JP3751764B2 - 複合酸化物焼結体およびその製造法、複合酸化物の薄膜の製造法、ならびに熱電変換素子 - Google Patents
複合酸化物焼結体およびその製造法、複合酸化物の薄膜の製造法、ならびに熱電変換素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3751764B2 JP3751764B2 JP06838199A JP6838199A JP3751764B2 JP 3751764 B2 JP3751764 B2 JP 3751764B2 JP 06838199 A JP06838199 A JP 06838199A JP 6838199 A JP6838199 A JP 6838199A JP 3751764 B2 JP3751764 B2 JP 3751764B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composite oxide
- crystal
- sintered body
- group
- oriented
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Compounds Of Iron (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電冷却素子や熱電発電素子に好適な酸化物系熱電発電材料、及び前記熱電発電材料を具備した熱電変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷蔵庫などの冷却機器にはフロンガスが使用されていた。しかしながら、フロンによるオゾン層破壊などの環境に対する問題が明らかになり、環境保護に対する意識の高揚から、それらを代替するペルチェ効果を利用した熱電冷却材料に関する関心が高まってきている。
【0003】
また同じく環境保護の観点から、二酸化炭素排出量を削減するために、これまで利用されなかった工場温排水や自動車からの排出ガスなどの廃熱エネルギーを使った発電システムに対する関心も高まっている。
【0004】
従来、室温付近で利用されている熱電冷却材料、または熱電発電材料は、効率の高さからBi-Te系の単結晶または多結晶体を使用したものが多かった。これらの材料を用いて熱電素子化するためには、p型、およびn型の材料が必要となる。このうちn型材料にはSeが添加されていることが多い。また、室温より高温で使用される熱電材料には、やはり効率の高さから、Pb-Te系が用いられることが多い。しかし、これらの素子に用いられているSe(セレン)、またはPb(鉛)は人体にとって有毒有害であり、また地球環境問題の観点からも好ましくないものである。さらに、これらの材料は高温条件下で使用したときに酸化されて、性能変化が起きやすいという問題も有している。このため、これまでBi-Te系、Pb-Te系の材料より高効率、かつ無害であり、さらに安定な材料が求められている。
【0005】
元素組成式NaxCo2O4-yで表される物質はJanseらによって、Z.Anorg.Allg.Chem. 408, 104(1974)に報告されている。この化合物は、図1に示したように、ブロンズ型の層状構造を有しており、稜を共有するCoO6八面体からなるCoO2シートがc軸方向に積み重なり、NaイオンがCoO2シート面間に占有率50%で存在している。特開平9-321346号公報、および、特開平10-256612号公報には、このNaxCo2O4-yの、Na、またはCoを別の元素で置換した元素組成式NapBl-p(CozAl-z)xOyで表される物質からなる熱電変換材料について記載されている。この材料は、液体窒素温度から400℃以上の広い温度範囲で高い熱電変換特性を有し、しかも、毒性もないものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、元素組成式NaxCo2O4-yで表される結晶や、これらのNa、またはCoを別の元素で置換した結晶では、導電率、熱伝導率、またはゼーベック係数に異方性が存在するのが普通である。たとえば、図1のような構造を有する結晶においては、稜を共有するCoO6八面体からなるCoO2シートの面内、すなわちa軸方向、には良好な導電性を有するのに反し、c軸方向には導電性に乏しい。
【0007】
このような異方性を有する結晶をあつめて熱電変換材料を作成しようとする場合、一般的にはこれらの結晶を集めて、圧縮などにより実用的な大きさのブロックを形成させる。このとき、前記した異方性を有する結晶の向きは、特別な操作を行わない限りランダムな向きとなる。
【0008】
一方、熱電変換材料の性能指数Zは(1)式で表される。
Z=α2σ/κ (1)
ここにαは熱電変換材料のゼーベック係数、σは熱電変換材料の導電率、κは熱電変換材料の熱伝導率である。Zは無次元数であり、この値が大きいほど、熱電材料としての特性に優れているといえる。(1)式から、ゼーベック係数αが同じでも、導電率が大きく、熱伝導率が小さい方が好ましいことがわかる。したがって、前記の結晶の向きがランダムである熱電変換材料、たとえば特開平9-321346号公報に記載されているような結晶の方向がそろっていない多結晶体、では、全体として導電率が小さくなり性能指数は小さくなってしまうのが一般的である。したがって、このような熱電変換材料では、充分な熱電変換性能が発揮されないという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]
<要旨>
本発明の複合酸化物集合体は、Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物の集合体であって、その酸化物結晶の結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向していること、を特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の複合酸化物焼結体の製造法は、Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる、複数の複合酸化物結晶を、その結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように配置し、さらに加圧焼結することにより一体化させる工程を含んでなること、を特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の複合酸化物の薄膜の製造法は、Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物の集合体をターゲットとし、スパッタリングにより、基板上に複合酸化物の結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように薄膜を形成させること、を特徴とするものである。
【0012】
さらに、本発明の熱電変換素子は、Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物からなるものであって、その酸化物結晶の結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向している複合酸化物集合体と、その複合酸化物集合体のc軸方向の両端に接合されている電極とを具備してなること、を特徴とするものである。
【0013】
<効果>
本発明によれば、熱電変換効率が高く、有害な元素を含有しないために安全であり、安価であり、さらに安定な熱電変換材料として用いることのできる複合酸化物集合体が提供される。
【0014】
また、本発明の製造法によれば、熱電変換材料に適当な複合酸化物集合体を製造することができる。
【0015】
[発明の具体的説明]
<複合酸化物集合体>
本発明の複合酸化物集合体は、Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物の集合体に関するものである。そして、本発明の特徴は、特性に異方性を有する複合酸化物で構成される材料において、その結晶方位をそろえることにより、性能を向上させようとするものである。なお、本発明において、複合酸化物は上記の化学種からなるものをすべて包含するものであるが、取り扱い性やコストの点から、NaCo2O4が特に好ましい。
【0016】
結晶方位が最もそろっていると考えられるもののひとつは単結晶である。すなわち、本発明において、「複合酸化物集合体」という用語は、後述するより小さな結晶を集積したもののほかに、複合酸化物の単結晶をも包含するものとする。複合酸化物の単結晶の製造は、一般的な結晶成長法を用いて、各種の条件を調整することにより行うことができる。結晶を成長させる環境相としては、固相、液相、および気相があげられるが、気相または液相で結晶成長させることが好ましい。また、成長条件は、温度、圧力、濃度、およびその他の条件を調整することができる。
【0017】
しかし、Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物の単結晶を結晶成長により製造する場合、小さな結晶を製造する方が容易である。単結晶の大きさが不十分である場合、単結晶をそのまま熱変換材料として用いることは困難である。
【0018】
このように得られる単結晶が十分に大きくない場合、小さな単結晶を集めて成形することにより本発明の効果を得ることができる。その一つの方法としては、結晶の方位をそろえてから焼結して配向積層焼結体にするものである。また別の方法として、基板上に、結晶のc軸が基板に垂直に配向するように結晶を生成させて配向性薄膜にする方法もあげられる。これらの方法は、大きな単結晶を形成させる方法よりも容易であり、実際の製造プラントの設計や運用などの点でコストが安価になりやすいので好ましいものである。
【0019】
これらの複合酸化物集合体の用途は特に限定されないが、特に熱電変換材料として用いることが好ましい。この場合、複合酸化物集合体の大きさは、直方体であり、厚さ方向に温度差を印加する場合、一般に0.1mm×0.1mm〜10mm×10mm、厚さ0.01×10mmである。熱電変換材料においては厚さは厚すぎると電気抵抗が大きくなり、薄すぎると温度差がつきにくいので注意が必要である。また、より大きな集合体を製造し、それを切断などによって適当な大きさとして用いることもできる。
【0020】
本発明の複合酸化物集合体は、構成する結晶の結晶方位が揃っていることを特徴とする。結晶方位が全くランダムである集合体に対して、結晶方位が少しでも揃っていれば、本発明の効果を得ることができるが、その度合いが大きいほど優れた効果を得ることができる。結晶の配向の度合いはX線回折のロッキングカーブの半値幅で評価することができる。単色X線を結晶試料に照射し、ブラッグ条件を満たす方位付近で結晶を回転させると強度分布曲線を得ることができる。この強度分布曲線の半値幅が小さいほど配向性が良好であるといえる。本発明の複合酸化物集合体においては、この方法により測定される(002)面ピークの半値幅が25度以下であることが好ましく、20度以下であることがより好ましい。
【0021】
本発明の複合酸化物集合体は、実質的に前記の複合酸化物のみからなることが好ましいが、必要に応じて、任意の物質を混合することができる。このような物質としては、前記の比較的小さな単結晶の隙間に充填する物質があげられる。しかし、このような物質を添加する場合には、本発明の効果を損なわないように、たとえば導電性が高く、熱伝導性が低いものが好ましい。このような本発明の複合酸化物集合体は、前記の性能指数Zが30℃で、一般に3×10-3以上、好ましくは5×10-3以上、を示す。
【0022】
<複合酸化物焼成体の製造法>
本発明の複合酸化物集合体のひとつの形態として、結晶の方位をそろえてから焼結することにより製造される、配向積層された焼結体がある。このような焼結体は、Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属(以下、アルカリ金属という)と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属(以下、遷移金属という)と、酸素とを含んでなる、複数の複合酸化物結晶を、その結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように配置し、さらに加圧および加熱することにより一体化させる工程を含んでなる方法により製造することができる。
【0023】
この製造法を具体的に説明すれば以下の通りである。
まず、積層するための複合酸化物結晶を作成する。この結晶は以下に説明するようにフラックス中で合成することができる。
【0024】
原料粉のうちアルカリ金属成分としては、不純物として残り得る金属などを含まなければ任意のアルカリ金属化合物を用いることができる。たとえば、アルカリ金属がナトリウムである場合、特にNa2O、Na2O2、NaHCO3、NaHNH4、Na2CO3、およびその他が好ましい。また遷移金属成分としても、不純物として残り得る金属などを含まなければ任意の遷移金属化合物を用いることができる。たとえば、遷移金属がコバルトの場合、特に、CoO、Co3O4、およびその他が好ましい。これらアルカリ金属成分と遷移金属成分の混合比は、遷移金属原子のモル数2に対してアルカリ金属原子のモル数が1.2〜1.7の範囲となるように混合するのが好ましい。化学量論的な比の1.0よりも過剰にするのは、反応中アルカリ金属が消失するためである。アルカリ金属成分はどれも吸湿性に富む化合物であるので、混合前に100℃以上で乾燥しておくことが好ましい。
【0025】
フラックスには、目的とする複合酸化物を構成する元素、および複合酸化物の結晶中に取り込まれにくい元素からなるものを用いることが好ましい。たとえば、NaCo2O4を製造しようとする場合には、NaClまたはNaFのいずれか、または両者を混合したものが好ましい。これらのフラックス成分も吸湿性に富むため、混合前に100℃以上で乾燥しておくことが好ましい。
【0026】
これらのアルカリ金属、遷移金属、およびフラックスを混合した後、結晶を汚染することが少ない容器、たとえば純度95%以上のアルミナルツボ、に入れる。このとき、生成する結晶を汚染するおそれのある容器を用いると結晶中に不純物が取り込まれて所望の性能を発揮しなかったり、低純度のアルミナルツボを用いた場合には助剤成分がフラックスで腐食されたりすることがあるため好ましくない。
【0027】
複合酸化物のうち、NaCo2O4の生成反応は、たとえば次式(2)で表される。
Na2CO3 + (4/3)Co3O4 + (5/6)O2 → 2NaCo2O4 + CO2↑ (2)
【0028】
この反応には酸素が必要である。従って、反応させる際には空気または酸素雰囲気中で行うことが好ましい。反応は、少なくともフラックスの融点以上で一定時間保持することが必須であり、融点より100〜300℃以上で行うことが好ましい。この温度範囲より低いと、アルカリ金属成分、遷移金属成分がフラックスに充分溶解しないために反応が進まなかったり、また、大きなNaCo2O4結晶を得ることができないことがある。一方、この温度範囲以上になると、NaCo2O4結晶が分解を始め、さらにフラックス成分の分解消失が起こることがあるため好ましくない。大きな結晶を得るためには、保持の後徐冷する事が必須である。冷却速度は、フラックスの融点温度まで、20℃/分以下にすることが好ましい。融点温度以下では、急冷しても問題が起こることが少ないので任意の冷却速度に冷却することができる。
【0029】
このような方法によれば、1mm以上の大きさを有する薄片状の複合酸化物結晶を得ることができる。ただし、反応直後の反応系内にはフラックス成分、未反応のアルカリ金属成分、および遷移金属成分も存している。このうち、フラックス成分、アルカリ金属成分は、一般に水に可溶であるため、水洗することで除去できる。また遷移金属成分(遷移金属の酸化物)は粒成長せず微粉のまま残るため、水洗した後残差を乾燥してから篩い分けすることにより除去することができる。
【0030】
得られる複合酸化物結晶は完全な単結晶のみではなく、いくつかの単結晶が合わせて生成された双晶結晶も含むことがあるが、本発明の積層構造焼結体を製造する際には問題にならない。
【0031】
次に、この複合酸化物結晶を金型に入れ成形する。成形時に加圧することができるが、圧力は100MPa以上であることが好ましい。またより配向性を向上させるためには、金型内に複合酸化物結晶を配向が揃うように配列させてから成形することが好ましい。配列させる方法は任意であるが、結晶を入れた金型を振とうする方法などがあげられる。
【0032】
次いで、得られた成形体を六方晶窒化ホウ素製モールドに入れ、加圧焼結を行う。焼成雰囲気は空気中、または酸素中であることが好ましい。しかし一般に加圧焼結はカーボンモールドを使用し不活性ガス雰囲気中で行われることが多いが、複合酸化物の場合は、高温還元雰囲気中では分解されてしまうことがあるため好ましくない。
【0033】
なお、カーボンモールドを使用し、不活性ガス雰囲気中で焼成する場合には以下の方法で実施することが可能である。上記積層成形体を作成した金型より大きな径の金型に、複合酸化物結晶(これは後述する微粉末結晶であってもよい)を入れる。この上に上記方法で得られた積層成形体を入れ、その上にさらに複合酸化物結晶を入れ、50MPa以上の圧力で成形する。この成形体をカーボンモールドに入れ、不活性ガス中で加圧焼結を行うと積層成形体は還元雰囲気から遮断されるため分解することなく積層焼結体を得ることが可能になる。
【0034】
加圧焼結は700〜1000℃の温度範囲で行うことが好ましい。この温度範囲以下では、充分に徹密化しないことがある。一方この範囲以上になると複合酸化物成形体が融解してしまったり、六方晶窒化ホウ素製モールドが酸化性雰囲気中で酸化されてしまうことがあるので好ましくない。加圧は10MPa以上で行うことが好ましい。これ以下では、充分に徹密化した積層焼結体を得ることができないことがある。
【0035】
このようにして作成された結晶が配向した積層焼結体は、結晶方位がそろっているため、積層方向と平行方向での導電率、およびゼーベック係数が大きく、熱伝導率が小さくなるため優れた熱電変換特性を発揮することができる。
【0036】
<複合酸化物薄膜の製造法>
本発明の複合酸化物のもうひとつの形態として、結晶配向性複合酸化物薄膜がある。これは基板上に複合酸化物の薄膜を形成しており、その結晶の配向がそろっているものである。
【0037】
このようなの複合酸化物の薄膜の製造法は、アルカリ金属と、遷移金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物の集合体をターゲットとし、スパッタリングにより、基板上に複合酸化物の結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように薄膜を形成させることにより製造することができる。
【0038】
この薄膜の製造法を具体的に説明すると以下の通りである。
まず、ターゲット用焼結体を作成する。ターゲット用焼結体は複合酸化物結晶を焼成することによって得ることができる。この製造法において、複合酸化物は任意の形状のものを用いることができるが、たとえば以下のようにして作成する。
【0039】
原料には焼結体の製造法の項において述べたアルカリ金属成分および遷移金属成分を用いることができる。これらの混合比も、遷移金属原子のモル数2に対して、アルカリ金属のモル数が1.2〜1.7の範囲で混合するのが好ましい。化学量論的な比の1.0よりも過剰にするのは、反応中Naが消失することがあるためである。
【0040】
アルカリ金属成分、遷移金属成分を混合した後、結晶を汚染することが少ない容器、たとえば純度95%以上のアルミナルツボ、に入れて、加熱することにより複合酸化物を生成させる。
【0041】
複合酸化物の生成反応には前述したように酸素が必要である。従って、反応させる際には空気または酸素雰囲気中で行うことが好ましい。また上記混合粉末を成形することは、反応中に充分な酸素が供給されなくなるので好ましくない。反応は、700〜1000℃の範囲内で行うことが好ましい。温度がこの範囲より低いと、反応が進まないことがある。一方、温度がこの範囲以上になると、アルカリ金属成分の蒸発が著しく好ましくない。
【0042】
このようにして、粒径が0.1mm以下の複合酸化物の粉末状結晶を得ることができる。前述したようにアルカリ金属成分を過剰に添加してあるため、反応系には未反応のアルカリ金属成分が残存することがある。この場合、アルカリ金属成分は前記と同様に、水洗した後残渣を乾燥することで除去することができる。
【0043】
次に、この複合酸化物結晶を金型に入れ成形する。圧力は50MPa以上であることが好ましい。得られた成形体を六方晶窒化ホウ素製モールドに入れ、加圧焼結を行う。焼成雰囲気は空気、または酸素中であることが好ましい。しかし一般に加圧焼結はカーボンモールドを使用し不活性ガス雰囲気中で行われることが多いが、複合酸化物は、高温還元雰囲気中では分解されてしまうことがあるため好ましくない。加圧焼結は700〜1000℃の温度範囲で行うことが好ましい。温度がこの範囲以下では充分に緻密化しないことがある。一方温度がこの範囲以上になると複合酸化物成形体が融解してしまったり、六方晶窒化ホウ素製モールドが酸化性雰囲気中で酸化されてしまうことがあり好ましくない。加圧は10MPa以上で行うことが好ましい。これ以下では、充分に徹密化した焼結体を得ることはできないことがある。
【0044】
焼結後、焼結体表面に遷移金属の酸化物(たとえばCoOやCo3O4)が生成している場合には、研削して除去することが好ましい。この後、焼結体の片面にたとえば銅製のバッキングプレートを接合しスパッタリングターゲットにする。スパッタリングは直流スパッタ法、交流スパッタ法のいずれでもかまわない。ただし堆積速度を向上させ効率的に薄膜を生成させるためには、高周波マグネトロンスパッタリング法が好ましい。
【0045】
スパッタ法により、基板上に複合酸化物薄膜を形成させるが、用いる基板は熱伝導性が低いことが要求される。基板の熱伝導率が高いと熱が基板を通して流れてしまい、熱電性薄膜の両端に充分な温度差ができず性能を発揮しないことがあるからである。したがって、無機材料(たとえばガラス、サファイア、およびその他)、樹脂材料などが基板として好ましく、Siウエハーなどの金属製基板は適さない。また、本発明の複合酸化物集合体、たとえばNaCo2O4、は600℃付近まで優れた熱電性能を有する。したがって約600℃までの高温に附されるような用途に本発明の複合酸化物薄膜を用いる場合には、高温に耐え得る無機材料を用いることが好ましい。一方、比較的低温、たとえば200℃以下、での用途を目的とする場合には、コストなどの点から樹脂基板を用いることが好ましいこともある。
【0046】
チャンバー内に、前記ターゲット、および前記基板を取り付ける。チャンバー内を10-2Pa以下程度に真空排気を行う。その後、10-1〜10-5Pa程度のガス雰囲気になるようにチャンバー内の圧力を調整する。圧力調整に用いられる気体としては、通常、希ガス、たとえばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノン、であればいずれでも良い。さらに、酸素ガスを雰囲気中に添加することは生成する複合酸化物薄膜中に遷移金属酸化物が生成するのを防止することに有効である。
【0047】
このようなスパッタ法により、図1に記載されたc軸が基板に垂直に配向した、配向性薄膜を製造することができる。
【0048】
<熱電変換素子>
本発明の複合酸化物集合体は、優れた熱電変換特性を有するものであり、熱電変換素子の材料として用いることができる。
【0049】
複合酸化物集合体を熱電変換素子とするには、複合酸化物集合体を必要に応じて切断などにより大きさを調整したあと、そのc軸方向の両端に電極を設ければよい。本発明の複合酸化物集合体は、結晶方位がそろっているため、結晶のa軸方向での導電率、ゼーベック係数が大きく、c軸方向での伝導率が小さくなるため優れた熱電特性を発揮することができる。従って、このようにして製造された本発明の熱電変換素子は、複合酸化物集合体のa軸方向に温度差を与えることにより、両電極間に電位差が発生しする。
【0050】
本発明の複合酸化物集合体は、高温にも耐え得るものであり、これを用いた熱電変換素子は、工場温排水や自動車の排気ガスなどの広範な熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができるものである。
【0051】
【実施例】
本発明の好ましい例を詳細に説明すると以下の通りである。
【0052】
実施例1
原料粉には、Na2CO3、Co3O4を使用した。これらの原料粉をNa:Coのモル比が2:3になるように混合した。さらにNa2CO3:NaClのモル比が1:5になるようにフラックスとなるNaClを混合し、これを純度99%以上のアルミナルツボに入れる。後の熱処理中に、NaClフラックスの蒸発を防ぐため、ルツボには純度99%以上のアルミナ製の蓋をした。このルツボを電気炉に入れ炉内に酸素ガスを流した。1050℃まで100℃/時間で昇温し、1050℃で20時間保持し、その後、850℃まで2℃/時間で温度を下げ、さらに室温まで炉内で冷却させた。
【0053】
ルツボから内容物を出し、NaCl、未反応のNa2CO3を水洗処理して除去した。残渣を120℃で乾燥させた後、目開き0.5mmの篩で篩い分けし、平均径約5mm、平均厚さ20μm程度のNaCo2O4結晶を得た。次に、このNaCo2O4結晶0.35gを直径10mmの金型に入れ圧力10MPaで成形した。得られた成形体を内径10mmの六方晶窒化ホウ素製モールドに入れ、圧力20MPa、温度850℃、空気雰囲気中で加圧焼結を行うことで、直径10mm、厚さ1mmの結晶配向積層焼結体を得た。この配向性多結晶焼結体の断面の微細構造を観察した。図2に断面の模式図を示す。観察された断面の微細構造より本発明による焼結体はきわめて良好に結晶が配向した焼結体であることがわかった。
【0054】
得られた焼結体について、さらに以下の評価を行った。
(1)抵抗率
焼結体を切断して、10×10×1mmの板状試料を得た。これの4つ角部に電極を形成させ、ファンデアポア法により抵抗率を測定した。
(2)ゼーベック係数
焼結体を切断し、10×1×1mmの棒状試料を得た。この試料の両端に温度差を付け起電力を測定し、その値からゼーベック係数を算出した。
(3)熱伝導率
まず、レーザーフラッシュ法により熱拡散率を測定した。次にこれとは別にDSC測定により比熱を求めた。これらより熱伝導率を算出した。
以上の評価を行った結果、抵抗率は1.1×10-4Ωcm、ゼーベック係数93μV/K、熱伝導率1.5W/Kであった。以上の値より求められる性能指数Zは5.2×10-3であった。
【0055】
比較例1
原料粉として、Na2CO3、Co3O4を使用した。Na:Coのモル比が2:3になるように混合し、純度99%以上のアルミナルツボに入れ、純度99%以上のアルミナ製の蓋をした。
【0056】
このルツボを電気炉に入れ炉内に酸素ガスを流した。950℃まで100℃/時間で昇温し、950℃で20時間保持、その後、炉内で室温まで炉冷した。ルツボから内容物を取り出した後、未反応のNa2CO3を水洗処理して除去、乾燥してNaCo2O4粉末を得た。
【0057】
次に、このNaCo2O4粉末0.35gを直径10mmの金型に入れ圧力100MPaで成形した。得られた成形体を内径10mmの六方晶窒化ホウ素製モールドに入れ、圧力20MPa、温度850℃、空気雰囲気中で加圧焼結を行うことで、直径10mm、厚さ1mmの焼結体を得た。この焼結体の断面の微細構造を観察したところ、結晶の配列はランダムであった。図3に断面の模式図を示す。
【0058】
得られた焼結体に対して、実施例1と同様の評価を行った。その結果、抵抗率は2.0×10-3Ωcm、ゼーベック係数は150μV/K、熱伝導率は1.4W/Kであった。以上の値より求められる性能指数Zは1.6×10-3であった。
【0059】
実施例2
原料粉として、Na2CO3、Co3O4を使用した。Na:Coのモル比が2:3になるように混合し、純度99%以上のアルミナルツボに入れ、純度99%以上のアルミナ製の蓋をした。
【0060】
このルツボを電気炉に入れ炉内に酸素ガスを流した。950℃まで100℃/時間で昇温し、950℃で20時間保持、その後、炉内で室温まで炉冷した。ルツボから内容物を取り出した後、未反応のNa2CO3を水洗処理して除去した後、乾燥してNaCo2O4粉末を得た。この粉末の粉末X線回折図は図4に示す通りであった。得られた粉末がNaCo3O4単相であることが図4からわかる。図4において各回折線に記載した数字は、ミラー指数である。
【0061】
次に、このNaCo2O4粉末200gを直径100mmの金型に入れ圧力100MPaで成形した。得られた成形体を内径100mmの六方晶窒化ホウ素製モールドに入れ、圧力20MPa、温度850℃、空気雰囲気中で加圧焼結を行うことで、直径100mm、厚さ5mmの焼結体を得た。焼結体の上下面を研削した後、銅製のバッキングプレートに低融点半田で接合しスパッタリングターゲットを得た。
【0062】
このターゲットを、高周波マグネトロンスパッタリング装置に取り付けた。基板には、厚さ0.1mm、25.4mm角のサファイアを使用した。チャンバー内を4×l0-4Paまで排気した後、チャンバー内にガスを導入する。雰囲気は、アルゴンガス分圧を0.2Pa、酸素ガス分圧を0.1Paとした。基盤を300℃に加熱し、出力500Wで30分間スパッタリングした。
【0063】
得られた薄膜は、厚さ2μmであった。この薄膜のX線回折図は図5に示す通りであった。図5からわかるように、認められた回折線は、(002)面、(004)面のみであり、薄膜を形成しているNaCo2O4がc軸配向していることがわかる。
この薄膜を基板ごと切断し、実施例1と同様に、抵抗率、およびゼーベック係数を測定した。その結果、抵抗率は1.0×10-4Ωcm、ゼーベック係数は97μv/Kであった。
【0064】
本例の試料は薄膜であるため、熱拡散率をレーザーフラッシュ法で測定することができないため、熱伝導率を求めることはできなかったが、熱伝導率が実施例1の積層焼結体と同じであると仮定すると、性能指数Zは6.2×10-3と見積もることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、熱電変換効率が高く、有害な元素を含有しないために安全であり、安価であり、さらに安定な熱電変換材料として用いることのできる複合酸化物集合体が提供されること、ならびに、熱電変換材料に適当な複合酸化物集合体を製造することができることは、[発明の概要]の項に前記したとおりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NaCo2O4の結晶構造を表す模式図。
【図2】実施例1の焼結体の断面模式図。
【図3】比較例1の焼結体の断面模式図。
【図4】実施例2で作成したNaCo2O4結晶の粉末X線回折図。
【図5】実施例2で作成した複合酸化物の粉末X線回折図。
【符号の説明】
1 ナトリウム原子
2 コバルト原子
3 酸素原子
4 c軸
5 a軸軸
Claims (7)
- Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる、複数の複合酸化物結晶を、その結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように配置し、さらに加圧焼結することにより一体化させることにより製造され、その酸化物結晶の結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向していることを特徴とする複合酸化物焼結体。
- 複合酸化物集合体の(002)面X先回折ロッキングカーブ半値幅が、25度以下である、請求項1に記載の複合酸化物焼結体。
- 複合酸化物が、NaCo2O4である、請求項1または2に記載の複合酸化物焼結体。
- Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる、複数の複合酸化物結晶を、その結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように配置し、さらに加圧焼結することにより一体化させる工程を含んでなることを特徴とする、複合酸化物焼結体の製造法。
- 加圧焼結を、温度範囲が700〜1000℃、圧力10MPa以上で行う、請求項4に記載の複合酸化物焼結体の製造法。
- Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物の集合体をターゲットとし、スパッタリングにより、基板上に複合酸化物の結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように薄膜を形成させることを特徴とする、複合酸化物の薄膜の製造法。
- Na、K、およびRbからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、Co、Fe、Ni、およびCuからなる群から選ばれる少なくとも1種類の金属と、酸素とを含んでなる複合酸化物を、その結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向するように配置し、さらに加圧焼結することにより一体化させることにより製造され、その酸化物結晶の結晶軸のうちc軸が実質的に同一の向きに配向している複合酸化物焼結体と、その複合酸化物焼結体のc軸方向の両端に接合されている電極とを具備してなること、を特徴とする熱電変換素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06838199A JP3751764B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 複合酸化物焼結体およびその製造法、複合酸化物の薄膜の製造法、ならびに熱電変換素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06838199A JP3751764B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 複合酸化物焼結体およびその製造法、複合酸化物の薄膜の製造法、ならびに熱電変換素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000269560A JP2000269560A (ja) | 2000-09-29 |
JP3751764B2 true JP3751764B2 (ja) | 2006-03-01 |
Family
ID=13372111
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06838199A Expired - Fee Related JP3751764B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 複合酸化物焼結体およびその製造法、複合酸化物の薄膜の製造法、ならびに熱電変換素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3751764B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4033281B2 (ja) | 2000-09-06 | 2008-01-16 | 日産自動車株式会社 | 制動装置 |
US6806218B2 (en) * | 2001-04-26 | 2004-10-19 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Grain oriented ceramics, thermoelectric conversion element and production process thereof |
WO2005083808A1 (ja) | 2004-03-01 | 2005-09-09 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 熱電変換デバイス、およびこれを用いた冷却方法および発電方法 |
JP4581782B2 (ja) * | 2005-03-25 | 2010-11-17 | パナソニック電工株式会社 | 熱電材料の製造方法 |
JP5176610B2 (ja) * | 2008-03-10 | 2013-04-03 | パナソニック株式会社 | 熱発電デバイス素子 |
KR101172802B1 (ko) | 2009-12-31 | 2012-08-09 | 한국전기연구원 | 도핑재 첨가에 의한 쌍정이 형성된 Te계 열전재료의 제조방법 및 그 열전재료 |
KR101631858B1 (ko) * | 2014-06-24 | 2016-06-20 | 한국전기연구원 | 침입형 도핑재 첨가에 의해 복합결정구조가 형성된 Te계 열전재료 |
CN111533176A (zh) * | 2020-03-24 | 2020-08-14 | 华东师范大学 | 一种层状碱金属钴氧化物晶体的制备方法 |
-
1999
- 1999-03-15 JP JP06838199A patent/JP3751764B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000269560A (ja) | 2000-09-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5480258B2 (ja) | 熱電材料およびカルコゲナイド化合物 | |
KR101087355B1 (ko) | 휴슬러 합금, 반-휴슬러 합금, 채워진 스커테루다이트계합금의 제조 방법, 및 이것을 사용하는 열전변환 시스템 | |
Kahraman et al. | Enhancement of mechanical and thermoelectric properties of Ca3Co4O9 by Ag addition | |
KR100419488B1 (ko) | 열전 변환 재료 및 그 제조 방법 | |
US20110120517A1 (en) | Synthesis of High-Efficiency Thermoelectric Materials | |
JP4808099B2 (ja) | カルシウム・コバルト層状酸化物単結晶からなる熱電材料の製造方法 | |
JP7137963B2 (ja) | 半導体焼結体、電気・電子部材、及び半導体焼結体の製造方法 | |
JP3751764B2 (ja) | 複合酸化物焼結体およびその製造法、複合酸化物の薄膜の製造法、ならびに熱電変換素子 | |
JP3867134B2 (ja) | 複合酸化物焼結体の製造方法 | |
JP3896479B2 (ja) | 複合酸化物焼結体の製造方法 | |
JP3896480B2 (ja) | 複合酸化物焼結体の製造方法 | |
JP4592209B2 (ja) | 結晶配向バルクZnO系焼結体材料の製造方法およびそれにより製造された熱電変換デバイス | |
JP3515478B2 (ja) | 熱電変換材料、熱電変換素子、熱電池及び冷却器 | |
WO2022059443A1 (ja) | 熱電材料、その製造方法、および、熱電発電素子 | |
JP3089301B1 (ja) | 熱電変換材料及び複合酸化物焼結体の製造方法 | |
JP2967154B2 (ja) | Agを含み結晶方位の揃った酸化物超電導体及びその製造方法 | |
JP4844043B2 (ja) | 熱電変換材料およびその製造方法 | |
CN113773074B (zh) | 一种钛酸锶镧基织构陶瓷、制备方法和热电转换元件 | |
JPH1072257A (ja) | 結晶配向性セラミックス及びその製造方法 | |
WO2021193481A1 (ja) | 熱電変換素子の製造方法 | |
Meng et al. | Thermoelectric properties of Y-doped Mg2Si prepared by field-activated and pressure-assisted reactive sintering | |
JP2007073640A (ja) | クラスレート化合物及びそれを用いた熱電変換素子 | |
Iyasara et al. | Thermoelectric Study of La2Ti2-xNbxO7 (0≤ x≤ 0.25) Ceramics | |
JP2020077801A (ja) | 熱電素子及びその製造方法 | |
Katsuyama et al. | Synthesis of Ca3Co4O9 ceramics by citric acid complex and hydrothermal hot-pressing processes and its thermoelectric properties |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20031217 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040611 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040810 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050816 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051017 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051202 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051208 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |