JP3836080B2 - 電波到来方向探知方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子を備えて指向特性を変化させることができるアレーアンテナを用いた電波到来方向探知方法及び装置に関し、特に、指向特性を適応的に変化させることができる電子制御導波器アレーアンテナ装置(Electronically Steerable Passive Array Radiator Antenna)を用いた電波到来方向探知方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1や非特許文献1において提案されている電子制御導波器アレーアンテナ装置は、無線信号が給電される励振素子と、この励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられ、無線信号が給電されない少なくとも1個の非励振素子と、この非励振素子に接続された可変リアクタンス素子とから成るアレーアンテナを備え、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記アレーアンテナの指向特性を変化させることができる。この電子制御導波器アレーアンテナ装置は、従来のアレーアンテナに比べて低コストであって、電力消費量が少なく、簡単な構成を有することを特徴としている。従って、この簡単なハードウェア構成により、電子制御導波器アレーアンテナ装置は、無線ユーザ端末又は到来方向の発見といったアプリケーションにとって非常に魅力的なものとなっている。
【0003】
非特許文献2等に記載された既存の研究は、適応型アルゴリズムを使用することによって、電子制御導波器アレーアンテナ装置が任意の方向にビーム及びヌルを形成し得るということを示している。電子制御導波器アレーアンテナ装置はまた、非特許文献3で説明されたように、30゜の精度の電波到来方向探知装置として使用可能であり、また、非特許文献4で説明されたMUSIC法を使用すれば、非特許文献5に記載されたように、より高い分解能の電波到来方向探知装置として使用可能である。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−24431号公報。
【非特許文献1】
T. Ohira et al., “Electronically steerable passive array radiator antennas for low-cost analog adaptive beamforming,” 2000 IEEE International Conference on Phased Array System & Technology pp. 101-104, Dana point, California, May 21-25, 2000。
【非特許文献2】
橋口正哉ほか,「エスパアンテナの適応制御のための基礎実験」,電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集,電子情報通信学会発行,B−1−65,pp.71−76,2001年9月18日。
【非特許文献3】
T. Ohira et al., "Hand-held microwave direction-of-arrival finder based on varactor-tuned analog aerial beamforming", IEEE Asia-Pacific Microwave Conference, pp. 585-588, December 2002。
【非特許文献4】
R. O. Schmidt, "Multiple Emitter Location and Signal Parameter Estimation", IEEE Transactions on Antennas and Propagation, Vol. AP-34, No. 3, pp. 276-280, March, 1986。
【非特許文献5】
プラプース・シリルほか,「エスパアンテナによるリアクタンスドメインMUSIC法」,電子情報通信学会技術研究報告,RCS2002−147,電子通信情報学会発行,Vol.102,pp.1−8,2002年8月。
【非特許文献6】
橋口正哉ほか,「無線アドホックネットワーク用エスパアンテナの設計と試作」,電子情報通信学会論文誌,電子情報通信学会発行,Vol.J85−B,pp.2245−2256,2002年12月。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術の電波到来方向探知方法において、非特許文献3に記載の方法では、分解能が低く、また、非特許文献5に記載の方法では、MUSIC法による行列の固有値計算を実行する必要があるために、計算時間が長いという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、特許文献1において開示された電子制御導波器アレーアンテナ装置を用いて電波の到来角を推定するときに、従来技術に比較して計算時間を短縮することができ、高い分解能で到来角を推定でき、しかも構成が簡単である電波到来方向探知方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る電波到来方向探知方法は、無線信号を受信するための励振素子と、上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、上記各非励振素子にそれぞれ接続された可変リアクタンス素子とを備え、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記各非励振素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナを用いた電波到来方向探知方法において、
上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第1の基準無線信号をそれぞれ、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記受信された各第1の基準無線信号の電力を測定し、上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)を得る第1のステップと、
上記アレーアンテナに到来する到来方向が未知の未知無線信号を、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の上記互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記各セット毎の各未知無線信号の電力Y(x(i))を測定する第2のステップと、
上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)と、上記測定された各未知無線信号の電力Y(x(i))との間の相関係数Γ(θ)を上記各方位角毎に計算し、上記相関係数Γ(θ)が最大になるときの上記方位角θを、上記未知無線信号の到来角として推定する第3のステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
上記電波到来方向探知方法において、上記第2のステップの処理の前に実行され、上記第1の基準無線信号の複数の方位角θとそれぞれ同一である方向でありかつ同一の所定幅を有して、上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第2の基準無線信号をそれぞれ受信し、上記受信した各第2の基準無線信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号を含む所定の評価関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットを計算する第4のステップと、
上記第3のステップの処理の前に実行され、上記計算された各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットがそれぞれ上記各可変リアクタンス素子に設定された互いに異なる複数の適応制御用放射パターンの状態において、上記未知無線信号を受信して信号レベルを測定し、上記各適応制御用放射パターンのうちで最大の信号レベルを有する適応制御用放射パターンを選択する第5のステップとをさらに含み、
上記第3のステップは、上記相関係数Γ(θ)の計算を、上記選択された適応制御用放射パターンの主ビームの方位角を含み、それを中心とする所定幅の範囲にある方位角に限定することを特徴とする。
【0009】
第2の発明に係る電波到来方向探知装置は、無線信号を受信するための励振素子と、上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、上記各非励振素子にそれぞれ接続された可変リアクタンス素子とを備え、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記各非励振素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナを用いた電波到来方向探知装置において、
上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第1の基準無線信号をそれぞれ、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記受信された各第1の基準無線信号の電力を測定し、上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)を得る第1の制御手段と、
上記アレーアンテナに到来する到来方向が未知の未知無線信号を、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の上記互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記各セット毎の各未知無線信号の電力Y(x(i))を測定する第2の制御手段と、
上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)と、上記測定された各未知無線信号の電力Y(x(i))との間の相関係数Γ(θ)を上記各方位角毎に計算し、上記相関係数Γ(θ)が最大になるときの上記方位角θを、上記未知無線信号の到来角として推定する第3の制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
上記電波到来方向探知装置において、上記第2の制御手段の処理の前において、上記第1の基準無線信号の複数の方位角θとそれぞれ同一である方向でありかつ同一の所定幅を有して、上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第2の基準無線信号をそれぞれ受信し、上記受信した各第2の基準無線信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号を含む所定の評価関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットを計算する第4の制御手段と、
上記第3の制御手段の処理の前において、上記計算された各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットがそれぞれ上記各可変リアクタンス素子に設定された互いに異なる複数の適応制御用放射パターンの状態において、上記未知無線信号を受信して信号レベルを測定し、上記各適応制御用放射パターンのうちで最大の信号レベルを有する適応制御用放射パターンを選択する第5の制御手段とをさらに備え、
上記第3の制御手段は、上記相関係数Γ(θ)の計算を、上記選択された適応制御用放射パターンの主ビームの方位角を含み、それを中心とする所定幅の範囲にある方位角に限定することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図面において、同様の構成要素については、同一の符号を付している。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は本発明に係る実施形態である電波到来方向探知装置の構成を示すブロック図であり、図3は、図1の電波到来方向探知装置で用いる電力パターンを取得するためのパターン測定装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
この実施形態の電波到来方向探知装置は、図1に示すように、1つの励振素子A0と、6個の非励振素子A1乃至A6とを備えて構成され特許文献1において開示された電子制御導波器アレーアンテナ装置(以下、アレーアンテナ装置という。)100と、無線受信機4と、電波到来方向探知コンピュータ30と、リアクタンス値コントローラ10とを備えて構成される。ここで、各非励振素子A1乃至A6には可変リアクタンス回路12−1乃至12−6が装荷される。
【0014】
この実施形態に係る電波到来方向探知コンピュータ30の到来方向探知処理の前に、図3のパターン測定装置のパターン測定コンピュータ50は、アレーアンテナ装置100の互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される基準無線信号をそれぞれ、各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態においてアレーアンテナ装置100で受信し、受信された各基準無線信号の電力を測定し、各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)を得て電力パターンメモリ54に格納する。次いで、図1の電波到来方向探知コンピュータ30は、アレーアンテナ装置100に到来する到来方向が未知の未知無線信号を、各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態においてアレーアンテナで受信し、各セット毎の各未知無線信号の電力Y(x(i))を測定する。次いで、電波到来方向探知コンピュータ30は、電力パターンメモリ54に格納された各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)と、測定された各未知無線信号の電力Y(x(i))との間の相関係数Γ(θ)を各方位角毎に計算し、相関係数Γ(θ)が最大になるときの方位角θを、未知無線信号の到来角として推定することを特徴としている。
【0015】
図1において、アレーアンテナ装置100は、接地導体11上に設けられた励振素子A0及び非励振素子A1乃至A6から構成され、励振素子A0は、半径rの円周上に設けられた6本の非励振素子A1乃至A6によって囲まれるように配置されている。好ましくは、各非励振素子A1乃至A6は上記半径rの円周上に互いに等間隔を保って設けられる。励振素子A0及び各非励振素子A1乃至A6の長さは、例えば約λ/4(但し、λは所望波の波長である。)になるように構成され、本実施形態では0.23λである。また、上記半径rはλ/4になるように構成される。接地導体11は、半径λ/2の円板形状の上面部と、上面部の外周縁端部から下に延在する長さλ/4の円筒形状のスカート部とから構成され、このスカート部を備えた構成により、主ビームの仰角を減少させることができる。励振素子A0の給電点は同軸ケーブル9を介して無線受信機4の低雑音増幅器(LNA)1に接続され、また、非励振素子A1乃至A6はそれぞれ可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に接続され、これら可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値はリアクタンス値コントローラ10からのリアクタンス値信号によって設定される。
【0016】
図2は、アレーアンテナ装置100の縦断面図である。励振素子A0は接地導体11と電気的に絶縁され、各非励振素子A1乃至A6は、可変リアクタンス回路12−1乃至12−6を介して、接地導体11に対して高周波的に接地される。可変リアクタンス回路12−1は、バイアス電圧が印加されることによってそのリアクタンス値が変化する可変リアクタンス素子(例えば可変容量ダイオード)を含む回路として構成され、例えば図2に示されたように、接地導体11において各アンテナ素子が設けられた側とは逆の側に設けられ、非励振素子A1の下端部に位置するポートP1に接続されている。詳しくは、可変リアクタンス回路12−1において、可変容量ダイオードD11及びD12のカソードはポートP1に接続され、可変容量ダイオードD11及びD12のアノードは接地されている。ポートP1はさらに、10kΩの抵抗R1を介して、3pFのキャパシタC1の一端とリアクタンス値コントローラ10とに接続されている。キャパシタC1の他端は接地されている。可変リアクタンス回路12−1に印加されるバイアス電圧は、リアクタンス値コントローラ10からのリアクタンス値信号の形式で可変リアクタンス回路12−1に供給される。非励振素子A2乃至A6にそれぞれ接続された可変リアクタンス回路12−2乃至12−6も、同様に構成される。また、各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6は、図2のように構成された回路に限定されず、リアクタンス値を変化させることができる可変リアクタンス素子であればよい。
【0017】
リアクタンス値コントローラ10は、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)をベースとするコントローラであって、リアクタンス値テーブルメモリ20内に予め設定されたディジタル電圧値を参照し、内蔵した6個のD/A変換器(図示せず。)を使って上記ディジタル電圧値をアナログのバイアス電圧値に変換し、このバイアス電圧値をリアクタンス値信号として可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に出力して設定することによって、アレーアンテナ装置100上で、対応する各指向性ビームパターンが形成される。
【0018】
可変リアクタンス回路12−1乃至12−6の動作を説明すると、例えば励振素子A0と非励振素子A1乃至A6の長手方向の長さが実質的に同一であるとき、例えば、可変リアクタンス回路12−1がインダクタンス性(L性)を有するときは、可変リアクタンス回路12−1は延長コイルとなり、非励振素子A1乃至A6の電気長が励振素子A0に比較して長くなり、反射器として働く。一方、例えば、可変リアクタンス回路12−1がキャパシタンス性(C性)を有するときは、可変リアクタンス回路12−1は短縮コンデンサとなり、非励振素子A1の電気長が励振素子A0に比較して短くなり、導波器として働く。また、他の可変リアクタンス回路12−2乃至12−6に接続された非励振素子A2乃至A6についても同様に動作する。従って、図1のアレーアンテナ装置100において、各非励振素子A1乃至A6に接続された可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値を変化させることにより、アレーアンテナ装置100の水平面内の指向特性を変化させることができる。
【0019】
図1の電波到来方向探知装置において、アレーアンテナ装置100は無線信号を受信し、上記受信された無線信号である受信信号は、励振素子A0に接続された同軸ケーブル9から出力される。出力された受信信号は、無線受信機4の低雑音増幅器1を介してダウンコンバータ2に入力され、ダウンコンバータ2は入力される受信信号を所定の中間周波数の中間周波信号に周波数変換した後、A/D変換器3に出力する。A/D変換器3は、入力されるアナログの中間周波信号をディジタルの中間周波信号に変換した後、電波到来方向探知コンピュータ30に出力する。さらに、電波到来方向探知コンピュータ30は、入力される中間周波信号に基づいて、受信された無線信号の到来角を計算し、その結果をCRTディスプレイ31に出力して表示する。ここで、電波到来方向探知コンピュータ30は、アレーアンテナ装置100に到来する到来方向が未知の未知無線信号を、各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態においてアレーアンテナで受信し、各セット毎の各未知無線信号の電力Y(x(i))を測定する。次いで、電波到来方向探知コンピュータ30は、電力パターンメモリ54に格納された各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)と、測定された各未知無線信号の電力Y(x(i))との間の相関係数Γ(θ)を各方位角毎に計算し、相関係数Γ(θ)が最大になるときの方位角θを、未知無線信号の到来角として推定する。
【0020】
次いで、図1の電波到来方向探知装置を用いて、未知無線信号の到来角を推定する前に、アレーアンテナ装置100の電力パターンを取得する方法について図を参照して以下に説明する。
【0021】
図3のパターン測定装置において、電波暗室200の内部には、送信用アンテナとしてのホーンアンテナ装置41と、支持台101上に取り付けられた受信用アンテナとしてのアレーアンテナ装置100とが、互いに約18mだけ離間されて設置されている。ホーンアンテナ装置41の開口面とアレーアンテナ装置100との電波暗室200内の床面からの高さは約5mである。無線送信機40は、M系列シーケンス信号発生器を含む信号発生器を備え、M系列シーケンス信号に従って変調された、例えば2.484GHzのRF周波数の無線信号を発生し、ホーンアンテナ装置41は、無線送信機40で発生された無線信号をアレーアンテナ装置100に向けて送信する。アレーアンテナ装置100が取り付けられた支持台101は、方位角コントローラ51により制御されて、励振素子A0を回転軸としてアレーアンテナ装置100を回転させて所定の方位角θの位置で停止させることができる。
【0022】
アレーアンテナ装置100で受信された無線信号は同軸ケーブル9を介して無線受信機4に入力され、無線受信機4は、受信された無線信号に対して増幅、低域周波数変換及びA/D変換を実行してディジタルの中間周波信号を生成し、この中間周波信号である受信信号をパターン測定コンピュータ50に出力する。受信信号は、復調された直交位相信号及び同相信号を含む。パターン測定コンピュータ50はディジタルシグナルプロセッサ(DSP)をベースとするコンピュータであって、無線受信機4から入力された受信信号の電力レベルを測定する。測定された電力レベルを、例えば1度毎にアレーアンテナ装置100を回転させて360個の電力レベルを収集して、方位角θに対する電力パターンを得る。ここで、電力パターンを得る処理を、互いに異なる可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の複数のセットに対してそれぞれ実行する。上記パターン測定コンピュータ50のDSPは、例えばテキサス・インスツルメンツ社製のTMS320C6701であって、無線受信機4から入力されたアナログ信号を、12ビットの分解能でディジタル信号に変換するために使用され、こうして観測されたデータである電力パターンP(x(i),θ)を取得する。この電力パターンは、本実施形態において、上記可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の複数のセット毎の方位角θに対する電力パターンである。
【0023】
なお、送信される無線信号内のシーケンス信号に対して受信信号のシーケンス信号を同期化するために、パターン測定コンピュータ50には、無線送信機40から10MHzの基準信号が入力される。また、互いに異なる複数の放射パターンを設定するときには、電波到来方向探知コンピュータ30とパターン測定コンピュータ50とは、リアクタンス値コントローラ10を制御して、リアクタンス値テーブルメモリ20に格納された可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の複数のセットを用いて、パターン測定と到来角測定で同一である複数の放射パターンを用いる。ここで、複数の放射パターンは互いに異なる。
【0024】
具体的には、パターン測定コンピュータ50は、ホーンアンテナ装置41が位置する方向に向けたアレーアンテナ装置100の方位角を変化させる毎に、6個のリアクタンス値にてなる6種類の異なるセットを可変リアクタンス回路12−1乃至12−6にそれぞれ設定し、これらのリアクタンス値のセットを設定する毎に受信信号の電力を検出して電力パターンを得て、電力パターンメモリ54に記憶する。
【0025】
ユーザは、初期設定として、アレーアンテナ装置100の方位角の変化のステップサイズ、アレーアンテナ装置100に設定されるリアクタンス値、出力電力を測定するためのデータサンプル数等のパラメータを、入力装置52を用いてパターン測定コンピュータ50に設定することができる。パターン測定コンピュータ50は、アレーアンテナ装置100の電力パターンの測定結果等をCRTディスプレイ53に出力して表示する。図3のパターン測定装置の構成は、非特許文献6に提案されている実験で用いたものと同様である。
【0026】
次に、本実施形態の電波到来方向探知方法について詳述する。
【0027】
図1において、接地導体11の面であって励振素子A0の給電点を原点とし、角度θはアレーアンテナ装置100の水平面内の方位角を表し、励振素子A0に対して非励振素子A1が位置する方位角を0°とした。また、接地導体11の水平面から到来する無線信号を仰ぎ見る角度を仰角φとした。
【0028】
アレーアンテナ装置100の制御は、可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値Xm(m=1,2,…,6)を調節することによって行われる。リアクタンス値のセットを変更すれば、アレーアンテナ装置100の放射パターンを制御することができる。以下、本実施形態では、水平面内の全方位にわたって放射が変化する複数の放射パターン、すなわち0゜≦θ<360゜かつφ=0゜で指向特性を有する放射パターンがアレーアンテナ装置100に設定されるように、リアクタンス値を制御する。また、可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値のセットはセット{X1,X2,…,X6}を意味し、以下、これをリアクタンスベクトルx=[X1,X2,…,X6]と呼ぶ。本実施形態では、このリアクタンスベクトルxを互いに異なる複数セット予め用意してリアクタンス値テーブルメモリ20に格納する。
【0029】
以下では、本実施形態の電波到来方向探知方法において用いる電力パターン相互相関法(PPCC法)について説明する。前述したように、アレーアンテナ装置100の調節可能なリアクタンスの変化は、複数のビームパターンの間のダイバーシティをもたらす。従って、PPCC法は、アレーアンテナ装置100に設定される複数のビームパターンの間のダイバーシティに基づくものである。PPCC法の基本的な概念によると、PPCC法は、未知の到来角θでアンテナに入射する1つの信号に関して次のように説明されることが可能である。
【0030】
まず、N個のリアクタンスベクトルx(1),x(2),…,x(N)より成る集合に対してそれぞれ、アレーアンテナ装置100に係るN個の電力パターンP1,P2,…,PNより成る集合を取得する。ここで、電力パターンPi=P(x(i),θ)は、アレーアンテナ装置100にリアクタンスベクトルx(i)が設定されるときに、同一の無線信号を方位角θ(0°≦θ<360°)からアレーアンテナ装置100にそれぞれ送信して、アレーアンテナ装置100で受信された無線信号の各電力測定値にて形成される指向性パターンである。次いで、未知の方位角θ1からアレーアンテナ装置100に到来する無線信号を、各リアクタンスベクトルx(1),…,x(N)が設定されたアレーアンテナ装置100で受信したときの各出力電力Y(x(1)),…,Y(x(N))を測定し、出力電力Y(x(1)),…,Y(x(N))と、電力パターンP(x(1),θ),…,P(x(N),θ)との相関係数を計算する(以下の数1を参照)。相関係数は0°≦θ<360°のそれぞれの方位角θについて計算され、相関係数が最大になるときの方位角θmaxが、無線信号の到来角θ1である。
【0031】
このように、各リアクタンスベクトルx(1),…,x(N)で形成されるビームパターンの間のダイバーシティが十分に達成されていれば、未知の方位角から到来する無線信号を受信したことによる出力電力と、アレーアンテナ装置100の電力パターンとの相関係数が最大になるときの方位角θmaxを、到来角θの推定値であると考えることができる。
【0032】
ここで、基本的なPPCC法について説明する。ここで、データ信号に従って例えばBPSK、QPSK、2q−QAMなどのディジタル変調方法で変調された無線信号の到来角推定に係る実際的な場合を想定すると、PPCC法は次のステップで実行される。
【0033】
<ステップS1>互いに異なるN個のリアクタンスベクトルのセットx(1),x(2),…,x(N)を選択する。選択されたリアクタンスベクトルの成分に対応するディジタル電圧値が、リアクタンス値テーブルメモリ20に記憶される。パターン測定コンピュータ50は、電波暗室200内において、各リアクタンスベクトルをアレーアンテナ装置100に設定させる毎に、アレーアンテナ装置100に入射する連続波の無線信号について電力パターンの値を測定する。i番目のリアクタンスベクトルx(i)に対応する方位角θでの電力パターンの値が、P(x(i),θ)(1≦i≦N,−180゜≦θ<180゜)で記録され、電力パターンメモリ54に記憶される。このステップS1は、ただ1度だけ実行されるという点に注意する。電力パターンP(x(i),θ)を記憶した電力パターンメモリ54は、電波到来方向探知コンピュータ30に接続される。
【0034】
<ステップS2>アレーアンテナ装置100の出力電力を計算するために使用されるデータサンプル数Qを決める。電波到来方向探知コンピュータ30は、未知の方位角から到来する無線信号が存在するとき、リアクタンスベクトルx(1),x(2),…,x(N)をアレーアンテナ装置100に設定する毎に、上記無線信号をデータサンプル数Qでそれぞれ受信して、受信された無線信号に対応する各出力電力Y(x(1)),Y(x(2)),…,Y(x(N))を測定する。この測定は、Q個のサンプルにわたって受信された無線信号の電力の平均値を計算することによって実行される。
【0035】
<ステップS3>電波到来方向探知コンピュータ30は、−180゜乃至180゜の方位角αについて、ステップS1で測定された電力パターンと、ステップS2で測定されたアレーアンテナ装置100の出力電力との間の相関係数を、次のPPCC関数Γ(α)を用いて計算する。この計算は、例えば方位角の1度毎で実行される。
【0036】
【数1】
【0037】
<ステップS4>最後に、PPCC関数Γ(α)の最大値に対応する方位角θmaxが、その入射信号の到来角の推定値となる。
【0038】
ここで、ステップS1は図3のパターン測定装置を用いて実行され、ステップS2乃至4は図1の電波到来方向探知装置を用いて実行されるものである。このとき、図1と図3のリアクタンス値テーブルメモリ20には、同一のN個のリアクタンスベクトルのセットx(1),x(2),…,x(N)に対応するディジタル電圧値が記憶されている。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の電波到来方向探知方法及び装置によれば、アレーアンテナ装置100を用いて電波の到来角を推定するときに、従来技術に比較して、MUSIC法による行列演算を実行する必要がないので、計算時間を大幅に短縮できるとともに、高い分解能で到来角を推定できる。また、装置構成が簡単であるという利点がある。
【0040】
PPCC法の動作は、アレーアンテナ装置100に設定されるビームパターンの個数(すなわちリアクタンスベクトルのセット数)N、これらのビームパターンのダイバーシティ、及び各電力パターンの測定精度に依存する。またPPCC法は、本発明の第2の実施形態において説明されるように、アレーアンテナ装置100で受信される無線信号が、マルチパスや雑音のために安定でない場合にも使用可能である。
【0041】
<第2の実施形態>
以下、本発明に係る第2の実施形態の電波到来方向探知装置について説明する。本実施形態では、第1の実施形態の電波到来方向探知方法を改良したものであり、事前探索を用いたPPCC法を用いている。
【0042】
PPCC法を電波到来方向探知方法として使用する場合は、それは、マルチパスと雑音のある環境の効果について考慮するものでなければならない。この場合、本方法が矛盾した結果をもたらすことを防止するために、第1の実施形態に係るPPCC法のステップS2の前に新たなステップを追加し、かつステップS3を改良することを提案する。
【0043】
図4乃至図9は、本実施形態に係る電波到来方向探知方法において、アレーアンテナ装置100に設定された適応制御用放射パターンであるセクターパターンSP1乃至SP6の水平面内指向性を示すグラフである。水平面内セクタのM個の方向にそれぞれビームを形成するようなM個のセクタパターンに対応するM個の予め計算されたリアクタンスベクトルを使用すれば、PPCC関数Γ(α)の最大値(数1参照)を求めるための最適な範囲を事前に探索することができる。すなわちM=6の場合は、0゜,60゜,120゜,180゜,240゜及び300゜の方向にビームを形成する6個のセクタパターンに対応する6個のリアクタンスベクトルを、図3のパターン測定コンピュータ50により予め計算する必要がある。すなわち、これら6個のリアクタンスベクトルは、アレーアンテナ装置100の互いに異なる複数の方位角θの方向(本実施形態では、例えば、0゜,60゜,120゜,180゜,240゜及び300゜の方向)から送信される基準無線信号をそれぞれ受信し、受信した各基準無線信号に基づいて、例えば最急勾配法や高次元二分法など非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号を含む所定の評価関数の値が最大又は最小となるように、アレーアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の複数の適応制御用セットを計算してリアクタンス値テーブルメモリ20に格納する。この計算結果を各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定したときの放射パターンは、適応制御用放射パターンとなる。
【0044】
ここで、評価関数は、送信信号に含まれるシーケンス信号と、受信側で発生される同一のシーケンス信号との相互相関係数や、信号対干渉雑音比(SINR)などを用いることができる。例えば、非特許文献6で提案されている適応制御ビーム形成アルゴリズムを用いることによって、6個のセクタの方向にそれぞれ最大のビームを形成する6個のビームパターンに対応した6個のリアクタンスベクトルを提供できる。従って、第1の実施形態におけるPPCC法は次のように改良することができる。
【0045】
<ステップS11>第1の実施形態におけるPPCC法のステップS1と同様である。
【0046】
<ステップS12>(このステップは、ステップS11よりも前に実行してもよい。)未知の方位角からアレーアンテナ装置100に到来する無線信号を受信するときに、電波到来方向探知コンピュータ30は、6個の放射パターンとしてセクタパターンSP1乃至SP6をアレーアンテナ装置100に設定して上記無線信号を受信し、各セクタパターンSP1乃至SP6の主ビームの方位角0゜,60゜,…,300゜のうちで、受信された無線信号の出力電力が最大であるときの方位角αcを見付け出す。これによって、後のステップS14での探索する方位角の範囲は、αmin=αc−60゜からαmax=αc+60゜までの範囲に設定される。本実施形態では、各セクタパターンの主ビーム方位角の角度差は60゜であって、当該主ビームの半値幅も60゜であるときにこのように探索する角度範囲を限定している。これらの値は一例であって、各セクタパターンの主ビーム方位角の角度差、主ビームの半値幅等に依存して限定する角度範囲は変化する。
【0047】
<ステップS13>第1の実施形態におけるPPCC法のステップS2と同様である。
【0048】
<ステップS14>第1の実施形態におけるPPCC法のステップS3と同様であるが、PPCC関数Γ(α)の計算は、αminからαmaxまでの範囲に関してのみ行う。
【0049】
<ステップS15>第1の実施形態におけるPPCC法のステップS4と同じである。
【0050】
この改良されたPPCC法では、M個の初期ビームパターンに対応するリアクタンスベクトルが、PPCC関数の生成に使用されるN個の異なるリアクタンスベクトルのセットに含まれてもよい。それによって、リアクタンス値テーブルメモリ20内に記憶すべきディジタル電圧値の個数を減らすことができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の電波到来方向探知方法及び装置によれば、パターン測定コンピュータ50は、アレーアンテナ装置100の互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される基準無線信号をそれぞれ受信し、受信した各基準無線信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、受信信号を含む所定の評価関数の値が最大又は最小となるように、アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の複数の適応制御用セットを計算してリアクタンス値テーブルメモリ20に格納する。次いで、電波到来方向探知コンピュータ30は、計算された各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6のリアクタンス値の複数の適応制御用セットがそれぞれ各可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定された互いに異なる複数の適応制御用放射パターンの状態において、未知無線信号を受信して信号レベルを測定し、各適応制御用放射パターンのうちで最大の信号レベルを有する適応制御用放射パターンを選択し、相関係数Γ(θ)の計算を、選択された適応制御用放射パターンの主ビームの方位角を含み、それを中心とする所定幅の範囲にある方位角に限定する。
【0052】
従って、本実施形態の電波到来方向探知方法及び装置によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を有するとともに、相関係数を計算する方位角を限定しているので、計算時間を大幅に短縮できる。また、アレーアンテナ装置100で受信される電波が、マルチパスや雑音のために安定でない場合にも使用可能である。
【0053】
【実施例】
本発明者らは、PPCC法と、外部環境の干渉を考慮して改良したPPCC法とを提案した。以下に、実験条件について説明し、かつ実験結果を示してPPCC法の動作について説明する。実験による測定は、図3に示されたパターン測定装置を用いて電波暗室200内で行われた。この場合、方位角コントローラ51は、無線信号が所定の到来角でアレーアンテナ装置100に入射するように支持台101を用いてアレーアンテナ装置100を回転させて固定し、パターン測定コンピュータ50は、電波到来方向探知コンピュータ30と同様の動作を実行して、上記無線信号の到来角を探知する。
【0054】
実験は図3の電波暗室200内で行われたので、基本的なPPCC法を改良なしで(第1の実施形態のみ)使用することができた。
【0055】
リアクタンス値テーブルメモリ20に記憶された−2048乃至2047の範囲のディジタル電圧は、リアクタンス値コントローラ10によって、可変リアクタンス回路12−1乃至12−6の各リアクタンス値Xmを調節するアナログのバイアス電圧Vm(m=1,2,…,6)に変換される。バイアス電圧Vmはリアクタンス値信号として各可変リアクタンス回路12−mに印加される。実験で使用した東芝製1SV287のバラクタダイオードの仕様によれば、バイアス電圧が20Vから−0.5Vまでの範囲で変化すると、各非励振素子A1乃至A6に装荷された可変リアクタンス回路12−1乃至12−6は、−45.8Ωから−3.6Ωまでの範囲で変化するリアクタンス値を提供する(図2参照)。
【0056】
以下では、いくつかの実験結果について示す。表1は、実験の仕様についてまとめたものである。
【0057】
【表1】
【0058】
実験は、いくつかの異なる到来角について、及びリアクタンスベクトルのセットが異なっているシナリオについて、第1の実施形態のPPCC法を使用する電波到来方向推定を実行することで構成された。個々のケースで、360゜の円形セクタに広がった36個の異なる到来方向推定、すなわち−170゜,−160゜,…,0゜,…,180゜での推定を行った。この実験の主たる目的は、PPCC法の動作、リアクタンスベクトルのセット数Nに対する関数、及びこれらのリアクタンスベクトルの特性を確認することであった。
【0059】
図10は、電波到来方向探知装置に対する第1の実験の結果であって、使用したリアクタンスベクトルのセット数Nに対する到来角推定値の誤差を示すグラフである。第1の実験の目的は、PPCC関数Γ(α)(数1参照)を計算するために使用されるリアクタンスベクトルのセット数Nの効果を調べることであった。実際に、本実施形態の電波到来方向探知方法はリアクタンスベクトルのセット数Nに依存している。図10に示された実験結果は、リアクタンスベクトルのセット数が4以上であるときに、到来角推定値の誤差の平均値が区間[1.31゜,1.58゜]に含まれ、到来角推定値の誤差の標準偏差が区間[1.10゜,1.28゜]に含まれるということを示している。
【0060】
図11乃至図13は、電波到来方向探知装置に対する第2の実験の結果であって、それぞれ異なるリアクタンスベクトルのセットがアレーアンテナの可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定されているときの到来角推定値の誤差を示すグラフである。第1の実験では、リアクタンスベクトルの成分のリアクタンス値は、任意に選択された。第2の実験では、N=6個のリアクタンスベクトルを用いる場合において、予め設定されるリアクタンスベクトルのセットについて3つの異なるケースCA1,CA2及びCA3に対して、PPCC法の動作を調べた。
【0061】
まず、ケースCA1では、1つのリアクタンスベクトルの初期値x(1)=x(init)から6個のリアクタンスベクトルより成るセットを取得する。リアクタンスベクトルx(2)乃至x(6)は、リアクタンスベクトルx(init)の成分の各リアクタンス値を巡回させることによって取得される。われわれが行った実験では、表2と表3のセットS1及びS2を用いた。ここで、V1乃至V6は、リアクタンス値X1乃至X6に対応するディジタル電圧値を表す。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
図11は、ケースCA1のリアクタンスベクトルのセットS1及びS2がアレーアンテナの可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定されているときの到来角推定値の誤差を示すグラフである。さらに、以下の表4は、各セットS1及びS2の場合における平均誤差の絶対値と標準偏差を示している。
【0065】
【表4】
【0066】
次に、ケースCA2では、6個のリアクタンスベクトルより成るセットを任意(ランダム)に選択した。われわれが行った実験では、表5と表6のセットRS1及びRS2を用いた。
【0067】
【表5】
【0068】
【表6】
【0069】
図12は、ケースCA2のリアクタンスベクトルのセットRS1及びRS2がアレーアンテナの可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定されているときの到来角推定値の誤差を示すグラフである。さらに、以下の表7は、各セットRS1及びRS2の場合における平均誤差の絶対値と標準偏差を示している。
【0070】
【表7】
【0071】
最後に、ケースCA3では、6個のリアクタンスベクトルより成るセットは、水平面内セクタの6個の方向、すなわち0゜,60゜,120゜,180゜,240゜及び300゜の方向に主ビームを形成するセクタパターンに対応している。われわれが行った実験では、表8のセットSSを用いた。
【0072】
【表8】
【0073】
図13は、ケースCA3のリアクタンスベクトルのセットSSがアレーアンテナの可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定されているときの到来角推定値の誤差を示すグラフである。さらに、以下の表9は、セットSSの場合における平均誤差の絶対値と標準偏差を示している。
【0074】
【表9】
【0075】
第2の実験の結果から、PPCC法の動作は、リアクタンスベクトルのセットを選択することに依存するということが分かる。実験では、セクタパターンを用いたケースCA3において最良の推定値に到達している。従って、セクタパターンに対応するリアクタンスベクトルは良好な相関ダイバーシティを有すると言える。
【0076】
以上説明したように、本発明に係る実施形態の電波到来方向探知方法及び装置によれば、電力パターン相互相関法(PPCC法)と呼ばれ、かつこの名称が表すように、電力に基づいて計算される電力パターンと、アレーアンテナ装置100で信号データを受信したときの出力電力との相関係数に基づいた、電子制御導波器アレーアンテナ装置を用いた簡単な到来方向探知方法及び装置を提供することができる。説明された実施形態の方法及び装置は、低い計算コストや、到来する信号データの位相の摂動に関する頑健さといったいくつかの利点を有している。
【0077】
電波暗室200で行った実験は、異なる機器構成(すなわち、リアクタンスベクトルのセット数、又は当該リアクタンスベクトルで形成されるビームパターンが異なる構成)における、PPCC法の動作についての情報を提供した。これらの結果から、推定の精度を最適化する、最も適当なパラメータを得ることができる。よって、最良の調査結果を得たケースで到達した精度は、本実施形態に係る方法及び装置が、未知の信号の到来角をわずか1゜の2乗平均平方根の精度で推定できることを示している。
【0078】
<変形例>
以上の実施形態においては、数1のPPCC関数Γ(α)を計算するために受信された無線信号の電力を用いたが、本発明はこれに限らず、当該無線信号の電圧レベル、電流レベルなどの信号レベルを含む所定のレベルであればよい。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る電波到来方向探知方法又は装置によれば、電子制御導波器アレーアンテナ装置を用いた電波到来方向探知方法又は装置において、上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第1の基準無線信号をそれぞれ、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記受信された各第1の基準無線信号の電力を測定し、上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)を得て、上記アレーアンテナに到来する到来方向が未知の未知無線信号を、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の上記互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記各セット毎の各未知無線信号の電力Y(x(i))を測定し、上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)と、上記測定された各未知無線信号の電力Y(x(i))との間の相関係数Γ(θ)を上記各方位角毎に計算し、上記相関係数Γ(θ)が最大になるときの上記方位角θを、上記未知無線信号の到来角として推定する。従って、従来技術に比較して計算時間を短縮することができ、高い分解能で到来角を推定でき、しかも構成が簡単である。
【0080】
上記電波到来方向探知方法又は装置において、上記第1の基準無線信号の複数の方位角θとそれぞれ同一である方向でありかつ同一の所定幅を有して、上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第2の基準無線信号をそれぞれ受信し、上記受信した各第2の基準無線信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号を含む所定の評価関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットを計算し、上記計算された各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットがそれぞれ上記各可変リアクタンス素子に設定された互いに異なる複数の適応制御用放射パターンの状態において、上記未知無線信号を受信して信号レベルを測定し、上記各適応制御用放射パターンのうちで最大の信号レベルを有する適応制御用放射パターンを選択し、上記相関係数Γ(θ)の計算を、上記選択された適応制御用放射パターンの主ビームの方位角を含み、それを中心とする所定幅の範囲にある方位角に限定する。従って、上記相関係数を計算する方位角を限定することができるので、上記の方法又は装置に比較して、計算時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る電波到来方向探知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のアレーアンテナ装置100の詳細構成を示す断面図である。
【図3】 図1の電波到来方向探知装置で用いる電力パターンを取得するためのパターン測定装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態に係る電波到来方向探知装置において、アレーアンテナ装置100に設定されたセクタパターンSP1の水平面内指向性を示すグラフである。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係る電波到来方向探知装置において、アレーアンテナ装置100に設定されたセクタパターンSP2の水平面内指向性を示すグラフである。
【図6】 本発明の第2の実施形態に係る電波到来方向探知装置において、アレーアンテナ装置100に設定されたセクタパターンSP3の水平面内指向性を示すグラフである。
【図7】 本発明の第2の実施形態に係る電波到来方向探知装置において、アレーアンテナ装置100に設定されたセクタパターンSP4の水平面内指向性を示すグラフである。
【図8】 本発明の第2の実施形態に係る電波到来方向探知装置において、アレーアンテナ装置100に設定されたセクタパターンSP5の水平面内指向性を示すグラフである。
【図9】 本発明の第2の実施形態に係る電波到来方向探知装置において、アレーアンテナ装置100に設定されたセクタパターンSP6の水平面内指向性を示すグラフである。
【図10】 図1の電波到来方向探知装置に対する第1の実験の結果であって、使用したリアクタンスベクトルのセット数Nに対する到来角推定値の誤差を示すグラフである。
【図11】 図1の電波到来方向探知装置に対する第2の実験の結果であって、ケースCA1のリアクタンスベクトルのセットS1及びS2がアレーアンテナの可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定されているときの到来角推定値の誤差を示すグラフである。
【図12】 図1の電波到来方向探知装置に対する第2の実験の結果であって、ケースCA2のリアクタンスベクトルのセットRS1及びRS2がアレーアンテナの可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定されているときの到来角推定値の誤差を示すグラフである。
【図13】 図1の電波到来方向探知装置に対する第2の実験の結果であって、ケースCA3のリアクタンスベクトルのセットSSがアレーアンテナの可変リアクタンス回路12−1乃至12−6に設定されているときの到来角推定値の誤差を示すグラフである。
【符号の説明】
A0…励振素子、
A1乃至A6…非励振素子、
C1,C4…キャパシタ、
D11,D12,D41,D42…可変容量ダイオード、
P1,P4…ポート、
R1,R4…抵抗、
1…低雑音増幅器(LNA)、
2…ダウンコンバータ、
3…A/D変換器、
4…無線受信機、
9…同軸ケーブル、
10…リアクタンス値コントローラ、
11…接地導体、
12−1乃至12−6…可変リアクタンス回路、
20…リアクタンス値テーブルメモリ、
30…電波到来方向探知コンピュータ、
31,53…CRTディスプレイ、
40…無線送信機、
41…ホーンアンテナ装置、
50…パターン測定コンピュータ、
51…方位角コントローラ、
52…入力装置、
54…電力パターンメモリ、
100…アレーアンテナ装置、
101…支持台、
200…電波暗室。
Claims (4)
- 無線信号を受信するための励振素子と、上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、上記各非励振素子にそれぞれ接続された可変リアクタンス素子とを備え、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記各非励振素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナを用いた電波到来方向探知方法において、
上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第1の基準無線信号をそれぞれ、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記受信された各第1の基準無線信号の電力を測定し、上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)を得る第1のステップと、
上記アレーアンテナに到来する到来方向が未知の未知無線信号を、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の上記互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記各セット毎の各未知無線信号の電力Y(x(i))を測定する第2のステップと、
上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)と、上記測定された各未知無線信号の電力Y(x(i))との間の相関係数Γ(θ)を上記各方位角毎に計算し、上記相関係数Γ(θ)が最大になるときの上記方位角θを、上記未知無線信号の到来角として推定する第3のステップとを含むことを特徴とする電波到来方向探知方法。 - 上記第2のステップの処理の前に実行され、上記第1の基準無線信号の複数の方位角θとそれぞれ同一である方向でありかつ同一の所定幅を有して、上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第2の基準無線信号をそれぞれ受信し、上記受信した各第2の基準無線信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号を含む所定の評価関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットを計算する第4のステップと、
上記第3のステップの処理の前に実行され、上記計算された各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットがそれぞれ上記各可変リアクタンス素子に設定された互いに異なる複数の適応制御用放射パターンの状態において、上記未知無線信号を受信して信号レベルを測定し、上記各適応制御用放射パターンのうちで最大の信号レベルを有する適応制御用放射パターンを選択する第5のステップとをさらに含み、
上記第3のステップは、上記相関係数Γ(θ)の計算を、上記選択された適応制御用放射パターンの主ビームの方位角を含み、それを中心とする所定幅の範囲にある方位角に限定することを特徴とする請求項1記載の電波到来方向探知方法。 - 無線信号を受信するための励振素子と、上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、上記各非励振素子にそれぞれ接続された可変リアクタンス素子とを備え、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記各非励振素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナを用いた電波到来方向探知装置において、
上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第1の基準無線信号をそれぞれ、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記受信された各第1の基準無線信号の電力を測定し、上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)を得る第1の制御手段と、
上記アレーアンテナに到来する到来方向が未知の未知無線信号を、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の上記互いに異なる複数のセットx(i)がそれぞれ設定された互いに異なる複数の放射パターンの状態において上記アレーアンテナで受信し、上記各セット毎の各未知無線信号の電力Y(x(i))を測定する第2の制御手段と、
上記各セット毎の各方位角θに対する電力パターンP(x(i),θ)と、上記測定された各未知無線信号の電力Y(x(i))との間の相関係数Γ(θ)を上記各方位角毎に計算し、上記相関係数Γ(θ)が最大になるときの上記方位角θを、上記未知無線信号の到来角として推定する第3の制御手段とを備えたことを特徴とする電波到来方向探知装置。 - 上記第2の制御手段の処理の前において、上記第1の基準無線信号の複数の方位角θとそれぞれ同一である方向でありかつ同一の所定幅を有して、上記アレーアンテナの互いに異なる複数の方位角θの方向から送信される第2の基準無線信号をそれぞれ受信し、上記受信した各第2の基準無線信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号を含む所定の評価関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットを計算する第4の制御手段と、
上記第3の制御手段の処理の前において、上記計算された各可変リアクタンス素子のリアクタンス値の複数の適応制御用セットがそれぞれ上記各可変リアクタンス素子に設定された互いに異なる複数の適応制御用放射パターンの状態において、上記未知無線信号を受信して信号レベルを測定し、上記各適応制御用放射パターンのうちで最大の信号レベルを有する適応制御用放射パターンを選択する第5の制御手段とをさらに備え、
上記第3の制御手段は、上記相関係数Γ(θ)の計算を、上記選択された適応制御用放射パターンの主ビームの方位角を含み、それを中心とする所定幅の範囲にある方位角に限定することを特徴とする請求項3記載の電波到来方向探知装置。
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