JP2008124404A - 熱電材料および熱電材料の製造方法 - Google Patents

熱電材料および熱電材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】CあるいはC化合物成分を含有することにより、熱伝導率および比抵抗を小さくすることが可能な優れた熱電特性を有する酸化物系熱電材料を提供する。
【解決手段】SrCO3粉末とTiO2粉末をモル比Sr:Ti=1:1で秤量した後、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間混合し乾燥する。その後、混合した粉末は金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形する。成形したものをAl23製の容器に入れ、電気炉を用いて大気中1200℃にて10時間仮焼成を行った。仮焼成後、成形体を乳鉢で粉砕し、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間湿式粉砕し乾燥。その後、再度金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した。できた成形体をC型の容器に入れ、電気炉を用いてAr雰囲気中で1400℃にて10時間焼結を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、TiおよびSrの酸化物を含有する熱電材料および熱電材料の製造方法に関する。
現在、世界のエネルギーは、その多くを化石燃料の燃焼エネルギーに依存しているが、熱サイクルを使用する発電システムの場合、そのエネルギーの多くを廃熱として未利用のまま廃棄しているのが現状である。
一方、地球環境の保全が世界的規模で議論されるようになり、エネルギーの未利用分の有効利用技術開発が精力的に進められている。
この中で、熱電変換を用いた発電は、比較的低品質の熱においても直接電気に変換することが可能であるため、現状の未利用の廃熱を回収できる技術であり、最近のエネルギー問題や環境問題の深刻化に伴い、熱電変換に対する期待度はますます大きくなっている。
この熱電変換とは、異なる2種の金属やp型半導体とn型半導体等の熱電変換材料に温度差を与えると、両端に熱起電力が発生するゼーベック効果を利用して、熱エネルギーを直接電力に変換する技術であり、モーターやタービン等の可動部がまったくなく、また、老廃物もないという優れた特徴を有している。
ここで、熱電特性の性能評価に用いられる性能指数Zは、下記の式で表される。
Z=α2/(κ・ρ)
α:ゼーベック係数
κ:熱伝導率
ρ:比抵抗
すなわち、ゼーベック係数が大きく、熱伝導率と比抵抗が小さいことが必要である。ここで、ゼーベック係数は物性値であるため、材料によって決まってしまうが、熱伝導率と比抵抗は、材料の微細組織や配向性によっても大きく変化させることが可能なため、熱伝導率や比抵抗を小さくするための結晶組織制御方法が検討されている。すなわち、結晶組織の配向性を向上させることにより、ある方向において、熱伝導率および比抵抗を小さくすることが可能で、その方向における熱電特性を向上することができるわけである。
例えば、特許文献1には、AX2y(A:Na必須、Ca,Sr,Ba,Bi,Y, B:Co必須、Mn,Fe,Cu、1≦x≦2、2≦y≦4)型構造を有する熱電素子材料、特にNaCo24系熱電素子材料は、水酸化コバルト又は酸化コバルトの板状粒子とナトリウム金属塩とを混合し、これを前記水酸化コバルト又は酸化コバルト粒子が一方向に配向するように成形し、この成形体を焼成して緻密化させることによりC軸方向が配向した焼結体が作製される熱電素子材料およびその製造方法が提案されている。
また、特開文献2には、結晶配向材料のテンプレートとなる物質である形状異方性を有するZnOまたはその前駆体粉末材料と、このZnOまたはその前駆体粉末材料との反応によって結晶異方性のある導電性酸化物を生成する物質とを混合し、この混合材料を前記異方形状粉末が一方向に配向するように常温下で成形し、この成形物を熱処理することにより合成し、その後に焼結する結晶配向バルクZnO系焼結体材料の製造方法およびそれにより製造された熱電変換デバイスが提案されている。
また、特許文献3には、V族元素とVI族元素からそれぞれ選択した一種以上の元素の
組み合わせを主成分とする熱電材料若しくは金属と半金属系材料の組み合わせを主成分とする熱電材料又はこれらに酸化物、炭化物、窒化物若しくはこれらの混合物を添加した熱電材料の直流通電加圧による焼結に際し、100〜15000Aの可変電流範囲で通電するとともに、磁束密度0.1T≦H≦2.0T(T:テスラ)の範囲で磁場をかけながら焼結し、焼結体組織の電気的配向性を得ることを特徴とする熱電材料の製造方法が提案されている。
また、特許文献4は、熱電微粒子を磁場中で成形し、さらに、磁場中で焼結することにより、配向熱電材料を形成する配向熱電材料およびその製造方法が提案されている。
また、特許文献5は、熱電微粒子を溶媒中に分散し、その分散液を磁場中で成形し、さらに、磁場中で焼結することにより、配向熱電材料を形成する配向熱電材料およびその製造方法が提案されている。
従来熱電材料としては、主にBi−Te系材料が用いられてきたが、この材料系では添加物として加えられるSeも含めて毒性が大きく、また、300℃程度までしか用いることができないという不具合が生じていた。
これに対し、酸化物系熱電材料は、環境にやさしいばかりでなく、高温まで使用することが可能であるため、現在、大いに開発が進められている。酸化物系熱電材料としては、例えばNaCo24等のp型熱電材料があり、低温域から高温域までで高い熱電特性を示し、高効率の熱電返還が期待されている。
しかしながら、NaCo24と同程度の熱電特性を有するn型熱電材料がなくその開発が熱望されている。そのn型熱電材料の候補としてSr−Ti系の酸化物熱電材料が提案されている。
Sr−Ti系酸化物系熱電材料としては、例えば、特許文献6には、ストロンチウム酸化物とチタン酸化物あるいはストロンチウム酸化物、バリウム酸化物とチタン酸化物からなる複合酸化物の組成比や構成結晶相を特定範囲にしたことを特徴とする熱電変換材料が提案されている。
また、特許文献7にはストロンチウム酸化物とチタン酸化物を主構成成分とする複合酸化物に希土類元素、Nb,Ta,Sb,W,Si,Al,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Znから選ばれた少なくとも1種の特定の元素を加えたことを特徴とする熱電変換材料が提案されている。
また、特許文献8には、チタン酸化物あるいはストロンチウム酸化物とチタン酸化物を主構成成分に含む複合酸化物よりなる熱電変換材料の製造方法において、金属チタンを原料中に含んだものを熱処理することを特徴とする導電率が100S/cm以上の熱電変換材料の製造方法が提案されている。
また、特許文献9には、チタンとストロンチウムを主成分とし、そのストロンチウムの9mol%から15mol%がセリウムまたはプラセオジウムで置換されており、ゼーベック係数が−70μV/Kから−100μV/Kの範囲内の値を示す酸化物で、特に、Aをストロンチウムおよびセリウム、またはストロンチウムおよびプラセオジウム、Bをチタンとするとき、一般式ABO3、A327、またはA2BO4で示されるペロブスカイト構造またはペロブスカイト構造に関連した結晶構造を有する酸化物が提案されている。
また、特許文献10には、Aをストロンチウム、Bをチタン、Oを酸素とするときに、一般式ABO3、A327、またはA2BO4により記述されるペロブスカイト構造、または、ペロブスカイト構造と岩塩構造とが積層してなる結晶構造を有し、結晶中のストロンチウムの1〜3原子%がセリウムにより置換されており、結晶中に3×1018〜6×1018原子/cm3の水素を含有するn型熱電変換材料が提案されている。
さらに、特許文献11には、Aをストロンチウム、Bをチタン、Oを酸素とするときに、一般式ABO3で示されるペロブスカイト構造からなる化合物を主成分とし、ストロンチウムの1〜5原子%がセリウムで置換され、チタンの1〜10原子%に相当するジルコニウム又はハフニウムが過剰に存在するn型熱電変換材料が提案されている。
特許第3493654号公報 特開2002−16297号公報 特許第3443640号公報 特開2004−119429号公報 特開2004−119413号公報 特開平8−231223号公報 特開平8−236818号公報 特開平8−242021号公報 特開2005−79164号公報 特開2006−24632号公報 特開2006−179807号公報
しかしながら、上記特許文献1および上記特許文献2により提案された方法によると、確かにある程度配向された試料を提供することが可能であるが、いずれもその配向度には限界があり、さらに、配向した成形物を焼結あるいは焼成して緻密化する際に配向度が低下するため、その配向性がまだ十分ではないという不具合が生じている。
また、上記特許文献3により提案された方法によると、磁場中において焼結を行うことにより、電気的配向性を得ているのみであり、磁場強度が小さいため、結晶そのものを配向することができず、かえって電気抵抗や熱伝導率等の物理的特性の異方性を減少又は消失させてしまって、結晶組織の配向度を大きくし、ある方向における熱伝導率や比抵抗を小さくするための結晶組織制御方法という目的では用いることができないのが現状である。
また、上記特許文献6から上記特許文献11により提案されたSr−Ti系酸化物熱電材料では、微細組織の配向等がなされていないために、熱伝導率および比抵抗を小さくすることができないという不具合が生じているのが現状である。
これより熱伝導率および比抵抗を小さくでき、その結果優れた熱電特性を有するn型酸化物系熱電材料が切望されていた。
そこで本発明は、CあるいはC化合物成分を含有することにより、熱伝導率および比抵抗が小さい優れた熱電特性を有する熱電材料および熱電材料の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、Ti,Srの酸化物を主成分とする熱電材料であって、少なくともCを含有する熱電材料であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱電材料において、前記熱電材料が少なくともSr,TiおよびOから構成される化合物SrTiO3あるいはSrO(SrTiO3)n(nは1以上の整数)を含有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱電材料において、含有しているCが、Cと他の元素から構成されるC化合物として存在していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱電材料において、含有しているCが、CとTiから構成される化合物として存在していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱電材料において、含有しているCが、CとSrから構成される化合物として存在していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の熱電材料において、含有しているCが、Cと希土類元素から構成される化合物として存在していることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、原料を混合し、粉砕する第1工程と、前記第1工程により得られた混合物を成形する第2工程と、前記第2工程により得られた成形体を熱処理し、仮焼成する第3工程と、前記第3工程により得られた粉末を成形する第4工程と、前記第4工程により得られた成形体を熱処理し、焼結体作製を作製する第5工程とを有し、
前記第1から第5工程の製造工程中にCを含有させる第6工程を有する熱電材料の製造方法であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の熱電材料の製造方法において、前記第6工程は、C製の容器に入れ、焼結を行うことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の熱電材料の製造方法において、前記第6工程は、C粉末を添加し、焼結を行うことを特徴とする。
本発明によれば、CあるいはC化合物成分を含有することにより、熱伝導率および比抵抗を小さい優れた熱電特性を有する熱電材料および熱電材料の製造方法を提供することを可能とする。
以下、本発明の好適な実施形態に関して説明する。
本実施形態の製造工程について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態の簡潔な製造工程を示す図である。
C,あるいはCを含む化合物を含有するように調整する以外は、一般的なセラミックスの焼結体作製方法を適用することができる。図1に示すように、第1の工程は、原料混合・粉砕である(ステップS101)。第2の工程は、成形である(ステップS102)。第3の工程は、仮焼成である(ステップS103)。第4の工程は、成形である(ステップS104)。第5の工程は、焼結体作製である(ステップS105)。以下に各工程について説明していく。
(原料混合・粉砕)
最初の第1工程について説明を行う。第1工程は、原料の混合と粉砕である。構成元素を含む酸化物、炭酸塩、水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、および酢酸塩等並びにC、グラファイト、アモルファスカーボン、およびCを含む化合物を十分に均一になるまで混合する。構成元素としてはSr,Tiの他にSrサイトの置換物質、およびTiサイトの置換物質を適宜選択して調整する。必要であれば粉砕を行って問題ない。より均一性を高めるためには、溶液状態で混合しても問題ない。混合および粉砕方法としては、均一に混合できる方法であれば特に限定されるものではないが、ミキサー、乳鉢、ボールミル、振動ミル等を用いた乾式あるいは湿式の方法を用いることができる。
(成形)
次に第2工程について説明する。第2工程は上記の工程で得られた混合物の成形の工程である。成形体の作製方法としては、通常の粉末の成形方法、例えば、金型による加圧成形、CIP成形、押し出し成形、ドクターブレード等によるシート成形が適用できる。成形体が崩れないように成形できれば、成形方法および成形圧力は特に限定されるものではない。適宜選択すればよい。また、特に成形せず、粉末のまま次の工程である仮焼成を行っても問題ない。その場合はこの成形工程を省略することが可能である。
(仮焼成)
続いて第3工程について説明する。第3工程は得られた成形体を熱処理する仮焼成の工程である。成形を行わなかった場合は得られた粉末状の混合物を熱処理することにより仮焼成を行う。仮焼成の温度は、主構成成分およびその組成比さらに添加物や置換元素等の種類や量により異なるが、700℃〜1400℃程度である。仮焼成の温度が低いと固相反応が不十分になり、高すぎると粉末同士の凝集が進んでしまうので、それぞれの場合に適宜調整すればよい。仮焼成の時間は、主構成成分およびその組成比さらに添加物や置換元素等の種類や量により異なるが、30分〜20時間程度が適当であるが、全体が均一になるまでこれ以上の時間仮焼成を行っても特に問題ない。仮焼成の時間が短いと固相反応が不十分になり、逆に長いと生産性が悪くなるので、適宜選択すればよい。成形体を載せる基板あるいは容器としては、例えばAl23等のセラミックス基板およびセラミックス容器等を用いることができるが、その他にも、C、グラファイト、アモルファスカーボン、およびCを含む化合物を用いることができる。仮焼成の雰囲気としては、真空、不活性雰囲気、大気および還元性の雰囲気を用いることができる。また、この雰囲気中に構成元素としてCを含むガスを導入しても問題ない。
(成形)
続いて第4工程について説明する。第4工程は仮焼成により得られた粉末を成形する工程である。仮焼成を成形体で行った場合は成形体を粉砕後この工程を実施して問題ない。成形体の作製方法としては、通常の粉末の成形方法、例えば、金型による加圧成形、CIP成形、押し出し成形、ドクターブレード等によるシート成形が適用できる。成形体が崩れないように成形できれば、成形方法および成形圧力は特に限定されるものではない。適宜選択すればよい。
(焼結体作製)
さらに第5工程について説明する。第5工程は得られた成形体を熱処理することによる焼結体作製の工程である。熱処理の温度は、主構成成分およびその組成比さらに添加物や置換元素等の種類や量により異なるが、800℃〜1700℃程度である。1700℃以上で熱処理を行うことも可能であるが、構成成分の組成変化や焼結体の粒成長が問題になる場合があるので注意が必要である。また、熱処理の温度が低すぎる場合緻密化が不十分になる場合が生じるので、それぞれの場合に適宜調整すればよい。熱処理の時間は、主構成成分およびその組成比さらに添加物や置換元素等の種類や量により異なるが、30分〜20時間程度が適当である。熱処理時間が短いと緻密化が不十分になり、また、熱処理時間が長いと生産効率の低下が問題になる場合があるので、それぞれの場合に応じて適宜調節することが必要になる。また、熱処理時に、成形体を載せる基板あるいは容器としては、例えばAi23等のセラミックス基板およびセラミックス容器等を用いることができるが、その他にも、C、グラファイト、アモルファスカーボン、およびCを含む化合物を用いることができる。熱処理の雰囲気としては、真空、不活性雰囲気、大気および還元性の雰囲気を用いることができる。また、この雰囲気中に構成元素としてCを含むガスを導入しても問題ない。尚、この焼結体作製の工程で、放電プラズマ焼結法(SPS)、ホットプレス法(HP)、および熱間静水圧プレス法(HIP)等の加圧焼結法を用いることも可能である。
以上、各工程により焼結を行ったSr−Ti系酸化物熱電材料中にCあるいはCを含有した化合物を導入することができる。それらは、例えばC,TiC,SrC2,SrCO3,SrC6,RC2,R23,R56,R1519(ここでRは希土類元素を示す)等の形で存在することになる。
上記で示したようなCあるいはCを含有した化合物の存在により、本実施形態のSr−Ti系酸化物熱電材料は比抵抗を小さくすることが可能である。さらに、熱伝導率を小さくすることも可能であり、それによって優れた熱電特性を有することになる。
以上説明したように、本実施形態を用いると、非常に簡便な方法にて、Sr−Ti系酸化物熱電材料に、CあるいはCを含有した化合物成分を含有させることができ、それによって、Sr−Ti系酸化物熱電材料の熱伝導率および比抵抗を小さくでき、本実施形態のSr−Ti系酸化物熱電材料は優れた熱電特性を有することができるものである。
次に、実施形態1から3を通して本実施形態の熱電材料の好適な製造方法について詳細に述べる。
(実施形態1)
本実施形態について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態における詳細な製造工程の第1フローチャート図である。
SrCO3粉末とTiO2粉末をモル比がSr:Ti=1:1となるように秤量した後(ステップS201)、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間混合し乾燥した(ステップS202)。混合した粉末は金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した(ステップS203)。成形体をAl23製の容器に入れ、電気炉を用いて大気中1200℃にて10時間仮焼成を行った(ステップS204)。仮焼成後の成形体は乳鉢で粉砕した後(ステップS205)、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間湿式粉砕し乾燥した(ステップS206)。粉砕した粉末は再度金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した(ステップS207)。その後、成形体をC型容器に入れるかどうかを選択する(ステップS208)。成形体をC製の容器に入れる場合(ステップS208/YES)、成形体をC型の容器に入れ、電気炉を用いてAr雰囲気中で1400℃にて10時間焼結を行った(ステップS209)。結果、試料1を形成した(ステップS210)。成形体をC型の容器に入れない場合(ステップS208/NO)、成形体をAl23容器に入れ、電気炉を用いてAr雰囲気中で1400℃にて10時間焼結を行った(ステップS211)。結果、試料2を形成した(ステップS212)。
(試料1)
焼結後の試料1の元素分析を行った結果、SrTiO3が主成分であったが、微量のTiCが検出された。
(試料2)
焼結工程として、成形体をAl23容器に入れた以外は試料1と同様の製造方法で焼結体を形成した試料2であるが、焼結後の試料2の元素分析を行った結果、SrTiO3単相であった。
(試料1と試料2との比較)
試料1と試料2の比抵抗を測定した結果、試料1の比抵抗のほうが試料2の比抵抗より小さかった。
(実施形態2)
本実施形態について、図3を用いて説明する。本実施形態における詳細な製造工程の第2フローチャート図である。
SrCO3粉末、Y23粉末およびTiO2粉末をモル比がSr:Y:Ti=0.95:0.05:1となるように秤量した後(ステップS301)、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間混合し乾燥した(ステップS302)。混合した粉末は金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した(ステップS303)。成形体をAl23製の容器に入れ、電気炉を用いて大気中1200℃にて10時間仮焼成を行った(ステップS304)。仮焼成後の成形体は乳鉢で粉砕した後(ステップS305)、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間湿式粉砕し乾燥した(ステップS306)。粉砕した粉末は再度金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した(ステップS307)。
その後、成形体をC型容器に入れるかどうかを選択する(ステップS308)。成形体をC製の容器に入れる場合(ステップS308/YES)、成形体をC型の容器に入れ、電気炉を用いてAr雰囲気中で1400℃にて10時間焼結を行った(ステップS309)。結果、試料3を形成した(ステップS310)。成形体をC型の容器に入れない場合(ステップS308/NO)、成形体をAl23容器に入れ、電気炉を用いてAr雰囲気中で1400℃にて10時間焼結を行った(ステップS311)。結果、試料4を形成した(ステップS312)。
(試料3)
焼結後の試料3の元素分析を行った結果、(Sr,Y)TiO3が主成分であったが、微量のTiCが検出された。
(試料4)
焼結工程として、成形体をAl23容器に入れた以外は試料3と同様の製造方法で焼結体を形成した試料4であるが、焼結後の試料4の元素分析を行った結果、(Sr,Y)TiO3単相であった。
(試料3と試料4の比較)
試料3と試料4の比抵抗を測定した結果、試料3の比抵抗のほうが試料4の比抵抗より小さかった。
本実施形態のように、Sr−Ti系酸化物熱電材料にCを含有させることによって比抵抗を小さくでき優れた熱電特性を有することができた。
(実施形態3)
本実施形態について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態の詳細な製造工程の第3フローチャート図である。
SrCO3粉末とTiO2粉末をモル比がSr:Ti=2:1となるように秤量した後(ステップS401)、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間混合し乾燥した(ステップS402)。混合した粉末は金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した(ステップS403)。成形体をAl23製の容器に入れ、電気炉を用いて大気中1200℃にて10時間仮焼成を行った(ステップS404)。仮焼成後の成形体は乳鉢で粉砕した後(ステップS405)、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間湿式粉砕し乾燥した(ステップS406)。その後、C粉末を添加するかどうか選択する(ステップS407)。C粉末を添加する場合(ステップS407/YES)、粉砕した粉末はC粉末を添加した後さらにボールミルにて1時間混合した(ステップS408)。混合した粉末は再度金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した(ステップS409)。成形体をAl23製の容器に入れ、電気炉を用いてAr雰囲気中で1400℃にて10時間焼結を行った(ステップS410)。結果、試料5を形成した(ステップS411)。C粉末を添加しない場合(ステップS407/NO)、C粉末を混合せずに、粉砕し、乾燥した粉末を再度金型を用いて圧力60Mpaで加圧成形した(ステップS412)。成形体をAl23製の容器に入れ、電気炉を用いてAr雰囲気中で1400℃にて10時間焼結を行った(ステップS413)。結果、試料6を形成した(ステップS414)。
(試料5)
焼結後の試料の元素分析を行った結果、Sr2TiO4が主成分であったが、微量のCが検出された。
(試料6)
焼結工程として、C粉末を添加せず、仮焼成後の成形体を乳鉢で粉砕した後、媒体をエタノールとしたボールミルにて20時間湿式粉砕し乾燥した粉末をそのまま成形体とした以外は試料5と同様の製造方法で焼結体を形成した。焼結後の試料の元素分析を行った結果、Sr2TiO4単相であった。
本実施形態の製造により、SrO(SrTiO3n(nは1以上の整数)が得られる。Sr2TiO4の場合は、nは1である。上述した製造により、Sr3TiO7が得られた場合には、nが2の場合である。
(試料5と試料6の比較)
試料5と試料6の熱伝導率を測定した結果、試料5の熱伝導率のほうが試料6の熱伝導率より小さかった。
本実施形態のように、Sr−Ti系酸化物熱電材料にCを含有した化合物成分を含有させることによって熱伝導率を小さくでき優れた熱電特性を有することができた。
本実施形態における簡潔な製造工程の一例を示す図である。 本実施形態における詳細な製造工程の第1フローチャート図である。 本実施形態における詳細な製造工程の第2フローチャート図である。 本実施形態における詳細な製造工程の第3フローチャート図である。

Claims (9)

  1. Ti,Srの酸化物を主成分とする熱電材料であって、少なくともCを含有することを特徴とする熱電材料。
  2. 前記熱電材料が少なくともSr,TiおよびOから構成される化合物SrTiO3あるいはSrO(SrTiO3)n(nは1以上の整数)を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱電材料。
  3. 含有しているCが、Cと他の元素から構成されるC化合物として存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電材料。
  4. 含有しているCが、CとTiから構成される化合物として存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電材料。
  5. 含有しているCが、CとSrから構成される化合物として存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電材料。
  6. 含有しているCが、Cと希土類元素から構成される化合物として存在していることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電材料。
  7. 原料を混合し、粉砕する第1工程と、
    前記第1工程により得られた混合物を成形する第2工程と、
    前記第2工程により得られた成形体を熱処理し、仮焼成する第3工程と、
    前記第3工程により得られた粉末を成形する第4工程と、
    前記第4工程により得られた成形体を熱処理し、焼結体作製を作製する第5工程とを有し、
    前記第1から第5工程の製造工程中にCを含有させる第6工程を有することを特徴とする熱電材料の製造方法。
  8. 前記第6工程は、C製の容器に入れ、焼結を行うことを特徴とする請求項7に記載の熱電材料の製造方法。
  9. 前記第6工程は、C粉末を添加し、焼結を行うことを特徴とする請求項7に記載の熱電材料の製造方法。
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