JP2023018838A - 車両用ドアハンドル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実用性(操作性)を向上させた車両用ドアハンドル装置を提供する。【解決手段】 車両用ドアハンドル装置1は、ドアパネルDPの車室外から把持可能なグリップ21であって、所定方向に延びる軸まわりに回動可能に支持され、その外側面がドアパネルDPの外側面と同一面内に位置する第1状態から第1方向へ回動して、ドアパネルDPの外側面から突出した第2状態へ遷移可能であり、且つ前記第2状態から前記第1方向とは反対の第2方向へ回動して、前記第1状態へ遷移可能なグリップ21と、グリップ21を前記第2方向へ回動させる付勢装置と、車外からグリップ21に作用する外力であって、グリップ21を前記第2方向に回動させる外力に対する抵抗力を発生する抵抗力発生装置と、を備える。【選択図】図8B

Description

本発明は、車両用ドアハンドル装置に関する。とくに、通常状態において、グリップがドアパネル内に収容され、車外からユーザーがドアを開く際に、グリップがドアパネルの外側へ突出(ポップアップ)するように構成された車両用ドアハンドル装置に関する。
従来、車外からドアを開く際に把持されるグリップを備えた車両用ドアハンドル装置(以下、「従来装置」と書庫する。)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。一般に、車両のドアパネルは、車室内側に位置するインナーパネルと車室外側に位置するアウターパネルとから構成されている。インナーパネルとアウターパネルの間には、空間が設けられている。従来装置は、ドアパネル内(インナーパネルとアウターパネルとの間)に配置される。
従来装置は、ベース、グリップなどを備える。ベースは、グリップを支持する支持部材である。グリップは、車両前後方向に延設されている。グリップは、車両高さ方向に延びる第1軸部材のまわりに回動可能に支持されている。アウターパネルには開口部が設けられており、この開口部内にグリップが位置している。グリップは、その長手方向における一端側(第1軸部材より後方の部分)が車室内側へ向かうように、トーションスプリングによって付勢されている。通常状態(ユーザーがグリップに触れない状態)では、グリップがベースに当接して静止している。この状態では、グリップの外側面とドアパネルの外側面との境界部に段差が生じることなく、両外側面(グリップの側面及びドアパネルの外側面)が同一面内に位置している。ユーザーがグリップの他端部(第1軸部材よりも前方の部分)を車室内側へ押すと、グリップが第1軸部材のまわりに回動して、グリップの一端側がアウターパネルの外側面よりも外側へ突出(ポップアップ)する。
特開2008-248631号公報
(発明が解決しようとする課題)
上記の従来装置において、ユーザーがグリップから手を放すと、グリップは、トーションスプリングによって付勢されて、通常状態に戻る。そのため、ドアを閉じる途中で、ユーザーがドアを再度開きたいと思っても、グリップが既にドアパネル内に収容されてしまっていて、ユーザーがグリップをつかむことができない場合がある。この場合、ユーザーは、グリップの他端部を押してグリップをポップアップさせ、グリップをつかむ必要がある。したがって、従来装置の実用性(操作性)が低い。
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、実用性(操作性)を向上させた車両用ドアハンドル装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段)
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用ドアハンドル装置は、車両のドアパネルに組み付けられる。
車両用ドアハンドル装置は、前記ドアパネルの車室外から把持可能なグリップであって、所定方向に延びる軸まわりに回動可能に支持され、その外側面が前記ドアパネルの外側面と同一面内に位置する第1状態から第1方向へ回動して、前記ドアパネルの外側面から突出した第2状態へ遷移可能であり、且つ前記第2状態から前記第1方向とは反対の第2方向へ回動して、前記第1状態へ遷移可能なグリップと、前記グリップを前記第2方向へ回動させる付勢装置と、車外から前記グリップに作用する外力であって、前記グリップを前記第2方向に回動させる外力に対する抵抗力を発生する抵抗力発生装置と、を備える。
本発明に係る車両用ドアハンドル装置において、ユーザーがグリップを第1状態から第2状態に遷移ポップアップ)させ、グリップから手を離すと、抵抗力発生機構により、グリップの第2方向への回動に対する抵抗力が付与される。よって、グリップが即座に第1状態に戻るのではなく、所定の時間が経過する時点まで、グリップがポップアップした状態にある。すなわち、ユーザーがグリップを再び把持することができる。よって、従来装置に比べて、本発明に係る車両用ドアハンドル装置の実用性が高い。
本発明の一態様に係る車両用ドアハンドル装置において、前記付勢装置は、バネであり、
前記抵抗力発生装置は、前記グリップに係合可能な第1レバーと、前記第1レバーに係合可能なストッパーと、前記第2状態において、前記第1レバーを前記グリップに係合させるとともに、前記ストッパーを前記第1レバーに係合させて、前記第1レバーを介して前記グリップの前記第2方向への回動を規制し、所定の条件が成立したとき、前記ストッパーを前記第1レバーから退避させて両者の係合を解除する電動アクチュエーターと、を含む。
この場合、前記電動アクチュエーターは、所定の軸まわりに回動可能に支持され、前記ストッパーに係合して前記ストッパーを駆動する第2レバーと、前記第2レバーを回動させる電動モーターと、を含むとよい。
本態様に係る車両用ドアハンドル装置において、グリップをポップアップさせると、第1レバーがストッパーに係止されて、ポップアップ状態が一時的に保持される。すなわち、ユーザーがグリップから手を離しても、グリップはポップアップした状態にあり、ユーザーがグリップを再び把持することができる。例えば、ユーザーは、ドアを閉じる途中で、グリップを把持して、再びドアを開くことができる。
本発明の他の態様に係る車両用ドアハンドル装置において、前記付勢装置がバネであり、前記抵抗力発生装置は、オイルダンパーである。
これによれば、グリップが第2状態から第1状態に戻る際のグリップの回動速度を低速化できる。よって、ユーザーが第2状態においてグリップから手を離した後に、グリップを再度把持することができる。また、電動アクチュエーターを用いてポップアップ状態を保持するように構成した場合にくらべて、装置の構成が簡単である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用ドアハンドル装置が適用されたドア(車両の右側のドア)の概略図である。 図2Aは、図1に示した車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。 図2Bは、図1に示した車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図3は、ベースを車室外側から見た斜視図である。 図4は、図1のIV‐IV断面図である。 図5(a)は、スイッチカバーを車室外側から見た斜視図である。図5(b)は、スイッチカバーを車室内側から見た斜視図である。 図6(a)は、ホルダーを車室外側から見た斜視図である。図6(b)は、ホルダーを車室内側から見た斜視図である。 図7(a)は、図1のVII-VII断面図であって、ホルダーをベースに固定する工程を示す断面図である。図7(b)は、図1のVII-VII断面図であって、ホルダーをベースに固定した状態を示す断面図である。 図8A(a)は、初期状態における車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。図8A(b)は、初期状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図8B(a)は、初期状態における車両用ドアハンドル装置を上方から見た平面図である。図8B(b)は、初期状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図9A(a)は、待機状態における車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。図9A(b)は、待機状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図9B(a)は、待機状態における車両用ドアハンドル装置を上方から見た平面図である。図9B(b)は、待機状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図10A(a)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。図10A(b)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図10B(a)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を上方から見た平面図である。図10B(b)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図11A(a)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。図11A(b)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図11B(a)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を上方から見た平面図である。図11B(b)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図12は、本発明の第2実施形態に係る車両用ドアハンドル装置の側面図であって、初期状態における車両用ドアハンドル装置を謝しない側から見た側面図である。 図13は、初期状態からポップアップ状態へ至る途中の第1段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図14は、初期状態からポップアップ状態へ至る途中の第2段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図15は、初期状態からポップアップ状態へ至る途中の第3段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図16は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図17は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第1段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図18は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第2段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図19は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第3段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図20は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第4段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図21は、本発明の第2実施形態の変形例に係る車両用ドアハンドル装置の側面図であって、初期状態における車両用ドアハンドル装置を謝しない側から見た側面図である。 図22は、初期状態からポップアップ状態へ至る途中の第1段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図23は、初期状態からポップアップ状態へ至る途中の第2段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図24は、初期状態からポップアップ状態へ至る途中の第3段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図25は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図26は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第1段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図27は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第2段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図28は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第3段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図29は、ポップアップ状態から初期状態へ至る途中の第4段階における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図30A(a)は、本発明の第3実施形態に係る車両用ドアハンドル装置の斜視図であって、初期状態における車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。図30A(b)は、初期状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図30B(a)は、初期状態における車両用ドアハンドル装置を上方から見た平面図である。図30B(b)は、初期状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図31A(a)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。図31A(b)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図31B(a)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を上方から見た平面図である。図31B(b)は、ポップアップ状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。 図32A(a)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を車室外側から見た斜視図である。図32A(b)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た斜視図である。 図32B(a)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を上方から見た平面図である。図32B(b)は、ドア開放状態における車両用ドアハンドル装置を車室内側から見た側面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る車両用ドアハンドル装置1(以下、単に「ドアハンドル装置1」と称呼する。)について説明する。まず、図1を参照して、ドアハンドル装置1が適用されるドアDRの概要について説明しておく。ドアDRは、車両本体の側面部に設けられた乗降口に取り付けられる。以下の説明における各種方向は、ドアDRが閉じられた状態の方向を表す。なお、本実施形態は、本発明を車両の右側のドアDRのドアハンドルとして実施した例であるが、本発明は他のドアのドアハンドル装置としても実施可能である。
ドアDRは、ドアパネルDP及びドアフレームDFを備える。ドアパネルDPは、インナーパネルDPaとアウターパネルDPbとから構成される。インナーパネルDPa及びアウターパネルDPbの外周縁部同士が接合されている。インナーパネルDPa及びアウターパネルDPbの外周縁部同士が接合された状態で、両者の間に空間が形成されるように、インナーパネルDPa及びアウターパネルDPbが予めプレス成形されている。すなわち、ドアパネルDPは、箱状(又は袋状)を呈する。ドアパネルDPの上部に、窓枠としてのドアフレームDFが取り付けられている。
ドアパネルDPの前側の端面が、図示しないヒンジを介して、乗降口の内周部に組み付けられる。ドアパネルDPが、前記ヒンジの軸まわりに回動して、ドアパネルDPが開閉される。
ドアパネルDPに、ドアロック装置DL及びドアハンドル装置1が取り付けられている。
ドアロック装置DLは、ドアパネルDP内の後部に配置されている。ドアロック装置DLは、車両の乗降口の内周部に設けられたストライカSTに係合して、ドアDRが閉じられた状態(全閉状態)を保持するラッチ機構LMを備える。ドアパネルDPの後端面に設けられた開口部内にラッチ機構LMの一部が露出している。ドアDRを閉じる際、この開口部から、ストライカSTがドアパネルDP内に進入し、ラッチ機構LMとストライカSTとが係合する。
さらに、ドアロック装置DLは、ラッチ機構LMとストライカSTとの係合を解除する解除機構RM(開放機構)を備える。解除機構RMは、ラッチ機構LMに係合するレバー、リンク部材などを含む。解除機構RMは、ロッドRDを介して、ドアハンドル装置1に連結されている。ドアDRが閉じられた状態で、ユーザーがドアハンドル装置1のグリップを引くと、ロッドRDを介して解除機構RMが駆動され、ラッチ機構LMとストライカSTとの係合が解除される。
さらに、ドアロック装置DLは、施錠機構KMを備える。施錠機構KMは、ロッドRDと解除機構RMとが係合した状態(施錠状態)と、当該係合が解除された状態(解錠状態)とを切り替える電動アクチュエーターを含む。施錠機構KMの電動アクチュエーターは、図示しない制御装置(以下、「ECU」と称呼する。)によって駆動される。
(構成)
つぎに、ドアハンドル装置1の具体的構成について説明する。ドアハンドル装置1は、アウターパネルDPbの後部であって、ドアロック装置DLの上方に設けられた開口部
OPDbに組み付けられている。
ドアハンドル装置1は、図2A及び図2Bに示したように、ベース10、ハンドル20、スイッチ装置30、ポップアップ機構40及びベルクランク50を含む。
ベース10は、後述するハンドル20、スイッチ装置30、ポップアップ機構40及びベルクランク50を支持する支持部材である。ベース10は、図3に示したように、ハンドル20及びスイッチ装置30を収容する収容部11を備える。収容部11は、車両前後方向に延設されている。収容部11は、底壁部11a及び周壁部11bを有する。底壁部11aは、車幅方向に対して略垂直な壁部である。底壁部11aは、車両前後方向に延びる略長円形を呈する。底壁部11aの前部には、車両前後方向に延びる開口部OP11aが設けられている。周壁部11bは、底壁部11aに対して垂直な板状部であり、底壁部11aの右面(車室外側の面)の周縁部に沿って形成されている。
さらに、ベース10は、フランジ部12a,12b,12cを備える(図3を参照)。フランジ部12aは、収容部11の前端から前方へ突出している。また、フランジ部12bは、収容部11の後端部における上側の周壁部の上面から上方へ突出している。フランジ部12cは、収容部11の後端部における下側の周壁部の下面から下方へ突出している。フランジ部12a,12b,12cには、車幅方向に貫通する貫通孔TH12a,TH12b,TH12cがそれぞれ設けられている。締結用のボルトが貫通孔TH12a,TH12b,TH12cにそれぞれ挿入されて、その先端が、ドアパネルDPの内側面に設けられたボスナットに締結される。このようにして、ベース10(車両用ドアハンドル装置1)がドアパネルDPの開口部OPDbの周縁部に固定される。
さらに、ベース10の周壁部11bのうちの上側の壁部及び下側の壁部には、車両高さ方向に貫通する貫通孔TH11bが設けられている。後述するハンドル20を回動可能に支持する軸部材13が、貫通孔TH11bに挿入されて固定される。
さらに、ベース10の収容部11の前端部(開口部OP11aより前方の部分)には、後述するスイッチカバー32を回動可能に支持する上下一対の軸受け部14,14が設けられている。軸受け部14,14は、底壁部11aから右方へ延びる柱状を呈している。ベース10の平面視において、軸受け部14,14の先端部が、半円状に切り欠かれている。後述するように、この切り欠き部Cにスイッチカバー32の軸部323が挿入されて支持される。
加えて、ベース10の左面には、左方へ延びる軸部15a,15b,15cが設けられている(図8Bを参照)。これらの軸部は、後述するポップアップ機構40を構成する各種レバーを支持する。軸部15aは、開口部OP11aの下方に位置している。軸部15bは、軸部15aの前方且つ下方に位置している(同図において左下方)。軸部15cは、軸部15aの後方(同図において右方)に位置している。
ハンドル20は、グリップ21を備える(図2Aを参照)。グリップ21は、車両前後方向に延びる棒状(柱状)を呈する。ドアDRの右方から見て、グリップ21の外形は、収容部11の外形(収容部11の前端部を除く部分の外形)と略同一である。具体的には、グリップ21の前端は矩形を呈し、後端は半円形を呈する。グリップ21の前端より少し後方に位置する部分に、軸受け部22(筒状部)が設けられている(図4を参照)。この軸受け部22と貫通孔TH11bとが同軸配置された状態にて、両者に軸部材13が挿入されて、グリップ21が軸部材13のまわりに回動可能に支持されている。さらに、軸受け部22から左方へ突出したアーム23が設けられている(図2B及び図4を参照)。アーム23は、開口部OP11aを通って底壁部11aの左方へ突出している。グリップ21の後端部側が底壁部11aの右方から底壁部11a側へ向かって回動するように、ハンドル20が、図示しないトーションスプリングによって付勢されている。そして、グリップ21が底壁部11aに当接して静止する。すなわち、グリップ21が収容部11に収容される。グリップ21の前端と収容部11の前端との間に空間S1が設けられていて、この空間S1に、後述するスイッチ装置30が配置される(図2A及び図3を参照)。
スイッチ装置30は、タクトスイッチ31、スイッチカバー32及びホルダー33を含む。タクトスイッチ31は、その押しボタン部が右方へ向けられた状態で、空間S1を構成する壁部に固定される(図4を参照)。タクトスイッチ31は、図示しないワイヤーハーネス、バスバーなどを介してECUに接続されている。
スイッチカバー32は、図5に示したように、カバー部321、ボタン押圧部322及び上下一対の軸部323,323を有する。カバー部321は、略板状を呈する。車両の右方から見て、カバー部321の外形は、収容部11の前端部の外形と略同一である。ボタン押圧部322は、カバー部321の左面における略中央部に設けられている。ボタン押圧部322の前端部には、前方へ突出した鍔部322aが設けられている。軸部323,323は、カバー部321の左面の後端部の上部及び下部にて、車両高さ方向にそれぞれ延設されている。
ホルダー33は、図6に示したように、基部331を有する。基部331は、スイッチ装置30の右方から見て、略矩形を呈する板状部である。さらに、ホルダー33は、スイッチカバー32の軸部323,323を支持する上下一対の軸支持部332,332を有する。軸支持部332,332は、基部331の右面の後端部における上端部及び下端部からそれぞれ右方へ延設されている。それらの先端部には、後方へ突出した鍔部332a,332aが形成されている。加えて、ホルダー33は、スイッチカバー32の回動を規制するストッパー333を有する。ストッパー333は、基部331の右面の前端部から右方へ突出したアーチ状を呈する。すなわち、ストッパー333は、上下一対の支柱部333a,333aと、それらの先端同士の間に架け渡されたブリッジ部333bを含む。
タクトスイッチ31が空間S1内に固定された状態で、スイッチカバー32の軸部323,323が、軸受け部14,14の右方から軸受け部14,14内に挿入される。つぎに、図7に示したように、ベース10の前方からホルダー33が後方へ移動されて、鍔部332a,332aが、軸受け部14,14に被せられた状態で、ホルダー33がベース10に締結される。これにより、軸部323,323が軸受け部14,14から脱落することなく回動可能になる。この状態で、ボタン押圧部322が、タクトスイッチ31の押しボタン部の表面に当接(対向)するとともに、鍔部322aが、支柱部333a,333a及びブリッジ部333bで囲まれた空間S2に挿入され、ブリッジ部333bに当接している。タクトスイッチ31は、ECUに接続されていて、ECUがタクトスイッチ31のオン・オフ状態を監視している。ユーザーがスイッチカバー32に手を触れない状態では、カバー部321の外側面と、アウターパネルDPbの外側面とが同一面内に位置している。そして、この状態では、タクトスイッチ31の押しボタン部は押し込まれていない。すなわち、タクトスイッチ31はオフ状態である。ユーザーが車外からスイッチカバー32を押すと、スイッチカバー32が回動しドアパネルDP内側へ少し進入して、ボタン押圧部322がタクトスイッチ31の押しボタン部を押圧する。これにより、タクトスイッチ31がオン状態になる。なお、ユーザーがスイッチカバー32に手を触れない状態では、鍔部322aがブリッジ部333bに当接して、スイッチカバー32の前端側がドアパネルDPの外側へ向かう動作(スイッチカバー32の回動)が規制されている。ECUは、ドアDRが解錠されている状態において、タクトスイッチ31がオフ状態からオン状態に遷移したことを検出すると、施錠機構KMを駆動して、ドアDRを施錠する。一方、ECUは、ドアDRが施錠されている状態において、ユーザーが図示しない携帯型端末(キー)を用いて解錠操作したことを検出すると、施錠機構KMを駆動して、ドアDRを解錠する。
ポップアップ機構40は、図8A及び図8Bに示したように、ポップアップレバー41,アクチュエーターレバー42、電動アクチュエーター43、ストッパー44及びスイッチ45を含む。
ポップアップレバー41は、板状部材である。ポップアップレバー41は、基部411及びアーム412,413,414を有する。基部411は、軸部15aのまわりに回動可能に支持されている。基部411は、図示しないトーションスプリングにより、図8B(b)において(左方から見て)、時計回りに回動するように付勢されている。
ポップアップレバー41の左方から見て、アーム412,413,414は、基部411の外縁部から外方(軸部15aの径方向における外方)へそれぞれ延出している。アーム412とアーム413とが、ポップアップレバー41の回転中心から見て、互いに反対方向に延出している。アーム414は、アーム412(414)の延出方向に対し略垂直な方向に延出している。
アクチュエーターレバー42は、板状部材である。アクチュエーターレバー42は、軸部15bのまわりに回動可能に支持されている。アクチュエーターレバー42は、その回動方向に延びる短い円弧状を呈するスリット状の開口部OP42を有する。
電動アクチュエーター43は、アクチュエーターレバー42の後方且つ下方に配置されている。電動アクチュエーター43は、電動モーターを含む。電動モーターの出力軸が、前方且つ上方へ延設され、その先端部にウォームギヤが取り付けられている。アクチュエーターレバー42に、ウォームホイールが取り付けられていて、このウォームホイールと電動モーターのウォームギヤとが噛み合っている。電動アクチュエーター43の電動モーターは、ECUによって制御される。
ストッパー44は、アクチュエーターレバー42の右方に隣接配置されている。ストッパー44は、ガイドプレート441及びヘッド部442を含む。ガイドプレート441は、アクチュエーターレバー42に対して平行な板状部である。ガイドプレート441には、スリット状の開口部OP441が設けられている。開口部OP441は、開口部OP42の右方に配置され、両者が部分的に連通している。開口部OP441は、その延設方向における一端が他端より上方に位置するように、直線状に延設されている。開口部OP441のスリット幅は、開口部OP42のスリット幅よりも少し小さい。
ヘッド部442は、基部及び鍔部を有する。基部は、アクチュエーターレバー42に対して平行な、矩形の板状部である。基部の左面には、左方へ突出した円柱状の凸部P1が設けられている。凸部P1が、開口部OP441及び開口部OP42に挿入されている。鍔部は、基部の1つの周端面に接続された矩形の板状部である。基部と鍔部とは直交している。すなわち、ヘッド部442は、T字形を呈している。鍔部の板厚方向が開口部OP4441の延設方向に対して平行である。
図示しないコイルスプリング(圧縮バネ)の一端がベース10に支持され、そのコイルスプリングの他端がヘッド部442に接続されている、このコイルスプリングがヘッド部442を押圧して、後方且つ上方(開口部OP441に平行な方向)へ付勢する。
スイッチ45は、ポップアップレバー41の回転中心から見て、下方且つ後方に配置されている。スイッチ45は、タクトスイッチであり、その押しボタン部が、ポップアップレバー41の回転中心側へ向けられている。スイッチ45は、ECUに接続されていて、ECUがスイッチ45のオン・オフ状態を監視している。
ベルクランク50は、板状部材である。ベルクランク50は、基部511及びアーム512,513,514を有する。基部511は、軸部15cのまわりに回動可能に支持されている。基部511は、図示しないトーションスプリングにより、図8B(b)において(左方から見て)、反時計回りに回動するように付勢されている。
アーム512,513,514は、ベルクランク50の左方から見て、基部511の外縁部から外方(軸部15cの径方向における外方)へそれぞれ延出している。アーム512とアーム513とが、略直交する方向に延出している。アーム514は、アーム512とアーム513との間に配置されている。すなわち、アーム512(513)とアーム514との間の角度は約45°である。
(作動)
ユーザーが車外からドアDRを開く際、ドアハンドル装置1は、以下のように動作する。
<初期状態>
ユーザーがドアDRを開く操作を開始する以前(初期状態)において、ハンドル20がトーションスプリングによって付勢されて、グリップ21が収容部11に収容されて静止している(図8Aを参照)。アーム23は、開口部OP11aの前端部に位置している。なお、上記のように、ベルクランク50は、トーションスプリングにより、図8B(b)において反時計回りに付勢されているが、アーム514の先端部が、ベース10に設けられたストッパーSTPに当接して、ベルクランク50が静止している。アーム23は、アーム512の先端部から離間している。
ここで、上記のように、ポップアップレバー41は、トーションスプリングによって、同図において時計回り方向に付勢されているが、その付勢力は、ハンドル20のトーションスプリングの付勢力に比べて小さい。よって、ポップアップレバー41のアーム412の先端部が、ハンドル20のアーム23の前面に当接し、その移動(ポップアップレバー41の時計回りの回動)が規制されている。すなわち、ポップアップレバー41は、図8A及び図8Bに示した初期位置にて静止している。
この状態において、ポップアップレバー41のアーム414は、ポップアップレバー41の回転中心から見て前方且つ下方(図において左下側)へ延出している。その先端面に、ストッパー44のヘッド部442が対面している。電動アクチュエーター43は作動していない。すなわち、電動モーターに電力が供給されておらず、その出力軸は停止している。よって、アクチュエーターレバー42は、同図に示した所定の初期位置にて静止している。すなわち、開口部OP42は、アクチュエーターレバー42の回転中心から見て前方且つ上方(同図において左上方)に位置している。
ストッパー44の凸部P1が、アクチュエーターレバー42により、開口部OP441の他端部(図において左下側)に移動させられて静止している。ヘッド部442は、アーム414の先端面から離間している。ストッパー44のコイルスプリングは、ある程度押し縮められている。すなわち、ヘッド部442は、コイルスプリングによって、同図において右上側へ押圧されているが、アクチュエーターレバー42の開口部OP42に挿入された凸部P1の移動が規制(開口部OP42の端部に係止)されているので、ヘッド部442は、アーム414の先端面から離間した状態で静止している。
アーム413は、ポップアップレバー41の回転中心から見て後方且つ下方(同図において右下方)へ延出している。アーム413の先端部は、スイッチ45から、同図において反時計まわり方向へ離間している。
なお、初期状態において、施錠機構KMは、施錠状態にある。つまり、ドアDRは施錠されている。
<待機状態への遷移>
初期状態において、ユーザーが図示しない携帯型端末(キー)を用いて解錠操作すると、ドアハンドル装置1は、図9A及び図9Bに示した待機状態に遷移する。具体的には、まず、ECUは、施錠機構KMの電動アクチュエーターを駆動して、施錠機構KMを、施錠状態から解錠状態へ遷移させる。さらに、ECUは、電動アクチュエーター43を駆動して、アクチュエーターレバー42を、図8B(b)に示した初期位置から、同図において時計回り方向へ回動させ、図9B(b)に示した所定のポップアップ位置に移動させ、電動アクチュエーター43の駆動を停止する。これにより、ヘッド部442(凸部P1)の移動の規制が解除される。
ヘッド部442は、コイルスプリングによって付勢されて、図8B(b)において右上方向へ移動し、図9B(b)に示したように、アーム413の先端面に当接して静止する。この状態において、ストッパー44のコイルスプリングは、初期状態に比べて少し伸長しているが、未だ、押し縮められた状態にある。
なお、図9A及び図9Bに示したように、この待機状態において、グリップ21は、初期状態と同様に、収容部11に収容されている。
<ポップアップ状態への遷移>
待機状態において、ユーザーが、ハンドル20のグリップ21の前端部(軸部材13より前方の部分)を押すと、ドアハンドル装置1は、図10A及び図10Bに示したポップアップ状態に遷移する。具体的には、グリップ21が図9B(a)において反時計回りに回動して、図10A(a)及び図10B(a)に示したポップアップ位置(ユーザーがグリップ21を把持可能な状態)に至る。図10B(b)に示したように、アーム23の先端が初期状態から後方へ移動し、ベルクランク50のアーム512の先端部に当接する。これにより、グリップ21が回動し難くなる。これにより、ユーザーは、ドアハンドル装置1がポップアップ状態に至ったことを認識できる。また、上記のように、アーム23が後退することにより、アーム414の先端部の移動規制が解除される。すなわち、ポップアップレバー41が、トーションスプリングによって付勢されて、図9B(b)において時計回りに回動し、図10B(b)に示したポップアップ位置に至る。
ポップアップレバー41が回動して、アーム413の先端部がヘッド部442から離脱すると、ヘッド部442が、コイルスプリングの付勢力により、図9B(b)において右上方向へ突出する。これにより、ポップアップレバー41の反時計回りの回動が規制されるとともに、アーム23の前方への移動が規制される。よって、ユーザーがハンドル20のグリップ21から手を離しても、グリップ21はポップアップ位置にて静止している。
また、アーム413がスイッチ45の押しボタン部を押圧して、スイッチ45がオフ状態からオン状態に遷移する。これにより、ECUは、ドアハンドル装置1がポップアップ状態にあることを認識する。
<ドア開放状態への遷移>
ポップアップ状態において、ユーザーがハンドル20のグリップ21を把持して手前に引くと、ドアハンドル装置1は、図11A及び図11Bに示したドア開放状態に至る。具体的には、グリップ21が、図10B(a)において反時計回りに回動する。これにより、アーム23の先端が後方へ移動する。アーム23によって、ベルクランク50のアーム512の先端部が後方へ押圧されて、ベルクランク50が、図10B(b)において時計回りに回動して、図11B(b)に示したドア開放位置に至る。その際、アーム513の先端部に連結されたロッドRDが下方へ移動する。これにより、解除機構RMが駆動されて、ラッチ機構LMとストライカSTとの係合が解除され、ドアDRが開く(開放可能になる)。ユーザーがグリップ21から手を離すと、グリップ21及びベルクランク50は、トーションスプリングによって付勢されてポップアップ位置へ戻る。上記のように、アーム412によって、アーム23の前方への移動が規制されているので、グリップ21はポップアップ位置にて静止する。
<初期状態への遷移(回帰)>
ECUは、スイッチ45がオフ状態からオン状態に遷移したことを検出すると、経過時間の計測を開始する。その経過時間(計測結果)が所定の閾値を超えると、ECUは、電動アクチュエーター43を駆動して、アクチュエーターレバー42を初期位置に戻す。これにより、ストッパー44のヘッド部442が、図10B(b)において左下側(初期位置側)へ移動し、ポップアップレバー41のアーム414から離脱する。すなわち、ポップアップレバー41の反時計回りの回動規制が解除される。これにより、グリップ21が、トーションスプリングによって付勢され、図10B(a)において時計回りに回動し、図10B(b)において、アーム23が前方へ移動する。そのアーム23により、アーム412の先端部が前方へ押圧される。これにより、ポップアップレバー41が、同図において反時計回りに回動し、初期位置に戻る。
(効果)
仮に、スイッチカバー32がタクトスイッチ31のボディ部分に支持される場合には、スイッチカバー32の表面とアウターパネルDPbの表面とを同一面内に位置させるために、ベース10に対するタクトスイッチ31の取り付け位置精度及びタクトスイッチ31に対するスイッチカバー32の取り付け位置精度を高く保つ必要がある。これに対し、上記のように、本実施形態において、スイッチカバー32が、ベース10に直接的に支持されている。よって、本実施形態によれば、スイッチカバー32の取り付け位置は、タクトスイッチ31の取り付け位置精度の影響を受け難い。すなわち、本実施形態によれば、スイッチカバー32の表面を、アウターパネルDPbの表面と同一面内に位置させ易い。
また、スイッチカバー32がグリップ21の前方に隣接配置されている。そのスイッチカバー32の回動軸の延設方向とグリップ21の回動軸の延設方向とが平行である。仮に、スイッチカバー32の軸部323がスイッチカバー32の前端側に配置されている場合には、ユーザーがグリップ21をポップアップさせるためにグリップ21の前端部を押し込む際、誤って、スイッチカバー32の後端部を押してしまう虞がある。この場合、スイッチカバー32が回動してタクトスイッチ31がオフ状態からオン状態に遷移して、ドアDRが施錠されてしまう場合がある。これに対し、本実施形態では、スイッチカバー32の軸部323がスイッチカバー32の後端部(グリップ21とカバー部321との境界部の近傍)に配置されている。よって、ユーザーがグリップ21をポップアップさせるためにグリップ21の前端部を押し込む際、誤って、スイッチカバー32の後端部を押したとしても、当該部位が、軸部323の近傍であるため、スイッチカバー32が回動し難い。よって、グリップ21をポップアップさせる際に、誤ってドアDRを施錠してしまうという事態が生じ難い。
さらに、ドアハンドル装置1において、グリップ21をポップアップさせると、ポップアップレバー41がストッパー44に係止されて、ポップアップ状態が一時的に保持される。すなわち、ユーザーがグリップ21から手を離しても、グリップ21はポップアップした状態にあり、ユーザーがグリップ21を再び把持することができる。例えば、ユーザーは、ドアDRを閉じる途中で、グリップ21を把持して、再びドアDRを開くことができる。
なお、電動アクチュエーター43は、ストッパー44を駆動するための装置であって、比較的大きな力(トーションスプリングの付勢力)の作用するグリップ21を駆動しない。したがって、比較的小型(低出力(低トルク))の電動モーターを採用できる。よって、ドアハンドル装置1を小型化できる。
上記のように、ドアハンドル装置1の組み立て性及び実用性(操作性)が高い。
(第2実施形態)
(構成)
本発明の第2実施形態に係るドアハンドル装置2について説明する。第1実施形態であるドアハンドル装置1では、ユーザーがスイッチカバー32を押して解錠した後、ハンドル20のグリップ21の前端部を押し込むことにより、ドアハンドル装置1が初期状態からポップアップ状態に遷移するように構成されている。これに対し、ドアハンドル装置2は、ユーザーがスイッチカバー32を押して解錠すると、自動的に、ドアハンドル装置2が、初期状態からポップアップ状態に遷移するように構成されている。
ドアハンドル装置2において、ドアハンドル装置1のポップアップレバー41及びアクチュエーターレバー42に代えて、図12乃至図20に示したポップアップレバー61及びアクチュエーターレバー62を用いる。その他の構成部品は、ドアハンドル装置1の構成部品と同一であるので、それらの説明を省略する。
ポップアップレバー61は、板状部材である。ポップアップレバー61は、ポップアップレバー41と同様に、基部611、アーム612、アーム613及びアーム614を有する。
基部611は、軸部15aのまわりに回動可能に支持されている。ポップアップレバー61の左方から見て、アーム612,613,614は、基部611の外縁部から外方(軸部15aの径方向における外方)へ延出している。アーム612とアーム613とが互いに反対方向に延出している。また、アーム614は、アーム612(613)に対して略直交する方向に延出している。アーム614の先端部の右面には、右方へ延びる円柱状の凸部P2が設けられている。さらに、アーム614の中間部には、右方へ突出した凸部P3が設けられている。ポップアップレバー61の左方から見て、凸部P3は、略三角形を呈する。凸部P3は、アーム614の縁部のうち、アーム612とは反対側の縁部に配置されている。
アクチュエーターレバー62は、板状部材である。基部621及びアーム622を有する。基部621は、所定の方向に延出している。基部621の一端部が、軸部15bのまわりに回動可能に支持されている。基部621の長手方向における中間部には、その回動方向に延びるスリット状の開口部OP62が設けられている。アーム622は、基部621の他端部(先端部)に設けられている。
アーム622は、基部621に比べて幅広である。アーム622の中央部には、開口部OP622が設けられている。すなわち、アーム622の外縁部を除く部分が開口している。言い換えれば、アーム622は、環状を呈している。開口部OP622は、略台形を呈している。すなわち、開口部OP622は、4つの辺(E1乃至E4)を有する。
アクチュエーターレバー62は、ポップアップレバー61の右側に隣接配置されていて、開口部OP621及び開口部OP622に、凸部P1及び凸部P2がそれぞれ挿入されている。
なお、第2実施形態において、電動アクチュエーター43において、第1実施形態よりも出力トルクの大きな電動モーターを採用している。
(作動)
<初期状態>
ユーザーがドアDRを開く操作を開始する以前(初期状態)において、第1実施形態と同様に、グリップ21が収容部11に収容されて静止している。アーム23は、開口部OP11aの前端部に位置している。ベルクランク50も、第1実施形態と同様に静止している。
アーム612の先端部が、アーム23の前面に当接している。
アーム614は、ポップアップレバー61の回転中心から見て前方且つ下方(図12において左下側)へ延出している。電動アクチュエーター43は作動していない。すなわち、電動モーターに電力は供給されておらず、その出力軸は停止している。よって、アクチュエーターレバー62は、同図に示した所定の初期位置にて静止している。凸部P2が、開口部OP622の内周縁部を構成する辺のうち、最も下方に位置していて略水平方向(車両前後方向)に延びる辺E1に当接している。
ストッパー44の凸部P1が、アクチュエーターレバー62により、その可動範囲の他端部(図において左下側)にて静止している。ヘッド部442は、凸部P3の側面部P3aに対向(離間)している。ストッパー44のコイルスプリングは、ある程度押し縮められている。すなわち、ヘッド部442は、コイルスプリングによって、図12において右上側へ押圧されているが、アクチュエーターレバー62の開口部OP621に挿入された凸部P1の移動が規制(開口部OP621の端部に係止)されているので、ヘッド部442は、凸部P3から離間した状態で静止している。
<ポップアップ状態への遷移>
初期状態において、ユーザーが図示しない携帯型端末(キー)を用いて解錠操作すると、ECUは、施錠機構KMの電動アクチュエーターを駆動して、施錠機構KMを、施錠状態から解錠状態へ遷移させる。さらに、ECUは、電動アクチュエーター43を駆動して、アクチュエーターレバー62を、図12に示した状態から、同図において時計回りに回動させて、図13乃至図15に示した状態を経て、図16に示した所定のポップアップ位置に移動させ、電動アクチュエーター43の駆動を停止する。その過程において、ポップアップレバー61の凸部P2がアクチュエーターレバー62によって押し上げられるようにして、ポップアップレバー61が、図12において時計回りへ回動する。これにより、アーム23の先端が、アーム612によって押圧されて後方へ移動する。つまり、グリップ21が回動して、ポップアップ位置(ユーザーがグリップ21を把持可能な状態)に至る。図16に示したポップアップ状態において、アーム23の先端がベルクランク50のアーム512の先端部に当接する。
また、アクチュエーターレバー62の開口部OP621が図12において時計回りに回動することにより、ヘッド部442(凸部P1)の移動規制が解除される。ヘッド部442は、コイルスプリングによって付勢されて、図12において右上方向へ移動し、図13に示したように、凸部P3の側面部P3aに当接する。この状態において、コイルスプリングは、初期状態に比べて少し伸長しているが、未だ、押し縮められた状態にある。
また、図13の状態から、ポップアップレバー61が回動して、図14に示した状態を経て、図15に示したように、凸部P3の頂点(側面部P3aと側面部P3bの交差部(稜線))がヘッド部442から離脱する。すると、ヘッド部442が、コイルスプリングの付勢力により、図16に示したように、右上方向へ突出する。そして、ヘッド部442が、凸部P3の側面部P3bに当接する。これにより、ポップアップレバー61の反時計回りの回動が規制される。すなわち、アーム612によって、アーム23の前方への移動が規制される。よって、電動アクチュエーター43に電力が供給されない状態であっても、グリップ21はポップアップ位置にて静止している。
また、アーム613がスイッチ45の押しボタン部を押圧して、スイッチ45がオフ状態からオン状態に遷移する。これにより、ECUは、ドアハンドル装置1がポップアップ状態にあることを認識する。
<ドア開放状態への遷移>
図16に示したポップアップ状態において、ユーザーがグリップ21を手前に引くと、第1実施形態と同様に、ポップアップ状態からドア開放状態に遷移する。
<初期状態への遷移(回帰)>
ドア開放状態においてユーザーがグリップ21から手を離すと、グリップ21及びベルクランク50は、トーションスプリングによって付勢されてポップアップ位置へ戻る。ECUは、ポップアップ状態に遷移させた時点からの経過時間を計測し、その計測結果が所定の閾値を超えると、電動アクチュエーター43を駆動して、アクチュエーターレバー62を、図16において反時計回りへ回動させる。図17に示したように、ヘッド部442が側面部P3bに当接しているので、ポップアップレバー61が静止したまま、アクチュエーターレバー62が回動し始める。開口部OP621が回動することにより、ヘッド部442(凸部P1)が、図18に示したように、左下側(初期状態側)へ移動する。そして、図19に示したように、ヘッド部442が凸部P3の側面部P3bから離脱する。すなわち、ポップアップレバー61の反時計回りの回動規制が解除される。すると、グリップ21が、トーションスプリングによって付勢されて回動し、アーム23が前方へ移動する。そのアーム23により、ポップアップレバー61のアーム612の先端部が前方へ押圧される。これにより、ポップアップレバー61が、図19において反時計回りに回動し、図20に示した状態を経て、図12に示した初期位置に戻る。
(効果)
ドアハンドル装置1を採用した場合、ユーザーがグリップ21の前端部を押し込んで、グリップ21をポップアップさせる必要がある。これに対し、ドアハンドル装置2を採用した場合、ユーザーが、ドアDRを解錠すると、電動アクチュエーター43が駆動されて、自動的に、グリップ21がポップアップする。したがって、ドアハンドル装置1に比べて、ドアハンドル装置2の利便性が高い。
(第2実施形態の変形例)
(構成)
上記のポップアップレバー61及びアクチュエーターレバー62に代えて、図21乃至図29に示したポップアップレバー71及びアクチュエーターレバー72を用いてもよい。
ポップアップレバー71は、ポップアップレバー41と同様の板状部材であるが、その板厚が、ポップアップレバー41よりも大きい。ポップアップレバー71は、複数のリブを有する。ポップアップレバー71は、ポップアップレバー41と同様の基部711及びアーム712,713,714を有する。ただし、上述のポップアップレバー61とは異なり、アーム713の先端部に、「左方」へ延びる略円柱状の凸部P4が設けられている。また、アーム614と同様に、アーム714の中間部に、凸部P3が設けられている。
アクチュエーターレバー72は、基部721及びアーム722を有する。基部721の一端部が、軸部15bのまわりに回動可能に支持されている。基部721の長手方向における他端部の角部には、その回動方向に延びるスリット状の開口部OP721が設けられている。アーム722は、基部721の他端部に対し回動可能に組付けられている。回動規制機構73により基部721に対するアーム722の回動角度が所定範囲内に規制されている。アーム722は、基部721から外方へ延出している。アーム722の先端部には、略長円形の開口部OP722が設けられている。開口部OP722の幅は、凸部P4の直径と同等である。
アクチュエーターレバー72は、ポップアップレバー71の左側に隣接配置されていて、開口部OP721及び開口部OP722に、凸部P1及び凸部P4がそれぞれ挿入されている。
(作動)
<初期状態>
ユーザーがドアDRを開く操作を開始する以前(初期状態)において、第1実施形態と同様に、グリップ21が収容部11に収容されて静止している。図21に示したように、アーム23は、開口部OP11aの前端部に位置している。ベルクランク50も、第1実施形態と同様に静止している。
ポップアップレバー71のアーム712の先端部712aにおける後面が、ハンドル20のアーム23の前面に当接している。
アーム713は、ポップアップレバー71の回転中心から見て前方且つ下方(図21において左下側)へ延出している。電動アクチュエーター43は作動していない。すなわち、電動モーターに電力は供給されておらず、その出力軸は停止している。よって、アクチュエーターレバー72は、同図に示した所定の初期位置にて静止している。
ポップアップレバー71のアーム713は、ポップアップレバー71の回転中心から見て後方且つ下方(同図において右下側)へ延出している。アーム713の先端部は、スイッチ45から、同図において反時計まわり方向へ離間している。
アクチュエーターレバー72の基部721とアーム722との間の角度が、その可変範囲の最大値になっている。すなわち、回動規制機構73により、基部721とアーム722との間の角度が、それ以上拡大しないように、基部721に対するアーム722の回動が規制されている。
ストッパー44の凸部P1が、アクチュエーターレバー62により、可動範囲の他端部(図21において左下側)にて静止している。ヘッド部442は、凸部P3の側面部P3aに対向(離間)している。ストッパー44のコイルスプリングは、ある程度押し縮められている。すなわち、ヘッド部442は、コイルスプリングによって、図21において右上側へ押圧されているが、アクチュエーターレバー72の開口部OP721に挿入された凸部P1の移動が規制(開口部OP721の端部に係止)されているので、ヘッド部442は、凸部P3から離間した状態で静止している。
<ポップアップ状態への遷移>
初期状態において、ユーザーが図示しない携帯型端末(キー)を用いて解錠操作すると、ECUは、施錠機構KMの電動アクチュエーターを駆動して、施錠機構KMを、施錠状態から解錠状態へ遷移させる。さらに、ECUは、電動アクチュエーター43を駆動して、アクチュエーターレバー72を、図21に示した初期位置から、同図において時計回りに回動させて、図22乃至図24に示した状態を経て、図25に示した所定のポップアップ位置に移動させ、電動アクチュエーター43の駆動を停止する。その過程において、ポップアップレバー71の凸部P2がアクチュエーターレバー72によって押し上げられるようにして、ポップアップレバー71が、同21において時計回りへ回動する。これにより、アーム23の先端が、アーム712によって押圧されて後方へ移動する。つまり、グリップ21が回動して、ポップアップ状態(ユーザーがグリップ21を把持可能な状態)に至る。図25に示したように、ポップアップ状態において、アーム23の先端がベルクランク50のアーム512の先端部に当接する。
また、アクチュエーターレバー72の開口部OP721が図21において時計回りに回動することにより、ヘッド部442(凸部P1)の移動規制が解除される。ヘッド部442は、コイルスプリングによって付勢されて、図21において右上方向へ移動し、図22に示したように、凸部P3の側面部P3aに当接する。この状態において、コイルスプリングは、初期状態に比べて少し伸長しているが、未だ、押し縮められた状態にある。
図22の状態から、図23に示したように、ポップアップレバー71がさらに回動し、図24に示したように、凸部P3の頂点(側面部P3aと側面部P3bの交差部(稜線))がヘッド部442から離脱すると、ヘッド部442が、コイルスプリングの付勢力により、図24において右上方向へ突出する。そして、図25に示したように、ヘッド部442が、凸部P3の側面部P3bに当接する。これにより、ポップアップレバー71の反時計回りの回動が規制される。すなわち、アーム712によって、アーム23の前方への移動が規制される。よって、電動アクチュエーター43に電力が供給されない状態であっても、グリップ21はポップアップ位置にて静止している。
また、アーム713がスイッチ45の押しボタン部を押圧して、スイッチ45がオフ状態からオン状態に遷移する。これにより、ECUは、ドアハンドル装置1がポップアップ状態にあることを認識する。
<ドア開放状態への遷移>
ポップアップ状態において、ユーザーがグリップ21を手前に引くと、第1実施形態と同様に、ポップアップ状態からドア開放状態に遷移する。
<初期状態への遷移(回帰)>
ドア開放状態においてユーザーがグリップ21から手を離すと、グリップ21及びベルクランク50は、トーションスプリングによって付勢されてポップアップ位置へ戻る。ECUは、ポップアップ状態に遷移した時点からの経過時間を計測し、その計測結果が所定の閾値を超えると、電動アクチュエーター43を駆動して、アクチュエーターレバー72を、図25において反時計回りへ回動させる。図25に示したように、ヘッド部442が側面部P3bに当接しているので、ポップアップレバー71が静止したまま、基部721とアーム722との間の角度が減少するようにして(アクチュエーターレバー72が屈折するようにして)、基部721が、同図25において反時計回りに回動し始める。図26に示したように、開口部OP721が同図において反時計回りに回動することにより、ヘッド部442(凸部P1)が、同図において左下側(初期状態側)へ移動する。そして、図27に示した状態を経て、図28に示したように、ヘッド部442が凸部P3の側面部P3bから離脱する。すなわち、ポップアップレバー71の反時計回りの回動規制が解除される。すると、グリップ21が、トーションスプリングによって付勢されて回動し、アーム23が前方へ移動する。そのアーム23により、ポップアップレバー71のアーム714の先端部が前方へ押圧される。これにより、ポップアップレバー71が、図28において反時計回りに回動する。これにより、図29に示したように、基部721とアーム722との間の角度が増大し、図21に示した初期位置に戻る。
(第3実施形態)
(構成)
本発明の第3実施形態に係るドアハンドル装置3について説明する。ドアハンドル装置3は、図30A及び図30Bに示したように、ベース10とは異なるベース10Aを備える。また、ドアハンドル装置3は、ストッパー44に代えて、グリップ21の回動方向とは反対方向の抵抗力(トルク)を作用させて、グリップ21の回動速度を低減させる減衰機構80を備える。さらに、ドアハンドル装置3は、ベルクランク50に代えて、ベルクランク50Aを備える。なお、ドアハンドル装置3は、ドアハンドル装置1及びドアハンドル装置2とは異なり、ポップアップレバー、アクチュエーターレバー及びストッパー、並びにそれらを駆動する電動アクチュエーターを備えていない。
ベース10Aは、ベース10の軸部15a,15cと同様の、軸部15d,15eを備えている。軸部15dは、開口部OP11aの上方に位置している。軸部15eは、開口部OP11aの下方に位置している。ベース10Aの他の構成は、ベース10と同様である。
減衰機構80は、レバー81及びロータリーダンパー82を含む。レバー81は、基部811及びアーム812を有する。基部811は、軸部15dに、回動可能に支持されている。基部811の外周部のうちの一部分が円弧状を呈しており、当該円弧部811aに、後述するロータリーダンパー82の平歯車Gの歯T2に噛み合う歯T1が設けられている。また、基部811の外周部のうちの他の一部分が、カム形状を呈している。すなわち、当該カム部811bにおいて、基部811の周方向における一端側から他端側へ向かうにしたがって、その径方向の寸法が徐々に大きくなっている。アーム812は、基部811の外周部のうち、円弧部811aとカム部811bとの間に配置されている。レバー81の左方から見て、アーム812は、基部811の径方向における外方へ延出している。アーム812には、開口部OP812が設けられている。開口部OP812は、略矩形を呈する。開口部OP812にアーム23が挿入されている。
ロータリーダンパー82は、ケース821を有する。ケース821内にローター、及び粘度の比較的大きいオイルが収容されている。ローターに連結された軸部がケースから外側へ突出している。この軸部に平歯車Gが取り付けられている。平歯車Gの中心軸が、軸部15dの後方且つ上方(図30B(b)において右上方)に位置するように、ケース821がベース10Aに固定されている。平歯車Gの歯T2が、レバー81の歯T1に噛み合っている。
ベルクランク50Aは、基部50A1、アーム50A2、及びアーム50A3を備える。基部50A1は、軸部15eに、回動可能に支持されている。アーム50A2は、基部50A1の外周部から、基部50A1の径方向における外方へ延出している。アーム50A2の先端部に、ロッドRDの先端部が連結されている。アーム50A3は、基部50A1の中心部とアーム50A3の先端部との間から突出している。アーム50A3は、アーム50A2の延設方向に対して傾斜した方向へ延設されている。
また、スイッチ45が、軸部15dの前方且つ上方(図30B(b)において右上方)に配置されている。
(作動)
<初期状態>
ユーザーがドアDRを開く操作を開始する以前(初期状態)において、ハンドル20がトーションスプリングによって付勢されて、図30A及び図30Bに示したように、グリップ21が収容部11に収容されて静止している。アーム23は、開口部OP11aの前端部に位置している。さらに、アーム23の先端部が、開口部OP812に挿入されている。なお、ベルクランク50Aは、トーションスプリングにより、図30B(b)において反時計回りに付勢され、アーム50A3の一部が、ベース10Aに設けられたストッパーSTPに当接して、ベルクランク50Aが静止している。アーム23は、アーム50A3の先端部から離間している。また、カム部811bは、スイッチ45の押しボタン部から離間している。よって、スイッチ45はオフ状態である。
<ポップアップ状態への遷移>
初期状態において、ユーザーが図示しない携帯型端末(キー)を用いて解錠操作すると、ECUは、施錠機構KMの電動アクチュエーターを駆動して、施錠機構KMを、施錠状態から解錠状態へ遷移させる。
ユーザーが、ハンドル20のグリップ21の前端部(軸部材13より前方の部分)を押すと、グリップ21が図30B(a)において反時計回りに回動して、図31A及び図31Bに示したポップアップ位置(ユーザーがグリップ21を把持可能な状態)に至る。この過程において、アーム23の先端が図30B(b)に示した初期位置から後方へ移動し、レバー81を同図において反時計回りに回動させる。レバー81の歯T1がロータリーダンパー82の歯T2に噛み合っているので、レバー81が回動することにより、ロータリーダンパー82の軸部が回転する。よって、レバー81に対し、その回動方向とは反対の回動方向へのトルク(抵抗力)が作用する。そのため、ロータリーダンパー82が搭載されない場合に比べて、グリップ21の操作感が重くなる。アーム23がベルクランク50Aのアーム50A3の先端部に当接すると、グリップ21の操作感がさらに重くなる。よって、ユーザーは、ドアハンドル装置1がポップアップ状態に至ったことを認識できる。また、カム部811bによって、スイッチ45の押しボタン部が押圧されて、スイッチ45がオフ状態からオン状態に変化する。
<ドア開放状態への遷移>
ポップアップ状態において、ユーザーがハンドル20のグリップ21を把持して手前に引くと、アーム23の先端が後方へ移動する。アーム23によって、ベルクランク50Aのアーム50A3の先端部が後方へ押圧されて、ベルクランク50Aが、図31B(b)において時計回りに回動し、図32A及び図32Bに示したドア開放位置に至る。その際、アーム50A2の先端部に連結されているロッドRDが下方へ移動する。これにより、解除機構RMが駆動されて、ラッチ機構LMとストライカSTとの係合が解除され、ドアDRが開く。この過程において、レバー81は、図31B(b)において反時計回りに回動する。レバー81の歯T1がロータリーダンパー82の歯T2に噛み合っているので、レバー81が回動することにより、ロータリーダンパー82の軸部が回転する。よって、レバー81に対し、その回動方向とは反対の回動方向へのトルク(抵抗力)が作用する。そのため、ロータリーダンパー82が搭載されない場合に比べて、グリップ21の操作感が重くなる。
<初期状態への遷移(回帰)>
ドア開放状態においてユーザーがグリップ21から手を離すと、グリップ21及びベルクランク50Aは、トーションスプリングによって付勢されてそれぞれ回動し、ポップアップ位置に戻る。さらに、グリップ21がトーションスプリングによって付勢されて回動し、初期位置に戻る。上記のように、ドアハンドル装置3がドア開放状態から初期状態に戻る過程において、レバー81が図32B(b)及び図31B(b)において時計回りに回動する。その際、レバー81に係合しているロータリーダンパー82の軸部が回転する。これにより、グリップ21の回動(収容部11に収容される動作)に対する抵抗力が付与される。すなわち、グリップ21が比較的低速で回動する。
(効果)
ドアハンドル装置3によれば、グリップ21がポップアップ位置から初期位置へ向かう際のグリップ21の回動速度を低速化できる。したがって、ユーザーがグリップ21から手を離しても、しばらくの間、グリップ21はポップアップした状態にあり、ユーザーがグリップ21を把持することができる。例えば、ユーザーは、ドアDRを閉じる途中で、グリップ21を把持して、再びドアDRを開くことができる。
(第3実施形態の変形例)
上記のロータリーダンパー82は、正転(図30B(b)における時計回り方向)及び逆転(同図における反時計回り方向)のいずれの回転方向に対しても抵抗力を生じるように構成されている。これに代えて、正転時には抵抗力を発生せず、逆転時にのみ、抵抗力を発生するラッチ機構を備えたロータリーダンパーを採用してもよい。これによれば、グリップ21をポップアップさせる際の操作力を軽くしつつ、グリップ21がポップアップ位置から初期位置へ向かう際のグリップ21の回動速度を低速化することができる。
1,2,3…ドアハンドル装置(車両用ドアハンドル装置)、10,10A…ベース、11…収容部、14…軸受け部、20…ハンドル、21…グリップ、23…アーム、30…スイッチ装置、31…タクトスイッチ、32…スイッチカバー、40…ポップアップ機構、41…ポップアップレバー、42…アクチュエーターレバー、43…電動アクチュエーター、44…ストッパー、61…ポップアップレバー、62…アクチュエーターレバー、71…ポップアップレバー、72…アクチュエーターレバー
73…回動規制機構、80…減衰機構、81…レバー、82…ロータリーダンパー

Claims (4)

  1. 車両のドアパネルに組み付けられる車両用ドアハンドル装置であって、
    前記ドアパネルの車室外から把持可能なグリップであって、所定方向に延びる軸まわりに回動可能に支持され、その外側面が前記ドアパネルの外側面と同一面内に位置する第1状態から第1方向へ回動して、前記ドアパネルの外側面から突出した第2状態へ遷移可能であり、且つ前記第2状態から前記第1方向とは反対の第2方向へ回動して、前記第1状態へ遷移可能なグリップと、
    前記グリップを前記第2方向へ回動させる付勢装置と、
    車外から前記グリップに作用する外力であって、前記グリップを前記第2方向に回動させる外力に対する抵抗力を発生する抵抗力発生装置と、
    を備えた車両用ドアハンドル装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置において、
    前記付勢装置は、バネであり、
    前記抵抗力発生装置は、
    前記グリップに係合可能な第1レバーと、
    前記第1レバーに係合可能なストッパーと、
    前記第2状態において、前記第1レバーを前記グリップに係合させるとともに、前記ストッパーを前記第1レバーに係合させて、前記第1レバーを介して前記グリップの前記第2方向への回動を規制し、所定の条件が成立したとき、前記ストッパーを前記第1レバーから退避させて両者の係合を解除する電動アクチュエーターと、
    を含む、車両用ドアハンドル装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドアハンドル装置において、
    前記電動アクチュエーターは、
    所定の軸まわりに回動可能に支持され、前記ストッパーに係合して前記ストッパーを駆動する第2レバーと、
    前記第2レバーを回動させる電動モーターと、
    を含む、車両用ドアハンドル装置。
  4. 請求項1に記載の車両用ドアハンドル装置において、
    前記付勢装置がバネであり、
    前記抵抗力発生装置は、オイルダンパーである、車両用ドアハンドル装置。
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