JPH11267030A - 調理用鍋 - Google Patents
調理用鍋Info
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- JPH11267030A JPH11267030A JP7383598A JP7383598A JPH11267030A JP H11267030 A JPH11267030 A JP H11267030A JP 7383598 A JP7383598 A JP 7383598A JP 7383598 A JP7383598 A JP 7383598A JP H11267030 A JPH11267030 A JP H11267030A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 軽量で、耐食性があり、電磁誘導加熱可能な
調理用鍋を提供する。 【解決手段】 調理用鍋1を構成する材料として、熱良
導性金属の少なくとも片面(2または3)、または両面
にチタンまたは、チタン合金を使用した三層構造以上の
複合材料を用いることにより、軽量化、耐食性向上を図
るとともに、電磁誘導加熱可能なチタン合金を鍋外面に
用いることにより、電磁誘導加熱タイプの調理器にも対
応可能とする。
調理用鍋を提供する。 【解決手段】 調理用鍋1を構成する材料として、熱良
導性金属の少なくとも片面(2または3)、または両面
にチタンまたは、チタン合金を使用した三層構造以上の
複合材料を用いることにより、軽量化、耐食性向上を図
るとともに、電磁誘導加熱可能なチタン合金を鍋外面に
用いることにより、電磁誘導加熱タイプの調理器にも対
応可能とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、業務用から一般家
庭用まで広く使用される調理用鍋に関するものである。
庭用まで広く使用される調理用鍋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多層構造の調理用鍋の材質として
は、アルミニウムやステンレス、もしくは、アルミニウ
ム/ステンレスよりなる二層材、ステンレス/アルミニ
ウム/ステンレスよりなる三層材、または、この三層材
のアルミニウム層を、純アルミニウムと合金アルミニウ
ムを組み合わせた構造などとし、さらに多層構造とした
材料等が用いられてきた。
は、アルミニウムやステンレス、もしくは、アルミニウ
ム/ステンレスよりなる二層材、ステンレス/アルミニ
ウム/ステンレスよりなる三層材、または、この三層材
のアルミニウム層を、純アルミニウムと合金アルミニウ
ムを組み合わせた構造などとし、さらに多層構造とした
材料等が用いられてきた。
【0003】また、近年、ガスコンロに代わり電磁誘導
をエネルギー源とする電磁調理器が普及してきている
が、この電磁調理器にも使用可能とするために、一部の
調理用鍋は最外面を構成する材料をフェライト系ステン
レスとし、電磁誘導によって発熱できる構成としたもの
もある。
をエネルギー源とする電磁調理器が普及してきている
が、この電磁調理器にも使用可能とするために、一部の
調理用鍋は最外面を構成する材料をフェライト系ステン
レスとし、電磁誘導によって発熱できる構成としたもの
もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウムから成る調理用鍋は軽く、熱伝導率が高いもの
の、腐食しやすく、強度的にも弱いという欠点があり、
一方、ステンレスの場合には、耐食性や強度が高く、保
温性も良好であるという利点はあるが、熱伝導率が低
く、調理に時間がかかる上に鍋自体が重くなるという欠
点を有している。
ニウムから成る調理用鍋は軽く、熱伝導率が高いもの
の、腐食しやすく、強度的にも弱いという欠点があり、
一方、ステンレスの場合には、耐食性や強度が高く、保
温性も良好であるという利点はあるが、熱伝導率が低
く、調理に時間がかかる上に鍋自体が重くなるという欠
点を有している。
【0005】そこで、アルミニウムとステンレスから成
るクラッド材を用いた調理用鍋は、それぞれの利点を利
用し、欠点を補い合っているものであるが、近年、アル
ミニウムの脳内濃化がアルツハイマー病の原因であると
の疑いがあることから、人々の健康志向の高まりととも
に、調理物に触れる部位はアルミニウムであることを多
くの人々が嫌う傾向にある。しかし、アルミニウムは前
述のように熱伝導が良く、安価な材料であることから、
他に代え難いものがあるため、ステンレス/アルミニウ
ム/ステンレスよりなる三層材、または、この三層材の
アルミニウム層を、純アルミニウムと合金アルミニウム
を組み合わせた構造などとし、さらに多層構造とした材
料等が用いられるようになった。このように多層構造と
なった鍋は、内外面がステンレスで覆われているいるた
め、清潔感や高級感はあるが、他方、厚みが増し重量が
重くなり、使い勝手が悪化する結果となった。
るクラッド材を用いた調理用鍋は、それぞれの利点を利
用し、欠点を補い合っているものであるが、近年、アル
ミニウムの脳内濃化がアルツハイマー病の原因であると
の疑いがあることから、人々の健康志向の高まりととも
に、調理物に触れる部位はアルミニウムであることを多
くの人々が嫌う傾向にある。しかし、アルミニウムは前
述のように熱伝導が良く、安価な材料であることから、
他に代え難いものがあるため、ステンレス/アルミニウ
ム/ステンレスよりなる三層材、または、この三層材の
アルミニウム層を、純アルミニウムと合金アルミニウム
を組み合わせた構造などとし、さらに多層構造とした材
料等が用いられるようになった。このように多層構造と
なった鍋は、内外面がステンレスで覆われているいるた
め、清潔感や高級感はあるが、他方、厚みが増し重量が
重くなり、使い勝手が悪化する結果となった。
【0006】本発明はこのような状況を鑑みて成された
ものであり、熱伝導性が良く、高い耐食性と強度を持
ち、良好な保温性を有するとともに、軽量化を実現し、
しかも、人々の健康志向を満足させ、その上、電磁調理
器にも対応可能な使い勝手のよい調理用鍋を提供するこ
とを目的としたものである。
ものであり、熱伝導性が良く、高い耐食性と強度を持
ち、良好な保温性を有するとともに、軽量化を実現し、
しかも、人々の健康志向を満足させ、その上、電磁調理
器にも対応可能な使い勝手のよい調理用鍋を提供するこ
とを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明の調理用鍋は、基材が熱良導性金属とチタ
ンまたは、チタン合金、あるいは、これらとステンレス
から成る複合材料を用いたものであり、電磁調理器に対
応する場合は、最外面にフェライト系ステンレスまた
は、80×10-6Ω・cm以上の固有抵抗を有するチタ
ン合金を用いたものである。また、さらに使い勝手を向
上させるために、チタン及び合金チタン表面をチタンの
酸化皮膜で被服するか、フッソコート等を処理すること
により、非粘着性を生じせしめ、なおかつ耐食性を向上
することを可能とした。
めに、本発明の調理用鍋は、基材が熱良導性金属とチタ
ンまたは、チタン合金、あるいは、これらとステンレス
から成る複合材料を用いたものであり、電磁調理器に対
応する場合は、最外面にフェライト系ステンレスまた
は、80×10-6Ω・cm以上の固有抵抗を有するチタ
ン合金を用いたものである。また、さらに使い勝手を向
上させるために、チタン及び合金チタン表面をチタンの
酸化皮膜で被服するか、フッソコート等を処理すること
により、非粘着性を生じせしめ、なおかつ耐食性を向上
することを可能とした。
【0008】なお、本発明が対象とする調理用鍋とは、
調理物を直火で調理する鍋、電磁調理器で使用する鍋、
また、電気炊飯器に用いられ、炊飯を行うための鍋等、
その他これに類する鍋を含むものとする。
調理物を直火で調理する鍋、電磁調理器で使用する鍋、
また、電気炊飯器に用いられ、炊飯を行うための鍋等、
その他これに類する鍋を含むものとする。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1記載の調理用鍋は、内外
両表面を構成する金属材料がチタンまたはチタン合金よ
り構成され、その内部に単層または複層のアルミニウム
や銅等の熱良導性金属を備えた、三層以上の構成を有す
る複合材料を成形して成るものであり、調理時に、熱は
内部の熱良導性金属により効率的に非調理物に伝わると
ともに、チタンまたはチタン合金を内外両表面に備えて
いるので、高い耐食性が有り、特にチタン合金は高強度
を持ち、しかも、チタンは熱伝導が低いため保温効果が
高く、さらに、チタンは軽金属の一種であるため、軽量
さをも実現している。また、調理用鍋の内外両表面を構
成する金属材料の内、一方のみがチタンまたは、チタン
合金とすることも可能であり、具体的には、チタン(合
金)/アルミニウム/銅やチタン(合金)/銅/鋼板等
の三層構造とし、内部に熱良導性金属を有する構成とす
ればよい。
両表面を構成する金属材料がチタンまたはチタン合金よ
り構成され、その内部に単層または複層のアルミニウム
や銅等の熱良導性金属を備えた、三層以上の構成を有す
る複合材料を成形して成るものであり、調理時に、熱は
内部の熱良導性金属により効率的に非調理物に伝わると
ともに、チタンまたはチタン合金を内外両表面に備えて
いるので、高い耐食性が有り、特にチタン合金は高強度
を持ち、しかも、チタンは熱伝導が低いため保温効果が
高く、さらに、チタンは軽金属の一種であるため、軽量
さをも実現している。また、調理用鍋の内外両表面を構
成する金属材料の内、一方のみがチタンまたは、チタン
合金とすることも可能であり、具体的には、チタン(合
金)/アルミニウム/銅やチタン(合金)/銅/鋼板等
の三層構造とし、内部に熱良導性金属を有する構成とす
ればよい。
【0010】請求項2記載の調理用鍋は、内外両表面を
構成する金属材料のうち、一方がチタンまたはチタン合
金、他方がステンレスより構成され、これらの内部に単
層または複層より成る熱良導性金属を備えた三層以上の
構成を持つ複合材料を成形して成るものであり、具体的
には、鍋内面をチタンまたはチタン合金、内部をアルミ
ニウムや銅等の熱良導性金属、外面を磁性材であるフェ
ライト系ステンレスとすれば、電磁誘導加熱も可能であ
り、電磁調理器にも使用可能であるとともに、鍋の両表
面にはチタンまたはチタン合金及びステンレスが露出し
ているため、耐食性の高い調理用鍋となる。また、電磁
調理器に対応する必要がない場合は、ステンレスの鋼種
は限定される必要はなく、また、内面をステンレス、外
面をチタンまたはチタン合金とすることも可能である。
構成する金属材料のうち、一方がチタンまたはチタン合
金、他方がステンレスより構成され、これらの内部に単
層または複層より成る熱良導性金属を備えた三層以上の
構成を持つ複合材料を成形して成るものであり、具体的
には、鍋内面をチタンまたはチタン合金、内部をアルミ
ニウムや銅等の熱良導性金属、外面を磁性材であるフェ
ライト系ステンレスとすれば、電磁誘導加熱も可能であ
り、電磁調理器にも使用可能であるとともに、鍋の両表
面にはチタンまたはチタン合金及びステンレスが露出し
ているため、耐食性の高い調理用鍋となる。また、電磁
調理器に対応する必要がない場合は、ステンレスの鋼種
は限定される必要はなく、また、内面をステンレス、外
面をチタンまたはチタン合金とすることも可能である。
【0011】請求項3記載の調理用鍋は、請求項1及び
2記載の調理用鍋の外面を構成する金属材料が80×1
0-6Ω・cm以上の固有抵抗を有するチタン合金から成
ることを特徴としたものであり、通常は非磁性である純
チタンでは電磁誘導加熱が不可能であるのに対し、純チ
タンにアルミニウムなどを添加して合金化することによ
り、固有抵抗値が大きくなり、その値が80×10-6Ω
・cm以上となったチタン合金を用いることにより、電
磁誘導による十分な発熱が得られるようになる。なお、
本明細書中記載のチタン合金の固有抵抗値は、いずれも
室温における値である。
2記載の調理用鍋の外面を構成する金属材料が80×1
0-6Ω・cm以上の固有抵抗を有するチタン合金から成
ることを特徴としたものであり、通常は非磁性である純
チタンでは電磁誘導加熱が不可能であるのに対し、純チ
タンにアルミニウムなどを添加して合金化することによ
り、固有抵抗値が大きくなり、その値が80×10-6Ω
・cm以上となったチタン合金を用いることにより、電
磁誘導による十分な発熱が得られるようになる。なお、
本明細書中記載のチタン合金の固有抵抗値は、いずれも
室温における値である。
【0012】請求項4記載の調理用鍋は、請求項1〜3
記載の調理用鍋に用いられるチタン及びチタン合金の表
面に酸化皮膜を生成させたものであるが、これは酸化性
の溶液に浸漬するか、酸化雰囲気下で加熱処理して得ら
れる。チタンの酸化皮膜は、5〜100μm、好ましく
は30μm以上の厚みを有することにより、表面潤滑性
が向上し、調理用鍋成型時に金型からの離型性が良化す
る上に、調理時に調理物が焦げ付くことを防止する作用
も合わせ持つ。
記載の調理用鍋に用いられるチタン及びチタン合金の表
面に酸化皮膜を生成させたものであるが、これは酸化性
の溶液に浸漬するか、酸化雰囲気下で加熱処理して得ら
れる。チタンの酸化皮膜は、5〜100μm、好ましく
は30μm以上の厚みを有することにより、表面潤滑性
が向上し、調理用鍋成型時に金型からの離型性が良化す
る上に、調理時に調理物が焦げ付くことを防止する作用
も合わせ持つ。
【0013】請求項5記載の調理用鍋は、少なくとも内
面にはフッソ樹脂コートによる非粘着処理層を有する、
請求項1〜3記載の調理用鍋であり、具体的には、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフル
オロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重
合体(PFA)及び、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン(FEP)のいずれかを含有するフ
ッソ樹脂塗料を材料表面に1〜3層塗装して得られる非
粘着層であり、これにより調理物が焦げ付きにくい調理
用鍋を提供することができる。
面にはフッソ樹脂コートによる非粘着処理層を有する、
請求項1〜3記載の調理用鍋であり、具体的には、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフル
オロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重
合体(PFA)及び、テトラフルオロエチレン−ヘキサ
フルオロプロピレン(FEP)のいずれかを含有するフ
ッソ樹脂塗料を材料表面に1〜3層塗装して得られる非
粘着層であり、これにより調理物が焦げ付きにくい調理
用鍋を提供することができる。
【0014】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の第1の実施例に
ついて図1を用いつつ説明する。調理用鍋1は、内面が
厚み0.5mmの純チタン2、外面が厚み0.8mmの
チタン合金3、これらの内部には厚み1.5mmの純ア
ルミニウム4を備えた、3層構造の材料をプレス成形し
て得られたものである。ここで使用される、調理用鍋1
の外面を構成するチタン合金3は、電磁誘導加熱調理器
にも対応可能なように、固有抵抗値が高いものを選定
し、組成がTi−6Al−4Vからなるチタン合金を使
用したが、固有抵抗値が80×10-6Ω・cm以上のも
のなら電磁誘導加熱に対応可能であり、例としては表1
に示すようなチタン合金が挙げられる。
ついて図1を用いつつ説明する。調理用鍋1は、内面が
厚み0.5mmの純チタン2、外面が厚み0.8mmの
チタン合金3、これらの内部には厚み1.5mmの純ア
ルミニウム4を備えた、3層構造の材料をプレス成形し
て得られたものである。ここで使用される、調理用鍋1
の外面を構成するチタン合金3は、電磁誘導加熱調理器
にも対応可能なように、固有抵抗値が高いものを選定
し、組成がTi−6Al−4Vからなるチタン合金を使
用したが、固有抵抗値が80×10-6Ω・cm以上のも
のなら電磁誘導加熱に対応可能であり、例としては表1
に示すようなチタン合金が挙げられる。
【0015】
【表1】
【0016】また、特に電磁誘導加熱の必要性がないと
きは、固有抵抗値に限定はない。内部のアルミニウムに
関しては、本実施例では、熱伝導の見知から、熱伝導性
良好な純アルミニウムを用いたが、合金アルミニウムで
あっても、アルミニウムの代わりに銅等を用いてもよ
く、あるいは、純アルミニウムと合金アルミニウムの組
み合わせや、アルミニウムと銅の組み合わせからなる2
層以上の構成をとっていても何ら問題はなく、要するに
熱伝導が良好な金属を使用していればよい。また、本実
施例の調理用鍋は、プレス成形後、洗浄した後、大気中
500〜630℃で30分間加熱を行い、チタン表面に
50〜80μmの酸化チタン皮膜5を得た。あるいは、
チタン酸化皮膜を生成する代わりに、調理用鍋内部にフ
ッソ樹脂コート処理を行い、非粘着性を確保することも
可能である。
きは、固有抵抗値に限定はない。内部のアルミニウムに
関しては、本実施例では、熱伝導の見知から、熱伝導性
良好な純アルミニウムを用いたが、合金アルミニウムで
あっても、アルミニウムの代わりに銅等を用いてもよ
く、あるいは、純アルミニウムと合金アルミニウムの組
み合わせや、アルミニウムと銅の組み合わせからなる2
層以上の構成をとっていても何ら問題はなく、要するに
熱伝導が良好な金属を使用していればよい。また、本実
施例の調理用鍋は、プレス成形後、洗浄した後、大気中
500〜630℃で30分間加熱を行い、チタン表面に
50〜80μmの酸化チタン皮膜5を得た。あるいは、
チタン酸化皮膜を生成する代わりに、調理用鍋内部にフ
ッソ樹脂コート処理を行い、非粘着性を確保することも
可能である。
【0017】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について図2を用いつつ説明する。調理用鍋6は内面が
厚み0.5mmの純チタン7、外面がフェライト系ステ
ンレスである厚み0.8mmのSUS430J1L8よ
り成り、これらの内部に厚み1.5mmの純アルミニウ
ム9を備えた、3層構造の材料をプレス成形して得られ
たものである。本実施例では、電磁誘導加熱調理器にも
対応可能なように、外面に用いられる材料はフェライト
系ステンレスとしたが、特に電磁誘導加熱の必要性がな
いときは、ステンレスの鋼種には限定がない。また、内
部の熱良導性金属については、実施例1同様、熱伝導が
良好な金属を使用していればよい。さらに、本実施例の
調理用鍋は、プレス成形後、洗浄した後、大気中500
〜600℃で30分間加熱を行い、チタン表面に50〜
80μmの酸化チタン皮膜10を得るとともに、ステン
レスの外面に生じた酸化皮膜は研磨処理にて削り落とし
て、鏡面研磨し、ステンレス光沢を出した。
について図2を用いつつ説明する。調理用鍋6は内面が
厚み0.5mmの純チタン7、外面がフェライト系ステ
ンレスである厚み0.8mmのSUS430J1L8よ
り成り、これらの内部に厚み1.5mmの純アルミニウ
ム9を備えた、3層構造の材料をプレス成形して得られ
たものである。本実施例では、電磁誘導加熱調理器にも
対応可能なように、外面に用いられる材料はフェライト
系ステンレスとしたが、特に電磁誘導加熱の必要性がな
いときは、ステンレスの鋼種には限定がない。また、内
部の熱良導性金属については、実施例1同様、熱伝導が
良好な金属を使用していればよい。さらに、本実施例の
調理用鍋は、プレス成形後、洗浄した後、大気中500
〜600℃で30分間加熱を行い、チタン表面に50〜
80μmの酸化チタン皮膜10を得るとともに、ステン
レスの外面に生じた酸化皮膜は研磨処理にて削り落とし
て、鏡面研磨し、ステンレス光沢を出した。
【0018】(比較例1)以下、第1の比較例について
図3を用いつつ説明する。調理用鍋11は内面が厚み
0.5mmのオーステナイト系ステンレス(SUS30
4)12、外面が厚み0.8mmのフェライト系ステン
レス(SUS430J1L)13で構成され、その内部
は厚み1.5mmのアルミニウム14から成る3層構造
の材料をプレス成形して得られたものである。
図3を用いつつ説明する。調理用鍋11は内面が厚み
0.5mmのオーステナイト系ステンレス(SUS30
4)12、外面が厚み0.8mmのフェライト系ステン
レス(SUS430J1L)13で構成され、その内部
は厚み1.5mmのアルミニウム14から成る3層構造
の材料をプレス成形して得られたものである。
【0019】(比較例2)以下、第2の比較例について
図4を用いつつ説明する。調理用鍋15は内面が厚み
2.0mmのアルミニウム16、外面が厚み0.8mm
のフェライト系ステンレス(SUS430J1L)17
で構成される、2層構造の材料をプレス成形して得られ
たものであり、アルミニウム表面はアルマイト処理18
されている。
図4を用いつつ説明する。調理用鍋15は内面が厚み
2.0mmのアルミニウム16、外面が厚み0.8mm
のフェライト系ステンレス(SUS430J1L)17
で構成される、2層構造の材料をプレス成形して得られ
たものであり、アルミニウム表面はアルマイト処理18
されている。
【0020】(評価)以上、実施例1,2及び比較例
1,2はいずれも材料の総厚みと外面を構成する材料の
厚みが統一されており、形状も同一であるため、平等な
評価が可能である。そこで、これらの調理用鍋につい
て、いくつかの観点から評価を行った結果を表2、表3
に示す。
1,2はいずれも材料の総厚みと外面を構成する材料の
厚みが統一されており、形状も同一であるため、平等な
評価が可能である。そこで、これらの調理用鍋につい
て、いくつかの観点から評価を行った結果を表2、表3
に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】表2、表3において、重量は比較例1を1
00とした場合の指数で示しており、当然ながら小さい
値の方が軽く、扱いやすいと言える。耐食性、鍋変形、
焦げ付きについては、(株)ハウスの「おでんの素」を
20g/lの割合で水に溶かして調整した液体を各鍋内
で連続煮沸500時間行った後の状態を示している。保
温性は鍋内の被調理物の冷めにくさを示すもので、電磁
誘導加熱特性は、電磁誘導加熱の可否を示している。
00とした場合の指数で示しており、当然ながら小さい
値の方が軽く、扱いやすいと言える。耐食性、鍋変形、
焦げ付きについては、(株)ハウスの「おでんの素」を
20g/lの割合で水に溶かして調整した液体を各鍋内
で連続煮沸500時間行った後の状態を示している。保
温性は鍋内の被調理物の冷めにくさを示すもので、電磁
誘導加熱特性は、電磁誘導加熱の可否を示している。
【0024】実施例1及び2においては、重量が軽く、
特に実施例1では比較例1に比べて約30%の軽量化が
図られているほか、耐食性は良好であり、変形もほとん
どない。また、酸化チタン皮膜の非粘着性により、焦げ
付きは少なく、また、内外面を構成するチタンやステン
レスの効果で保温性も良好な上に、電磁誘導加熱にも対
応可能である。このほか、内部のアルミニウムはチタン
あるいは、ステンレスで覆われているため、アルミニウ
ムが非調理物に溶出するという懸念もない。
特に実施例1では比較例1に比べて約30%の軽量化が
図られているほか、耐食性は良好であり、変形もほとん
どない。また、酸化チタン皮膜の非粘着性により、焦げ
付きは少なく、また、内外面を構成するチタンやステン
レスの効果で保温性も良好な上に、電磁誘導加熱にも対
応可能である。このほか、内部のアルミニウムはチタン
あるいは、ステンレスで覆われているため、アルミニウ
ムが非調理物に溶出するという懸念もない。
【0025】一方、比較例1については、内外面がステ
ンレスより構成されているため、重量が重く、使い勝手
が悪い上に、焦げ付きが見られるため、洗浄にも労力を
要する。また、比較例2では、重量は比較的軽いもの
の、アルマイト面が鍋内面に露出しているため、アルミ
ニウムの非調理物への溶出がある他、耐食性がやや劣
り、焦げ付きも多く、さらに、変形や保温性においても
やや劣る結果となっている。
ンレスより構成されているため、重量が重く、使い勝手
が悪い上に、焦げ付きが見られるため、洗浄にも労力を
要する。また、比較例2では、重量は比較的軽いもの
の、アルマイト面が鍋内面に露出しているため、アルミ
ニウムの非調理物への溶出がある他、耐食性がやや劣
り、焦げ付きも多く、さらに、変形や保温性においても
やや劣る結果となっている。
【0026】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、内外両表面を構成する金属材料がチタンまたはチ
タン合金より構成され、その内部に単層または複層のア
ルミニウムや銅等の熱良導性金属を備えた三層以上の構
成を有する複合材料を成形したことにより、調理時にお
いて、熱は内部の熱良導性金属により効率的に非調理物
に伝わるとともに、チタンまたはチタン合金を内外両表
面に備えているので、高い耐食性が有り、特にチタン合
金は高強度を持ち、しかも、チタンは熱伝導が低いため
保温効果が高く、さらに、チタンは軽金属の一種である
ため、軽量さをも実現している。また、人々の健康志向
を満足させ、その上、電磁調理器にも対応可能な使い勝
手のよい調理用鍋を提供できる。
れば、内外両表面を構成する金属材料がチタンまたはチ
タン合金より構成され、その内部に単層または複層のア
ルミニウムや銅等の熱良導性金属を備えた三層以上の構
成を有する複合材料を成形したことにより、調理時にお
いて、熱は内部の熱良導性金属により効率的に非調理物
に伝わるとともに、チタンまたはチタン合金を内外両表
面に備えているので、高い耐食性が有り、特にチタン合
金は高強度を持ち、しかも、チタンは熱伝導が低いため
保温効果が高く、さらに、チタンは軽金属の一種である
ため、軽量さをも実現している。また、人々の健康志向
を満足させ、その上、電磁調理器にも対応可能な使い勝
手のよい調理用鍋を提供できる。
【0027】また、請求項2記載の発明によれば、内外
両表面を構成する金属材料のうち、一方がチタンまたは
チタン合金、他方がステンレスより構成され、これらの
内部に単層または複層より成る熱良導性金属を備えた三
層以上の構成を持つ複合材料を成形したことにより、電
磁調理器にも使用可能であるとともに、鍋の両表面には
チタンまたはチタン合金及びステンレスが露出している
ため、耐食性の高い調理用鍋となる。
両表面を構成する金属材料のうち、一方がチタンまたは
チタン合金、他方がステンレスより構成され、これらの
内部に単層または複層より成る熱良導性金属を備えた三
層以上の構成を持つ複合材料を成形したことにより、電
磁調理器にも使用可能であるとともに、鍋の両表面には
チタンまたはチタン合金及びステンレスが露出している
ため、耐食性の高い調理用鍋となる。
【0028】また、請求項3記載の発明によれば、特
に、外面を構成する金属材料が80×10-6Ω・cm以
上の固有抵抗を有するチタン合金で形成したことによ
り、電磁誘導による十分な発熱が得られるようになる。
に、外面を構成する金属材料が80×10-6Ω・cm以
上の固有抵抗を有するチタン合金で形成したことによ
り、電磁誘導による十分な発熱が得られるようになる。
【0029】また、請求項4記載の発明によれば、特
に、チタン及びチタン合金の表面に酸化皮膜を生成させ
たことにより、表面潤滑性が向上し、調理用鍋成型時に
金型からの離型性が良化する上に、調理時に調理物が焦
げ付くことを防止する作用も合わせ持つことができる。
に、チタン及びチタン合金の表面に酸化皮膜を生成させ
たことにより、表面潤滑性が向上し、調理用鍋成型時に
金型からの離型性が良化する上に、調理時に調理物が焦
げ付くことを防止する作用も合わせ持つことができる。
【0030】また、請求項5記載の発明によれば、特
に、少なくとも内面に非粘着処理層を設けたことによ
り、調理物が焦げ付きにくい調理用鍋を提供することが
できる。
に、少なくとも内面に非粘着処理層を設けたことによ
り、調理物が焦げ付きにくい調理用鍋を提供することが
できる。
【図1】本発明の第1の実施例の調理用鍋の概要断面図
【図2】本発明の第2の実施例の調理用鍋の概要断面図
【図3】本発明の第1の比較例の調理用鍋の概要断面図
【図4】本発明の第2の比較例の調理用鍋の概要断面図
1,6 本実施例の調理用鍋 2,7 純チタン層 3 チタン合金層 4,9 アルミニウム層 5,10 酸化チタン層 8 フェライト系ステンレス層
Claims (5)
- 【請求項1】 内外両表面を構成する金属材料のうち、
両方または、いずれか一方がチタンまたはチタン合金よ
り構成され、その内部に単層または複層より成る熱良導
性金属を備えた三層以上の構成を有する複合材料を成形
して成る調理用鍋。 - 【請求項2】 内外両表面を構成する金属材料のうち、
一方がチタンまたはチタン合金、他方がステンレスより
構成され、これらの内部に単層または複層より成る熱良
導性金属を備えた三層以上の構成を持つ複合材料を成形
して成る調理用鍋。 - 【請求項3】 外面を構成する金属材料は80×10-6
Ω・cm以上の固有抵抗を有するチタン合金から成るこ
とを特徴とした請求項1または2記載の調理用鍋。 - 【請求項4】 チタン及び合金チタン表面がチタンの酸
化皮膜で被服されていることを特徴とする請求項1〜3
のいずれか1項に記載の調理用鍋。 - 【請求項5】 少なくとも内面には非粘着処理層を有し
てなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の調理用鍋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7383598A JPH11267030A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 調理用鍋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7383598A JPH11267030A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 調理用鍋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11267030A true JPH11267030A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13529606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7383598A Pending JPH11267030A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 調理用鍋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11267030A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002177971A (ja) * | 2000-12-14 | 2002-06-25 | Fuji Enterprise:Kk | 調理用水処理剤及びこれを用いた食品の製造方法 |
WO2005018393A1 (en) * | 2003-08-13 | 2005-03-03 | All-Clad Metalcrafters Llc | Bonded metal components having uniform thermal conductivity characteristics and method of making same |
US6926971B2 (en) * | 2002-06-28 | 2005-08-09 | All-Clad Metalcrafters Llc | Bonded metal components having uniform thermal conductivity characteristics and method of making same |
JP2008036442A (ja) * | 2007-08-21 | 2008-02-21 | Imphy Alloys | 多層材料から作製される基部および側壁を含む調理容器、および多層材料の物品 |
JP2010125516A (ja) * | 2008-12-01 | 2010-06-10 | Toyota Motor Corp | 保温スリーブ |
US7906221B2 (en) | 2002-06-28 | 2011-03-15 | All-Clad Metalcrafters Llc | Bonded metal components having uniform thermal conductivity characteristics |
CN103705103A (zh) * | 2013-12-05 | 2014-04-09 | 熊一言 | 镶铸钛铝复合锅及其制造方法 |
CN105231807A (zh) * | 2015-10-27 | 2016-01-13 | 广东万事泰集团有限公司 | 一种复合材料、锅具及锅具的制造方法 |
-
1998
- 1998-03-23 JP JP7383598A patent/JPH11267030A/ja active Pending
Cited By (9)
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Legal Events
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---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040622 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |