JP4591690B2 - 蛍光物質入りled発光装置 - Google Patents

蛍光物質入りled発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4591690B2
JP4591690B2 JP2005165415A JP2005165415A JP4591690B2 JP 4591690 B2 JP4591690 B2 JP 4591690B2 JP 2005165415 A JP2005165415 A JP 2005165415A JP 2005165415 A JP2005165415 A JP 2005165415A JP 4591690 B2 JP4591690 B2 JP 4591690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold member
fine particles
silicone
emitting device
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005165415A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006339581A (ja
Inventor
克之 今澤
努 柏木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP2005165415A priority Critical patent/JP4591690B2/ja
Publication of JP2006339581A publication Critical patent/JP2006339581A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4591690B2 publication Critical patent/JP4591690B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明はLED発光装置に関するものであり、詳細には光の波長を長波長側にシフトする蛍光物質の性質を利用してモールド部材(封止部材)内に蛍光物質を混入し、LEDチップの発光色を変換する構成をしたLED発光装置に関するものである。
従来のこの種の蛍光物質入りLED発光装置の構成を示すのが図3であり、パッケージ5にマウントされたLEDチップ1を外部環境から保護するために透光性のモールド部材6が設けられており、該モールド部材6には、蛍光物質3を適宜重量比(例えば0.3〜30%)で混入しておくものである。なお、図中2は、導電線ワイヤーである。
このような従来のLED発光装置では、混入する蛍光物質の重量比によって所望の演色性のLED発光装置を得ることが可能である。
しかしながら、このような発光装置の製造過程において、安定した演色性の発光装置を連続して作製することができなかった。具体的には、混入された蛍光物質は、透光性のモールド部材に比べ比重が大きいため、時間の経過と共にモールド部材の下方に沈降してしまう。そのため、パッケージに蛍光物質を混入したモールド部材を充填する際、充填初期と充填後期では、モールド部材内での蛍光物質の分散状態が変化してしまい、当初設計した演色性が得られない問題を生じている。
また、蛍光物質の沈降状態を人為的に制御するのは困難であり、そのため安定した演色性の発光装置が得られないなどの問題を生じている。
そのため、安定した演色性を得るため蛍光物質がモールド部材内に沈降せず均一に分散させる方法の開発が要望されている。
従って、本発明は、上記の従来技術の欠点を解消し、より安定した演色性を維持し、かつ耐熱性に優れた発光装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、蛍光物質を含有したモールド部材(封止部材)中に、シリコーン微粒子を分散させることにより、安定した演色性を与えるLED発光装置が得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、モールド部材の少なくとも一部に蛍光物質が混入されてなる蛍光物質入りLED発光装置であって、モールド部材本体がシリコーン樹脂からなり、蛍光物質を含有した前記モールド部材は、蛍光物質の沈降を防止させるシリコーン微粒子として、前記モールド部材本体の比重に対して0.5〜1.1倍の比重を有すると共に、モールド部材本体の弾性率より弾性率が低く、かつ前記モールド部材本体との屈折率差が±50%以内である、平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆してなるコア−シェル型のシリコーン微粒子を分散させていることを特徴とする蛍光物質入りLED発光装置を提供する。この場合、ールド部材中にシリコーン微粒子を1〜20質量%の濃度で分散していることが好ましい
なお、本発明において、モールド部材とは、モールド部材本体と蛍光物質とシリコーン微粒子とからなるものを示し、モールド部材本体とは、このような蛍光物質及びシリコーン微粒子を含有しない状態のものを指す。
本発明のLED発光装置は、モールド部材中にシリコーン微粒子が蛍光物質と共に混入されている蛍光物質入りLED発光装置としたことで、従来は、時間の経過と共に演色性が変化していたLED発光装置に対し、安定した演色性を有する。
本発明のLED発光装置は、モールド部材の少なくとも一部に蛍光物質が混入されてなる蛍光物質入りLED発光装置において、蛍光物質を含有した前記モールド部材は、蛍光物質の沈降を防止させるシリコーン微粒子を分散させているものである。
図1は、このような本発明に係る蛍光物質入りLED発光装置を示すものであり、このLED発光装置は、リードフレームにマウントされたLEDチップ1を蛍光物質3が混入されたモールド部材6で覆うものである点は図3に示す従来例のものと同様であるが、モールド部材6には沈降防止剤としてシリコーン微粒子4が分散されているものである。
ここで、上記蛍光物質3及びシリコーン微粒子4が分散されるモールド部材本体6aは、公知の封止材料から形成することができ、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂(シリコーンゴム、シリコーンゲル等のオルガノポリシロキサン硬化物(架橋物)を包含する)、ユリア樹脂、フッ素樹脂、又はポリカーボネート樹脂にて形成することができる。
また、蛍光物質も公知のものを使用し得、例えば希土類元素をドープしたYAG系の蛍光物質等が一般的である。
上記蛍光物質の含有量は、モールド部材中、0.3〜30質量%、特に0.5〜25質量%であることが好ましい。
本発明において、モールド部材中にはシリコーン微粒子(即ち、オルガノポリシロキサン硬化物微粒子)が分散されるが、シリコーン微粒子としては、
(i)モールド部材本体の比重に対して0.5〜1.1倍の比重を有する、
(ii)モールド部材本体の弾性率よりも低い弾性率を有する、
(iii)モールド部材本体との屈折率差が±50%以内である屈折率を有する、
(iv)平均粒径が0.1〜100μmである
という(i)〜(iv)の少なくとも1つ、好ましくは全ての特性を有しているものが好適に用いられる。
ここで、シリコーン微粒子の比重が、モールド部材の比重に対して1.1倍を超えるとシリコーン微粒子が自重で沈降してしまい、モールド部材内での分散性が悪くなってしまうおそれがある。そのため、シリコーン微粒子の比重としては、モールド部材の比重に対して0.5〜1.1倍の範囲とすることが好ましい。より好ましくは0.8〜1.0倍である。
また、シリコーン微粒子として、モールド部材本体の弾性率に比較して弾性率の低いシリコーン微粒子を使用することにより、モールド部材が低応力化され、LED発光装置の耐熱性を向上させることができ、高温加熱時のモールド部材の耐クラック性等を改善することができる。この場合、モールド部材本体の弾性率は、使用する樹脂の種類によっても相違するが、通常1MPa以上(例えば1〜10MPa)、好ましくは1〜5MPa程度である。一方シリコーン微粒子の弾性率は、通常0.1〜5MPa、特に0.1〜3MPa程度であるが、シリコーン微粒子の弾性率は、モールド部材本体の弾性率より1/10から1未満、特に1/5〜4/5程度に低いことが好ましい。
シリコーン微粒子の屈折率については、モールド部材との透明性を確保するため、モールド部材との屈折率差が±50%以内、特に±20%以内であることが好ましい。
更に、シリコーン微粒子の平均粒径は、0.1〜100μm、より好ましくは0.2〜50μm、更に好ましくは0.5〜20μmとすることが、蛍光物質の沈降防止性の点から好ましい。なお、平均粒径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値D50(即ち、累積質量が50%となるときの粒子径又はメジアン径)として測定した値である。
ここで、シリコーン微粒子の添加で蛍光物質の沈降が防止され安定した演色性が得られる理由について考察してみると、シリコーン微粒子は、従来使用されていたモールド部材に比較して比重が大きいシリカ微粒子等の沈降防止剤とは異なり、モールド部材と比重が同等もしくは小さいものであるため、モールド部材内では沈降せず均一に分散させることが可能である。そのため、同一に混入している蛍光物質は、均一に分散しているシリコーン微粒子の存在により自重による沈降が妨げられる。従って、蛍光物質がモールド部材内に均一に分散することが可能となり、LEDチップ発光色の変換がモールド部材内全体で均一に行われるので、常に一定の演色性のLED発光装置が得られると考えられる。
本発明においては、上述したように、前記モールド部材中に、蛍光物質と共に、該蛍光物質の沈降を防止するため、シリコーン微粒子をモールド部材内に均一に分散させることにより、前記蛍光物質の沈降を防止し、蛍光物質をモールド部材内に均一に分散させるものであるが、シリコーン微粒子はモールド部材中1〜20質量%、特に2〜10質量%分散、含有していることが好ましい。
図2に示すグラフは、蛍光物質の沈降性について、モールド部材本体として使用するシリコーン樹脂に、蛍光物質(10質量%)とシリコーン微粒子の混入度を変化させて分散させ、混合開始から1時間後の蛍光物質の沈降度を測定したものである。
この測定の結果、混入濃度が1質量%未満である範囲では、シリコーン微粒子の沈降防止剤としての効果は急速に失われ蛍光物質の沈降が見られた。また、混入濃度が20質量%を超えると、シリコーン微粒子による遮蔽作用などにより光透過率が低下し、外部に放出されるLED発光装置としての光度が損なわれるものとなるので、混入濃度は1〜20質量%が好ましい。
次に、本発明で使用するシリコーン微粒子について更に詳述する。本発明で用いられるシリコーン微粒子は、シリコーンゴム微粒子、シリコーン樹脂(ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)微粒子等種々選定し得、公知のもの、市販品を使用することができるが、平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆してなる、シリコーンゴム弾性層(コア層)とポリオルガノシルセスキオキサン樹脂層(即ち、三次元網状のシリコーン樹脂からなる表面層)とからなる、いわゆるコア−シェル型の複合微粒子であることが好ましく、この製造方法としては、平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒子の水分散液に、アルカリ性物質又はアルカリ性水溶液とオルガノトリアルコキシシランを添加し、オルガノトリアルコキシシランを加水分解縮合反応させるとよく、この方法で本発明に好適なものを製造することができる。このシリコーンゴム球状微粒子は、分子構造式中に下記一般式(1)
−(R1 2SiO)a− (1)
(式中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基などのアラルキル基、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの1価ハロゲン化炭化水素基、更にはエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基などの反応性基含有の有機基から選択される1種又は2種以上の炭素数1〜20の1価の基で、その90モル%以上がメチル基であることが好ましいものであり、aは5未満では線状オルガノポリシロキサンの特徴が十分に出ないため、内部応力低下及び潤滑性向上の効果が十分に得られなくなる。aの最大値は特に定めるものではないが、実際に5,000より大きいとシリコーンゴム球状微粒子の製造が困難となるために、aは5〜5,000、好ましくは10〜1,000の数)で示される線状オルガノポリシロキサンブロックを有する分子の、ゴム弾性を持つ球状の硬化物からなるものである。
また、このシリコーンゴム球状微粒子はその粒子中にシリコーンオイル、オルガノシラン、無機系粉末、有機系粉末などを含有していてもよいが、この球状微粒子は平均粒径が0.1μm未満では粒子の流動性が低くなり、凝集性も高くなるし、100μmを超えるとエポキシ樹脂の成形性、エポキシ樹脂の特性を損なうおそれがあるので、球状微粒子の平均粒径は0.1〜100μmとすることが好ましく、より好ましい範囲は1〜30μmである。
このシリコーンゴム球状微粒子の製造における架橋方式としては、メトキシシリル基(≡SiOCH3)とヒドロキシシリル基(≡SiOH)などとの縮合反応、メルカプトシリル基(≡SiSH)とビニルシリル基(≡SiCH=CH2)とのラジカル反応、ビニルシリル基(≡SiCH=CH2)と≡SiH基との付加反応によるものなどが例示されるが、反応性、反応工程上の点からは付加反応によるものが好ましいので、これには(a)ビニル基含有オルガノポリシロキサンと(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサンを(c)白金系触媒の存在下で付加反応させて硬化させる組成物を用いることが好ましい。上記(a)成分はシリコーンゴム球状微粒子を与えるオルガノポリシロキサンの主成分であり、(c)成分の触媒作用により(b)成分と付加反応して硬化する成分である。(a)成分は1分子中にケイ素原子に結合したビニル基を少なくとも2個有することが必要であり、このビニル基は分子のどの部分に存在してもよいが、少なくとも分子の末端に存在することが好ましい。ビニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては前述のR1と同様の1価の有機基から選択されるものが挙げられるが、その90モル%以上がメチル基であることが望ましい。また、このものの分子構造は直鎖状であっても少量の分岐が混在したものであってもよく、本成分の分子量も特に限定されるものではない。この(a)成分としては、例えば下記一般式
Figure 0004591690

(式中、R1は上記と同じ、b及びcは0、1、2又は3、かつb+c=3であり、dは正数、eは0又は正数、かつ2b+e≧2である。)
Figure 0004591690

(式中、R1は上記と同じ、fは2以上の整数、gは0又は正の整数、かつf+g=4〜8である。)
Figure 0004591690

(式中、R1は上記と同じ、hは1、2又は3、iは0、1又は2、かつh+i=3であり、j、k及びLは正数である。)
などで示されるものが挙げられるが、上述したようにビニル基を2個以上有するものである。
次に、上記の(b)成分は(a)成分の架橋剤であり、本成分中のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)が(c)成分の触媒作用により(a)成分中のビニル基と付加反応して硬化する。従って、この(b)成分は1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有することが必要であり、この水素原子以外のケイ素原子に結合した有機基は前述のR1と同様の1価の有機基から選択されるものであるが、その90モル%以上がメチル基であることが好ましい。この(b)成分の分子構造は特に限定されるものではなく、直鎖状、分岐状又は環状のいずれでも、又はこれらの混在したものであってもよく、分子量にも特に限定はないが、(a)成分との相溶性を良好にするために、25℃の粘度を1〜10,000mPa・sとすることが好ましい。
また、この成分の添加量は、(a)成分中のビニル基1個に対し本成分のケイ素原子に結合した水素原子が0.5個未満となるような量の場合には良好な硬化性を得にくく、水素原子が20個を超えるような量の場合には硬化後のゴムの物理的性質が低下するので、この水素原子が0.5〜20個、好ましくは0.5〜5個となる量とすればよい。この(b)成分としては、例えば下記一般式
Figure 0004591690

(式中、R1は上記と同じ、mは0又は1、nは2又は3、かつm+n=3であり、pは0又は正数、qは0又は正数、かつ2m+q≧2である。)
Figure 0004591690

(式中、R1は上記と同じ、rは2以上の整数、sは0又は正の整数、かつr+s=4〜8である。)
Figure 0004591690

(式中、R1は上記と同じ、tは1、2又は3、uは0、1又は2、かつt+u=3であり、v、w及びxは正数である。)
などで示されるものが挙げられるが、SiH基を2個以上、特に3個以上有するものである。
(c)成分は、ケイ素原子に結合したビニル基と、ケイ素原子に結合した水素原子とを付加反応させる触媒であり、例えば白金担持カーボンあるいはシリカ、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−リン錯体、白金配位化合物等が挙げられる。この成分の使用量は、(a)成分に対し白金原子の量で1ppm未満では硬化が遅くなる上、触媒毒の影響も受け易い一方、100ppmを超えても特に硬化速度の向上等を期待することができず経済性の面で好ましくないので、1〜100ppmとなる範囲が好ましい。
シリコーンゴム球状微粒子は、上記した(a)成分を(c)成分の存在下で(b)成分と反応させて硬化させる際に、球状微粒子とすることにより製造できるが、これには(a)成分、(b)成分及び(c)成分の混合物を高温のスプレードライ中で硬化させる方法、有機溶媒中で硬化させる方法、エマルジョン状の混合物としたのち硬化させる方法などがある。これらの中では、本発明に用いられるシリコーン微粒子の製造において、シリコーンゴム球状微粒子を水分散液として使用するとよいことから、エマルジョン状の混合物としたのちエマルジョン粒子中で硬化させる方法とすることが好ましい。この方法においては、まず上記した(a)成分としてのビニル基含有オルガノポリシロキサンと(b)成分としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンの所定量を混合してオルガノポリシロキサン組成物を調製し、次いで得られた組成物に水と界面活性剤を添加した上で、市販のホモミキサーなどを用いてこれをエマルジョン化する。ここに使用する界面活性剤としては、硬化反応に悪影響を及ぼすことの少ないポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤から選択することが好ましい。
界面活性剤の添加量はエマルジョン100質量部に対して0.01質量部より少ないと微細な粒子とすることができず、20質量部より多くすると後記する後工程でのポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆させることが困難となるので、0.01〜20質量部の範囲とすることが必要であるが、好ましい範囲は0.05〜10質量部である。
また、このエマルジョン中における上記した(a)成分としてのビニル基含有オルガノポリシロキサンと(b)成分としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンの含有量は、これらがエマルジョン100質量部中に1質量部より少ないと効率的に不利となるし、80質量部より多くすると独立した硬化粒子のエマルジョンとすることができなくなるので、1〜80質量部の範囲、より好ましくは10〜60質量部の範囲とするのがよい。なお、このシリコーンゴム球状微粒子中にシリコーンオイル、シラン、無機系粉末、有機系粉末などを含有させる場合には、このエマルジョン化をする際に(a)成分と(b)成分からなるオルガノポリシロキサン組成物中にこれらを混合しておけばよい。
このようにして調製されたエマルジョンは、次いで(c)成分としての白金系触媒を添加してオルガノポリシロキサンを硬化させることによりシリコーンゴム硬化物の分散体とする。この白金系触媒には公知の反応制御剤を添加してもよいし、白金系触媒及び反応制御剤が水に分散し難いものである場合には界面活性剤を用いて水分散が可能となるようにしてから添加してもよい。このようにオルガノポリシロキサンを触媒で硬化させることにより平均粒径が0.1〜100μmであるシリコーンゴム球状微粒子の水性分散液を得ることができる。
本発明に用いられるシリコーン微粒子はこのシリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂が被覆されたものが好適に用いられるが、このポリオルガノシルセスキオキサンは、下記一般式(2)
2SiO3/2 (2)
で示されるシロキサン単位を構成単位とする樹脂状の重合物である。この式中のR2はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリール基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基などのアラルキル基、クロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基などの1価ハロゲン化炭化水素基、更にはエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基などの反応性基を有する1価の有機基から選択される1種又は2種以上からなる炭素数1〜20の有機基である。なお、このR2はその50モル%以上がメチル基であることが好ましく、上記したR2SiO3/2単位の他にその被覆性を損なわない範囲で少量のR2 2SiO2/2単位、R2 3SiO1/2単位、SiO2単位が含有されていてもよい。
このポリオルガノシルセスキオキサン樹脂は、シリコーンゴム球状微粒子の表面全面を均一に被覆していてもよいし、表面の一部を被覆していてもよいが、このポリオルガノシルセスキオキサン樹脂の量は、これがシリコーンゴム球状微粒子100質量部に対し1質量部未満では得られるシリコーン微粒子の流動性、分散性及び本発明の樹脂組成物への分散性が乏しくなり、500質量部より多くなるとシリコーンゴム球状微粒子の特性、つまり低応力化効果が十分に発揮されなくなるので、1〜500質量部とすることが必要であるが、好ましくは5〜100質量部とすればよい。
なお、シリコーンゴム球状微粒子をポリオルガノシルセスキオキサン樹脂で被覆する方法としては、公知の方法が採用し得る。
次に、実施例及び比較例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜6]
図1に示すように、LEDチップは発光波長が430nmの青色発光のものを使用し、パッケージ開口部内に、シリコーン樹脂で封止硬化し、モールド部材を形成したLED発光装置を3個形成した。シリコーン樹脂モールド部材本体には、3質量%の蛍光物質と、シリコーン微粒子(シリコーン樹脂と同等比重)を沈降防止剤として3質量%で分散混合させてある(実施例1)。同様に、沈降防止剤の質量比のみを代えて1、6、9、12、18質量%で分散混合させたものをそれぞれ実施例2〜6とした。
ここで、使用したシリコーン微粒子は、シリコーンゴム弾性層(コア層)にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂層が被覆されたもので、以下の性状を有する。
平均粒径:0.8μm
比重 :1.01
弾性率 :1MPa
屈折率 :1.41(25℃)
一方、上記シリコーン樹脂モールド部材本体の比重は1.02、弾性率は2MPa、屈折率は1.41(25℃)であった。
[比較例]
モールド部材形成時に沈降防止剤を入れない他は実施例と同様にして発光装置を形成させた。
このような作製した発光装置の演色性を評価するため、各々の発光装置の色度を大塚電子製(LP−3400)によって測定した(表1)。また、LED発光装置の高温時の信頼性を評価するため、260℃でのIRリフローを実施し、モールド部材の外観検査を実施した(表2)。
これら実施例1〜6の発光装置と比較例の発光装置の色度をそれぞれ比較した結果を表1に示す。表1から、実施例1〜6の場合、各々の発光装置で大きな色度のズレは生じなかった。また、比較例では、3個の発光装置で色度が大きく異なっており、従って本発明によれば、沈降防止剤としてシリコーン微粒子の混入により演色性を安定させることができた。
Figure 0004591690
また、実施例1〜6の発光装置と比較例の発光装置で高温時の信頼性を評価した結果を表2に示す。表2から、実施例1〜6の場合、各々の発光装置でモールド部材のクラック、モールド部材とパッケージとの剥離等の外観不良は発生しなかった。また、比較例では一部装置で、モールド部材のクラックが発生しており、高温過熱時の安定した信頼性が得られなかった。
Figure 0004591690
本発明に係る蛍光物質入りLED発光装置の実施形態を模式的に示す断面図である。 沈降防止剤濃度と蛍光物質の沈降度との関係を示す図である。 従来例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 LEDチップ
2 導電性ワイヤー
3 蛍光物質
4 シリコーン微粒子
5 パッケージ
6 モールド部材

Claims (2)

  1. モールド部材の少なくとも一部に蛍光物質が混入されてなる蛍光物質入りLED発光装置であって、モールド部材本体がシリコーン樹脂からなり、蛍光物質を含有した前記モールド部材は、蛍光物質の沈降を防止させるシリコーン微粒子として、前記モールド部材本体の比重に対して0.5〜1.1倍の比重を有すると共に、モールド部材本体の弾性率より弾性率が低く、かつ前記モールド部材本体との屈折率差が±50%以内である、平均粒径が0.1〜100μmのシリコーンゴム球状微粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆してなるコア−シェル型のシリコーン微粒子を分散させていることを特徴とする蛍光物質入りLED発光装置。
  2. 前記モールド部材は、前記シリコーン微粒子を1〜20質量%の濃度で分散させている請求項に記載の発光装置。
JP2005165415A 2005-06-06 2005-06-06 蛍光物質入りled発光装置 Active JP4591690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005165415A JP4591690B2 (ja) 2005-06-06 2005-06-06 蛍光物質入りled発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005165415A JP4591690B2 (ja) 2005-06-06 2005-06-06 蛍光物質入りled発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006339581A JP2006339581A (ja) 2006-12-14
JP4591690B2 true JP4591690B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=37559843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005165415A Active JP4591690B2 (ja) 2005-06-06 2005-06-06 蛍光物質入りled発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4591690B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8822593B2 (en) 2012-06-22 2014-09-02 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Curable resin composition, hardened material thereof, and optical semiconductor apparatus
US9403967B2 (en) 2013-05-14 2016-08-02 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Curable resin composition, cured product thereof and photosemiconductor apparatus
CN108447959A (zh) * 2018-02-01 2018-08-24 广州硅能照明有限公司 一种提高led性能的荧光粉涂覆方法

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008300544A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Sharp Corp 発光装置およびその製造方法
JP5286585B2 (ja) * 2007-10-05 2013-09-11 シャープ株式会社 発光装置
TW200921929A (en) * 2007-11-02 2009-05-16 Innolux Display Corp Light emitting diode
FR2937248B1 (fr) * 2008-10-20 2011-04-08 Microcapsules Technologies Microcapsules ayant une enveloppe composee essentiellement d'homopolymeres ou de copolymeres silsesquioxane
JP2010242041A (ja) * 2009-04-10 2010-10-28 Citizen Electronics Co Ltd シリコーン樹脂組成物およびこれを用いた発光ダイオード
MY158950A (en) * 2010-02-19 2016-11-30 Toray Industries Phosphor-containing cured silicone, process for production of same, phosphor-containing silicone composition, precursor of the composition, sheets, led package, light-emitting device, and process for production of led-mounted substrate
JP5062446B2 (ja) * 2010-03-10 2012-10-31 信越化学工業株式会社 光拡散性ジメチルシリコーンゴム組成物及びled光拡散成型体
US9117979B2 (en) 2010-12-13 2015-08-25 Toray Industries, Inc. Phosphor sheet, LED and light emitting device using the same and method for manufacturing LED
KR101234011B1 (ko) * 2011-05-25 2013-02-18 한국광기술원 경도가 다른 스피어를 갖는 봉지재 및 이를 이용한 led패키지
CN102544322A (zh) * 2012-01-13 2012-07-04 深圳市兆驰节能照明有限公司 白色光led及其封装工艺
JP5751214B2 (ja) 2012-03-13 2015-07-22 信越化学工業株式会社 硬化性シリコーン樹脂組成物、その硬化物及び光半導体デバイス
KR101950871B1 (ko) * 2012-05-30 2019-02-21 엘지이노텍 주식회사 광학 부재, 발광장치 및 표시장치
JP5788839B2 (ja) * 2012-08-03 2015-10-07 信越化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、その硬化物及びそれを用いた光半導体デバイス
CN104334680B (zh) 2012-08-13 2016-01-27 柯尼卡美能达株式会社 荧光体分散液的制造方法及led装置的制造方法
JP2014055238A (ja) * 2012-09-12 2014-03-27 Kaneka Corp Led封止用ポリシロキサン系組成物
JP6096087B2 (ja) 2012-12-21 2017-03-15 信越化学工業株式会社 硬化性シリコーン樹脂組成物、その硬化物及び光半導体デバイス
JP2015070156A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 サンケン電気株式会社 発光装置
JP2016225374A (ja) * 2015-05-27 2016-12-28 四国計測工業株式会社 Led発光装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0855867A (ja) * 1994-08-12 1996-02-27 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂封止型半導体装置
JP2004341446A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Nitto Jushi Kogyo Kk 光拡散体及びそれを用いた光学部材乃至光学デバイス
JP2005026401A (ja) * 2003-07-01 2005-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 発光ダイオード
JP2005064233A (ja) * 2003-08-12 2005-03-10 Stanley Electric Co Ltd 波長変換型led

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0855867A (ja) * 1994-08-12 1996-02-27 Hitachi Chem Co Ltd 樹脂封止型半導体装置
JP2004341446A (ja) * 2003-05-19 2004-12-02 Nitto Jushi Kogyo Kk 光拡散体及びそれを用いた光学部材乃至光学デバイス
JP2005026401A (ja) * 2003-07-01 2005-01-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 発光ダイオード
JP2005064233A (ja) * 2003-08-12 2005-03-10 Stanley Electric Co Ltd 波長変換型led

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8822593B2 (en) 2012-06-22 2014-09-02 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Curable resin composition, hardened material thereof, and optical semiconductor apparatus
US9403967B2 (en) 2013-05-14 2016-08-02 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Curable resin composition, cured product thereof and photosemiconductor apparatus
CN108447959A (zh) * 2018-02-01 2018-08-24 广州硅能照明有限公司 一种提高led性能的荧光粉涂覆方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006339581A (ja) 2006-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4591690B2 (ja) 蛍光物質入りled発光装置
JP5549568B2 (ja) 光半導体素子封止用樹脂組成物及び当該組成物で封止した光半導体装置
JP5025438B2 (ja) アリール(チオ)エーテルアリールポリシロキサン組成物およびその製造方法および使用方法
EP2163585B1 (en) Silicone laminated substrate, method of producing same, silicone resin composition for producing silicone laminated substrate, and led device
CN105612219B (zh) 有机硅凝胶组合物及其用途
KR100943713B1 (ko) 내열성 아릴 폴리실록산 조성물
CN103881388B (zh) 固化性硅酮树脂组合物、其固化物及光半导体装置
TWI630235B (zh) 用以形成具有優異反射及阻燃性質之物件之組合物及由其形成之物件
EP3101062B1 (en) Nanoparticle, method for producing nanoparticle, addition curing silicone resin composition, and semiconductor apparatus
JP5877081B2 (ja) 多面体構造ポリシロキサン変性体、該変性体を含有する組成物、該組成物を用いてなる封止剤、および光学デバイス
JP6754317B2 (ja) 付加硬化型シリコーン組成物、該組成物の製造方法、シリコーン硬化物、及び光学素子
JP2009523856A (ja) 熱安定性の透明なシリコーン樹脂組成物、並びにその調製方法及び使用
TWI725974B (zh) 硬化性矽酮樹脂組成物、矽酮樹脂複合體、光半導體發光裝置、照明器具及液晶圖像裝置
KR100627992B1 (ko) 실리콘 겔 조성물
KR20150037830A (ko) 경화성 오르가노폴리실록산 조성물, 그 제조 방법, 오르가노폴리실록산 경화물의 제조 방법, 오르가노폴리실록산의 축합 방법, 광 반도체 밀봉체, 및 오르가노폴리실록산의 축합 촉매
JP7439824B2 (ja) 分散液、組成物、封止部材、発光装置、照明器具、表示装置および分散液の製造方法
KR102255081B1 (ko) 경화성 실리콘 조성물
JP2019508565A (ja) Led封入用材料
JP6467125B2 (ja) 硬化性樹脂組成物、該組成物を硬化させてなる硬化物
CN106995530A (zh) 硅氧烷环氧化物、可固化的有机硅组合物及其应用
CN115427508A (zh) 具有增加的触变指数的可固化导热聚硅氧烷组合物
JPH06345970A (ja) オルガノポリシロキサン組成物
JP2019163424A (ja) 硬化性樹脂組成物及び該樹脂組成物を封止剤として用いた光半導体装置。
JP6016107B2 (ja) 付加硬化型シリコーン組成物
JP5941336B2 (ja) ポリシロキサン系組成物、および該組成物を封止材として用いてなる光半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100610

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100831

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4591690

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150