JP2680997B2 - 電磁誘導加熱式調理器の調理容器 - Google Patents

電磁誘導加熱式調理器の調理容器

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JP2680997B2
JP2680997B2 JP6171091A JP17109194A JP2680997B2 JP 2680997 B2 JP2680997 B2 JP 2680997B2 JP 6171091 A JP6171091 A JP 6171091A JP 17109194 A JP17109194 A JP 17109194A JP 2680997 B2 JP2680997 B2 JP 2680997B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電磁誘導加熱式調理器
に用いられる調理容器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加熱手段として誘導コイルを用
い、この誘導コイルによる電磁誘導で調理容器を加熱し
て炊飯等の調理を行なう電磁誘導加熱式調理器が提供さ
れている。
【0003】このような電磁誘導加熱式調理器に用いら
れる調理容器は、非磁性金属材料からなる容器本体と、
この容器本体の外底面から側面下部に亘る部分に設けら
れたほぼ皿形状をなす磁性金属材料からなる発熱層部材
との複合構造に構成されている。
【0004】そして誘導コイルにより磁性金属材料から
なる発熱層部材に渦電流を発生させ、この渦電流に基づ
く発熱層部材の発熱で容器本体を加熱してその内部の内
容物を調理するようになっている。
【0005】容器本体の材料としては、発熱層部材の熱
を調理容器の全体に効率よく伝導させるために熱伝導性
に優れるアルミニウム等が用いられ、また発熱層部材の
材料としては、フェライト系ステンレス等が用いられて
いる。
【0006】このような構造の調理容器は、溶湯鍛造法
により製造されている。この溶湯鍛造法においては、図
9に示すように、下型aと上型bとを用いる。下型aに
は、調理容器の外形に対応する形状の凹部cが形成さ
れ、また上型bには調理容器の内形に対応する形状の凸
部dが形成されている。
【0007】そしてまず、下型aの凹部cの内底部にフ
ェライト系ステンレス等の磁性金属材料に予めプレス加
工等を施して所定の形状に形成した発熱層部材eを配置
し、またこの発熱層部材eの上面には鉄の粉末を焼結あ
るいは溶射して結合層fを予め設けておく。
【0008】この状態で、容器本体の素材としての溶融
したアルミニウムを下型aの凹部c内に流し込む。つい
で、下型aの凹部c内に上型bの凸部dを所定の圧力で
押し込んでアルミニウムを加圧し、容器本体を成形す
る。そして溶融状態のアルミニウムを固化させる。これ
によりアルミニウムからなる容器本体に発熱層部材eが
一体的に接合する調理容器が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の調理
容器においては、非磁性金属材料からなる容器本体と、
磁性金属材料からなる発熱層部材とが調理容器の外周面
の同一面上で接し合ってその両者の境界線が調理容器の
外面に露出する。
【0010】ところが、溶湯鍛造法によりこの調理容器
を成形するときに、前記境界線の部分において、非磁性
金属材料としてのアルミニウムが磁性金属材料としての
発熱層部材の外面側に大きくはみ出して外観が低下して
しまう場合が多い。そしてそのはみ出したアルミニウム
を切削して除去しようとすると、発熱層部材の外面に傷
が付き、その傷でまた外観が低下してしまう。
【0011】また、容器本体の非磁性金属材料と発熱層
部材の磁性金属材料とが調理容器の外周面の同一面上で
接し合っているため、その両者の境界線の部分に水分が
溜りやすく、この水分がその境界線からその内側に浸透
し、この水分で特に磁性金属材料が腐食しやすくなり、
耐腐食性が低下してしまう。
【0012】この発明はこのような点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、外観を良好に保
て、かつ耐腐食性が向上する電磁誘導加熱式調理器の調
理容器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明はこのような目
的を達成するために、溶湯鍛造法により非磁性金属材料
からなる容器本体の下部外面にほぼ皿形状をなす磁性金
属材料からなる発熱層部材を接合させた容器であって、
前記発熱層部材の上端側の周縁部にはその外方にほぼ水
平に延出する段部を形成し、この段部の延出縁の近傍に
おいて、発熱層部材の磁性金属材料と容器本体の非磁性
金属材料との境界線を位置させるようにしたものであ
る。そして請求項2の発明においては、発熱層部材の上
端側の周縁部からその外方にほぼ水平に延出した段部の
延出縁部に、ほぼ垂直に起立する起立部を形成してあ
る。また、請求項3の発明においては、発熱層部材の上
端側の周縁部からその外方にほぼ水平に延出した段部の
延出縁部には、垂直線に対して容器本体の外周側面と同
じ角度で僅かに傾斜して起立する起立部を形成してあ
る。
【0014】
【作用】このような調理容器においては、発熱層部材の
上端の周縁部にその外方にほぼ水平に延出する段部が形
成されているから、非磁性金属材料と磁性金属材料との
境界線が前記段部の外周縁部に沿う整然とした直線状態
となり、したがって調理容器の外観が良好に保たれる。
そして調理容器の外面に水が付着した場合、前記境界線
が段部の外周縁部に沿って配置しているから、この段部
によりいわゆる水切れが良好となり、このため前記境界
線の部分に水が溜るようなことがなく、したがって前記
境界線からその内部への水の浸透が防止され、耐腐食性
が向上する。
【0015】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1には、炊飯器として構成された電
磁誘導加熱式調理器を示してあり、符号1が外枠で、こ
の外枠1内に合成樹脂により有底筒状に形成された内枠
2が収納されている。この内枠2は上部外周にフランジ
3を一体的に有し、このフランジ3が外枠1の上端の開
口縁部に係止され、この係止より内枠2が外枠1内に支
持されている。
【0016】内枠2の外底面および外側面の下部にはそ
れぞれ誘導コイル4,5が取り付けられ、これら誘導コ
イル4,5がコイルカバー6で覆われている。内枠2の
底面の中央部には開口2aが形成され、またコイルカバ
ー6の底面の中央部に鍋センサ7が取り付けられ、この
鍋センサ7が前記開口2aを通して内枠2の内底部に突
出している。
【0017】誘導コイル4,5の外方側には、これら誘
導コイル4,5の磁束の漏れを防止するために、酸化鉄
を主原料とした高透磁率の材料を焼結してなる複数のフ
ェライトコア8…が誘導コイル4,5の巻き方向と直交
するように設けられている。さらにこれらフェライトコ
ア8…の外周側にアルミニウムからなる防磁板9が設け
られている。
【0018】内枠2の内部には、炊飯用の鍋としての調
理容器10が挿脱自在に収納されている。この調理容器
10の上端の開口縁部にはその外側に折曲するフランジ
11が一体に形成され、このフランジ11が内枠2の上
端の開口縁部に掛け止められ、これにより調理容器10
が内枠2内に支持されている。そしてこの調理容器10
の外面と内枠2の内面との間に所定の隙間が確保されて
いる。
【0019】外枠1の上面にはヒンジ1aを介して蓋体
12が回動自在に取り付けられ、この蓋体12の下面に
放熱板13が設けられ、さらにこの放熱板13の下面に
蓋パッキング14および内蓋15が取り付けられ、前記
内蓋15により調理容器10の上端の開口部が開閉され
るようになっている。
【0020】外枠1には前記ヒンジ1aの反対側におい
て蓋クランプ12aが設けられ、この蓋クランプ12a
により蓋体12が係脱可能に係止され、この係止により
調理容器10の上端の開口部が前記内蓋15で閉塞さ
れ、かつ前記蓋パッキング14が調理容器10のフラン
ジ11の上面に密着し、またその係止の解除により蓋体
12をヒンジ1aを支点に上方に回動して調理容器10
の上端の開口部を開放することができるようになってい
る。
【0021】内蓋15には調理容器10内の蒸気を流出
させる複数の小孔15a…が形成され、また蓋体12に
その蒸気を外部に放出させる蒸気口16が設けられてい
る。さらに蓋体12の放熱板13にはこの放熱板13を
加熱する蓋ヒータ17およびその放熱板13の温度を検
出する蓋センサ18が設けられている。また内枠2の外
周の中段部には胴ヒータ19が設けられている。
【0022】外枠1の内底部には制御基板20が設けら
れ、この制御基板20に前記誘導コイル4,5に高周波
電流を供給するためのインバータ回路等が設けられてい
る。また外枠1の内底部にはモータ21で駆動される冷
却ファン22が設けられ、前記冷却ファン22に対向し
て外枠1の底面に吸気口23が形成され、さらに外枠1
の側面下部に排気口24が形成されている。
【0023】そして前記冷却ファン22の回転により外
枠1の外部の空気が吸気口23から外枠1内に吸入され
るとともに、この空気が前記制御基板20に向けて送風
され、この送風空気で制御基板20が冷却されるように
なっている。
【0024】調理容器10は、非磁性金属材料からなる
容器本体25と、この容器本体25の底面から側面下部
に亘る部分に設けられた磁性金属材料からなる発熱層部
材26とで構成されている。
【0025】そして磁性金属材料からなる発熱層部材2
6が内枠2に設けられた前記誘導コイル4,5に所定の
間隔をあけて対向し、また調理容器10の外底面の中央
部に前記鍋センサ7が接触し、この鍋センサ7により調
理容器10の温度が検出されるようになっている。
【0026】調理時においては、制御基板20のインバ
ータ回路により誘導コイル4,5に高周波電流が供給さ
れ、この高周波電流により誘導コイル4,5に交番磁界
が発生する。そしてその磁界中に配置する調理容器10
の発熱層部材26に渦電流が流れ、この渦電流によるジ
ュール熱で発熱層部材26が発熱し、この熱が容器本体
25に伝導し、これにより調理容器10内の内容物、つ
まり米と水が加熱される。
【0027】調理容器10の温度は鍋センサ7により逐
次検出され、この検出温度に応じて、予め設定された制
御シーケンスに従って調理容器10の加熱量が調整さ
れ、この調整で炊飯や保温が行なわれる。
【0028】調理容器10の容器本体25を構成する非
磁性金属材料としては、熱伝導が良好で軽量な例えばア
ルミニウムが用いられ、発熱層部材26を構成する磁性
金属材料としては例えばフェライト系ステンレス(SUS4
30)が用いられている。
【0029】発熱層部材26はほぼ皿形状をなし、図2
に拡大して示すように、この発熱層部材26の上端の周
縁部にはその外方にほぼ水平に延出する段部27が形成
され、さらにこの段部27の延出縁部にほぼ垂直に起立
する起立部28が形成されている。
【0030】そしてこの発熱層部材26は、その外表面
が調理容器10の外面に露出するように容器本体25の
外底面から側面下部に亘る部分に埋め込まれて、容器本
体25に一体的に接合されている。
【0031】容器本体25の外周面は上方に向って外方
側に拡開するテーパ状に傾斜しているが、この容器本体
25の外周面と発熱層部材26における起立部28の外
周面とがなす角度αが30°以下となっている。
【0032】発熱層部材26と容器本体25とが接合す
る部分において、容器本体25の厚さをAとし、発熱層
部材26の厚さをBとしたとき、厚さBは厚さAの1/6
〜1/8 となっている。例えば容器本体25の厚さAが5
mmで、発熱層部材26の厚さBが0.7mm となっている。
【0033】調理容器10は溶湯鍛造法により製造する
もので、この溶湯鍛造法においては、図3に示すよう
に、下型aと上型bとを用いる。下型aには、調理容器
10の外形に対応する形状の凹部cが形成され、また上
型bには調理容器10の内形に対応する形状の凸部dが
形成されている。
【0034】そしてまず、下型aの凹部cの内底部にフ
ェライト系ステンレス等の磁性金属材料に予めプレス加
工等を施して所定の形状に形成した発熱層部材26を配
置し、またこの発熱層部材26の上面には鉄の粉末を焼
結あるいは溶射して結合層26aを設ける。
【0035】この状態で、容器本体25の素材としての
溶融したアルミニウムを下型aの凹部c内に流し込む。
ついで、下型aの凹部c内に上型bの凸部dを所定の圧
力で押し込んでアルミニウムを加圧し、容器本体25を
成形する。そして溶融状態のアルミニウムを固化させ
る。これにより容器本体25に発熱層部材26が一体的
に接合する調理容器10が完成する。
【0036】なお、調理容器10を溶湯鍛造法により製
造したの後には、この調理容器10の内面をアルミナグ
リッド等のブラスト処理により粗面化し、この粗面化し
た内面にFEP樹脂をコーティングし、このコーティン
グ膜をエアオーブンで乾燥し、その後、前記コーティン
グ膜の上にPFA樹脂をコーティングし、このコーティ
ング膜を乾燥して調理容器10の内面の全体に非粘着性
を有するコーティング層を形成する。
【0037】また、調理容器10の外面には、この外面
をアルミナグリッド等のブラスト処理により粗面化した
後に、ポリエーテルサルフォン樹脂およびPTFE樹脂
を主体にした塗料をコーティングし、このコーティング
膜を乾燥して防錆用のコーティング層を形成する。
【0038】このような調理容器10においては、発熱
層部材26の上端の周縁部にその外方にほぼ水平に延出
する段部27が形成されており、このため調理容器10
の成形時において、前記段部27の下面が図3に示すよ
うに、下型のほぼ水平な受部に密着し、このため容器本
体25の素材であるアルミニウムが起立部28の外周側
にはみ出しても、このアルミニウムが前記段部27と受
部との密着部分で遮断されて段部27の下面側へのはみ
出しが確実に阻止される。
【0039】このためアルミニウムと磁性金属材料との
境界線Cは、段部27の外周縁部に沿う整然とした直線
状態となり、したがって調理容器10の外観を良好に保
つことができる。そしてアルミニウムと磁性金属材料と
の境界線Cが段部27の外周縁部に沿って配置するか
ら、この境界線Cが視覚上、段部27の輪郭と紛れて目
立たなくなり、このためより一層調理容器10の外観が
良好となる。
【0040】ところで、万一、アルミニウムが段部27
の下面側にはみ出したような場合に、そのはみ出し部分
を切削して除去し、その切削で段部27の下面に傷が付
いたとしても、段部27の下面は調理容器10を斜め上
方や側方から目視したときに死角となるから、その傷が
目立たず、したがって調理容器10の全体の外観を良好
に保つことができる。
【0041】一方、境界線Cの部分おいて、アルミニウ
ムと磁性金属材料との接合状態の良否を検査する場合、
その境界線Cが段部27の外周縁部に沿って配置してい
るから、その段部27に基づいて境界線Cの位置を容易
に判断でき、したがってマグネット等を用いて境界線C
の位置を検知するような面倒な作業を要することなく、
その接合状態の良否の検査を能率よく行なうことができ
る。
【0042】調理容器10の外面に水が付着した場合、
境界線Cが段部27の外周縁部に沿って配置しているか
ら、この段部27によりいわゆる水切れが良好となり、
このため境界線Cの部分に水が溜るようなことがなく、
したがって境界線Cからその内部への水の浸透が確実に
防止され、これにより耐腐食性の向上を図ることがでい
る。
【0043】特に本実施例においては、段部27の延出
縁部に起立部28が形成され、この起立部28が容器本
体25の肉の内部に埋設されているから、より一層水の
浸透を防止して起立部28の上端の端縁での腐食を確実
に防止することができる。そして起立部28が容器本体
25の肉の内部に埋設されているため、発熱層部材26
が容器本体25に対してより強固に結合し、その剥離を
確実に防止することができる利点がある。
【0044】発熱層部材26と容器本体25とが接合す
る部分において、発熱層部材26の厚さBが容器本体2
5の厚さAの1/6 〜1/8 となっており、このため発熱層
部材26を効率よく発熱させてその熱を容器本体25の
全体に効率よく伝導させることができる。
【0045】発熱層部材26の厚さを厚くすればその発
熱量が多くなるが、その分、容器本体25の厚さを薄く
しなければならなくなり、この結果、容器本体25の熱
伝導量が少なくなって局部的な加熱過多が生じ、調理容
器10の全体に加熱ムラが生じてしまう。また逆に、発
熱層部材26の厚さを薄くすると、発熱量が少なくな
り、容器本体25に伝導する熱量が低下し、効率が低下
するばかりでなく、発熱層部材26が熱しやすく、また
冷めやすくなってその膨脹・収縮により発熱層部材26
が剥離しやすくなってしまう。
【0046】実験の結果によれば、発熱層部材26の厚
さBを、この発熱層部材26が接合する部分の容器本体
25の厚さAの1/6 〜1/8 にすることにより、加熱効率
が向上し、かつ発熱層部材26の剥離を確実に防止する
ことができることが判明した。
【0047】図4には、この発明の第2の実施例による
調理容器10を示してある。この第2の実施例による調
理容器10においては、磁性金属材料からなる発熱層部
材26の上端の周縁部に、その外方にほぼ水平に延出す
る段部27が形成され、さらにこの段部27の延出縁部
に、その内側に大きく屈曲する屈曲部29が形成されて
いる。そしてこの屈曲部29が容器本体25の肉の内部
に埋設されている。
【0048】このような構成においては、発熱層部材2
6の屈曲部29が容器本体25の肉の内部にくい込むよ
うに配置しているため、容器本体25に対する発熱層部
材26の接合強度がより一層向上し、発熱層部材26の
剥離を確実に防止することができる。
【0049】図5には、この発明の第3の実施例による
調理容器10を示してある。この第3の実施例による調
理容器10においては、磁性金属材料からなる発熱層部
材26の上端の周縁部に、その外方にほぼ水平に延出す
る段部27が形成され、さらにこの段部27の延出縁部
に起立部28が形成されている。この起立部28は垂直
線に対して容器本体25の外周側面と同じ角度で僅かに
傾斜している。そしてこの起立部28の上端の端面28
aが図6に拡大して示してあるように、水平線に対して
調理容器10の内方に向かって上方を向くように傾斜し
ている。
【0050】このように起立部28の上端の端面28a
を傾斜させると、その傾斜した端面28aがエッジ部と
なって発熱層部材26の剥離防止効果がより向上する。
図7には、この発明の第4の実施例による調理容器10
を示してある。この第4の実施例による調理容器10に
おいては、磁性金属材料からなる発熱層部材26の上端
の周縁部に、その外方にほぼ水平に延出する段部27が
形成され、さらにこの段部27の延出縁部に起立部28
が形成されている。この起立部28は垂直線に対して容
器本体25の外周側面と同じ角度で僅かに傾斜してい
る。
【0051】発熱層部材26の最上端つまり起立部28
の上端縁の位置と、発熱層部材26の外方側に設けられ
た誘導コイル5の最上端の位置との間隔Dは5mm以上と
してある。
【0052】また発熱層部材26の底面の中央部には開
口30が形成され、この開口30の周縁にその上方にほ
ぼ垂直に起立する起立部31が形成されている。そして
前記開口30の外周側における発熱層部材26の底部に
は、その上方に突出する2列のビード31,31が前記
開口30を囲むように環状に形成されている。
【0053】容器本体25の外底面の中央部は前記開口
30により外部に露出しているが、この露出部は切削に
より凹部25aとして加工され、この凹部25aの平坦
面に鍋センサ7が当接するように構成されている。
【0054】発熱層部材26の最上端の位置と、誘導コ
イル5の最上端の位置とを5mm以上離すと、誘導加熱に
よる発熱層部材26の発熱量がその上端部において少な
くなり、膨脹・収縮に起因する発熱層部材26の剥離を
防止する上で有効となる。
【0055】また、発熱層部材26の底部にビード3
1,31が形成されているため、これらビード31,3
1により発熱層部材26の機械的強度が補強され、また
発熱層部材26と容器本体25との接合面積が増してそ
の接合強度が向上するとともに、発熱層部材26で発生
した熱が容器本体25に良好に伝導する。
【0056】この発明の調理容器10は、溶湯鍛造法に
より成形するため、円形状に形成する場合のほか、図8
に示すように角形状に形成することもできる。そしてこ
の場合、上端部を角形状とし、下端側にいくに従って丸
みを帯びた形状とすることも可能である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の調理容器
によれば、外観を良好に保つことができるとともに、耐
腐食性を確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁誘導加熱式調理器の構造を示す断面図。
【図2】この発明の第1の実施例による調理容器の一部
を示す断面図。
【図3】その調理容器を製造する方法を説明するための
断面図。
【図4】この発明の第2の実施例による調理容器の一部
を示す断面図。
【図5】この発明の第3の実施例による調理容器の一部
を示す断面図。
【図6】その調理容器の一部を拡大して示す断面図。
【図7】この発明の第4の実施例による調理容器の一部
を示す断面図。
【図8】角形状に形成した調理容器を示す斜視図。
【図9】溶湯鍛造法により調理容器を製造する方法を説
明するための断面図。
【符号の説明】
10…調理容器 25…容器本体 26…発熱層部材 27…段部 C…境界線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶湯鍛造法により非磁性金属材料からなる
    容器本体の下部外面にほぼ皿形状をなす磁性金属材料か
    らなる発熱層部材を接合させた容器であって、前記発熱
    層部材の上端側の周縁部にはその外方にほぼ水平に延出
    する段部を形成してあり、この段部の延出縁の近傍にお
    いて、発熱層部材の磁性金属材料と容器本体の非磁性金
    属材料との境界線を位置させてあることを特徴とする電
    磁誘導加熱式調理器の調理容器。
  2. 【請求項2】発熱層部材の上端側の周縁部からその外方
    ほぼ水平に延出した段部の延出縁部には、ほぼ垂直に
    起立する起立部が形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の電磁誘導加熱式調理器の調理容器。
  3. 【請求項3】発熱層部材の上端側の周縁部からその外方
    にほぼ水平に延出した段部の延出縁部には、垂直線に対
    して容器本体の外周側面と同じ角度で僅かに傾斜して起
    立する起立部が形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載の電磁誘導加熱式調理器の調理容器。
JP6171091A 1994-07-22 1994-07-22 電磁誘導加熱式調理器の調理容器 Expired - Lifetime JP2680997B2 (ja)

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