JP2004185362A - 携帯端末を用いたタクシー自動配車システム - Google Patents

Abstract

【課題】タクシー利用者およびタクシーが、正確な位置情報およびその他の付帯情報を自動配車センタに伝え、自動配車センタが人手を介さずに適切な配車をタクシー利用者およびタクシーに対して行うことにより、タクシー利用者にとっては位置情報を説明することなく配車予約が行え、運賃の割引や到着時間の短いタクシーが選択できるようにすること、およびタクシーが利用者の位置を正確に把握することで配車の迅速化と割引サービスの提供による乗車率の向上を図ることを目的とする。
【解決手段】利用者は、利用者携帯端末により自らの位置情報を取得し、自動配車センタにタクシーの照会を行う。自動配車センタは、利用者に近いタクシーなどを割引率を含めて照会する。利用者は、割引率を参照して運賃の安いタクシーを選択できる。選択されたタクシーが、自動配車センタにより配車される。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、利用者が携帯端末を使用してタクシーの予約を行うタクシーの自動配車システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、タクシーの予約配車技術として、例えば、特許文献１や特許文献２に記載のものが知られている。特許文献１に記載のものは、例えば、地図上に利用者の付近に居るタクシーを表示し、到着予定時刻等を表示し、待ち時間を最短にするようなタクシーを選択できるようにするシステムに関するものである。また、特許文献２に記載のものは、ＧＰＳの位置情報を使用して利用者の付近に居るタクシーを表示し、予約に割り当てるものである。
【０００３】
一方、利用者側にとってみると、予約配車センターを選択することはできるものの、複数の会社のタクシーから最も安いタクシーを選択することは難しい。近年タクシー料金が自由化されているにもかかわらず、予約時には利用料金を加味した選択ができない。また、タクシーは自車の営業所への帰路等の場合、自社の営業所方面の利用者に対しては割安な運賃を設定してでも利用者を確保し乗車率を上げたいが、割引サービスを行うことや、割引運賃でサービスを供与する行先を利用者に情報提供することが難しかった。
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−２９７３９６号公報（第３頁）
【０００５】
【特許文献２】特開平１０−１０５８８９号公報（第２頁、第１図）
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
タクシー等での配車業務では、複数のタクシーの位置や空車の状況を把握し、適切な配車を行う必要がある。そのため、地域ごとに配車センタを設け、配車には人手を必要としている。また、利用者は自分がどこにいるかという位置情報を最寄りの配車センタに伝える必要があるが、利用者にとって不慣れな土地では、最寄りの配車センタを調べることや、自分の位置を正確に伝えるのは難しい場合がある。また利用者にとって、タクシーが近くにいるかどうかや、タクシー到着までの時間および目的地までの概算の運賃などの情報を得るためには、最寄りの配車センタに電話等で問い合わせる必要があるが、聴覚障害者にとってこれらの情報を得ることは大変である。また、複数の会社のタクシーから最も安いタクシーを選択するためには、利用者は複数のタクシー会社に料金等を問い合わせる必要が生じる。また、タクシー事業者は、タクシー利用の機会を増やすための料金のリアルタイムな割引設定等を効果的に利用者に情報提供する手段を持ち得なかった。
【０００７】
そこで、本発明は、これらの課題を解決するために、タクシー利用者およびタクシーが、正確な位置情報およびその他の付帯情報を自動配車センタに伝え、自動配車センタが人手を介さずに適切な配車をタクシー利用者およびタクシーに対して行うことにより、タクシー利用者にとっては位置情報を説明することなく配車予約が行え、運賃の割引や到着時間の短いタクシーが選択できるようにすることを目的とする。また、タクシーにおいては、利用者の位置を正確に把握することで配車の迅速化と割引サービスの提供による乗車率の向上を図ることを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項１に係る発明は、タクシーの配車予約を行うタクシー自動配車システムであって、複数のタクシーのそれぞれについて現時点の位置を示す現在位置情報を取得する手段と、前記複数のタクシーのそれぞれについて行先方面ごとの割引率を設定する手段と、利用者携帯端末から送信される利用者の現在位置情報と目的地を含む照会要求を受信する手段と、前記利用者携帯端末の現在位置情報と目的地および前記タクシーの現在位置情報に基づいて、前記利用者に紹介するタクシーの候補を割り出す手段と、割り出したタクシーのそれぞれについて前記目的地を行先とした場合の割引率を取得し、照会結果として前記割り出したタクシーとその割引率を前記利用者携帯端末に送信する手段とを備えることを特徴とする。
【０００９】
請求項２に係る発明は、タクシーの配車予約を行うタクシー自動配車システムであって、無線通信手段により相互に通信可能な利用者携帯端末、タクシー携帯端末、および配車センタサーバを備えるとともに、前記利用者携帯端末は、現在位置情報を取得するための現在位置情報取得手段と、取得した現在位置情報と目的地を含む照会要求を前記配車センタサーバに送信する手段と、前記配車センタサーバから送信される照会結果を受信して表示する手段とを備え、前記タクシー携帯端末は、現在位置情報を取得するための現在位置情報取得手段と、定期的に前記現在位置情報を前記配車センタサーバに送信する手段とを備え、前記配車センタサーバは、複数のタクシーのそれぞれから定期的に送信されてくる現在位置情報を受信し、各タクシーの現在位置情報を記憶管理する手段と、前記複数のタクシーのそれぞれについて行先方面ごとの割引率を設定する手段と、利用者携帯端末から送信される現在位置情報と目的地を含む照会要求を受信する手段と、前記利用者携帯端末の現在位置情報と目的地および前記タクシーの現在位置情報に基づいて、前記利用者に紹介するタクシーの候補を割り出す手段と、割り出したタクシーのそれぞれについて前記目的地を行先とした場合の割引率を取得し、照会結果として前記割り出したタクシーとその割引率を前記利用者携帯端末に送信する手段とを備えることを特徴とする。
【００１０】
請求項３に係る発明は、請求項１または２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、前記配車センタサーバは、前記割り出したタクシーのそれぞれの、現在位置、利用者までの到着予定時刻、目的地までの概算の所要時間、および／または、目的地までの概算の運賃を求め、求めた情報を前記照会結果に含めて前記利用者携帯端末に送信することを特徴とする。
【００１１】
請求項４に係る発明は、請求項１または２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、前記利用者携帯端末から前記配車センタサーバに送信する照会要求には、希望する最大待ち時間または希望する乗車予定時刻を含め、前記配車センタサーバは、前記割り出したタクシーのうち、前記希望する最大待ち時間以内の待ち時間で到着すると見積もれるタクシー、または前記希望する乗車予定時刻以前に到着すると見積もれるタクシーを前記照会結果として前記利用者携帯端末に送信することを特徴とする。
【００１２】
請求項５に係る発明は、請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、前記利用者携帯端末は、表示された前記照会結果から利用者が利用したいタクシーを選択する操作を受け付ける手段と、該利用者が選択したタクシーに対する予約要求を前記配車センタサーバに送信する手段とをさらに備え、前記配車センタサーバは、前記予約要求を受信したとき、前記利用者が選択したタクシーのタクシー携帯端末に対して前記利用者の現在位置情報を含む配車指示を送信する手段をさらに備えることを特徴とする。
【００１３】
請求項６に係る発明は、請求項５に記載のタクシー自動配車システムにおいて、前記タクシー携帯端末は、前記配車指示を受信して表示する手段と、前記配車指示に対して配車可否の応答を行なう手段とをさらに備えることを特徴とする。
【００１４】
請求項７に係る発明は、請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、前記タクシー携帯端末は、自タクシーについて前記配車センタサーバに設定されている行先方面ごとの割引率を表示する手段と、これらの行先方面ごとの割引率を入力する手段と、入力された行先方面ごとの割引率を前記配車センタサーバに送信する手段とを備え、前記配車センタサーバの割引率を設定する手段は、前記前記タクシー携帯端末により入力され送信された行先方面ごとの割引率を当該タクシーの割引率として設定するものであることを特徴とする。
【００１５】
請求項８に係る発明は、請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、前記タクシー携帯端末は、前記配車センタサーバから送信される現在利用客が多い地点や天気や交通情報などの利用客の動向に絡む情報を受信して表示する手段をさらに備えることを特徴とする。
【００１６】
請求項９に係る発明は、請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、前記配車センタサーバは、地図情報や情報提供機関から提供される道路交通情報と連動し、利用者からの配車依頼情報に対して、利用者とタクシーの位置情報から、適切な配車指示を自動的に行う手段を備えることを特徴とする。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【００１８】
図１は、本発明の実施の形態である自動配車システム全体の構成図である。同図に示すように、本自動配車システムは、利用者が保持する利用者携帯端末（１０１）と、タクシーが保持するタクシー携帯端末（１０３）と、自動配車センタ（１０２）と、道路の混雑状況や地域の気象情報を提供する道路・気象情報提供機関（１０５）とを備える。利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）は、無線回線で自動配車センタ（１０２）と接続されている。また、利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）から自動配車センタ（１０２）への接続は任意に行うことが可能である。
【００１９】
自動配車センタ（１０２）は、利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）の位置を示す位置情報を把握し、それらの位置を地図上に図示するための地図情報データベース（１０４）を保有する。この地図情報データベース（１０４）は、タクシーの到着予定時刻の導出にも用いられる。
【００２０】
図２は、利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）の構成図である。利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）は、何れも、表示部（２０１）、操作部（２０２）、位置情報取得装置（２０３）、端末制御部（２０４）、および通信制御部（２０５）を備える。
【００２１】
利用者携帯端末（１０１）の表示部（２０１）は、液晶パネルなどで構成され、各種操作ガイダンスの表示、照会要求および予約要求の入力画面表示、照会結果および予約結果の表示、並びに予約後のタクシートレース情報の表示などを行う。タクシー携帯端末（１０３）の表示部（２０１）は、液晶パネルなどで構成され、各種操作ガイダンスの表示、空車・回送等タクシー状態や割引運賃情報の設定入力画面の表示、配車指示やタクシー利用者位置の表示、道路情報や各種タクシー運行上必要な情報の照会入力画面の表示、並びにその照会結果の表示などを行う。操作部（２０２）は、ボタンまたはタッチパネルなどから構成され、各種照会操作に関する入力を行う。位置情報取得装置（２０３）は、ＧＰＳ信号を使用して、利用者携帯端末（１０１）あるいはタクシー携帯端末（１０３）の現在位置を確定する。通信制御部（２０５）は、利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）から無線回線（２１０）を経由して自動配車センタ（１０２）へ接続する際の制御および情報の送受信の制御を行う。端末制御部（２０４）は、マイクロプロセッサなどから構成され、利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）の表示・入力・通信の機能を制御する。
【００２２】
タクシー携帯端末（１０３）は、一定時間毎に、ＧＰＳ信号から取得した位置情報、および空車や回送等タクシーの状態を、自動配車センタ（１０２）に送信する機能を持つ。また、これらの情報によって、自動配車センタ（１０２）は、タクシーの現在位置および現在状態を常時モニターしている。
【００２３】
タクシー携帯端末（１０３）は、自動配車センタ（１０２）に対して、運賃の割引を行う行先とその割引率を設定登録する機能を持つ。あるいは自動配車センタ（１０２）側でタクシーの運行状況から、自動的に運賃割引を行う行先と割引率を設定する機能を持つ。これらの割引情報は、利用者が利用可能なタクシーを照会した際、照会結果に付帯され、利用者がタクシーを選択する際の基準の一つとなることが可能である。また、これらの割引情報は自動配車センタ（１０２）により管理され、タクシー携帯端末（１０３）から照会・変更することが可能である。
【００２４】
タクシー携帯端末（１０３）は、自動配車センタ（１０２）と通信を行い、現在利用客が多い地点や、天気や交通情報などの利用客の動向に絡む情報を、自動配車センタ（１０２）から取得し表示することが可能である。この場合、タクシー運転手がタクシー携帯端末（１０３）を操作して任意に必要な情報を取得することも、定期的に自動配車センタ（１０２）からタクシー携帯端末（１０３）に送信して表示させることも可能である。
【００２５】
利用者携帯端末（１０１）およびタクシー携帯端末（１０３）は、前述の機能を満たすのであれば、ＰＤＡや携帯電話またはＰＨＳなどに、これらの機能を満たすソフトウエアや装置を実装したものでも良い。
【００２６】
図３は、自動配車センタ（１０２）の構成図である。自動配車センタ（１０２）は、大きくは、ネットワーク制御装置（３０１）と配車センタサーバ（３０２）から構成される。配車センタサーバ（３０２）は、予約サブシステム（３１１）、照会サブシステム（３１２）、情報収集サブシステム（３１３）、配車サブシステム（３１４）、および経路探索サブシステム（３１５）の各サブシステム群、並びに、タクシー情報（３１６）および道路・気象情報（３１７）を保持する内部記憶を備える。
【００２７】
ネットワーク制御装置（３０１）は、ネットワークルータなどから構成されるものであり、道路・気象情報提供機関（１０５）や地図情報データベース（１０４）と配車センタサーバ（３０２）とを接続し、通信の機能を供与する。また、無線回線（２１０）を介して、利用者携帯端末（１０１）やタクシー携帯端末（１０３）と配車センタサーバ（３０２）とを接続し、通信の機能を供与する。
【００２８】
配車センタサーバ（３０２）は内部に複数のサブシステムを持ち、それらのサブシステムはソフトウエアによって実装される。予約サブシステム（３１１）は、予約要求を処理するサブシステムである。照会サブシステム（３１２）は、照会要求を処理するサブシステムである。情報収集サブシステム（３１３）は、道路・気象情報提供機関（１０５）やタクシー携帯端末（１０３）から情報を収集し、タクシー情報（３１６）や道路・気象情報（３１７）の内部記憶への登録を行うサブシステムである。配車サブシステム（３１４）は、タクシー携帯端末（１０３）に対して配車指示を作成し送信を行うサブシステムである。経路探索サブシステム（３１５）は、予約サブシステム（３１１）、照会サブシステム（３１２）、および配車サブシステム（３１４）と連携し、タクシー情報（３１６）、道路・気象情報（３１７）、および地図情報データベース（１０４）の各情報から、予想されるタクシーの到着時間や最短時間で到着できる経路等の導出を行うサブシステムである。
【００２９】
次に、タクシー利用者が本自動配車システムを使用してタクシーの予約をする手順を説明する。図４は、利用者による本自動配車システム利用時のダイヤグラムを示す。
【００３０】
まず、タクシー携帯端末（１０３）は、タクシーの位置情報やタクシーの状態、およびタクシーによって設定された割引情報などを定期的に自動配車センタ（１０２）に送信する（ステップ４０１）。これにより自動配車センタ（１０２）は、タクシーの状態およびタクシーによって設定された割引情報などを常に把握している。
【００３１】
利用者は、本自動配車システムを使用してタクシーの予約を行う場合、利用者携帯端末（１０１）を用いて、無線回線（２１０）を経由して自動配車センタ（１０２）に接続し、照会要求を送信する（ステップ４０２）。この照会要求には、ＧＰＳ信号から取得した位置情報、および目的地や利用者の希望する最大待ち時間などの照会の付帯情報が含まれる。
【００３２】
照会要求を受信した自動配車センタ（１０２）は、地図情報データベース（１０４）にアクセスし（ステップ４０３）、モニターしているタクシーの位置情報と、利用者携帯端末（１０１）から送信された位置情報と、道路・気象情報提供機関（１０５）から送信された情報から、利用者の近くを走行中のタクシーの割り出しを行う（ステップ４０４）。自動配車センタ（１０２）は、利用者の現在位置までできるだけ早く到着できる、または、割引率を設定しており利用者が選択する可能性が高い数台のタクシーを推定し、当該数台のタクシーの予想到着時刻や、目的地までの概算所要時間や、運賃や、割引率などの照会に対する回答を導出し、利用者携帯端末（１０１）に対して照会結果を送信する（ステップ４０５）。
【００３３】
利用者携帯端末（１０１）は、自動配車センタ（１０２）より受信した照会結果を、利用者携帯端末（１０１）の表示部（２０１）に表示する。利用者は、表示された複数の利用可能なタクシーのうち、利用したいタクシーを選択することで、選択したタクシーを予約することが可能である。利用者によってタクシーが選択された場合、利用者携帯端末（１０１）は、自動配車センタ（１０２）に対して予約要求の送信を行う（ステップ４０６）。予約要求を受信した自動配車センタ（１０２）は、照会結果から利用者によって選択されたタクシーが持つタクシー携帯端末（１０３）に対して、配車指示の送信を行う（ステップ４０７）。配車指示には、利用者の位置情報、地図情報データベース（１０４）から作成した道路・気象情報などを付加した利用者付近の地図画像、および、利用者の希望する最大待ち時間などの付帯情報が含まれる。配車指示を受信したタクシー携帯端末（１０３）は、表示部（２０１）に配車予約があった旨のメッセージと、利用者付近の地図画像と付帯情報の表示を行う。
【００３４】
一方、自動配車センタ（１０２）は、配車指示の送信と同時に、利用者携帯端末（１０１）に対して予約結果の送信を行う（ステップ４０８）。予約結果には、到着までの時間など、予約したタクシーに関する情報が含まれる。予約結果を受信した利用者携帯端末（１０１）は、表示部（２０１）に、予約が完了した旨のメッセージと、予約したタクシーの到着までの時間など、付帯情報の表示を行う。また、必要であれば、利用者携帯端末（１０１）は、自動配車センタ（１０２）に問合せを行い、予約したタクシーの現在位置を到着までトレース表示することも可能である。
【００３５】
配車予約を受けたタクシーは、利用者の位置情報などを元に、利用者の位置に移動し、サービスを提供する。
【００３６】
図５〜図７は、利用者が行った照会要求およびその照会結果の例を示す。利用者は、利用者携帯端末（１０１）を用いて自動配車センタ（１０２）にアクセスし、図５に示すような照会要求を自動配車センタ（１０２）に送信する。照会要求には、利用者が入力した目的地、乗車予定時刻、および待ち時間などが含まれる。自動配車センタ（１０２）は、利用者の現在位置と指定された目的地によって最寄りのタクシーと運賃の割引を登録しているタクシーを選択する。例えば、図６のように、利用者の現在位置に最寄りのタクシーＡ車携帯端末（１０３Ａ）、並びに、利用者に指定された目的地方面に運賃の割引を登録しているタクシーＢ車携帯端末（１０３Ｂ）およびタクシーＣ車携帯端末（１０３Ｃ）を選択する。利用者携帯端末（１０１）からの照会要求に対して、自動配車センタ（１０２）は、図７に示すような照会結果を利用者携帯端末（１０１）に送信する。当該照会結果には、Ａ車、Ｂ車、およびＣ車のそれぞれの到着時刻、概算運賃、割引率、現在位置、およびタクシー会社名などが含まれる。このとき、照会結果に付帯される地図情報から、地図画面を作成し、地図上に各タクシーの表示を図示しても良い。
【００３７】
図８は、タクシー携帯端末（１０３）を用いて、自動配車センタ（１０２）にタクシーの割引情報を設定する際のフローチャートである。８０１はタクシー携帯端末（１０３）側の処理、８０２は自動配車センタ（１０２）側の処理を示す。
【００３８】
タクシー携帯端末（１０３）は、メニュー画面を表示し（ステップ８１１）、該メニューで割引設定を選択する（ステップ８１２）と、設定する割引情報の入力を受け付ける（ステップ８１３）。割引設定情報を入力すると、タクシー携帯端末（１０３）は、自動配車センタ（１０２）に割引設定情報を送信する（ステップ８１４）。自動配車センタ（１０２）は、タクシー携帯端末（１０３）からの割引設定情報を受信する（ステップ８１５）と、受信した割引設定情報が、設定可能な割引条件であるか否かのチェックを行う（ステップ８１６）。設定不可の割引条件であった場合、自動配車センタ（１０２）は、タクシー携帯端末（１０３）に、設定できない割引設定情報であることを示す設定不可情報を送信する（ステップ８１７）。タクシー携帯端末（１０３）は、その設定不可情報を受信し（ステップ８１８）、表示部（２０１）に設定不可画面を表示し（ステップ８１９）、その後メニュー画面に戻る（ステップ８２０）。
【００３９】
ステップ８１６で割引設定情報が設定可能な割引条件であった場合、自動配車センタ（１０２）は、タクシー携帯端末（１０３）に設定完了情報を送信し（ステップ８２１）、内部記憶に当該割引設定情報を登録する（ステップ８２２）。タクシー携帯端末（１０３）は、設定完了情報を受信し（ステップ８２３）、表示部（２０１）に設定完了画面を表示し（ステップ８２４）、その後メニュー画面に戻る（ステップ８２５）。
【００４０】
図９は、タクシー携帯端末（１０３）を用いて、自動配車センタ（１０２）にタクシーの割引情報を設定する際の画面の例を示す。タクシー携帯端末（１０３）から自動配車センタ（１０２）に接続して割引情報を設定する画面を表示する所定の指示を行うと図９の画面が表示される。その時点では、現在、そのタクシーに設定されている割引情報がはじめに表示される。タクシー側でこれらの割引情報に対し、割引を設定する行先方面と、その割引率が設定できるようになっている。設定ボタンの押下により、設定した割引情報が自動配車センタ（１０２）に送信され内部記憶に格納される。
【００４１】
図１０は、利用者携帯端末（１０１）から自動配車センタ（１０２）に照会要求が行われる場合の処理フローチャートである。１００１は利用者携帯端末（１０１）側の処理、１００２は自動配車センタ（１０２）側の処理を示す。
【００４２】
利用者携帯端末（１０１）は、照会画面を表示し（ステップ１０１１）、照会条件の入力を受け付ける（ステップ１０１２）。照会条件が入力されると、利用者携帯端末（１０１）は、自動配車センタ（１０２）に照会条件と共に照会要求を送信する（ステップ１０１３）。自動配車センタ（１０２）の照会サブシステム（３１２）は、利用者携帯端末（１０１）からの照会要求を受信する（ステップ１０１４）と、情報収集サブシステム（３１３）を用いて、収集されているタクシー情報の取得を行う（ステップ１０１５）。その後、照会サブシステム（３１２）は、照会条件に含まれる利用者携帯端末（１０１）の位置と、取得したタクシー携帯端末（１０３）の位置情報を比較し、利用者付近で利用可能な数台のタクシーの割出しを行う（ステップ１０１６）。また、照会サブシステム（３１２）は、割出した数台のタクシーの位置情報から経路検索サブシステム（３１５）を用いて、利用者までの最短時間となる経路を検索し、到着までの所要時間および概算運賃を算出する（ステップ１０１７）。
【００４３】
さらに、照会サブシステム（３１２）は、自動配車センタ（１０２）に設定されたタクシーの割引情報から計算された概算運賃に対して、割引条件の加味を行う（ステップ１０１８）。割引条件の加味とは、例えば割引率の良いタクシーを優先的に候補として割出す処理（図１１のステップ１１０５と同じ）である。照会サブシステム（３１２）は、概算運賃と到着までの所要時間を勘案し、利用者が利用する可能性が高いと思われる数台のタクシーを割出す（ステップ１０１９）。割出しには、概算運賃と所要時間に重み付けを行い、算出したポイント等を用いる。照会サブシステム（３１２）は照会結果を編集し（ステップ１０２０）、利用者携帯端末（１０１）に照会結果の送信を行う（ステップ１０２１）。利用者携帯端末（１０１）はその照会結果を受信し（ステップ１０２２）、表示部（２０１）に照会結果を表示する（ステップ１０２３）。照会結果から、利用候補タクシーがあるかどうかのチェックを行う（ステップ１０２４）。利用者が利用可能なタクシーがある場合は予約画面を表示し（ステップ１０２６）、利用可能なタクシーが無い場合は、照会画面に戻る（ステップ１０２５）。
【００４４】
図１１は、自動配車センタ（１０２）による割引率設定の概要を示す。センタ管理者（１１０１）は、タクシーの割引率を手動または自動で設定することが可能である。手動での割引率の設定は、個々のタクシーの割引情報を保持している内部記憶に直接、割引率を設定することで行う（１１０２）。自動での割引率の設定は、センタ管理者（１１０１）が事前に割引条件（１１０４）を自動配車センタ（１０２）に登録しておく（１１０３）ことで行う。割引条件は、日付、曜日、時間帯、方面、道路情報、気象情報、現在のタクシー利用率、対象タクシーなどに関する条件の組み合わせで指定する。設定された割引条件は、照会サブシステム（３１２）の割引条件加味処理（１１０５）において、タクシー情報とのマッチングが行われ、マッチングした場合に割引率が自動的に適用される。
【００４５】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自動配車センタによって、自動化された配車業務を提供することが可能であり、利用者にとっては、利用者の位置情報を口で説明することなく、携帯端末によるタクシーの照会や予約が可能となり、利便性が向上する。また、到着まで時間はかかるが運賃が安いタクシー、あるいは到着までの時間が最短となるが運賃が通常料金のタクシーなど、利用者の選択の幅を広げることが可能となる。一方、タクシー側においては、利用者の位置を正確に把握することで配車の迅速化と割引サービスの提供による乗車率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】自動配車システムの構成図
【図２】利用者携帯端末およびタクシー携帯端末の構成図
【図３】自動配車センタの構成図
【図４】自動配車システムの配車予約のダイヤグラムを示す図
【図５】利用者携帯端末の照会要求画面の例を示す図
【図６】照会されるタクシーの選択の例を示す図
【図７】利用者携帯端末の照会結果画面の例を示す図
【図８】タクシー携帯端末からの割引率設定フロー図
【図９】タクシー携帯端末からの割引率設定画面を示す図
【図１０】照会処理フロー図
【図１１】センタによる割引率設定の概要図
【符号の説明】
１０１：利用者携帯端末、１０２：自動配車センタ、１０３：タクシー携帯端末、１０４：地図情報データベース、１０５：道路・気象情報提供機関、２０１：表示部、２０２：操作部、２０３：位置取得装置、２０４：端末制御部、２０５：通信制御部、２１０：無線回線、３０１：ネットワーク制御装置、３０２：配車センタサーバ、３１１：予約サブシステム、３１２：照会サブシステム、３１３：情報収集サブシステム、３１４：配車サブシステム、３１５：経路探索サブシステム、３１６：内部記憶（タクシー情報）、３１７：内部記憶（道路・気象情報）、１１０１：センタ管理者、１１０４：割引条件ＤＢ。

Claims (9)

1. タクシーの配車予約を行うタクシー自動配車システムであって、
   複数のタクシーのそれぞれについて現時点の位置を示す現在位置情報を取得する手段と、
   前記複数のタクシーのそれぞれについて行先方面ごとの割引率を設定する手段と、
   利用者携帯端末から送信される利用者の現在位置情報と目的地を含む照会要求を受信する手段と、
   前記利用者携帯端末の現在位置情報と目的地および前記タクシーの現在位置情報に基づいて、前記利用者に紹介するタクシーの候補を割り出す手段と、
   割り出したタクシーのそれぞれについて前記目的地を行先とした場合の割引率を取得し、照会結果として前記割り出したタクシーとその割引率を前記利用者携帯端末に送信する手段と
   を備えることを特徴とするタクシー自動配車システム。
2. タクシーの配車予約を行うタクシー自動配車システムであって、
   無線通信手段により相互に通信可能な利用者携帯端末、タクシー携帯端末、および配車センタサーバを備えるとともに、
   前記利用者携帯端末は、
   現在位置情報を取得するための現在位置情報取得手段と、
   取得した現在位置情報と目的地を含む照会要求を前記配車センタサーバに送信する手段と、
   前記配車センタサーバから送信される照会結果を受信して表示する手段と
   を備え、
   前記タクシー携帯端末は、
   現在位置情報を取得するための現在位置情報取得手段と、
   定期的に前記現在位置情報を前記配車センタサーバに送信する手段と
   を備え、
   前記配車センタサーバは、
   複数のタクシーのそれぞれから定期的に送信されてくる現在位置情報を受信し、各タクシーの現在位置情報を記憶管理する手段と、
   前記複数のタクシーのそれぞれについて行先方面ごとの割引率を設定する手段と、
   利用者携帯端末から送信される現在位置情報と目的地を含む照会要求を受信する手段と、
   前記利用者携帯端末の現在位置情報と目的地および前記タクシーの現在位置情報に基づいて、前記利用者に紹介するタクシーの候補を割り出す手段と、
   割り出したタクシーのそれぞれについて前記目的地を行先とした場合の割引率を取得し、照会結果として前記割り出したタクシーとその割引率を前記利用者携帯端末に送信する手段と
   を備えることを特徴とするタクシー自動配車システム。
3. 請求項１または２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、
   前記配車センタサーバは、前記割り出したタクシーのそれぞれの、現在位置、利用者までの到着予定時刻、目的地までの概算の所要時間、および／または、目的地までの概算の運賃を求め、求めた情報を前記照会結果に含めて前記利用者携帯端末に送信することを特徴とするタクシー自動配車システム。
4. 請求項１または２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、
   前記利用者携帯端末から前記配車センタサーバに送信する照会要求には、希望する最大待ち時間または希望する乗車予定時刻を含め、
   前記配車センタサーバは、前記割り出したタクシーのうち、前記希望する最大待ち時間以内の待ち時間で到着すると見積もれるタクシー、または前記希望する乗車予定時刻以前に到着すると見積もれるタクシーを前記照会結果として前記利用者携帯端末に送信することを特徴とするタクシー自動配車システム。
5. 請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、
   前記利用者携帯端末は、表示された前記照会結果から利用者が利用したいタクシーを選択する操作を受け付ける手段と、該利用者が選択したタクシーに対する予約要求を前記配車センタサーバに送信する手段とをさらに備え、
   前記配車センタサーバは、前記予約要求を受信したとき、前記利用者が選択したタクシーのタクシー携帯端末に対して前記利用者の現在位置情報を含む配車指示を送信する手段をさらに備えることを特徴とするタクシー自動配車システム。
6. 請求項５に記載のタクシー自動配車システムにおいて、
   前記タクシー携帯端末は、前記配車指示を受信して表示する手段と、前記配車指示に対して配車可否の応答を行なう手段とをさらに備えることを特徴とするタクシー自動配車システム。
7. 請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、
   前記タクシー携帯端末は、自タクシーについて前記配車センタサーバに設定されている行先方面ごとの割引率を表示する手段と、これらの行先方面ごとの割引率を入力する手段と、入力された行先方面ごとの割引率を前記配車センタサーバに送信する手段とを備え、
   前記配車センタサーバの割引率を設定する手段は、前記前記タクシー携帯端末により入力され送信された行先方面ごとの割引率を当該タクシーの割引率として設定するものであることを特徴とするタクシー自動配車システム。
8. 請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、
   前記タクシー携帯端末は、前記配車センタサーバから送信される現在利用客が多い地点や天気や交通情報などの利用客の動向に絡む情報を受信して表示する手段をさらに備えることを特徴とするタクシー自動配車システム。
9. 請求項２に記載のタクシー自動配車システムにおいて、
   前記配車センタサーバは、地図情報や情報提供機関から提供される道路交通情報と連動し、利用者からの配車依頼情報に対して、利用者とタクシーの位置情報から、適切な配車指示を自動的に行う手段を備えることを特徴とするタクシー自動配車システム。

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