JP3669915B2 - アレーアンテナの制御装置及び制御方法 - Google Patents

アレーアンテナの制御装置及び制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナ装置の指向特性を変化させることができるアレーアンテナの制御装置及び制御方法に関し、特に、電子制御導波器アレーアンテナ装置(Electronically Steerable Passive Array Radiator (ESPAR) Antenna;以下、エスパアンテナという。)指向特性を適応的に変化させることができるアレーアンテナの制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術のエスパアンテナは、例えば、従来技術文献1「T. Ohira et al., "Electronically steerable passive array radiator antennas for low-cost analog adaptive beamforming," 2000 IEEE International Conference on Phased Array System & Technology pp. 101-104, Dana point, California, May 21-25, 2000」や特願平11−194487号の特許出願において提案されている。このエスパアンテナは、無線信号が給電される放射素子と、この放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられ、無線信号が給電されない少なくとも1個の非励振素子と、この非励振素子に接続された可変リアクタンス素子とから成るアレーアンテナを備え、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記アレーアンテナの指向特性を変化させることができる。
【0003】
上記のエスパアンテナを制御するための方法として、例えば、特願2000−198560号の特許出願において、各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を最適化するために、ハミルトニアン法を用いて、指定した方位角のアンテナ利得を最大にするようなリアクタンス値を計算している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来例では、受信信号の到来角度を予め与える必要があり、実用的ではなく、また、干渉波に対してヌルを向けることができないという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、エスパアンテナの制御において、受信信号の到来角度を予め与える必要がなく、所望波に対して主ビームを向けかつ干渉波に対してヌルを向けるように適応制御することができるアレーアンテナの制御装置及び制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアレーアンテナの制御装置は、無線信号を受信するための放射素子と、
上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御装置において、
上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、上記アレーアンテナの制御装置において、上記制御手段は、好ましくは、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最大となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シーケンス信号との間の相互相関係数であることを特徴とする。
【0008】
さらに、上記アレーアンテナの制御装置において、上記制御手段は、好ましくは、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シーケンス信号との間の二乗誤差であることを特徴とする。
【0009】
またさらに、上記アレーアンテナの制御装置において、上記制御手段は、好ましくは、相手先の送信機から送信される無線信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号に基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号の包絡線が一定値となるときに最小となる関数であることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るアレーアンテナの制御方法は、無線信号を受信するための放射素子と、
上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御方法において、
上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定するステップを含むことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0012】
図1は本発明に係る実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。この実施形態のアレーアンテナの制御装置は、図1に示すように、1つの給電アンテナ素子A0と、6個の無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6とを備えてなる従来技術のエスパアンテナで構成されたアレーアンテナ装置100と、適応制御型コントローラ40と、学習シーケンス信号発生器41とを備える。
【0013】
ここで、適応制御型コントローラ40は、例えばコンピュータなどのディジタル計算機で構成され、復調器42による無線通信を開始する前に、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナ装置100の給電アンテナ素子A0により受信したときの受信信号y(t)と、上記学習シーケンス信号と同一であり学習シーケンス信号発生器41で発生された学習シーケンス信号r(t)とに基づいて、図8の適応制御処理を実行することにより上記アレーアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子A1乃至A6のリアクタンス値xm(m=1,2,…,6)を計算して設定することを特徴としている。具体的には、適応制御型コントローラ40は、各可変リアクタンス素子A1乃至A6のリアクタンス値xm(m=1,2,…,6)を順次所定のシフト量Δxmだけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数(本実施形態では、数23で表される、受信信号y(t)と上記発生された学習シーケンス信号r(t)との間の相互相関係数ρn)の値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大となるように、上記アレーアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子A1乃至A6のリアクタンス値xm(m=1,2,…,6)を計算して設定する。
【0014】
図1において、相手先の送信機から送信された無線信号は、アレーアンテナ装置100で受信され、その給電アンテナ素子A0から出力される信号は、低雑音増幅、中間周波又はバースバンドへの周波数変換などの処理を行う高周波受信部35を介して、受信信号y(t)として適応制御型コントローラ40及び復調器42に伝送される。上記適応制御型コントローラ40は、上述の適応制御処理を実行してアレーアンテナの制御装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるように適応制御した後、復調器42による無線通信が開始される。ここで、復調器42は、受信された受信信号y(t)に対して、復調などの処理を実行して復調信号を得て出力する。
【0015】
まず、図2乃至図5を参照してエスパアンテナで構成されたアレーアンテナ装置100の構成について説明する。アレーアンテナ装置100においては、図2に示すように、給電アンテナ素子A0と、6本の無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6とがそれぞれ、各無給電可変リアクタンス素子A0乃至A6の長さlo,lm(m=1,2,…,6)に対して十分に大きい広さを有する導体板にてなる接地導体11から電気的に絶縁され、かつ給電アンテナ素子A0を中心とする例えば半径d=λ/4(但しλは波長)の円形形状の位置に互いに同一の60度の間隔で無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6が配置されるように設けられる。ここで、アレーアンテナ装置100は、可逆回路であって、送信アンテナとして用いるときは、給電アンテナ素子A0のみに無線信号が給電される一方、受信アンテナとして用いるときは、相手先の送信機からの無線信号が給電アンテナ素子A0により受信信号y(t)として受信される。
【0016】
図3において、給電アンテナ素子A0は、例えばλ/4の所定の長手方向の長さloを有し接地導体11とは電気的に絶縁された円柱形状の放射素子6を備え、放射素子6により受信された無線信号を伝送する同軸ケーブル20の中心導体21は放射素子6の一端に接続され、その外部導体22は接地導体11に接続される。これにより、放射素子6により受信された無線信号を同軸ケーブル20を介して、さらには高周波受信部35を介して適応制御型コントローラ40及び復調器42に伝送する。
【0017】
図4において、各無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6はそれぞれ、例えばλ/4の所定の長手方向の長さlm(m=1,2,…,6)を有し接地導体11とは電気的に絶縁された円柱形状の非励振素子7と、リアクタンス値xm(m=1,2,…,6)を有する可変リアクタンス素子23とを備えて同様の構造を有して構成される。ここで、非励振素子7の一端は可変リアクタンス素子23を介して接地導体11に対して高周波的に接地される。例えば放射素子6と非励振素子7の長手方向の長さが実質的に同一であると仮定したとき、例えば、可変リアクタンス素子23がインダクタンス性(L性)を有するときは、可変リアクタンス素子23は延長コイルとなり、無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6の電気長が給電アンテナ素子A0に比較して長くなり、反射器として働く。一方、例えば、可変リアクタンス素子23がキャパシタンス性(C性)を有するときは、可変リアクタンス素子23は短縮コンデンサとなり、無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6の電気長が給電アンテナ素子A0に比較して短くなり、導波器として働く。実際の適用では、リアクタンスxmは、−300Ωから300Ωまで等の一定範囲に制約することができる。
【0018】
図5は、図1のアレーアンテナ装置100の詳細な構成を示す断面図であり、図5の好ましい実施形態では、可変リアクタンス素子23として可変容量ダイオードDを用いている。
【0019】
図5において、例えばポリカーボネートなどの誘電体基板10の上面に接地導体11が形成され、放射素子6は、接地導体11から電気的に絶縁されつつ、誘電体基板10を厚さ方向に貫通して支持されている。また、非励振素子7は接地導体11から電気的に絶縁されつつ、誘電体基板10を厚さ方向に貫通して支持される。ここで、非励振素子7の一端は可変容量ダイオードD及び、誘電体基板10を厚さ方向に貫通して充填形成されてなるスルーホール導体12を介して接地導体11に高周波的に接地されるとともに、抵抗Rを介して端子Tに接続される。また、端子Tは高周波バイパス用キャパシタC及び、誘電体基板10を厚さ方向に貫通して充填形成されてなるスルーホール導体13を介して接地導体11に高周波的に接地される。
【0020】
端子Tには、適応制御型コントローラ40により電圧制御される可変電圧直流電源30が接続され、これにより、可変容量ダイオードDに印加する逆バイアス電圧を変化させることにより、可変容量ダイオードDにおける静電容量値を変化させる。これにより、非励振素子7を備えた無給電可変リアクタンス素子A1の電気長を、給電アンテナ素子A0に比較して変化させ、当該アレーアンテナ装置100の平面指向性特性を変化させることができる。さらに、他の非励振素子7を備えた無給電可変リアクタンス素子A2乃至A6も同様に構成されて同様の作用を有する。
【0021】
以上のように構成されたアレーアンテナ装置100は、エスパアンテナと呼ばれる。本実施形態ではさらに、図1のアレーアンテナ装置100において、各無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6に接続された可変リアクタンス素子23のリアクタンス値を変化させることにより、アレーアンテナ装置100の全体の平面指向性特性を適応的に制御するための制御装置及び制御方法を提供する。
【0022】
エスパアンテナで構成されたアレーアンテナ装置100のための適応制御型コントローラ40からの出力信号であるリアクタンス値信号を、これらの6個のリアクタンスの関数として簡単に定式化する。本実施形態では、各可変リアクタンス素子23のリアクタンス値を成分として持つ、
【数1】
x≡[x1,x2,…,x6T
で表されるベクトルをリアクタンスベクトルと呼び、上記リアクタンスベクトルは可変であるので、アレーアンテナ装置100の指向性パターンの形成に使用する。
【0023】
本実施形態において、信号ベクトルs(t)を、
【数2】
s(t)=[s0(t),s1(t),…,s6(t)]T
で定義し、成分sm(t)は、アレーアンテナ装置100のm番目(m=0,1,…,6)のアンテナ素子Am(すなわち給電アンテナ素子又は無給電リアクタンス素子)で受信されるRF信号であり、上付き文字Tはベクトル又は行列の転置を表す。次に、アレーアンテナ装置100の単一ポートのRF出力信号である受信信号y(t)(以下の原理説明では、説明の便宜上、高周波受信部35の前段での高周波信号(RF信号)をいう。)は次式によって与えられる。
【数3】
y(t)=iTs(t)
ここで、
【数4】
i=[i0,i1,i2,…,i6T
はm番目のアンテナ素子Am上に現れるRF電流を成分imとして持つベクトルである。
【0024】
アレーアンテナ装置100の電磁界解析によれば、RF電流ベクトルiは次式のように定式化される。
【数5】
i=(I+jYX)-10
【0025】
ここで、Iは(6+1)×(6+1)の単位行列であり、対角行列
【数6】
X=diag[x0,x1,x2,…,x6
は、リアクタンス行列と呼ばれる。適応制御型コントローラ40及び復調器42の入力インピーダンスx0は一定であり、本実施形態では、一般性を失うことなくx0=0と仮定している。さらに、数5では、ベクトルy0は、
【数7】
0=[y00,y10,y20,…,y60T
で定義し、また、
【数8】
Y=[ykl](6+1) × (6+1)
は(6+1)×(6+1)のアドミタンス行列であるものとする。ここで、成分yklはアンテナ素子AkとAlとの間(0≦k,l≦6)の相互アドミタンスを表す。
【0026】
(6+1)素子のアレーアンテナ装置100の場合、ベクトルy0及びアドミタンス行列Yは、相互アドミタンスの6個の成分のみで決定される。これについて以下に説明する。
【0027】
公知の相反定理により、通常型のアレーアンテナ装置と同様に次式が成り立つ。
【数9】
kl=ylk
【0028】
さらに、アレーアンテナ装置100のアンテナ素子Amの巡回対称性は次式を含意している。
【0029】
【数10】
11=y22=y33=y44=y55=y66
【数11】
01=y02=y03=y04=y05=y06
【数12】
12=y23=y34=y45=y56=y61
【数13】
13=y24=y35=y46=y51=y62
【数14】
14=y25=y36
【0030】
上記数9乃至数14は、数8のアドミタンス行列が相互アドミタンスの6個の成分y00,y10,y11,y21,y31及びy41のみによって決定されることを意味している。6つの成分の値は、アンテナ素子Amの半径、空間間隔及び長さ等のアンテナの物理的構造に依存し、よってこれは一定である。これまでの説明を要約して、数5におけるアドミタンス行列Yを次式のように表記する。
【0031】
【数15】
Figure 0003669915
【0032】
同様に、数7は次のように書き換えることができる。
【数16】
Y=[y00,y10,y10,…,y10]T
【0033】
アレーアンテナ装置100のアンテナ素子で受信される数3における信号ベクトルs(t)は測定不能であることは強調すべき点である。これは、アンテナ素子上で受信される信号ベクトルが観測される通常の適応型アレーアンテナとは異なる。アレーアンテナ装置100の場合は、単一ポート出力である受信信号y(t)のみが測定可能であり、これだけが数1のリアクタンスベクトルxを制御するフィードバックとして使用される。さらに残念ながら、数5が示すように、単一ポート出力である受信信号y(t)はリアクタンスベクトルxの高次の非線形関数であって、逆行列の演算を含んでおり、これが適応性能の解析的表現の生成を困難にしている。また、数5における電流ベクトルiは通常の適応型アレーの重み係数ベクトルに相当することも注意されるべきである。電流ベクトルiの各成分は、通常の適応型アレーの重み係数ベクトルとは違って独立ではなく互いに結合していることは数5から明らかである。上述の議論は、通常の適応型アレーアンテナの制御アルゴリズムの大部分は、エスパアンテナの技術を適用されたアレーアンテナ装置100に直接に適用することが不可能であることを含意している。従って、特に、エスパアンテナのための適応制御用アルゴリズムを提案することが望ましい。
【0034】
次いで、本実施形態のアレーアンテナ装置100を適応型にするために、受信される信号のモデルを提案する。論考を進める前に、アレーアンテナ装置100の操向ベクトルを与えておく。図6に示されるような(6+1)素子のアレーアンテナ装置100について考察する。
【0035】
m番目のアンテナ素子Amを、任意の軸に対して角度
【数17】
φm=2π(m−1)/6,(m=1,2,…,6)
で配置する。図6ではm=2の場合が図示されている。上記任意の軸を基準軸として角度θの到来角度(DOA)から到来し、アレーアンテナ装置100上で受信される波面が観測されるとき、m番目の無給電リアクタンス素子Amと0番目の給電アンテナ素子A0の対が受信する信号間にはd・cos(θ−φm)の空間的遅延が存在する。波長λによって、この空間的遅延は、(2π/λ)d・cos(θ−φm)によって定義される電気的角度差に変換される。従って、角度θのDOAにおけるアレーアンテナ装置100の操向ベクトルは、半径がd=λ/4である場合、次式で定義される。
【0036】
【数18】
Figure 0003669915
【0037】
上述の単純な場合を、より一般的な場合に拡張することができる。DOAがθq(q=0,1,…,Q)である到来受信信号uq(t)を送信する信号源が合計Q+1個あると仮定する。sm(t)(m=0,1,…,6)はアンテナのm番目のアンテナ素子Amで受信される信号を表し、またs(t)をm番目の成分にsm(t)を有する列ベクトルであるとする。信号sm(t)は、Q+1個の信号源からの信号の重ね合わせである。
【0038】
【数19】
Figure 0003669915
【0039】
ここで、amq)(m=0,1,2,…,6)は、θの代わりにθqを有する数18の第m成分である。このとき、アンテナ素子Amに現れる列ベクトルs(t)は、次式のように表すことができる。
【0040】
【数20】
Figure 0003669915
【0041】
ここで、
【数21】
a(θq)≡[a0q),a1q),a2q),…,a6q)]T
は、θの代わりにθqを有する数18において定義された操向ベクトルである。数3から、アレーアンテナ装置100の出力信号である受信信号y(t)は次式のように表記することができる。
【0042】
【数22】
Figure 0003669915
【0043】
電流ベクトルi、及び従って受信信号y(t)は、数1のリアクタンスベクトルxの関数である。
【0044】
次に、勾配に基づくアレーアンテナ装置100の適応制御処理について説明する。この適応制御処理で使用している学習シーケンス信号r(t)は、相手先の送信機と受信機の双方に知られていると仮定する。表記法の約束を少し変更し、本実施形態では、以後も受信信号y(t)によってアレーアンテナ装置100のRF出力の等価低域通過信号を表記する。
【0045】
従来の最急勾配アルゴリズムで一般に使用される評価関数は、平均2乗誤差である。この誤差が2つの信号の差分を表すのに対して、相互相関係数は近似性を表すことは周知である。平均2乗誤差の代わりに、我々の適応制御処理では相互相関係数を採用している。ここにおける我々の目的は、アンテナの出力である受信信号y(t)と学習シーケンス信号r(t)の間の相互相関係数が可能な限り大きくなるような数1のリアクタンスベクトルxを発見することにある。
【0046】
y(n)及びr(n)を各々、受信信号y(t)及び学習シーケンス信号r(t)の離散的時間サンプルであるP次元ベクトルと仮定する。時刻nにおける受信信号y(n)と学習シーケンス信号r(n)との間の相互相関係数は、次式のように定義される。
【0047】
【数23】
Figure 0003669915
【0048】
ここで、上付き文字Hは複素共役をとる転置を表す。これにより、勾配ベクトルは次式のように定義される。
【0049】
【数24】
Figure 0003669915
【0050】
ここで、∂ρn/∂xはリアクタンスベクトルxについての導関数を表す。
【0051】
最急勾配法によって相互相関係数を可能な限り大きくするような良好なリアクタンスベクトルxを発見するためには、以下の手順を用いる。
(i)最初に、時刻n(すなわち、n回目の反復)を1に設定し、任意に選択したリアクタンスベクトルの初期値x(1)によって開始する。典型的には、初期の指向性パターンが全方向性であるとき、リアクタンスベクトルの初期値x(1)はゼロベクトルに等しく設定される。
(ii)次いで、この初期値又は現在の推定値を使用して、時刻n(すなわち、n回目の反復)における勾配ベクトル∇ρnを計算する。
(iii)勾配ベクトルの方向と同一の方向に初期値又は現在の推定値を変更することで、リアクタンスベクトルにおける次の推定値を計算する。
(iv)ステップ(ii)に戻って処理を繰り返す。
【0052】
詳しくは提案された適応制御処理のフロー図を表す図8を参照して以下のようなステップを実行する。この適応制御処理は、図1の復調器42が無線通信を開始する前に、相手先の送信機からの学習シーケンス信号を含む無線信号を受信しているときに実行される。
【0053】
図8において、まず、ステップS1において、n=1に設定し、時刻n(n回目の反復)における数1のリアクタンスベクトルx(n)を、任意に選択したリアクタンスベクトルの初期値x(1)に設定する。次いで、ステップS2において、図8の内ループを開始する前に、パラメータm=0とし、ステップS3において、受信信号y(t)を測定する。そして、ステップS4において、数23を用いて相互相関係数ρnを計算し、上記相互相関係数ρnを摂動前の基準係数(非摂動の係数)ρn (0)に代入する。さらに、ステップS5において、パラメータmを1だけインクリメントし、ステップS6において、リアクタンスベクトルの第m成分xmをΔxmだけ摂動させる。そして、ステップS7において、受信信号y(t)を測定し、ステップS8において、数23を用いて相互相関係数ρnを計算する。次いで、ステップS9において、相互相関係数のリアクタンスベクトルxについての傾きを示す導関数∂ρn/∂xiを、ρn−ρn (0)によって計算する。さらに、ステップS10において、ステップS6で摂動させたリアクタンスベクトルの第m成分xmを元に戻す。そして、ステップS11において、パラメータmが無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6の数M=6よりも小さいか否かを判断し、m<Mのときは内ループでステップS5に戻る一方、m≧MのときはステップS12に進む。
【0054】
ステップS12において、上述の最急勾配法に従って、再帰的関係を使用して次のように時刻n+1におけるリアクタンスベクトルxの更新値x(n+1)を計算する。
【数25】
x(n+1)=x(n)+μ∇ρn
【0055】
ここで、μは収束速度を制御する正の定数であり、例えばμ=150に設定される。次いで、ステップS13において、nを1だけインクリメントし、ステップS14において、nが予め決定された反復回数Nに達していないかどうかを判断し、n≦Nのとき外ループによりステップS2に戻る一方、n>Nのときは当該適応制御処理を終了する。以上の適応制御処理により、評価関数値を最大にするように収束させることができ、所望波の到来角度が未知でも、アレーアンテナの制御装置100の主ビームを所望波に向けかつ干渉波にヌルを向けるように適応制御することができる。
【0056】
勾配ベクトルの正の方向に行なうリアクタンスベクトルxの連続的な補正は、相互相関係数が大きいという意味で結局は良好なリアクタンスベクトルxとなることは、直観的にも妥当である。
【0057】
数24の勾配ベクトル∇ρnの計算に際しては、幾つか困難のある場合がある。上述のように、これは、(a)受信信号y(t)の表現における、取り扱いが難しい逆行列の演算の存在により、勾配ベクトルをリアクタンスベクトルxの関数として解析的に表すことは容易ではない(数3及び数5参照)、(b)アレーアンテナ装置100の給電アンテナ素子A0及び無給電アンテナ素子A1乃至A6の各々で受信される信号ベクトルを観測できない、という事実に起因している。
【0058】
本実施形態において、数24の勾配ベクトル∇ρnの推定値は、偏導関数の有限の差分による近似値の使用によって導出されている。特に、リアクタンスxiに関する1階の偏導関数∂ρn/∂xiが、リアクタンスxmをxm+Δxmへと増分をとることによって相互相関係数ρnの変動値に近似される。
【0059】
【数26】
Figure 0003669915
【0060】
この勾配ベクトルの評価を数26に代入して、リアクタンスベクトルx(n+1)を算出する。これらのステップをn=1からn=Nまで繰り返し、十分大きいNについて、相互相関係数ρNが大きいという意味で良好なリアクタンスベクトルx(N+1)を得る。
【0061】
数26が示すように、アンテナの出力からは、一度にただ1つの勾配ベクトル∇ρnの成分しか算出されない。リアクタンスベクトルxの全成分を逐次的に摂動し、数25の各反復に対して1つの勾配ベクトルを得る。図7は、使用した学習シーケンス信号r(t)の枠組み構造を示している。データブロックr(i)(i=1,2,…,N)はそれぞれ、1と−1とからなる擬似ランダム信号であり、データブロックr(1),r(2),…,r(N)のそれぞれは、図8のステップS5からステップS11までのループにおいて、相関係数の勾配ベクトルのM+1個(本実施形態においてはM=6)の成分を計算するためにM+1回ずつ繰り返される、すなわち一度の繰り返しにM+1回のデータブロックr(i)の伝送を必要とする。ここで、M+1回のデータブロックr(i)は、1つの非摂動時に受信信号y(t)と、M個の摂動時の受信信号y(t)を測定するために用いられる。この場合、各データブロックのシンボル数r(i)をPとすると、上記勾配ベクトルからリアクタンスの推定値を計算することをN回繰り返すので、学習シーケンス信号r(t)はP×(M+1)×N個のシンボルからなる。
【0062】
以上説明したように、本発明に係る実施形態によれば、適応制御型コントローラ40は、復調器42による無線通信を開始する前に、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナ装置100の給電アンテナ素子A0により受信したときの受信信号y(t)と、上記学習シーケンス信号と同一であり学習シーケンス信号発生器41で発生された学習シーケンス信号r(t)とに基づいて、図8の適応制御処理を実行することにより上記アレーアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子A1乃至A6のリアクタンス値xm(m=1,2,…,6)を計算して設定する。従って、本実施形態に係るアレーアンテナの制御装置又は制御方法は、ハミルトニアン法を用いた従来例に比較して、所望波の到来角度が未知でも所望波に主ビームを向けかつ干渉波にヌルを向けるように適応制御することができる。
【0063】
<変形例>
以上の実施形態においては、6本の無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6を用いているが、その本数は少なくとも複数本あれば、当該アレーアンテナ装置の指向特性を電子的に制御することができる。それに代わって、6個よりも多くの無給電可変リアクタンス素子を備えてもよい。また、無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6の配置形状も上記の実施形態に限定されず、給電アンテナ素子A0から所定の距離だけ離れていればよい。すなわち、各無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6に対する間隔dは一定でなくてもよい。
【0064】
さらに、可変リアクタンス素子23は可変容量ダイオードDに限定されず、リアクタンス値を制御可能な素子であればよい。可変容量ダイオードDは一般に容量性の回路素子なので、リアクタンス値は常に負の値となる。なお、表1の数値例では、インピーダンスZとしてゼロや正の値を用いている。上記可変リアクタンス素子23のリアクタンス値は、正から負の値までの範囲の値をとってもよく、このためには、例えば可変容量ダイオードDに直列に固定のインダクタを挿入するか、もしくは、非励振素子7の長さをより長くすることにより、正から負の値までにわたってリアクタンス値を変化させることができる。
【0065】
以上の本実施形態においては、最急勾配法の評価関数として相互相関係数ρnを用いたが、本発明はこれに限らず、他の関数を用いてもよい。その例として、2乗誤差基準と定包絡線基準について説明する。2乗誤差基準の評価関数は、次式で表される。
【0066】
【数27】
J=E[|r’(t)−y’(t)|2
【0067】
ここで、|・|は複素数の絶対値を表し、E[・]はアンサンブル平均を表す。また、受信信号y(t)及び学習シーケンス信号r(t)は、次式のごとく正規化されている。
【0068】
【数28】
y’(t)=y(t)/|y(t)|
【数29】
r’(t)=r(t)/|r(t)|
【0069】
2乗誤差基準の評価関数を用いるとき、適応制御型コントローラ40は、評価関数値Jが最小となるように適応制御する。
【0070】
また、CMAアルゴリズムを用いた定包絡線基準の評価関数は、次式で表される。
【0071】
【数30】
J=E[||y’(t)|2−1|2
【0072】
ここでも受信信号y(t)は数28と同じy’(t)によって正規化されている。このときは学習シーケンス信号r(t)は不要であるが、受信信号の包絡線が一定値となるようなシステムでしか使用できない。それは、具体的にはFM、BPSK、QPSK等の変調方式を採用するシステムである。定包絡線基準の評価関数を用いたとき、適応制御型コントローラ40は、相手先の送信機から送信される無線信号をアレーアンテナ装置40により受信したときの受信信号y(t)に基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号の包絡線が一定値となるときに最小となる関数である。
【0073】
以上の実施形態においては、学習シーケンス信号r(t)を構成する各データブロックr(i)(i=1,2,…,N)は、シンボル数P=10である擬似ランダム信号であったが、他のシンボル数の信号であってもよい。また、学習シーケンスを用いた適応制御処理は、通信の最初に行っても、ある時間周期毎に行ってもよい。
【0074】
【実施例】
さらに、本実施形態のアレーアンテナの制御装置を用いたシミュレーションとその結果について説明する。
【0075】
アレーアンテナ装置100からの出力表現における逆行列の存在(数3及び数5参照)は、その性能の解析的に記述することを困難にすることが考えられる。提案されたアルゴリズム及びアンテナ性能を検証するためにシミュレーションを実施した。我々のシミュレーションでは、(6+1)素子のエスパアンテナで構成されたアレーアンテナ装置100を使用している。給電アンテナ素子A0及び無給電リアクタンス素子A1乃至A6はそれぞれλ/4長のモノポール素子である。我々は、全ての到来信号uq(t)(q=0,1,…,Q)のパワーを1となるように選択した。ノイズはないものと仮定した。全てのシミュレーションを通じて、数23に定義された相互相関係数の各計算のためのデータブロックのシンボル数は、P=10に設定された。
【0076】
まず、異なる方向から2つの信号が存在するケースについて考える。入力信号対干渉波電力比(以下、信号対干渉波電力比をSIRという。)は、到来信号が1のパワーである仮定により0dBである。N=800の反復後は、図9に示すように、ビームは所望する信号の0゜に向けられ、また、135゜における干渉波信号に向けてより深いヌルが形成される。このとき、28.26dBの出力SIRが取得される。図10は、図9の指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。到来信号の学習に使用されたシンボル数は、
【数31】
P(M+1)N=10×(6+1)×800=56000
個である。
【0077】
次に、5つの到来信号が存在する場合について考察する。これらの到来信号のDOAは[0°,40°,55°,220°,305°]であり、1つを所望された所望波信号とし、他の4つを干渉波信号として、−6.02dBの入力SIRを有している。指向性パターンを図11乃至図15に示す。図面はそれぞれ、所望波信号が0゜,40゜,55゜,220゜,305゜から到来している状況に対応し、出力SIRはそれぞれ9.09dB,−1.41dB,2.67dB,20.03dB,10.28dBである。図12及び図13は、40゜と55゜の間の角度の分離が僅かである混雑したDOAのケースに関する2つの指向性パターンを示している。両信号は主要ビームとなり、より低い値の出力SIRは性能を低下させる。ここで、図12及び図13からは、このように僅かな角度分離の場合でも、エスパアンテナの技術を適用され、かつ適応的に制御されるアレーアンテナ装置100を使用すれば干渉効果を減少させ、SIR利得(即ち、出力と入力とのSIR差)を各々約4.60dB及び8.69dB向上できる。図11乃至図15のこれらのパターンは、N=1000の反復の後に取得される。学習シーケンスにおけるシンボル数は、合計(7×104)である。図16は、図11の指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。
【0078】
次に、図11に示されたグラフのシミュレーションと同一のDOA及び入力SIRを有する5つの信号源からの到来信号の適応制御処理を、反復回数を減らして(N=100)再現する。図17が示すように、ビームは所望される角度0゜に向かって形成され、他のDOA(すなわち40゜,55゜,220゜及び305゜)からの干渉波信号は抑圧されている。このように少ない反復回数であっても、6.58dBの出力SIRはなおも確立されている。図18は、図17の指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。
【0079】
最後に、エスパアンテナの技術を適用され、かつ適応的に制御されるアレーアンテナ装置100の出力SIRの統計的性能について考察する。図19(N=40のとき)及び図20(N=1000のとき)は、Zで表される出力SIRが横座標の与えられた実数zを越える確率Pr(Z≧z)を示している。これらの図面に関わる計算に際しては、所望された信号は角度0゜から到来するものとし、干渉波信号のDOAは0゜乃至359゜の範囲で一様にランダムであるように設定している。これらの統計では、1000セットのDOAを全て使用している。曲線は、干渉波信号の数Q=1, 2, 3及び4のケースが描かれている。これらの曲線をどう解釈するかについての例として、図20は、Q=4の場合に、この適応型アンテナが少なくとも20dBの出力SIR(言い替えれば26.02dBのSIR利得)を80%の確率で供給可能であることを含意している。図19と図20を比較すると、より多い反復回数が、本実施形態のアレーアンテナ装置100の出力SIRを増大させることが分かる。
【0080】
以上で説明した我々の適応制御アルゴリズムは、アンテナ出力と学習シーケンス信号との間の相互相関係数が大きいという意味で良好な解法を得ている。実施例のシミュレーションで示したように、エスパアンテナの技術を適用されたアレーアンテナ装置100の場合、提案された適応制御アルゴリズムによるSIRの改善は、幾つかの実際的状況において受容可能なものである。すなわち、7素子のアレーアンテナ装置100が少なくとも約26dBのSIR利得を80%の確率で供給できることを示している。本発明に係る適応制御処理のアルゴリズムの開発は、複雑性の低いエスパアンテナの技術を、無線移動体の端末等に適応可能であり、適用可能なものにしている。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るアレーアンテナの制御装置によれば、従来技術のエスパアンテナの制御装置において、各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する。従って、ハミルトニアン法を用いた従来例に比較して、所望波の到来角度が未知でも所望波に主ビームを向けかつ干渉波にヌルを向けるように適応制御することができる。特に、ハミルトニアン法を用いた従来例では、干渉波にヌルを向けることができないが、本発明では、干渉波にヌルを向けることができるという特有の効果を有する。
【0082】
当該アレーアンテナの制御装置は、例えば、移動体通信端末用のアンテナとしてノートパソコンやPDAのような電子機器へ装着が容易であり、また、水平面のどの方向へ主ビームを走査した場合でも、すべての無給電可変リアクタンス素子が導波器又は反射器として有効に機能し、到来波および複数の干渉波に対する指向特性の制御もきわめて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のアレーアンテナ装置100の構成を表す斜視図である。
【図3】 図1の給電アンテナ素子A0の構成を示す模式図である。
【図4】 図1の無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6の構成を示す模式図である。
【図5】 図2のアレーアンテナ装置100の詳細な構成を示す断面図である。
【図6】 図1のアレーアンテナ装置100の構成を表す平面図である。
【図7】 図1の学習シーケンス信号発生器41によって発生される学習シーケンス信号の構成を示すシーケンス図である。
【図8】 図1の適応制御コントローラ40によって実行される適応制御処理を示すフローチャートである。
【図9】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果であって、信号源が2つの場合の指向性パターンを示すグラフである。
【図10】 図9の指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。
【図11】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果であって、信号源が5つで0°方向を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンである。
【図12】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果であって、信号源が5つで40°方向を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグラフである。
【図13】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果であって、信号源が5つで55°方向を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグラフである。
【図14】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果であって、信号源が5つで220°方向を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグラフである。
【図15】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果であって、信号源が5つで305°方向を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグラフである。
【図16】 図11の指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。
【図17】 図1のアレーアンテナの制御装置のシミュレーション結果であって、信号源が5つで0°方向を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグラフである。
【図18】 図17の指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。
【図19】 図1のアレーアンテナの制御装置で、反復回数が40回であるときの出力SIRが横軸の値を超える確率を示すグラフである。
【図20】 図1のアレーアンテナの制御装置で、反復回数が1000回であるときの出力SIRが横軸の値を超える確率を示すグラフである。
【符号の説明】
A0…給電アンテナ素子、
A1乃至A6…無給電可変リアクタンス素子、
C…キャパシタ、
D…可変容量ダイオード、
R…抵抗、
T…端子、
6…放射素子、
7…非励振素子、
10…誘電体基板、
11…接地導体、
12,13…スルーホール導体、
20…給電用同軸ケーブル、
21…中心導体、
22…外部導体、
23…可変リアクタンス素子、
30…可変電圧直流電源、
35…高周波受信部、
40…適応制御型コントローラ、
41…学習シーケンス信号発生器、
42…復調器、
100…アレーアンテナ装置。

Claims (6)

  1. 無線信号を受信するための放射素子と、
    上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
    上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御装置において、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制御手段を備え、
    上記制御手段は、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最大となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シーケンス信号との間の相互相関係数であることを特徴とする請求項1記載のアレーアンテナの制御装置。
  2. 無線信号を受信するための放射素子と、
    上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
    上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御装置において、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制御手段を備え、
    上記制御手段は、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シーケンス信号との間の二乗誤差であることを特徴とするアレーアンテナの制御装置。
  3. 無線信号を受信するための放射素子と、
    上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
    上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御装置において、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制御手段を備え、
    上記制御手段は、相手先の送信機から送信される無線信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号に基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号の包絡線が一定値となるときに最小となる関数であることを特徴とするアレーアンテナの制御装置。
  4. 無線信号を受信するための放射素子と、
    上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
    上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御方法において、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制御ステップを含み、
    上記制御ステップは、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最大となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シーケンス信号との間の相互相関係数であることを特徴とするアレーアンテナの制御方法。
  5. 無線信号を受信するための放射素子と、
    上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
    上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御方法において、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制御ステップを含み、
    上記制御ステップは、相手先の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シーケンス信号との間の二乗誤差であることを特徴とするアレーアンテナの制御方法。
  6. 無線信号を受信するための放射素子と、
    上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
    上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御方法において、
    上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する制御ステップを含み、
    上記制御ステップは、相手先の送信機から送信される無線信号を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号に基づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号の包絡線が一定値となるときに最小となる関数であることを特徴とするアレーアンテナの制御方法。
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