JP3629195B2 - 到来方向推定装置及び到来方向推定方法 - Google Patents

到来方向推定装置及び到来方向推定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーダや移動体通信用の基地局などに適用できる到来波の到来方向推定装置及び到来方向推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーダや移動体通信の基地局などにおいては、到来してくる電波の方向を精度良く推定でき、かつ、低コストで実現可能な、到来方向推定装置が望まれている。
【0003】
高精度に到来方向を推定する方法として、アレイアンテナの各素子の受信信号を基にするMUSIC(Multiple Signal Classification)(R. O. Schmit、“Multiple Emitter Location and Signal Parameter Estimation”、 IEEE Trans. Antennas and Propagation, vol.AP−34, no.3, pp.276−280, March, 1986.)やESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)(R. Roy and T.Kailath,“ESPRIT−Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques”、 IEEE Trans. on Acoustics, Speech, and Signal Processing,vol.37, pp.984−995, July 1986.)が存在する。
【0004】
図6に、従来の到来方向推定装置の例を示す。この従来の到来方向推定装置は、MUSICを用いたもので、複数のアンテナ101と、複数のアンテナ101にそれぞれ接続された複数の受信機102と、複数の受信機102に接続された到来方向推定部103とから構成される。到来方向推定部103は、すべてのアンテナからの受信信号を用いてMUSICによって到来方向推定を行う。
【0005】
しかしながら、従来の到来方向推定装置では、全ての素子の受信信号を到来方向推定アルゴリズムとして使用するために、アンテナ素子数と同じ数の受信機が必要になる。このために、特にアンテナ素子数が多いときなどに、受信機の数も膨大となり、コストが非常にかかってしまう問題がある。
【0006】
一方、受信機のコスト削減のために、アンテナ素子数を減少させた場合には、到来方向推定精度が劣化してしまう問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、従来の到来方向推定装置においては、高精度な到来方向推定と、低コスト化の両立ができない問題点があった。
【0008】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、高精度な到来方向推定精度を維持したままに、受信機の数を減らすことができる低コストな到来方向推定装置及び到来方向推定方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る到来方向推定装置は、複数の指向性アンテナ素子と、前記指向性アンテナ素子の数より少ない数の複数の受信機と、前記複数の指向性アンテナのうちから選択された、前記受信機の数と同数またはそれより少ない数の複数の指向性アンテナが、前記受信機に接続されるように切り替えを行う切り替え手段と、予め選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第1の選択手段と、この第1の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第1の到来方向推定手段と、前記第1の到来方向推定手段による推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択し、該選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第2の選択手段と、この第2の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第2の到来方向推定手段とを備え、前記第2の選択手段は、前記第1の到来方向推定手段により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第2の到来方向推定手段による前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第1の到来波の到来方向に対する利得から、第2から第kの到来波の到来方向に対する利得のうちの最大値を減じて得た差に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする。
また、本発明に係る到来方向推定装置は、複数の指向性アンテナ素子と、前記指向性アンテナ素子の数より少ない数の複数の受信機と、前記複数の指向性アンテナのうちから選択された、前記受信機の数と同数またはそれより少ない数の複数の指向性アンテナが、前記受信機に接続されるように切り替えを行う切り替え手段と、予め選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第1の選択手段と、この第1の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第1の到来方向推定手段と、前記第1の到来方向推定手段による推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択し、該選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第2の選択手段と、この第2の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第2の到来方向推定手段とを備え、前記第2の選択手段は、前記第1の到来方向推定手段により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第2の到来方向推定手段による前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第i(i=2、…、k)の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差βiから、第1の到来波の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差αを減じて得た値βi−αのうちの最小値に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る到来方向推定方法は、複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続する第1のステップと、このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第2のステップと、この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択する第3のステップと、前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続する第4のステップと、このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第5のステップとを有し、前記第3のステップにおいては、前記第2のステップにおいて第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第5のステップにおいて前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第1の到来波の到来方向に対する利得から、第2から第kの到来波の到来方向に対する利得のうちの最大値を減じて得た差に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする。
また、本発明に係る到来方向推定方法は、複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続する第1のステップと、このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第2のステップと、この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択する第3のステップと、前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続する第4のステップと、このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第5のステップとを有し、前記第3のステップにおいては、前記第2のステップにおいて第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第5のステップにおいて前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第i(i=2、…、k)の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差βiから、第1の到来波の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差αを減じて得た値βi−αのうちの最小値に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする。
【0011】
なお、装置に係る本発明は方法に係る発明としても成立し、方法に係る本発明は装置に係る発明としても成立する。
また、装置または方法に係る本発明は、コンピュータに当該発明に相当する手順を実行させるための(あるいはコンピュータを当該発明に相当する手段として機能させるための、あるいはコンピュータに当該発明に相当する機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても成立する。
【0012】
本発明によれば、所定形状(例えば円形)に配列された指向性アンテナを用いて到来方向推定を行う場合に、アンテナ素子数よりも受信機の数が少なくても、選択された複数の指向性アンテナを用いて粗く第1の到来方向推定を行い、次に、第1の到来方向推定結果の方向に対して所定の選択基準で選択した複数の指向性アンテナを用いて詳細に第2の到来方向推定を行うことで、高精度に到来方向を推定することができる。
また、第1の到来方向推定結果が2波以上の場合には、例えば、推定された到来方向における利得を比較することにより使用するアンテナを選択することで、複数の到来波があっても、一つの波の到来角度を推定するようになり、推定精度が向上する。また、例えば、推定された到来方向と指向性アンテナの最大利得方向の角度差を比較することにより使用するアンテナを選択することで、複数の到来波があっても、一つの波の到来角度を推定するようになり、推定精度が向上する。
また、例えば、第1の到来方向推定では、最大受信電力の指向性アンテナの最大利得方向を電波の到来方向とすることで、簡単なアルゴリズムで方向推定ができるとともに、装置の低コスト化が可能になる。
また、例えば、2本のスリーブモノポールアンテナの位相差給電によって、指向性アンテナを実現することで、所望の指向性を簡単に実現することができる。
以上のように、本発明によれば、高精度な到来角度推定を実現しながら、装置の低コスト化が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0014】
図1に、本発明の一実施形態に係る到来方向推定装置の構成例を示す。
【0015】
図1に示されるように、この到来方向推定装置は、所定の形状に配列された所定数n(nは2≦nの整数)の指向性アンテナ1と、アンテナ素子数nよりも少ない所定数m(mは2≦m<nの整数)の受信機2と、複数のアンテナ1と複数の受信機2との接続を切り替えるスイッチ4と、(m個またはそれより少ない)複数の指向性アンテナ1を選択し、それらを受信機2へ接続するようにスイッチ4に指示を出すとともに、それら複数の指向性アンテナ1が接続された(m個の全部または一部の)受信機2の出力をもとに電波の到来方向推定を行う到来方向推定部3と、到来方向推定部3からの指示に従って、スイッチ4の切り替え制御を行う制御回路5とを備えている。なお、図1は必ずしもアンテナの物理的な配置を示すものではない。
【0016】
上記の複数の指向性アンテナ1について、所定の形状の配列には、種々のバリエーションが考えられるが、例えば、同じ特性を持つ複数の指向性アンテナが一つの円の円周上に配列され、かつ、ある指向性アンテナの位置と円の中心の位置とその指向性アンテナに隣接する指向性アンテナの位置とから形成される角度を全て等しくするような配列が考えられる(図3参照)。もちろん、アンテナの特性が一様でない形態も、円以外の形状で外周上に配列される形態も、等角度あるいは等間隔でなく不規則的に配列される形態など、その他の形態も可能である。
【0017】
図2に、到来方向推定装置の概略的な動作手順の一例を示す。
【0018】
到来方向推定装置は、概略的には、
(1)到来方向推定部3は、予め選択されたn個(またはそれより少ない所定数(ただし、複数))の指向性アンテナ1が受信機2に接続されるように、制御回路5に指示を出してスイッチ4を切り替え(ステップS1)、それら指向性アンテナ1から得られる受信出力をもとに、第1の到来方向推定を行い(ステップS2)、
(2)到来方向推定部3は、第1の到来方向推定の結果得られた(推定)到来方向に対して、所定の選択基準に従って指向性アンテナ1をn個(またはそれより少ない所定数(ただし、複数))選択し(ステップS3)、それら選択された指向性アンテナ1が受信機2に接続されるように、制御回路5に指示を出してスイッチ4を切り替え(ステップS4)、それら選択された指向性アンテナ1から得られる受信出力をもとに、第2の到来方向推定を行う(ステップS5)。
なお、第1の到来方向推定において推定結果として2以上の到来波(到来方向)を出力する機能を持ち、かつ第1の到来方向推定によって2以上の到来波(到来方向)が出力されたときに第2の到来方向推定においてその全部または一部の複数の到来波(到来方向)のそれぞれについて到来方向を推定可能とする場合には、上記の(2)において、それら複数の到来波(到来方向)についてそれぞれ第2の到来方向推定を行う。この場合、ステップS3において、各到来波(到来方向)についてアンテナの選択を行ってしまい、ステップS3,4を繰り返し行う方法や、ステップS3〜S5を繰り返し行う方法が考えられる。
また、第1の到来方向推定において推定結果として1つの到来波(到来方向)のみを出力する場合だけでなく、第1の到来方向推定において推定結果として2以上の到来波(到来方向)を出力する機能を持ち、かつ第2の到来方向推定においては所定の条件を満たす(例えば、受信出力の最も大きい、あるいは予め定められた方位に最も近いなど)1つの到来波(到来方向)についてのみ到来方向を推定するような場合にも、上記の(2)においては、その1つの到来波(到来方向)についてのみ第2の到来方向推定が行われる。
【0019】
次に、第1の到来方向推定の概要について説明する。
【0020】
第1の到来方向推定には、種々のバリエーションが考えられるが、最も簡易で効果的な方法は、第1の到来方向推定での到来方向を、第1の到来方向推定に用いた複数のアンテナのうちの受信電力の最も大きなアンテナの最大利得方向とする方法である。
【0021】
すなわち、本実施形態によれば、第1の到来方向推定は、粗い到来方向推定で構わない。そこで、受信電力の最も大きなアンテナを選択する。ここで、各素子は、指向性アンテナであり、(ある基準点からみた)各素子の最大利得方向は、異なっていると考える。そうすると、最大受信電力となっているアンテナの最大利得方向が到来方向を指し示すこととなる。最大受信電力のアンテナ素子の最大利得方向は、真の到来方向とは異なるが、第1の推定は、粗い推定で構わないので、問題はない。
【0022】
この場合、第1の到来方向推定は、受信電力のみを比較するだけでよいので、アルゴリズムは簡単であり、アルゴリズムのための計算装置が簡単となり、より一層の低コスト化に寄与することができるようになる。また、アルゴリズムに要する演算時間が短縮できる効果も同時に持っている。
【0023】
このように、アンテナ素子の受信電力を比較するだけで、到来方向を粗く推定できる第1の到来方向推定方法を提供でき、装置の低コスト化に貢献することができる。
【0024】
なお、第1の到来方向推定に用いた各アンテナ素子からの受信電力および最大利得方向をもとに例えば線形補間など簡易な補間アルゴリズムで、第1の到来方向推定を補間して求めるようにしてもよい。
【0025】
あるいは、第1の到来方向推定で、アンテナ切り替えおよび受信を複数回行って、第1の到来方向推定に用いるアンテナ数を倍増させて、方位分解能をある程度向上させる方法もある。
【0026】
さらに、第1の到来方向推定と第2の到来方向推定でアンテナの特性は同じで構わないが、それらを異ならせる方法(例えば、第1の到来方向推定では、第2の到来方向推定よりも、アンテナ放射パターンの半値角を広くとる方法)も可能である。
【0027】
なお、第1の到来方向推定にてどのアンテナ素子を用いるかについては、予め定められているものとする。ただし、その代わりに、第1の到来方向推定にて用いる複数のアンテナ素子の組を、複数パターン用意しておき、それらのうちから、適宜、使用する複数のアンテナ素子の組のパターンを選択するように構成することも可能である。
【0028】
次に、第2の到来方向推定の概要について説明する。
【0029】
第2の到来方向推定においてアンテナ素子を選択するための所定の選択基準には、種々のバリエーションが考えられるが、例えば、第1の到来方向推定にて推定された到来方向およびアンテナ素子の利得・方向特性に基づいて選択する方法(例えば、第1の到来方向推定の結果得られた到来方向に対する利得の高い順にn個選択する方法、この方法において利得が一定値以上であることを条件にn個を上限として選択する方法)、第1の到来方向推定にて推定された到来方向およびアンテナの最大利得方向(アンテナの配列の順番)に基づいて選択する方法(例えば、第1の到来方向推定の結果得られた到来方向とアンテナの最大利得方向との角度差の小さい順にn個選択する方法、この角度差が一定値以下であることを条件にn個を上限として角度差の小さい順に選択する方法)などがある。
【0030】
また、第1の到来方向推定の結果得られた到来波(到来方向)が複数ある場合には、ある到来方向の到来波について、その他の到来方向の到来波から受ける影響を考慮して、アンテナを選択する方法を採用すると好ましい。
【0031】
また、第1の到来方向推定において推定結果として2以上の到来波(到来方向)を出力することがある場合には、第1の到来方向推定の結果得られた到来波(到来方向)の個数に応じてアンテナ選択方法を変えるようにしてもよい。
【0032】
以下、本実施形態についてより詳細に説明する。
【0033】
(第1の具体例)
はじめに、アンテナ1について説明する。アンテナ1は、指向性アンテナで構成されているものとする。指向性アンテナは、ホーンアンテナでもよいし、パッチアンテナでもよいし、八木・宇田アンテナでもよいし、どのようなアンテナであっても、所望の周波数において動作するように設計されていればよい。
【0034】
次に、第1の到来方向推定と、第2の到来方向推定について説明する。
【0035】
ここでは、以下の説明のために、図3に示すような、アンテナ素子数は8素子、アンテナ放射パターンは半値角が90度、最大利得方向は円形配列の中心からみて180度反対方向(すなわち円の外側に放射する方向)、受信機の数は4個の場合を例にとって説明する。
【0036】
第1の到来方向推定は、粗い到来方向を行うものである。第1の到来方向推定においては、方位角360度のすべての方向で、ある程度の利得を有するような組み合わせの指向性アンテナを選択すればよい。ここでは、ビーム半値角が90度の指向性アンテナであるので、1つおきに選択した4素子を組み合わせることで360度の角度において3dBのレベル変動の指向性を得ることができる。
【0037】
この状態において、到来方向推定を行う。到来方向推定アルゴリズムは、いかなるアルゴリズムに基づいていても構わない。つまり、方向が推定できれば、どのような手法であってもよい。しかしながら、第1の到来方向推定では、少ないアンテナ素子数で、360度すべての方向を評価することとなるので、推定精度は劣化し、粗い到来方向推定となっている。
【0038】
そこで、第2の到来方向推定は、高精度な到来方向推定を行う。ここでは、一例として、第2の到来方向推定においては、第1の到来方向推定の結果得られた到来方向に対して利得の高い順に指向性アンテナを選択(し、スイッチによって受信機に接続)するものとする。この結果、第1の到来方向推定の結果得られた到来方向に対して利得の高いアンテナのみで電波を受信することとなる。つまり、等価的にS/Nが向上したこととなり、到来方向推定精度が向上することとなる。
【0039】
このようにアンテナを選択することによって、到来方向の存在し得る範囲内のみで到来方向推定を行うものである。つまり、図3の例を参照すれば、連続した4素子を選択することによって、225度の角度において3dBのレベル変動の指向性を得ることができる。つまり、4素子によって225度の範囲の到来方向推定を行う。
【0040】
このような第2の到来方向推定では、アンテナ素子数は少ないものの、到来方向推定範囲が限定されているので、高い精度で方向推定をすることができるようになる。なお、到来方向推定アルゴリズムは、どのようなものであってもかまわない。
【0041】
以上説明したように、本実施形態においては、受信機の数が少なくても、スイッチによって使用するアンテナを変更することによって、高精度な到来方向推定ができるようになる。
【0042】
以上の説明では、各素子はすべて同じ指向性であったが、もちろん異なっていてもよい。また、素子の配列も不規則間隔で配列されていてもよい。
【0043】
また、アンテナ素子単体は無指向性であるが、隣接するアンテナ素子やその他の構造物の影響によりアンテナ素子が指向性を持つ場合にも有効である。
【0044】
また、以上の説明では、第2の到来方向推定では、すべての受信機を使用していたが、第1の到来方向推定の結果得られた到来方向の絶対利得が十分大きい指向性アンテナの素子数が受信機の数よりも少ないときには、絶対利得が大きい指向性アンテナのみを使用するようにスイッチが制御してもよい。すなわち、受信電力の小さい指向性アンテナからの受信信号はノイズや測定誤差の影響を受けて誤差が大きいと考えられるので、この誤差の大きい信号を使用しないことで、精度の良い到来方向推定ができるようになる。
【0045】
(第2の具体例)
第2の具体例の第1の具体例と相違する点は、第2の到来方向推定についてである。以下では、第1の具体例と相違する点を中心に説明する。
【0046】
ここでは、第1の到来方向推定の結果得られた到来波の数がk個(kは2以上)であった場合に(第1〜第kの到来波の(推定)到来方向を第1〜第kの到来方向とする)、第1の到来方向については、「第1の到来方向に対する利得と、その他の第2〜第kの到来方向に対する利得のうちの最大値との差」が大きい順に、複数の指向性アンテナを選択(し、それらをスイッチによって受信機に接続)して、第2の到来方向推定を行う。
【0047】
なお、第2以降の到来方向について第2の到来方向推定を行う場合も同様である。すなわち、第2の到来方向についても同様に、第2の到来方向に対する利得と、その他の第1,3〜第kの到来方向に対する利得のうちの最大値との差」が大きい順に、指向性アンテナを選択する。第3〜第kの到来方向についても同様である。
【0048】
このように第2の到来方向推定において使用するアンテナを選択することによって、推定する波の数を一つとすることができる。従来は推定する波の数が増えるほど推定精度が劣化するものとなったが、本実施形態によれば、推定する波を常に一つとして、高精度に到来方向を推定できるようになる。
【0049】
以下、詳細に説明する。
ここでは図1〜図3に示したような到来方向推定装置を考える。そして、第1の到来方向推定の結果、2波の到来波の到来方向が推定され、それらは112.5度と0度であったとする(112.5度を第1の到来方向、0度を第2の到来方向とする)。
【0050】
このときに、第1の到来波の到来方向を高精度に推定するために用いるアンテナの選択について説明する。
【0051】
なお、ここでは、各素子の利得は、アンテナの正面方向から角度が大きくなるに従って減少するものと仮定して説明する。この場合には、利得差を角度差として扱うことができる。
【0052】
図4に、第1の到来方向と各アンテナの正面方向との角度差α、および第2の到来方向と各アンテナの正面方向との角度差β、さらにβ−αを示す。β−αが大きいほど、第1の到来方向の利得と第2の到来方向の利得との差が大きいこととなる。また、β−αが負の場合には、第2の到来方向が第1の到来方向よりも利得が高いこととなる。
【0053】
図4より、β−αの大きな順に、アンテナ▲4▼、▲5▼、▲3▼、▲6▼が選択されることとなる。残りのアンテナ▲1▼、▲2▼、▲7▼、▲8▼は、β−αが負であるので、第2の到来方向の利得が高いので、選択されないこととなっている。
【0054】
ここで注意する点は、アンテナ▲2▼と▲6▼では、第1の到来方向に対してはアンテナ▲2▼の方が利得が高い。しかしながら、本実施形態によれば、アンテナ▲6▼を選択することによって、第2の到来波の影響を受けないようにして、高精度の到来方向推定ができるようになっている。
【0055】
なお、到来方向推定アルゴリズムはどのようなものであってもかまわない。特に、複数の到来波の間に相関がある場合に、推定精度が劣化してしまうアルゴリズム(例えば、MUSIC、ESPRITなど)に対しては、特に効果があり、高精度の推定ができるようになっている。
【0056】
また、図4はk=2の例であるが、kが3以上の場合には、第1の到来方向の利得と、第2〜第kの到来方向のうちの利得の最大値との差を求める。なお、上記のような仮定のもとに図4のように角度として扱う場合には、各アンテナについて、第2の到来方向と正面方向との角度差、…、第kの到来方向と正面方向との角度差のうちの、角度差の最小値をβとして、β−αを求めればよい。
【0057】
以上説明したように、本実施形態においては、受信機の数が少なくても、スイッチによって使用するアンテナを変更し、一つの到来波の条件で角度推定を行うので、高精度な到来方向推定ができるようになる。
【0058】
なお、説明の都合上、角度差と利得が比例するとして説明したが、使用する指向性アンテナのビーム幅が素子によって異なるときには、角度差によって使用するアンテナを選択することはできない。このときには、利得によって判断すればよい。
【0059】
また、受信機の数より少ない素子数を使用するようにスイッチによって制御することで、到来波の角度差が小さい場合などに、第2番目以降の到来波の影響を減少させ、高精度に推定できるようになる。
【0060】
(第3の具体例)
第3の具体例の第1,2の具体例と相違する点は、第2の到来方向推定についてである。以下では、第1,2の具体例と相違する点を中心に説明する。
【0061】
ここでは、第1の到来方向推定の結果得られた到来波の数がk個(kは2以上)であった場合に(第1〜第kの到来波の(推定)到来方向を第1〜第kの到来方向とする)、第1の到来方向については、各アンテナに対して、「第1の到来方向と指向性アンテナの最大利得方向との差(α)」と、「第2〜第kの到来方向と指向性アンテナの最大利得方向との差βi(i=2、…、k)」とを算出し、それらから「βi−α」を算出し、「βi−αの値のなかの最小値」が大きい順に、複数の指向性アンテナを選択する。そして、それらをスイッチによって受信機に接続して、第2の到来方向推定を行う。
【0062】
なお、第2以降の到来方向について第2の到来方向推定を行う場合も同様である。すなわち、第2の到来方向についても同様に、「βi−α(i=1、3、…、k)の値のなかの最小値」が大きい順に、複数の指向性アンテナを選択する。第3〜第kの到来方向についても同様である。
【0063】
以下、詳細に説明する。
第2の具体例では、到来方向における利得を比較して、指向性アンテナを選択していたが、ここでは、角度差の概念を用いて使用するアンテナを選択する。
【0064】
ここでも第2の具体例と同様、図1〜図3に示したような到来方向推定装置を考え、第1の到来方向推定の結果、2波の到来波の到来方向が推定され、それらは112.5度と0度であったとする(112.5度を第1の到来方向、0度を第2の到来方向とする)。この場合、第1の到来波の到来方向についてのアンテナ選択では、結果において第2の具体例の図4と同じになる。
【0065】
すなわち、β−αの大きな順に、アンテナ▲4▼、▲5▼、▲3▼、▲6▼が選択されることとなる。
【0066】
なお、到来方向推定アルゴリズムはどのようなものであってもかまわない。特に、複数の到来波の間に相関がある場合に、推定精度が劣化してしまうアルゴリズム(例えば、MUSIC、ESPRITなど)に対しては、特に効果があり、高精度の推定ができるようになっている。
【0067】
このような方法によれば、角度差のみを計算するだけでよいので、簡単に使用するアンテナを選択することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によって、受信機の数が少なくても、スイッチによって使用するアンテナを変更し、一つの到来波の条件で角度推定を行うので、高精度な到来方向推定ができるようになる。
【0069】
以下では、アンテナについて説明する。
【0070】
図5に、本実施形態に係る指向性アンテナの一例を示す。
【0071】
この例の場合、指向性アンテナは、2本のスリーブモノポールアンテナ6を位相差給電することで構成されている。
【0072】
スリーブモノポールアンテナは、無指向性のアンテナであり、また、周波数帯域幅が広いので、レーダなど、応用範囲の広いアンテナである。しかしながら、本実施形態のように指向性アンテナとするためには、2素子のスリーブモノポールアンテナをアンテナアレイとして用いる必要がある。
【0073】
ここで、2素子のアンテナ間の距離、および、給電位相差を変えることで、様々な形状の放射パターンを得ることができる。様々な形状とは、ビーム半値角の大きさ、F/B比、サイドローブレベル、最大利得などである。ここで、素子間距離と、給電位相差によって容易に所望のパターンを実現することができる。特に、F/B比や、サイドローブレベルは、到来方向推定を行う上で重要なパラメータであり、容易に本実施形態を用いることで所望の放射パターンが実現可能である。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、到来方向推定用指向性アンテナを2本のスリーブモノポールアンテナの位相差給電で実現している。その結果、様々な指向性を、2素子間の距離と、給電位相差によって容易に実現が可能になる。
【0075】
さて、本実施形態に係る指向性アンテナは、例えば、円形配列の中心方向に対して180度反対方向に最大利得方向を有している。以下、このように配置した場合の効果を詳細に示す。
【0076】
円形配列のアンテナの指向性が、配列の円の内側を向いているということは、他のアンテナに対して高い利得で放射していることとなる。すなわち、このように一方のアンテナが、もう一方のアンテナに対して放射量が大きいということは、アンテナ間結合が大きいこととなる。
【0077】
このアンテナ間結合は、アンテナ性能を変化させるばかりではなく、到来方向推定精度を大幅に劣化させる。つまり、本実施形態のように、指向性アンテナの最大利得方向を、円形配列の円の中心方向に対して180度反対方向にすることで、アンテナ間結合を最も減少させることができる。つまり、アンテナ各素子の性能劣化を抑制し、さらに、到来方向推定精度の向上も同時に行うことができる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態においては、アンテナ間結合を減少させることができるので、高精度に、到来方向推定ができる到来方向推定装置を提供することができるようになる。
【0079】
なお、以上の構成のうち演算等の処理を行う部分は、ソフトウェアとしても実現可能である。当該部分は、本実施形態は、コンピュータに所定の手段を実行させるための(あるいはコンピュータを所定の手段として機能させるための、あるいはコンピュータに所定の機能を実現させるための)プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても実施することもできる。
【0080】
なお、各実施形態で例示した構成は一例であって、それ以外の構成を排除する趣旨のものではなく、例示した構成の一部を他のもので置き換えたり、例示した構成の一部を省いたり、例示した構成に別の機能を付加したり、それらを組み合わせたりすることなどによって得られる別の構成も可能である。また、例示した構成と論理的に等価な別の構成、例示した構成と論理的に等価な部分を含む別の構成、例示した構成の要部と論理的に等価な別の構成なども可能である。また、例示した構成と同一もしくは類似の目的を達成する別の構成、例示した構成と同一もしくは類似の効果を奏する別の構成なども可能である。
また、各種構成部分についての各種バリエーションは、適宜組み合わせて実施することが可能である。
また、各実施形態は、個別装置としての発明、関連を持つ2以上の装置についての発明、システム全体としての発明、個別装置内部の構成部分についての発明、またはそれらに対応する方法の発明等、種々の観点、段階、概念またはカテゴリに係る発明を包含・内在するものである。
従って、この発明の実施の形態に開示した内容からは、例示した構成に限定されることなく発明を抽出することができるものである。
【0081】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、まず、受信機の数を上限とする数の指向性アンテナ素子で電波の到来方向の粗い推定を行い、次に、この粗い推定によって得られた到来方向を対象として受信機の数を上限とする数の指向性アンテナ素子で精密な到来方向の推定を行うので、装置の低コスト化と、高精度な到来角度推定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る到来方向推定装置の構成例を示す図
【図2】同実施形態に係る到来方向推定装置の動作手順の一例を示すフローチャート
【図3】同実施形態における8素子円形アレイと放射パターンについて説明するための図
【図4】第2の到来方向推定にて使用するアンテナの選択について説明するための図
【図5】スリーブモノポールアンテナについて説明するための図
【図6】従来の到来方向推定装置の構成例を示す図
【符号の説明】
1…指向性アンテナ
2…受信機
3…到来方向推定部
4…スイッチ
5…制御回路
6…スリーブモノポールアンテナ

Claims (13)

  1. 複数の指向性アンテナ素子と、
    前記指向性アンテナ素子の数より少ない数の複数の受信機と、
    前記複数の指向性アンテナのうちから選択された、前記受信機の数と同数またはそれより少ない数の複数の指向性アンテナが、前記受信機に接続されるように切り替えを行う切り替え手段と、
    予め選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第1の選択手段と、
    この第1の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第1の到来方向推定手段と、
    前記第1の到来方向推定手段による推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択し、該選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第2の選択手段と、
    この第2の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第2の到来方向推定手段とを備え、
    記第2の選択手段は、前記第1の到来方向推定手段により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第2の到来方向推定手段による前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第1の到来波の到来方向に対する利得から、第2から第kの到来波の到来方向に対する利得のうちの最大値を減じて得た差に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする到来方向推定装置。
  2. 複数の指向性アンテナ素子と、
    前記指向性アンテナ素子の数より少ない数の複数の受信機と、
    前記複数の指向性アンテナのうちから選択された、前記受信機の数と同数またはそれより少ない数の複数の指向性アンテナが、前記受信機に接続されるように切り替えを行う切り替え手段と、
    予め選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第1の選択手段と、
    この第1の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第1の到来方向推定手段と、
    前記第1の到来方向推定手段による推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択し、該選択された複数の指向性アンテナ素子が、前記受信機に接続されるように、前記切り替え手段に指示を出す第2の選択手段と、
    この第2の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の指向性アンテナが接続されたときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第2の到来方向推定手段とを備え、
    記第2の選択手段は、前記第1の到来方向推定手段により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第2の到来方向推定手段による前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第i(i=2、…、k)の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差βiから、第1の到来波の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差αを減じて得た値βi−αのうちの最小値に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする到来方向推定装置。
  3. 前記第1の到来方向推定手段は、前記第1の選択手段の指示で前記切り替え手段によって前記複数の受信機に接続された前記複数の指向性アンテナのうち、前記複数の受信機の受信出力を最も大きくする指向性アンテナについての最大利得方向を、電波の到来方向と推定することを特徴とする請求項1に記載の到来方向推定装置。
  4. 前記第2の到来方向推定手段は、MUSICアルゴリズムによって到来方向推定を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の到来方向推定装置。
  5. 前記複数の指向性アンテナは、円形に配列されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の到来方向推定装置。
  6. 前記指向性アンテナは、円形配列の中心方向に対して180度反対方向に最大利得方向を有するものであることを特徴とする請求項に記載の到来方向推定装置。
  7. 前記指向性アンテナは、位相差給電された2つのスリーブモノポールアンテナから構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の到来方向推定装置。
  8. 複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続する第 1 のステップと
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第2のステップと
    この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択する第3のステップと
    前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続する第4のステップと
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第5のステップとを有し、
    前記第3のステップにおいては、前記第2のステップにおいて第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第5のステップにおいて前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第1の到来波の到来方向に対する利得から、第2から第kの到来波の到来方向に対する利得のうちの最大値を減じて得た差に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする到来方向推定方法。
  9. 複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続する第 1 のステップと、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定する第2のステップと、
    この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択する第3のステップと、
    前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続する第4のステップと、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定する第5のステップとを有し、
    前記第3のステップにおいては、前記第2のステップにおいて第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記第5のステップにおいて前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとし て、各指向性アンテナにおける第i(i=2、…、k)の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差βiから、第1の到来波の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差αを減じて得た値βi−αのうちの最小値に基づいて、複数の指向性アンテナを選択することを特徴とする到来方向推定方法。
  10. 基地局を構成するコンピュータに電波の到来方向を推定させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定させ、
    この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させ、
    前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定させるとともに、
    前記精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させるにあたっては、前記電波の到来方向の粗い推定により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第1の到来波の到来方向に対する利得から、第2から第kの到来波の到来方向に対する利得のうちの最大値を減じて得た差に基づいて、複数の指向性アンテナを選択させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  11. 基地局を構成するコンピュータに電波の到来方向を推定させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
    複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定させ、
    この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させ、
    前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定させるとともに、
    前記精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させるにあたっては、前記電波の到来方向の粗い推定により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第i(i=2、…、k)の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差βiから、第1の到来波の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差αを減じて得た値βi−αのうちの最小値に基づいて、複数の指向性アンテナを選択させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  12. 基地局を構成するコンピュータに電波の到来方向を推定させるためのプログラム製品であって、
    複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定させ、
    この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させ、
    前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定させるとともに、
    前記精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させるにあたっては、前記電波の到来方向の粗い推定により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第1の到来波の到来方向に対する利得から、第2から第kの到来波の到来方向に対する利得のうちの最大値を減じて得た差に基づいて、複数の指向性アンテナを選択させるためのプログラム製品。
  13. 基地局を構成するコンピュータに電波の到来方向を推定させるためのプログラム製品であって、
    複数の指向性アンテナ素子を接続可能な複数の受信機に、該受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから選択された複数のものを接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を粗く推定させ、
    この推定の結果得られた電波の到来方向に基づいて、前記受信機の数より多い数の指向性アンテナ素子のうちから、精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させ、
    前記複数の受信機に、これら選択された複数の指向性アンテナ素子を接続させ、
    このときの前記複数の受信機の受信出力に基づいて、電波の到来方向を精密に推定させるとともに、
    前記精密な到来方向推定で使用すべき複数の指向性アンテナ素子を選択させるにあたっては、前記電波の到来方向の粗い推定により第1から第kまでk個(kは2以上)の到来波の到来方向が推定された場合に、第1の到来波の到来方向に対する前記精密な到来方向推定のために用いる指向性アンテナとして、各指向性アンテナにおける第i(i=2、…、k)の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差βiから、第1の到来波の到来方向と当該指向性アンテナの最大利得方向との角度差αを減じて得た値βi−αのうちの最小値に基づいて、複数の指向性アンテナを選択させるためのプログラム製品。
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