JP4844043B2 - 熱電変換材料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は熱電変換材料に関する。より詳しくは酸化物からなるn型の熱電変換材料に関する。
熱電変換発電とは、熱電変換材料に温度差を付けることにより熱起電力が発生するゼーベック効果を利用して、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することによる発電である。熱電変換発電は、地熱や焼却炉の熱などの排熱を熱エネルギーとして利用できることから、環境保全型の発電として期待されている。
熱電変換材料の、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効率(以下、「エネルギー変換効率」ということがある。)は、熱電変換材料の性能指数の値(Z)に依存する。性能指数の値(Z)は、熱電変換材料のゼーベック係数の値(α)、電気伝導度の値(σ)および熱伝導度の値(κ)を用いて、以下の式(1)で求まる値であり、この性能指数の値(Z)が大きい熱電変換材料ほど、エネルギー変換効率が良好な熱電変換材料とされている。
Z=α2×σ/κ (1)
熱電変換材料にはゼーベック係数が正の値であるp型熱電変換材料と、ゼーベック係数が負の値であるn型熱電変換材料とがある。通常、熱電変換発電には、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料とを電気的に直列に接続した熱電変換素子が使用される。熱電変換素子のエネルギー変換効率は、このp型熱電変換材料およびn型熱電変換材料の性能指数の値(Z)に依存する。エネルギー変換効率が良好な熱電変換素子を得るために、性能指数の値(Z)が大きいp型熱電変換材料およびn型熱電変換材料が求められている。
また、酸化物からなるn型熱電変換材料として、Zn0.98Al0.02Oからなる熱電変換材料(例えば、特許文献1参照。)やペロブスカイト型結晶構造を有するSrTiO3からなる熱電変換材料(例えば、特許文献2参照。)などが提案されている。
特開平8−186293号公報 特開平8−231223号公報
しかしながら、従来の酸化物からなるn型熱電変換材料においては、熱伝導度の値(κ)が十分ではなかった。本発明の目的は、酸化物からなるn型熱電変換材料で、熱伝導度の値(κ)がより小さい材料を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の熱電変換材料およびその製造方法を提供するものである。
<1>元素Mと鉄(Fe)と酸素(ただし、MはCa、Sr、Ba、Mg、Li、NaおよびKからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)とを含有する化合物であって、Feの少なくとも一部が2価のFeイオンであり、FeとMとのモル比(Fe/M)が2.5以上である化合物を含むことを特徴とする熱電変換材料。
<2>Feイオンの周囲の6個の酸素イオンが形成する八面体同士が、点および/または稜を共有して結合した層構造を有する前記の熱電変換材料。
<3>Feの全数に対する2価のFeイオンの数(2価のFeイオンの数/Feの全数)の百分率が10%以上である前記いずれかに記載の熱電変換材料。
<4>MFe35、M2Fe711、MFe46、M2Fe913およびMFe57(ただし、Mは前記と同じ意味を表す。)からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含む前記いずれかに記載の熱電変換材料。
<5>形状が焼結体であり、該焼結体の相対密度が80%以上である前記いずれかに記載の熱電変換材料。
<6>焼結体の表面を酸素不透過膜でコーティングしてなる前記の熱電変換材料。
<7>M(ただし、Mは前記と同じ意味を表す。)および鉄(Fe)を、Fe/Mのモル比で2.5以上の値となるように含有する金属化合物混合物を成形し、該成形体を不活性ガス雰囲気中または還元性雰囲気中において700℃以上1500℃以下の温度範囲の温度で保持して焼結することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
<8>M(ただし、Mは前記と同じ意味を表す。)および鉄(Fe)を、Fe/Mのモル比で2.5以上の値となるように含有する金属化合物混合物を不活性ガス雰囲気中または還元性雰囲気中において600℃以上1100℃以下の温度範囲の温度で保持して焼成し、得られた粉末を成形し、次いで該成形体を不活性ガス雰囲気中または還元性雰囲気中において900℃以上1500℃以下の温度範囲の温度で保持して焼結することを特徴とする熱電変換材料の製造方法。
本発明の熱電変換材料は、安価なFeを含有する酸化物からなるn型の熱電変換材料であり、熱伝導度の値(κ)がより小さく、性能指数の値(Z)が良好であり、本発明の熱電変換材料はエネルギー変換効率が良好であるため、本発明は工業的に極めて有用である。
本発明の熱電変換材料は、元素Mと鉄(Fe)と酸素(ただし、MはCa、Sr、Ba、Mg、Li、NaおよびKからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)とを含有する化合物であって、Feの少なくとも一部が2価のFeイオンとして化合物に含有され、FeとMとのモル比(Fe/M)が2.5以上である化合物を含むことを特徴とする。ここで、Fe/Mが2.5未満であると、熱伝導度の値が大きくなる傾向があり、好ましくない。また、ゼーベック係数と電気伝導度を大きくする意味で、Fe/Mは3.0以上であることが好ましい。Fe/Mの上限は通常は20程度であり、20を超えると性能指数の値(Z)が小さくなる傾向がある。また、Fe/Mは3.0以上6以下の値であることがさらにより好ましい。
電気伝導度を高くする意味で、本発明の熱電変換材料は、Feイオンおよびその周囲の6個の酸素原子が形成する八面体同士が点および/または稜を共有して結合した一次元鎖構造および/または層構造を有することが好ましく、該化合物の中でも該八面体同士が稜を共有して結合した層構造を有することがさらに好ましい。また、本発明の熱電変換材料の構造は、スピネル型の構造となることはない。
また、本発明の熱電変換材料は、MFe35、M2Fe711、MFe46、M2Fe913およびMFe57(ただし、Mは前記と同じ意味を表す。)からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含むことが好ましく、MFe35および/またはMFe46を含むことがより好ましい。
本発明の熱電変換材料は、Feの全数に対する2価のFeイオンの数(2価のFeイオンの数/Feの全数)の百分率が10%以上であることが好ましい。前記の百分率が少ないと、n型熱電変換材料の電気伝導度が低下することにより性能指数が低下する傾向がある。また、前記の百分率の上限は、すべてのFeが2価のFeイオンであってもよいが、70%以下であることがより好ましい。例えば、上述の化合物におけるこの百分率は、Mが2価のアルカリ土類金属イオンである場合に、MFe35においては33%であり、MFe46においては50%、MFe57においては60%である。また、使用温度が低い用途では、これらの結晶構造に酸素欠損を生じさせることにより、この百分率を制御することができる。
また、本発明の熱電変換材料は、上記の元素Mおよび/または鉄(Fe)の一部が、イオン半径および/または原子価の異なる元素で置換されてなってもよい。この置換により、本発明の熱電変換材料の電気伝導度を向上させたり、熱伝導度を低減させたりして、性能指数を向上させることもできる。
Mを置換する元素としては、具体的にはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、GaおよびInからなる群より選ばれる1種以上の元素が挙げられ、好ましくはYおよびLaが挙げられる。また、置換量としては、通常、M1モル中、0.001モル〜0.5モルである。
Feを置換する元素としては、具体的にはAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、NiおよびRuからなる群より選ばれる1種以上の元素が挙げられ、好ましくはAl、Ti、Sn、Zr、Mn、Niが挙げられる。また、置換量としては、通常、Fe1モル中、0.001モル〜0.5モルである。
なお、本発明における元素Mは好ましくはCa、Sr、Baであり、より好ましくはCaである。
また本発明の熱電変換材料は、主に粉体、焼結体、薄膜の形状で用いられ、特に、焼結体として用いられる。本発明の熱電変換材料を焼結体として用いる場合、その形及び寸法は、熱電変換素子として適切な形で用いることができる。具体的には、板状、円柱状、角状等、熱電変換素子として適切な形で用いることができる。
また本発明の熱電変換材料は、電気伝導度の値(σ)をより大きくする意味で、配向性の高い熱電変換材料であることが好ましい。配向性の高い熱電変換材料の形状としては、配向焼結体、単結晶等が挙げられる。
次に本発明の熱電変換材料を製造する方法について説明する。
本発明の熱電変換材料を焼結体の形状で用いる場合を例に挙げて、本発明の熱電変換材料を製造する方法について説明する。本発明の熱電変換材料は、焼結により本発明の熱電変換材料となる金属化合物混合物を焼結することにより製造することができ、すなわち、元素Mおよび鉄(Fe)をFe/Mのモル比で2.5以上となるように含有する金属化合物混合物を焼結することにより製造することができる。具体的には、対応する金属元素を含有する化合物を所定の組成となるように秤量し、混合した後に得られる金属化合物混合物を焼結することにより製造することができる。例えば、好ましい組成の一つであるCaFe35で表される化合物は、CaCO3とFe23をCa:Feのモル比が1:3となるように秤量し、混合した後に得られる金属化合物混合物を焼結することにより製造することができる。
前記の金属元素を含有する化合物としては、Ca、Sr、Ba、Mg、Li、Na、K、Feの金属元素を含有する化合物で、例えば、酸化物を用いるか、または水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、有機酸塩など、高温で分解および/または酸化して酸化物になる化合物が使用される。また該化合物の代わりに、前記の金属元素を含有する金属を用いてもよい。Feを含有する化合物としては、例えば、第一酸化鉄、第二酸化鉄、四三酸化鉄等が挙げられ、特に第二酸化鉄が好ましい。また、元素MがCa、Sr、BaおよびMgからなる群より選ばれる1種以上の元素である場合に、該金属元素を含有する化合物としては、炭酸塩、硫酸塩、水酸化物等が挙げられ、炭酸塩が好ましく用いられる。
前記金属元素を含有する化合物の混合は、乾式混合法、湿式混合法のいずれによってもよいが、金属元素を含有する化合物をより均一に混合できる方法によることが好ましく、この場合、混合装置としては、例えばボールミル、V型混合機、振動ミル、アトライター、ダイノーミル、ダイナミックミル等の装置が挙げられる。
前記金属化合物混合物を、組成にもよるが、例えば700℃以上1500℃以下の範囲の温度にて0.5〜48時間保持して焼結することにより、本発明の熱電変換材料を得ることができる。焼結の温度は、好ましくは900℃以上1200℃以下の範囲の温度であり、さらに好ましくは1000℃以上1150℃以下である。焼結温度が700℃未満では焼結し難く、熱電変換材料の組成によっては、電気伝導度の値(σ)が低下することがある。また、焼結温度が1500℃を超えるときは、熱電変換材料の組成によっては、異常粒成長や溶融することにより本発明の熱電変換材料の性能指数の値(Z)が低くなる場合がある。焼結の雰囲気としては、組成にもよるが、3価のFeイオンを2価のFeイオンに還元する場合には、真空中、不活性ガス雰囲気もしくは還元性雰囲気が挙げられる。また還元性雰囲気としては水素を含有する雰囲気が挙げられる。また、不活性ガス雰囲気としては、窒素雰囲気、希ガス雰囲気が挙げられる。
また、前記焼結の前に、金属化合物混合物を焼成することが好ましい。焼成して焼成品を製造することにより、前記金属化合物混合物に、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、有機酸塩など、高温で分解および/または酸化して酸化物になり得るものが含有されている場合、酸化物としたり、炭酸ガス、結晶水を除去することも可能であり、また、焼結時に得られる焼結体の組成の均一性、焼結体の構造の均一性を向上させたり、焼結体の変形を抑制することができる。
焼成の条件としては、組成にもよるが、例えば、金属化合物混合物に炭酸塩が含まれるものであれば、焼成温度は600℃以上1100℃以下の範囲の温度で行い、焼成雰囲気は不活性ガス雰囲気または還元性雰囲気、好ましくは還元性雰囲気で行い、焼成時間は0.5〜24時間で行う。また焼成品につき粉砕を行い粉砕品を製造することもできる。この粉砕は、例えばボールミル、振動ミル、アトライター、ダイノーミル、ダイナミックミル等の通常工業的に用いられている粉砕装置により行うことができる。また、焼結の前に焼成を行った場合には、焼結は不活性ガス雰囲気中または還元性雰囲気中、好ましくは不活性ガス雰囲気中において、900℃以上1500℃以下の範囲の温度で保持して行う。
また、前記焼結の前に、前記金属化合物混合物、前記焼成品または前記粉砕品について成形を行い、成形体を製造することが好ましい。また、この成形は前記粉砕品について行うことがより好ましい。また、成形および焼結を同時に行ってもよい。成形体は、板状、角状、円柱状等の熱電変換素子として適切な形となるように製造すればよく、成形方法としては、例えば、一軸プレス、冷間静水圧プレス(CIP)、メカニカルプレス、ホットプレス、熱間等圧プレス(HIP)などにより行うことができる。また、前記金属化合物混合物、前記焼成品または前記粉砕品は、バインダー、分散剤、離型剤等を含有してもよい。
上記に述べた本発明の熱電変換材料の製造方法は、本発明の熱電変換材料を焼結体の形状で用いる場合の本発明の熱電変換材料の製造方法であるが、このときは、焼結体の強度を確保する意味で、焼結体の密度は相対密度で80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは95%以上である。また、相対密度が80%未満であれば、電気伝導度の値(σ)も小さくなる傾向にある。焼結体の密度は、金属化合物混合物の粒子サイズ、焼成品の粒子サイズまたは粉砕品の粒子サイズ、成形体を製造するときの成形圧力、焼結の温度、焼結の時間等により、制御することができる。また、上記の焼結により得られる焼結体を粉砕して、焼結体粉砕品を製造して、該焼結体粉砕品について、再度上記の焼結を行ってもよい。
また、本発明の熱電変換材料において、2価のFeイオンが長時間の使用により酸化され性能が低下するおそれがある場合は、焼結体の表面を酸素が透過しにくい酸素不透過膜でコーティングしてもよい。酸素不透過膜の材料としては具体的には、アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化珪素等が挙げられ、該材料で熱電変換材料をコーティングする方法としては例えば、エアロゾルデポジション法、溶射法、CVD法(化学気相堆積法)等が挙げられる。
本発明の熱電変換材料は、上記の方法により製造することができるが、他の製造方法としては、共沈工程を含む方法、水熱工程を含む方法、ドライアップ工程を含む方法、スパッタリング工程を含む方法、CVDによる工程を含む方法、ゾルゲル工程を含む工程、FZ(浮遊帯域溶融法)工程を含む方法、TSCG(テンプレート型単結晶育成法)による工程を含む方法等が挙げられる。
また本発明の熱電変換材料を有する熱電変換素子について説明する。熱電変換素子としては、例えば、特開平5−315657号公報に開示されているような公知の技術が使用できる。また、本発明の熱電変換材料はn型熱電変換材料であるが、この場合、p型熱電変換材料を併用する。p型熱電変換材料としては、公知の技術が使用でき、例えば、NaCo24、Ca3Co49等が挙げられる(特開平9−321346号公報、特開2001−64021号公報参照)。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、熱電変換材料の熱電特性および構造の評価は以下に示す方法を用いた。
1.電気伝導度
焼結体試料を角柱状に加工し、銀ペーストで白金線を装着し、直流四端子法により測定した。測定は窒素ガスフロー中で室温〜1073Kの範囲で温度を変化させながら行った。
2.ゼーベック係数
電気伝導度測定時と同様の形状に加工した焼結体試料の両端に、銀ペーストでR熱電対および白金線を装着して、焼結体試料の温度および熱起電力を測定した。測定は窒素ガスフロー中で室温〜1073Kの範囲で温度を変化させながら行った。焼結体試料の片面にエアを流入したガラス管を接触させて低温部を作り、焼結体試料両端の温度をR熱電対で測定し、同時に焼結体試料の両端面間に生じている熱起電力(ΔV)も測定した。焼結体試料両端の温度差(ΔT)は、エアの流量を制御することで1〜10℃の範囲で制御し、ΔTとΔVの傾きからゼーベック係数の値(α)を算出した。
3.熱伝導度
真空中、室温で、レーザーフラッシュ法により焼結体試料の比熱および、熱拡散率を測定した。測定には真空理工株式会社製レーザーフラッシュ法熱伝導度測定装置TC−7000型を用いた。
4.構造解析
焼成品、焼結体資料の結晶構造は、株式会社リガク製X線回折測定装置RINT2500TTR型を用いて、CuKαを線源とする粉末X線回折法により分析した。
5.焼結体の密度
焼結体試料の相対密度はアルキメデス法により算出した。
実施例1
γ-Fe23(株式会社高純度化学研究所製)を16.754g、炭酸カルシウム(宇部マテリアル株式会社製、CS3N−A(商品名))を7.000g秤取し、プラスチック製のボールを用い、乾式ボールミルにより2時間混合した。該混合物を水素を2体積%含有する窒素の雰囲気中において900℃で2時間保持して焼成した。得られた焼成品のX線回折図形を図1に示す。図1より該焼成品はCaFe35からなる化合物を含むことがわかった。
該焼成品を乳鉢で解砕し、1軸プレス(成形圧は1000kg/cm2)により円盤状に成形し、得られた成形体を100%窒素雰囲気中において1050℃で2時間保持して焼結した。得られた焼結体のX線回折図形を図2に示す。図2より該焼結体はCaFe35からなる化合物を含むことがわかった。また、該焼結体の焼結体密度は90%であった。
該焼結体の特性としては、1073Kでの測定でゼーベック係数は−83μV/K、電気伝導度は、4.9×103S/m、熱伝導度(室温)は3.05W/mKであり、性能指数を算出すると、0.12×10-1であった。
比較例1
実施例1における混合物を大気中において900℃で2時間保持して焼成し、得られた焼成品を乳鉢で解砕し、1軸プレス(成形圧は1000kg/cm2)により円盤状に成形し、得られた成形体を大気中において1050℃で2時間保持して焼結体を得た。得られた焼結体を構成する化合物は、Fe23およびCaFe24の化合物であり、該化合物中のFeは3価のFeイオンであった。該焼結体は、熱伝導度が高く、また電気伝導度が低いためゼーベック係数を測定することができないものであった。
実施例1における焼成品のX線回折図形を示す図。 実施例1における焼結体のX線回折図形を示す図。

Claims (8)

  1. 元素Mと鉄(Fe)と酸素(ただし、MはCa、Sr、Ba、Mg、Li、NaおよびKからなる群より選ばれる1種以上の元素である。)とのみからなる化合物であって、Feの少なくとも一部が2価のFeイオンであり、FeとMとのモル比(Fe/M)が2.5以上である化合物を含むことを特徴とするn型熱電変換材料。
  2. Feイオンの周囲の6個の酸素イオンが形成する八面体同士が、点および/または稜を共有して結合した層構造を有する請求項1に記載のn型熱電変換材料。
  3. Feの全数に対する2価のFeイオンの数(2価のFeイオンの数/Feの全数)の百分率が10%以上である請求項1または2に記載のn型熱電変換材料。
  4. MFe35、M2Fe711、MFe46、M2Fe913およびMFe57(ただし、Mは前記と同じ意味を表す。)からなる群より選ばれる1種以上の化合物を含む請求項1〜3のいずれかに記載のn型熱電変換材料。
  5. 形状が焼結体であり、該焼結体の相対密度が80%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のn型熱電変換材料。
  6. 焼結体の表面を酸素不透過膜でコーティングしてなる請求項5に記載のn型熱電変換材料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱電変換材料の製造方法であって、M(ただし、Mは前記と同じ意味を表す。)および鉄(Fe)を、Fe/Mのモル比で2.5以上の値となるように含有し、高温で分解および/または酸化して酸化物になる化合物である金属化合物混合物を成形し、該成形体を不活性ガス雰囲気中または還元性雰囲気中において700℃以上1500℃以下の温度範囲の温度で保持して焼結することを特徴とするn型熱電変換材料の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱電変換材料の製造方法であって、M(ただし、Mは前記と同じ意味を表す。)および鉄(Fe)を、Fe/Mのモル比で2.5以上の値となるように含有し、高温で分解および/または酸化して酸化物になる化合物である金属化合物混合物を不活性ガス雰囲気中または還元性雰囲気中において600℃以上1100℃以下の温度範囲の温度で保持して焼成し、得られた粉末を成形し、次いで該成形体を不活性ガス雰囲気中または還元性雰囲気中において900℃以上1500℃以下の温度範囲の温度で保持して焼結することを特徴とするn型熱電変換材料の製造方法。
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