JP4588849B2 - ドアハンドル用ダンパー - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はドアハンドル用のダンパーに関する。より詳しくは、本発明はドアダンパーの回動構成要素の成形ギアラック（molded-in gear rack ）およびドアハンドル収納部のボスに組み込まれた流体ギアダンパー（fluid gear damper ）を提供する。さらに詳しくは、ギアダンパーは、ギアダンパーがドアハンドル収納部に係合するべく１／４回転回転することを可能にするリブ配置を含んでいる。
【０００２】
【従来の技術】
自動車のドアハンドルのヒンジに取り付けられた円筒ダンパー（cylindrical damper）の使用および同様の使用は従来技術において公知である。しかしながら、そのようなダンパーは、ドアハンドルにおける強いバネ力を緩和するのに必要な表面積を備えるために一般的に比較的大きな寸法となる。というのはそのようなダンパーはヒンジに取り付けられ、スプリングから最大トルクを受けるからである。
【０００３】
これらの従来技術のダンパーは同様にユニット完成品としては扱いにくい。さらに、ハンドルの希望する閉時間を計算することは困難で、この閉時間のどのような変更も一般にダンパーの表面積を変更することにより行なわれていたが、さらにダンパーのサイズに影響を与えダンパーの事実上の再設計を必要とすることもありうる。さらに、ダンパーは組立ラインまたは自動化製造に関連して組立に数工程を一般的に必要としてきた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、本発明における目的は比較的コンパクトな、自動車のドアハンドル用ダンパーまたは同様な用途のダンパーを提供することである。
【０００５】
本発明におけるさらなる目的はユニット完成品として単純な、自動車のドアハンドル用ダンパーまたは同様な用途のダンパーを提供することである。
【０００６】
本発明におけるさらなる目的は、希望する閉時間が比較的簡単に計算できる、自動車のドアハンドル用ダンパーまたは同様な用途のダンパーを提供することである。
【０００７】
本発明におけるさらなる目的は、希望するドアの閉時間を変更するために必要とされる再設計が最小となる、自動車のドアハンドル用ダンパーまたは同様な用途のダンパーを提供することである。
【０００８】
本発明におけるさらなる目的は、ダンパーが簡単に組み立てられ据付られるところの、自動車のドアハンドル用ダンパーまたは同様な用途のダンパーを提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
これらおよび他の目的は、ドアハンドルの回動機構の成形ギアラックおよびドアハンドル収納部のボスに組み込まれた流体ギアダンパーを含んでいるところの、自動車のドアハンドル用ダンパーまたは同様の用途のドアダンパーを提供することにより実現される。ダンパーのギアは成形ギアラックと同一のピッチで、両方のピッチ円は接している。
本発明のドアハンドルアセンブリーは、回動点を含む本体と、該回動点で回動するドアハンドルと、前記ドアハンドルに一体的に形成されたギアラックであって、輪郭が前記回動点の１つから等距離に形成されて成るギアラックと、前記ギアラックのピッチに等しいピッチの回転ギアであって、前記ギアラックに係合して前記ドアハンドルと協働する回転ギアを含むダンパーと、前記本体に係合するダンパー支持板であって、該ダンパー支持板がさらに前記回転ダンパーを挿嵌する穴を含んでおり、該穴が略円形で半径方向外側に向けて伸びる開口部を含んで成るダンパー支持板とを具備し、前記回転ダンパーは円筒部分を含んでおり、該円筒部分が前記半径方向に伸びる開口部を通過する第一の一対の半径方向に伸びるリブと、前記回転ダンパーが前記ダンパー支持板を貫通して挿入されることを制限する第二の一対の半径方向に伸びるリブとを備え、前記第二の一対の半径方向に伸びるリブに向き合っている前記第一の一対の半径方向に伸びるリブの面が傾斜しており、それにより第一の一対の半径方向に伸びるリブの少なくとも一方が回り止め要素の上を第一の回転方向に比較的容易に通過可能であるが、同回り止め要素の上を前記第一の回転方向に対して反対の第二の回転方向へは通過不能であるようになっている。
【００１０】
ギアダンパーは１／４回転する粘性ドアハンドルギアダンパーである。組立時、ダンパーはドアハンドル収納部に成形された開口部を貫通して取り付けられ、かつ１／４回転回転されている。ダンパー収納部の下部リブがドアハンドル収納部の表側に接触していて、ダンパー収納部の上部傾斜リブ（ramped rib）は、ドアハンドル収納部の頂部表面に成形された突起（bump）の上に押し付けられている。ダンパーは突起の上に押し付けられた上部傾斜リブにより位置にロックされている。組立後、ダンパーギアは回動ハンドルの背面に成形されたギアラックと噛合する。
本発明におけるさらなる目的および利点は、以下の説明および前述の特許請求の範囲と添付図面とから明確になる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図面を参照して詳細に説明する。なお数枚の図面を通して同一の番号は同一の要素を表わしている。図１は本発明におけるドアハンドルアセンブリー１０の斜視図で、自動車用ドアパネル（図示されていない）の内部側から外側方向に視たものである。ドアハンドルアセンブリー１０が、一般に自動車のドアの外面または外表面とほぼ同一の高さである外部プレート１２を含んでいる。図１におけるその他の部品はドアの内部にある。ハンドルのくぼみが、内方向延伸壁１６により自動車のドアの外表面に形成されていて、その壁は上部斜面壁１８と下部斜面壁２０と上部サポート壁２２につながっている。スロット２４が内方向延伸壁１６に内接して上部斜面壁１８と上部サポート壁２２に形成されている。同様にスロット２６が壁１８，２０，２２各々の端部にスロット２４と平行に形成されている。回動サポート２８が内方向延伸壁１６から上方向きに伸びている。同様に、回動サポート３０がハンドルくぼみの境界となっている図示されていない壁から上向きに伸びている。回動サポート２８，３０がピポット３２，３４を備えていて、ピポット間で旋回軸を形成しており、ピポットにドアハンドル４０のアーム３６，３８が回転するべく軸受けされている。ハンドルグリップ（図示されていないが、図１の裏側から見れば見ることができる）が、アーム３６，３８と一体化して形成されていて、壁１６，１８，２０，２２から形成されるハンドルのくぼみの中でアーム３６，３８間にかかっている。
【００１２】
ギアラック４２がアーム３８の末端面４４に成形されている。ギアラック４２の外端面はピポット３４から等距離に形成されている。すなわち、ギアラック４２の外端面は円の一部である。ギアラック４２は円形ダンパー４８の円形ギア４６と噛合している。円形ダンパー４８は平面ダンパー支持板５２の中に形成された穴５０に嵌合されている。円形ダンパー４８の円形ギア４６はギアラック４２のギアと同一のピッチで、円形ギアのピッチ円およびギアラック４２のギアのピッチ円とは共通接線を有している。それゆえアーム３８は、円形ギア４６とギアラック４２との噛合により円形ギア４６の回転に合せて回動する。さらに、成形されたギアラック４２が、円形ダンパー４８に働く接線方向の力を減少させるようなピポットからの半径を備えている。ドアハンドル４０閉時間は容易に計算することができて、円形ダンパー４８のサイズに影響を与える円形ダンパー４８の表面積を変更するというよりはむしろ成形されたギアラック４２のピッチ径を変えることにより変更することができる。
【００１３】
円形ダンパー４８の収納部５１が図２に示されていて、平面ダンパー支持板５２は図３に示されており、平面ダンパー支持板に組み立てられた円形ダンパー４８が図４に示されている。
【００１４】
円形ダンパー４８の収納部５１が第一の直径の円筒部分５６を含んでいて、さらに大きな第二の直径の円筒マウス（cylindrical mouth ）５８を含んでいる。円環壁（toroidal wall ）５７が円筒部分５６を円筒マウス５８に結合していて、円筒壁５９は内部円筒リップ６１を形成する円環壁５７から上方向に伸びている。上部傾斜リブ６０，６２が円筒マウス５８の頂部から半径方向外側に向って伸びており、さらに下部傾斜リブ６４も伸びている（円筒マウス５８の周囲を下部傾斜リブ６４から１８０°の間隔で配置されている下部傾斜リブとともに）。円形ダンパー４８の長手軸方向に平行に計測した、上部傾斜リブ６０，６２の下側表面と下部傾斜リブ６４の上側表面との間の距離は、図４に示されるようにリブ６０，６２，６４が円形ダンパーを穴５０の中に軸方向に位置決めするために役立つように、平面ダンパー支持板５２の厚さに等しい。
【００１５】
図３に示されるように、平面ダンパー支持板５２が第二直径の穴５０（すなわち、ダンパー収納部５１の円筒マウス５８が平面ダンパー支持板を通過出来るように）を含んでいて、さらに直径方向に向き合って半径方向外側に向けて伸びるウィング開口部（wing openings ）５４，５６を含んでおり、そのウィング開口部は上部傾斜リブ６０，６２がウィング開口部を通過することを可能にする形状に作られている。半球状の回り止め突起（detent bump ）６６および円筒状の止め金具６８が、穴５０から外側に近接して平面ダンパー支持板５２に形成されている。
【００１６】
円形ダンパー４８を平面ダンパー支持板５２と組立てるために、ダンパー収納部５１の円筒マウス５８が穴５２を通過し、上部傾斜リブ６０，６２は直径方向に向き合って半径方向外側に向けて伸びるウィング開口部５４，５６を通過する。下部傾斜リブ６４が上部傾斜リブ６０，６２の下側表面が平面ダンパー支持板５２の上側表面に係合または動かせるように、穴５０を貫通しての円形ダンパー４８のそう入を制限している。組立者は、上部傾斜リブ６０，６２の一方が半球状の回り止め突起６６の上を通過しその位置にロックし、上部傾斜リブ６０，６２のもう一方は円筒状の止め金具６８に突き当るように、円形ダンパー４８を約四分の一回転する。上部傾斜リブ６０，６２がその下側の表面が傾斜しているので上部傾斜リブ６０，６２がロック位置に入るために半球状の回り止め突起６６の上を通過することができるが、ロック位置からはずれるために半球状の回り止め突起６６の上を容易にもどることは出来ない。それゆえ、円形ダンパー４８が図４に示されるような位置にロックされる。
【００１７】
このようにいくつかの前述の目的および利点が最も効果的に得られる。本発明における一つの好適な実施の形態がここに開示され説明されているが、本発明はそれに制限されるものでなくて、その範囲が前述の特許請求の範囲により規定されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明におけるドアハンドルの斜視図である。
【図２】図２は本発明におけるダンパーアセンブリー収納部の斜視図である。
【図３】図３は本発明におけるダンパーアセンブリー収納部に係合する平面ダンパー支持板の斜視図である。
【図４】図４は平面ダンパー支持板に係合したダンパーアセンブリー収納部の斜視図である。
【符号の説明】
１０…ドアハンドルアセンブリー
４２…ギアラック
４８…円形ダンパー
５０…穴
５２…平面ダンパー支持板
６０，６２…上部傾斜リブ
６４…下部傾斜リブ
６６…半球状回り止め突起
６８…円柱状止め金具

Claims (5)

1. ドアハンドルアセンブリーが、
   回動点を含む本体と、
   該回動点で回動するドアハンドルと、
   前記ドアハンドルに一体的に形成されたギアラックであって、輪郭が前記回動点の１つから等距離に形成されて成るギアラックと、
   前記ギアラックのピッチに等しいピッチの回転ギアであって、前記ギアラックに係合して前記ドアハンドルと協働する回転ギアを含むダンパーと、
   前記本体に係合するダンパー支持板であって、該ダンパー支持板がさらに前記回転ダンパーを挿嵌する穴を含んでおり、該穴が略円形で半径方向外側に向けて伸びる開口部を含んで成るダンパー支持板とを具備し、
   前記回転ダンパーは円筒部分を含んでおり、該円筒部分が前記半径方向に伸びる開口部を通過する第一の一対の半径方向に伸びるリブと、前記回転ダンパーが前記ダンパー支持板を貫通して挿入されることを制限する第二の一対の半径方向に伸びるリブとを備え、
   前記第二の一対の半径方向に伸びるリブに向き合っている前記第一の一対の半径方向に伸びるリブの面が傾斜しており、それにより第一の一対の半径方向に伸びるリブの少なくとも一方が回り止め要素の上を第一の回転方向に比較的容易に通過可能であるが、同回り止め要素の上を前記第一の回転方向に対して反対の第二の回転方向へは通過不能であるようにしたドアハンドルアセンブリー。
2. 該第二の一対の半径方向に伸びるリブが、前記第一の一対の半径方向に伸びるリブに対して軸方向および半径方向にオフセットされている請求項１に記載のドアハンドルアセンブリー。
3. 回り止め要素が、前記第一の一対の半径方向に伸びるリブと係合するように、前記ダンパー支持板の表面上において前記穴から外側に向けて近接して形成されいる請求項２に記載のドアハンドルアセンブリー。
4. 該回り止め要素が半球状の突起および円筒状の止め金具を含んでいる請求項３に記載のドアハンドルアセンブリー。
5. 前記第一の一対の半径方向に伸びるリブと、前記第二の一対の半径方向に伸びるリブとの間を軸方向に計測した距離が、該ダンパー支持板の厚さに等しくなっている請求項１に記載のドアハンドルアセンブリー。

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