常
圧焼結を利用することができる。その他,温度は120
0℃以上,雰囲気は酸素を含んだ雰囲気,時間は少なく
とも30分という条件にて上記熱処理を行うことができ
る。
【0029】上記製造方法の作用効果につき説明する。
上記製造方法においては,板状の結晶粒子よりなる原料
粉末を用いて,これを成形・配向させることにより配向
成形体とし,これを熱処理し,結晶配向性セラミックス
となす。これにより,ホットプレス,ホットフォージ等
の熱間成形法を利用せずとも,得られた配向成形体を単
なる熱処理,即ち常圧焼結することにより結晶配向性セ
ラミックスを得ることができる。よって,結晶配向性セ
ラミックスをより容易に製造することができる。
【0030】次に,上記第一工程にかかる原料粉末を成
形すると共に配向させる手段は,一軸成形法,押出法,
ドクターブレード法または圧延法であることが好まし
い。これにより,板状粒子の広がり面(平坦面)がほぼ
平行にそろう配向成形が実現する。
【0031】次に,請求項3の発明は,K2 NiF4
構造の化学式A2 BO4 (ここにAはアルカリ元素,ア
ルカリ土類元素,希土類元素より選ばれる少なくとも1
種の元素,BはCuを除く少なくとも1種の遷移元素)
である化合物よりなり,結晶のc軸が一軸配向してお
り,ロットゲーリング(Lotgering)法による
配向度が20%以上である結晶配向性セラミックスを製
造するに当たり,上記結晶配向性セラミックスを得るた
めの原料粉末を一軸加圧すると共に熱処理することによ
り,配向成形体となすと共に緻密化させることを特徴と
する結晶配向性セラミックスの製造方法にある。
【0032】上記原料粉末は,得ようとする結晶配向性
セラミックスと同一組成のK2 NiF4 型構造の化学式
2 BO4 である化合物よりなる粉末であり,板状粒子
でも良いが,等軸状の結晶粒子でも良い。すなわち,球
状等の等方向でアスペクト比の小さい結晶粒子を用いる
ことができる。上記原料粉末は,液相だけでなく,気相
中での合成,また通常の固相合成法によっても得ること
ができる。
【0033】次に,上記一軸加圧と熱処理とは同時に行
う。この2つの処理を同時に行うことにより,結晶のc
軸が一軸配向し,Lotgering法による配向度2
0%以上となる。この処理は,いわゆるホットフォージ
ング法の一種である。上記一軸加圧の圧力としては,1
MPa以上とするのが望ましく,また,熱処理の条件と
しては,1000℃以上で,少なくとも15分の条件が
望ましい。
【0034】上記製造方法の作用効果につき説明する。
上記製造方法においては,原料粉末を一軸加圧すると共
に熱処理することにより,結晶配向性セラミックスとな
す。高温におけるすべり面がC面であるため,一軸加圧
により,結晶のc軸が一軸配向し,その配向と同時に熱
処理により緻密化するため,結晶のc軸の一軸配向が固
定される。そのため,結晶のc軸が一軸配向し,Lot
gering法による配向度が20%以上となる。よっ
て,結晶配向性セラミックスを容易に製造することがで
きる。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本例は本発明にかかる結晶配向性セラミックスよりなる
試料1と,これと同じ組成(化学式)を有するが,無配
向の多結晶セラミックスよりなる比較試料C1とについ
て,図1を用いて説明するものである。
【0036】上記試料1にかかる結晶配向性セラミック
スは,K2 NiF4 型構造のLa0.8 Sr1.2 MnO4
である化合物よりなり,結晶のc軸が一軸配向してお
り,Lotgering法による配向度が20%以上で
ある。また,上記比較試料C1にかかる無配向の多結晶
セラミックスも,K2 NiF4 型構造のLa0.8 Sr
1.2 MnO4 である化合物よりなる。
【0037】上記試料1の製造につき説明する。まず,
原料粉末として,La0.8 Sr1.2 MnO4 よりなり,
かつ図1(a)に示すごとき,各結晶粒子10の広がり
面11にかかる長手方向の寸法を厚みで割った値である
アスペクト比を粉末全体で平均した,平均アスペクト比
が6である板状の結晶粒子を準備した。
【0038】上記原料粉末を一軸加圧成形し,配向成形
体を得た(第一工程)。この配向成形体を酸素雰囲気
中,1400℃,4時間で熱処理を行った。続いて,窒
素雰囲気,1400℃,12時間で熱処理を行った(第
二工程)。以上により,図1(b)に示すごとき,シー
ト状の焼結体である結晶配向性セラミックス1を得,こ
れが試料1となる。
【0039】上記試料1のLotgering法による
C面の配向度は45%であった。また,試料1の,図1
(b)に示すごとく,シート面12に平行な方向の室温
における電気伝導度は2.6/Ωcmであった。
【0040】次に,上記比較試料C1の製造につき説明
する。まず,原料粉末として,等軸状の結晶粒子よりな
るLa0.8 Sr1.2 MnO4を準備した。上記原料粉末
を一軸加圧成形し,配向成形体を得た。この配向成形体
を酸素雰囲気中,1400℃,4時間で熱処理を行っ
た。続いて,窒素雰囲気,1400℃,12時間で熱処
理を行った。以上によりシートよりやや厚めの板状また
はプレート状の焼結体を得,これが比較試料C1とな
る。
【0041】このようにして得られた比較試料C1は無
配向の多結晶セラミックスであった。そして,その室温
における電気伝導度(4端子法によりバルク値を測定し
たもの)は0.4/Ωcmであった。
【0042】よって,図1(a),(b)に示すごと
く,本発明にかかる試料1の結晶配向性セラミックス1
はシート状の焼結体であり,そのシート面12に対し
て,結晶のC面により形成された結晶粒子10の広がり
面11の多くが平行となる状態にある。従って上記シー
ト面12の電気伝導度が高く,このため試料1を用いて
作成した熱電素子は,従来技術において説明したごとく
高い性能指数Zを有することが分かった。以上により,
本発明にかかる試料1より優れた熱電素子を得ることが
できることが分かった。
【0043】実施形態例2 本例も本発明にかかる結晶配向性セラミックスよりなる
試料2と,これと同じ組成(化学式)を有するが,無配
向の多結晶セラミックスよりなる比較試料C2とについ
て説明するものである。なお,上記試料2及び比較試料
C2は共にLa0.8 Sr1.2 MnO4 よりなる。
【0044】上記試料2の製造につき説明する。まず,
原料粉末として,La0.8 Sr1.2 MnO4 よりなり,
平均アスペクト比4である板状の結晶粒子を準備した。
上記原料粉末をドクターブレードにて成形し,配向成形
体を得た。この配向成形体を積層し,その後双ローラー
にて圧延,積層体を得た。この積層体を,窒素雰囲気,
1500℃,12時間で熱処理を行った。以上によりシ
ート状の焼結体を得,これが試料2となる。
【0045】上記試料2のLotgering法による
C面の配向度は29%であった。また,試料2のシート
面に平行な方向の室温における電気伝導度は68/Ωc
mであった。
【0046】次に,上記比較試料C2の製造につき説明
する。まず,原料粉末として,La0.8 Sr1.2 MnO
4 よりなる等軸状の結晶粒子(ほぼ球状)を準備した。
上記原料粉末をドクターブレードにて成形し,配向成形
体を得た。この配向成形体を,窒素雰囲気,1500
℃,12時間で熱処理を行った。以上によりシート状の
焼結体を得,これが比較試料C2となる。
【0047】このようにして得られた比較試料C2は無
配向の多結晶セラミックスであった。そして,そのシー
ト面に平行な方向の室温における電気伝導度は3.8/
Ωcmであった。よって,本発明にかかる試料2は電気
伝導度が高いことが分かった。以上により,本発明にか
かる試料2より優れた熱電素子を得ることができること
が分かった。
【0048】実施形態例3 本例も本発明にかかる結晶配向性セラミックスよりなる
試料3と,これと同じ化学式を有するが,無配向の多結
晶セラミックスよりなる比較試料C3とについて説明す
るものである。なお,上記試料3及び比較試料C3は共
にLa0.7 Sr1.3 FeO4 よりなる。
【0049】上記試料3の製造につき説明する。まず,
原料粉末として,La0.7 Sr1.3 FeO4 よりなる等
軸状の結晶粒子を準備した。上記原料粉末を20MPa
の一軸加圧を加えながら,酸素雰囲気,1200℃,3
0分でホットフォージングを行った。その後,窒素雰囲
気,1200℃,12時間の熱処理を行った。以上によ
りシート状の焼結体を得,これが試料3となる。
【0050】上記試料3のLotgering法による
C面配向度は,シート面の中央部分で63%,周辺部分
で20〜40%であった。また,試料3のシート面に平
行な方向の室温における電気伝導度は11/Ωcmであ
った。
【0051】次に,上記比較試料C3の製造につき説明
する。まず,原料粉末として,La0.7 Sr1.3 FeO
4 よりなる等軸状の結晶粒子を準備した。上記原料粉末
を一軸加圧成形し,配向成形体を得た。この配向成形体
を酸素雰囲気中,1200℃,4時間で熱処理を行っ
た。続いて,窒素雰囲気,1200℃,12時間で熱処
理を行った。以上により板状の焼結体を得,これが比較
試料C3となる。
【0052】このようにして得られた比較試料C3は無
配向の多結晶セラミックスであった。そして,その室温
における電気伝導度(4端子法によりバルク値を測定し
たもの)は2.9/Ωcmであった。これにより,等軸
状の結晶粒子を用いても,本発明にかかる結晶配向性セ
ラミックスを得ることができることが分かった。
【0053】
【発明の効果】上記のごとく,本発明によれば,電気伝
導度が高く,優れた熱電素子を得ることができる,結晶
配向性セラミックス及びその製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(a)結晶の各軸と結
晶粒子との関係を示す説明図,(b)結晶の各軸と結晶
配向性セラミックスとの関係を示す説明図。
【符号の説明】
1...結晶配向性セラミックス, 10...結晶粒子,

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 K2 NiF4 型構造の化学式A2 BO4
    (ここにAはアルカリ元素,アルカリ土類元素,希土類
    元素より選ばれる少なくとも1種の元素,BはCuを除
    く少なくとも1種の遷移元素)である化合物よりなり,
    結晶のc軸が一軸配向しており,ロットゲーリング(L
    otgering)法による配向度が20%以上である
    ことを特徴とする結晶配向性セラミックス。
  2. 【請求項2】 K2 NiF4 型構造の化学式A2 BO4
    (ここにAはアルカリ元素,アルカリ土類元素,希土類
    元素より選ばれる少なくとも1種の元素,BはCuを除
    く少なくとも1種の遷移元素)である化合物よりなり,
    結晶のc軸が一軸配向しており,ロットゲーリング(L
    otgering)法による配向度が20%以上である
    結晶配向性セラミックスを製造するに当たり,板状の結
    晶粒子よりなり,上記結晶配向性セラミックスを得るた
    めの原料粉末を成形すると共に配向させ,配向成形体と
    なす第一工程と,上記配向成形体を熱処理することによ
    り緻密化させる第二工程とよりなることを特徴とする結
    晶配向セラミックスの製造方法。
  3. 【請求項3】 K2 NiF4 型構造の化学式A2 BO4
    (ここにAはアルカリ元素,アルカリ土類元素,希土類
    元素より選ばれる少なくとも1種の元素,BはCuを除
    く少なくとも1種の遷移元素)である化合物よりなり,
    結晶のc軸が一軸配向しており,ロットゲーリング(L
    otgering)法による配向度が20%以上である
    結晶配向性セラミックスを製造するに当たり,上記結晶
    配向性セラミックスを得るための原料粉末を一軸加圧す
    ると共に熱処理することにより,配向成形体となすと共
    に緻密化させることを特徴とする結晶配向性セラミック
    スの製造方法。
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