JP6988816B2 - 車載移動局用アンテナ装置及び車載移動局 - Google Patents

車載移動局用アンテナ装置及び車載移動局 Download PDF

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Description

本発明は、車載移動局用アンテナ装置及び車載移動局に関するものである。本出願は、2016年11月14日出願の日本特許出願2016−221380号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
モバイル通信においては、基地局と移動局との間で通信が行われる。特許文献1は、基地局によるビームフォーミングを開示している。
国際公開第2011/43298号
本開示の一の態様は、モバイル通信基地局と通信する車載移動局用のアンテナ装置である。実施形態において、アンテナ装置は、車両に取り付けられるベースと、前記ベースに支持された複数の第1アンテナ素子と、を備える。複数の前記第1アンテナ素子は、水平面において円周状に等間隔に配置される。ここで、水平面は、アンテナ装置において物理的に存在している必要はなく、仮想的に観念される水平面であれば足りる。複数のアンテナ素子は、それぞれ前記円周の径方向外方に向く指向性を有する。アンテナ素子の円筒状配置は、各アンテナ素子の一部(好ましくはアンテナ水平方向中心)が、仮想的な円周上に位置していれば足り、アンテナ素子の全体が仮想的な円周上に位置している必要はない。したがって、アンテナ素子を指示するベースが円周状である必要はなく、多角形状であってもよい。
図1は車載移動局を搭載した車両を示す図である。 図2Aは、アンテナ装置の平面図である。図2Bは、アンテナ装置の側面図である。 図3は、アンテナ装置の回路図である。 図4Aは、アンテナ素子切替の説明図である。図4Bは、アンテナ素子切替の説明図である。 図5Aは、運行方向推定によるアンテナ素子切替の説明図である。図5Bは、運行方向推定によるアンテナ素子切替の説明図である。図5Cは、運行方向推定によるアンテナ素子切替の説明図である。 図6は、アンテナ装置の変形例を示す図である。 図7は、アンテナ装置の変形例を示す図である。 図8は、アンテナ装置の変形例を示す図である。 図9は、アンテナ装置の変形例を示す図である。 図10は、送信パスキャリブレーションの説明図である。 図11は、受信パスキャリブレーションの説明図である。 図12Aは、第2実施形態に係るアンテナ装置の構成図である。図12Bは、第2実施形態に係るアンテナ装置の平面図である。図12Cは、第2実施形態に係るアンテナ装置の側面図である。
[1.実施形態の概要]
モバイル通信においては、移動局と基地局の相対位置関係は、変動し続ける。特に、水平面における相対方向の変化が激しい。このため、移動局のアンテナは、水平面の全方向に対応していることが望ましい。
本開示は、携帯電話及びスマートフォンのように人によって携帯される移動局のアンテナではなく、車載移動局におけるアンテナ装置において、水平面の全方向に対応するための新規な構造に関する。
(1)実施形態において、モバイル通信基地局と通信する車載移動局用のアンテナ装置は、車両に取り付けられるベースと、前記ベースに支持された複数の第1アンテナ素子と、
を備え、複数の前記第1アンテナ素子は、水平面において円周状に等間隔に配置され、それぞれ前記円周の径方向外方に向く指向性を有する。かかる構成により、水平面全方向への対応が容易となり、基地局との安定した通信が可能となる。
(2)複数の前記第1アンテナ素子は、水平面全方向にビームを向けることができるように配置されているのが好ましい。この場合、基地局が水平面のどの方向にあっても、基地局とのより安定した通信が可能となる。
(3)複数の前記第1アンテナ素子のうちの一部を、前記モバイル通信基地局との通信に用いられる1又は複数の使用アンテナ素子として選択する選択部を更に備えるのが好ましい。この場合、使用アンテナ素子を切り替えることが可能となる。
(4)前記車載移動局用アンテナ装置の移動に応じて水平面におけるビームの向きを変えるために、前記使用アンテナ素子として選択される第1アンテナ素子を切り替える切替処理を実行する制御部を更に備えるのが好ましい。この場合、移動局の移動に応じて、使用アンテナを切り替えることができる。
(5)切り替え後の複数の使用アンテナ素子の数及び円周方向間隔は、切り替え前の複数の使用アンテナ素子の数及び円周方向間隔と同じであるのが好ましい。この場合、切替によるアンテナ利得の変動を防止できる。
(6)切り替え後の複数の使用アンテナ素子の少なくともいずれか一つは、切り替え前の複数の使用アンテナ素子に含まれるのが好ましい。この場合、ビームの向きを細かく変化させることが可能となる。
(7)前記切替処理は、前記車載移動局用アンテナ装置と前記モバイル通信基地局との相対運行方向を算出し、前記相対運行方向に基づいて、前記使用アンテナ素子として選択される第1アンテナ素子を切り替えることを含むのが好ましい。この場合、相対運行方向に基づいて、容易に切り替えを行うことができる。また、全方向のビームスイープをする必要がなくなる。
(8)各第1アンテナ素子のアンテナキャリブレーションのための複数のキャリブレーション用アンテナ素子を更に備えるのが好ましい。この場合、キャリブレーションアンテナ素子を用いた第1アンテナ素子のキャリブレーションが可能となる。第1アンテナ素子のキャリブレーションによって、より正確なビーム制御が可能となる。複数の前記キャリブレーション用アンテナ素子の数は、複数の前記第1アンテナ素子の数と同じであり、複数の前記キャリブレーション用アンテナ素子は、複数の前記第1アンテナ素子とは垂直方向に異なる位置に配置され、水平面において円周状に等間隔に配置され、それぞれの円周方向位置が、いずれか一つの前記第1アンテナ素子の円周方向位置と一致するのが好ましい。
(9)複数の前記第1アンテナ素子の数と同数の複数の第2アンテナ素子を更に備え、複数の前記第2アンテナ素子は、複数の前記第1アンテナ素子とは垂直方向に異なる位置に配置され、水平面において円周状に等間隔に配置され、それぞれの円周方向位置が、いずれか一つの前記第1アンテナ素子の円周方向位置と一致し、それぞれ前記円周の径方向外方に向く指向性を有するのが好ましい。この場合、垂直方向におけるアンテナ素子多段構造が得られ、アンテナ利得向上が可能となるか、又は垂直面におけるビームフォーミングが可能となる。
(10)複数の前記第2アンテナ素子は、複数の前記第1アンテナ素子よりも下方に配置され、複数の前記第1アンテナ素子よりも前記円周の径方向外方に配置されていてもよい。この場合、斜めに傾斜した配置が得られる。
(11)複数の前記第1アンテナ素子及び複数の前記第2アンテナ素子は、それぞれ、前記円周の径方向外方かつ斜め上方に向く指向性を有するのが好ましい。この場合、斜め上方の指向性が得られる。
(12)複数の前記第1アンテナ素子及び複数の第2アンテナ素子は、水平面において無指向性となるビームを形成するのが好ましい。この場合、どの方向に基地局があっても安定した通信が可能である。
(13)複数の前記第1アンテナ素子と複数の前記第2アンテナ素子とのアレイ合成によりビームのチルト角制御が行われるのが好ましい。この場合、基地局の相対的高さ位置に応じたチルト角制御を行うことができる。
(14)実施形態において、車載移動局は、(1)〜(13)ののいずれか1項に記載の車載移動局用アンテナ装置を備えることができる。
[2.実施形態の詳細]
[2.1 第1実施形態]
図1は、車載移動局10が搭載された車両20を示している。車載移動局10は、モバイル通信基地局30と通信をする。基地局30は、建物の屋上、鉄塔の上などの比較的高い場所に設置され、地上の移動局と通信する。モバイル通信は、高速通信の実現のため、ミリ波又は準ミリ波が利用される通信であるのが好ましい。ミリ波又は準ミリ波が利用されるモバイル通信は、例えば、第5世代モバイルネットワーク(5G)である。
ミリ波又は準ミリ波が利用される通信では、高い周波数のため、伝搬損失が大きい。本実施形態では、伝播損失の補償のため、ビームフォーミングが行われる。ビームフォーミングをすることで、特定の方向に指向性を向けて利得を向上させることができる。本実施形態では、ビームフォーミングは、基地局30だけでなく移動局10によっても行われ、高速通信を可能とする。ビームフォーミングを行うため、車載移動局10は、複数のアンテナ素子を有するアレイアンテナを有するが、この点については後述する。
車両20は、例えば、バス・電車などの交通機関における車両である。実施形態に係る車載移動局10は、無線LAN無線部40と接続されている。無線LAN無線部40は、無線LANアクセスポイントであり、車内の無線LAN端末50に対して、無線LANサービスを提供する。車内の無線LAN端末50は、例えば、車両20の乗客が有する携帯電話、スマートフォン、タブレット、又はノートパソコンなどである。乗客が有する端末50は、無線LAN及びモバイル通信ネットワークを介して、インターネット接続が可能である。
車載移動局10は、基地局30と通信するためのアンテナ装置100を備える。図2は、アンテナ装置100の一例を示している。図2に示すンテナ装置100は、車両20の外部の基地局30との通信のため、車両20の外部に設置されるのが好ましい。アンテナ装置100は、例えば、図1及び図2に示すように車両20の天井20aから上方突出状に配置できるが、車両20の側面に設置されてもよい。
ここで、図2におけるXY平面は、水平面であり、Z方向は垂直方向を示す。本実施形態においては、車両20の天井20aは水平とする。また、水平とは、車両20が水平な面の上で直立している状態での水平をいう。したがって、例えば、車両20が水平な面の上で直立しているときに、車両20の天井20aが水平であれば、車両の姿勢にかかわらず、天井20aは、水平な面として扱う。つまり、水平に関して、車両20が傾斜面上にある場合や、カーブ走行などにより車両が傾斜している場合は考えないものとする。
アンテナ装置100は、ベース110を有する。図2に示すベース110は、車両に取り付けられる取付部111を有する。取付部111は、例えば、板状部材であり、例えば、車両20の天井20aに取り付けられる。取付部111は、例えば、ボルト等の締結具、接着剤、又は溶接などによって、車両20に取り付けられる。ベース110は、アンテナ素子120の支持体112を備える。後述するように、本実施形態において、アンテナ素子120は、パッチアンテナ素子である。パッチアンテナ素子は、誘電体基板の表面に形成されるため、誘電体基板は、アンテナ素子の支持体112でもある。誘電体としては、フレキシブルプリント配線基板を用いることができる。なお、図2において、支持体112及びアンテナ素子120は、露出しているが、図示しないレドームによって覆われて、保護されるのが好ましい。
図2において、支持体112は、複数のアンテナ素子120の円周状配置を得るため、筒状に形成されている。支持体112は、円筒状であってもよいし、多角形筒状(n角筒状:nは3以上の整数)であってもよい。多角形は円を近似するため、多角形筒状の支持体112でも、アンテナ素子120の円周状配置は得られる。
なお、アンテナ素子120の円筒状配置は、各アンテナ素子120の一部(好ましくはアンテナ水平方向中心)が、仮想的な円周上に位置していれば足り、アンテナ素子120の全体が仮想的な円周上に位置している必要はない。なお、支持体が円筒状であれば、アンテナ素子120の全体が仮想的な円周上に位置している配置を容易に得ることができる。
図2において支持体112は、正多角筒状であり、より具体的には、正32角筒状(n=32)である。nの値は特に限定されないが、nは、6以上であるのが好ましく、12以上であるのがより好ましく、24以上であるのがさらに好ましい。nが大きいほど、水平面全方向への対応が容易となる。
支持体112は、その下部が取付部111に接続されている。支持体112は、筒軸心200が、垂直方向(Z方向)に向くように、水平な取付部111に対して取り付けられている。したがって、多角筒状支持体112の32個(n個)の側面201は、垂直面となっている。
支持体112の側面201(外表面;アンテナ素子支持面)には、複数のアンテナ素子120が形成されている。アンテナ素子120は、アンテナ装置100の小型化のため、例えば、平面アンテナ素子であるのが有利である。実施形態においては、平面アンテナ素子として、パッチアンテナ素子を採用した。実施形態において、アンテナ素子120は、支持体112の32個(n個)の側面201それぞれ形成されている。したがって、図2Aに示すように、支持体112には、水平面(XY平面)において、32個(n個)のアンテナ素子120が円周状に配置されている。図2Aにおいて、円周方向の32個のアンテナ素子120は、全周(360°)に亘って均等間隔で配置されている。図2Aにおいて、円周方向に隣接する任意の2つのアンテナ素子120,120間の円周方向角θは11.25°である。
支持体112の32個の側面201それぞれには、垂直方向に複数のアンテナ素子120が配置されている。図2Bにおいては、垂直方向に4段のアンテナ素子120が配置されている。各段におけるアンテナ素子120の数・配置は共通しており、円周状等間隔配置である。つまり、支持体112には、合計で128個=(32個×4段)のアンテナ素子120が形成されている。また、各段のアンテナ素子120の円周方向位置も揃っている。なお、各アンテナ素子120は、同じ形状であり、同じアンテナ利得を持つ。
以下では、図2Bの最上段に配置された32個のアンテナ素子120それぞれを「第1アンテナ素子120a」といい、32個の第1アンテナ素子120aの集合を第1アンテナ素子群130aという。第1アンテナ素子120aの直下(上から2段目)に配置された32個のアンテナ素子120それぞれを「第2アンテナ素子120b」といい、32個の第2アンテナ素子120bの集合を第2アンテナ素子群130bという。第2アンテナ素子120bの直下(上から3段目)に配置された32個のアンテナ素子120それぞれを「第3アンテナ素子120c」といい、32個の第3アンテナ素子120bの集合を第3アンテナ素子群130cという。第3アンテナ素子120cの直下(上から3段目)に配置された32個のアンテナ素子120それぞれを「第4アンテナ素子120d」といい、32個の第4アンテナ素子120cの集合を第4アンテナ素子群130dという。なお、第1から第4アンテナ素子を区別しない場合には、単に、アンテナ素子120という。
平面アンテナ素子であるアンテナ素子120は、垂直面である支持体側面201の表面に形成されているため、アンテナ素子120の面方向が垂直方向を向いている。そして、平面アンテナ素子は、その面方向に対して直交する正面方向に指向性を持つ指向性アンテナである。したがって、支持体側面201に配置されたアンテナ素子120は、筒状支持体112の径方向210の外方、すなわち水平方向に向く指向性を有する。
図2Aにおいて、符号220は、1個のアンテナ素子120によって形成されるビーム220の指向性を示している。図2Aに示すように、各アンテナ素子120によって形成されるビーム220は、互いに水平面周方向に重複するように、それらの水平ビーム幅が設定されている。したがって、円周方向の複数のアンテナ素子120を用いることにより、水平面全方向にビームを向けることができる。ここで、「水平面全方向にビームを向けることができる」とは、円周方向における複数のアンテナ素子120のうちのいずれかだけを用いて、水平面全方向に含まれる任意の方向にビームを向けることを含むとともに、円周方向における複数のアンテナ素子120全てを同時に用いて、水平面全方向に無指向のビームを向けることの双方を含む。
第1実施形態では、1つの支持体側面301に形成され垂直方向に並ぶ4つのアンテナ素子120a,120b,120c,120dを一つのアンテナ140として使う例を説明する。4つのアンテナ素子120a,120b,120c,120dを一つのアンテナ140として使う場合、アンテナ装置100は、32個のアンテナ140が円周状に並んだものとなる。なお、32個のアンテナ140が円周状に並んでいる状態は、32個の第1アンテナ素子120aだけが円周状に並んでいる状態に置き換えて考えても良い。
また、第1実施形態では、円周状の32個のアンテナ140をビーフォーミングのためのアレイアンテナとして用いる。ただし、第1実施形態では、32個のアンテナ140は、全てが同時に使用されるのではなく、32個のアンテナのうちの一部のアンテナ140が同時に使用される。一部のアンテナは、1個でも複数個でもよい。以下では、一部のアンテナ140は、3個のアンテナ140とする。同時に使用される3個のアンテナを使用アンテナ(使用アンテナ素子)という。つまり、本実施形態では、アンテナ装置100は、3個のアンテナ140(アンテナ素子)を有するアレーアンテナとして動作する。アレーアンテナを構成する3個のアンテナ(アンテナ素子)は切替可能である。
図3に示すアンテナ装置100は、3個(複数)の使用アンテナ140それぞれの位相・振幅を調整するための3個の調整部301,302,303を備える。各調整部301,302,303は、それぞれ、位相調整のための可変移相器401及び振幅調整のための減衰器402を備える。調整部30の数は、使用アンテナ(使用アンテナ素子)の数に対応していればよい。調整部301,302,303は、合成器410を介して、車載移動局10が有する信号処理部500に接続されている。信号処理部500は、車載移動局10においてモバイル通信のための信号処理を行う。なお、調整部の数は、使用アンテナの数に対応した数であってもよく、その場合、使用アンテナに接続されている調整部だけを使用すればよい。
図3のアンテナ装置100は、3つの調整部301,302,303それぞれを、32個(複数)のアンテナ140のいずれか3つに接続するための選択部350を備える。調整部301,302,303に接続されたアンテナ140が使用アンテナとなる。選択部350は、3個の第1ポート351と、32個の第2ポート352を有する。3個の第1ポート351は、それぞれ、3個の調整部301,302,303のうちの1つに接続されている。32個の第2ポート352は、それぞれ、32個のアンテナ140のうちの1つに接続されている。
選択部350は、各第1ポート351を、複数の第2ポート352のうちのいずれか一つに選択的に接続するためのスイッチ355を備えて構成されている。スイッチ355は、第1ポート351が3つあることに対応して、3つ設けられている。各スイッチは、それぞれ、異なる第2ポート352を選択する。3つのスイッチによって、3つの使用アンテナ140それぞれが、3つの調整部301,302,303のうちの1つに接続される。なお、本実施形態では、選択部350は、円周全体に等間隔に配置された複数のアンテナ140の中から隣接する3つのアンテナ140を選択するが、一つ又は二つ置きに3つのアンテナ140を選択してもよい。どのアンテナ140を使用アンテナとして選択するかは、制御部600によって決定される。制御部600は、選択部350を制御し、使用アンテナとして選択されるアンテナを切り替える切替処理を実行する。実施形態において、制御部600が行う処理によってビーム制御方法が実現される。また、実施形態において、制御部600が行う処理は、コンピュータプログラムをコンピュータに実行させることによって実現されるが、制御部600が行う処理の一部又は全部が、半導体集積回路によって実現されてもよい。
図4は、仮想的な円周700に沿った円周状配置の複数のアンテナ140a,140b,140c,140d,・・・が、制御部600によって制御される選択部350によって切り替えられる様子を示している。図4Aでは、選択部350によって、アンテナ140a、アンテナ140b及びアンテナ140cが選択されている。したがって、これら3つのアンテナ140a,140b,140cのアレイ合成によりビーム251が形成される。図4Bでは、選択部350によって選択されているアンテナは、アンテナ140b、アンテナ140c及びアンテナ140dに切り替わる。これら3つのアンテナ140b,140c,140dのアレイ合成によりビーム252が形成される。ビーム252は、ビーム251よりも、図4Bにおいて時計回りに指向性が変化しており、ビームの向きを変更できている。
図4Aから図4Bの切り替え前後において、選択部350によって選択されている使用アンテナの数は、3つであって、同じである。図4Aから図4Bの切り替え前後において、3つの使用アンテナは、円周方向に均等配置された複数のアンテナ140から選択された3つの隣接するアンテナ140であるため、円周方向間隔も等しい。
したがって、図4Aから図4Bの切り替え前後において、3つの使用アンテナのアレイ合成により得られるビーム251,252は、円周方向位置は異なるものの、その他の点においては同じ特性を持つことができる。一般に移動局におけるアンテナの切り替えは、基地局30との間の伝搬環境を変化させ、基地局30との通信に問題を招き易いため好ましくない。しかし、本実施形態では、使用アンテナを切り替えても、アンテナ利得は変化せず、ビームの方向が変化するだけであるため、使用アンテナを切り替えても問題が少ない。
また、本実施形態では、切替後の使用アンテナ140b,140c,104dは、切替前の使用アンテナ140a,140b,140cのうちの一部のアンテナ140b,104cを含むことができる。このような切替を行うと、図2Aに示される複数のビーム251,252,253,254,255,256のように、円周方向に細かくビームの向きを調整することができる。これにより、水平面のいずれの方向へも強いビームを形成することが可能となる。アンテナ切替によるビーム方向の調整と信号の位相又は振幅の調整とを併用したビームフォーミングをすることで、高い利得を維持しつつ、水平面のいずれの方向へも対応することができ、高速通信が可能となる。
なお、切替前後において、使用アンテナが重複しないように切替を行っても良い。例えば、切替前においては、図2Aにおけるアンテナ140p,140q,140rが使用アンテナとなってビーム257が形成されており、切替後においては、図2Bにおけるアンテナ140s,140t,140uが使用アンテナとなってビーム258が形成されてもよい。
図4に示すような、使用アンテナの切り替えは、例えば、車両20(車載移動局10;アンテナ装置100)の移動に応じて、水平面におけるビームの向きを変えるために行われる。車両20の運行により、車両20の位置・向きが変わり、基地局30との相対的な位置関係が変化する。アンテナ装置100の制御部600は、基地局30と移動局10との相対的位置関係に基づいて、最適なビーム方向を得るための使用アンテナとなるアンテナ140を決定する。
基地局30と移動局10との相対的位置関係は、例えば、基地局30に対する移動局10の相対運行方向として算出される。図3に示すように、制御部600は、切替処理において、通信信号の周波数からドップラー周波数を推定し(ステップS10)、ドップラー周波数から、移動局10の相対運行方向を推定し(ステップS20)、相対運行方向に基づいて、使用アンテナ(切替先アンテナ)を決定することができる(ステップS30)。
例えば、基地局30と移動局10とが図5Aに示す位置関係にあるときに、移動局10では、ビーム261が形成される使用アンテナ140が選択されているものとする。このとき、移動局10の制御部600は、基地局30に対する移動局10の相対運行方向を推定し、現在のビーム261と相対運行方向に基づき、次に向けるべきビーム262,263の方向を決定する。図5Bに示すように、移動局10が、図の右方に運行している場合、ビーム方向は、図における反時計回りに変化させるべきであり、このことから次に向けるべきビーム262が特定される。また、図5Cに示すように、移動局10が、図の左方に運行している場合、ビーム方向は、図における時計回りに変化させるべきであり、このことから次に向けるべきビーム263が特定される。ビームの方向が特定されると、そのビームを形成するためのアンテナ140が使用アンテナとして決定される。
人によって携帯(典型的には手持ち)される移動局の場合、移動局と人との相対位置関係は不規則に変化し、人の将来の移動方向の推定も容易ではない。これに対して、車載移動局10は、車両20に搭載されており、車両20との相対位置関係はほとんど変化せず、車両20自体の位置姿勢も急激に変更しない。したがって、車載移動局10の将来の相対運行方向の推定は比較的容易である。これを利用して、基地局30と移動局10との相対運行方向を推定して、ビーム方向を切り替えることで、常にビームを基地局30に向けることができる。また、ビームを基地局30に向けるために、全てのビーム方向をスイープする必要がない。しかも、本実施形態のアンテナ装置300は水平面の全方向にビームを向けることができるため、車載移動局10がどの方向に運行しても対応することができる。
車載移動局10の将来の相対運行方向の推定は、ドップラー周波数に限らず、GPS信号に基づいて行っても良い。また、車両20の運行ルートが予め決まっている場合、運行ルート情報に基づいて、車載移動局10の将来の相対運行方向の推定を行っても良い。運行ルート情報は、例えば、バス又は電車の路線情報でもよいし、カーナビゲーションシステムによって選択された経路情報でもよい。
図6は、アンテナ装置100の変形例を示している。図2において、支持体112は、正32角筒状であったが、図6では、正6角筒状であり、アンテナ素子120(第1アンテナ素子)は、支持体112の6個の側面それぞれに形成され、円周方向に6個配置されている。これらの6個のアンテナ素子120は、水平面における仮想的な水平面(XY平面)における円周700上に等間隔に配置され、円周状配置となっている。6個のアンテナ素子120それぞれの円周方向間隔は、60°である。図6では、2つのアンテナ素子120のアレイ合成により形成されるビーム251,252,253,254,255,256を示したが、3つのアンテナ素子130のアレイ合成によりビームを形成してもよい。図6のアンテナ装置100においても、アンテナ素子120を垂直方向に多段配置してもよいし、1段配置でもよい。
図7は、アンテナ装置100の他の変形例を示している。図7に示すアンテナ装置100は、図6に示すアンテナ装置と同様に、正6角筒状の支持体112を有する。支持体112の6個の側面それぞれには、水平方向に4個(複数)のアンテナ素子が配置されている。図7では、複数のアンテナ素子120は、1つの水平面において合計24個ある。図7に示すアンテナ素子120は、それぞれ水平面周方向に間隔をおいいて、6角形リング状に配置されている。水平面におけるリング状配置は、多角形リング状配置でもよいし、円リング状配置でもよい。このようなリング状配置でも、水平面全方向への対応が可能である。
図8は、アンテナ装置100の他の変形例を示している。図8において、支持体112は、複数(2個)の分割支持体112a,112bにより構成されている。図8の分割支持体112a,112bは、図2の正32角筒を左右に2つに分割したものであり、それぞれ、18個のアンテナ素子120を有する。図8のアンテナ装置100の分割支持体112a,112bを結合すると、図2のアンテナ装置100と等価である。支持体112が複数に分割されていると、車両20への適切な分割配置が可能となる。例えば、一方の分割支持体112aを、車両20の前部に配置し、他方の分割支持体112bを車両20の後部に配置することができる。また、分割数は、2分割に限られず、例えば、4分割であってもよい。4分割により、分割支持体を車両の四隅に配置することができる。
図8のように、支持体112が、複数の分割支持体112により構成されている場合、アンテナ素子120の円周状等間隔配置は、複数の分割支持体112を結合したときに得られていれば足りる。
図9〜図11は、アンテナ装置100の他の変形例を示している。図9に示すアンテナ装置100は、図2Bに示すアンテナ装置100のキャリブレーション用アンテナ素子150を追加したものである。アンテナ素子150は、アンテナ素子120のアンテナキャリブレーションに用いられる。アンテナ素子150も、アンテナ素子120と同様に、円周方向に32個配置されている。複数のアンテナ素子150の配置は、各段の複数のアンテナ素子120の配置と共通しており、円周上等間隔配置である。また、各段のアンテナ素子120及びアンテナ素子150の円周方向位置も揃っている。つまり、支持体112の32個の側面201それぞれには、垂直方向に5個のアンテナ素子120,150が配置されている。
図9において、アンテナ素子150は、アンテナ素子120よりも下方、つまり、最下段に配置されているが、アンテナ素子120よりも上方、つまり、最上段に配置されていてもよい。なお、32個のアンテナ素子150の集合を、キャリブレーション用アンテナ素子群130eという。図9のアンテナ装置100において説明を省略した点は、図2Bのアンテナ装置100と同様である。
実施形態において、アンテナキャリブレーションは、通信に用いられるアンテナ素子120間の位相のキャリブレーションである。位相のキャリブレーションにより、指定された方向にビームを正確に向けることができる。実施形態において、位相キャリブレーションは、キャリブレーションの対象となるアンテナ素子から出力された信号を、キャリブレーション用アンテナ素子150にて受信し、受信した信号をキャリブレーション基準信号と比較し、比較結果に基づいて、キャリブレーションの対象となるアンテナ素子に接続された位相器の位相を校正することで行われる。
図10及び図11は、キャリブレーションのより具体的な方法の一例を示している。なお、ここでは、垂直方向に並ぶ4つのアンテナ素子120a,120b,120c,120dを一つのアンテナ140として扱い、アンテナ140単位でキャリブレーションが行われる。各アンテナ140には、位相器401等を含む調整部301,302,・・,332が設けられている。すなわち、アンテナ140は、円周方向に32個配置され、調整部301,302,・・,332もアンテナ140に対応して32個設けられている。すなわち、図10及び図11では、32本の送受信パスが存在する。
図10は、32本の送信パスのキャリブレーションの仕方を示している。キャリブレーションのための32個のアンテナ140からの送信は、時分割で順番に行われる。つまり、あるアンテナ140から送信の送信中は、他のアンテナ140からの送信は行われない。あるアンテナ140から送信された信号の受信のためのアンテナ素子150として、そのアンテナ140と円周方向位置が一致するアンテナ素子150が選択される。
受信のために選択されたアンテナ素子150によって受信された信号は、信号処理部500に与えられる。信号処理部500は、受信信号とキャリブレーション基準信号とを比較し、位相器の構成パラメータを計算する。計算された構成パラメータは、信号を送信したアンテナ140の送信パスに含まれる位相器に与えられ、その送信パスの位相キャリブレーションが行われる。あるアンテナ140の送信パスのキャリブレーションが完了すると、他のアンテナ140の送信パスのキャリブレーションが順次行われ、これにより、32個全てのアンテナ140の送信パスのキャリブレーションが行われる。
図11は、32本の受信パスのキャリブレーションの仕方を示している。キャリブレーションのための32個のアンテナ140による受信も、時分割で順番に行われる。キャリブレーション信号の送信は、キャリブレーション用アンテナ素子150によって行われる。あるアンテナ140によって受信される信号を送信するアンテナ素子150として、そのアンテナ140と円周方向位置が一致するアンテナ素子150が選択される。つまり、受信アンテナ140と円周方向において同じ位置にあるアンテナ素子150が送信アンテナとして選択される。
あるアンテナ素子150から送信されたキャリブレーション信号は、そのアンテナ素子150と円周方向において同じ位置にあるアンテナ140によって受信される。アンテナ140によって受信された信号は、信号処理部500に与えられる。信号処理部500は、受信信号とキャリブレーション基準信号とを比較し、位相器の構成パラメータを計算する。計算された構成パラメータは、信号を受信したアンテナ140の受信パスに含まれる位相器に与えられ、その受信パスの位相キャリブレーションが行われる。あるアンテナ140の受信パスのキャリブレーションが完了すると、他のアンテナ140の受信パスのキャリブレーションが順次行われ、これにより、32個全てのアンテナ140の受信パスのキャリブレーションが行われる。
なお、キャリブレーションにおいては、位相キャリブレーションだけでなく、振幅キャリブレーションも行っても良い。
[2.2 第2実施形態]
図12は、第2実施形態に係るアンテナ装置100を示している。このアンテナ装置100も、第1実施形態のアンテナ装置100と同様に車載移動局10に設けられる。第2実施形態に関し、以下において特に説明しない点については、第1実施形態と同様である。
第2実施形態のアンテナ装置100は、水平方向は全方向に対応した無指向性アンテナとして機能し、ビームフォーミングにより垂直方向に指向性を絞って利得を向上させて、高速通信を可能とする。
図12B,図12Cに示すように、第2実施形態において、アンテナ素子120を支持する支持体112は、錐体状である。錐体は、角錐体(n角錐体)でもよいし、円錐体でもよい。錐体状には、完全な錐体だけでなく、錐台を含むものとする。錐台は、角錐台でもよいし、円錐台でもよい。
図12B,図12Cに示す支持体112は、8角錐体状(n=8)であり、8個の傾斜面201を有する。支持体112の傾斜面201には、複数のアンテナ素子120が配置されている。アンテナ素子120は、8個(n個)の傾斜面201それぞれに形成されている。各傾斜面201には、傾斜面に沿った径方向に4個(複数)のアンテナ素子120が1列に配置されている。
図12B,図12Cにおいては、垂直方向における同じ高さに8個のアンテナ素子120が配置され、同じ高さの8個のアンテナ素子120に着目すると、その8個のアンテナ素子120は、水平面において円周状に等間隔で配置されている。垂直方向の各段のアンテナ素子120の円周方向位置は揃っている。図12Bにおいて、円周方向に隣接する任意の2つのアンテナ素子120,120の間の円周方向角θは45°である。なお、同じ高さの8個のアンテナ素子120は、水平面において8角形リング状に配置されているということもできる。
第1実施形態と同様に、図12においても、最上段に設置された8個のアンテナ素子120それぞれを「第1アンテナ素子120a」といい、8個の第1アンテナ素子120aの集合を第1アンテナ素子群130aという。第1アンテナ素子120aの直下(上から2段目)に配置された8個のアンテナ素子120それぞれを「第2アンテナ素子120b」といい、8個の第2アンテナ素子120bの集合を第2アンテナ素子群130bという。第2アンテナ素子120bの直下(上から3段目)に配置された8個のアンテナ素子120それぞれを「第3アンテナ素子120c」といい、8個の第3アンテナ素子120bの集合を第3アンテナ素子群130cという。第3アンテナ素子120cの直下(上から3段目)に配置された8個のアンテナ素子120それぞれを「第4アンテナ素子120d」といい、8個の第4アンテナ素子120cの集合を第4アンテナ素子群130dという。
図12B,図12Cに示すように、各段のアンテナ素子120a,120b,120c,120dは、それぞれ、水平面において、円周状等間隔配置である。また、第2アンテナ素子120bは、第1アンテナ素子120aよりも径方向外方に配置され、第1アンテナ素子120aが描く円周よりも大きな円周を描くように配置されている。また、同様に、第3アンテナ素子120bは第2アンテナ素子120bよりも、第4アンテナ素子120bは第3アンテナ素子120cよりも径方向外方に配置されている。
平面アンテナであるアンテナ素子120は、傾斜面201の表面に形成されているため、アンテナ素子120の面方向が、傾斜している。したがって、各アンテナ素子120は、水平面においては径方向外方であって、垂直面においては、斜め上方に向く指向性を持つ。
図12Aに示すように、円周状に配置された同じ高さのアンテナ素子120a,120b,120c,120dは、同相合成される。したがって、第1アンテナ素子群130a、第2アンテナ素子群130b、第3アンテナ素子群130c及び第4アンテナ素子群140dは、それぞれ、水平面において無指向性となるビームを形成する。水平面において無指向性であることで、基地局30が移動局10からみてどの方向にあっても、基地局30との安定した通信が可能となる。
また、図12Aに示すように、第2実施形態のアンテナ装置100では、第1アンテナ素子群130a、第2アンテナ素子群130b、第3アンテナ素子群130c及び第4アンテナ素子群130dを4つのアンテナとして、4つのアンテナによるアレイアンテナとして機能する。4つのアンテナ130a,130b,130c,130dは、垂直方向に位置が異なるため、ビームフォーミングにより、垂直面における指向性を変えることができる。車載移動局10と基地局30との垂直方向の相対的位置に応じて、垂直面における指向性変えることで、基地局30の向きにおいて大きな利得を得ることができ、安定した高速通信が可能となる。
また、第2実施形態では、アンテナ素子120が傾斜面201に配置されているため、大きな利得を得やすいアンテナ正面方向が斜め上方を向いている。基地局30は、一般に、高所に配置されているため、アンテナ正面方向が垂直方向であったり、水平方向であったりする場合に比べて、アンテナ正面方向が斜め上方であると、基地局30との通信において高い利得を得やすい。
しかも、傾斜面201に沿って並んだ4つのアンテナ130a,130b,130c,130dは、アレイ合成され、各アンテナの位相が、可変位相器405によって調整されることで、チルト角制御が行える。チルト角制御により、基地局30の向きに適切にビームを向けることができる。第2実施形態では、第1実施形態のように、水平面における指向性制御は行わないが、垂直面における指向性制御を行うことで、アンテナ利得を得ることができる。
[3.他の観点からの発明の開示]
[3.1 構成]
[3.1.1 第1項]
アンテナ装置であって、
ベースと、
前記ベースに支持され、水平面においてリング状に配置された複数の第1アンテナ素子と、
前記ベースに支持され、水平面においてリング状に配置された複数の第2アンテナ素子と、
を備え、
複数の前記第2アンテナ素子は、複数の前記第1アンテナ素子よりも下方に配置され、複数の前記第1アンテナ素子よりも前記リングの径方向外方に配置され、
複数の前記第1アンテナ素子及び複数の前記第2アンテナ素子は、それぞれ、前記リングの径方向外方かつ斜め上方に向く指向性を有する
アンテナ装置。
[3.1.2 第2項]
複数の前記第1アンテナ素子及び複数の第2アンテナ素子は、水平面において無指向性となるビームを形成する
第1項に記載の車載移動局用アンテナ装置。
[3.1.3 第3項]
複数の前記第1アンテナ素子と複数の前記第2アンテナ素子とのアレイ合成によりビームのチルト角制御が行われる請求項10〜12のいずれか1項に記載の車載移動局用アンテナ装置。
[3.1.4 第4項]
前記アンテナ装置は、車載移動局用である
第1項〜第3項のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
[3.1.5 第5項]
第1項〜第3項いずれか1項に記載のアンテナ装置を備えた移動局。
[3.2 説明]
[3.2.1 第1項]
前述の第1項に係るアンテナ装置は、ベースと、前記ベースに支持され、水平面においてリング状に配置された複数の第1アンテナ素子と、前記ベースに支持され、水平面においてリング状に配置された複数の第2アンテナ素子と、を備える。ここで、水平面は、アンテナ装置において物理的に存在している必要はなく、仮想的に観念される水平面であれば足りる。また、リング状とは、アンテナ素子そのものの形状がリング状であるのではなく、複数のアンテナ素子の配置の全体的な形態がリング状であることをいう。リングは、真円であってもよいし、楕円であってもよいし、多角形であってもよい。リング状配置の複数のアンテナ素子は、互いに接触している必要はなく、各アンテナ素子間には間隔が存在する。第1項に係るアンテナ装置によれば、水平方向全方向に対応できるとともに、斜め上方の指向性を持つことができる。
[3.2.2 第2項]
第2項のアンテナ装置によれば、水平面において無指向性となるビームを形成することができる。
[3.2.3 第3項]
第3項のアンテナ装置によれば、複数の前記第1アンテナ素子と複数の前記第2アンテナ素子とのアレイ合成によりビームのチルト角制御を行える。
[3.2.4 第4項]
前記アンテナ装置は、車載移動局用に好適である。
[3.2.5 第5項]
移動局は、第1項〜第3項いずれか1項に記載のアンテナ装置を備えることができる。
[4.付記]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 車載移動局
20 車両
20a 天井
30 モバイル通信基地局
40 無線LAN無線部
50 端末
100 アンテナ装置
110 ベース
111 取付部
112 支持体
120 アンテナ素子
120a 第1アンテナ素子
120b 第2アンテナ素子
120c 第3アンテナ素子
120d 第4アンテナ素子
130a 第1アンテナ素子群
130b 第2アンテナ素子群
130c 第3アンテナ素子群
130d 第4アンテナ素子群
140 アンテナ
150 キャリブレーション用アンテナ素子
200 軸心
201 側面
210 径方向
220 ビーム
251 ビーム
252 ビーム
253 ビーム
254 ビーム
255 ビーム
256 ビーム
257 ビーム
258 ビーム
261 ビーム
362 ビーム
263 ビーム
301 調整部
302 調整部
303 調整部
332 調整部
333 調整部
350 選択部
351 第1ポート
352 第2ポート
355 スイッチ
401 位相器
402 減衰器
405 可変位相器
410 合成器
500 信号処理部
600 制御部
700 円周

Claims (13)

  1. モバイル通信基地局と通信する車載移動局用のアンテナ装置であって、
    車両に取り付けられるベースと、
    前記ベースに支持された複数の第1アンテナ素子と、
    各第1アンテナ素子のアンテナキャリブレーションのための複数のキャリブレーション用アンテナ素子と、
    を備え、
    複数の前記第1アンテナ素子は、水平面において円周状に等間隔に配置され、それぞれ前記円周の径方向外方に向く指向性を有し、
    複数の前記キャリブレーション用アンテナ素子は、前記水平面において円周状に等間隔に配置され、
    各前記キャリブレーション用アンテナ素子の円周方向の位置は、複数の前記第1アンテナ素子のうちのいずれか1つの第1アンテナ素子の円周方向の位置と一致する
    車載移動局用アンテナ装置。
  2. 複数の前記第1アンテナ素子は、水平面全方向にビームを向けることができるように配置されている
    請求項1に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  3. 複数の前記第1アンテナ素子のうちの一部を、前記モバイル通信基地局との通信に用いられる1又は複数の使用アンテナ素子として選択する選択部を更に備える
    請求項2に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  4. 前記車載移動局用アンテナ装置の移動に応じて水平面におけるビームの向きを変えるために、前記使用アンテナ素子として選択される第1アンテナ素子を切り替える切替処理を実行する制御部を更に備える
    請求項3に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  5. 切り替え後の複数の使用アンテナ素子の数及び円周方向間隔は、切り替え前の複数の使用アンテナ素子の数及び円周方向間隔と同じである
    請求項4に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  6. 切り替え後の複数の使用アンテナ素子の少なくともいずれか一つは、切り替え前の複数の使用アンテナ素子に含まれる
    請求項4又は5に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  7. 前記切替処理は、前記車載移動局用アンテナ装置と前記モバイル通信基地局との相対運行方向を算出し、前記相対運行方向に基づいて、前記使用アンテナ素子として選択される第1アンテナ素子を切り替えることを含む
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  8. 複数の前記第1アンテナ素子の数と同数の複数の第2アンテナ素子を更に備え、
    複数の前記第2アンテナ素子は、複数の前記第1アンテナ素子とは垂直方向に異なる位置に配置され、水平面において円周状に等間隔に配置され、それぞれの円周方向位置が、いずれか一つの前記第1アンテナ素子の円周方向位置と一致し、それぞれ前記円周の径方向外方に向く指向性を有する
    請求項1〜のいずれか1項に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  9. 複数の前記第2アンテナ素子は、複数の前記第1アンテナ素子よりも下方に配置され、複数の前記第1アンテナ素子よりも前記円周の径方向外方に配置されている
    請求項に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  10. 複数の前記第1アンテナ素子及び複数の前記第2アンテナ素子は、それぞれ、前記円周の径方向外方かつ斜め上方に向く指向性を有する
    請求項に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  11. 複数の前記第1アンテナ素子及び複数の第2アンテナ素子は、水平面において無指向性となるビームを形成する
    請求項9又は10に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  12. 複数の前記第1アンテナ素子と複数の前記第2アンテナ素子とのアレイ合成によりビームのチルト角制御が行われる請求項11のいずれか1項に記載の車載移動局用アンテナ装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の車載移動局用アンテナ装置を備えた車載移動局。
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