JP3762283B2 - アレーアンテナの制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナ装置の指向特性を変化させることができるアレーアンテナの制御方法に関し、特に、電子制御導波器アレーアンテナ装置(Electronically Steerable Passive Array Radiator (ESPAR) Antenna;以下、エスパアンテナという。)の指向特性を適応的に変化させることができるアレーアンテナの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術のエスパアンテナは、例えば、従来技術文献1「T. Ohira et al., "Electronically steerable passive array radiator antennas for low-cost analog adaptive beamforming," 2000 IEEE International Conference on Phased Array System & Technology pp. 101-104, Dana point, California, May 21-25, 2000」や特開2001−24431号公報において提案されている。このエスパアンテナは、無線信号が給電される励振素子と、この励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられ、無線信号が給電されない少なくとも1個の非励振素子と、この非励振素子に接続された可変リアクタンス素子とから成るアレーアンテナを備え、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記アレーアンテナの指向特性を変化させることができる。
【0003】
このエスパアンテナを受信側で適応制御する方法として、一般的に、以下の方法が用いられている。すなわち、送信側で各無線パケットデータの先頭部分に学習シーケンス信号を予め含ませておき、当該学習シーケンス信号と同一の信号を受信側でも発生させ、受信側において、受信された学習シーケンス信号と、上記発生された学習シーケンス信号との相互相関が最大となることを規範(評価基準)として、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させてその指向特性を変化させる。これにより、エスパアンテナの指向性を最適パターンとし、すなわち所望波の方向に主ビームを向けかつ干渉波の方向にヌルを形成するパターンとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来例では、学習シーケンス信号などの参照信号が必要であること、また、この参照信号を予め送信側及び受信側の両方で一致させておく必要があり、これにより、適応制御のための回路が複雑になるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、参照信号を必要とせずに、アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるように適応制御することができるアレーアンテナの制御方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るアレーアンテナの制御方法は、無線信号を受信するための励振素子と、
上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御方法において、
上記励振素子によって受信された受信信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号のみで表された目的関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定するステップを含むことを特徴とする。
【0007】
また、第2の発明に係るアレーアンテナの制御方法は、複数P個のアンテナ素子が互いに所定の間隔で並置されてなるアレーアンテナで受信された複数P個の受信信号をそれぞれP個の移相手段により所定の移相量だけ移相させた後合成して、合成後の受信信号を出力するアレーアンテナの制御方法において、
上記合成後の受信信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号のみで表された目的関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各移相手段の移相量を計算して設定するステップを含むことを特徴とする。
【0008】
さらに、上記アレーアンテナの制御方法において、上記目的関数は、所定の期間における、上記受信信号の絶対値の時間平均値の二乗値を、上記受信信号の絶対値の二乗値の時間平均値で除算した関数であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
図1は本発明に係る第1の実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。この実施形態のアレーアンテナの制御装置は、図1に示すように、1つの励振素子A0と、6個の非励振素子A1乃至A6とを備えてなるエスパアンテナ装置100と、適応制御型コントローラ20とを備えて構成される。
【0011】
ここで、適応制御型コントローラ20は、例えばコンピュータなどのディジタル計算機で構成され、エスパアンテナ装置100の励振素子A0によって受信された受信信号y(t)に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法である、例えば、最急勾配法を用いて、上記受信信号y(t)のみで表された目的関数(後述する数12)の値が最大となるように、上記エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を計算して設定することを特徴としている。なお、適応制御に用いる受信信号としては、詳細後述するように、その振幅が一定である変調方式で変調された受信信号、もしくは振幅が変化する変調方式であるときは無変調である期間における受信信号を用いる。
【0012】
図1において、エスパアンテナ装置100は、接地導体11上に設けられた励振素子A0及び非励振素子A1乃至A6から構成され、励振素子A0は、半径rの円周上に設けられた6本の非励振素子A1乃至A6によって囲まれるように配置されている。好ましくは、各非励振素子A1乃至A6は上記半径rの円周上に互いに等間隔を保って設けられる。各励振素子A0及び非励振素子A1乃至A6の長さは、例えば約λ/4(但し、λは所望波の波長)になるように構成され、また、上記半径rはλ/4になるように構成される。励振素子A0の給電点は同軸ケーブル5を介して低雑音増幅器(LNA)1に接続され、また、非励振素子A1乃至A6はそれぞれ可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に接続され、これら可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値は適応制御型コントローラ20からのリアクタンス値信号によって設定される。
【0013】
図2は、エスパアンテナ装置100の縦断面図である。励振素子A0は接地導体11と電気的に絶縁され、各非励振素子A1乃至A6は、可変リアクタンス素子12−1乃至12−6を介して、接地導体11に対して高周波的に接地される。可変リアクタンス素子12−1乃至12−6の動作を説明すると、例えば励振素子A0と非励振素子A1乃至A6の長手方向の長さが実質的に同一であるとき、例えば、可変リアクタンス素子12−1がインダクタンス性(L性)を有するときは、可変リアクタンス素子12−1は延長コイルとなり、非励振素子A1乃至A6の電気長が励振素子A0に比較して長くなり、反射器として働く。一方、例えば、可変リアクタンス素子12−1がキャパシタンス性(C性)を有するときは、可変リアクタンス素子12−1は短縮コンデンサとなり、非励振素子A1の電気長が励振素子A0に比較して短くなり、導波器として働く。また、他の可変リアクタンス素子12−2乃至12−6に接続された非励振素子A2乃至A6についても同様に動作する。
【0014】
従って、図1のエスパアンテナ装置100において、各非励振素子A1乃至A6に接続された可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を変化させることにより、エスパアンテナ装置100の平面指向性特性を変化させることができる。
【0015】
図1のアレーアンテナの制御装置において、エスパアンテナ装置100の励振素子A0は無線信号を受信し、上記受信された信号は同軸ケーブル5を介して低雑音増幅器(LNA)1に入力されて増幅され、次いで、ダウンコンバータ(D/C)2は増幅された信号を所定の中間周波数の信号(IF信号)に低域変換する。さらに、A/D変換器3は低域変換されたアナログ信号をディジタル信号にA/D変換し、そのディジタル信号を適応制御型コントローラ20及び復調器4に出力する。次いで、適応制御型コントローラ20は、エスパアンテナ装置100の励振素子A0によって受信された受信信号y(t)に基づいて、例えば最急勾配法を用いて、上記受信信号y(t)のみで表された目的関数(数12)の値が最大となるように、上記エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値xk(k=1,2,…,6)を計算してその値を示すリアクタンス値信号を各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に出力することによりそれらリアクタンス値xkを設定する。一方、復調器4は、入力される受信信号y(t)に対して復調処理を行ってデータ信号である復調信号を出力する。
【0016】
次いで、エスパアンテナ装置100について定式化を行う。この定式化モデルにおいては、励振素子A0として半波長ダイポールアンテナを用い、非励振素子A1乃至A6として円形アレー配列された6本のダイポールアンテナを用いる。素子間隔は全てλ/4であり、各ダイポールは半径λ/100の導体円柱とする。素子の長さ方向の波長短縮率は0.926とする。各非励振素子A1乃至A6の中央部に可変リアクタンス素子12−1乃至12−6であるバラクタダイオードが直列に装荷されており、それらのリアクタンス値の組合せでその指向性が決定される。
【0017】
上記アンテナの構造パラメータからモーメント法による電磁界解析を用いて素子間の相互結合を求め、これをインピーダンス行列Zで表すと次式のようになる(例えば、従来技術文献2「大平孝,“エスパアンテナの主ビームを所望方向へ形成するためのリアクタンスを簡単に求める方法:準同期合成と最急勾配法”,電子情報通信学会研究技術報告,AP2001−48,pp.1−6,2001年7月」参照。)。
【0018】
【数1】
【0019】
エスパアンテナ装置100の構造は巡回的な対称性を有しているため、この行列Zの49個の要素のうち独立な要素は6個の要素となる。これらはその物理的意味からそれぞれ以下のように呼ばれるべき複素パラメータである。
【0020】
【表1】
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
z00:励振素子の自己入力インピーダンス
z01:励振素子と非励振素子との間の結合インピーダンス
z11:非励振素子の自己入力インピーダンス
z12:互いに隣接する2つの非励振素子間の結合インピーダンス
z13:次に隣接する(1つ間をおいて隣接する)2つの非励振素子間の結合インピーダンス
z14:互いに対向する2つの非励振素子間の結合インピーダンス
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0021】
なお、後述する実施例で用いた各インピーダンス値は以下の通りである。
(a)z00=+52.0−5.7j
(b)z01=+23.9−29.2j
(c)z11=+64.0−3.4j
(d)z21=+29.7−29.8j
(e)z31=−13.9−27.6j
(f)z41=−26.0−16.7j
ここで、インピーダンス値の単位は全てΩである。バラクタダイオードであるリアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値をx1,x2,…,x6とすると、エスパアンテナ装置100の指向性(アレーファクタ)Da(θ,φ)は次式で表される(例えば、従来技術文献2参照)。
【0022】
【数2】
Da(θ,φ)
=a(θ,φ)Ti(x1,x2,…,x6)
【0023】
ここで、a(θ,φ)は、エスパアンテナ装置100の位相中心を中央の励振素子A0にとった場合のステアリングベクトルであり、仰角θと方位角φの関数として次式で表される。
【0024】
【数3】
【0025】
ここで、dは半径rに等しい素子間隔であり、βは自由空間中の伝播定数である。また、i(x1,x2,…,x6)はエスパアンテナの等価ウエイトベクトルであり、次式で表される。
【数4】
i(x1,x2,…,x6)
=Z−1(vsu0−Xi)
=vS(Z+X)−1u0
ここで、u0は次式で表される単位ベクトルである。
【数5】
u0=[1,0,…,0]T
また、Xは、RF受信機の入力インピーダンスzsと可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を成分とする次式の対角行列であるリアクタンス行列である。
【数6】
X=diag[zs,jx1,jx2,…,jx6]
【0026】
複数の信号波が到来する場合にはそれらの信号波形を成分とするベクトル
【数7】
s(t)=[s1(t),s2(t),…,sm(t)]
を定義する。ここで、mは信号の数である。これらを同時に受信した場合のエスパアンテナ装置100の出力信号は次式で表される。
【数8】
y(t)=i(x1,x2,…,x6)TA(θ,Φ)s(t)+n(t)
ここで、A(θ,Φ)はアレーマニホールドであり、次式で表される。
【数9】
A(Θ,Φ)=[a(θ1,φ1),a(θ2,φ2),…,a(θm,φm)]
ここで、
【数10】
Θ={θ1,θ2,…,θm}
【数11】
Φ={φ1,φ2,…,φm}
であり、n(t)は加算的雑音である。
【0027】
次いで、本実施形態で用いる「ブラインド適応ビーム形成」について説明する。適応ビーム形成の目的は上記数8で導出したアンテナ受信出力信号y(t)に含まれる信号対干渉雑音の電力比SINRを最大化することである。ブラインド制御とは所望波に含まれる信号情報を全く参照することなくアンテナ可変パラメータ(一般的にはウエイトベクトル:ここでは、可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値)を更新することである。
【0028】
本実施形態に係るブラインド制御では、送信信号の振幅が標本化点において一定の値となることを利用する。現在多くの無線システムで用いられている変調方式のうち、アナログ無線方式では周波数変調FM、デジタル無線方式では周波数シフトキーイングFSKや位相シフトキーイングPSK、などは送信信号の振幅が時間的に一定である。多値直交振幅変調QAMなどのように包絡線が一定でない変調方式の場合には、送信パケットの先頭部分に無変調のヘッダ区間を設けることにより同様の動作が可能である。受信側では送信信号に干渉信号が重畳されるため振幅が一定でなくなる。そこで、受信された信号の振幅変動が最小となることを規範としてアンテナ指向性を制御する。これにより、アンテナ指向性が最適ビームパターンすなわち干渉波の方向へヌルが形成されるビームパターンとなる。この方法はDBF(Digital Beam Forming)アンテナ制御におけるCMA(Constant Modulus Algorithm)に相当する。受信信号をy(t)と書くと、従来のCMAでは包絡線|y(t)|をある一定の目標値Cに近付けること、すなわち、「E||y(t)|−C|→min→0」を規範としていた。ここで、E|x|は変数の絶対値のアンサンブル平均を表す。この規範はエスパアンテナの制御には使えない。なぜなら、エスパアンテナは構造が簡易であるためそれ自身で絶対振幅を調整する機能を備えていないからである。そこで、本実施形態ではこれに替えて、次式を規範として用いる。
【0029】
【数12】
J=m1 2/m2→max→1
【0030】
すなわち、上記数12で示された目的関数Jが最大の1となるように、適応制御する。ここで、m1,m2はタイミングtsで標本化された受信信号を統計変数とみなした場合に、所定の期間における次式で表される1次および2次モーメントである。
【0031】
【数13】
m1=E|y(ts)|
【数14】
m2=E|y(ts)|2
【0032】
ここで、E|y(ts)|は、具体的には、上記所定の期間におけるアンサンブル時間平均値である。この規範の目的関数Jには目標値Cが含まれておらず、受信信号のみで記述されている。この場合、目標値が未知の状態で制御できることが大きなメリットである。この規範に基づいてリアクタンス値を、例えば最急勾配法などの非線形計画法における反復的な数値解法を用いて反復更新することにより、アンテナ出力の信号対干渉雑音電力比(SINR)が最大となるように、すなわち、エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるように最適ビームが形成される。
【0033】
次いで、最急勾配法を用いたアンテナビームの適応制御について説明する。最急勾配法を用いるときの可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値のセット(リアクタンスベクトル)xに対する漸化式は次式で表される。
【0034】
【数15】
x(n+1)=x(n)+μ∇Jn
【数16】
【0035】
ここで、nはxの更新の次数、パラメータμは試行錯誤的に定められるステップサイズである。ここで、最急勾配法は、最急降下法を含む方法の概念であるが、本実施形態では、目的関数の値を最大するように最適解を求める方法を用いる。
【0036】
さらに、最急勾配法による具体的な、最適解を求める手順について説明する。上記数15を用いた最急勾配法によって目的関数Jnを可能な限り大きくするような良好なリアクタンスベクトルxを発見するためには、以下の手順を用いる。(i)最初に、反復数パラメータn(すなわち、n回目の反復)を1に設定し、予め決められたリアクタンスベクトルの初期値x(1)(例えば、当該エスパアンテナ装置100をオムニアンテナに設定にするときのリアクタンスベクトル)によって処理を開始する。
(ii)次いで、この初期値(n=1のとき)又は現在の推定値(n≧2のとき)を使用して、反復数パラメータn(すなわち、n回目の反復)における目的関数Jnの勾配ベクトル∇Jnを計算する。
(iii)勾配ベクトル∇Jnの方向と同一の方向に初期値又は現在の推定値を変更することで、リアクタンスベクトルxにおける次の推定値を計算する。
(iv)反復数パラメータnを1だけインクリメントし、ステップ(ii)に戻って処理を繰り返す。この繰り返し処理は、リアクタンスベクトルxが実質的に収束する反復数まで実行される。
【0037】
図3は、図1の適応制御型コントローラ20によって実行される、最急勾配法によるより具体的な適応制御処理を示すフローチャートである。
【0038】
図3のステップS1において、まず、反復数パラメータnを1にリセットし、リアクタンスベクトルx(1)にその初期値を設定挿入し、ステップS2において素子パラメータkを1にリセットする。次いで、ステップS3において受信信号y(t)を測定し、ステップS4において数12を用いて目的関数Jの値を計算し、J(0)に設定挿入する。さらに、ステップS5においてリアクタンス値xkに所定の摂動値Δxkを加算し、その加算値をリアクタンス値xkとして設定した後、ステップS6において受信信号y(t)を測定し、ステップS7において数12を用いて目的関数Jの値を計算する。そして、ステップS8においてJ−J(0)の値を計算して∂Jn/∂xkに代入し、ステップS9においてリアクタンス値xkに所定の摂動値Δxkを減算しその減算値をリアクタンス値xkとして設定することにより摂動前の値に戻した後、ステップS10において素子パラメータkはK(=6)以上であるか否かが判断される。ステップS10でNOであれば、ステップS11で素子パラメータkを1だけインクリメントしてステップS5に戻り、上述の処理を繰り返す。一方、ステップS10でYESであるときは、ステップS12において、数15の漸化式を用いて、リアクタンスベクトルxの次の推定値x(n+1)を計算した後、ステップS13において反復数パラメータnが所定の反復数Nに到達しているか否かを判断し、NOであれば、ステップS14において反復数パラメータnを1だけインクリメントした後、ステップS2からの処理を繰り返す。一方、ステップS13でYESであるときは、十分に収束しているものと判断し、計算されたリアクタンスベクトルxの値を有するリアクタンス値信号を可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に出力して設定する。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によれば、適応制御型コントローラ20は、エスパアンテナ装置100の励振素子A0によって受信された受信信号y(t)に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法である、例えば、最急勾配法を用いて、上記受信信号y(t)のみで表された目的関数(数12)の値が最大となるように、上記エスパアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値を計算して設定する。従って、参照信号を必要とせずに、アレーアンテナの指向性を所望波の方向に主ビームを向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるように適応制御することができる。ここで、参照信号を必要としないので、当該装置の構成を簡単化できる。また、目的関数Jは受信信号y(t)のみで記述されているので、適応制御コントローラ20の計算処理をきわめて簡単に実行できる。
【0040】
以上の実施形態においては、6本の非励振素子A1乃至A6を用いているが、その本数は少なくとも複数本あれば、当該アレーアンテナ装置の指向特性を電子的に制御することができる。それに代わって、6個よりも多くの非励振素子を備えてもよい。また、非励振素子A1乃至A6の配置形状も上記の実施形態に限定されず、励振素子A0から所定の距離だけ離れていればよい。すなわち、各非励振素子A1乃至A6に対する間隔は一定でなくてもよい。
【0041】
以上の実施形態においては、最急勾配法を用いて各可変リアクタンス素子12のリアクタンス値を計算しているが、本発明はこれに限らず、以下に示す順次ランダム法、ランダム法、高次元二分法などの非線形計画法における反復的な数値解法を用いてもよい。
【0042】
なお、順次ランダム法においては、以下の手順を用いる。
(i)最初に、反復数パラメータn(すなわち、n回目の反復)を1に設定し、リアクタンスベクトルの所定の初期値x(1)(例えば、当該エスパアンテナ装置100をオムニアンテナに設定にするときのリアクタンスベクトル)によって処理を開始する。
(ii)次いで、この初期値(n=1のとき)又は現在の推定値(n≧2のとき)を使用して、反復数パラメータn(すなわち、n回目の反復)における推定値への加算値を所定の存在範囲内で乱数を発生させて計算する。
(iii)計算された加算値を上記推定値に加算することにより、リアクタンスベクトルにおける次の推定値を計算する。
(iv)反復数パラメータnを1だけインクリメントし、ステップ(ii)に戻って処理を繰り返す。この繰り返し処理は、目的関数Jの値が所定のしきい値(例えば0.9)以上になるまで実行される。
【0043】
また、ランダム法においては、以下の手順を用いる。
(i)最初に、リアクタンスベクトルの所定の初期値x(1)(例えば、当該エスパアンテナ装置100をオムニアンテナに設定にするときのリアクタンスベクトル)によって処理を開始する。
(ii)次いで、この初期値を使用して、当該初期値への加算値を所定の存在範囲内で乱数を発生させて計算する。
(iii)計算された加算値を上記初期値に加算することにより、リアクタンスベクトルにおける推定値を計算する。
(iv)計算された推定値における目的関数Jの値が所定のしきい値(例えば0.9)以上であれば、当該推定値を設定すべきリアクタンスベクトルとするが、NOであれば、ステップ(ii)に戻って処理を繰り返す。
【0044】
さらに、高次元二分法においては、以下の手順を用いる。
(i)最初に、反復数パラメータn(すなわち、n回目の反復)を1に設定して処理を開始する。
(ii)次いで、リアクタンスベクトルの各リアクタンス値の所定の存在範囲(なお、2回目以降は、前に選択された推定値の存在範囲)を均等に二分し、二分された各存在範囲の平均値(各可変リアクタンス素子12−1乃至12−6に対して2つの平均値)を計算する。
(iii)この2つの平均値に対する目的関数Jの値を計算し、目的関数Jの値が大きい方を、リアクタンスベクトルにおける次の推定値とする。
(iv)反復数パラメータnを1だけインクリメントし、ステップ(ii)に戻って処理を繰り返す。この繰り返し処理は、目的関数Jの値が所定のしきい値(例えば0.9)以上になるまで実行される。
【0045】
以上の実施形態においては、目的関数Jを適応制御のためのリアクタンス値を求めるための目的関数とし、それを最大となるようにリアクタンスベクトルの最適解を計算しているが、本発明はこれに限らず、目的関数Jの逆数を適応制御のためのリアクタンス値を求めるための目的関数とし、それを最小となるようにリアクタンスベクトルの最適解を計算してもよい。
【0046】
<第2の実施形態>
図4は、本発明に係る第2の実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。
【0047】
この実施形態では、アレーアンテナ50の各アンテナ素子51−1乃至51−Pで受信した信号を、可変移相器53−1乃至53−Pと加算器である合成器54によって構成されたRF帯のBFN(Beam Forming Network)回路で合成する構成を採用し、このアレーアンテナの制御装置は、複数P個のアンテナ素子51−1乃至51−Pが互いに所定の間隔で配置されてなるアレーアンテナ50(例えば、リニアアレーであり、2次元形状又は3次元形状で配置されてもよい。)のビームを制御するための適応制御型制御装置であり、適応制御型コントローラ60を備えたことを特徴としている。ここで、適応制御型コントローラ60は、合成後の受信信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法である、例えば、最急勾配法を用いて、上記受信信号y(t)のみで表された目的関数(数12)の値が最大となるように、当該アレーアンテナ50の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための可変移相器53−1乃至53−Pの移相量に対応する各移相制御電圧vp(p=1,2,…,P)を計算して設定することを特徴としている。
【0048】
以下、図4に示すアレーアンテナの制御装置の構成について説明する。図4において、複数P個のアンテナ素子51−1乃至51−Pが互いに所定の間隔で1直線上に並置されてなるアレーアンテナ50によって無線信号が受信され、各アンテナ素子51−1乃至51−Pで受信された無線信号はそれぞれ、低雑音増幅器(LPA)52−1乃至52−Pを介して可変移相器53−1乃至53−Pに入力される。各可変移相器53−1乃至53−Pはそれぞれ、入力される無線信号を、適応制御型コントローラ60から出力される各移相制御電圧vp(p=1,2,…,P)に対応した各移相量だけ移相した後、合成器54に出力する。合成器54は入力されるP個の無線信号を電力合成して、合成後の無線信号を、所定の中間周波数の中間周波信号に周波数変換するダウンコンバータ55及び中間周波信号の帯域成分のみを帯域ろ波する帯域通過フィルタ(BPF)56を介して復調器57に出力する。復調器57は、入力される無線信号を、送信機側の変調方法(例えば、QPSK、PSK、FSKなど)に対応した復調方法を用いてベースバンド信号に復調して、所望のベースバンド信号のみを取り出す低域通過フィルタ(LPF)58を介してA/D変換器9に出力する。A/D変換器59は、入力されるアナログのベースバンド信号をディジタルのベースバンド信号にA/D変換して、変換後のベースバンド信号信号を外部装置に出力する。一方、ダウンコンバータ55から出力される中間周波数信号は、A/D変換器61を介して受信信号y(t)として適応制御型コントローラ60に入力される。ここで、この受信信号y(t)は、合成器54において合成された無線信号の電力レベルに比例するレベルを有する。
【0049】
適応制御型コントローラ60は、上記受信信号y(t)に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法である、例えば、最急勾配法を用いて、図3の適応制御処理と同様の処理を実行することにより、上記受信信号y(t)のみで表された目的関数(数12)の値が最大となるように、当該アレーアンテナ50の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための可変移相器53−1乃至53−Pの移相量に対応する各移相制御電圧vp(p=1,2,…,P)を計算し、それを可変移相器53−1乃至53−Pに印加することにより対応する各移相量を設定する。
【0050】
なお、この実施形態においても、第1の実施形態と同様に、適応制御に用いる受信信号としては、その振幅が一定である変調方式で変調された受信信号、もしくは振幅が変化する変調方式であるときは無変調である期間における受信信号を用いる。
【0051】
この実施形態に係る適応制御型コントローラ60においても、第1の実施形態に係る適応制御型コントローラ20と同様に、参照信号を必要とせずに、アレーアンテナの指向性を所望波の方向に主ビームを向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるように適応制御することができる。ここで、参照信号を必要としないので、当該装置の構成を簡単化できる。また、目的関数Jは受信信号y(t)のみで記述されているので、適応制御コントローラ60の計算処理をきわめて簡単に実行できる。
【0052】
以上の実施形態においては、最急勾配法を用いて各可変移相器53−1乃至53−Pの移相量に対応する移相制御電圧vpを計算しているが、本発明はこれに限らず、上述の順次ランダム法、ランダム法、高次元二分法などの非線形計画法における反復的な数値解法を用いてもよい。また、目的関数Jはその逆数を用いてもよい。
【0053】
【実施例】
図5は、図1のエスパアンテナ装置100を用いて実行された、ブラインド適応ビーム形成のシミュレーションのフローを示す図である。このシミュレーションでは、上述の定式化モデルと同様に、非励振素子A0として半波長ダイポールアンテナを用い、非励振素子A1乃至A6として円形アレー配列された6本のダイポールアンテナを用いる。また、エスパアンテナ装置100に到来する所望波と干渉波の到来方向は未知(適応制御)とし、トレーニング信号も用いないこと(ブラインド処理)とする。所望波と干渉波はQPSK変調信号、雑音は加算的ガウス雑音とする。これら所望波、干渉波、雑音は全て同電力かつ相互に無相関とする。簡単のため伝送路における帯域制限フィルタ、遅延広がり、角度広がり、フェージング、ドップラ効果、同期誤差を全て無視する。この条件下で、数12で表された規範に基づいて6個の可変リアクタンス素子12−1乃至12−6のリアクタンス値xkを制御する。その可変範囲は以下の通りである。
【0054】
【数17】
−200<xk<+200Ω(k=1,2,…,6)
【0055】
ここで、エスパアンテナ装置100に接続されるRF受信機の入力インピーダンスはzs=50Ωとする。
【0056】
図5のシミュレーションフローにおいては、干渉波ステアリングベクトル、所望波ステアリングベクトル、アンテナ構造のパラメータ、到来波信号、および雑音に基づいて、ステップSS1乃至SS5の処理を行うことにより当該アンテナビームの適応制御を行い、最後に、指向性アレーファクタおよび出力SINRを計算して出力する(ステップSS6,SS7)。このステップSS1乃至SS7の処理では、受信信号y(t)に基づいて目的関数Jを計算し、リアクタンス行列の更新を行ってリアクタンス行列を計算した後、等価ウエイトベクトルを計算する。そして、等価ウエイトベクトルから指向性アレーファクタを計算する一方、受信信号y(t)と雑音n(t)とから出力SINRを計算している。
【0057】
このシミュレーションにおいては、所望波に加えて干渉波も同時に到来する環境でシミュレーションを行う。所望波および干渉波の到来電力レベルはどちらも受信機の熱雑音レベルの10倍、すなわち、信号:干渉:雑音=S:I:N=10:10:1とする。所望波の到来方向を0度に固定し、干渉波の到来方向が45度、90度、135度、180度とした場合のリアクタンス制御結果と指向性パターン(電力パターン)をそれぞれ図6乃至図9に示す。これらの図面において、外周上の記号DおよびIはそれぞれ所望波と干渉波の到来方位を示す。図6乃至図9の4パターンとも、ほぼ所望波の到来方向へ主ビームが形成されると同時に干渉波の方向に深いヌル点が形成されていることがわかる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明に係るアレーアンテナの制御方法によれば、従来技術のエスパアンテナやリニアアレーアンテナなどのアレーアンテナの制御方法において、当該アレーアンテナによって受信された受信信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号のみで表された目的関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する。従って、参照信号を必要とせずに、アレーアンテナの指向性を所望波の方向に主ビームを向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるように適応制御することができる。ここで、参照信号を必要としないので、当該装置の構成を簡単化できる。また、目的関数は受信信号のみで記述されているので、適応制御処理の計算処理をきわめて簡単に実行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のエスパアンテナ装置100の詳細な構成を示す断面図である。
【図3】 図1の適応制御型コントローラ20によって実行される、最急勾配法による適応制御処理を示すフローチャートである。
【図4】 本発明に係る第2の実施形態であるアレーアンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 図1のエスパアンテナ装置100を用いて実行された、ブラインド適応ビーム形成のシミュレーションのフローを示す図である。
【図6】 図5のシミュレーション結果であって、干渉波方向が45度のときの放射電力パターンを示す指向特性図である。
【図7】 図5のシミュレーション結果であって、干渉波方向が90度のときの放射電力パターンを示す指向特性図である。
【図8】 図5のシミュレーション結果であって、干渉波方向が135度のときの放射電力パターンを示す指向特性図である。
【図9】 図5のシミュレーション結果であって、干渉波方向が180度のときの放射電力パターンを示す指向特性図である。
【符号の説明】
A0…励振素子、
A1乃至A6…非励振素子、
1…低雑音増幅器(LNA)、
2…ダウンコンバータ、
3…A/D変換器、
4…復調器、
5…給電用同軸ケーブル、
11…接地導体、
12−1乃至12−4…可変リアクタンス素子、
20…適応制御型コントローラ、
50…アレーアンテナ、
51−1乃至51−N…アンテナ素子、
52−1乃至52−N…低雑音増幅器(LNA),
53−1乃至53−N…可変移相器、
54…合成器、
55…ダウンコンバータ、
56…帯域通過フィルタ(BPF)、
57…復調器、
58…低域通過フィルタ(LPF)、
59…A/D変換器、
60…適応制御型コントローラ、
61…A/D変換器、
100…エスパアンテナ装置。
Claims (3)
- 無線信号を受信するための励振素子と、
上記励振素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励振素子と、
上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、
上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御方法において、
上記励振素子によって受信された受信信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号のみで表された目的関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定するステップを含むことを特徴とするアレーアンテナの制御方法。 - 複数P個のアンテナ素子が互いに所定の間隔で並置されてなるアレーアンテナで受信された複数P個の受信信号をそれぞれP個の移相手段により所定の移相量だけ移相させた後合成して、合成後の受信信号を出力するアレーアンテナの制御方法において、
上記合成後の受信信号に基づいて、非線形計画法における反復的な数値解法を用いて、上記受信信号のみで表された目的関数の値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各移相手段の移相量を計算して設定するステップを含むことを特徴とするアレーアンテナの制御方法。 - 上記目的関数は、所定の期間における、上記受信信号の絶対値の時間平均値の二乗値を、上記受信信号の絶対値の二乗値の時間平均値で除算した関数であることを特徴とする請求項1又は2記載のアレーアンテナの制御方法。
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