JP2002118414A - アレーアンテナの制御装置及び制御方法 - Google Patents
アレーアンテナの制御装置及び制御方法Info
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Abstract
到来角度を予め与える必要がなく、所望波に主ビームを
向けかつ干渉波にヌルを向けるように適応制御する。 【解決手段】 1つの給電アンテナ素子A0と、6個の
無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6を備えてなる
エスパアンテナのアレーアンテナ装置100を適応制御
するための適応制御型コントローラ40は、相手先の送
信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス
信号をアレーアンテナ装置100の給電アンテナ素子A
0により受信したときの受信信号y(t)と、学習シー
ケンス信号と同一であり学習シーケンス信号発生器41
で発生された学習シーケンス信号r(t)とに基づい
て、図8の適応制御処理を実行してアレーアンテナ装置
100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方
向にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子A1乃
至A6のリアクタンス値xmを計算して設定する。
Description
子からなるアレーアンテナ装置の指向特性を変化させる
ことができるアレーアンテナの制御装置及び制御方法に
関し、特に、電子制御導波器アレーアンテナ装置(Elec
tronically Steerable Passive Array Radiator (ESPA
R) Antenna;以下、エスパアンテナという。)指向特性
を適応的に変化させることができるアレーアンテナの制
御装置及び制御方法に関する。
従来技術文献1「T. Ohira et al., "Electronically s
teerable passive array radiator antennas for low-c
ost analog adaptive beamforming," 2000 IEEE Intern
ational Conference on PhasedArray System & Technol
ogy pp. 101-104, Dana point, California, May 21-2
5, 2000」や特願平11−194487号の特許出願に
おいて提案されている。このエスパアンテナは、無線信
号が給電される放射素子と、この放射素子から所定の間
隔だけ離れて設けられ、無線信号が給電されない少なく
とも1個の非励振素子と、この非励振素子に接続された
可変リアクタンス素子とから成るアレーアンテナを備
え、上記可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化
させることにより、上記アレーアンテナの指向特性を変
化させることができる。
法として、例えば、特願2000−198560号の特
許出願において、各可変リアクタンス素子のリアクタン
ス値を最適化するために、ハミルトニアン法を用いて、
指定した方位角のアンテナ利得を最大にするようなリア
クタンス値を計算している。
来例では、受信信号の到来角度を予め与える必要があ
り、実用的ではなく、また、干渉波に対してヌルを向け
ることができないという問題点があった。
スパアンテナの制御において、受信信号の到来角度を予
め与える必要がなく、所望波に対して主ビームを向けか
つ干渉波に対してヌルを向けるように適応制御すること
ができるアレーアンテナの制御装置及び制御方法を提供
することにある。
テナの制御装置は、無線信号を受信するための放射素子
と、上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた
複数の非励振素子と、上記複数の非励振素子にそれぞれ
接続された複数の可変リアクタンス素子とを備え、上記
各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化させる
ことにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞ
れ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテナの
指向特性を変化させるアレーアンテナの制御装置におい
て、上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順
次所定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対
する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算さ
れた傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大又は
最小となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所
望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるため
の各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して
設定する制御手段を備えたことを特徴とする。
いて、上記制御手段は、好ましくは、相手先の送信機か
ら送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を
上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、
上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発
生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数
値を計算し、当該評価関数値が最大となるように制御
し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学
習シーケンス信号との間の相互相関係数であることを特
徴とする。
おいて、上記制御手段は、好ましくは、相手先の送信機
から送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号
を上記アレーアンテナにより受信したときの受信信号
と、上記学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段
で発生された学習シーケンス信号とに基づいて上記評価
関数値を計算し、当該評価関数値が最小となるように制
御し、上記評価関数は、上記受信信号と上記発生された
学習シーケンス信号との間の二乗誤差であることを特徴
とする。
置において、上記制御手段は、好ましくは、相手先の送
信機から送信される無線信号を上記アレーアンテナによ
り受信したときの受信信号に基づいて上記評価関数値を
計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上
記評価関数は、上記受信信号の包絡線が一定値となると
きに最小となる関数であることを特徴とする。
方法は、無線信号を受信するための放射素子と、上記放
射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数の非励
振素子と、上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された
複数の可変リアクタンス素子とを備え、上記各可変リア
クタンス素子のリアクタンス値を変化させることによ
り、上記複数の可変リアクタンス素子をそれぞれ導波器
又は反射器として動作させ、アレーアンテナの指向特性
を変化させるアレーアンテナの制御方法において、上記
各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所定の
シフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定
の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された傾斜
ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大又は最小とな
るように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波の方
向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変
リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定する
ステップを含むことを特徴とする。
る実施形態について説明する。
アンテナの制御装置の構成を示すブロック図である。こ
の実施形態のアレーアンテナの制御装置は、図1に示す
ように、1つの給電アンテナ素子A0と、6個の無給電
可変リアクタンス素子A1乃至A6とを備えてなる従来
技術のエスパアンテナで構成されたアレーアンテナ装置
100と、適応制御型コントローラ40と、学習シーケ
ンス信号発生器41とを備える。
例えばコンピュータなどのディジタル計算機で構成さ
れ、復調器42による無線通信を開始する前に、相手先
の送信機から送信される無線信号に含まれる学習シーケ
ンス信号を上記アレーアンテナ装置100の給電アンテ
ナ素子A0により受信したときの受信信号y(t)と、
上記学習シーケンス信号と同一であり学習シーケンス信
号発生器41で発生された学習シーケンス信号r(t)
とに基づいて、図8の適応制御処理を実行することによ
り上記アレーアンテナ装置100の主ビームを所望波の
方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可
変リアクタンス素子A1乃至A6のリアクタンス値xm
(m=1,2,…,6)を計算して設定することを特徴
としている。具体的には、適応制御型コントローラ40
は、各可変リアクタンス素子A1乃至A6のリアクタン
ス値xm(m=1,2,…,6)を順次所定のシフト量
Δxmだけ摂動させ、各リアクタンス値に対する所定の
評価関数(本実施形態では、数23で表される、受信信
号y(t)と上記発生された学習シーケンス信号r
(t)との間の相互相関係数ρn)の値の傾斜ベクトル
を計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価
関数値が最大となるように、上記アレーアンテナ装置1
00の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向
にヌルを向けるための各可変リアクタンス素子A1乃至
A6のリアクタンス値xm(m=1,2,…,6)を計
算して設定する。
れた無線信号は、アレーアンテナ装置100で受信さ
れ、その給電アンテナ素子A0から出力される信号は、
低雑音増幅、中間周波又はバースバンドへの周波数変換
などの処理を行う高周波受信部35を介して、受信信号
y(t)として適応制御型コントローラ40及び復調器
42に伝送される。上記適応制御型コントローラ40
は、上述の適応制御処理を実行してアレーアンテナの制
御装置100の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉
波の方向にヌルを向けるように適応制御した後、復調器
42による無線通信が開始される。ここで、復調器42
は、受信された受信信号y(t)に対して、復調などの
処理を実行して復調信号を得て出力する。
テナで構成されたアレーアンテナ装置100の構成につ
いて説明する。アレーアンテナ装置100においては、
図2に示すように、給電アンテナ素子A0と、6本の無
給電可変リアクタンス素子A1乃至A6とがそれぞれ、
各無給電可変リアクタンス素子A0乃至A6の長さl
o,lm(m=1,2,…,6)に対して十分に大きい
広さを有する導体板にてなる接地導体11から電気的に
絶縁され、かつ給電アンテナ素子A0を中心とする例え
ば半径d=λ/4(但しλは波長)の円形形状の位置に
互いに同一の60度の間隔で無給電可変リアクタンス素
子A1乃至A6が配置されるように設けられる。ここ
で、アレーアンテナ装置100は、可逆回路であって、
送信アンテナとして用いるときは、給電アンテナ素子A
0のみに無線信号が給電される一方、受信アンテナとし
て用いるときは、相手先の送信機からの無線信号が給電
アンテナ素子A0により受信信号y(t)として受信さ
れる。
例えばλ/4の所定の長手方向の長さloを有し接地導
体11とは電気的に絶縁された円柱形状の放射素子6を
備え、放射素子6により受信された無線信号を伝送する
同軸ケーブル20の中心導体21は放射素子6の一端に
接続され、その外部導体22は接地導体11に接続され
る。これにより、放射素子6により受信された無線信号
を同軸ケーブル20を介して、さらには高周波受信部3
5を介して適応制御型コントローラ40及び復調器42
に伝送する。
素子A1乃至A6はそれぞれ、例えばλ/4の所定の長
手方向の長さlm(m=1,2,…,6)を有し接地導
体11とは電気的に絶縁された円柱形状の非励振素子7
と、リアクタンス値xm(m=1,2,…,6)を有す
る可変リアクタンス素子23とを備えて同様の構造を有
して構成される。ここで、非励振素子7の一端は可変リ
アクタンス素子23を介して接地導体11に対して高周
波的に接地される。例えば放射素子6と非励振素子7の
長手方向の長さが実質的に同一であると仮定したとき、
例えば、可変リアクタンス素子23がインダクタンス性
(L性)を有するときは、可変リアクタンス素子23は
延長コイルとなり、無給電可変リアクタンス素子A1乃
至A6の電気長が給電アンテナ素子A0に比較して長く
なり、反射器として働く。一方、例えば、可変リアクタ
ンス素子23がキャパシタンス性(C性)を有するとき
は、可変リアクタンス素子23は短縮コンデンサとな
り、無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6の電気長
が給電アンテナ素子A0に比較して短くなり、導波器と
して働く。実際の適用では、リアクタンスxmは、−3
00Ωから300Ωまで等の一定範囲に制約することが
できる。
の詳細な構成を示す断面図であり、図5の好ましい実施
形態では、可変リアクタンス素子23として可変容量ダ
イオードDを用いている。
どの誘電体基板10の上面に接地導体11が形成され、
放射素子6は、接地導体11から電気的に絶縁されつ
つ、誘電体基板10を厚さ方向に貫通して支持されてい
る。また、非励振素子7は接地導体11から電気的に絶
縁されつつ、誘電体基板10を厚さ方向に貫通して支持
される。ここで、非励振素子7の一端は可変容量ダイオ
ードD及び、誘電体基板10を厚さ方向に貫通して充填
形成されてなるスルーホール導体12を介して接地導体
11に高周波的に接地されるとともに、抵抗Rを介して
端子Tに接続される。また、端子Tは高周波バイパス用
キャパシタC及び、誘電体基板10を厚さ方向に貫通し
て充填形成されてなるスルーホール導体13を介して接
地導体11に高周波的に接地される。
により電圧制御される可変電圧直流電源30が接続さ
れ、これにより、可変容量ダイオードDに印加する逆バ
イアス電圧を変化させることにより、可変容量ダイオー
ドDにおける静電容量値を変化させる。これにより、非
励振素子7を備えた無給電可変リアクタンス素子A1の
電気長を、給電アンテナ素子A0に比較して変化させ、
当該アレーアンテナ装置100の平面指向性特性を変化
させることができる。さらに、他の非励振素子7を備え
た無給電可変リアクタンス素子A2乃至A6も同様に構
成されて同様の作用を有する。
置100は、エスパアンテナと呼ばれる。本実施形態で
はさらに、図1のアレーアンテナ装置100において、
各無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6に接続され
た可変リアクタンス素子23のリアクタンス値を変化さ
せることにより、アレーアンテナ装置100の全体の平
面指向性特性を適応的に制御するための制御装置及び制
御方法を提供する。
ナ装置100のための適応制御型コントローラ40から
の出力信号であるリアクタンス値信号を、これらの6個
のリアクタンスの関数として簡単に定式化する。本実施
形態では、各可変リアクタンス素子23のリアクタンス
値を成分として持つ、
記リアクタンスベクトルは可変であるので、アレーアン
テナ装置100の指向性パターンの形成に使用する。
(t)を、
0のm番目(m=0,1,…,6)のアンテナ素子Am
(すなわち給電アンテナ素子又は無給電リアクタンス素
子)で受信されるRF信号であり、上付き文字Tはベク
トル又は行列の転置を表す。次に、アレーアンテナ装置
100の単一ポートのRF出力信号である受信信号y
(t)(以下の原理説明では、説明の便宜上、高周波受
信部35の前段での高周波信号(RF信号)をいう。)
は次式によって与えられる。
imとして持つベクトルである。
よれば、RF電流ベクトルiは次式のように定式化され
る。
位行列であり、対角行列
ーラ40及び復調器42の入力インピーダンスx0は一
定であり、本実施形態では、一般性を失うことなくx0
=0と仮定している。さらに、数5では、ベクトルy0
は、
のとする。ここで、成分yklはアンテナ素子AkとAl
との間(0≦k,l≦6)の相互アドミタンスを表す。
0の場合、ベクトルy0及びアドミタンス行列Yは、相
互アドミタンスの6個の成分のみで決定される。これに
ついて以下に説明する。
ンテナ装置と同様に次式が成り立つ。
テナ素子Amの巡回対称性は次式を含意している。
ス行列が相互アドミタンスの6個の成分y00,y10,
y11,y21,y31及びy41のみによって決定されることを意
味している。6つの成分の値は、アンテナ素子Amの半
径、空間間隔及び長さ等のアンテナの物理的構造に依存
し、よってこれは一定である。これまでの説明を要約し
て、数5におけるアドミタンス行列Yを次式のように表
記する。
ができる。
で受信される数3における信号ベクトルs(t)は測定
不能であることは強調すべき点である。これは、アンテ
ナ素子上で受信される信号ベクトルが観測される通常の
適応型アレーアンテナとは異なる。アレーアンテナ装置
100の場合は、単一ポート出力である受信信号y
(t)のみが測定可能であり、これだけが数1のリアク
タンスベクトルxを制御するフィードバックとして使用
される。さらに残念ながら、数5が示すように、単一ポ
ート出力である受信信号y(t)はリアクタンスベクト
ルxの高次の非線形関数であって、逆行列の演算を含ん
でおり、これが適応性能の解析的表現の生成を困難にし
ている。また、数5における電流ベクトルiは通常の適
応型アレーの重み係数ベクトルに相当することも注意さ
れるべきである。電流ベクトルiの各成分は、通常の適
応型アレーの重み係数ベクトルとは違って独立ではなく
互いに結合していることは数5から明らかである。上述
の議論は、通常の適応型アレーアンテナの制御アルゴリ
ズムの大部分は、エスパアンテナの技術を適用されたア
レーアンテナ装置100に直接に適用することが不可能
であることを含意している。従って、特に、エスパアン
テナのための適応制御用アルゴリズムを提案することが
望ましい。
100を適応型にするために、受信される信号のモデル
を提案する。論考を進める前に、アレーアンテナ装置1
00の操向ベクトルを与えておく。図6に示されるよう
な(6+1)素子のアレーアンテナ装置100について
考察する。
対して角度
上記任意の軸を基準軸として角度θの到来角度(DO
A)から到来し、アレーアンテナ装置100上で受信さ
れる波面が観測されるとき、m番目の無給電リアクタン
ス素子Amと0番目の給電アンテナ素子A0の対が受信
する信号間にはd・cos(θ−φm)の空間的遅延が存在す
る。波長λによって、この空間的遅延は、(2π/λ)
d・cos(θ−φm)によって定義される電気的角度差に変
換される。従って、角度θのDOAにおけるアレーアン
テナ装置100の操向ベクトルは、半径がd=λ/4で
ある場合、次式で定義される。
拡張することができる。DOAがθ q(q=0,1,
…,Q)である到来受信信号uq(t)を送信する信号源
が合計Q+1個あると仮定する。sm(t)(m=0,
1,…,6)はアンテナのm番目のアンテナ素子Amで
受信される信号を表し、またs(t)をm番目の成分に
s m(t)を有する列ベクトルであるとする。信号s
m(t)は、Q+1個の信号源からの信号の重ね合わせで
ある。
…,6)は、θの代わりにθqを有する数18の第m成
分である。このとき、アンテナ素子Amに現れる列ベク
トルs(t)は、次式のように表すことができる。
q),…,a6(θq)]T は、θの代わりにθqを有する数18において定義され
た操向ベクトルである。数3から、アレーアンテナ装置
100の出力信号である受信信号y(t)は次式のよう
に表記することができる。
(t)は、数1のリアクタンスベクトルxの関数であ
る。
00の適応制御処理について説明する。この適応制御処
理で使用している学習シーケンス信号r(t)は、相手
先の送信機と受信機の双方に知られていると仮定する。
表記法の約束を少し変更し、本実施形態では、以後も受
信信号y(t)によってアレーアンテナ装置100のR
F出力の等価低域通過信号を表記する。
される評価関数は、平均2乗誤差である。この誤差が2
つの信号の差分を表すのに対して、相互相関係数は近似
性を表すことは周知である。平均2乗誤差の代わりに、
我々の適応制御処理では相互相関係数を採用している。
ここにおける我々の目的は、アンテナの出力である受信
信号y(t)と学習シーケンス信号r(t)の間の相互
相関係数が可能な限り大きくなるような数1のリアクタ
ンスベクトルxを発見することにある。
(t)及び学習シーケンス信号r(t)の離散的時間サ
ンプルであるP次元ベクトルと仮定する。時刻nにおけ
る受信信号y(n)と学習シーケンス信号r(n)との
間の相互相関係数は、次式のように定義される。
置を表す。これにより、勾配ベクトルは次式のように定
義される。
トルxについての導関数を表す。
限り大きくするような良好なリアクタンスベクトルxを
発見するためには、以下の手順を用いる。 (i)最初に、時刻n(すなわち、n回目の反復)を1
に設定し、任意に選択したリアクタンスベクトルの初期
値x(1)によって開始する。典型的には、初期の指向
性パターンが全方向性であるとき、リアクタンスベクト
ルの初期値x(1)はゼロベクトルに等しく設定され
る。 (ii)次いで、この初期値又は現在の推定値を使用し
て、時刻n(すなわち、n回目の反復)における勾配ベ
クトル∇ρnを計算する。 (iii)勾配ベクトルの方向と同一の方向に初期値又
は現在の推定値を変更することで、リアクタンスベクト
ルにおける次の推定値を計算する。 (iv)ステップ(ii)に戻って処理を繰り返す。
図を表す図8を参照して以下のようなステップを実行す
る。この適応制御処理は、図1の復調器42が無線通信
を開始する前に、相手先の送信機からの学習シーケンス
信号を含む無線信号を受信しているときに実行される。
て、n=1に設定し、時刻n(n回目の反復)における
数1のリアクタンスベクトルx(n)を、任意に選択し
たリアクタンスベクトルの初期値x(1)に設定する。
次いで、ステップS2において、図8の内ループを開始
する前に、パラメータm=0とし、ステップS3におい
て、受信信号y(t)を測定する。そして、ステップS
4において、数23を用いて相互相関係数ρnを計算
し、上記相互相関係数ρnを摂動前の基準係数(非摂動
の係数)ρn (0)に代入する。さらに、ステップS5にお
いて、パラメータmを1だけインクリメントし、ステッ
プS6において、リアクタンスベクトルの第m成分xm
をΔxmだけ摂動させる。そして、ステップS7におい
て、受信信号y(t)を測定し、ステップS8におい
て、数23を用いて相互相関係数ρnを計算する。次い
で、ステップS9において、相互相関係数のリアクタン
スベクトルxについての傾きを示す導関数∂ρn/∂xi
を、ρn−ρn (0)によって計算する。さらに、ステップ
S10において、ステップS6で摂動させたリアクタン
スベクトルの第m成分xmを元に戻す。そして、ステッ
プS11において、パラメータmが無給電可変リアクタ
ンス素子A1乃至A6の数M=6よりも小さいか否かを
判断し、m<Mのときは内ループでステップS5に戻る
一方、m≧MのときはステップS12に進む。
法に従って、再帰的関係を使用して次のように時刻n+
1におけるリアクタンスベクトルxの更新値x(n+
1)を計算する。
であり、例えばμ=150に設定される。次いで、ステ
ップS13において、nを1だけインクリメントし、ス
テップS14において、nが予め決定された反復回数N
に達していないかどうかを判断し、n≦Nのとき外ルー
プによりステップS2に戻る一方、n>Nのときは当該
適応制御処理を終了する。以上の適応制御処理により、
評価関数値を最大にするように収束させることができ、
所望波の到来角度が未知でも、アレーアンテナの制御装
置100の主ビームを所望波に向けかつ干渉波にヌルを
向けるように適応制御することができる。
ンスベクトルxの連続的な補正は、相互相関係数が大き
いという意味で結局は良好なリアクタンスベクトルxと
なることは、直観的にも妥当である。
ては、幾つか困難のある場合がある。上述のように、こ
れは、(a)受信信号y(t)の表現における、取り扱
いが難しい逆行列の演算の存在により、勾配ベクトルを
リアクタンスベクトルxの関数として解析的に表すこと
は容易ではない(数3及び数5参照)、(b)アレーア
ンテナ装置100の給電アンテナ素子A0及び無給電ア
ンテナ素子A1乃至A6の各々で受信される信号ベクト
ルを観測できない、という事実に起因している。
ル∇ρnの推定値は、偏導関数の有限の差分による近似
値の使用によって導出されている。特に、リアクタンス
xiに関する1階の偏導関数∂ρn/∂xiが、リアクタン
スxmをxm+Δxmへと増分をとることによって相互相
関係数ρnの変動値に近似される。
て、リアクタンスベクトルx(n+1)を算出する。これ
らのステップをn=1からn=Nまで繰り返し、十分大
きいNについて、相互相関係数ρNが大きいという意味
で良好なリアクタンスベクトルx(N+1)を得る。
は、一度にただ1つの勾配ベクトル∇ρnの成分しか算
出されない。リアクタンスベクトルxの全成分を逐次的
に摂動し、数25の各反復に対して1つの勾配ベクトル
を得る。図7は、使用した学習シーケンス信号r(t)
の枠組み構造を示している。データブロックr(i)
(i=1,2,…,N)はそれぞれ、1と−1とからな
る擬似ランダム信号であり、データブロックr(1),
r(2),…,r(N)のそれぞれは、図8のステップ
S5からステップS11までのループにおいて、相関係
数の勾配ベクトルのM+1個(本実施形態においてはM
=6)の成分を計算するためにM+1回ずつ繰り返され
る、すなわち一度の繰り返しにM+1回のデータブロッ
クr(i)の伝送を必要とする。ここで、M+1回のデ
ータブロックr(i)は、1つの非摂動時に受信信号y
(t)と、M個の摂動時の受信信号y(t)を測定する
ために用いられる。この場合、各データブロックのシン
ボル数r(i)をPとすると、上記勾配ベクトルからリ
アクタンスの推定値を計算することをN回繰り返すの
で、学習シーケンス信号r(t)はP×(M+1)×N
個のシンボルからなる。
態によれば、適応制御型コントローラ40は、復調器4
2による無線通信を開始する前に、相手先の送信機から
送信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上
記アレーアンテナ装置100の給電アンテナ素子A0に
より受信したときの受信信号y(t)と、上記学習シー
ケンス信号と同一であり学習シーケンス信号発生器41
で発生された学習シーケンス信号r(t)とに基づい
て、図8の適応制御処理を実行することにより上記アレ
ーアンテナ装置100の主ビームを所望波の方向に向け
かつ干渉波の方向にヌルを向けるための各可変リアクタ
ンス素子A1乃至A6のリアクタンス値x m(m=1,
2,…,6)を計算して設定する。従って、本実施形態
に係るアレーアンテナの制御装置又は制御方法は、ハミ
ルトニアン法を用いた従来例に比較して、所望波の到来
角度が未知でも所望波に主ビームを向けかつ干渉波にヌ
ルを向けるように適応制御することができる。
本の無給電可変リアクタンス素子A1乃至A6を用いて
いるが、その本数は少なくとも複数本あれば、当該アレ
ーアンテナ装置の指向特性を電子的に制御することがで
きる。それに代わって、6個よりも多くの無給電可変リ
アクタンス素子を備えてもよい。また、無給電可変リア
クタンス素子A1乃至A6の配置形状も上記の実施形態
に限定されず、給電アンテナ素子A0から所定の距離だ
け離れていればよい。すなわち、各無給電可変リアクタ
ンス素子A1乃至A6に対する間隔dは一定でなくても
よい。
容量ダイオードDに限定されず、リアクタンス値を制御
可能な素子であればよい。可変容量ダイオードDは一般
に容量性の回路素子なので、リアクタンス値は常に負の
値となる。なお、表1の数値例では、インピーダンスZ
としてゼロや正の値を用いている。上記可変リアクタン
ス素子23のリアクタンス値は、正から負の値までの範
囲の値をとってもよく、このためには、例えば可変容量
ダイオードDに直列に固定のインダクタを挿入するか、
もしくは、非励振素子7の長さをより長くすることによ
り、正から負の値までにわたってリアクタンス値を変化
させることができる。
の評価関数として相互相関係数ρnを用いたが、本発明
はこれに限らず、他の関数を用いてもよい。その例とし
て、2乗誤差基準と定包絡線基準について説明する。2
乗誤差基準の評価関数は、次式で表される。
E[・]はアンサンブル平均を表す。また、受信信号y
(t)及び学習シーケンス信号r(t)は、次式のごと
く正規化されている。
応制御型コントローラ40は、評価関数値Jが最小とな
るように適応制御する。
線基準の評価関数は、次式で表される。
y’(t)によって正規化されている。このときは学習
シーケンス信号r(t)は不要であるが、受信信号の包
絡線が一定値となるようなシステムでしか使用できな
い。それは、具体的にはFM、BPSK、QPSK等の
変調方式を採用するシステムである。定包絡線基準の評
価関数を用いたとき、適応制御型コントローラ40は、
相手先の送信機から送信される無線信号をアレーアンテ
ナ装置40により受信したときの受信信号y(t)に基
づいて上記評価関数値を計算し、当該評価関数値が最小
となるように制御し、上記評価関数は、上記受信信号の
包絡線が一定値となるときに最小となる関数である。
ス信号r(t)を構成する各データブロックr(i)
(i=1,2,…,N)は、シンボル数P=10である
擬似ランダム信号であったが、他のシンボル数の信号で
あってもよい。また、学習シーケンスを用いた適応制御
処理は、通信の最初に行っても、ある時間周期毎に行っ
てもよい。
装置を用いたシミュレーションとその結果について説明
する。
における逆行列の存在(数3及び数5参照)は、その性
能の解析的に記述することを困難にすることが考えられ
る。提案されたアルゴリズム及びアンテナ性能を検証す
るためにシミュレーションを実施した。我々のシミュレ
ーションでは、(6+1)素子のエスパアンテナで構成
されたアレーアンテナ装置100を使用している。給電
アンテナ素子A0及び無給電リアクタンス素子A1乃至
A6はそれぞれλ/4長のモノポール素子である。我々
は、全ての到来信号uq(t)(q=0,1,…,Q)
のパワーを1となるように選択した。ノイズはないもの
と仮定した。全てのシミュレーションを通じて、数23
に定義された相互相関係数の各計算のためのデータブロ
ックのシンボル数は、P=10に設定された。
るケースについて考える。入力信号対干渉波電力比(以
下、信号対干渉波電力比をSIRという。)は、到来信
号が1のパワーである仮定により0dBである。N=8
00の反復後は、図9に示すように、ビームは所望する
信号の0゜に向けられ、また、135゜における干渉波
信号に向けてより深いヌルが形成される。このとき、2
8.26dBの出力SIRが取得される。図10は、図
9の指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する
相互相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。到来
信号の学習に使用されたシンボル数は、
=56000 個である。
いて考察する。これらの到来信号のDOAは[0°,4
0°,55°,220°,305°]であり、1つを所
望された所望波信号とし、他の4つを干渉波信号とし
て、−6.02dBの入力SIRを有している。指向性
パターンを図11乃至図15に示す。図面はそれぞれ、
所望波信号が0゜,40゜,55゜,220゜,305
゜から到来している状況に対応し、出力SIRはそれぞ
れ9.09dB,−1.41dB,2.67dB,2
0.03dB,10.28dBである。図12及び図1
3は、40゜と55゜の間の角度の分離が僅かである混
雑したDOAのケースに関する2つの指向性パターンを
示している。両信号は主要ビームとなり、より低い値の
出力SIRは性能を低下させる。ここで、図12及び図
13からは、このように僅かな角度分離の場合でも、エ
スパアンテナの技術を適用され、かつ適応的に制御され
るアレーアンテナ装置100を使用すれば干渉効果を減
少させ、SIR利得(即ち、出力と入力とのSIR差)
を各々約4.60dB及び8.69dB向上できる。図1
1乃至図15のこれらのパターンは、N=1000の反
復の後に取得される。学習シーケンスにおけるシンボル
数は、合計(7×104)である。図16は、図11の
指向性パターンを得たときの、反復回数nに対する相互
相関係数ρnの収束特性を示すグラフである。
ーションと同一のDOA及び入力SIRを有する5つの
信号源からの到来信号の適応制御処理を、反復回数を減
らして(N=100)再現する。図17が示すように、
ビームは所望される角度0゜に向かって形成され、他の
DOA(すなわち40゜,55゜,220゜及び305
゜)からの干渉波信号は抑圧されている。このように少
ない反復回数であっても、6.58dBの出力SIRは
なおも確立されている。図18は、図17の指向性パタ
ーンを得たときの、反復回数nに対する相互相関係数ρ
nの収束特性を示すグラフである。
れ、かつ適応的に制御されるアレーアンテナ装置100
の出力SIRの統計的性能について考察する。図19
(N=40のとき)及び図20(N=1000のとき)
は、Zで表される出力SIRが横座標の与えられた実数
zを越える確率Pr(Z≧z)を示している。これらの
図面に関わる計算に際しては、所望された信号は角度0
゜から到来するものとし、干渉波信号のDOAは0゜乃
至359゜の範囲で一様にランダムであるように設定し
ている。これらの統計では、1000セットのDOAを
全て使用している。曲線は、干渉波信号の数Q=1,
2, 3及び4のケースが描かれている。これらの曲線を
どう解釈するかについての例として、図20は、Q=4
の場合に、この適応型アンテナが少なくとも20dBの
出力SIR(言い替えれば26.02dBのSIR利
得)を80%の確率で供給可能であることを含意してい
る。図19と図20を比較すると、より多い反復回数
が、本実施形態のアレーアンテナ装置100の出力SI
Rを増大させることが分かる。
ムは、アンテナ出力と学習シーケンス信号との間の相互
相関係数が大きいという意味で良好な解法を得ている。
実施例のシミュレーションで示したように、エスパアン
テナの技術を適用されたアレーアンテナ装置100の場
合、提案された適応制御アルゴリズムによるSIRの改
善は、幾つかの実際的状況において受容可能なものであ
る。すなわち、7素子のアレーアンテナ装置100が少
なくとも約26dBのSIR利得を80%の確率で供給
できることを示している。本発明に係る適応制御処理の
アルゴリズムの開発は、複雑性の低いエスパアンテナの
技術を、無線移動体の端末等に適応可能であり、適用可
能なものにしている。
アンテナの制御装置によれば、従来技術のエスパアンテ
ナの制御装置において、各可変リアクタンス素子のリア
クタンス値を順次所定のシフト量だけ摂動させ、各リア
クタンス値に対する所定の評価関数値の傾斜ベクトルを
計算し、計算された傾斜ベクトルに基づいて当該評価関
数値が最大又は最小となるように、上記アレーアンテナ
の主ビームを所望波の方向に向けかつ干渉波の方向にヌ
ルを向けるための各可変リアクタンス素子のリアクタン
ス値を計算して設定する。従って、ハミルトニアン法を
用いた従来例に比較して、所望波の到来角度が未知でも
所望波に主ビームを向けかつ干渉波にヌルを向けるよう
に適応制御することができる。特に、ハミルトニアン法
を用いた従来例では、干渉波にヌルを向けることができ
ないが、本発明では、干渉波にヌルを向けることができ
るという特有の効果を有する。
ば、移動体通信端末用のアンテナとしてノートパソコン
やPDAのような電子機器へ装着が容易であり、また、
水平面のどの方向へ主ビームを走査した場合でも、すべ
ての無給電可変リアクタンス素子が導波器又は反射器と
して有効に機能し、到来波および複数の干渉波に対する
指向特性の制御もきわめて好適である。
の制御装置の構成を示すブロック図である。
す斜視図である。
式図である。
A6の構成を示す模式図である。
成を示す断面図である。
す平面図である。
て発生される学習シーケンス信号の構成を示すシーケン
ス図である。
行される適応制御処理を示すフローチャートである。
ーション結果であって、信号源が2つの場合の指向性パ
ターンを示すグラフである。
回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグラ
フである。
レーション結果であって、信号源が5つで0°方向を所
望波信号とする場合の水平面指向性パターンである。
レーション結果であって、信号源が5つで40°方向を
所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグ
ラフである。
レーション結果であって、信号源が5つで55°方向を
所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグ
ラフである。
レーション結果であって、信号源が5つで220°方向
を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示す
グラフである。
レーション結果であって、信号源が5つで305°方向
を所望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示す
グラフである。
復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグ
ラフである。
レーション結果であって、信号源が5つで0°方向を所
望波信号とする場合の水平面指向性パターンを示すグラ
フである。
復回数nに対する相互相関係数ρnの収束特性を示すグ
ラフである。
回数が40回であるときの出力SIRが横軸の値を超え
る確率を示すグラフである。
回数が1000回であるときの出力SIRが横軸の値を
超える確率を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 無線信号を受信するための放射素子と、 上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数
の非励振素子と、 上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変
リアクタンス素子とを備え、 上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化さ
せることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそ
れぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテ
ナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御装置に
おいて、 上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所
定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する
所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された
傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大又は最小
となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波
の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各
可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定
する制御手段を備えたことを特徴とするアレーアンテナ
の制御装置。 - 【請求項2】 上記制御手段は、相手先の送信機から送
信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記
アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記
学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生さ
れた学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を
計算し、当該評価関数値が最大となるように制御し、上
記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シー
ケンス信号との間の相互相関係数であることを特徴とす
る請求項1記載のアレーアンテナの制御装置。 - 【請求項3】 上記制御手段は、相手先の送信機から送
信される無線信号に含まれる学習シーケンス信号を上記
アレーアンテナにより受信したときの受信信号と、上記
学習シーケンス信号と同一であり当該制御手段で発生さ
れた学習シーケンス信号とに基づいて上記評価関数値を
計算し、当該評価関数値が最小となるように制御し、上
記評価関数は、上記受信信号と上記発生された学習シー
ケンス信号との間の二乗誤差であることを特徴とする請
求項1記載のアレーアンテナの制御装置。 - 【請求項4】 上記制御手段は、相手先の送信機から送
信される無線信号を上記アレーアンテナにより受信した
ときの受信信号に基づいて上記評価関数値を計算し、当
該評価関数値が最小となるように制御し、上記評価関数
は、上記受信信号の包絡線が一定値となるときに最小と
なる関数であることを特徴とする請求項1記載のアレー
アンテナの制御装置。 - 【請求項5】 無線信号を受信するための放射素子と、 上記放射素子から所定の間隔だけ離れて設けられた複数
の非励振素子と、 上記複数の非励振素子にそれぞれ接続された複数の可変
リアクタンス素子とを備え、 上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を変化さ
せることにより、上記複数の可変リアクタンス素子をそ
れぞれ導波器又は反射器として動作させ、アレーアンテ
ナの指向特性を変化させるアレーアンテナの制御方法に
おいて、 上記各可変リアクタンス素子のリアクタンス値を順次所
定のシフト量だけ摂動させ、各リアクタンス値に対する
所定の評価関数値の傾斜ベクトルを計算し、計算された
傾斜ベクトルに基づいて当該評価関数値が最大又は最小
となるように、上記アレーアンテナの主ビームを所望波
の方向に向けかつ干渉波の方向にヌルを向けるための各
可変リアクタンス素子のリアクタンス値を計算して設定
するステップを含むことを特徴とするアレーアンテナの
制御方法。
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