JPH08206004A - 電磁誘導加熱用調理容器およびその製造法 - Google Patents
電磁誘導加熱用調理容器およびその製造法Info
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- JPH08206004A JPH08206004A JP8621095A JP8621095A JPH08206004A JP H08206004 A JPH08206004 A JP H08206004A JP 8621095 A JP8621095 A JP 8621095A JP 8621095 A JP8621095 A JP 8621095A JP H08206004 A JPH08206004 A JP H08206004A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】軽量で使い勝手のよい、熱効率が良くてより調
理に適した実用的な電磁誘導加熱用調理容器を提供す
る。また、電磁誘導加熱用調理容器を容易に、低コスト
で製造すること、および製品不良率を低下させることを
可能にする。 【構成】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
容器本体１を有する。容器本体１の内面にはフッ素樹脂
加工によってフッ素樹脂被覆層２が形成される。容器本
体１の外面の少なくとも底面領域には、鉄、アルミニウ
ム等の金属溶射によって金属発熱層３が形成される。金
属発熱層３は無機材料または耐熱塗料またはそれらの組
合せからなる耐熱保護層４によって被覆される。
理に適した実用的な電磁誘導加熱用調理容器を提供す
る。また、電磁誘導加熱用調理容器を容易に、低コスト
で製造すること、および製品不良率を低下させることを
可能にする。 【構成】アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
容器本体１を有する。容器本体１の内面にはフッ素樹脂
加工によってフッ素樹脂被覆層２が形成される。容器本
体１の外面の少なくとも底面領域には、鉄、アルミニウ
ム等の金属溶射によって金属発熱層３が形成される。金
属発熱層３は無機材料または耐熱塗料またはそれらの組
合せからなる耐熱保護層４によって被覆される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導加熱式炊飯器
の内釜、電磁調理器用鍋等の電磁誘導加熱対応の調理容
器およびその製造法に関する。
の内釜、電磁調理器用鍋等の電磁誘導加熱対応の調理容
器およびその製造法に関する。
【０００２】
【従来の技術】電磁誘導加熱式炊飯器、電磁調理器等に
おいては、誘導加熱コイルから発生する磁力線によって
電磁誘導加熱対応の内釜、電磁誘導加熱対応の鍋等の調
理容器の内部に渦電流を生じさせて自己発熱させるよう
になっている。そして、このような調理容器としては、
従来、鉄、ステンレス等の磁性金属材料からなる調理容
器、あるいは磁性金属材料と非磁性金属材料のクラッド
板からなる調理容器等が存在する。
おいては、誘導加熱コイルから発生する磁力線によって
電磁誘導加熱対応の内釜、電磁誘導加熱対応の鍋等の調
理容器の内部に渦電流を生じさせて自己発熱させるよう
になっている。そして、このような調理容器としては、
従来、鉄、ステンレス等の磁性金属材料からなる調理容
器、あるいは磁性金属材料と非磁性金属材料のクラッド
板からなる調理容器等が存在する。
【０００３】しかし、鉄製調理容器とすると、ホーロー
加工が必要であり、また使用時に生じる塩分に対する耐
蝕性に問題があり、しかも容器が重くなり使い勝手が悪
いという問題があった。ステンレス製調理容器あるいは
クラッド板からなる調理容器とすると、いずれもプレス
成形がむづかしく製品の不良率が高く、また材料が高価
であり、しかも熱効率が悪いという問題があった。
加工が必要であり、また使用時に生じる塩分に対する耐
蝕性に問題があり、しかも容器が重くなり使い勝手が悪
いという問題があった。ステンレス製調理容器あるいは
クラッド板からなる調理容器とすると、いずれもプレス
成形がむづかしく製品の不良率が高く、また材料が高価
であり、しかも熱効率が悪いという問題があった。
【０００４】これに対し、熱伝導性にすぐれ、加工が容
易なアルミニウムをかかる調理用容器に利用しようとす
る試みがこれまでに存在する。例えば、実開昭６２−１
５５４９４号公報には、アルミニウム製なべの底部裏面
に鉄溶射によって磁性膜を形成し、この磁性膜をアルミ
ニウム溶射によるアルミニウム膜によって被覆したもの
からなる電磁調理器用なべが記載されている。
易なアルミニウムをかかる調理用容器に利用しようとす
る試みがこれまでに存在する。例えば、実開昭６２−１
５５４９４号公報には、アルミニウム製なべの底部裏面
に鉄溶射によって磁性膜を形成し、この磁性膜をアルミ
ニウム溶射によるアルミニウム膜によって被覆したもの
からなる電磁調理器用なべが記載されている。
【０００５】しかしながら、この電磁調理器用なべは、
なべの内面に調理材料のこびり付きが生じ易く、洗浄も
容易でなく実用性に欠ける。また、鉄の溶射膜がアルミ
ニウム溶射膜によって被覆されているため、この電磁調
理器用なべは、熱伝導性に優れている一方で発生した熱
がなべの外部に逃げ易く、熱効率はあまり良くない。
なべの内面に調理材料のこびり付きが生じ易く、洗浄も
容易でなく実用性に欠ける。また、鉄の溶射膜がアルミ
ニウム溶射膜によって被覆されているため、この電磁調
理器用なべは、熱伝導性に優れている一方で発生した熱
がなべの外部に逃げ易く、熱効率はあまり良くない。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、軽量で使い勝手のよい、熱効率が良くてより調
理に適した実用的な電磁誘導加熱用調理容器を提供する
ことである。本発明の別の課題は、電磁誘導加熱用調理
容器を容易に、低コストで製造すること、および製品不
良率を低下させることを可能にすることである。
課題は、軽量で使い勝手のよい、熱効率が良くてより調
理に適した実用的な電磁誘導加熱用調理容器を提供する
ことである。本発明の別の課題は、電磁誘導加熱用調理
容器を容易に、低コストで製造すること、および製品不
良率を低下させることを可能にすることである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる容器本体と、容器本体の外面の少なくとも底面領
域に形成された金属発熱層と、容器本体の外面の少なく
とも金属発熱層の領域を被覆する耐熱保護層からなるこ
とを特徴とする電磁誘導加熱用調理容器を構成したもの
である。
め、本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる容器本体と、容器本体の外面の少なくとも底面領
域に形成された金属発熱層と、容器本体の外面の少なく
とも金属発熱層の領域を被覆する耐熱保護層からなるこ
とを特徴とする電磁誘導加熱用調理容器を構成したもの
である。
【０００８】この構成において、容器本体は内面にフッ
素樹脂被覆層を有していることが好ましい。また、容器
本体の外面と金属発熱層との間に電解被膜または化学処
理被膜を有していることが好ましい。好ましくは、耐熱
保護層は無機材料または耐熱性塗料またはそれらの組合
せから形成されている。また、金属発熱層は、単一の層
として形成されていてもよいし、異なる種類の複数の金
属発熱層の積層構造として形成されていてもよい。さら
には、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる容
器本体の代わりに、陶磁器製またはガラス製の容器本体
を用いることもできる。
素樹脂被覆層を有していることが好ましい。また、容器
本体の外面と金属発熱層との間に電解被膜または化学処
理被膜を有していることが好ましい。好ましくは、耐熱
保護層は無機材料または耐熱性塗料またはそれらの組合
せから形成されている。また、金属発熱層は、単一の層
として形成されていてもよいし、異なる種類の複数の金
属発熱層の積層構造として形成されていてもよい。さら
には、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる容
器本体の代わりに、陶磁器製またはガラス製の容器本体
を用いることもできる。
【０００９】また、本発明は上記電磁誘導加熱用調理容
器を製造するための方法であって、アルミニウムまたは
アルミニウム合金製の容器本体を準備し、容器本体の外
面の少なくとも底面領域をブラスト加工し、ブラスト加
工を施した領域の表面にプラズマ溶射によって金属発熱
層を形成し、容器本体の外面の少なくとも金属発熱層の
領域に、無機材料または耐熱性塗料またはそれらの組合
せからなる耐熱保護層を形成することを特徴とする方法
を構成したものである。この方法において、容器本体は
内面にフッ素樹脂被覆層を有していることが好ましい。
この内面にフッ素樹脂被覆層を有する容器本体は、好ま
しくは、一面にフッ素樹脂被覆層を有するフッ素樹脂塗
装アルミニウム板を成形加工することによって、または
アルミニウム板を前記容器本体の形状に成形加工した後
これにフッ素樹脂塗装を施すことによって形成される。
また、この方法において、プラズマ溶射によって金属発
熱層を形成する前に、容器本体のブラスト加工を施した
領域の表面を電解被膜または化学処理被膜によって被覆
するようにしてもよい。
器を製造するための方法であって、アルミニウムまたは
アルミニウム合金製の容器本体を準備し、容器本体の外
面の少なくとも底面領域をブラスト加工し、ブラスト加
工を施した領域の表面にプラズマ溶射によって金属発熱
層を形成し、容器本体の外面の少なくとも金属発熱層の
領域に、無機材料または耐熱性塗料またはそれらの組合
せからなる耐熱保護層を形成することを特徴とする方法
を構成したものである。この方法において、容器本体は
内面にフッ素樹脂被覆層を有していることが好ましい。
この内面にフッ素樹脂被覆層を有する容器本体は、好ま
しくは、一面にフッ素樹脂被覆層を有するフッ素樹脂塗
装アルミニウム板を成形加工することによって、または
アルミニウム板を前記容器本体の形状に成形加工した後
これにフッ素樹脂塗装を施すことによって形成される。
また、この方法において、プラズマ溶射によって金属発
熱層を形成する前に、容器本体のブラスト加工を施した
領域の表面を電解被膜または化学処理被膜によって被覆
するようにしてもよい。
【００１０】
【作用】本発明による電磁誘導加熱用調理容器におい
て、誘導加熱コイルから発生する磁力線によって金属発
熱層中に渦電流が生じて金属発熱層が自己発熱する。発
生した熱は、アルミニウムの高い熱伝導性によって容器
全体に伝導する。耐熱保護層によって容器外部への放熱
が抑制され、発生した熱は容器内部に効率よく吸収さ
れ、蓄熱される。加えて、容器本体が内面にフッ素樹脂
被覆層を有している場合には、フッ素樹脂被覆層の離型
性によって調理材料のこびり付きが防止され、また容器
の洗浄が容易になる。容器本体外面と金属発熱層の間に
電解被膜または化学処理被膜を有する構成とした場合に
は、容器本体と金属発熱層の密着力がより増大するとと
もに、耐腐食性がより向上する。
て、誘導加熱コイルから発生する磁力線によって金属発
熱層中に渦電流が生じて金属発熱層が自己発熱する。発
生した熱は、アルミニウムの高い熱伝導性によって容器
全体に伝導する。耐熱保護層によって容器外部への放熱
が抑制され、発生した熱は容器内部に効率よく吸収さ
れ、蓄熱される。加えて、容器本体が内面にフッ素樹脂
被覆層を有している場合には、フッ素樹脂被覆層の離型
性によって調理材料のこびり付きが防止され、また容器
の洗浄が容易になる。容器本体外面と金属発熱層の間に
電解被膜または化学処理被膜を有する構成とした場合に
は、容器本体と金属発熱層の密着力がより増大するとと
もに、耐腐食性がより向上する。
【００１１】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の好ま
しい実施例について説明する。図１は、本発明による電
磁誘導加熱用調理容器の１実施例の縦断面図である。図
１に示すように、本発明による電磁誘導加熱用調理容器
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のいずれかか
らなる容器本体１を有している。そして、容器本体１の
内面には、フッ素樹脂加工によってフッ素樹脂被覆層２
が形成されている。フッ素樹脂被覆層２の厚さは２０μ
〜１００μが適している。フッ素樹脂としては、ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂（ＰＴＦＥ）、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂（例
えば、登録商標ネオフロンＦＥＰ：ダイキン工業株式会
社製、登録商標ＴｅｆｌｏｎＦＥＰ：デュポン社製）、
テトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル
共重合樹脂（例えば、登録商標ＴｅｆｌｏｎＰＦＡ：デ
ュポン社製）等を使用することができる。フッ素樹脂被
覆層２は、通常、上記フッ素樹脂の単一層として形成さ
れるが、ＰＴＦＥ層とＴｅｆｌｏｎＰＦＡ層の積層構造
として形成してもよい。
しい実施例について説明する。図１は、本発明による電
磁誘導加熱用調理容器の１実施例の縦断面図である。図
１に示すように、本発明による電磁誘導加熱用調理容器
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金のいずれかか
らなる容器本体１を有している。そして、容器本体１の
内面には、フッ素樹脂加工によってフッ素樹脂被覆層２
が形成されている。フッ素樹脂被覆層２の厚さは２０μ
〜１００μが適している。フッ素樹脂としては、ポリテ
トラフルオロエチレン樹脂（ＰＴＦＥ）、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂（例
えば、登録商標ネオフロンＦＥＰ：ダイキン工業株式会
社製、登録商標ＴｅｆｌｏｎＦＥＰ：デュポン社製）、
テトラフルオロエチレン−ペルフルオロビニルエーテル
共重合樹脂（例えば、登録商標ＴｅｆｌｏｎＰＦＡ：デ
ュポン社製）等を使用することができる。フッ素樹脂被
覆層２は、通常、上記フッ素樹脂の単一層として形成さ
れるが、ＰＴＦＥ層とＴｅｆｌｏｎＰＦＡ層の積層構造
として形成してもよい。
【００１２】容器本体１の外面の底面領域には、鉄、ア
ルミニウム等の金属溶射によって金属発熱層３が形成さ
れている。金属発熱層３は、単一層として形成されても
よいし、異なる種類の複数の金属発熱層の積層構造とし
て形成されていてもよい。この実施例では、容器本体外
面に直接、金属発熱層が形成されるが、容器本体外面と
金属発熱層の間に電解被膜または化学処理被膜を有する
構成とすることもできる。後者の場合には、容器本体と
金属発熱層の密着性がより増大すると同時に、耐腐食性
がより向上する。金属発熱層３は耐熱保護層４によって
被覆されている。耐熱保護層４は、無機材料または耐熱
性塗料またはそれらの組合せから形成されている。この
耐熱保護層によって、溶射形成された金属発熱層３の表
面が保護され、表面の硬度が増大する。
ルミニウム等の金属溶射によって金属発熱層３が形成さ
れている。金属発熱層３は、単一層として形成されても
よいし、異なる種類の複数の金属発熱層の積層構造とし
て形成されていてもよい。この実施例では、容器本体外
面に直接、金属発熱層が形成されるが、容器本体外面と
金属発熱層の間に電解被膜または化学処理被膜を有する
構成とすることもできる。後者の場合には、容器本体と
金属発熱層の密着性がより増大すると同時に、耐腐食性
がより向上する。金属発熱層３は耐熱保護層４によって
被覆されている。耐熱保護層４は、無機材料または耐熱
性塗料またはそれらの組合せから形成されている。この
耐熱保護層によって、溶射形成された金属発熱層３の表
面が保護され、表面の硬度が増大する。
【００１３】この電磁誘導加熱用調理容器は、例えば、
電磁誘導加熱式炊飯器の内釜、電磁調理器用鍋等の形態
を有しており、電磁誘導加熱式炊飯器本体、電磁調理器
本体等にセットされて使用される。そして、電磁誘導加
熱式炊飯器本体等のスイッチが入れられると、誘導加熱
コイルから発生する磁力線によって電磁誘導加熱用調理
容器の金属発熱層３中に渦電流が生じて金属発熱層３が
自己発熱する。発生した熱は、アルミニウムの高い熱伝
導性によって容器全体に伝導する。耐熱保護層４によっ
て容器外部への放熱が抑制され、発生した熱は容器内部
に効率よく吸収され、蓄熱される。また、容器本体内面
に形成されたフッ素樹脂被覆層の離型性によって調理材
料のこびり付きが防止され、また容器の洗浄が容易にな
る。
電磁誘導加熱式炊飯器の内釜、電磁調理器用鍋等の形態
を有しており、電磁誘導加熱式炊飯器本体、電磁調理器
本体等にセットされて使用される。そして、電磁誘導加
熱式炊飯器本体等のスイッチが入れられると、誘導加熱
コイルから発生する磁力線によって電磁誘導加熱用調理
容器の金属発熱層３中に渦電流が生じて金属発熱層３が
自己発熱する。発生した熱は、アルミニウムの高い熱伝
導性によって容器全体に伝導する。耐熱保護層４によっ
て容器外部への放熱が抑制され、発生した熱は容器内部
に効率よく吸収され、蓄熱される。また、容器本体内面
に形成されたフッ素樹脂被覆層の離型性によって調理材
料のこびり付きが防止され、また容器の洗浄が容易にな
る。
【００１４】本発明による電磁誘導加熱用調理容器は、
誘導加熱によって発生した熱を内部に効率良く吸収し、
蓄熱すると同時に、容器内面への調理材料のこびり付き
が防止されるので、より調理に適しており、とりわけ、
本発明を電磁誘導加熱式炊飯器に適用した場合には、米
の炊きあがりが非常に良くなる。また、本発明による電
磁誘導加熱用調理容器はアルミニウム材質であるから、
軽量であって使い勝手がよい。なお、容器本体が内面に
フッ素樹脂被覆層を有する構成とするのがより好ましい
が、例えば、本発明による電磁誘導加熱用調理容器を鍋
料理用の鍋として使用する場合等において調理材料のこ
びり付きがあまり問題にならないときには、容器本体は
内面にフッ素樹脂被覆層を有していなくてもよい。
誘導加熱によって発生した熱を内部に効率良く吸収し、
蓄熱すると同時に、容器内面への調理材料のこびり付き
が防止されるので、より調理に適しており、とりわけ、
本発明を電磁誘導加熱式炊飯器に適用した場合には、米
の炊きあがりが非常に良くなる。また、本発明による電
磁誘導加熱用調理容器はアルミニウム材質であるから、
軽量であって使い勝手がよい。なお、容器本体が内面に
フッ素樹脂被覆層を有する構成とするのがより好ましい
が、例えば、本発明による電磁誘導加熱用調理容器を鍋
料理用の鍋として使用する場合等において調理材料のこ
びり付きがあまり問題にならないときには、容器本体は
内面にフッ素樹脂被覆層を有していなくてもよい。
【００１５】図２は、本発明による電磁誘導加熱用調理
容器の別の実施例の縦断面図である。図２に示した実施
例は、金属発熱層３および耐熱保護層４の形成される領
域が図１に示した実施例と相違する。よって、図２の実
施例において図１の実施例と同一の構成要素には同一の
番号を付し、説明の重複を避けることにする。
容器の別の実施例の縦断面図である。図２に示した実施
例は、金属発熱層３および耐熱保護層４の形成される領
域が図１に示した実施例と相違する。よって、図２の実
施例において図１の実施例と同一の構成要素には同一の
番号を付し、説明の重複を避けることにする。
【００１６】図２（Ａ）に示した実施例では、金属発熱
層３は、容器本体１の外面における底面から側面の全領
域にわたって形成されており、耐熱保護層４が金属発熱
層３を被覆している。図２（Ｂ）に示した実施例では、
金属発熱層３は、容器本体１の外面の底面領域から側面
下部領域（底面から高さ約３０mmまでの側面領域) にわ
たって形成されており、耐熱保護層４は金属発熱層３を
含む容器本体外面の全領域を被覆している。図２の実施
例においても図１の実施例と同様の効果が得られるが、
図２の実施例では、発熱量および蓄熱量が増大するとと
もに、容器内部の熱対流がより効果的になされ、より熱
効率が良く、より調理に適した容器が提供される。さら
に図２（Ｂ）の実施例では、容器全体の強度がより増大
するという効果も得られる。
層３は、容器本体１の外面における底面から側面の全領
域にわたって形成されており、耐熱保護層４が金属発熱
層３を被覆している。図２（Ｂ）に示した実施例では、
金属発熱層３は、容器本体１の外面の底面領域から側面
下部領域（底面から高さ約３０mmまでの側面領域) にわ
たって形成されており、耐熱保護層４は金属発熱層３を
含む容器本体外面の全領域を被覆している。図２の実施
例においても図１の実施例と同様の効果が得られるが、
図２の実施例では、発熱量および蓄熱量が増大するとと
もに、容器内部の熱対流がより効果的になされ、より熱
効率が良く、より調理に適した容器が提供される。さら
に図２（Ｂ）の実施例では、容器全体の強度がより増大
するという効果も得られる。
【００１７】なお、ここに説明した実施例では、容器本
体をアルミニウム製またはアルミニウム合金製としてい
るが、陶磁器製あるいはガラス製の容器本体に同じ処理
を施すことによっても、また電磁誘導加熱用調理容器を
構成することができる。
体をアルミニウム製またはアルミニウム合金製としてい
るが、陶磁器製あるいはガラス製の容器本体に同じ処理
を施すことによっても、また電磁誘導加熱用調理容器を
構成することができる。
【００１８】図３には、本発明による電磁誘導加熱用調
理容器の製造法の１実施例の各工程を示した。以下、こ
の実施例について説明する。まず最初、一面に塗装によ
ってフッ素樹脂被覆層１１が形成されたアルミニウム板
１２からなるフッ素樹脂塗装アルミニウム板１３が準備
される（図３Ａ）。ここに、使用されるフッ素樹脂塗装
アルミニウム板は特に限定されないが、好ましくは住友
電気工業株式会社製のスミフロン（登録商標）が使用さ
れる。フッ素樹脂塗装アルミニウム板１３は成形加工さ
れて、内面にフッ素樹脂被覆層１１を有する容器本体１
０が形成される（図３Ｂ）。なお、この実施例では、容
器本体は、一面にフッ素樹脂被覆層を有するフッ素樹脂
塗装アルミニウム板を成形加工することによって形成さ
れるが、容器本体の形成方法はこれに限定されるもので
はなく、例えば、アルミニウム板を容器本体の形状に成
形加工した後その内面にフッ素樹脂塗装を施すことによ
って形成することもできる。また、アルミニウム板また
はアルミニウム合金板を成形加工することによって内面
にフッ素樹脂被覆層を有しない容器本体を形成してもよ
い。
理容器の製造法の１実施例の各工程を示した。以下、こ
の実施例について説明する。まず最初、一面に塗装によ
ってフッ素樹脂被覆層１１が形成されたアルミニウム板
１２からなるフッ素樹脂塗装アルミニウム板１３が準備
される（図３Ａ）。ここに、使用されるフッ素樹脂塗装
アルミニウム板は特に限定されないが、好ましくは住友
電気工業株式会社製のスミフロン（登録商標）が使用さ
れる。フッ素樹脂塗装アルミニウム板１３は成形加工さ
れて、内面にフッ素樹脂被覆層１１を有する容器本体１
０が形成される（図３Ｂ）。なお、この実施例では、容
器本体は、一面にフッ素樹脂被覆層を有するフッ素樹脂
塗装アルミニウム板を成形加工することによって形成さ
れるが、容器本体の形成方法はこれに限定されるもので
はなく、例えば、アルミニウム板を容器本体の形状に成
形加工した後その内面にフッ素樹脂塗装を施すことによ
って形成することもできる。また、アルミニウム板また
はアルミニウム合金板を成形加工することによって内面
にフッ素樹脂被覆層を有しない容器本体を形成してもよ
い。
【００１９】次に、容器本体１０の外面の底面領域にブ
ラスト加工（＃４６モランダム・直圧５Kg/cm 2 ) が施
される。ブラスト加工が施された領域の表面にプラズマ
溶射によって金属発熱層１４が形成される（図３Ｃ）。
金属発熱層１４は、単一層として形成されてもよいし、
異なる種類の複数の金属発熱層の積層構造として形成さ
れていてもよい。この実施例では、プラズマ溶射を用い
て、まず最初に鉄系磁性材料の溶射がなされた後、さら
にアルミ／亜鉛合金の溶射がなされて金属発熱層１４が
形成される。なお、この実施例では、鉄系磁性材料の溶
射の厚さは７５０〜８５０μ、アルミ／亜鉛合金の溶射
の厚さは５０μとした。
ラスト加工（＃４６モランダム・直圧５Kg/cm 2 ) が施
される。ブラスト加工が施された領域の表面にプラズマ
溶射によって金属発熱層１４が形成される（図３Ｃ）。
金属発熱層１４は、単一層として形成されてもよいし、
異なる種類の複数の金属発熱層の積層構造として形成さ
れていてもよい。この実施例では、プラズマ溶射を用い
て、まず最初に鉄系磁性材料の溶射がなされた後、さら
にアルミ／亜鉛合金の溶射がなされて金属発熱層１４が
形成される。なお、この実施例では、鉄系磁性材料の溶
射の厚さは７５０〜８５０μ、アルミ／亜鉛合金の溶射
の厚さは５０μとした。
【００２０】金属発熱層１４の表面に無機材料または耐
熱性塗料またはそれらの組合せからなる耐熱保護層１５
が形成される（図３Ｄ）。この実施例では、金属発熱層
１４の表面にセラミック塗料（登録商標スミセラム：朝
日化学工業株式会社製）が５０〜８０μの厚さ塗装され
た後、３００℃の温度で焼成されて耐熱保護層１５が形
成される。このように形成した電磁誘導加熱対応内釜の
消費電力を測定した結果、１２５０Ｗの性能が得られ
た。こうして、本発明によれば、電磁誘導加熱用調理容
器を容易に、低コストで製造することができる。さら
に、本発明によれば、製品不良率を低下させることがで
きる。
熱性塗料またはそれらの組合せからなる耐熱保護層１５
が形成される（図３Ｄ）。この実施例では、金属発熱層
１４の表面にセラミック塗料（登録商標スミセラム：朝
日化学工業株式会社製）が５０〜８０μの厚さ塗装され
た後、３００℃の温度で焼成されて耐熱保護層１５が形
成される。このように形成した電磁誘導加熱対応内釜の
消費電力を測定した結果、１２５０Ｗの性能が得られ
た。こうして、本発明によれば、電磁誘導加熱用調理容
器を容易に、低コストで製造することができる。さら
に、本発明によれば、製品不良率を低下させることがで
きる。
【００２１】図３の実施例では、容器本体外面のブラス
ト加工が施された領域に直接、プラズマ溶射によって金
属発熱層が形成されるが、プラズマ溶射の前に、ブラス
ト加工を施した領域を電解被膜または化学処理被膜によ
って被覆しておき、この電解被膜または化学処理被膜の
上からプラズマ溶射を行って金属発熱層を形成するよう
にしてもよい。また、図３の実施例では、ブラスト加工
および溶射は容器本体外面の底面領域に行われるが、ブ
ラスト加工および溶射がなされる領域はこれに限定され
るものではない。例えば、図２（Ａ）に示した容器を製
造する場合には、容器本体外面の底面から側面の全領域
にわたってブラスト加工および溶射がなされる。同様
に、耐熱保護層が形成される領域も図３の実施例の場合
のように金属発熱層が形成された領域のみに限定にされ
るものではない。例えば、図２（Ｂ）に示した容器を製
造する場合には、耐熱保護層は金属発熱層を含む容器本
体外面の全領域にわたって形成される。
ト加工が施された領域に直接、プラズマ溶射によって金
属発熱層が形成されるが、プラズマ溶射の前に、ブラス
ト加工を施した領域を電解被膜または化学処理被膜によ
って被覆しておき、この電解被膜または化学処理被膜の
上からプラズマ溶射を行って金属発熱層を形成するよう
にしてもよい。また、図３の実施例では、ブラスト加工
および溶射は容器本体外面の底面領域に行われるが、ブ
ラスト加工および溶射がなされる領域はこれに限定され
るものではない。例えば、図２（Ａ）に示した容器を製
造する場合には、容器本体外面の底面から側面の全領域
にわたってブラスト加工および溶射がなされる。同様
に、耐熱保護層が形成される領域も図３の実施例の場合
のように金属発熱層が形成された領域のみに限定にされ
るものではない。例えば、図２（Ｂ）に示した容器を製
造する場合には、耐熱保護層は金属発熱層を含む容器本
体外面の全領域にわたって形成される。
【００２２】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、軽量で
使い勝手のよい、熱効率が良くてより調理に適した実用
的な電磁誘導加熱用調理容器を提供することができる。
また、本発明によれば、電磁誘導加熱用調理容器を容易
に、低コストで製造することができ、しかも製品不良率
を低下させることができる。
使い勝手のよい、熱効率が良くてより調理に適した実用
的な電磁誘導加熱用調理容器を提供することができる。
また、本発明によれば、電磁誘導加熱用調理容器を容易
に、低コストで製造することができ、しかも製品不良率
を低下させることができる。
【図１】本発明による電磁誘導加熱用調理容器の１実施
例の縦断面図である。
例の縦断面図である。
【図２】本発明による電磁誘導加熱用調理容器の別の実
施例の縦断面図である。
施例の縦断面図である。
【図３】本発明による電磁誘導加熱用調理容器の製造法
の１実施例の各工程を示す図である。
の１実施例の各工程を示す図である。
１ 容器本体 ２ フッ素樹脂被覆層 ３ 金属発熱層 ４ 耐熱保護層
Claims (6)
- 【請求項１】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる容器本体と、 前記容器本体の外面の少なくとも底面領域に形成された
金属発熱層と、 前記容器本体の外面の少なくとも前記金属発熱層の領域
を被覆する耐熱保護層からなることを特徴とする電磁誘
導加熱用調理容器。 - 【請求項２】 前記容器本体は内面にフッ素樹脂被覆層
を有していることを特徴とする請求項１に記載の電磁誘
導加熱用調理容器。 - 【請求項３】 前記耐熱保護層は無機材料または耐熱性
塗料またはそれらの組合せから形成されていることを特
徴とする請求項１または請求項２に記載の電磁誘導加熱
用調理容器。 - 【請求項４】 アルミニウムまたはアルミニウム合金製
の容器本体を準備し、 前記容器本体の外面の少なくとも底面領域をブラスト加
工し、 前記ブラスト加工を施した領域の表面にプラズマ溶射に
よって金属発熱層を形成し、 前記容器本体の外面の少なくとも前記金属発熱層の領域
に、無機材料または耐熱性塗料またはそれらの組合せか
らなる耐熱保護層を形成することを特徴とする電磁誘導
加熱用調理容器の製造法。 - 【請求項５】 前記容器本体は内面にフッ素樹脂被覆層
を有していることを特徴とする請求項４に記載の電磁誘
導加熱用調理容器の製造法。 - 【請求項６】前記容器本体は、一面にフッ素樹脂被覆層
を有するフッ素樹脂塗装アルミニウム板を成形加工する
ことによって、またはアルミニウム板を前記容器本体の
形状に成形加工した後これにフッ素樹脂塗装を施すこと
によって形成されることを特徴とする請求項５に記載の
電磁誘導加熱用調理容器の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8621095A JPH08206004A (ja) | 1994-12-06 | 1995-03-16 | 電磁誘導加熱用調理容器およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6-330648 | 1994-12-06 | ||
| JP33064894 | 1994-12-06 | ||
| JP8621095A JPH08206004A (ja) | 1994-12-06 | 1995-03-16 | 電磁誘導加熱用調理容器およびその製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08206004A true JPH08206004A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=26427373
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8621095A Pending JPH08206004A (ja) | 1994-12-06 | 1995-03-16 | 電磁誘導加熱用調理容器およびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08206004A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2782736A1 (fr) * | 1998-09-01 | 2000-03-03 | Fond Franco Belges | Recipient culinaire pour appareil de cuisson par induction et son procede de fabrication |
| WO2008001425A1 (fr) * | 2006-06-26 | 2008-01-03 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Récipient pour cuiseurs électromagnétiques |
| JP2010159932A (ja) * | 2009-01-09 | 2010-07-22 | Sharp Corp | 加熱調理器及び蒸気発生装置の洗浄方法 |
| JP2011030807A (ja) * | 2009-08-03 | 2011-02-17 | Gls:Kk | 電磁誘導加熱容器、及び電磁誘導加熱調理器 |
| WO2017014439A1 (ko) * | 2015-07-22 | 2017-01-26 | 강릉원주대학교산학협력단 | 유도가열이 가능한 주방용기의 제조방법 |
-
1995
- 1995-03-16 JP JP8621095A patent/JPH08206004A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2782736A1 (fr) * | 1998-09-01 | 2000-03-03 | Fond Franco Belges | Recipient culinaire pour appareil de cuisson par induction et son procede de fabrication |
| WO2008001425A1 (fr) * | 2006-06-26 | 2008-01-03 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Récipient pour cuiseurs électromagnétiques |
| US8344297B2 (en) | 2006-06-26 | 2013-01-01 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Container for electromagnetic cookers |
| JP2010159932A (ja) * | 2009-01-09 | 2010-07-22 | Sharp Corp | 加熱調理器及び蒸気発生装置の洗浄方法 |
| JP2011030807A (ja) * | 2009-08-03 | 2011-02-17 | Gls:Kk | 電磁誘導加熱容器、及び電磁誘導加熱調理器 |
| WO2017014439A1 (ko) * | 2015-07-22 | 2017-01-26 | 강릉원주대학교산학협력단 | 유도가열이 가능한 주방용기의 제조방법 |
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