JP4588346B2 - 運行管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、バスや電車などの大衆輸送車両に構築された無線通信機能を用いて乗客へ降車案内等に関わる情報(以下、降車情報という)を提供して車両の運行管理を行う運行管理システムに関する。
近年、携帯電話機は広帯域化の方向にあり、第3世代の携帯電話機においては、下り方向の通信速度は最大で2.4[Mbps]を実現している(下記特許文献参照)。また、会社や家庭においてネットワーク化されているLANにおいては、その使い勝手の良さから一般に無線LANが構築されてきている。とりわけ、IEEE802.11bの規格に適合する次世代無線LANは、近年、伝送速度の高速化、アクセス・ポイントやモバイル・ターミナルの低価格化、さらには、一般家庭におけるADSLの普及も相俟って、一般に広く普及し始めている。さらに、これらの無線LANを使用した携帯電話機の屋外での利用として街角でのスポットサービス(以下、街角スポットサービスという)なども開始されつつある。
また、無線LANは、従来の有線ケーブルで端末間を接続していたものを無線に置き換えたものであり、従来からの有線によるLANとの親和性は高いものとなっている。このような背景において、現在主流となっている無線LANはIEEE802.11bに適合するものであり、その伝送速度は最大で11[Mbps]まで引き上げられている。なお、このような無線LANにおける一つのアクセスポイントのエリアは半径50〜100[m]程度と狭いものになっているので、これらの無線LANを使った携帯電話機の街角スポットサービスはごく限られた場所でのサービスに限定されたものとなっている。
一方、携帯電話機の伝送速度は、年々、広帯域に亘って高速化してきているが、まだ無線LANに比べると伝送速度は遅いものとなっている。しかしながら、一つのアクセスポイントのサービスエリアは半径2[km]程度と広いものとなっている。
また、無線LANにおいては、携帯電話機と同様に多くのアクセスポイントを設置し、これらのアクセスポイントを渡り歩きながらも、モバイル・ノードがIPアドレスを変えることなく継続的にアクセスを可能とするモバイルIPの技術が普及している。このようなモバイルIPは、モバイル・ノードのホームリンク上にインタフェースを有するルータであるホーム・エージェント(Home Agent)と、モバイル・ノードの移動先のリンク上にインタフェースを有するルータである外部エージェント(Foreign Agent)とがあり、さらに、モバイル・ノードは、移動先のリンク上において気付アドレス(care-of address)を取得し、この気付アドレスをホーム・エージェントに移動先の気付アドレスとして登録する。一方、ホーム・エージェントは、モバイル・エージェント向けに送信されたパケットをカプセル化して気付アドレスに転送することにより、モバイル・ノードのIPアドレスを変更することなく、移動先のリンク上に存在するモバイル・ノードにパケットを転送することができるようになっている。
また、カーナビゲーションシステムと広域交通管制システムとを融合させたITS(Intelligent Transport System:高度道路交通システム)においては、カーナビゲーションシステムの無線通信化が図られていて、携帯電話機を接続することによりメールなどの送受信やインターネットアクセスなどが可能となってきている。さらに、ハードディスクの低価格化と共にCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)に比べ高速なアクセスが可能であることから、カーナビゲーションシステムの道路情報はDVDからHDD(Hard Disk Drive)に蓄積する型に移行している。さらに、道路情報の更新方法として無線を利用したシステムも実現されつつある。
特開2002−300644号公報
しかしながら、利用客は、バスや電車などの移動車両については、あらかじめ決められた時刻表を確認することはできても、今どの辺りを走行しているのかといった運行情報をリアルタイムで知ることはできない。さらには、交通事情などによって遅れが生じた場合などにおいては、利用客は、所望の駅や停留所における出発時刻や到着時刻にどのように影響してくるのかをリアルタイムで把握することができない。
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたものであり、バスや電車などの移動車両に乗車中の乗客が所持している携帯端末へ運行情報を報知することにより適正に運行管理が行えるような運行管理システムを提供することを目的とする
本発明は、前記の目的を達成するために創案されたものであり、以下の手段を採用した。
本発明に係る運行管理システムは、複数の車両の運行状況を管理する管理手段を備えた管理センターと、ネットワークを介して前記運行状況を前記管理センターへ送信する送信手段を備えた車両と、から構成される運行管理システムにおいて、前記管理センターは、複数の車両の運行状況から各車両が停留所へ到着する到着時刻を推測する推測手段と、該推測手段によって推測された停留所への推定到着時刻を、ネットワーを介して各車両へ送信する送信手段とを有し、前記車両は、前記推測手段によって推測された停留所への推定到着時刻を受信する受信手段と、表示手段と、を具備し、前記車両が具備する表示手段が、当該車両の外側に前記受信手段によって受信された停留所への推定到着時刻を表示することを特徴とする。
本発明の運行管理システムによれば、バスや列車などの車内に無線LANを構築しておき、この無線LANを通して、車内の乗客が所持する携帯端末から降車したい駅や停留所をあらかじめサブコンピュータに予約登録しておく。すると、サブコンピュータは、ホストコンピュータからの交通情報に基づいて、降車予約した駅や停留所に到着する前にその携帯端末に対して降車予約情報を報知してくれる。これによって、乗客は、降車したい駅や停留所の案内を聞き漏らしても確実に降車したい駅や停留所で降車することができる。すなわち、本発明の運行管理システムによれば、バスなどに乗車中の乗客は、降車予定の1つ手前の停留所を通過する前に降車予定の停留所を予約することができるため、車内放送が聞き取れない場合や次の停留所の掲示板を見ることができない場合でも、降車する旨を移動車両の乗務員に確実に通知することができる。また、乗客の降車予約の情報に基づいて、その乗客が所持している携帯端末は降車予定の停留所が次である旨の通知を受信することができるため、乗客が気付かずに降車予定の停留所を通過してしまうという事態の発生を未然に防ぐことができる。
また、本発明の運行管理システムによれば、カーナビゲーションと同じような機能として、地上のホストコンピュータのシステムで移動する車両の現在位置を判断し、現在位置データと実際の運行速度データとを用いて所定地点の通過時刻や所要時間を携帯端末に通知することができる。例えば、一つ前を走っているバスの所要時間などのデータを直前の停留所通過時点で利用して次の停留所の通過時間を演算することによって、道路の渋滞状況などを反映して、次のバスが停留所に到着する時刻を比較的正確に予測することができる。
さらに、本発明の運行管理システムによれば、降車予約されている場合は、乗務員に対して降車予約がある旨を報知すると共に、車内の降車ボタンを強制的に押下して降車ボタンの点灯及びブザーを鳴らす。このようにして、すべての乗客に対して次の停留所で停車する旨を報知すると共に乗務員に対して停車を促すことにより、降車予約された停留所での停車が確実に行えるようにしている。
以上説明したように、本発明の運行管理システムによれば、バスや電車などの移動車両を利用する利用客は、あらかじめ決められた時刻表を頼ることなく、今どの辺りを走行しているのかといった運行情報をリアルタイムで知ることができる。さらには、交通事情などによって運行に遅れが生じたときでも、利用客は、所望の駅や停留所における出発時刻や到着時刻にどのように影響してくるのかをリアルタイムで把握することができる。
以下、図面を用いて、本発明における運行管理システムの実施の形態を詳細に説明するが、まず、理解を容易にするために、運行管理システムの概要について説明する。
バスや電車などのように多数の乗客が乗降する大衆輸送車両内において無線LANのサービスが構築されてきている。そして、これらの大衆輸送車両(以下、移動車両という)に無線LANの通信手段と携帯電話機の通信手段とを有する無線中継装置を設置し、移動車両内のノートPCなどの携帯端末との間を無線LANで接続し、移動車両外のネットワーク接続には携帯電話機網を利用して接続することにより、移動車両内のノートPCなどから移動車両外のインターネット網に接続することができるようになっている。
また、バスや電車などの移動車両と無線通信システムとを組み合わせたサービスとしては、例えば、一般道路を利用するバスでは、道路の混み具合などによって運行時間が左右されるため、無線通信システムを利用してバスの現在位置や停留所の出発時刻といった運行状況などの情報を送信し、センターコンピュータ(ホストコンピュータ)などを介して停留所に最新の運行状況を表示するシステムも構築されている。また、同様にして、Webを利用してバスや電車などの運行状況に関する情報を提供するサービスも実現されている。これによって、停留所などでバスを待つ人にとってはどれくらいの時間でバスが到着するかをあらかじめ知ることができるので、バスを待つ乗客に精神的な安心感を与えることができる。
図5は、移動車両における通信システムの構成図である。移動車両1’の無線中継装置12’は1xEV−DO(1x Evolution Data Only)基地局3を介してネットワーク4に接続され、さらに、ネットワーク4にはWeb情報などを提供するWWWサーバ5が接続されている。また、移動車両1’の内部の無線中継装置12’と各乗客が所持する無線LAN端末13、14、15は、無線中継装置12’に構成された無線LANアクセスポイント部125のローカルネットワーク2’のエリア内に存在している。これによって、各乗客は、無線中継装置12’を介してWWWサーバ5から所望のWeb情報をそれぞれの無線LAN端末13、14、15に取り込むことができる。
しかしながら、図5に示すような通信システムでは、各無線LAN端末13、14、15は乗客が降車しようとする停留所に関する情報などを取り込むことはできない。つまり、図5に示す通信システの技術においては、バスなどに乗車している人にとっては、どの程度の時間でバスが目的の停留所に到着するのかを知るすべがない。また、バスに乗車した乗客は、降車しようとする停留所が次の停留所となった場合には、車内に設置されている降車ボタンを押すことによって乗務員に対して降車の意思を知らせることとなるが、車内が混んでいる時やうっかりしているときには、降車ボタンを押すことができないために乗り過ごしてしまうこともある。さらに、次の停留所を知らせる車内放送や次の停留所を表示する車両前方の掲示板によって乗客に対して次の停留所を報知しているが、バスなどの移動車両内には様々な乗客が同時に乗車しているため、人の話し声によって車内放送が聞き取れない場合や座っている位置によっては死角になって掲示板が見えない場合もある。あるいは、バスの後方に座っている場合は、前方に背の高い人が立っていると掲示板が見えないこともあって次の停留所を知ることができない状態も生じる。
また、通勤や通学などのように毎日利用しているバスの場合は、車内放送や掲示板などを聞いたり見たりすることなく、外の風景などを見ることによって次の停留所を知ることができるが、初めて乗車するバスの場合は次の停留所の名称が分からないと降車したい停留所であるのかどうかを判断することがができないため、うっかりして乗り過ごしてしまうこともある。さらに、乗客が居眠りなどをしてしまった場合には、車内放送を聞き逃してしまい、目覚めたときに外の風景であわてて降車ボタンを押すような事態も発生し、例えば、停留所を通過しようとする直前で気付いた場合には、運転手が急ブレーキをかけてバスを停車させたり、急に車線変更をしなければならない状態が発生するなど、バスの運行上からみて好ましくない状態も起こり得る。
そこで、本発明では、バスや電車などの移動車両に乗車中の乗客が所持している携帯端末に対して的確な運行情報や降車情報を報知することにより、乗客にとって使い勝手によいな運行管理システムを構築している。以下、図面を参照しながら本発明における運行管理システムについて詳細に説明する。
図1は、本発明における運行管理システムの構成を示す概念図である。図1の運行管理システムにおいて、移動車両1の無線中継装置12は1xEV−DO基地局3を介してネットワーク4に接続されている。また、移動車両1と同様な構成である移動車両16も1xEV−DO基地局17を介してネットワーク4に接続されている。さらに、ネットワーク4には、交通情報に関するデータを集中管理するデータセンタ10とWeb情報を提供するWWWサーバ5とが接続されている。また、移動車両1には無線中継装置12が設置され、かつ、無線LAN端末13、14、15をそれぞれ所持した各乗客が移動車両1に乗車中である。さらに、移動車両1の内部は、無線中継装置12に構成された無線LANアクセスポイント部125のローカルネットワーク2のエリア内となっている。
また、無線中継装置12は、1xEV−DOモバイルターミナル部120、制御部121、無線LANアクセスポイント部125、WWWサーバ部126、車両位置情報取得部251、経路情報記憶部252、降車予約情報更新部253、降車予約情報報知部254、降車予約情報記憶部255、表示部256、及び操作部257を備えた構成となっている。尚、移動車両16における無線中継装置の構成も移動車両1と全く同じである。したがって、以下の説明では移動車両1の無線中継装置12について述べることにする。
無線中継装置12の1xEV−DOモバイルターミナル部120は、アンテナ129を介して、移動車両1の外部の1xEV−DO基地局3と無線接続が可能である。また、1xEV−DO基地局3は有線によってネットワーク4に接続されており、ネットワーク4上に存在するWWWサーバ5及びデータセンタ10と通信可能な状態にある。また、車両位置情報取得部251は、アンテナ250を介して、図示しないGPSなどによって車両の位置を特定することができる。さらに、無線LAN端末13,14,15から無線中継装置12のWWWサーバ部126の降車予約ページにアクセスすることができる。
WWWサーバ部126の降車予約ページでは、車両位置情報取得部251が取得した車両位置を読み出すと共に経路情報記憶部252から移動車両1の運行経路情報や地図情報を読み出す。そして、運行経路及び地図情報に基づいて現在の移動車両1の位置に応じた表示加工を行い、例えば、アクセスのあった無線LAN端末13に移動車両1の位置情報を表示させる。また、無線LAN端末13から降車予定の停留所が選択されると、降車予約情報更新部253は、降車予定の停留所及び無線LAN端末13を識別する識別子(例えば、インターネットに接続するためのIPアドレスやLANに接続する情報機器を識別するためのMACアドレス、あるいは、無線中継装置が配布した識別子など)を降車予約情報記憶部255に記憶させる。
また、降車予約情報更新部253は、移動車両1が停留所を通過するたびに、移動車両1の車両位置情報取得部251と経路情報記憶部252から得られる次の停留所情報に基づいて、降車予約情報記憶部255に記憶されている降車予定情報を読み出し、次の停留所で降車予定が有るか無いかを判断する。そして、降車予定がある場合は、次の停留所に関連付けられた識別子に対応する無線LAN端末13に対して降車情報を報知メッセージとして送信する。以上、無線LAN端末13が無線中継装置12にアクセスした場合について説明したが、無線LAN端末14,15についても同様の方法で無線中継装置12にアクセスすれば、無線中継装置12から降車情報を報知メッセージとして受信することできる。
図2は、図1における運行管理システムにおいて、何れかの無線LAN端末が無線中継装置に対して降車予約を行う場合の処理の流れを示す説明図である。したがって、図1及び図2を用いて降車予約の処理を行う流れを説明する。まず、移動車両1に乗車した乗客が自己の携行する無線LAN端末によって無線中継装置12の降車予約画面を開くと、降車停留所を特定する方法として、『路線図にて選択』か『地図から選択』か『目的地から選択』の3つの方法が表示される(ステップS1)。
ステップS1で『路線図にて選択』の項目を選択した場合は、現在乗車しているバスの路線図、停留所名、推定される通過時間などが表示されると共に、各停留所に関して、降車予約を行うための「降車」ボタンと、停留所を含むエリアの地図を表示させるための「地図」ボタンと、停留所付近の情報を表示させる「情報」ボタンとが画面に表示される(ステップS2)。ここで、乗客が降車する予定の停留所の「降車」ボタンを選択すると、降車予約の再度確認用の画面『○○○で降車しますか?』が表示される(ステップS7)。この画面において「はい」ボタンを選択すると、無線中継装置12の降車予約情報記憶部255に該当する停留所での降車予約が記憶され、予約完了の画面『停留所○○○で降車予約されました』と表示されて降車予約が完了する(ステップS8)。
また、ステップS1で『地図から選択』の項目を選択した場合は、現在の移動車両1の位置に基づいて経路を書き込んだ地図を表示させる(ステップS3)。ここで、既に通過した停留所については「通過」の文字が付加される。さらに、所望の停留所のボタン(例えば「CCC」)を選択することにより、選択された停留所「CCC」を含んだ拡大地図が表示される(ステップS6)。そこで、「降車予約します」ボタンを選択すると降車予約の再度確認用の画面『○○○で降車しますか?』が表示される(ステップS7)。さらに、「はい」ボタンを選択すると、無線中継装置12の降車予約情報記憶部255に該当する停留所での降車予約が記憶され、予約完了の画面『停留所○○○で降車予約されました』と表示されて降車予約が完了する(ステップS8)。
さらに、ステップS1で『目的地から選択』の項目を選択した場合は、目的地名を入力する画面が表示さる(ステップS4)。そこで、乗客は目的名を入力して「決定」ボタンを選択すると、目的地名、および最寄りの停留所名(例えば、「CCC」)が表示される(ステップS5)。さらに、「地図確認」ボタンを選択すると、該当する停留所を含む地図が表示される(ステップS6)。また、目的地を地図内に表示することが可能である場合は、目的地の位置が視覚的に認識しやすいように、地図上で点滅を行ったり、他の色と異なる色で表示したりする。さらに、同時に、停留所から目的への経路を示す線を地図上に描画することもできる。そして、「降車予約します」ボタンを選択すると、降車予約の再度確認用の画面『○○○で降車しますか?』が表示される(ステップS7)。さらに、「はい」ボタンを選択すると、無線中継装置12の降車予約情報記憶部255に該当する停留所での降車予約が記憶され、予約完了の画面『停留所○○○で降車予約されました』と表示されて降車予約が完了する(ステップS8)。
なお、ステップS2の『路線図にて選択』画面に記載の停留所間の推定通過時間については、例えば、各移動車両は、各停留所における到着、発車、通過した時刻を、1xEV−DO無線通信回線網及びネットワーク4を介して、データセンタ10へ送信しておくと、データセンタ10は、同路線を先に通過した移動車両から得られた到着、発車、通過時刻の情報に基づいて、後から走行してくる移動車両の予定通過時間を推定し、データセンタ10から移動車両1に対してこの予定通過時間を送信することができる。
また、降車予約情報記憶部255に予約を記憶する場合は、降車予約された停留所の他に、予約した無線LAN端末を識別できる識別子(例えば、IPアドレス、MACアドレス、無線中継装置12から割り振った識別子など)を同時に記憶するものとする。このようにして識別子を同時に記憶させることにより、次の停留所が降車予定の停留所となった場合に、その停留所にて降車予定とされている識別子(つまり、対応する無線LAN端末)に対して、次が降車する停留所であることを報知することができる。なお、この報知を音声によって行うようにしてもよい。尚、ここでは記載しなかったが、降車予約の他に降車する予約停留所の変更や削除をする画面を設けることもできる。
図3は、図1の運行管理システムにおける予約報知処理の流れを示すフローチャートの一例である。まず、移動車両1がある停留所を通過すると(ステップS11)、次の停留所の案内放送が開始される(ステップS12)。そして、降車予約情報記憶部255から次の停留所の降車予約情報を読み出し(ステップS13)、降車予約の有無を判断する(ステップS14)。ここで、降車予約されている場合は(ステップS14でNoの場合)、降車予約情報報知部254は乗務員に対して降車予約がある旨を報知する(ステップS15)。さらに、車内の降車ボタンを強制的に押下して降車ボタンの点灯及びブザーを鳴らす(ステップS16)。このようにしてすべての乗客に対して次の停留所で停車する旨を報知すると共に乗務員に対して停車を促す。また、降車予約者に対して予約した降車停留所である旨のメッセージを報知する(ステップS17)。そして、次の停留所に停車する旨の車内案内放送を流す(ステップS18)。
また、ステップS14における降車予約の有無の判断において降車予約がなされていない場合は(ステップS14でYesの場合)、従来通り、所定の停留所を通過したか否かの判断と(ステップS19)、降車ボタンが押下されたか否かの判断と(ステップS20)を行いながら移動車両1を走行させる。また、ある停留所を通過した際には、次の停留所に対して最初のステップS11から開始し、前述と同様の処理を繰り返す。
図4は、運行管理システムによってPDA(Personal Digital Assistant)に表示された次降車停留所の報知例を示す図である。図4に示すように、無線LANの通信機能を有するPDA400において、乗客が降車予定として登録した停留所が次の停留所となった場合には、図1の無線中継装置12からローカルネットワーク2の無線LANを経由してその旨のメッセージが報知され、その乗客のPDA400(例えば、図1の無線LAN端末13)の画面上に報知メッセージ401が表示される。また、同時に、PDA400の本体が振動したり図示しないスピーカから音やメッセージが発音されると、PDA400を所有している乗客に対して、次の停留所が降車予定している停留所であることを知らせる。
これにより、乗客が居眠りなどしていても、予定している停留所で降車できずに乗り過ごしてしまうという事態を未然に防止することができる。また、降車予定の停留所に停車しているときに、降車予定してあるPDA400の識別子がまだ移動車両1内に存在する無線LAN端末の識別子であるか否かを確認することにより、乗務員はその停留所で降車予定している乗客が降車したか否かを確認することができる。
ここで、図1の無線中継装置12から図4のPDA400へ報知メッセージを送信する形態について説明する。例えば、図1の無線LAN端末13が無線中継装置12に接続した際に、無線中継装置12の1xEV−DOモバイルターミナル120から、アンテナ129を介して、移動車両1の外部の1xEV−DO基地局3へ無線電波が発信される。これによって、無線中継装置12から移動車両1の外部の1xEV−DO基地局3への接続状況を示すPDA400のEV−DOアンテナ403を表示するソフトウェア(例えば、Java(登録商標)などによって構築されるソフトウェア)が実行され、無線中継装置12から無線LAN端末13(つまり、PDA400)へ報知メッセージが送信される。
図4のEV−DOアンテナ403は、任意の周期で図1の無線中継装置12にアクセスしてアンテナバーの表示の情報を取得すると共に次の停留所が降車予定の停留所であるか否かの情報を取得する。ここで、次の停留所が降車予定の停留所である場合は、その旨の報知メッセージ401を画面に表示してPDA400の所有者に対して所望の報知処理を行う。また、EV−DOアンテナ403を表示するソフトウェア自体が降車予定の停留所を保持しておき、図1の無線中継装置12から報知された次の停留所の情報に基づいて判断するようにしてもよい。さらに、EV−DOアンテナ403を表示させると同時に次の停留所を常に表示させるようにしてもよい。
また、通勤、通学のように常に同じ停留所で降車する乗客の場合は、乗客が所有する無線通信端末を識別する識別子(例えば、MAC−ID)と降車停留所とを組み合わせ、無線中継装置12の降車予約情報記憶部255に対して、常に同じ停留所で降車する常時降車予約情報として登録しておく。これにより、その乗客が所有する無線通信端末が乗車した際に、その無線通信端末の識別子と降車予約情報記憶部255に記憶されている常時降車予約情報とを比較し、その無線通信端末の識別子が登録されている場合は降車予約として取り扱うようにする。ことによって、固定乗客が乗車する度に降車予約を設定する必要がなくなると共に、車内の無線LANへのトラフィックへの負荷を低減させることができる。
また、無線中継装置12のように降車予約設定に関わる機能部分と無線LANのアクセスポイントの機能を有する装置を各停留所に設置し、停留所に設置された無線中継装置に降車予約を登録し、該当する移動車両1が到着した際にその停留所の無線中継装置から移動車両1内の無線中継装置12へ降車予約情報を転送するようにしてもよい。これによって、停留所で移動車両1の到着を待っている間に降車する停留所の予約設定を行うことができる。さらに、乗車すべき移動車両1が到着した際に、降車予約を行った停留所の無線通信端末に対して、乗車すべき移動車両1が到着した旨の報知メッセージ、及びその移動車両1に表示されている行き先など車両を識別できるような情報を送信するようにしてもよい。これにより、複数路線の移動車両が停車する停留所において、乗客は目的とする移動車両1を見つけて迷うことなく乗車することができる。
なお、上記の実施の形態では、車両に搭載されたコンピュータ(サブコンピュータ)が車両位置情報取得部251、経路情報記憶部252、降車予約情報更新部253、降車予約情報報知部254、降車予約情報記憶部255、表示部256、及び操作部257の機能を果たす構成としたが、この機能の全部または一部を前記サブコンピュータに通信網を介して接続されたホストコンピュータに受け持たせる構成としてもよい。
また、本発明の実施の形態では、移動車両としてバスを例に挙げて説明したが、電車などのような他の車両にも適用できることは当然である。さらに、本発明の実施の形態では、移動車両の外部の公衆通信網として1xEV−DOを例に挙げて説明したが、PHSなど他の無線通信手段であっても構わない。
次に、バスなどの車両が停留所に到着したり通過する場合において、停留所への到着時刻や出発時刻を推定する具体的な実施例を説明する。まず、各々の車両から停留所の到着時刻、出発時刻などの情報を管理センターへアップロードする。このとき、天候情報なども加味して管理センターへアップロードする。
これによって、管理センターは、各車両の停留所への到着時刻、出発時刻に基づいて、各々の車両が次の停留所に到着する時刻を推定する。さらに、管理センターは、各車両から取得した時刻情報より停留場での停車時間を算出し、これらの時間情報を各停留所、時刻、天候などに応じて集計する。このとき、管理センターは、同じ経路を走行する先に通過した車両の走行時間に基づいて次の停留所へ到着する時刻を推定する。なお、停留所に停車する車両と停留所に停車しない車両では別の経路と判断して到着時刻の推定を行う。
図6は、本発明の実施例において、車両が停留所に停車しない場合において到着時刻の推定を行う概念図である。また、図7は、本発明の実施例において、停留所における乗客数や天候などを考慮して到着時刻の推定を行う概念図である。さらに、図8は、本発明の実施例において、停留所への到着時刻を計算で求める概念図である。
図6において、車両2が停留所Sを通過し、停留所S+1に到着する時刻YY2(S+1)は、同じ経路を先に通過した車両0及び車両1に基づいて推定する。なお、車両2が停留所に停車する場合は、車両0、車両1も同様に停留所に停車した車両のデータを用いる。また、さらに遠方の停留所S+nへの到着時刻を推定する場合は、停留所Sから停留所S+nの間に存在する各停留所の停車時間(乗降時間)は、データベースに蓄積された統計値を用いて行う。なお、図7に示すような停留所の乗客数、時刻、天候などを考慮した統計値がデータベースに蓄積されているので、該当する統計値をデータベースから取得して各停留所の到着時刻や出発時刻を求める。
次に、図8を参照して停留所への到着時刻を計算により求め。つまり、停留所S+2へ到着時刻は次の式のようにして求められる。
[停留所S+2の到着時刻]=[停留所S+1の到着時刻](T1(S+1))+〔停留所S+1の停車時間〕(W1(S+1))+[停留所S+1から停留所S+2までの走行時間](S1(S+2))となる。
図9は、本発明の実施例において、交差点付近における交通事情を考慮した場合に到着時刻を推定する概念図である。図9に示すように、交差点の付近においては、交差点までが混雑していて交差点を通り抜けると混雑が解消されるような道路事情が発生したり、その逆の道路事情が発生したりする。このため、走行時間の推定においては、交差点を分岐点としてその前後に分けて推定を行う。なお、このような道路事情を考慮した到着時刻の推定を行うためには、各車両は交差点に入る時刻や交差点から出る時刻をデータセンタにアップロードしておく必要がある。
また、事故が発生した場合には、該当する事故を認識した車両の運転手によって、GPS座標による事故発生位置をデータセンタにアップロードし、後続車両の到着推定時刻への事故要因に伴う時間超過事項を追加して補正処理を行う。
なお、前記の説明では、データセンタにアップロードする時刻として、停留所および交差点の到着時刻、発車時刻を例に挙げたが、これに限定するものではない。また、到着時刻や発車時刻の推定結果の精度を向上させる目的から考えると、停留所間をさらに細かい区間に区切り、その区間ごとにデータのアップロードを行うことが望ましい。このようにすることにより、停留所間の距離が長い個所や、事故などによる渋滞によって通常より長い時間を要する場合でも、より正確な到着時刻を推定することが可能となる。
図10は、本発明の実施例において、車両の外側に停留所への推定到着時刻を表示した状態を示す概念図である。図10に示すように、車両の外側に停留所への推定到着時刻を表示することにより、乗客は乗車前におおよその到着時間を知ることができる。さらに、同様の時刻情報をインターネット上のサーバから提供することもできる。
以上説明したように、本発明の運行管理システムシステムは、バスや列車などの車内に無線LANを構築しておき、この無線LANを通して、車内の乗客が所持する携帯端末に対して降車した駅や停留所に関する情報を提供する。例えば、携帯端末に提供する情報としては、降車する停留所や駅の報知と、停留所や駅を通過する通過時間の報知などである。また、列車の場合は、携帯端末が指定券を読み込むと自動的に停車駅や時刻等が分かるようにしてもよい。
携帯端末に対して降車報知を行う場合は、あらかじめ、乗車中の乗客が携帯端末を使用して降車したい停留所を登録しておく。すると、ホストコンピュータが、登録した乗客の携帯端末に対して降車したい停留所の一つ前を通過した後の適当なタイミングで降車報知を行う。このとき、ホストコンピュータが行う移動車両の位置の判断はGPSや地図などを照合して行うことが最も望ましいが、乗務員が手動で降車案内の録音テープを回したときの情報によって判断してもよい。
また、ホストコンピユータは、移動車両内に設置されている場合と地上の司令所に設置されている場合とがあるが、何れであっても報知機能に差は生じない。また、位置情報だけ地上の指令所から受信し、登録された携帯端末の識別は移動車両内で処理することもできる。つまり、運行管理システムにおける役割分担は様々な方法が考えられる。言い換えれば、本発明の運行管理システムは、地上に設置されたホストコンピュータと、移動車両に搭載されたのサブコンピユータと、移動車両に乗車する乗客が所有する携滞端末とから構成されるが、それぞれの機能分担は特定されるものではない。
また、カーナビゲーションと同じような機能として、地上のホストコンピュータのシステムで移動車両の現在位置を判断し、現在位置データと実際の運行速度データとを用いて所定地点の通過時刻や所要時間を携帯端末に通知することもできる。例えば、一つ前を走っているバスの所要時間などのデータを直前の停留所通過時点で利用して次の停留所の通過時間を演算すれば、道路の渋滞状況などを反映して正確に停留所の通過時間が予測することができる。
本発明における運行管理システムの構成を示す概念図である。 図1における運行管理システムにおいて、何れかの無線LAN端末が無線中継装置に対して降車予約を行う場合の処理の流れを示す説明図である。 図1の運行管理システムにおける予約報知処理の流れを示すフロチャートの一例である。 運行管理システムによってPDAに表示された次降車停留所の報知例を示す図である。 移動車両における通信システムの構成図である。 本発明の実施例において、車両が停留所に停車しない場合において到着時刻の推定を行う概念図である。 本発明の実施例において、停留所における乗客数や天候などを考慮して到着時刻の推定を行う概念図である。 本発明の実施例において、停留所への到着時刻を計算で求める概念図である。 本発明の実施例において、交差点付近における交通事情を考慮した場合に到着時刻を推定する概念図である。 本発明の実施例において、車両の外側に停留所への推定到着時刻を表示した状態を示す概念図である。
符号の説明
1,16 移動車両
2、2’ ローカルネットワーク
3、17 1xEV−DO基地局
4 ネットワーク
5 WWWサーバ
10 データセンタ
12、12’ 無線中継装置
13、14、15 無線LAN端末
120 1xEV−DOモバイルターミナル部
121 制御部
125 無線LANアクセスポイント部
126 WEBサーバ部
129、130、250 アンテナ
251 車両位置情報取得部
252 経路情報記憶部
253 降車予約情報更新部
254 降車予約情報報知部
255 降車予約情報記憶部
256 表示部
257 操作部
400 PDA
401 報知メッセージ
402 無線LANアンテナ
403 EV−DOアンテナ


Claims (1)

  1. 複数の車両の運行状況を管理する管理手段を備えた管理センターと、ネットワークを介して前記運行状況を前記管理センターへ送信する送信手段を備えた車両と、から構成される運行管理システムにおいて、
    前記管理センターは、複数の車両の運行状況から各車両が停留所へ到着する到着時刻を推測する推測手段と、該推測手段によって推測された停留所への推定到着時刻を、ネットワーを介して各車両へ送信する送信手段とを有し、
    前記車両は、前記推測手段によって推測された停留所への推定到着時刻を受信する受信手段と、表示手段と、を具備し、
    前記車両が具備する表示手段が、当該車両の外側に前記受信手段によって受信された停留所への推定到着時刻を表示することを特徴とする運行管理システム。
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