JP2020077801A - 熱電素子及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】熱電特性に優れた熱電素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】Na0.7−xCaxCoO2(x=0.13〜0.17)型構造を有する熱電素子で、上記xは0.12〜0.18の範囲であることが好ましい。上記の熱電素子を製造する際には、Co3O4、Na2CO3及びCaCO3を、Na:Ca:Co=0.7−x:x:1(x=0.13〜0.17)のモル比となるように秤量し、混合を行い、混合粉末を調製し(工程A)、前記混合粉末を用いて成形を行い、所望の形状を有した成形体を得、得られた成形体を冷間等方圧プレス処理し(工程B)、その後、前記の冷間等方圧プレス処理された成形体を焼結する(工程C)。【選択図】図1

Description

本発明は、熱電特性に優れた熱電素子及びその製造方法に関する。
省エネルギー、低炭素社会を実現する為に、廃熱の高度利用が必要不可欠である。その高度利用の一つが熱電発電であり、中・高温度領域で環境に優しく低コストの熱電素子が求められている。熱電材料は、ゼーベック効果を利用して温度差を電力に変える特性を有しており、近年注目を集めている。
従来の熱電材料は、Bi,Pb,Te,Sbなどの重元素から構成される化合物半導体であり、重元素であるがゆえの低融点や毒性、高温での蒸発や、酸化による劣化などの課題があった。
そこで、上記の課題を解決するための熱電材料として、一般的に高温大気中で安定であり、安価で無害なものが多い金属酸化物の中で特に優れたp型性能を示す層状酸化物であるNa0.7CoOが報告された(下記の非特許文献1)。
層状コバルト酸化物のNa0.7CoOは、低次元構造と電導性に由来する高い熱電特性を示すことが知られており、Na0.7CoOの結晶構造において、Coイオンが三角格子構造を形成し、CoO層の間にNaが挿入された積層構造をとる。このCoO層内ではCo磁性イオンがスピンフラストレーションを示し、このスピンフラストレーションによる磁気ゆらぎが、熱電特性の向上をもたらすと考えられている。
しかし、この非特許文献1は単結晶での報告であり、多結晶体では結晶子の配向性の問題などで報告されている物性値に幅があって、高い性能指数を示すことが困難であり、より高い無次元性能指数ZTを示す組成の改良については知られていない。
発電効率は、無次元性能指数ZT=SσT/κ〔ここでSはゼーベック係数(V/K)、σは電気伝導率(S/m)、Tは絶対温度(K)、κは熱伝導率(W/m・K)〕で評価され、より大きな値であることが好ましい。
寺崎一郎、日本結晶学会、日本結晶学会誌、第46巻、第1号、p.27-31、2004年
本発明は、優れた熱電特性を発揮し得る組成を有した層状コバルト酸化物系熱電素子を提供することを課題とする。又、本発明の課題は、このような熱電素子の製造方法を提供することでもある。
本発明者等は、これまでに知られているNa0.7CoOについて、元素置換を行うことによって層内の磁性や電導性を制御すれば、さらなる熱電特性の向上が期待できると考え、Na0.7CoOのNaイオンサイトにCaイオンを部分置換した固溶体Na0.7−xCaCoOを合成して、その物性を詳細に評価したところ、Na0.7CoOよりも高いゼーベック係数S、高い電気伝導率σを示し、無次元性能指数ZTが大きくなって熱電特性が改善できることを見出して、本発明を完成した。
優れた熱電特性を示す本発明の熱電素子は、Na0.7−xCaCoO(x=0.13〜0.17)型構造を有することを特徴とし、前記xは、0.14〜0.17の範囲であることが特に好ましい。
又、上記の熱電素子を製造するための本発明の製造方法は、
工程A:Co、NaCO及びCaCOを、Na:Ca:Co=0.7−x:x:1(x=0.13〜0.17)のモル比となるように秤量し、混合を行い、混合粉末を調製する工程と、
工程B:前記混合粉末を用いて成形を行い、所望の形状を有した成形体を得、得られた成形体を冷間等方圧プレス処理(CIP)する工程と、
工程C:前記の冷間等方圧プレス処理された成形体をパルス通電加圧焼結(Pulsed Electric-Current Pressure Sintering:PECPS)する工程
を含むことを特徴とする。
又、本発明の製造方法は、前記工程Cにおけるパルス通電加圧焼結を、不活性ガス雰囲気下で、50〜200MPaの圧力、600〜800℃の温度、および5〜20分の保持時間の条件にて行うことを特徴とするものでもある。
Na0.7−xCaCoO(x=0.13〜0.17)型構造を有する本発明の熱電素子は、CaイオンがドープされていないNa0.7CoOよりも、電気伝導率及びゼーベック係数が大きく、熱電材料の性能指数であるZTも大きく、高温での熱電特性の点で優れている。そして、本発明の熱電素子は、多結晶体で高い性能指数を示すことが可能であるため、作製が容易であり、排熱の効率的利用などへの展開が可能である。
本発明の熱電素子を製造する際の、好ましい製造工程の一例を示すフローチャートである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.30)ついてのXRDパターン(PECPS処理無し)である。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.20)ついての磁化率χの温度変化を示すグラフ(PECPS処理無し)である。 PECPS処理により得られたNa0.7−xCaCoO(x=0)のXRDパターンであり、PECPS処理時の温度の違いによる組成の変化を示すものである。 PECPS処理後のNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)の破断面の状態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、各写真の右上には焼結体の相対密度が記載されている。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、温度とゼーベック係数Sの関係を示すグラフである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、Ca置換量とゼーベック係数Sの関係を示すグラフである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、温度と電気伝導率σの関係を示すグラフである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、Ca置換量と電気伝導率σの関係を示すグラフである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、温度と出力因子Sσ(パワーファクター)の関係を示すグラフである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、Ca置換量と出力因子Sσ(パワーファクター)の変化を示すグラフである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、温度と無次元性能指数ZTの関係を示すグラフである。 Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の、Ca置換量と無次元性能指数ZTの関係を示すグラフである。
まず、本発明の熱電素子の製造方法における各工程について説明する。図1は、本発明の製造方法における好ましい一例の手順を示すフローチャートである。
最初の工程Aにおいては、四三酸化コバルト(Co)と炭酸ナトリウム(NaCO)と炭酸カルシウム(CaCO)を準備し、これらをNa:Ca:Co=0.7−x:x:1(x=0.13〜0.17)のモル比となるように秤量し、混合を行って、Co、NaCO及びCaCOが均質に混合された混合粉末を調製する。
この際、Co、NaCO及びCaCOとしてはいずれも高純度の市販品をそのまま使用することができ、上記の混合は一般に乾燥状態にて行われ、混合装置としては一般的な粉体混合機がいずれも使用できる。
本発明では、上記の混合により得られた混合粉末を加圧(好ましくは2〜50MPa程度)し、その後、大気中で加熱(好ましくは600〜750℃程度の温度にて12〜24時間)してから粉砕を行って仮焼粉末とすることが好ましい。
次の工程Bでは、前記工程Aで得られた混合粉末を用いて成形を行い、所望の形状の成形体を得、得られた成形体を冷間等方圧プレス処理する。この際、成形体の形成手段としては一軸金型成形が一般的であるが、これに限定されるものではない。
最終の工程Cでは、前記工程Bにより冷間等方圧プレス処理された成形体をパルス通電加圧焼結するが、この際、不活性ガス(例えばアルゴンガス)雰囲気下で、50〜200MPaの圧力、600〜800℃の焼結温度、および5〜20分の保持時間の条件にてパルス通電加圧焼結を行うことが好ましく、特に好ましいパルス通電加圧焼結の条件は、圧力80〜150MPa、焼結温度650〜750℃、保持時間10分程度である。
本発明の製造方法におけるパルス通電加圧焼結は、市販のパルス通電加圧焼結装置を用いて実施することができる。
パルス通電加圧焼結の場合、一軸加圧下において、低電圧(数V)でパルス状直流大電流(数10〜数100A:この電流値は試料の大きさによって変化する)をカーボンプランジャー・モールドに流し、成形体中に火花放電現象を誘起し、瞬時に粒子間に高エネルギーを発生させて試料を焼結することができ、急激なジュール加熱により溶解と高速拡散が生じる。そして、高圧下、高速昇温(50〜100℃/分)、短時間焼結(5〜20分)により、緻密な焼結体(高密度)を得ることができる。
本発明では、アルゴン雰囲気による還元作用と、成形体とカーボンモールドとの緩衝材であるBNとの反応を防ぐために、成形体の周囲を金箔で包んだ状態でパルス通電加圧焼結を行うことが好ましい。
上記の本発明の製造方法によって製造された、Na0.7−xCaCoO(x=0.13〜0.17)型構造を有する熱電素子は、これまでに知られているNa0.7CoOと比べて、電気伝導率及びゼーベック係数が大きく、熱電材料の性能指数であるZTも大きく、高温での熱電特性に優れ、特に、Ca置換量x=0.14〜0.17の範囲において大きなZTを示し、高温下で使用される製品の構成材料として好適である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[熱電素子の製造例]
Ca置換量を変化させた際の熱電特性の温度変化を調べるために、固相反応法を用いてNa0.7−xCaCoO(0≦x≦0.30)の合成を行った。図1には、本実施例にて用いた、本発明の熱電素子の製造工程のフローチャートが示されている。
まず、出発原料として市販のCo(純度99.9%)、NaCO(純度99.99%)、CaCO(純度99.99%)を所定比に秤量し、30分間乾燥混合した。
そして、得られた混合粉末を金型で一軸加圧成形(2MPa)し、大気中にて600℃で24時間加熱した。その後、粉砕混合を行い、一軸加圧成形(50MPa)し、大気中にて750℃で12時間加熱し、粉砕混合を行って仮焼粉末を得た。
その後、更にボールミル(800rpm/30分)による粉砕を行った後、混合粉末を金型で一軸加圧成形(100MPa)し、得られた成形体を金箔で包み、冷間等方圧プレス処理(CIP,245MPa/1分、1GPa/3分)を行った。このようにして得られた成形体を、市販のパルス通電加圧焼結装置(SPSシンテックス(株)製、SPS-5104Aを使用)を用いてパルス通電加圧焼結(PECPS,100MPa/10分/600℃,700℃,アルゴンガス雰囲気)した。さらに、得られた試料を大気中800℃で12時間熱処理して、焼結体を得た。
尚、Na0.7CoO相は、通常のPECPS処理では安定ではなく、アルゴン雰囲気による還元作用と、試料とカーボンモールドとの緩衝材であるBNとの反応を防ぐため、成形体(試料)を金箔で包んで反応を行った。
得られた焼結体について、X線回折装置((株)リガク製、RINT2000)を用いて粉末X線回折(XRD)による相同定および構造解析を行った。更に、超伝導量子干渉磁束計(SQUID)を用いて磁化率測定を行い、熱電特性評価装置(オザワ科学(株)製、RZ2001i-S)により、電気伝導率、ゼーベック係数の測定(T=300〜1073K)を行い、熱伝導率測定装置(ネッチジャパン(株)製、LFA447 Nanoflash)を用いて熱伝導率の測定(T=298K)を行なった。
尚、各焼結体の破断面の状態観察には、走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日本電子(株)製、JSM 7000)を使用した。
図2には、Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(0≦x≦0.30)ついてのXRDパターンが示されており、このXRDパターンでは、x=0.25と0.30の場合において少量の不純物が見られるが、母体に帰属するピークが現れ、ほぼ単一相が得られた。
又、図2のXRDパターンの010ピークを拡大して比較したところ、置換量xの増加に伴って当該ピークが低角度側にシフトしており、002ピークを拡大して比較したところ、当該ピークが高角度側にシフトしており、格子定数はVegard則にしたがって、a軸長でx=0.0,0.28289nm→x=0.2,0.28422nmに増加(CoO平面の拡大)し、c軸長でx=0.0,1.09549nm→x=0.2,1.07695nmに減少(CoO面間距離の減少)していることも確認された。
図3には、Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.20)ついての磁化率χの温度変化(温度依存性)が示されており、このグラフにおいて表されているのはゼロ磁場中冷却(ZFC)の磁化率である。
図3のグラフは、温度が高くなるにつれて磁化率の絶対値が減少し、Ca置換量x=0.0、0.04の燒結体よりも、x=0.08〜0.20の燒結体の方が磁化率が小さいことを示している。
以下の表1には、Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.20)ついての、100K〜300Kにおけるキュリーワイス(Currie-Weiss)型関数を用いた最小二乗法によるフィッティングの結果が示されている。
上記表1の結果から、置換量xの増加に伴って高スピン状態のCo3+イオンが増加していることが確認された。
又、NaサイトをCaで置換した際のCoの形式価数からCo3+、Co4+イオンが低スピン状態であると仮定したときの平均有効磁気モーメント(μeff)の実測値は、理論値と良く一致していることがわかった。
図4には、Na0.7CoOの600℃と700℃におけるPECPS処理によって得られた焼結体のXRDパターンが示されており、この図4から、PECPS処理後、組成が変化しCoのピークが確認されたが、得られた試料を再度800℃12時間大気中で再度熱処理することで単一相が得られた。
又、600℃と700℃におけるPECPS処理によって得られた焼結体の相対密度は80.7%と85.4%であり、700℃の方が焼結体の相対密度が大きく、更に、焼結体の破断面の状態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真により600℃と700℃におけるPECPS処理を比較すると、700℃で熱処理した方が、より気孔が少なく、緻密になっていることがわかった。
図5は、PECPS処理後のNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)焼結体の破断面の状態を示すSEM写真であり、これらのSEM写真から、PECPS処理(700℃)を行うことによって緻密な焼結体が得られることが確認された。
そして、相対密度は、PECPS処理無しの場合が77%程度であったのに対し、PECPS処理を行うことにより得られた焼結体(Ca置換量x=0〜0.25)の相対密度は89.5〜93.9%となり、PECPS処理によって高い相対密度の焼結体が製造できることも確認された。
図6は、Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体のゼーベック係数Sの温度依存性を示すグラフであり(x=0.0と0.16についてはPECPS処理無しの場合の値も併記されている)、このグラフから、PECPS処理を行うことで緻密化し、大きなゼーベック係数が得られること、NaをCaに部分置換することによりゼーベック係数が大きくなること、これらの焼結体はいずれも温度が上昇(300K→1073K)するにつれて、ゼーベック係数が大きくなることがわかった。
又、Ca置換量とゼーベック係数Sの関係を示す図7のグラフから、置換量xが大きくなるにつれてゼーベック係数が大きくなる傾向が見られ、高温になるほどゼーベック係数が大きくなることが確認された。
図8は、Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の電気伝導率σの温度依存性を示すグラフであり(x=0.0と0.16についてはPECPS処理無しの場合の値も併記されている)、このグラフから、PECPS処理によって電気伝導率が大きくなることがわかった。
又、Ca置換量と電気伝導率σの関係を示す図9のグラフから、置換量xが0.13〜0.17の場合において大きな電気伝導率を示し、xが0.17よりも大きくなると、電気伝導率が小さくなることが確認された。
図10は、Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の出力因子Sσ(パワーファクター)の温度依存性を示すグラフであり(x=0.0と0.16についてはPECPS処理無しの場合の値も併記されている)、このグラフから、PECPS処理により緻密化することで大きなパワーファクターが得られること、温度が上昇するにつれて、パワーファクターが大きくなる傾向があり、特にx=0.16の場合において最も大きなパワーファクターとなることがわかった。
又、Ca置換量と出力因子Sσの関係を示す図11のグラフから、置換量xが0.12〜0.18の場合(特にx=0.13〜0.17の場合)に、大きなパワーファクターとなる傾向が見られた。
図12には、Ca置換量を変化させて得られたNa0.7−xCaCoO(x=0〜0.25)ついての、PECPS処理後に熱処理した焼結体の無次元性能指数ZTの温度依存性を示すグラフであり、このグラフから、PECPS処理によって焼結体の組織が緻密化され、大きなZTの値が得られ、温度が上昇するにつれてZTの値が大きくなり、Ca置換量x=0.16の場合に最も大きなZTの値となることがわかった。
最も大きなZTの値が得られたCa置換量x=0.16の場合、即ち、Na0.54Ca0.16CoOの最大値ZTは、1100KでZT=0.6425であり、この値を、置換量x=0.0の場合、即ち、Na0.7CoOの最大値ZT(1100KでZT=0.4506)を比較すると、Ca置換によりZTの値が約1.4倍増加したことになり、このようなZTの増加は、層間距離の変化によるものであると推測される。
又、Ca置換量と、ZTの値の関係を示す図13のグラフから、Ca置換量xが0.13〜0.17の範囲、特にx=0.14〜0.17の範囲において大きなZTの値が得られることが確認された。
Na0.7CoOのNaイオンサイトにCaイオンが部分置換されたNa0.7−xCaCoO(x=0.13〜0.17)型構造を有する本発明の熱電素子は、Ca置換されていないNa0.7CoOに比べて大きな無次元性能指数ZTを有し、高温での熱電特性に特に優れているので、高温下で使用される熱電素子として有用である。

Claims (4)

  1. Na0.7−xCaCoO(x=0.13〜0.17)型構造を有することを特徴とする熱電素子。
  2. 前記xが0.14〜0.17の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  3. 請求項1に記載の熱電素子の製造方法であって、当該方法が、
    工程A:Co、NaCO及びCaCOを、Na:Ca:Co=0.7−x:x:1(x=0.13〜0.17)のモル比となるように秤量し、混合を行い、混合粉末を調製する工程と、
    工程B:前記混合粉末を用いて成形を行い、所望の形状を有した成形体を得、得られた成形体を冷間等方圧プレス処理する工程と、
    工程C:前記の冷間等方圧プレス処理された成形体をパルス通電加圧焼結する工程
    を含むことを特徴とする熱電素子の製造方法。
  4. 前記工程Cにおけるパルス通電加圧焼結を、不活性ガス雰囲気下で、50〜200MPaの圧力、600〜800℃の温度、および5〜20分の保持時間の条件にて行うことを特徴とする請求項3に記載の熱電素子の製造方法。
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