JP4805849B2 - 周波数補償通信受信 - Google Patents

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Description

本発明は、周波数補償通信受信に関し、より詳細には、そのような受信のための方法、装置およびコンピュータプログラムに関する。
どんな無線通信受信器でも、効果的に機能するためには、最初にインタレスト信号を取得しなければならない。これは、実際には、従来のスーパーヘテロダイン技法に関連する困難な問題をもたらす可能性がある。すなわち、送信器は、送信用信号周波数を高周波数ローカル発振器(LO)信号とミックスすることによって無線周波数(RF)にアップコンバートする。受信器は、受信した信号をLO信号とミックスすることによってベースバンドにダウンコンバートする。しかし、送信LOと受信LOは正確には同じ周波数でない可能性があり、たとえそうであっても完全には相殺しないので、ベースバンド信号は、受信器が必要とする信号を取得するのを難しくする、あるいは不可能にさえする可能性のある残留周波数オフセットを有する。大気中の信号伝播や送受信器間の相対運動から生じる周波数オフセットを引き起こす原因もある。また、干渉や雑音もあり得る。
通信信号をより認識可能にするために、通信信号の中にトレーニングシーケンス、すなわち所期の受信器に知られている一連の予め準備されたデータを組み込むことが知られている。たとえば、標準化協定、北大西洋条約機構、Military Agency for Standardization、「Characteristics of 1200/2400/3600 bits per second single tone modulators/demodulators for HF radio links」、1989年、を参照されたい。デジタル通信信号は、「フレーム」として知られているデータのブロックとして送信され、トレーニングシーケンスは一般にフレームの初めの予め準備された位置にある。受信器は、トレーニングシーケンスを受信信号と相関させ、高い相関に達した場合、トレーニングシーケンスは受信信号内に入れられている。その場合、受信器は検出が生じたことを宣言することができる。相関は、相関の大きさが最適値の1dB程度以内であるように、受信信号の実際の周波数に十分近い周波数で実行される必要がある。
しかし、信号が入っている周波数不確実性範囲ΔFが分かっていても、受信信号の実際の周波数オフセットは分からない可能性がある。これは、信号取得中は、知られている全周波数範囲にわたる探索が必要であることを意味する。最も簡単な手法は、2つの隣接する試験周波数間の受信信号の相関損失が1dBの領域にあるか、好ましくはそれより少ない領域にあるのに十分なほど周波数が近接している、知られている周波数範囲内の試験周波数オフセットのセットを使用することである。検出パラメータまたは統計値は、周波数オフセットごとに計算され、トレーニングシーケンスとそのオフセットを有する信号の間で得られた相関度を示す。その場合、最大相関度に関連するオフセットが実際の信号オフセットであるとみなされる。ここでの問題は、試験周波数オフセットの大きなセットが必要になる可能性があることであり、これは、検出パラメータを算出するために面倒な計算を必要とする。
ドップラー周波数オフセットから生じる影響は、信号の取得を危うくする可能性がある。たとえば、直接拡散方式(DS−SS)ベースの、約2GHzの搬送波周波数fを有する第3世代ユニバーサル移動電話システム(3G UMTS)などの民事用移動通信システムでは、周波数オフセットは、送信器/受信器LOミスマッチのために、最低でも6.5kHzであるようである。相対運動はさらに数百Hzのオフセットの原因になる。したがって、モバイルハンドセットと基地局はどちらも信号の取得を遂行するためにドップラーに対処することができる必要がある。ドップラー効果は、厳密に言えば相対運動に関連する周波数シフトにしか関係がないが、信号取得技術では、周波数オフセットを引き起こす全ての原因を集合的に表すために使用される。DS−SSシステムではLOドリフトの影響は1チップ未満に制限されなければならず、そうしないと、信号は失われる。ここで「チップ」はDS−SS通信分野での技術用語である。DS−SSシステムの送信器で、レートRの信号のデータビットに、レートRで値が変化する拡散コードの要素を掛ける。ただし、R>Rである。拡散コードの要素は「チップ」と呼ばれ、変化速度Rはチップレートと呼ばれる。通信技術で定義される他の便利な用語には「正規化ドップラー」があり、これはドップラーオフセットfと記号時間間隔Tまたはチップ時間間隔Tの積fTまたはfである。たとえば、許容可能な性能としては、軍事用HF多値(M−ary)位相偏移変調(MPSK)通信システムは、一般に|fT|<0.03125を有し、民事用UMTSは|f|<0.0017を有するべきである。トレーニングシーケンスと、ドップラーオフセットfを有する信号との間で得られる相関度は、|sinc(πLfT)|または|sinc(πLf)|に比例し、ここでLはトレーニングシーケンス内の記号またはチップの数である。これは、相関に基づく信号取得プロセスでは、大きなドップラーオフセットと長いトレーニングシーケンスのどちらにも同時に対応することは通常不可能であることを意味する。
信号取得は、単一のアンテナ要素または複数のアンテナ要素を有する受信器を用いて実行されることができる。干渉や雑音がある中で複数のアンテナ要素を有する受信器を用いて信号取得を行うためには、アンテナ要素を全てつなぎ合せて使用することが知られている。1つの方法は、Brennan L.E.およびReed I.S.によって、「An Adaptive Array Signal Processing Algorithm for Communications」、IEEE Trans.On Aerospace and Electronic Systems、Vol.AES−18、No.1、Jan 1982、124〜30ページに開示されている最小二乗法である。M個のアンテナ要素は、それぞれ継続時間Tの時間間隔にわたるL個の記号を有するトレーニングシーケンスを持つ信号を取得するために使用される。トレーニングシーケンスは、(K,1)ベクトルcとして表される。ただし、K>Mである。アンテナ要素は、それぞれ、全て長さTの連続する受信器サンプル時間間隔でサンプリングされた出力信号を有する。これらの信号は、サンプルの大多数が結果として不確実になる2つの記号間の遷移時にないことを保証するためにオーバーサンプルされ、これはLT=KTによって表される。ただし、L<Kである。出力信号サンプルは、時間nTで(K,M)データ行列Xを提供するようにアセンブルされる。ここでnは、X内の最終行列行に関連する時間を示す時間インデックス数である。行列XはM本の列を有し、各列は、サンプル時間qT(q=n−K+1からnまで)にそれぞれのアンテナ要素からのデジタル化された出力信号である要素を含む。行列XはK本の行を有し、各行は、それぞれのサンプル時間に全てのアンテナ要素からのデジタル化された出力信号である要素を含む。データ行列Xの加重バージョンXwとトレーニングシーケンスベクトルcとの最小平均二乗誤差‖e‖、すなわち最小二乗費用関数Jは、
J=‖e‖=‖Xw−c‖ (1)
によって与えられる。
ここで、wはそれぞれのアンテナ要素の出力を加重するM個のベクトル要素を有する(M,1)重みベクトルであり、加重出力は、方程式(1)に示されているトレーニングシーケンスベクトルcを減じる前に、それらを結合するために合計される。したがって、重みベクトルwは、フェーズドアレイアンテナ要素へのあるいはそれからのビームを形成する際に実施されるのと同じようにアンテナ出力の加重結合を実施するので、ビームフォーマ重みである。費用関数Jは、w=(XX)−1cであるとき最小化され、ナローバンドビームフォーマの適応重みベクトルを表すことは、L.E BrennanおよびL.S.Reed、「An Adaptive Array Signal Processing Algorithm for Communications」、IEEE Transactions Aerospace Electronics Systems、Vol.18、No.1、1982、124〜30ページから分かる。ここで、上付き文字Hは、ベクトルまたは行列の複素共役転置を示す。Jの最小値は、cに最も近い一致、またはXwとcの間の最高の相関に相当する。K>Mなので、項XXは、(XX)−1を形成してwを取得可能にする逆数を計算することが可能であるべき行列である。重みベクトルwを得た場合、費用関数Jの最小平均二乗誤差は、
min=cc−cXw (2)
である。
Jは正でなければならないので、検出統計値として項γ=cXwを使用することは適切であり、トレーニングシーケンスがcc=1であるように正規化された場合、0≦γ≦1である。これは、DlugosD.およびScholtz R.、「Acquisition of Spread−Spectrum Signals by an Array」、IEEE Trans.Acoustics,Speech and Signal Processing、Vol.37、No8、Aug 1989、1253〜70ページによって開示されている。検出統計値は、効果的には、トレーニングシーケンスと、アンテナアレイからのビームフォーマ出力との相関である。しかし、この手法は、前述のようなかなり大きな周波数オフセットがあった場合は、低相関をもたらし、したがって、必要とする信号を検出できないこともある。
本発明の一目的は、代替信号取得技法を提供することである。
本発明は、取得されるべき所望の周波数シフト信号に合わせると近似する(collectively approximate)基底関数とトレーニングシーケンスの結合を適応的に形成することによって受信信号内の周波数オフセットを補償することを含むことを特徴とする周波数補償通信受信のための自動化された方法を提供する。
本発明は、適応結合が、明確にオフセットを決定する必要なしに、基底関数によってカバーされた範囲内で周波数オフセットを自動的に補償するという利点を提供する。
本発明の方法は、基底関数とトレーニングシーケンスの適応的に形成された結合である基準信号または比較トレーニングシーケンスを構成することを含んでもよい。本発明の方法は、複数のアンテナ要素を有する受信器を用いて信号を取得するためのものでもよく、非自明な解を得るための制約と共に、基底関数と、トレーニングシーケンスと、受信信号との適応的に加重された結合から構成される費用関数を最小化することによって基準信号を形成することを含んでもよい。制約は非ゼロの信号パワーを必要とする可能性がある。
費用関数Jは、J=‖Xw−CFv‖+λ(wXw−1)によって与えられることができ、式中、Xは受信信号サンプルの行列であり、wはJを最小化するように適応する重みをビームフォーミングするベクトルであり、Cは対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fはそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、vはJを最小化するように適応する重みのベクトルであり、上付き文字Hは複素共役転置を示し、λはラグランジュ乗数であり、λを組み込んだ項はビームフォーマ出力パワーを非ゼロに制約するためのものである。適応重みベクトルwおよびvは、複数のデータベクトルから決定された相関行列の真の推定値から、また、行列Xの行である連続する新しいデータベクトルを反映するように再帰的に更新されたそのような推定値の逆数から、間隔を置いて決定されてもよい。逆相関行列は、
a)
Figure 0004805849
に等しい第1要素u(n)と、Up,1(n)は行列U(n)の第1列の第p要素であり、行列U(n)はU(n)≡u(n)u(n)=x(n)x(n)−x(n−K+l)x(n−K+l)によって与えられ、x(n)は最も新しいデータベクトルであり、x(n−K+1)はそれぞれの場合の更新に関係する最も古いデータベクトルであり、x(n)x(n)およびx(n−K+1)x(n−K+1)は相関行列であり、それぞれ比率Up,1(n)/u(n)であるその他の要素u(n)(p=2からM)とを有するベクトルu(n)を形成することと、
b)前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を前に掛け、ベクトルu(n)を後に掛けて積を形成し、この積を忘却係数に加えて合計を形成することと、
c)前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を後に掛け、上記の合計で割って商を形成することと、
d)この商を前の逆相関行列P(n−1)から引いて差を提供することと
によって再帰的に更新されてもよい。
この方法は、単一のアンテナ要素を有し、基底関数の適応的に加重された結合と、トレーニングシーケンスと、スケーリングされた受信信号と、非ゼロの信号パワーを必要とする制約とから構成された費用関数を最小化することによって基準信号を構成する受信器を用いて信号を取得することを含んでよい。費用関数Jは、J=‖x−CFv‖によって与えられてもよく、式中、xは受信信号サンプルのベクトルであり、v、CおよびFは前に定義されたとおりである。あるいは、費用関数Jは、J=‖αx−Gv‖+λ(αxα−1)によって与えられてもよく、式中、αはスケーリング係数であり、xは受信信号サンプルのベクトルであり、GはCFに等しい行列であり、v、λ、C、FおよびHは前に定義されたとおりである。
他の態様で、本発明は、取得されるべき所望の周波数シフト信号に合わせると近似する基底関数とトレーニングシーケンスの結合の適応的に形成することによって受信信号内の周波数オフセットを補償するための手段を含むことを特徴とする、周波数補償通信受信のための装置を提供する。
他の態様では、本発明は、コンピュータプロセッサを制御し、周波数補償通信受信に使用されるコンピュータソフトウェアであって、取得されるべき所望の周波数シフト信号に合わせると近似する基底関数とトレーニングシーケンスの結合の適応的に形成することによって受信信号内のオフセットを補償するためのプログラムコード命令を含むことを特徴とするコンピュータソフトウェアを提供する。
本発明の装置態様およびソフトウェア態様は、方法態様の特徴に必要に応じて変更を加えた同等の好ましい特徴を有してもよい。
本発明がさらによく理解されるように、本発明の諸実施形態は、ここで、例としてのみ、添付の図面を参照しながら説明され、図1から10は、複数のアンテナ要素による受信に関し、図11から19は単一アンテナ受信に関する。
本発明によって、適応的に、すなわち自己構成的に、受信信号の周波数オフセットを補償することにより信号を取得することが可能であることが発見された。受信信号内の基準信号/トレーニングシーケンスの近似値である基準信号/トレーニングシーケンスが構成される。これは、オリジナルの基準信号/トレーニングシーケンスに、周波数オフセットに関連するシッソイド(cisoid)(複素正弦曲線)が存在するサブスペースに広がる基底関数の適切に選択されたセットの適応結合を掛けることによって達成される。基底関数は、たとえば、複素正弦曲線(シッソイド)、実正弦曲線、ドップラーオフセット範囲に広がる1セットのシッソイドまたは正弦曲線の特異値分解(SVD)、ルジャンドルの多項式、または偏長回転楕円体などから導かれる関数でよい。これらは、全て使用されてきて、効果的であることが分かっている。構成された基準信号/トレーニングシーケンス(オリジナルトレーニングシーケンスと、基底関数の加重結合との積)が、受信信号内の基準信号/トレーニングシーケンスの受け入れ可能な近似値であるかどうかを判断するために、両者の相関度がこの例の費用関数を使用して決定される。費用関数の最低値は、基底関数の最大相関および最も近似した加重結合を示す。複数のアンテナ要素を有する受信器の場合、適切なマルチチャネル最小二乗(MC−LSQ)費用関数Jは、
J=‖Xw−CFv‖+λ(wXw−l) (3)
によって与えられ、上式中、Xおよびwは前に定義されたとおりであり、(周波数シフトのない)トレーニングシーケンスc内の値は、それぞれ、(K,K)対角行列である(すなわち、非対角行列要素が全てゼロである)Cの対角線上の行列要素であり、vは適応重みのベクトルであり、Fは、各列がこの例内の正弦曲線基底関数をそれぞれ定義する行列要素を有する行列である。しかし、前に示されたように他の関数が使用されてもよい。積Fvは、F内の基底関数の加重結合を提供する。パラメータλは、ラグランジュ乗数であり、それが一部である項は、wおよびvの非自明な解を得るために、ビームフォーマ出力パワーに非ゼロであることを強制する。また、他の制約が使用されてもよい。ビームフォーマ出力パワーを制約することは、信号の取得に何も影響を与えない簡単なスケーリング演算である。S.Haykinによって、Adaptive Filter Theory、2nd ed.Pub.Prentice−Hall、Englewood Cliffs、NJ、1991年に記載されているように、Jは、それぞれ
Figure 0004805849
および
Figure 0004805849
によって示されるvおよびwに関する共役導関数を有する。ここで、は複素共役を示す。Jは、
Figure 0004805849

Figure 0004805849
どちらの導関数もゼロである最低値である。
Figure 0004805849
をゼロに設定し(CおよびFは予め定義されているので、前もって計算され記憶されることができる、)CF=Gと記述することは、
v=(GG)−1Xw (4)
を与える。
同様に、
Figure 0004805849
をゼロに設定することは、
Figure 0004805849
を与える。
方程式(5)にvを代入すると、
Figure 0004805849
になる。
方程式(6)は、固有値方程式であり、その解は重みベクトルwを与える。固定wを条件として費用関数を最小化するために、wはAの最大固有値に関連する主固有ベクトルとみなされる(これは、スケーリングに相当し、wがビームフォーマ重みなので、結果に影響を与えない)。したがって、vは方程式(4)にwを代入することによって見出されることができる。
ここで、検出統計値は、信号取得達成度の尺度を提供するものと定義される。様々な可能な検出統計値がある。この例では、選ばれた検出統計値は、γ=(vGv)/(wXw)であり、これは、事実上、(加重正弦曲線によって変更された)トレーニングシーケンス内のパワー対ビームフォーマ出力パワーの比率である。あるいは、
Figure 0004805849
とcの相関係数が使用されてもよく、これは標準的信号処理テキストから入手可能である。検出統計値の他の代替物は、γ=wG(GG)−1Xwであり、これは、この項は固定wを条件とする平均二乗誤差を最小化するために最大化されなければならないからである。
本発明の周波数補償方法は、受信信号内の周波数オフセット同等物に一致するトレーニングシーケンスの一バージョンを合成する。これは、信号が取得/検出されることができるようにするが、受信信号周波数オフセット、すなわち、信号伝播の影響から生じるあらゆる原因を有する受信信号と受信器LOの間のオフセットが影響されないままにしておく。したがって、この周波数オフセットは、信号内のデータが取得されることができるまでは、アレイ出力から除去されないまま残っている。これはいくつかの方法で達成されることができる。たとえば、重みベクトルwを適応させるとvが入手可能になる。したがって、Fv=gが計算されることができ、シッソイドに類似する。したがって、どの周波数foptが受信信号と受信器LOの間の周波数オフセットにベストマッチであるかを判定するために、gの複素共役転置gの、周波数不確実領域に広がるシッソイド周波数fとの相関が行われる。すなわち、相関式|gs(f)|を最大化する周波数foptおよび関連するシッソイドs(fopt)が見出される。
項CFv=Cgを考察する。CおよびFは再定義される(上記参照)。Cは対角行列であり、したがってCg=Gcで、ここでGは対角行列であり、その対角要素はgの要素であり、g自体は基底関数の加重バージョンである。ここで、対角行列Sはs(fopt)の要素である対角要素で構成される。すなわち、S=diag(s(fopt))が形成される。次に積SGcが形成される。ここで、SG≒I(I=識別行列)なので、また、s(fopt)は|gs(f)|を最大化するので、SGc≒cである。これは、周波数オフセットを何も有しないトレーニングシーケンスcを回復する。
(fopt)は、データフレームのトレーニングシーケンス部分にわたって周波数オフセットをビームフォーマ出力Xwから除去するために必要なシッソイドである。ここで、このシッソイドは、周波数オフセットが少なくとも大部分で除去された回復された信号としてe−jφ(diag(s(fopt)))Xwを与えるデータフレームの全継続時間をカバーするように拡張される。gs(fopt) =ejφは複素数である可能性があるので、位相補正が必要である可能性がある。これは、データが連続するフレームの形で取得され、ビームフォーマ重みおよび周波数オフセットはデータフレームにわたって大きくは変化しないことを前提としている。また、あらゆる残留周波数オフセットを除去するよく知られている標準的技法もある。
周波数オフセットを判定する他の手法は、max[Re(s(f)CXw)]と表される最大値を生成するベクトル
Figure 0004805849
を探索するものである。ここで上付き文字Tはベクトル転置を示す。前の場合と同様に、Xwはデータフレームのトレーニングシーケンス部分にわたるビームフォーマ出力であり、Cは前に定義されたようにトレーニングシーケンス要素を有する対角行列である。この手法はXwとs(f)C(すなわち、トレーニングシーケンスの周波数シフトバージョン)の相関を最大化するものである。所与のwの場合、CXwは固定であり、一度しか計算される必要がない。前の場合と同様に、s(fopt)CXw=ejφなので、位相補正も必要である可能性があり、複素数でよい。回復された信号はe−jφ(diag(s(fopt)))Xwである。
計算負荷を低減するために、周波数探索は減少ステップサイズよって複数の領域に分割されることができる。たとえば、二分探索がいくつかのステップ、すなわち10、5、1、0.1Hzで行われることができる。周波数オフセットは最初1つの10Hz間隔に局所化され、次に2つの5Hz間隔に局所化され、次いで1つの0.1Hz間隔に局所化されるまで同じように続けられる。
周波数オフセットはまた、以下のように推定される。前に示されたように、Fv=gであり、これはシッソイド、すなわち
Figure 0004805849
に類似し、式中βは位相係数であり、前の場合と同様に、kは指標(k=0からK−1)であり、Δfは名目周波数オフセットである。g内の第k要素、すなわちgは、
Figure 0004805849
および
Figure 0004805849
によって与えられ、式中、mは正の整数(通常1に等しい)である。周波数オフセットはまた、最適Tスペースサンプルに基づく他の方法(すなわち従来のシングルチャネル法)で推定されることもできる。これに関しては、たとえば、Meyr H.Moeneclaey M.およびFechtel S.A.、Digital Communications Receivers、pub.John Wiley and Sons、New York、1988年、およびSu Y.T.およびWu R.C.、「Frequency Acquisition and Tracking in High Dynamic Envireonments」、IEEE Trans.Vehic.Technol.、Vol.49、No.6、Nov 2000、2419〜29ページを参照されたい。
しかし、低信号対干渉雑音比(SINR)で、また短トレーニングシーケンスでは、正確な周波数推定は、推定技法に関係なく、遂行するのが難しいようである。どの場合でも、トレーニングデータから推定されたドップラーシフトは、(データブロックがその後に続くトレーニングシーケンスからなると仮定した場合の)データフレームのデータ部分に適用されることができる。
理想的には、基底関数結合手法では、目的は、所与の周波数範囲内にあるシッソイドの合成を可能にする関数の適切なセットからなる行列Fを見出すことである。周波数範囲は、周波数オフセットの大きな範囲を可能であってもカバーしようとせずに、たとえばいくつかのサブ範囲に分割されてもよい。周波数の所与の範囲に広がる関数の適切なセットは以下のようにして得られる。最初に、必要な周波数オフセットは前もって知られている最大値を超えないと仮定される。次に、列を有する行列Aが形成され、これらの列はそれぞれ複素正弦曲線(すなわちシッソイド)であり、言い換えれば、その各列内の要素はこれらのシッソイドを定義する値である。行列Aの特異値分解(SVD)は、A=UΣVによって与えられ、式中、UはAAの固有ベクトル を含む行列であり、VはAAの固有ベクトルを含む行列であり、Hは前に定義されたとおりであり、Σはその対角線上に特異値(固有値の平方根)を有する対角行列を示す。次に、このSVDは、前に提供されたHaykinの参考文献に記載されているように計算される。行列Aは、そのうちのいくつかは互いに相関関係にあるシッソイドからなるので、ランク落ちである可能性がある、すなわち、Aの列の数より少ない(その一次独立列の数を示す)ランクrを有する可能性がある。ランクrは、Haykinの文献にある情報理論的技法によって、あるいは、行列AのSVDから生じる特異値を閾値処理することによって見出されることができる。受信信号周波数オフセットを合成するための基底関数の適切なセットは、F=U(1:K、1:r)とみなされ、式中、Kはトレーニングシーケンスの長さ、すなわち、その中のサンプル値の数である。基底関数セットは、シッソイドの再構成で平均二乗誤差を最小化するように最適化される。
本発明の適応周波数補償法で計算量を低減するためには、シッソイドまたは複素指数の行列Aを使用する代わりに、前述の他の実関数と同様に余弦または正弦(すなわち実正弦曲線)もまた十分であることがシミュレーションによって確認されている。
最初の検出または取得探索は、様々な時間遅延をカバーするために変更されてもよい。時間遅延が関連する理由は2つある。受信データのブロック内のトレーニングシーケンスは、最初は分からない出発点を有し、したがって、取得探索は、並行して、すなわち同時にいくつかの異なる遅延で出発点を探索してスピードアップされることができる。あるいは、マルチパス信号を結合することが有用である可能性もある。これらは互いに相対的に遅延したバージョンである信号である。この手法の費用関数Jは次のように記述されることができる。
Figure 0004805849
上式中、
Figure 0004805849
は行列CFなどであり、
Figure 0004805849
はベクトルvなどである。各行列C(n=1、2、..)は対角であり、(n−1)個のサンプルの遅延(または時間シフト)を有する主対角線に沿ってトレーニングシーケンスの全てまたは一部分を有する。すなわち、第n行列Cは、その対角線の上部にn−1のゼロを有し、その対角線のそれ以外の部分はトレーニングシーケンスの少なくとも最初の部分によって占められる。重みベクトルwおよび
Figure 0004805849
に関する方程式(7)は、前に示されたように見出されることができる。
本発明による適応周波数補償は、シミュレーションによってテストされた。受信信号は、信号対雑音比3dBを有するHF Standard NATO Agreement4285信号としてシミュレートされた。この信号は、半波長間隔によってスペースされた直線に中心を備えて構成された6個のアンテナ要素を有するアンテナアレイに入射した。信号は、2.4キロシンボル/秒のチャネルシンボルレートを有していた。この信号は、256個の記号の周期データフレーム構造に基づいていた。これらの記号のうち最初の80個は、標準化協定、北大西洋条約機構、Military Agency for Standardization、「Characteristics of1200/2400/3600bits per second single tone modulators/demodulators for HF radio links」1989(「STANAG」と呼ばれる)に公表されて知られているトレーニングシーケンスを形成する。アンテナアレイへの信号の入射角は、垂線からアンテナアレイまで30°であった。垂線からアンテナアレイまで50°から入射する妨害電波対雑音比30dBを有する妨害雑音電波もシミュレートされた。ドップラー周波数オフセットΔfは、−75Hzから+75Hzまで2Hz刻みで変えられ、(信号取得を難しくするのに十分な高さの)約0.03の最大正規化ドップラーを提供した。
図1は、様々なマルチチャネル最小二乗(MC−LSQ)検出法のための正規化ドップラー周波数|fT|≦0.03の関数としてのアンテナアレイ出力信号対干渉プラス雑音比(SINR)を示す。第1曲線10は、いかなる種類の周波数補償もない場合の正規化周波数に対するSINR変化を示す。予期されたように、検出/取得性能はゼロ正規化ドップラー周波数で受け入れ可能であるが、正規化ドップラー周波数が増大するにつれてかなり劣化し、正規化周波数が0.01を超えると約20dB悪化する。
第2曲線12は、従来の周波数探索が10Hzの周波数ビン幅および合計15ビンで使用された場合のSINR対正規化ドップラー周波数を示す。この曲線は、正規化ドップラー周波数および対応する10Hzの倍数の一定の間隔で(たとえば14で)ピークを有する。この場合、検出は最適であるが、ピーク14の間では16などの最小値のところで2dBを超えて劣化する。
第3曲線18は、本発明の方法で行列Fを設定するシッソイドのテーラー展開に基づく周波数補償を有するMC−LSQに関するSINR対正規化ドップラー周波数を示す。シッソイドはejθ=cosθ+jsinθによって与えられ、その結果、cosθおよびsinθのテーラー展開が費用関数Jを形成するためにこれらの正弦曲線の代わりに使用されることができる。曲線18は、テーラー展開が有効な約−0.015から+0.015までの正規化周波数の中央領域にわたって検出性能が維持されることができることを示す。
最後の曲線20は、本発明による適応基底関数結合と共に使用されたMC−LSQに関するSINR対正規化ドップラー周波数を示す。75Hzの最大周波数オフセットをカバーするために必要な7つの基底関数からなる基底関数セットが使用された。曲線20は、検出性能が正規化周波数の全範囲にわたって維持されることを示す。さらに、曲線12に関連するおおよそ半分の計算負荷を必要としたことが分かる。
基底関数セットは、前述のように、複素数である列を有する行列AのSVDによって得られた(他の関数もまた、前に示されたように、使用されてよい)。行列Aのランクrは、そのSVDから生じた特異値を閾値処理することによって見出された。基底関数セットは、前に述べられたように、F=U(1:K、1:r)と表された。
次に図2を参照すると、最大特異値による割り算によって正規化された特異値が、1から10までの指標を有する10個の最高特異値に関する指標に対してプロットされている。1から7までの特異値は大きいあるいは重要な値を有する。8から10までの特異値は重要でない。それらは閾値より低いとみなされ、それらが関連する関数はもう考慮されなかった。
本発明の適応周波数補償法の有効性をテストするために、本発明はマルチチャネルHF STANAG 4285モデムのソフトウェア実装に組み込まれ、オフエアデータを用いて実行された。このデータはHF STANAG 4285信号およびSTANAG信号と同じ帯域幅を有する強い干渉を含んでいた。アンテナでの入力SINRは一般に−10dBであり、8個のアンテナを有するアンテナアレイが使用された。得られた結果は図3から6に示されている。図3は、周波数シフト補償を何も有しないトレーニングシーケンスに関連するオフエアデータの短い部分を含む受信信号のための時間に対してプロットされた相関係数を示す。ドップラーオフセットは約2Hzである。図4は、本発明による周波数シフト補償に関する7つの基底関数を有する適応基底関数セットを使用して処理されたデータから得られたということを除いて、図3に等しい。図5は、図3の場合と同様に処理されたオフエアデータの短い部分のための時間に対してプロットされた検出統計値を示す。図6は、本発明による適応基底関数セットを使用して処理されたデータから得られたということを除いて、図5に等しい。検出統計値は0と1の間にあるパラメータであり、信号がうまく検出されたか、されなかったかを示すために使用される。検出が発生すると言われるための最小閾値は0.4に設定された。図3から6は、STANAG信号が検出されているので、本発明のこの実施形態が十分に機能していることを示す。
図7は、図3から6のために使用されたものと比べられたオフエアデータのより長い部分にわたる時間の関数としての周波数推定値の変化を示す。第1曲線50は、上記で言及されたソフトウェアモデム実装によって、すなわちタイミングオフセットリカバリ、微細周波数補償およびフィルタリングの後で、トラッキングされた周波数を示す。第2曲線52は、本発明のこの実施形態によって返された取得時の最初の周波数推定値を示す。これらの推定値は真の周波数と見事に一致しているようである。この場合、周波数推定は、適応的に加重された基底関数を正弦曲線と相関させることによって最大尤度法で行われた。これは、適応的に加重された基底関数から形成された信号が必ずしもきれいな正弦曲線ではないので、最善の選択肢ではない可能性がある。しかし、結果が示すように、妥当である。
周波数ビン探索を用いる従来のマルチチャネル最小二乗(「MC−LSQ」)法によって、および、本発明の適応周波数補償(「AFC」)法によって検出パラメータを計算するための計算必要条件が評価された。アンテナアレイはM個のアンテナ要素を有しているとみなされ、トレーニングシーケンスは前の場合と同様にK個のサンプルを有し、取得されるべき信号にはF個の潜在的周波数オフセットがある。本発明の例では、Pは基底関数(このサンプル内の実関数)の数である。検出統計値はサンプリングレート、すなわち1/Tで計算されると仮定される。ただし、Tは連続する信号サンプル間の時間間隔である。表1は、周波数探索を用いる従来のMC−LSQ法のための計算必要条件を示す。必要な演算数を推定するために、1つの虚数乗法は、4つの実乗法と2つの加法、すなわち合計6つの演算からなると考えられる。
Figure 0004805849
計算の複雑さの点から見て、本発明のAFC法は従来のMC−LSQより簡単である。Warner E.S.およびProuder I.K.によって、「Adaptive Multi−Channel Equalisation Experiments with HF STANAG 4285 Transmissions in Interference」、Proc.IEE Radar、Sonar and Navigation、Vol 150、No 2、April 2003、41〜49ページで議論されている例では、M=5、L=208、P=7、およびF=15である。これらのパラメータを用いて、AFCは62623の演算を行い、従来のMC−LSQは154360の演算を行う。したがって、AFC法は、計算上、はるかに(ここでは約2.5倍)簡単であり、したがって、多くの場合に実際的な実施のためにおそらくより適切であると言える。
AFC法の複雑さはさらに低減されることができる。たとえば方程式(1)および(3)に関連して述べられたように、費用関数Jの最小化は、相関行列XXの逆相関行列(XX)−1を必要とする。ただし、Xはデータ行列である。明確に各サンプルタイムに(すなわち、新しい列またはサンプルベクトルがデータ行列Xに付加され、一番古い列が削除されるごとに)相関行列XXを形成し逆行列を求める代わりに、再帰法が採用されてもよい。サンプルごとにデータが取得されて処理される場合、第nのサンプルタイムでのMごとの相関行列R(n)は、データ行列X内のK個の一番新しいサンプルデータベクトルx(n−K+1)からx(n)までを使用して、式x(k)x(k)の外積の合計、すなわち、
Figure 0004805849
として記述されることができる。
受信器では、取得された受信信号は、処理前にデータバッファに記憶されてよい。便宜のために、ここで、データバッファは(隣接するサンプル間の定時間間隔T単位での)サンプルタイムn=Kのときにフルであると仮定する。次に、時間がn=K+1から2Kまで進むと、n=2Kの時の真の相関行列の推定値が蓄積されることができ、各最新サンプルの組み込みおよび最も古いものの削除の後の相関行列の逆行列は、連続データベクトルx(下記参照)ごとに再帰的に計算される。逆相関行列は、時間n=Kのときに形成された真の相関行列を最初に逆行列を求めることによって得られ、この逆行列はn=Kのときに使用され、次いで、時間n=K+1から2K−1のときに再帰的に更新される。時間n=2Kのときに、前にサンプルベクトルx(2K−1)を使用して再帰的に得られた逆相関行列は廃棄され、真の相関行列の新しい推定値が蓄積されたデータから計算され、サンプル時間2K+1から3K−1までのさらなる再帰的計算のための相関行列の逆行列を再初期化するために使用される。したがって、真の相関推定値は、mが整数である時間mKのときに形成され、時間mK+1から(m+1)K−1までの再帰的計算を初期化するために使用される。再帰的計算は一般に数値誤差を増大させる傾向があるが、この場合、この問題は相関行列の逆行列の周期的再初期化によって回避される。したがって、数値誤差は重要でなく、計算の保証にほとんどあるいは全く影響を及ぼさず、このことは検証されている。説明のために、相関行列の逆行列の再初期化間のサンプルの数はトレーニングシーケンスKの長さとして与えられているが、これは必ずしも必要ではない。
前述のように時間mKのときの相関行列の真の推定値を与えられると、サンプルベクトル外積x(k)x(k)の相関行列XXは逆行列を求めることができる。次の真の相関行列推定値が形成されている間に、逆相関行列は、前に提供されたHaykinの参考文献に記載されているように、再帰的最小二乗(RLS)法によって再帰的に形成されることができる。表2は、第(n−1)逆相関行列P(n−1)から第n逆相関行列P(n)(ただし
Figure 0004805849
)を再帰的に生成するのに必要とされるステップの概要を述べている。ただし、u(n)は、
u(n)u(n)=x(n)x(n)−x(n−K+1)x(n−K+1)≡U(n) (10)
であるような第n(M,1)ベクトルであり、上式中、x(n)はデータサンプルの最も新しいベクトルであり、x(n−K+1)はP(n)のために考慮されたもののデータサンプルの最も古いベクトルであり、x(n)x(n)およびx(n−K+1)x(n−K+1)は、互いから引かれてU(n)を形成する(M,M)相関行列である。方程式(10)は、(M,1)ベクトルu(n)を得るための特に有利な方法を表し、このベクトルは以下のように見出される。Up,1(n)をU(n)の第1列の第p要素と呼ぶと、u(n)の第1要素u(n)は
Figure 0004805849
であり、u(n)のその他の要素u(n)(p=2からMまで)はそれぞれ、それぞれの比Up,1/u(n)に等しい。下表で、P(n)を計算する様々なステップを実行する必要がある算術演算の数が現れる。これに関して、実数の平方根はQ個の演算を行うと考えられ、この数の逆数を見出すこともまた、Q個の演算を行うと考えられる。Qの正確な値は、アーキテクチャ、計算の正確さなどに依存する。演算の必要数を推定するために、1つの虚数乗法は、4つの実乗法および2つの実加法、すなわち合計6つの実演算からなると考えられる。
Figure 0004805849
表2に示されているように、ベクトルu(n)を形成した後、その複素共役転置u(n)は、P(n−1)を前に掛け、u(n)自体はそのように形成された積π(n)を後に掛け、その結果はλと合計される。λは知られている種類の「忘却係数」であり、通常、0.95から1までの範囲にある。1より小さい場合、より古いデータの影響を漸進的に低減する効果を有し、その結果、表2内の計算はより新しいデータに有利になるように加重される。ここでλは1に設定され、これは全てのデータを等しく加重する。合計
Figure 0004805849
は、u(n)よって後で掛けられたP(n−l)の積を割るために使用され、この割り算の結果は、P(n−l)から引かれ、そのように得られた差は、1/λが掛けられ、再帰的に更新された逆相関行列P(n)を与える。
次に、本発明によるアレイのための適応ドップラー速度補償が説明される。固定ドップラーシフトfに加えて、受信信号はまた、ドップラーシフトの変化率、すなわちドップラー速度を示してもよい。ドップラー速度が時間tを有する線形である場合、αtで表され、αは定数であり、ドップラー速度はHz/s単位である。この場合、受信信号の時変受信周波数要素fは、
f=f+f+αt (11)
によって表される。上式中、f=搬送周波数である。
方程式(11)の右辺の第2項および第3項は、
(t)=f+αt (12)
によって与えられる変動周波数f(t)でベースバンドドップラー寄与を構成する。ベースバンドドップラー寄与は、時間に関して方程式(12)の右辺を積分し、周波数fを角周波数ωに変換すること、すなわち、
Figure 0004805849
Figure 0004805849
によって与えられる変化する位相φ(t)を有する。
したがって、第mアンテナ要素に、
Figure 0004805849
によって与えられる受信パスバンド信号成分r(t)がある。
ここで、s(t)は時間tのときの所望の通信信号の値である。ナローバンドビームフォーミングの場合、アンテナ要素間伝播遅延は、受信信号帯域幅逆数よりかなり小さく、これは、アンテナ要素間伝播遅延が位相シフトだけで、すなわちs(t−τ)≒s(t)で表されることができるようにする。方程式(15)は(τ(t)で制御される)空間項
Figure 0004805849
を有し、この項はトレーニングシーケンスの継続時間にわたって本質的に静的である。すなわち、方程式(12)のf(t)は方程式(11)のfに比べて非常に小さい。等間隔の線形アレイでは、第mアンテナ要素のための信号位相空間成分
Figure 0004805849
であり、式中、dはアンテナ要素間間隔であり、cは光速であり、θ(t)は、場合によっては(必ずしもそうとは限らないが)、受信器で検出されるべき信号の時変到来角である。M−アンテナアレイの端にあるアンテナ要素は、全アンテナ要素の位相基準(すなわち0≦m≦M−1)であると考えられる。
したがって、たとえば、アンテナ要素間隔d=βλ=(βc/f)を有する等間隔の線形アンテナアレイでは、方程式(15)内の項
Figure 0004805849
は、
Figure 0004805849
によって与えられる。
方程式(16)の右辺の近似値は、f(t)がfに比べて非常に小さい場合は良好なままであり、これは、通常、実際には満たされる。この場合、時変ドップラー項、f(t)を、時間内で、空間内ではなく、すなわち方程式(3)に関して説明された適応基底関数法によって、どのように補償するかを考えるだけでよい。
前述の仮定を与えられたとすると、許容されることができる最大ドップラー速度と正弦曲線基底関数の最大周波数スパンとの関係は[((αK/f)+f)]≦fmaxであり、式中、fはドップラーオフセットであり、fはサンプルレートであり、Kはトレーニングシーケンスの長さによって定義された処理ウィンドウ内のサンプルの数である。すなわち、本発明は、ドップラーオフセットとトレーニングシーケンスの継続時間にわたるドップラーオフセット内の変化との合計が、基底関数のセットの最大周波数スパンの外にある周波数にならなければ、本質的にある程度のドップラーオフセットに対処できる。あるいは、最大ドップラーオフセットおよび最大ドップラー速度が先験的に知られている場合は、適切な基底が、前に説明されたように、たとえば複素正弦曲線のデータ行列AおよびそのSVD(あるいは前述の他の方法)から構成されることができる。
本発明の多用途性を説明するために、前に説明された一実施形態が再度シミュレートされた。受信信号は、信号対雑音比3dBで、半波長間隔の間隔を置いた直線に中心を備えて構成された6つのアンテナ要素を有するアンテナアレイに30で入射するHF標準NATO Agreement4285信号であった。予見された状態は、32Hzの固定ドップラーオフセットおよび−100Hz/sから+100Hz/sまで変化するドップラー速度、ならびに10の連続トレーニング期間であった。256記号データフレームの最初の80記号は、トレーニングシーケンスとして使用された。調べられた合計時間期間は、6211のサンプル(6.25KHzのサンプルレートで、208のサンプルのトレーニングシーケンス)であった。前に説明された計算から、最大の負のドップラーは、
[{(−100x6211)/6250}+32]=−67.4Hz
である。
基底関数が前の実施形態でカバーするように設計された周波数スパンは、−75Hzから+75Hzまでであり、したがって、上記のドップラーオフセットの最大の負の値に対応する。一方、この時間期間にわたって、ドップラー速度が(6250(75−32))/6211=43.3Hz/sである場合、信号周波数は基本スパンを超える。
前の場合と同様に、検出統計値は性能の尺度に0.4の閾値を提供する。図8はトレーニング期間にわたる周波数のドップラー変化に対してプロットされた様々なMC−LSQの検出統計値の2つの曲線60および62を示す。曲線60は、理論的理想的ドップラー補償がオフセットおよび速度の知識から実施された場合のために計算されたものであり、曲線62は、適応基底関数結合を組み込んだ本発明のMC−LSQを使用したドップラー補償に関するものである。エラーバーは、10の連続するトレーニング期間の検出にわたって平均された検出統計値の標準偏差を示す。横座標は、単一トレーニングシーケンスの継続時間にわたってのドップラー変動値の点から定量化される。総変動はこれらの値の10倍である。曲線60は、達成されることができる最良検出性能である。曲線62で示された本発明の性能は、トレーニングシーケンスの継続時間にわたるドップラー変化が約1・45Hzになるまでは、曲線60の理想にほぼ一致する。これは、(6250x1.45)/208=43.6Hzの(すなわち上記で計算された)ドップラー速度に一致する。エラーバーは、基底関数が広がる周波数範囲の外のドップラー成分の動きを反映したこの図面の右のほうで大きくなっていて、したがって、検出統計値は減少する。HF STANAG 4285では、ドップラー速度は3Hz/sであると言われるべきである。ドップラー速度の範囲は、本発明の性能を説明するために、この例では誇張された。
図8に関して説明された例もまた、ドップラーオフセット測定性能を評価するために使用された。32Hzの最初のドップラーオフセットおよび39Hz/sのドップラー速度があると仮定された。図9は、トレーニングシーケンス期間にわたる真の平均ドップラーオフセットを実線として示し、丸のついた破線は本発明によって推定されたこのオフセットを示す。これらの2つのプロットは事実上一致している。図10は真のドップラー速度を実線として示し、丸のついた破線は本発明によって推定されたドップラー速度を示す。ドップラー速度は、2つの連続する周波数推定値間の差を取ることと、これらの2つの周波数推定値間の時間間隔(すなわちフレーム期間)によって割ることによって推定された。ドップラー速度推定値は真の同等物との妥当な一致である。推定値のフィルタリングおよび/またはトラッキングは、事態を改善するようである。
上記の適応ドップラーオフセット補償技法は、ドップラー効果に比較的無感応なインタレストの信号の最初の検出/取得を行うように設計された。信号回復段階に適したドップラー成分の合成は、本来必要がなかった。ドップラー速度の推定は、ドップラーオフセットのリカバリより難しいようである。たとえば、下記の4つの参考文献で提供された従来技術の方法は、ドップラー速度を推定するために使用される信号は真の正弦曲線である必要がある。
Su Y.T.およびWu R.C「Frequency Acquisition and Tracking in High Dynamic Environments」、IEEE Trans.Vehic.Technol.、Vol.49、No.6、Nov 2000、2419〜29ページ。
Giannetti F.、Luise M.およびReggiannini R.「Simple Carrier Frequency Rate−of−Change Estimators」、IEEE Trans.Commun.、Vol.47、No.9、Sept 1999、1310〜14ページ。
Ghogo M.およびSwami A.、「Estimation of Frequency Offset and Doppler Rate in Fading Channels」、Proc.ICPWC’99、1999、105〜09ページ。
Morelli M.、「Doppler−rate Estimation for Burst Digital Transmission」、IEEE Trans Commun.、Vol.50、No5、May 2002、707〜10ページ。
実際には、ドップラー速度およびドップラーオフセットに直面して、アンテナアレイ出力信号は、よくても、ノイジーな、いくらかゆがめられた正弦曲線になるようである。この出力のアンラップ位相φ(kT)に適した最小二乗は、ドップラーオフセットの妥当な推定値を生成することができるが、ドップラー速度のものはおそらく生成できないようである。アンラップ位相は絶対位相すなわち、0から2πまでの範囲の値を有するばかりでなく2πの適切な整数倍も含んだ位相の技術用語である。理想的には、
Figure 0004805849
によって与えられ、上式中、φはアンテナアレイの端にある基準アンテナ要素の信号の位相であり、kはサンプル時間指標であり、Tは連続するサンプル間のサンプル時間間隔であり、他の項は前に定義されたとおりである。
データフレームにわたってドップラー速度を補償するいくつかの手法がある。そのような手法の1つでは、連続するデータフレームのトレーニングシーケンスからドップラーシフトの一連の値を推定し、内挿を利用してドップラー波形に必要な補正を達成する(図10参照)。ドップラー速度定数αは、
Figure 0004805849
によって与えられ、上式中、
Figure 0004805849
および
Figure 0004805849
はそれぞれ、時間tおよびt+NTのときのドップラーオフセットであり、Nは正の整数であり、Tはアンテナ出力信号の連続するサンプル間の時間間隔である。ドップラーオフセットの推定は、推定ウィンドウにわたるドップラー速度が過大でなければ比較的強靭な方法であることが分かっている。SuY.T.およびWu R.C.、「Frequency Acquisition and Tracking in High Dynamic Environments」、IEEE Trans.Vehic.Technol.、Vol.49、No.6、Nov 2000、2419〜29ページを参照されたい。
シングルチャネル受信器のための周波数補償の必要もある。すなわち、第kサンプル時間のときには、アンテナ要素のアレイおよび複数の関連する信号チャネルの代わりに、単一出力信号x(k)を有する単一アンテナしかない。したがって、方程式(3)の場合のような様々なアンテナ要素から信号の加重結合Xwを形成することは不可能である。しかし、問題は、マルチチャネルの場合と同様である、すなわち、取得あるいは受信されるべき周波数シフトされた信号に近似する基底関数の結合を見出すことである。単一出力信号x(k)の、すなわちk=0からK−1の、K個のサンプルにわたって、xからxK−1までの要素を有したK要素データベクトルxが生成される。シングルチャネル受信器出力のための最小二乗費用関数Jは、
J=‖αx−Gv‖+λ(αxα−1) (19)
によって与えられ、上式中、αおよびλは定数であり、Gは積CFに等しい行列であり、Cはトレーニングシーケンスを有する(周波数シフトは有しない)(K,K)対角行列であり、cはその対角線上にあり、Fは、前に説明された適切に選択された基底関数である列を有する(K,P)行列であり、vはJを最小化するように適応する重みのベクトルであり、は複素共役を示す。前の場合と同様に、λ項は、αおよびvに対する非自明な解が見つけられることができることを保証するために、受信器取得段階からの出力パワーに制約を与える。この制約は出力信号パワーのスケーリングだけであって、したがって、信号取得には影響を与えない。vは行列(GG)−1x(xx)−1Gの主固有ベクトルであり、α=(xx)−1Gvであることが分かる。次に、検出統計値は、信号取得の成功度の尺度を提供するように定義される。様々な可能な検出統計値がある。この例では、選択された検出統計値は、γ=(vGv)/(αxα)によって与えられたγであり、これは、実際には、(加重正弦曲線によって変更された)トレーニングシーケンス内のパワー対ビームフォーマ出力パワー比である。あるいは、前述のものと同様の相関係数に基づいてもよい。検出統計値の他の代替物は、この項は固定αを条件とする最小二乗誤差を最小化するために最大化されなければならないので、γ=αG(GG)−1xαである。
方程式(19)は以下のように記述されることができる。
J=‖x−CFv‖ (20)
上式中、Fv=gおよびv=(FCF)−1x=Bxであり、Bは、前もって計算され記憶されることができる行列である。いずれの場合にも、利用されたドップラー補償法に関係なく、ドップラーオフセットは、マルチチャネルの場合に関して前に説明されたように見出されることができる。たとえば、gの複素共役転置gの、周波数不確実領域に広がる正弦曲線関数s(f)との相関は、どの周波数が信号と受信器LOの間の周波数オフセットにベストマッチであるかを判定するために行われる。
適応ドップラー速度補償はまた、複数アンテナ受信器のためのものと同様のやり方で単一アンテナ受信器に実施されることができる。また、最初の検出または取得探索は、時間遅延の範囲をカバーするように変更されてもよい。費用関数Jは以下のように記述されることができる。
Figure 0004805849
上式中、
Figure 0004805849
で、Bは予め計算され記憶されることができる行列であり、
Figure 0004805849
は行列CFなどの行列であり、
Figure 0004805849
はベクトルvなどのベクトルである。ここで各行列Cn(n=1、2、..)は対角であり、(n−1)個のサンプルの遅延(または時間シフト)を有するその主対角線に沿ってトレーニングシーケンスの全てまたは一部分を有する。すなわち第n行列Cはその対角線上にn−1個のゼロを有する。
シングルチャネル直接拡散方式(DS−SS)受信器のための適応ドップラー補償は、以下のように達成されることができる。説明のために、記号周期的(symbol−periodic)DS−SSシステムの場合を考える。すなわち、ここで、チップ内の(前に定義された)拡散コードの長さはLTである。ただし、Lは拡散コード内のチップの数であり、Tはチップの時間継続期間である。説明のために、マルチパスはなく、同期は達成されていると仮定される。第n記号の受信器出力振幅はy=wx(n)であり、式中、wは(L,1)重みベクトルであり、x(n)は(L,1)データベクトルである。この場合、受信器出力パワーの期待値E<|y>は、制約を条件として最小化される。すなわち、
w=gを条件としてminE<|y> (23)
である。上式中、wはM−1Z(Z−1Z)−1gに等しい重みベクトルであり、Mは、M=E<x(n)x(n)>によって定義された共分散行列であり、Zは、Z=[CF、CF・・・]によって与えられた行列であり、CおよびF(p=1、2・・・)は、前に定義されたとおりである。重みベクトルwの計算は、ベクトルgの最適値を必要とする。gを推定するために、受信器出力内の所望の信号のパワーは、‖g‖=1を条件として最大化される。重みベクトルwに代入すると、出力パワーPoutは、
out∝E<|y>=g(Z−1Z)−1g (24)
によって与えられる。したがって、所望の信号パワーを最大化するために、gは(Z−1Z)−1の主固有ベクトルである。
3G移動通信UMTSの場合、以下のようなシングルチャネル受信器を有する(ハンドセットから基地局への)アップリンク信号のための適応ドップラー補償が達成されることができる。UMTSはパイロット信号と呼ばれるビットのトレーニングシーケンスを有し、その各受信器はレプリカコードと呼ばれるレプリカを有する。受信信号サンプルは、ベクトルxに収集され、受信器のレプリカコードのサンプルは別のベクトルcに収集される。継続時間TごとにL=256個のチップを組み込んだ1つのパイロットビットでは、ドップラー周波数不確実空間(前に述べたようにΔf≦|6.5kHz|)は、2つの基底関数によって、すなわち2列行列F(L,2)によって表されることができることが分かる。したがって、適応周波数補償を組み込んだ適切な最小二乗費用関数Jは、
Figure 0004805849
によって与えられ、上式中、「imag」は、パイロット信号は求積チャネルすなわち「Q」チャネル上にあることが予期されるので、受信器サンプル相関積の虚数部分が取られることを示し、「diag」は、括弧内のその次の項が対角行列の対角要素であることを示し、「ο」は「要素どうしの」掛け算を示し、すなわち、dの第i要素がaおよびbそれぞれの第i要素の積aに等しい場合、2つのベクトルaおよびbが要素どうし一緒に掛けられてベクトルdを与え、
Figure 0004805849
であり、pはパイロット信号サンプルの(L,1)ベクトルである。受信器出力はy=imag{diag(cοx)}Fvによって与えられ、これは合計され、推定されたパイロットビットは合計のしるし、すなわちsgn(1y)とみなされ、この場合、1は1の(L,1)ベクトルを示し、Fvは、前述のドップラーシフトを見出すために使用されることができる(L,1)ベクトルである。この方法では、相関積のサンプルは直接ベースバンドに変換される。
単一アンテナを有する受信器を使用したドップラーシフトの適応補償の結果は、以下のように得られた。信号対雑音比(SNR)5dBのシングルチャネル2相位相変調(BPSK)信号の取得がシミュレートされた。この信号は送受信時にロールオフ0.2のルート累乗コサイン(RRC)によってフィルタリングされた。1記号あたり4個のサンプルがあった(RRCフィルタのインパルス応答は10個の記号に打ち切られた)、また、SNRは受信フィルタの出力で設定された。
結果は図11および12に示されている。これらの図は、それぞれ100回の実験にわたって平均されたそれぞれ長さ30記号および100記号のトレーニングシーケンスのための対数尺上の正規化ドップラーオフセット(ΔfT)の関数としての取得時のSNRのプロットである。これらの図面で、曲線80および90は、周波数補償がない場合にSNRがどのように変化するかを示す。すなわち、SNRは、正規化ドップラーが10−2に増大すると低下する。曲線82および92は、本発明による適応基底関数周波数補償が使用された場合、SNRがどのように変化するかを示す。これらの曲線は、ほとんど一定で、正規化ドップラーの全範囲で、すなわち10−5から10−1まで、高いSNRが維持されることを示す。比較のために、代替周波数補償法を使用して得られた結果もまた曲線84および94として示されていて、この方法は前述のテーラー展開に基づいていた。周波数補償が何もないよりはいいものの、テーラー展開法は、10−2より大きい正規化ドップラーで本発明より劣っている。
表3は図11および12に示されている結果を得るために本発明による周波数補償で使用された周波数関数の基底セットのサイズを示す。ここで、1.0e−0n(n=1、2、3、4または5)は、10−nを意味する。正規化ドップラー10−2および10−1の場合(すなわち、|sinc(πΔfLT)|>0.1πの場合)だけ、1より大きい基底関数が必要であった。
Figure 0004805849
表4は、推定平均正規化ドップラー(「est」)および真の同等物(「true」)を示す。これらの平均値は、4つの場合のうち3つの場合で真の値の1%以内であり、第4の場合では5%以内であることが分かる。
Figure 0004805849
本発明の方法は、シングルチャネルHF STANAG 4285モデムのソフトウェア実装に組み込まれ、オフエアデータを用いて実行された。106.67ミリ秒の期間および2.4キロ記号/秒のチャネル記号のフレームフォーマット(256記号)を有するSTANAG信号が利用された。取得は、標準化協定、北大西洋条約機構、Military Agency for Standardization、「Characteristics of 1200/2400/3600 bits per second single tone modulators/demodulators for HF radio links」、1989に公表された31チップmシーケンス(31+31+18)の周期的繰返しである80記号のトレーニングシーケンスを使用して行われた。したがって、相関関数は、どちらの側にも副ピーク31記号が置かれている主ピークを有する。使用された検出方法は、2つの相関ピーク31記号を別々に探索した。しかし、視覚化を助けるために、相関係数だけが図13および14に示され、オフエアデータの短い部分の時間に対してプロットされている。図13は、ゼロドップラーオフセットのトレーニングシーケンスと相関関係にある受信信号の相関係数を示す。このデータファイルは約5Hz(すなわちΔfT=2.1e−03)のドップラーオフセットを有した。図14は、(最大Δf75Hzまでのドップラーオフセットをカバーするための7つの基底関数を有する)本発明の方法を使用した場合の受信信号の相関係数を示す。図から分かるよう、本発明は、STANAG信号が検出されるので、十分に機能する。
図15は、時間に対してプロットされたオフエアデータの部分にわたる周波数オフセット推定値を示す。第1曲線110は、ソフトウェアモデムの実装によって、すなわちタイミングオフセットリカバリ、微細周波数補償およびフィルタリングの後で、トラッキングされた「真の」周波数オフセットを示す。第2曲線112は、本発明の方法によって得られた取得時の生のすなわち最初の周波数オフセット推定値を示す。図から分かるように、これらの最初の周波数推定値は、真の周波数オフセットによく一致している。
マルチチャネルの場合に関して前に説明されたように、最初の検出または取得探索は、適応ドップラー補償を組み込むばかりでなく、時間遅延の範囲をカバーするように変更されることができる。
適応シングルチャネル周波数補償の説明として、ユニバーサル移動電話システム(UMTS)アップリンク、すなわちハンドセットから基地局へのシミュレーションが、本発明の適応周波数補償法を使用して実施された。この例では、10のUMTSエミッタが、基地局から1Kmから5Kmの間の距離で一様に分配され、マルチパスおよびチャネルドップラースプレッドは無視された。シミュレーションは、Morelli M.によって「Doppler−Rate Estimation for Burst Digital Transmission」、IEEE Trans.Commun.、Vol.50、No.5、2002年5月、707〜10ページで開示されているパワー制御を利用した。送信は、Agilent:「Designing and Testing 3GPP W−CDMA User Equipment、Application No 1356」、http://literature.agilent.com/litweb/pdf/5980−1238E.pdf(a pseudo−quadrature amplitude modulated(pseudo−QAM)signal)に開示された、12.2キロビット/秒(kbps)音声サービスに基づいた。検出性能の尺度として、パイロットチャネル上の知られているビットの推定が考慮された。ここで、データは同相(I)チャネル上にあり、パイロットは求積(Q)チャネル(ビットレート15Kbpsの8個の知られているパイロットビット)上にあった。処理は方程式(24)以下参照によった。
上記のようにエミッタ分配の実験は100回行われ、ランダムドップラーオフセットΔfは周波数オフセット範囲−6.5kHz≦f≦6.5KHzで一様に分配された。図16および17は、それぞれ本発明の適応周波数補償法を用いた、および用いないパイロットビットシーケンスにわたる特定のエミッタの検出性能を示す。これらの図面では、検出統計値はドップラーオフセットに対してプロットされ、検出統計値1は、8ビットパイロットビットシーケンスが正しく検出されたことを示し、0は正しく検出されなかったことを示す。図16は、値の100%が1であったことを示し、したがって、本発明の適応周波数補償法は、パイロットビットシーケンスを常に正しく検出したことを示す。それとは対照的に、図17は、値の100%が0であったことを示し、周波数補償がない場合は、パイロットビットシーケンスは全然検出されなかったことを示す。
図18および19は、それぞれ図16および17に示された結果が得られたパイロットビット数を示す。図18は、8個のパイロットビットが全て、本発明の適応周波数補償を使用して常に検出されたことを示す。図19は、周波数補償がないと、検出されたパイロットビットの数は、1から7まで変化するが、8個全てのパイロットビットが検出されたことは一度もなかったことを示す。
UMTS基地局はなんらかの形の周波数補償を利用することが予期されるが、詳細は公開されている文献には見られない。したがって、本発明の適応周波数補償法の性能をUMTS基地局によって利用される技法と比べることはできない。
上記で説明された計算は、自動化方式で、すなわち、適切な保持媒体に組み入れられたプログラムコード命令を含み、従来のコンピュータシステム上で動作する適切なコンピュータプログラムによって、明確に評価されることができる。コンピュータプログラムは、メモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、またはその他のハードウェア記録媒体、あるいは電気信号または光信号に組み入れられることができる。そのようなプログラムは、よく知られている計算手順を使用して実行されるので、創意工夫を必要とせずに前述の説明に基づいて当業界のプログラマが実施するのが容易である。
本発明の他の技法との比較のための正規化された周波数に対する信号対干渉雑音比(SINR)のグラフである。 基底関数セットに関連する正規化された特異値を示す図である。 周波数シフト補償を有しないトレーニングシーケンスと相関関係にあるドップラーオフセット受信信号の時間に対してプロットされた相関係数を示す図である。 周波数シフト補償が本発明に従って実施されることを除いて図3と同等の図である。 周波数シフト補償を有しない図3の場合と同じように処理された受信信号の時間に対してプロットされた検出統計値を示す図である。 周波数シフト補償が本発明に従って実施されることを除いて図5と同等の図である。 時間の関数としての周波数推定値の変化を示す図である。 トレーニング期間にわたる周波数でのドップラー変化に対してプロットされた検出統計値を示す曲線である。 トレーニングシーケンスにわたる真のドップラーシフトおよび推定されたドップラーシフトを示す図である。 トレーニングシーケンスにわたる真のドップラー速度および推定されたドップラー速度を示す図である。 30個の記号の場合の正規化されたドップラーに対する異なる処理方式の信号対雑音比(SNR)のプロットを示す図である。 100個の記号の場合の正規化されたドップラーに対する異なる処理方式の信号対雑音比(SNR)のプロットを示す図である。 ゼロドップラービンのトレーニングシーケンスと相関関係にある受信信号の相関係数を示す図である。 本発明の方法を使用したトレーニングシーケンスと相関関係にある受信信号の相関係数を示す図である。 時間に対してプロットされたオフエアデータの一部分にわたる真の周波数オフセット推定値および推定された周波数オフセット推定値を示す図であり、前者はタイミングオフセットリカバリ、微細周波数補償およびフィルタリングの後で取得されたものであり、後者は本発明の方法によって取得されたものである。 本発明の適応周波数補償法によるUMTSの例のドップラーシフトに対する検出統計値のプロットを示す図であり、パイロットビットシーケンスにわたるエミッタの検出パーフォーマンスを示す図である。 本発明の適応周波数補償法によらないUMTSの例のドップラーシフトに対する検出統計値のプロットを示す図であり、パイロットビットシーケンスにわたるエミッタの検出パーフォーマンスを示す図である。 図16に示された結果が得られた、すなわち本発明の適応周波数補償法による、パイロットビット数を示す図である。 図17に示された結果が得られた、すなわち本発明の適応周波数補償法によらない、パイロットビット数を示す図である。

Claims (30)

  1. 受信信号内の周波数オフセットを補償する方法であって、
    前記受信信号のトレーニングシーケンス及び1つ以上の基底関数を含む基準信号を生成するステップ、
    前記基準信号と関連付けられた費用関数を最小化するステップであって、該費用関数は前記トレーニングシーケンス、前記1つ以上の基底関数及び前記受信信号を含む、ステップ、
    前記基準信号と前記受信信号との間の所定の相関度を前記費用関数が示すとき、所望の周波数シフト信号を取得するステップ
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 最小の費用関数が、前記基準信号と前記受信信号との間の最大の相関度を示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記費用関数は、非自明の解を得るための制約をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記制約が非ゼロの信号パワーを必要とすることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記費用関数が、J=‖Xw−CFv‖+λ(wXw−l)によって与えられるJであり、
    ここで、Xが受信信号サンプルの行列であり、wがJを最小化するように構成される重みをビームフォーミングするベクトルであり、Cがその対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルであり、上付き文字の指数Hが複素共役転置を示し、λがビームフォーマ出力パワーに非ゼロであることを強制するような項のためのラグランジュ乗数である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 複数のデータベクトルから決定された相関行列の推定値から、また、行列Xの行である連続する新しいデータベクトルを反映するように再帰的に更新されるそのような推定値の逆行列からベクトルwおよびvを間隔を置いて決定するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 以下のステップによって逆相関行列を再帰的に更新することをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
    Figure 0004805849
    に等しい第1要素u(n)と、その他の要素u(n)(p=2からM)とを有するベクトルu(n)であって、ここで、Up,1(n)が行列U(n)の第1列の第p要素であり、行列U(n)≡u(n)u(n)=x(n)x(n)−x(n−K+1)x(n−K+1)であり、x(n)が最も新しいデータベクトルであり、x(n−K+1)が更新に関連する最も古いデータベクトルであり、x(n)x(n)およびx(n−K+1)x(n−K+l)が相関行列であり、u(n)がそれぞれの比率Up,1(n)/u(n)であるベクトルu(n)を形成するステップ、
    前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を前に掛け、ベクトルu(n)を後に掛けて積を形成するステップ、
    積を忘却係数に加えて合計を形成するステップ、
    前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を後に掛けて第2の積を形成するステップ、
    前記第2の積を前記合計で割って商を形成するステップ、
    前の逆相関行列P(n−1)から商を引いて差を提供するステップ。
  8. 前記受信信号は、単一アンテナ要素によって取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 費用関数が、J=‖x−CFv‖によって与えられるJであり、ここで、xが受信信号サンプルのベクトルであり、Cがその対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルである、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 費用関数が、J=‖αx−Gv‖+λ(αxα−1)によって与えられるJであり、ここで、αがスケーリング係数であり、xが受信信号サンプルのベクトルであり、Cがその対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、GがCFに等しい行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルであり、λがビームフォーマ出力パワーに非ゼロであることを強制するような項のためのラグランジュ乗数である、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  11. 受信信号内の周波数オフセットを補償するように構成される装置であって、
    トレーニングシーケンス及び1つ以上の基底関数を含む基準信号を生成する手段であって、前記1つ以上の基底関数、前記トレーニングシーケンス、及び前記受信信号を含む費用関数を最小化するように構成される、基準信号を生成する手段と、
    前記基準信号と前記受信信号との間の所定の相関度を前記費用関数が示すとき、所望の周波数シフト信号を取得する手段と
    を備えることを特徴とする装置。
  12. 前記取得する手段は、複数のアンテナ要素を有することを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 前記費用関数は非自明の解を得るための制約をさらに含み、前記制約が非ゼロの信号パワーを必要とすることを特徴とする請求項12に記載の装置。
  14. 前記費用関数が、J=‖Xw−CFv‖+λ(wXw−1)によって与えられるJであり、
    ここで、Xが受信信号サンプルの行列であり、wがJを最小化するように構成される重みをビームフォーミングするベクトルであり、Cがその対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルであり、上付き文字の指数Hが複素共役転置を示し、λがビームフォーマ出力パワーに非ゼロであることを強制するような項のためのラグランジュ乗数である、
    ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  15. 複数のデータベクトルから決定された相関行列の真の推定値から、また、行列Xの行である連続する新しいデータベクトルを反映するように再帰的に更新されるそのような推定値の逆行列から間隔を置いてベクトルwおよびvを決定する手段をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の装置。
  16. 以下の手段によって逆相関行列を再帰的に更新する手段をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
    Figure 0004805849
    に等しい第1要素u(n)と、その他の要素u(n)(p=2からM)とを有するベクトルu(n)であって、ここで、Up,1(n)が行列U(n)の第1列の第p要素であり、行列U(n)≡u(n)u(n)=x(n)x(n)−x(n−K+1)x(n−K+1)であり、x(n)が最も新しいデータベクトルであり、x(n−K+1)が更新に関連する最も古いデータベクトルであり、x(n)x(n)およびx(n−K+1)x(n−K+l)が相関行列であり、u(n)がそれぞれの比率Up,1(n)/u(n)であるベクトルu(n)を形成する手段、
    前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を前に掛け、ベクトルu(n)を後に掛けて積を形成する手段、
    積を忘却係数に加えて合計を形成する手段、
    前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を後で掛けて第2の積を形成する手段、
    前記第2の積を前記合計で割って商を形成する手段、
    前の逆相関行列P(n−1)から商を引いて差を提供する手段。
  17. 前記取得する手段は単一アンテナ要素を有し、前記単一アンテナは所与のサンプル時間の単一出力信号を生成するように構成されることを特徴とする請求項11に記載の装置。
  18. 費用関数が、J=‖x−CFv‖によって与えられるJであり、ここで、xが受信信号サンプルのベクトルであり、Cがその対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルである、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  19. 前記費用関数が、J=‖αx−Gv‖+λ(αxα−1)によって与えられるJであり、
    ここで、αがスケーリング係数であり、xが受信信号サンプルのベクトルであり、Cがその対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、GがCFに等しい行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルであり、上付き文字の指数Hが複素共役転置を示し、λがビームフォーマ出力パワーに非ゼロであることを強制するような項のためのラグランジュ乗数である、
    ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  20. システムによる実行に応答して、
    前記オリジナルトレーニングシーケンス及び複数の正弦基底関数を含む基準信号を生成する動作、
    前記基準信号と関連付けられた費用関数を最小化する動作であって、該費用関数は前記オリジナルトレーニングシーケンス、前記複数の正弦基底関数及び前記受信信号を含む、動作、
    前記基準信号と前記受信信号との間の所定の相関度を前記費用関数が示すとき、所望の周波数シフト信号を取得する動作、
    をシステムに行わせる、コンピュータ実行可能な命令を格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  21. 前記複数の正弦基底関数と前記オリジナルトレーニングシーケンスとの結合である比較トレーニングシーケンスを生成する動作をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  22. 前記費用関数は非自明の解を得るための制約を含み、前記制約が非ゼロの信号パワーを必要とすることを特徴とする請求項20に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  23. 前記費用関数が、J=‖Xw−CFv‖+λ(wXw−l)によって与えられるJであり、
    ここで、Xが受信信号サンプルの行列であり、wがJを最小化するように構成される重みをビームフォーミングするベクトルであり、Cがその対角線上にトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルであり、上付き文字の指数Hが複素共役転置を示し、λがビームフォーマ出力パワーに非ゼロであることを強制するような項のためのラグランジュ乗数である、
    ことを特徴とする請求項20に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  24. 複数のデータベクトルから決定された相関行列の推定値から、また、行列Xの行である連続する新しいデータベクトルを反映するように再帰的に更新されるそのような推定値の逆行列から間隔を置いてベクトルwおよびvを決定する動作をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  25. 以下の動作によって逆相関行列を再帰的に更新する動作をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
    Figure 0004805849
    に等しい第1要素u(n)と、その他の要素u(n)(p=2からM)とを有するベクトルu(n)であって、ここで、Up,1(n)が行列U(n)の第1列の第p要素であり、行列U(n)≡u(n)u(n)=x(n)x(n)−x(n−K+1)x(n−K+1)であり、x(n)が最も新しいデータベクトルであり、x(n−K+1)が更新に関連する最も古いデータベクトルであり、x(n)x(n)およびx(n−K+1)x(n−K+l)が相関行列であり、u(n)がそれぞれの比率Up,1(n)/u(n)であるベクトルu(n)を形成する動作、
    前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を前に掛け、ベクトルu(n)を後に掛けて積を形成する動作、
    積を忘却係数に加えて合計を形成する動作、
    前の逆相関行列P(n−1)にベクトルu(n)を後に掛けて第2の積を形成する動作、
    前記第2の積を前記合計で割って商を形成する動作、
    前の逆相関行列P(n−1)から商を引いて差を提供する動作。
  26. 前記受信信号は、単一アンテナ要素を有する受信器によって取得されることを特徴とする請求項20に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  27. 前記費用関数が、J=‖x−CFv‖によって与えられるJであり、
    ここで、xが受信信号サンプルのベクトルであり、Cがその対角線上に前記オリジナルトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルであることを特徴とする請求項26に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  28. 前記費用関数が、J=‖αx−Gv‖+λ(αxα−1)によって与えられるJであり、
    ここで、αがスケーリング係数であり、xが受信信号サンプルのベクトルであり、Cがその対角線上に前記オリジナルトレーニングシーケンスの要素を有する対角行列であり、Fがそれぞれの基底関数を定義する列を有する行列であり、GがCFに等しい行列であり、vがJを最小化するように構成される重みのベクトルであり、上付き文字の指数Hが複素共役転置を示し、λがビームフォーマ出力パワーに非ゼロであることを強制するような項のためのラグランジュ乗数である、
    ことを特徴とする請求項26に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  29. 前記1つ以上の基底関数は正弦曲線を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  30. 前記1つ以上の基底関数は、周波数オフセットに関連する複素正弦曲線が存在するサブスペースに亘ることを特徴とする請求項11に記載の装置。
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