JP4592941B2 - 調理用水処理剤及びこれを用いた食品の製造方法 - Google Patents

調理用水処理剤及びこれを用いた食品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調理用水処理剤に関し、詳しくは、金属、セラミックス又はこれらの混合体からなる担体の表面に、チタン被膜を担持した調理用水処理剤およびこれを用いた食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に食品を調理、製造する方法としては、原材料に対して、水を使って漬け込む、晒す、煮る方法等がある。しかし、従来の方法では、使用される水の化学的及び/又は物理的な特性に制限されて、元々原材料中に含まれる好ましくない臭いや味が料理や製品中に残り、水分の浸透が不十分及び/又は不均一で好ましい食感に仕上がらず、調理、製造する過程で原材料が劣化し、及び/又は好ましくない成分が増加するなど多くの問題点が存在する。
【0003】
大豆、小豆、インゲン豆などの豆類には、種皮や子葉部にタンニン、サポニン、ゴム質をはじめとした風味を害する有機及び無機成分が含まれており、渋みやえぐみの原因となっている。これらの豆類の加工食品を作るときは、この渋みやえぐみを取り除くために、煮沸して煮汁を水で洗い流す、いわゆる「渋切り」と呼ばれる操作を1又は数回行なっているが、それでも完全に取り除くことは難しい。
【0004】
一般に、食品を水煮するとアクが浮き出て、異臭が立ち込める。特に油脂成分やタンパク質成分の多い肉類、種実類、豆類、魚介類等の食品に異臭を出すものが多く、食品に残留して商品価値を下げる。また、工業的に量産する場合は、作業者及び周辺住民への健康被害も心配される。
【0005】
米を炊飯する場合、炊飯中に異臭が出て、できあがったご飯にも少し異臭が残り、更に、これをジャー等の保温容器で1日保温すると、異臭が大幅に増加して商品価値が無くなるという問題がある。
【0006】
その他、カレー等の容器包装詰加圧加熱殺菌食品(以下、「レトルト食品」という場合がある。)については、レトルト臭と呼ばれる異臭が発生するという問題もある。
【0007】
これらの問題点に対して、従来技術としては、米飯の製造方法において洗米、浸漬、加熱炊飯工程に使用する水に溶存気体を除去した脱気水を用いることにより、米の調理時間の短縮、及び炊飯後の米飯の褐変等の変質を低減する方法(特開平6−113762号公報参照)や、野菜類又は豆類の特有な不快臭を消臭若しくは低減するための方法として、甘蔗由来の抽出物を含有させる方法(特開平11−155516号公報参照)等が報告されているが、簡便な方法により水を用いて調理する多くの食品に適用可能な方法は未だ無かった。
【0008】
一方、水中の不純物を除去するという観点からは、酸化チタンを含む多孔質体からなる水処理剤等が報告されているが(特開平12−042535号公報参照)、専ら排水や汚水等から微生物等を含む汚染物質の処理法として有用性が開示されているに過ぎない。また、この他に、風呂の浴槽に投入して水中のアレルゲンを分解することでアトピーを改善したり、熱帯魚等の水槽に投入して水質の浄化を図る例はあるが、このような水処理剤を用いて食品を調理し、製造することについては何ら記載されておらず、その示唆さえない。
【0009】
更に、光触媒機能を有する酸化チタンを熱可塑性樹脂に含有し、押し出しシートとすることで、光照射下において抗菌、消臭及び防汚性能を持った食品トレイによって食品を保存する方法(特開2000−17096号公報参照)、又は活性炭及び親水性多孔質セラミック成分を含んでなる成型物を低温焼成してなる吸湿能の極めて高い多孔質セラミック吸着体を調理済食品の容器内に入れておくことにより、容器内の結露を防止し、食品の風味を長く良好な状態に保つ方法(特開平11−137223号公報参照)等が報告されている。
【0010】
しかしながら、これらの方法は、食品の調理前の材料や調理後の食品については適用できるものの、飲食物の調理、製造に際しての上記問題点を十分に解決できるものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、食品の調理に際し、原材料中に含まれる好ましくない臭いや味を分解又は除去し、また、調理する過程で発生する原材料の劣化や好ましくない成分の増加を抑え、更に、料理、製品の色や食感等の仕上がり具合を好ましくする調理用水処理剤を提供することを課題とする。
【0012】
また、このような水処理剤を用いて調理用水を処理することによる食品の製造方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題について、本発明者等は鋭意検討した結果、食品を調理するに際し、金属、セラミックス又はこれらの混合体からなる担体の表面に、チタン被膜を担持した調理用水処理剤により処理した水を用いて調理することにより、製品として好ましくない臭いや味が分解又は除かれ、原材料の劣化や好ましくない成分の増加が押さえられ、更に、製品の色や食感等の仕上がり具合が極めて好ましくなることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明は、セラミック材料からなる担体の表面に、チタン粉末を高速でブラスト噴射して被膜形成されたチタン被膜が担持され、チタン被膜が少なくとも部分的に空気酸化されている調理用水処理剤である。
【0015】
の場合には、チタン粉体が衝突した磁器玉の表面で局部的に温度上昇が起こり、チタン粉体中のチタンが磁器玉の表面に活性化吸着して拡散すると共に、大気中の酸素と酸化反応を起こし、少なくとも部分的に酸化されていると考えられる。
【0016】
従来から知られている酸化チタンの光触媒反応については、太陽光や蛍光灯等から照射される紫外線によって酸化チタン表面を活性化してスーパーオキサイドアニオンや水酸基ラジカルを発生させ、これらによって有機化合物を酸化分解するものと考えられているが、驚くべきことに本発明の触媒作用は、このような光照射がなくても優れた触媒機能を発揮することがわかった。
【0017】
また、本発明は、セラミック材料からなる担体の表面に、チタン粉末を高速でブラスト噴射して被膜形成されたチタン被膜が担持され、チタン被膜が少なくとも部分的に空気酸化されている調理用水処理剤により処理した水を用いて調理する食品の製造方法である。
【0018】
本発明の好ましい態様において、前記食品は、小豆、インゲン豆、ササゲ、ソラ豆、エンドウ豆、大豆、緑豆、アーモンド、麻の実、カシューナッツ、銀杏、栗、胡桃、ココナッツ、ピスタチオ、ヒマワリの種、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ又は落花生の少なくとも1つを調理して製造した甘納豆、餡、納豆又は煮豆である。更に、牛肉、馬肉、鴨肉、鯨肉、鶏肉、豚肉又は羊肉の少なくとも1つを調理したカレー、シチュー、スープ等の各種煮込み料理、米を調理したご飯類、これらのレトルト食品、並びに、ところてん、ゼリー等のゲル化食品等が挙げられる。
【0019】
本発明の方法による水処理は、その水の中に上記調理用水処理剤を浸漬することによって行う。浸漬後にその調理用水処理剤を取り出して調理することもできるが、その調理用水処理剤を浸漬したままで水を加熱し、食品の調理を行うことも可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の方法に使用する調理用水処理剤は、食器や調理器具として使用可能な材料から成る担体の表面に、チタン又はチタン合金を好ましくは単体で、又は必要に応じ他の金属やセラミックスと共に付着させ、被膜を形成したものを使用することができる。被膜はチタンの色が判別できる程度に形成されていれば良く、電気的又は化学的、物理的など、何れの被膜形成法で製造されたものも使用可能である。
【0021】
好ましくは、アルミナ、磁器等のセラミック材料の担体に前記チタン触媒成分を被覆層として付着させ、チタン被膜を形成することにより調理用水処理剤を製造する。担体の形状はどのようなものでも良いが、触媒層である表面積を大きくするためには球状の磁器玉の表面にチタン触媒層を被覆したものが好ましい。磁器玉は直径1〜50mmのものが使用可能であるが、好ましくは2〜20mm、更に好ましくは4〜10mmの直径を有するほぼ球状の玉を使用することが出来る。
【0022】
前記被覆方法としては、ゾル・ゲル法や、チタン粒子をシリカやシリコン等のバインダで前記担体の表面に固定するバインダ法等、種々の方法が使用できるが、好ましくは前記担体にチタン粉体を高速で噴射することによってその表面にチタン被膜を付着形成する方法が使用できる。高速でチタン粉体を噴射する方法としては、チタン粉体を熱源を用いて溶融し、液体粒子状にして噴射する溶射法(thermal spraying)、高圧で高速な液体噴流によって噴射する高圧液体ジェット法、又は、数mm〜数μmの粒子を噴射するブラスト法等によって行うことができる。ブラスト法によりチタン被膜を形成する場合は、前記チタン又はチタン合金からなる粉体は、平均粒径20〜800μm、好ましくは30〜300μmであり、その形状はいかなる形状でも良いが、好ましくは球状又は多角形状のものを用いることができる。噴射速度は好ましくは80m/sec以上、又は噴射圧力0.29MPa以上で行うことができる。チタンは他の金属等に比べ密度が低く、また、熱伝導度も比較的低いために、担体の表面に高速で衝突させると局所的に温度が上昇し、このような効率的な温度上昇により、チタン粒子が前記担体の表面で加熱され、拡散吸着し、更には大気中の酸素と反応して少なくとも部分的に酸化されてチタニア皮膜が形成されると考えられる。
【0023】
本発明の調理用水処理剤は、穀類、芋及び澱粉類、豆類、種実類、魚介類、獣鳥鯨肉類、卵類、乳類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類等、水を用いて調理するどのような食品原材料にも適用可能であるが、特に豆類、種実類、獣鳥鯨肉類及び/又は穀類の各種調理やこれらの調理品を容器包装に詰めて加圧加熱殺菌したレトルト食品や、天草等のゲル化成分の抽出及び/又は成形に適用することが好ましい。
【0024】
本発明の方法に使用する調理用水処理剤は、処理する水に対して0.5重量%以上、好ましくは5重量%以上を使用することが望ましい。被処理水は調理に使用するに先立って、調理用水処理剤を浸漬し、そのまま常温で、又は冷却するか加熱して5分間以上、好ましくは30分間以上の間浸漬した後、調理用水処理剤を取り出して使用することができる。また、調理上問題がなければ、当該調理用水処理剤を被処理水に浸漬したまま調理すると更に効果的である。この場合には、事前の調理用水処理剤による浸漬処理を省略しても良い。食品の調理は調理用水処理剤を調理に先立って、及び/又は調理中に被処理水に浸漬する以外は、従来と同じ調理方法が適用できる。
【0025】
本発明の方法を用いて調理することにより価値を上げられる食品に、豆類及び種実類がある。具体的には小豆、インゲン豆、ササゲ、ソラ豆、エンドウ豆、大豆、緑豆、アーモンド、麻の実、カシューナッツ、銀杏、栗、胡桃、ココナッツ、ピスタチオ、ヒマワリの種、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、落花生等である。これらには種皮や子葉部にタンニン、サポニン、ゴム質をはじめとした風味を害する有機及び無機成分が含まれており、渋みやえぐみの原因となっている。このため、従来は煮熟に先立って、渋切りと呼ばれる操作を1〜5回程度繰り返していたが、それでも渋みやえぐみを十分取り除くことができなかった。本発明の方法を用いることにより、必ずしも渋切り操作をしなくてもこれらの渋みやえぐみを十分に取り除くことができ、また、従来柔らかくすることができなかった皮まで柔らかくする効果がある。
【0026】
このような豆類及び種実類の調理によって製造される食品は、甘納豆、餡、納豆、煮豆等種々の食品があるが、例えば甘納豆の場合は、豆類又は種実類を水煮して組織を軟化させた後、砂糖液を組織内部に浸透させて変形、変質しないようにした砂糖漬菓子の一種である。該水煮工程に本発明の方法を用いれば、その後の工程は従来通りで、渋みやえぐみのない、且つ皮を含めて柔らかい甘納豆ができる。同様に、餡、納豆、煮豆等の製造にも水煮の工程があるが、該工程に本発明の方法を用いると、その後の工程は従来通りで、渋みやえぐみのない、且つ皮を含めて柔らかい製品ができる。
【0027】
また、本発明の方法を用いて調理することにより価値を上げられる食品に、獣鳥鯨肉類がある。具体的には牛肉、馬肉、鴨肉、鯨肉、鶏肉、豚肉、羊肉等である。これらは水煮するとアクが浮き出て、異臭が立ちこめる。また煮込んでも異臭が消えない。本発明の方法を用いれば、異臭が立ちこめることが無くまた被調理物から異臭を消す効果がある。
【0028】
このような獣鳥鯨肉類の調理によって製造される食品は、カレー、シチュー、スープ他、各種煮込み料理等種々の食品があるが、本発明の方法を用いれば、異臭が立ちこめなくなり、時間と共に内部の異臭まで消すことができる。
【0029】
また、別の態様において、本発明の方法を用いて調理することにより価値を上げられる食品にご飯がある。ご飯は炊飯中に異臭が出て、炊き上がったご飯にも臭が残る。またジャー等の保温容器で1日保存すると異臭が大幅に増加する。本発明の方法を用いれば、炊飯中や炊き上がったご飯から異臭が消え、ジャー等で1日保存しても異臭が殆ど増えないと言う効果がある。
【0030】
更に、本発明の方法は、レトルト食品の素材を調理することにも適用できる。レトルト食品は食品が容器包装に密封され加圧加熱殺菌された食品で、中に臭いが入ると外に臭いが抜けない特性がある。従来は殺菌工程で加熱されるためと手間を省くために、生の素材をそのまま、または僅かな加熱調理で容器包装に入れて密封することが多かった。このため加熱殺菌工程や保存中に素材から臭いがしみ出して開封時に臭うことが多かった。本発明の方法を用いれば、容器包装に密封される前に素材内部の臭いまで大幅に減らせるために、開封時の異臭を軽減できる事が期待できる。
【0031】
また、本発明は、ところてん及びゼリー等のゲル化食品の製造に用いることもできる。例えば、ところてんを製造する場合は、天草から直接ゲル化成分を効率良く抽出して製造することができるだけでなく、粉末寒天を用いて製造する場合にも、ところてん特有の滑らかさを増すという効果が発揮される。
【0032】
調理用水は、水道水、脱イオン水等の水そのものでも良いし、水を含む水性液体であっても良い。これらの液体には、例えば食塩や重炭酸ソーダ等の添加物が適当量添加されていても良い。
【0033】
【実施例】
以下に具体的な実施例を挙げ、本発明の効果を含めて説明する。但し、実施例は使用した調理用水処理剤を含め、本発明のほんの一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0034】
[実施例1]調理用水処理剤の調製
調理用水処理剤は直径5〜7.5mmの磁器玉に100メッシュのチタン粉体を高速で噴射し、磁器玉の表面にチタン被膜を成形したものを用いた。
磁器玉の組成はSiO2が71%、Al23が24%で、その他、Fe23、TiO2、CaO、MgO、K2O、Na2Oを各微量含有する。この組成物を玉状に成形し焼成して製造した。噴射装置は研磨剤を高圧エアーによって被加工品に吹き付け、金属成品のバリを取ったり、梨地仕上げするときに使用するブラスト装置を使用した。但し、研磨剤をチタン粉体に置換え、また、チタン粉体を高速で吹き付けられるように、噴射ノズルを小径、長めのものに変更した。噴射圧力は0.55〜0.75MPa、噴射ノズル径は8.5mm、噴射ノズル長は64mmで、噴射ノズルから100〜150mmの距離に磁器玉6kg程度をステンレス製の笊に入れて回転しながらチタン粉体を20〜30分間噴射して被膜を形成した。
【0035】
[実施例2]甘納豆の製造
小豆30kgを一晩水に浸漬し、翌日、金網籠にその小豆の全量を入れ、煮熟釜の中に移し、水約100Lを加えて煮立て、上部に浮いたアクを取り除きながら、1時間半の間煮熟し、最後に煮汁を捨てて水洗いした。煮熟に先だって煮熟釜の底にステンレス製打抜きシート製ケースに、実施例1で調製した調理用水処理剤3kgを入れ、煮熟完了後取り出した。
【0036】
次に金網籠を吊り上げて水切り後、糖度BX73位の砂糖蜜に金網籠のまま移動させ、一昼夜浸漬し、砂糖を浸透させた。翌日小豆を金網籠と共に吊し上げて蜜を切り、蜜だけを煮詰めた。砂糖を加えて糖度をBX85位に調整し、104℃程度になったとき再度小豆を漬けて、更に一昼夜浸透させた。翌日再び小豆を吊し上げて蜜を垂らし、蜜だけを煮詰めた。再度砂糖を加えて糖度をBX85位に調整し、108℃程度になったとき再度小豆を漬けて、蜜が沸騰してきたとき加熱を止め、1時間ほど経過してから小豆を吊し上げて蜜を切った。1時間ほど蜜を切ってから、小豆を笊に空けて砂糖をまぶし、蒸籠に広げて自然乾燥した。乾燥後篩に掛けて余分な砂糖を落とし、小豆の甘納豆を完成した。小豆をインゲン豆、ササゲ、エンドウ豆、又は緑豆に置き換えて同様に調理して合計5種類の甘納豆を製造した。
【0037】
比較のため、煮熟釜に調理用水処理剤を入れず、煮熟に先だって渋切りという操作を1回行った他は前記甘納豆の製造方法と全く同じ製法である従来法によっても甘納豆を製造した。
【0038】
上記本発明の方法及び従来法により出来上がった製品を、和菓子や餡、お汁粉等を扱う業者からなる複数のパネラーが試食した。その結果、全員が本発明の方法で製造された甘納豆は渋みやえぐみが完全に取り除けており、また皮まで柔らかくなっているとの評価をしたが、従来の調理法では甘納豆に渋みやえぐみが残っており、アクは取り切れていない、また、相対的に皮の固さが気になるようになったとの評価を示した。
【0039】
この結果から、本発明の方法ではアク抜きの予備工程を省いたにもかかわらず、従来不可能だった、アクによる渋みやえぐみが完全に取り除かれており、また最近の柔らかいものが好まれる食感にも適合するなど、製品品質を著しく向上できることが理解される。
【0040】
[実施例3]大豆の水煮
鍋に、実施例1で調製した調理用水処理剤500g、国産大豆400g、水2Lを入れて1時間煮熟した。比較のため、調理用水処理剤を使わないで同様に大豆を1時間煮熟した。本発明の方法を用いて調理した大豆は全く渋みを感じなかったが、本発明の方法を用いなかった場合は子葉部に渋みが残っていた。なお種皮はどちらも試食しなかった。
【0041】
[実施例4]豚肉の水煮
鍋に、実施例1で調製した調理用水処理剤500g、角切豚肉200g、水2Lを入れて1時間煮熟した。比較のため、調理用水処理剤を使わないで同様に角切豚肉を1時間煮熟した。本発明の方法を用いて調理した場合は煮熟中、異臭を殆ど感じなかった。また煮熟後の豚肉及び煮汁にも異臭は感じられなかった。本発明の方法を用いなかった場合は煮熟中の異臭が強く、また煮熟後の豚肉及び煮汁にも異臭が残っていた。
【0042】
[実施例5]ところてんの製造
天草からゲル化成分を抽出してところてんを製造する工程で本発明の調理用水処理剤を使用した。実施例1で調製した調理用水処理剤は、寸法が30cm×30cm×6cmの特製の大型ステンレス打抜きシート製ケースに、1ケース当り約5kg入れ、7ケースを使用した。2トンの釜に上記調理用水処理剤7ケースと水1.6トンを入れ、煮沸後30分間加熱して火を落とした。10時間経過後、浸漬してあった調理用水処理剤を全て取りだして以降は従来法と同様の方法でところてんを製造した。
【0043】
上記調理用水処理剤で処理した水を再度沸騰させ、50kgの天草を3回に分けて投入した。途中でお湯を約50Lずつ加えながら、約2時間30分かけて最終的に総容量が1.9トンとなるまで加水してところてんを抽出し、袋に入れて濾過した。抽出の間、細かい泡がでて勢い良く沸騰し、従来より熱量を大幅に押さえなければ吹きこぼれるほどであり、歩留まりも約3%向上した。また、沸騰している間中、従来あった異臭が消え、天草本来の良い臭いがしていた。
【0044】
抽出物は、ステンレス製の型に入れ、水で冷やして固めカットして製品化したが、できあがった製品は従来法と比較してすべりが良く、ステンレス製の型の中をすばやく移動した。ところてんの良さは、「つるりん」又は「とろりん」とした舌触りと食感で評価されるが、できあがった製品を従来品と比較して食した結果、このような滑らかさが著しく向上していることが分かった。
【0045】
[実施例6]炊飯
実施例1で調製した調理用水処理剤500gを、米の炊飯に使用する水2Lに予め30分以上浸漬してから、その水の約半分を使って通常の電気炊飯器で米5合を炊飯した。なお、米は通常の水道水で洗米して使用した。その結果、炊飯中の異臭は殆ど感じなくなり、炊き上がったご飯は殆ど無臭になった。また、1日間保温しても従来のような異臭がでないとの評価が得られた。但し、水分の浸透が良くなったために、調理用水処理剤を使用しなかった場合と比べて炊き上がりが柔らかくなり、水の量を減らして調整することが必要となった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の調理用水処理剤を用いて処理した水は、食品への浸透が良く、また熱の伝わり方も良くなるため、これを用いた食品製造方法によれば、豆類の皮のような固いものが容易に柔らかくなり、豆の渋みや天草等のゲル化成分等を効率良く煮出して抽出することができる。ところてん等のゲル化食品は水を均等に吸収して食感が滑らかになる。また、食品に含まれるタンパク質の劣化等によるアミン臭や油脂の劣化成分等を分解して異臭の発生を著しく抑制することができる。これらの相乗的な作用によって本発明の調理用水処理剤は、味や臭いを良くし、好ましい食感に仕上げる食品の製造に広く用いることができる。

Claims (10)

  1. セラミック材料からなる担体の表面に、チタン粉末を高速でブラスト噴射して被膜形成されたチタン被膜担持され、
    前記チタン被膜が少なくとも部分的に空気酸化されていることを特徴とする調理用水処理剤。
  2. セラミック材料からなる担体の表面に、チタン粉末を高速でブラスト噴射して被膜形成されたチタン被膜が担持され、前記チタン被膜が少なくとも部分的に空気酸化されている調理用水処理剤により処理した水を用いて調理することを特徴とする食品の製造方法。
  3. 前記処理が、調理用水に前記調理用水処理剤を浸漬処理することを含む請求項記載の方法。
  4. 前記処理が、調理用水に前記調理用水処理剤を浸漬して加熱することを含む請求項2又は3記載の方法。
  5. 前記食品が、小豆、インゲン豆、ササゲ、ソラ豆、エンドウ豆、大豆、緑豆、アーモンド、麻の実、カシューナッツ、銀杏、栗、胡桃、ココナッツ、ピスタチオ、ヒマワリの種、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ又は落花生の少なくとも1つを調理した食品である請求項2〜4何れか記載の方法。
  6. 前記食品が、甘納豆、餡、納豆又は煮豆である請求項5記載の方法。
  7. 前記食品が、牛肉、馬肉、鴨肉、鯨肉、鶏肉、豚肉又は羊肉の少なくとも1つを調理した食品である請求項2〜4何れか記載の方法。
  8. 前記食品が米を調理したご飯類である請求項2〜4何れか記載の方法。
  9. 前記食品が容器包装詰加圧加熱殺菌食品である請求項2〜8何れか記載の方法。
  10. 前記食品が、ところてん又はゼリーである請求項2〜4何れか記載の方法。
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