JP4213023B2 - 適応制御装置及び適応制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に適応制御を行う技術分野に関連し、特に複数の可変高周波素子を高速に適応的に制御するための適応制御装置及び適応制御方法に関連する。
この種の技術分野では、複数の高周波素子のインピーダンスに依存して変化する信号に基づいて、各インピーダンスを最適値に適応的に制御することが行われる。例えば、時間と供に変化する通信環境において、複数のアンテナ素子に付随するキャパシタやインダクタ等の高周波素子のインピーダンスを適応制御することで、無線通信が良好に行われる。
図1は、そのような適応制御システムの一例を示す。この例では、M個のアンテナ素子102の各々に高周波素子104が接続され、各高周波素子104は、制御信号x〜x2Mに応じて各自のインピーダンスz〜z2Mを変化させることが可能である。M個のアンテナ素子102は、合成部106に接続される。合成部106の出力は、適応制御装置108に接続される。各アンテナ素子102で受信された信号は、高周波素子104の各インピーダンスz〜z2Mの影響を受けながら合成され、適応制御装置108に導入される。適応制御装置108では、適切な最適化アルゴリズムを利用して、その合成部106からの信号が所望の特性を有するように、制御信号x〜x2Mが作成され、各インピーダンスが変化する。これにより、例えばアンテナ素子102で受信する複数の到来波の内、干渉波のみを抑圧し、希望波のみを後段で処理することが可能になる。
図2は、適応制御装置で使用することの可能な従来の制御フロー200を示す。この手法は、摂動(perturbation)法を利用した最適化方法である。制御フロー200は、ステップ202より始まる。ステップ204では、複数の素子(インダクタLおよびキャパシタC)のインピーダンスz又はそれを設定するための制御信号xが適切な初期値に設定される。ステップ206では、制御対象となる素子を指示するパラメータmの値が初期値0に設定される。
ステップ208では、合成部106からの出力信号y(z)(z=(z,z,...,z2M))に依存して変化する評価関数f(z)の値が算出される。この評価関数値は、基準値f(z)としてメモリに格納される。評価関数f(z)としては様々な関数を採用することが可能であるが、例えば、次式のように送信信号に定期的に(フレーム毎に)挿入されている既知信号(プリアンブル)dと受信信号yとの一致度を表す関数とすることが可能である。
Figure 0004213023
この場合において、Hは、エルミート共役をとること(ベクトルを転置して複素共役をとること)を意味する。
この式は、規格化された受信信号と規格化された既知信号との内積又はスカラ積を計算することに相当する。従って、この関数値は、絶対値が1以下の実数値をとり、受信信号と既知信号とが一致していれば1になり、それらが直交していれば0になる。
ステップ210では、パラメータmの値が1つインクリメントされる。
ステップ212では、m番目の素子のインピーダンスzの値を、z+Δzに変化させる。例えば、mの値が1であれば、インダクタLの値に微小変化が加えられる。このインピーダンスの微小変化Δzに起因して、出力信号y(z)が変化する。
ステップ214では、ステップ208の計算に使用されたフレームの次のフレームを利用して、評価関数値f(z)が算出される。
ステップ216では、インピーダンスzに関する変化の前後における評価関数値f(z)の差分を算出することによって、勾配(gradient)ベクトル∇fを算出する。∇fは、2M個の成分を有するベクトル量であり、各成分は次式により計算される。
(∇f)zm=f(z,...,z+Δz,...,z2M)−f(z,...,z,...,z2M
ステップ218では、微小変化させたzの値を微小変化させる前の値に戻す。
ステップ220では、パラメータmの値が2M以下であるか否かが判定され、それが2M以下であればステップ208に戻り、勾配ベクトル▽fの他の成分を計算する。一方、パラメータmの値が2M以下でなければ、すなわち2Mより大きいならば、勾配ベクトル▽fの総ての成分が算出されたことを意味し、フローはステップ222に進む。
ステップ222では、この勾配ベクトル▽fを利用して、各素子のインピーダンスの値zが更新される。勾配ベクトル▽fは、f曲面上の座標(z,z,...,z2M)から、勾配(傾斜)が最も急激に変化する方向を示す。従って、この地点から▽fの示す方向に沿って進めば、評価関数値fの最大値又は最小値(所望の最適値)に接近することが可能になる。パラメータαは、インピーダンスの値を更新する際に、▽fに沿って進むステップ幅を示す。このようにしてインピーダンスxの値が更新される。
ステップ224では、前回のインピーダンスと今回の値を比較して、充分に収束しているか否かが判定され、収束していなければ更に更新を行うためにステップ206に戻り、収束していればステップ226に進んで制御フロー200は終了する。
このように摂動法を利用して勾配ベクトル▽fを計算し、インピーダンスを逐次更新することで、インピーダンスの最適化を図る手法については、例えば、特許文献1、非特許文献1および非特許文献2に記載されている。
特開2002−118414号公報 R.J.Dinger and W.D.Meyers,"A compact HF antenna array using reactively−terminated parastic elements for pattern control",Naval Reserch Laboratory Memorandum Report 4797,May 1982. 程,神谷,大平,「最急勾配法によるエスパアンテナのアダプティブ制御法の検討」,電子情報通信学会 技術報告,A・P2000−129,2000年10月
従来の適応制御システムに使用される可変高周波素子104は、高速動作の観点から、バラクタダイオードのような半導体素子で形成するのが一般的である。この種の半導体素子は、例えば10−12秒のような非常に高速な動作を行わせることが可能であるが、比較的多くの電力を消費するという問題点を有する。また、このような半導体素子は、挿入損失が高くなり得ること、アイソレーション特性が低くなり得ること、コスト高になり得ること等の問題点も有する。従って、この種の半導体素子を小型の電子機器に搭載して、上記のような適応制御を行うことは容易ではない。
一方、シリコン加工技術の進展と供に、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS:Micro Electro Mechanical System)又はナノエレクトロメカニカルシステム(Nano EMS)と呼ばれるものが近年注目されている。マイクロ又はナノオーダーのエレクトロメカニカルシステム(以下、「EMS」と略す)は、文字通りマイクロメートル又はナノメートル程度の大きさの微小な機械システムである。例えば、キャパシタの極板間隔を機械的に変更させたり、インダクタの磁芯の挿入量を変化させることで、EMSを利用した可変高周波素子を構築することが可能である。EMSを利用した可変高周波素子又は可変インピーダンス素子は、その動作が機械的であることに主に起因して、半導体素子よりも消費電力が少ないだけでなく、アイソレーション特性、挿入損失及びコスト等の観点からも有利である。
しかしながら、EMSを利用した可変高周波素子は、インピーダンスを変化させるために各自の可動部を動かすことを要するので、半導体素子よりも動作速度が遅い点で不利である。例えば、各々がEMSを利用する4つの素子で可変高周波素子104が形成され(2M=4)、各素子がインピーダンスを変化させるのに100μsecを要するとする。この場合に、1つの素子について、ステップ212及びステップ218にてインピーダンスを2回変化させるために200μsを要するので、ステップ222のインピーダンスの更新は、(2回×4素子+1(更新時))×100μs=900μs毎に1回しか行われないことになる。
一方、半導体素子よりは遅いが、4μsのように比較的高速にインピーダンスを変化させ得るEMSを利用した4つの素子で、可変高周波素子104が形成されたとする。この場合は、ステップ222のインピーダンスの更新は、理論上は、(2回×4素子+1(更新時))×4μs=36μs毎に1回行うことが可能になる。しかしながら、ステップ208やステップ214の評価関数の値の計算は、フレームに含まれる既知信号dを利用するので、必ずしもそのように高速にインピーダンスを更新させることができるとは限らない。例えば、IEEE802.11aのような高速無線LAN規格でも、20μsのフレーム毎に、8μsのプリアンブルが得られるに過ぎない。従って、上記の場合には、ステップ222のインピーダンスの更新は、(2回×4素子+1(更新時))×20μs=180μs(9フレーム)毎に1回しか行われないことになる。
本願の課題は、エレクトロメカニカルシステムより成る複数の可変高周波素子を、高速に適応的に制御することの可能な適応制御装置及び適応制御方法を提供することである。
本願の別の課題は、フレームに含まれるプリアンブルに続くペイロードを利用して、エレクトロメカニカルシステムより成る複数の可変高周波素子を高速に適応的に制御することが可能な適応制御装置及び適応制御方法を提供することである。
上記課題は、本発明による適応制御装置及び適応制御方法により解決される。本発明の一実施例によれば、各々が機械的に動かすことの可能な可動部を有し、各自のインピーダンスを変化させることが可能な複数の可変高周波素子を適応制御する適応制御装置が提供される。本装置は、特に、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを順番に変化させる信号を作成するインピーダンス変更部と、ある可変高周波素子のインピーダンスを変化させた場合に、スカラ関数値の変化する方向が、所望の方向であるか否かを判定する判定部を有する。インピーダンス変更部は、前記判定部の判定結果が肯定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを同一方向に更に変化させる信号を作成する第1変更部と、前記判定部の判定結果が否定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを逆方向に変化させる信号、又は別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる信号を作成する第2変更部を有する。
本発明によれば、エレクトロメカニカルシステムより成る複数の可変高周波素子を、高速に適応的に制御することが可能になる。
図3は、本願実施例による適応制御装置の主要な機能に関するブロック図を示す。この適応制御装置300は、例えば図1に示される適応制御装置108の代りに使用することが可能である。しかしながら、本発明は、そのような適応アレーアンテナシステムだけでなく、複数の可変高周波素子を適応制御する任意の非線形システムに適用することが可能である。簡単のため、制御対象となる可変高周波素子の総数はMであり、適応制御装置300には合成部106からのディジタル受信信号y(z)が入力されるものとする。
適応制御装置300は算出部302を有し、算出部は、ディジタル受信信号y(z)を受信し、所定の評価関数E(n)の値を算出する。評価関数Eは、複数の可変高周波素子のインピーダンスz(i=1〜M)に依存して変化するディジタル受信信号y(z)(z=(z,...,z))、及び既知信号dを利用して算出されるスカラ関数である。既知信号dは、送信側及び受信側で予め定められている信号である。
図4は、本願実施例で使用する信号フォーマットである。説明の便宜上、例えば20μsの1フレームには、例えば4μsのシンボルが5つ含まれており、2シンボルがプリアンブル(8μs)に割り当てられ、それに続く3シンボル(12μs)がペイロードに割り当てられるものとする。上記の既知信号dは、送信信号のプリアンブルに挿入される。
図3に戻って、算出部302で計算される評価関数Eの関数形としては、様々なものを採用することが可能である。簡単のため、図2のステップ208,214で使用したような、規格化された受信信号と既知信号の内積が評価関数Eとして使用される。従って、評価関数Eは、フレーム数(n)及びその時点のインピーダンスベクトルz(n)に依存して変化する。評価関数Eの他の関数形としては、例えば、受信信号と既知信号の差分の絶対値を利用することも可能である。
適応制御装置300は、算出部302の出力に接続される判定部304を有し、判定部は、スカラ関数値の変化する方向(増加方向又は減少方向)を判別する。可変高周波素子のインピーダンスを変化させると、それに応じてディジタル受信信号y(z)が変化し、算出部302で算出されるスカラ関数値も変化する。判定部304は、このスカラ関数値の変化が、増加方向であるか又は減少方向であるかを判別する。判別手法としては、様々なものがあり得るが、例えば、逐次得られるK個のスカラ関数値が、連続的に増加するか否か又は連続的に減少するか否かを判定することで、変化方向を正確に判別することが可能である。
適応制御装置300は、判定部304の出力に接続されるインピーダンス変更部306を有し、インピーダンス変更部は、可変高周波素子のインピーダンスを変化させるための信号を作成する。インピーダンス変更部306は、判定部304の判定結果に応じて、可変高周波素子のインピーダンスを更に同一方向に変化させる第1変更部308を有する。すなわち、算出部302にて算出されたスカラ関数値の変化が、所与の可変高周波素子のインピーダンスzを増加させたことに起因するならば、第1変更部308は、一定条件(後述)の下にその可変高周波素子のインピーダンスzを更に増加させるような制御信号を作成する。逆に、スカラ関数値の変化が、所与の可変高周波素子のインピーダンスzを減少させたことに起因するならば、第1変更部308は、一定条件の下にその可変高周波素子のインピーダンスzを更に減少させるような制御信号を作成する。
インピーダンス変更部306は第2変更部310を有し、第2変更部は、判定部304の判定結果に応じて、可変高周波素子のインピーダンスを逆方向に変化させる、又は別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる。例えば、算出部302にて算出されたスカラ関数値の変化が、所与の可変高周波素子のインピーダンスzを増加(又は減少)させたことに起因するならば、第2変更部310は、一定条件(後述)の下にその可変高周波素子のインピーダンスを減少(又は増加)させるような制御信号を作成する。更に、第2変更部310は、一定条件(後述)の下に、判定部304の判定結果に応じて、(所与の可変高周波素子とは異なる)別の可変高周波素子のインピーダンスzi+1を変化させる信号を作成する。
インピーダンス変更部306は、ステップサイズ調整部312を有し、これは、算出部302から得られる情報(特に、フレーム番号n)に基づいて、インピーダンス変更部306におけるインピーダンスの変化量Δz(n)を適宜調整する。
適応制御装置300は、インピーダンス変更部306の出力に接続されるディジタルアナログ変換器314(信号形式変換手段)を有し、ディジタルアナログ変換器はインピーダンス変更部306からのディジタル信号をアナログ信号に変換する。
適応制御装置300は、ディジタルアナログ変換器314の出力に接続された選択部316を有し、これは、可変高周波素子の何れか1つに、ディジタルアナログ変換器314の出力を制御信号x(i=1,...,M)として与える。制御信号を受信した可変高周波素子は、その信号の内容に応じて各自の可動部を機械的に動かすことで、各自のインピーダンスの値を調整する。
図5は、本願実施例による適応制御システムの制御フロー500を示すフローチャートである。簡単のため、本実施例では、評価関数Eが最小になるように各素子のインピーダンスを適応制御することを想定する。但し、他の実施例では、評価関数の最大値を求めるような制御も行なわれ得る。制御対象となる可変高周波素子の総数は4であるとする(M=4,m=1,...,M)。しかしながら、本発明は、評価関数値を最小化させるだけでなく、最大化させるシステムに適用することも可能である。また、制御対象となる素子数も任意の数であり得る。
ステップ502では、フレーム番号nが初期値に0に設定される(n=0)。
ステップ504では、算出部302(図3)にてその時点における評価関数Eの値(E(n=0))が算出される。
ステップ506では、素子番号mが1に設定され、4つの可変高周波素子の内、1番目のものが指定される(m=1)。
ステップ508では、増減カウンタ値cが0に設定される(c=0)。本実施例における増減カウンタ値cは、0,1又は2である。以下に説明されるように、c=0はインピーダンスを変化させる方向が増加方向であることを意味し、c=1はインピーダンスを変化させる方向が減少方向であることを意味し、c=2は目下の素子とは異なる別の素子のインピーダンスを変化させることを意味する。
ステップ510では、目下指定されている1つの可変高周波素子のインピーダンスを、所定の量だけ増加させる。インピーダンスの変化量は、フレーム番号nによらない一定値でもよいし、フレーム番号nに依存する値でもよい。また、インピーダンス変化量は、総ての可変高周波素子について同一の値にすることも可能であるし、素子毎に異なる値にすることも可能である。いずれにせよ、インピーダンスの変化量は、ステップサイズ調整部312(図3)にて適宜設定される。なお、インピーダンスの大きさ(絶対値)及び位相の両者を変化させる場合には、各自の変化量を別々に設定及び調整する必要がある。簡単のため、本実施例におけるインピーダンスの変化量Δzは、素子及びフレームによらない一定値であり、位相成分を有しないとする。
ステップ512では、フレーム番号nを増加させる(インクリメントする)。
ステップ514では、評価関数Eの値を算出する。m=1の場合は、ステップ510の操作により、M個の可変高周波素子の内、1番目の素子のインピーダンスzがプラス方向にΔzだけ変化する。このインピーダンス変化に起因して、算出部302(図3)に入力されるディジタル受信信号も変化する。ステップ514では、その時点における評価関数Eの値を算出する。なお、評価関数Eの算出には、フレーム毎に挿入されているプリアンブルが利用されるので、ステップ512でフレーム番号が更新される。
ステップ516では、評価関数値が所望の方向に変化しているか否かが判定される。本実施例では、評価関数Eが最小になるように各素子のインピーダンスを変化させるので、所望の方向は、評価関数Eの値が減少する方向である。ステップ516では、評価関数Eの値が所望の方向とは逆向きに変化したか否かを判定する。このため、ステップ516は、K回連続して評価関数値Eが増加したか否かを判別する。具体的には、
E(n)>E(n−1)>・・・>E(n−K) ・・・(A)
が満たされたか否かが判定される。本実施例ではK=2であるので、ステップ516は、3以上のスカラ関数値が連続して増加しているか否かを判定する。K=1でも変化方向を判別すること自体は可能であるが、この場合は、E(n)>E(n−1)が満たされるか否かが判断されるに過ぎないので、ノイズ等に影響されやすくなってしまう。Kの値を大きくすることで、そのようなノイズの影響を抑制し、評価関数値の変化する方向を正確に判定することが可能になる。但し、Kの値を大きくすると、大小比較の回数が増えるので、判定速度あるいは応答速度が遅くなる。この場合において、受信信号に含まれるノイズの多少に応じてKの値を変化させることが有利である。例えば、信号雑音比(SNR)が低いときはKの値を大きく設定し、SNRが高いときはKの値を低くすることで、ノイズの影響に配慮しつつ適応速度を速める(収束性を向上させる)ことが可能になる。(A)式の条件を満たさない場合はステップ518に進む。
ステップ518では、増減カウンタcの値が1であるか否かが判定される。c=0ならば、ステップ510に戻り、対象としている素子のインピーダンスzを増加させ(ステップ510)、フレーム番号nを更新し(ステップ512)、評価関数値Eを算出し(ステップ514)、(A)式が満たされたか否かを判別する(ステップ516)までの一連のステップが行われる。すなわち、矢線530に示されるように、(A)の条件が満たされるまで、素子のインピーダンスzが連続的に増やされる。ステップ516で、(A)が満たされると(2回連続して評価関数値が増加すると)、ステップ522に進む。
ステップ522では、増減カウンタcの値を1つ増加させる。目下の場合、c=0であったので、ステップ522により増減カウンタcの値は1になる(c=1)。
ステップ524では、増減カウンタcの値が2(c=2)であるか否かが判定される。目下の場合はc=1であるため、ステップ520に進む。
ステップ520では、ステップ510とは逆に、可変高周波素子のインピーダンスをマイナス方向に変化させる。どの程度減少させるかについては、ステップ510の場合と同様に、ステップサイズ調整部312にて適宜調整される。簡単のため、本実施例におけるインピーダンスの変化量Δzは、素子及びフレームによらない一定値であるとする。以後、ステップ512に戻り、フレーム番号nの更新(ステップ514)、評価関数値の算出(ステップ514)を経て、ステップ516にて評価関数値の変化方向が判定される。ステップ520における操作が、評価関数値を減少させるものであったならば、(A)の条件を満たさないので、ステップ518に進む。
ステップ518では、増減カウンタcの値が1であるか否かが判別され、目下の場合はYesであり、ステップ520に進む。以下同様に、素子のインピーダンス(z)を減少させ(ステップ520)、フレーム番号nを更新し(ステップ512)、評価関数値を算出し(ステップ514)、評価関数値の変化方向を判別する(ステップ516)までの一連の処理が行われる。すなわち、矢線532に示されるように、(A)式を満たすまで(評価関数値が2回連続して増加するまで)素子のインピーダンスが連続的に減らされる。(A)式を充足すると、ステップ522に進む。
ステップ522では増減カウンタ値cを更に1つ増加させ、ステップ524で増減カウンタ値cの値が2であるか否かが判定される。目下の場合はYESであるため、ステップ526に進む。
ステップ526では、mの値を1つ増加させ、別の可変高周波素子(m=2)を指定する。
ステップ528では、目下のmの値が最大値M以下であるか否かが判定される。最大値以下であったならば、ステップ508に進み、可変高周波素子のインピーダンスzの場合と同様に、別の可変高周波素子のインピーダンスzが増加させられ、その後に減少させられる。総ての素子についてインピーダンスを変化させたならば、mがMより大きくなり、制御フローはステップ506に進み、素子数を1にリセットし、以後同様の制御手順が行われる。このようにして、各素子のインピーダンスが適応的に調整されてゆく。
なお、図5のフローチャートでは、説明を簡単にするため、制御フローを終了させる手順を省略している。終了させる手順については、例えば、評価関数の値が所定値より低くなった場合に制御フローを終了することが可能である。その後は評価関数値を監視する動作モードに入り、評価関数が所定値より大きくなった場合に制御フローを再開することが可能である。
図6は、図5の制御フロー500に従って、インピーダンスz(上側)及び評価関数Eの値(下側)が変化してゆく様子を示す。横軸は時間又はフレーム数に相当する。図示されているように、1番目の可変高周波素子のインピーダンスzを時刻0から増加させている。時刻tに至るまでは、インピーダンスzを増加させるにつれて、評価関数Eも減少方向(所望の方向)に変化している。以後、2回連続して評価関数Eが増加するまで、インピーダンスzは連続的に増加させられる。このような処理は、図5の矢線530に示されるループに関連する。時刻tになると、2回連続して評価関数Eが増加している。このため、増減カウンタ値cの値を増やし、インピーダンスzの値を減少させる。この場合も、2回連続して評価関数Eが増加するまで、インピーダンスzは減少させられる。このような処理は、図5の矢線532に示されるループに関連する。
時刻tになると、2回連続して評価関数Eが増加しているので、増減カウンタcの値を更に増やし、別の可変高周波素子のインピーダンスzを増加させる。時刻tになると、2回連続して評価関数Eが増加しているので、増減カウンタ値cの値を増やし、インピーダンスzの値を減少させる。時刻tになると、2回連続して評価関数Eが増加しているので、増減カウンタ値cの値を増やし、次の素子のインピーダンスzを対象にする。以下同様にして、総ての素子について、インピーダンスを増加及び減少させる操作が反復される。
図7は、本実施例によるインピーダンスの更新時点を示す図である。図4に関連して説明したように、20μsの1フレームには、4μsのシンボルが5つ含まれており、2シンボルがプリアンブル(8μs)に割り当てられ、それに続く3シンボル(12μs)がペイロードに割り当てられる。既知信号dは、送信信号のプリアンブル(斜線の付された部分)に挿入される。本実施例による可変高周波素子は、エレクトロマイクロシステム(EMS)を利用したキャパシタ又はインダクタを有し、このEMSは4μs程度で比較的高速にインピーダンスを変化させることが可能であるとする。プリアンブルが得られる毎に評価関数Eが算出されるので、本実施例によるインピーダンスを更新する時点は、第1シンボルの終了時点,第2シンボルの終了時点、...であり、20μsの1フレームにつき2回インピーダンスを更新することが可能である。従って、9フレームでは18回更新することが可能である。これに対して、図2に示されるような従来の手法では、上述したように180μs(9フレーム)毎に1回の割合で、4つの素子のインピーダンスを一度に更新する。従って、本実施例によれば、1素子毎に頻繁にインピーダンスを更新させることで、適応制御の高速化を図ることが可能になる。
本実施例では、適応制御の高速化の観点から、プリアンブルが到来する毎に(フレーム毎に)評価関数Eを算出し、可変高周波数素子のインピーダンスを変更している。しかしながら、インピーダンスを変更する頻度を少なくすることが可能な動作環境であるならば、必ずしもフレーム毎にインピーダンスを更新する必要はない。例えば、2フレーム毎、3フレーム毎等の所望の間隔で更新することが可能である。
図8は、他の実施例による適応制御システムの制御フロー800を示すフローチャートである。図5の制御フローと同様に、4つの素子のインピーダンスを制御して(M=4)、評価関数Eが最小になるようにする。ステップ802では、フレーム番号nが初期値に0に設定される(n=0)。
ステップ804では、その時点における評価関数Eの値(E(n=0))が算出される。
ステップ806では、4つの可変高周波素子の内、1番目のものが指定される(m=1)。
ステップ808では、フレーム番号nが1つインクリメントされる。
ステップ810では、増減カウンタ値cが0であるか否かが判定される。本実施例における増減カウンタ値cは、0又は1である。以下に示されるように、c=0はインピーダンスを変化させる方向が増加方向であることを意味し、c=1はインピーダンスを変化させる方向が減少方向であることを意味する。初期状態では増減カウンタ値cは0であるため、ステップ812に進む。
ステップ812では、目下指定されている1つの可変高周波素子のインピーダンスを、ステップサイズ調整部312(図3)で設定された所定の量だけ増加させる。簡単のため、本実施例におけるインピーダンスの変化量Δzは、素子及びフレームによらない一定値であるとする。
ステップ814では、評価関数Eの値を算出する。ステップ812の操作により、M個の可変高周波素子の内、1番目の素子のインピーダンスがΔzだけ変化する。このインピーダンス変化に起因してディジタル受信信号も変化し、その時点における評価関数Eの値が算出される。
ステップ816では、評価関数値が所望の方向(本実施例では、減少する方向)に変化しているか否かが判定される。図5のステップ516と同様に、ステップ816でも、K回連続して評価関数値Eが増加するまで((A)式が満たされるまで)、m番目の素子のインピーダンスzを連続的に変化させる。本実施例では、K=2である。(A)式の条件を満たすと、ステップ818に進む。
ステップ818では、mの値を1つ増加させ、別の可変高周波素子(m=2)を指定する。
ステップ820では、目下のmの値が最大値M以下であるか否かが判定される。mの値が最大値以下であったならば、ステップ808に戻り、可変高周波素子のインピーダンスzの場合と同様に、別の可変高周波素子のインピーダンスzが増加させられる。総ての素子についてインピーダンスを変化させたならば、mがMより大きくなり、制御フローはステップ822に進む。
ステップ822では、増減カウンタ値cが1つインクリメントされ、目下の場合はc=1となる。
ステップ824では、増減カウンタ値cが1に等しいか否かが判定され、等しければそのままステップ806に進み、等しくなければ(c=2であれば)、ステップ826にて増減カウンタ値cを0にリセットした後にステップ806に進む。目下の例では、c=1である。尚、選択的なステップ825については後述される。
ステップ806では、再び1番目の素子が指定される(m=1)。
ステップ808では、フレーム番号nが更新される。
ステップ810では、増減カウンタ値cが0であるか否かが判定され、目下の場合はc=1であるため、ステップ828に進む。
ステップ828では、目下指定されている1つの可変高周波素子のインピーダンスを、ステップサイズ調整部312(図3)で設定された所定の量だけ減少させる。簡単のため、本実施例におけるインピーダンスの変化量Δzは、素子及びフレームによらない一定値であるとする。
ステップ814では、評価関数Eの値を算出する。ステップ828の操作により、M=4個の可変高周波素子の内、1番目の素子のインピーダンスがΔzだけ変化する。このインピーダンス変化に起因してディジタル受信信号も変化し、その時点における評価関数Eの値が算出される。
ステップ816では、2回連続して評価関数値Eが増加するまで((A)式が満たされるまで)、m番目の素子のインピーダンスzを変化させる。(A)式の条件が満たされると、制御フローはステップ818に進む。
ステップ818では、制御フローは、mの値を1つ増加させ、別の可変高周波素子(m=2)を指定する。
ステップ820では、目下のmの値が最大値M以下であるか否かが判定される。最大値以下であったならば、ステップ808に戻り、可変高周波素子のインピーダンスzの場合と同様に、別の可変高周波素子のインピーダンスzが増加させられる。総ての素子についてインピーダンスを変化させたならば、mがMより大きくなり、制御フローはステップ822に進む。
ステップ822では、増減カウンタ値cが1つインクリメントされ、目下の場合はc=2となる。
ステップ824では、増減カウンタ値cが1に等しいか否かが判定され、等しければそのままステップ806に進み、等しくなければ(c=2であれば)、ステップ826にて増減カウンタ値cを0にリセットした後にステップ806に進む。目下の例では、c=2である。
このようにして、可変高周波素子のインピーダンスが制御される。本実施例は、ある素子のインピーダンスを増加させた後に、別の素子のインピーダンスを増加させる。総ての素子についてインピーダンスを増加させた後に、増減カウンタ値cを増加させ、1番目の素子から順にインピーダンスを減少させる。
ところで、上記の実施例ではインピーダンスの変化量Δzは一定値であることを想定していたが、変化量Δzはフレーム番号nや可変高周波数素子の種類等に依存して変化する値でもよい。例えば、インピーダンスの値を更新する毎に、変化量を小さくすることが可能である。これにより、当初は大きな変化量又はステップサイズΔz(n)で収束速度を大きくし、その後はステップサイズを小さくして収束の安定性を向上させることが可能になる。例えば、
Δz(n)=Δz(n−1)×A, 0<A≦1
とすることが可能である。
このように変化量Δzを調整する操作は、例えば、図8にて波線のブロックで示されるような選択的なステップ825にて行なうことが可能である。或いは、ステップ825にて変化量Δzを算出するのではなく、図14のステップ825’に示されるように、Δzを定めるパラメータを更新することも可能である。図14では、ステップ812,828におけるインピーダンスの変化量Δzが、2π/(2β)(ラジアン)で表現される。但し、パラメータβは自然数(より一般的には1以上の実数)である。そして、ステップ825’にて変化量Δzを定めるパラメータβの値が更新される。このようなパラメータβはディジタル移相器のビット幅に関連付けることが可能である。また、フレーム番号nの更新頻度と、変化量Δzの更新頻度は、一致していても良いし異なっていても良い。例えば、収束の状況に応じて変化量Δzを変化させるか否か(即ち、選択的なステップ825又は825’を実行するか否か)を選択することも可能である。いずれにせよ、インピーダンスの変化量Δzの値を粗から細へ徐々に小さくしてゆくことで、インピーダンスの収束性を向上させることが可能になる。
変化量Δzの大きさ又は変化量Δzの変化量の大きさは、適切な任意の値をとり得るが、EMSを利用した素子のインピーダンスを大きく変化させると、所望の値に達するまでの間に、不要なオーバーシュートやアンダーシュートが生じ得る。従って、インピーダンスの変化量は、そのような不要な変動が生じない範囲内で設定することが望ましい。インピーダンスの大きさ(絶対値)及び位相の両者を変化させる場合には、大きさの変化量及び位相の変化量を個々に定める必要がある。
尚、変化量Δzを定期的に又は不定期的に変化させる操作は、図8に関する実施例に限らず、図5に示される実施例その他の実施例にて行なうことが可能である。
図9は、図8の制御フロー800に従って、インピーダンスz(上側)及び評価関数Eの値(下側)が変化してゆく様子を示す。横軸は時間又はフレーム数に相当する。図示されているように、1番目の素子のインピーダンスzが、2回連続して増加するまで増加させられる。時刻tで、その条件(A)が満たされると、2番目の素子のインピーダンスzが増加させられる。時刻tで、条件(A)が満たされると、3番目の素子のインピーダンスzが増加させられる。時刻tで、条件(A)が満たされると、4番目の素子のインピーダンスzが増加させられる。ここまでは、図8の制御フローにおける増減カウンタ値cが0である場合の処理に対応する。
4つ総ての素子について、インピーダンスを増加させた後に、増減カウンタ値のインクリメント(ステップ822)を経て、再び1番目の素子が指定される(ステップ806(m=1))。今回は、増減カウンタ値cは1であるため、素子のインピーダンスは減少させられる。すなわち、1番目の素子のインピーダンスzは、2回連続して増加するまで減少させられる。時刻tで、その条件(A)が満たされると、2番目の素子のインピーダンスzが減少させられる。以下同様に、総ての素子のインピーダンスが減少させられる。
図5,6に示される実施例では、1つの素子のインピーダンスを増加及び減少させた後に、次の素子のインピーダンスが変化させられる。ある素子のインピーダンスを増加させた後に、(他の素子のインピーダンスを不変にしつつ)直ちにそれを減少させることは、評価関数値Eを元の値に戻すことに相当する。これは、過度に増加したインピーダンスを減少させ、最適値に近づけることを意味する。従って、図5,6に示される実施例は、1つの素子のインピーダンスの個々の挙動が、評価関数値Eに比較的大きく影響するような動作環境(例えば、制御対象となる素子数が少ない場合)に適している。
これに対して、図8,9に示される実施例では、総ての素子についてインピーダンスを増加させるサイクルが終了した後に、総ての素子についてインピーダンスを減少させるサイクルを実行することで、素子のインピーダンスが調整されている。この場合も、ある素子について見れば、インピーダンスを増加させる操作が行われた後に減少させる操作が行われる。しかし、この場合の減少させる操作は、他の素子のインピーダンスを変化させた後に行われるので、該ある素子のインピーダンスを減少させたとしても、それが評価関数値Eを元の値に戻すとは限らない。この実施例は、複数の素子のインピーダンスの全体的な挙動が、評価関数値Eに比較的大きく影響するような動作環境(例えば、制御対象となる素子数が多い場合)に適している。
図10は、上述した実施例に示されるような適応制御装置を、直交周波数分割多重化(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)システムの無線受信機に適用した場合の実施例を示す。図10には、本発明に特に関連する主要なブロックが図示されている。本システムは、無線送信機1002、伝送路1004及び無線受信機1006を包含する。無線送信機1002は、無線送信用のデータシンボル系列の送信信号S(t)を作成する送信信号生成部1008を有する。無線送信機1002は、送信信号生成部1008の出力に接続され、PSK,QAM等の変調及び誤り訂正符号化等を行うエンコーダ変調/1010を有する。無線送信機1002は、変調/エンコーダ1010の出力に接続され、高速逆フーリエ変換を行う変換部(IFFT部)1012を有する。IFFT部1012の出力信号(マルチキャリア信号)は、パラレルシリアル変換後に、不図示の無線部及び伝送路1004を経て、無線受信機1006の受信部1016にて受信される。
受信部1016は、複数の可変高周波素子を含む回路であり、例えば適応アレーアンテナを形成する。無線受信機1006は、受信部1016の出力に接続されたアナログディジタル変換器1018を有する。無線受信機1006は、アナログディジタル変換器1018の出力に接続された高速フーリエ変換部1020を有する。
無線受信機1006は、アナログディジタル変換器1018の出力に接続された送信信号推定部1022を有する。送信信号推定部1024は、アナログディジタル変換器1018の出力に接続されたインパルス応答推定部1024を有し、これは、受信信号r(t)と既知信号に基づいて、伝搬路1004に対するインパルス応答h(t)を推定する。このインパルス応答h(t)は、例えば図11に示されるような、所定の時間範囲にわたって到来する様々なパス成分を含む。送信信号推定部1022は、インパルス応答推定部1026で推定されたインパルス応答を修正するインパルス応答修正部1026を有する。インパルス応答修正部1026は、インパルス応答h(t)に含まれる様々なパス成分の一部を除去することで、図12に示されるような所望のインパルス応答h’(t)を作成する。除去されるパス成分としては、例えば、インパルス応答h(t)にて、ガードインターバルGIを超えて遅れて到来するパス成分や、所定の電力レベルに満たないパス成分(例えば、最大レベルの20%に満たないパス成分)である。図中これらは点線で示される。
送信信号推定部1022は、インパルス応答修正部1026の出力に接続された高速フーリエ変換する変換部(FFT部)1028を有し、これは、修正された時間領域のインパルス応答h’(t)をフーリエ変換し、周波数領域の伝達関数H’(f)を生成する。送信信号推定部1022は、IFFT部1028の出力に接続される所望信号作成部1030を有し、これは、周波数領域の伝達関数H’(f)と周波数領域の参照信号S’(f)に基づいて、所望信号R’(f)を作成する。所望信号R’(f)は、参照信号S’(f)が図12に示されるような理想的な伝達関数H’(f)の影響を受けながら伝送路を伝搬した場合に受信されるであろう信号を表す。
一方、無線受信機1006は、FFT部1020の出力に接続された復調/デコーダ1032を有し、これは、PSK,QAM復調及び誤り訂正を行うことで正確に復元された復調信号を出力する。無線受信機1006は、復調/デコーダ1032に接続された変調/エンコーダ1034を有する。変調/エンコーダ1034は、復調された受信信号を再び変調/エンコードすることで、送信された信号のレプリカを作成し、これを参照信号S’(f)として所望信号作成部1030に入力する。
無線受信機1006は、送信信号推定部1022に接続され、所定の評価関数E(n)を算出する算出部1036を有する。本実施例では、評価関数Eは、マルチキャリアの受信信号R(f)と所望信号R’(f)の差分の絶対値である。無線受信機1006は、算出部1036の出力に接続された最適化制御部1038を有し、これは、評価関数E(n)が小さくなるように受信部1016の可変高周波素子のインピーダンスを適応制御する。
本実施例によれば、復調/デコーダ1032における誤り訂正後の高精度に復元された復調信号を、評価関数の計算における参照信号に利用することができるので、プリアンブルが到来するのに先立って評価関数の計算を行うことが可能になる。
図13は、本実施例によるインピーダンスの更新時点を示す図である。図7にて言及したのと同様に、20μsの1フレームには、4μsのシンボルが5つ含まれており、2シンボルがプリアンブル(8μs)に割り当てられ、それに続く3シンボル(12μs)がペイロードに割り当てられる。既知信号dは、送信信号のプリアンブル(斜線の付された部分)に挿入される。本実施例による可変高周波素子は、エレクトロマイクロシステム(EMS)を利用したキャパシタ又はインダクタを有し、このEMSは4μs程度で比較的高速にインピーダンスを変化させることが可能であるとする。
本実施例では、プリアンブル以外のペイロードの部分で評価関数Eの値が算出されるので、インピーダンスを更新する時点は、第3シンボルの終了時点,第4シンボルの終了時点,第5シンボルの終了時点,...であり、20μsの1フレームにつき3回インピーダンスを更新することが可能である。従って、9フレームでは27回更新することが可能である。これに対して、図2に示されるような従来の手法では、上述したように180μs(9フレーム)毎に1回の割合で、4つの素子のインピーダンスを一度に更新する。従って、本実施例によれば、1素子毎に頻繁にインピーダンスを更新させ、適応制御の更なる高速化を図ることが可能になる。
以上に説明したように、本願実施例によれば、個々の可変高周波素子を1つずつ最適値に近づけてゆき、適応制御の高速化を図ることが可能になる。この点、多数の可変高周波素子に対して勾配ベクトルを算出し、その後にそれらのインピーダンスを一度に更新させる従来の手法と大きく異なる。従来の手法では、素子のインピーダンスを1回更新するために、総ての素子についてインピーダンスを増加及び減少させて勾配ベクトルを算出する必要があるので、長時間を要する。本願実施例は、そのような勾配ベクトルを必要としないので、速やかにインピーダンスの更新を行うことが可能になる。
一実施例によれば、判定部は、逐次得られた3以上のスカラ関数値が、連続的に増加又は減少している場合に、インピーダンス変更部に対して、所定の条件が満たされたことを通知する。逐次得られたK個の値を比較することで、ノイズ等の影響を抑制し、スカラ関数値の変化を高精度に判定することが可能になる。Kの値は、前記インピーダンスに応じて変化する信号に含まれるノイズの多少に依存して変更され得る。これにより、ノイズの影響に配慮しつつ演算負担を軽減することが可能になる。ノイズ等の影響を更に抑制する観点からは、次式のように、複数のスカラ関数値にわたる平均値E’(n)を利用することも有意義である:
E’(n)=(E(n)+E(n−1)+・・・+E(n−K+1))/K
但し、nはフレーム番号を示す。また、次式のように、忘却係数αを利用して線形結合をとることも有利である:
E’(n)=αE’(n−1)+(1−α)E(n)
忘却係数αは、例えば、0.9のような0以上1以下の値をとり得る。
また、連続する3以上のスカラ関数値を比較する代りに、以前に得られたスカラ関数値と今回のスカラ関数値の差分が、所定値を超えたか否かを判定することも可能である。更には、以前に算出したスカラ関数値の平均値と今回算出したスカラ関数値の平均値の差分が、所定値を超えたか否かを判定することも可能である。
一実施例による適応制御装置は、インピーダンス変更部に接続され、可変高周波素子のインピーダンスの変化量を調整するステップサイズ調整部を有する。インピーダンスの変化量は、フレーム番号nや可変高周波数素子の種類等に依存して変化する値でもよいし、それらに依存しない一定値とすることも可能である。
一実施例によれば、個々の素子を1つずつ最適値に近づけてゆくので、複数の可変高周波素子に共通する1つの信号形式変換部(例えば、D/A変換器)を利用することが可能になる。従来の手法では、ステップ222にて総ての可変高周波素子のインピーダンスを一度に更新させるので、そのような信号形式変換部を可変高周波素子の個数だけ用意する必要がある。従って、本願実施例は、装置の簡易化の観点からも有利である。
一実施例によれば、複数の可変高周波素子が、適応アレーアンテナを形成するアンテナ素子に接続される。本発明は、適応アレーアンテナに限らず、任意の適応制御系に応用することが可能である。しかしながら、移動通信装置(特に、小型の移動通信装置)では、電力消費を抑制しつつ、高速な適応制御を行う要請が特に強い。従って、本願実施例はそのような小型の移動通信装置に使用される可変高周波回路の適応制御に特に適している。
一実施例によれば、算出部で使用される参照信号が、誤り訂正後の復調信号より成る。硬判定後の高精度に復元された復調信号を参照信号とすることで、プリアンブルに含まれる既知信号を待つことなしに、算出部の演算等を行うことが可能になる。これにより、プリアンブルに続くペイロードの間に、可変高周波素子のインピーダンスを更新することが可能になり、更新可能な時点(タイミング)が増加する。
上述した本願実施例では、可変高周波数素子のインピーダンスを変化させる場合に、最初に増加させ、その後に減少させていた。しかしながら、本発明はそのような態様に限定されず、先に減少させ、その後に増加させることも可能である。また、複数の可変高周波数素子の一部の素子の素子については先に増加させ、他の素子については先に減少させることも可能である。
本願実施例では、複数の可変高周波数素子のインピーダンスを1つずつ順番に変更してゆく場合を説明したが、例えば制御系の対称性等を考慮して、複数の素子を一度に(例えば2つずつ)変更してゆくことも可能である。但し、そのような場合には、D/A変換部のような信号変換部を、一度に変更する素子数分用意する必要がある。
本願実施例によれば、多数のEMSで形成され、動作特性が適応的に高速に変化し得る可変高周波回路を形成することが可能になる。そのような可変高周波回路は、例えば可変帯域のフィルタ、電圧制御発振器(VCO)、可変周波数増幅器等の任意の可変高周波回路であり得る。一般に、移動端末のRF部は、所定の通信規格に合わせて固定されている。例えば、800MHz、1.5GHz、2GHz、2.4GHz、IEEE802.11aのような各種の通信規格が存在し、移動端末のRF部はこれら何れかの規格に適合するように設定される。複数の通信規格に利用可能な移動端末を作成するには、利用する規格の数だけRF部を用意しなければならないのが一般的である。本願実施例によれば、動作特性が適応的に高速に変化し得る可変高周波回路を形成することができるので、複数の通信規格に利用可能な簡易な構成の移動端末を形成することが可能になる。
本発明による適応制御装置及び適応制御方法は、特定の実施形態によらず、様々な適応制御系に適用することが可能である。例えば、一般的に図1に示されるような適応アレーアンテナシステムに適用することが可能である。あるいは、図15に示されるような簡易型の適応アレーアンテナシステムに本発明を適用することも可能である。図15に示される実施例では、給電されるM個のアンテナ素子の各々に対する可変高周波素子が、各アンテナ素子に直列に接続された1つの可変キャパシタンス素子C〜Cから形成されている。一般に可変高周波素子の構成は複雑化及び大型化する傾向にあり、コスト高の一因となっているが、本実施例では可変高周波素子は非常に簡易に構成され得るので、これはコスト等の観点から非常に有利である。
ところで、このような可変高周波素子の構成を採用すると、各アンテナ素子の位相は0〜90度の範囲内でしか変化させることができなくなる(−j∞<(jωC)−1<j0,ωは角周波数)。一般的な可変高周波素子のように0〜360度の全範囲にわたって位相を変化させることはできず、従って、この形態は調整可能な位相範囲の観点からは機能的に劣ることとなる。しかしながら、位相を変化させ得る範囲が0〜90度であっても、その程度に変化すれば、各アンテナ素子からの信号を合成部にて等利得合成し、適応制御を行なうこと自体は多くの場合に可能である。尚、本実施例では、可変キャパシタンス素子C〜Cが用いられているが、これらの代りに可変インダクタンス素子L〜Lを利用することも理論的には可能である。
本実施例によれば、位相を変化させるダイナミックレンジを360度より狭くする代りに、可変高周波素子の構成を簡易化し、コスト的に有利にすることが可能である。本実施例は、移動端末のような低コスト化が求められる製品用途に特に有利である。このような製品用途に上述の適応制御手法を組み込むと、速やかな適応制御を行なうことの可能な通信端末を安価に実現することが可能になる。
以下、本願課題を解決する手段を例示的に列挙する。
(付記1) 各々が機械的に動かすことの可能な可動部を有し、各自のインピーダンスを変化させることが可能な複数の可変高周波素子を適応制御する適応制御装置であって、
前記複数の可変高周波素子のインピーダンスに応じて変化する信号、参照信号及び所定のスカラ関数を利用して、スカラ関数値を算出する算出手段と、
前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを順番に変化させる信号を作成するインピーダンス変更手段と、
ある可変高周波素子のインピーダンスを変化させた場合に、スカラ関数値の変化する方向が、所望の方向であるか否かを判定する判定手段
を有し、前記インピーダンス変更手段が、
前記判定手段の判定結果が肯定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを同一方向に更に変化させる信号を作成する第1手段と、
前記判定手段の判定結果が否定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを逆方向に変化させる信号、又は別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる信号を作成する第2手段
を有することを特徴とする適応制御装置。
(付記2) 前記判定手段が、逐次得られた3以上のスカラ関数値が、連続的に増加しているか否か又は連続的に減少しているか否かを判定する手段を有することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記3) 前記判定手段が、逐次得られたK個のスカラ関数値が、連続的に増加しているか否か又は連続的に減少しているか否かを判定する手段を有し、前記Kの値が、前記インピーダンスに応じて変化する信号に含まれるノイズの多少に依存して変更されることを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記4) 前記第2手段が、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを逆方向に変化させる信号を作成した後に、依然として前記判定手段の判定結果が否定的であったならば、別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる信号を作成することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記5) 前記インピーダンス変更手段が、前記複数の可変高周波素子に含まれる一部の素子について、各インピーダンスを増加させた後に減少させ、他の素子については各インピーダンスを減少させた後に増加させることを特徴とする付記4記載の適応制御装置。
(付記6) 前記インピーダンス変更手段が、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを一方の方向に順に変化させた後に、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを他方の方向に順に変化させる信号を作成することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記7) 更に、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスの変化量を調整するステップサイズ調整手段を有することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記8) 可変高周波素子のインピーダンスを更新する毎に、前記変化量が異なる値をとることを特徴とする付記7記載の適応制御装置。
(付記9) 可変高周波素子のインピーダンスを更新する毎に、前記変化量が、一定の比率で小さくなることを特徴とする付記7記載の適応制御装置。
(付記10) 更に、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる信号を各可変高周波素子に与える、前記複数の可変高周波素子に共通する1つの信号形式変換手段を有することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記11) 前記算出手段が、複数のスカラ関数値にわたる平均値を前記判定手段に出力することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記12) 前記算出手段が、忘却係数を用いて算出された複数のスカラ関数値の線形結合を前記判定手段に出力することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記13) 前記複数の可変高周波素子が、適応アレーアンテナを形成する複数のアンテナ素子に接続されることを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記14)
前記複数の可変高周波素子の各々が、給電されるアンテナ素子に直列に接続された可変キャパシタンス素子又は可変インダクタンス素子の一方より成ることを特徴とする付記13記載の適応制御装置。
(付記15) 前記参照信号が、誤り訂正後の復調信号より成ることを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記16) 前記複数の可変高周波素子が、移動通信装置の高周波回路を形成することを特徴とする付記1記載の適応制御装置。
(付記17) 付記1記載の適応制御装置を有し、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスに応じて変化する信号が、無線受信信号から得られる無線受信機であって、
前記無線受信信号を利用して伝搬路のインパルス応答を推定するインパルス応答推定手段と、
前記インパルス応答に含まれるパスの一部を除去することで、修正されたインパルス応答を作成する修正手段と、
前記無線受信信号に誤り訂正を行い、復調信号を作成する復調手段と、
前記復調信号を利用して、前記参照信号を作成する参照信号作成手段と、
前記修正されたインパルス応答及び前記参照信号を利用して、当該無線受信機に送信された信号を推定する送信信号推定手段
を有し、無線受信信号及び推定された送信信号の差分に基づいて前記スカラ関数値が算出されることを特徴とする無線受信機。
(付記18) 各々が機械的に動かすことの可能な可動部を有し、各自のインピーダンスを変化させることが可能な複数の可変高周波素子を適応制御する適応制御方法であって、
前記複数の可変高周波素子の内のある可変高周波素子について、インピーダンスを変化させるステップと、
前記複数の可変高周波素子のインピーダンスに応じて変化する信号、参照信号及び所定のスカラ関数を利用して、スカラ関数値を算出するステップと、
ある可変高周波素子のインピーダンスを変化させた場合に、スカラ関数値の変化する方向が、所望の方向であるか否かを判定するステップと、
判定結果が肯定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを同一方向に更に変化させるステップと、
判定結果が否定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを逆方向に変化させるステップと、
前記ステップの後に、判定結果が否定的になった場合に、別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させるステップ
より成ることを特徴とする適応制御方法。
(付記19) 各々が機械的に動かすことの可能な可動部を有し、各自のインピーダンスを変化させることが可能な複数の可変高周波素子を適応制御する適応制御方法であって、
前記複数の可変高周波素子の内のある可変高周波素子について、インピーダンスを変化させる第1ステップと、
前記複数の可変高周波素子のインピーダンスに応じて変化する信号、参照信号及び所定のスカラ関数を利用して、スカラ関数値を算出する第2ステップと、
ある可変高周波素子のインピーダンスを変化させた場合に、スカラ関数値の変化する方向が、所望の方向であるか否かを判定する第3ステップと、
判定結果が肯定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを同一方向に更に変化させる第4ステップと、
判定結果が否定的であったならば、別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる第5ステップと、
前記第1ステップから前記第5ステップまでを反復することで、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを順番に変化させるステップと、
前記ある可変高周波素子について、インピーダンスを逆方向に変化させるステップと、
前記第2ステップから前記第5ステップまでを反復することで、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを順番に変化させるステップ
より成ることを特徴とする適応制御方法。
適応制御システムの一例を示す図である。 従来の制御フローを示すフローチャートである。 本願実施例による適応制御装置の主要な機能に関するブロック図を示す。 本願実施例で使用する信号フォーマットを示す図である。 本願実施例による適応制御システムの動作を示すフローチャートである。 図5に示される制御フローに従って、インピーダンス及び評価関数の値が変化してゆく様子を示す図である。 本実施例によるインピーダンスの更新時点を示す図である。 他の実施例による適応制御システムの動作を示すフローチャートである。 図8に示される制御フローに従って、インピーダンス及び評価関数の値が変化してゆく様子を示す図である。 本願実施例によるOFDM方式の伝送システムを示す図である。 インパルス応答の概念図を示す。 修正されたインパルス応答の概念図を示す。 他の実施例によるインピーダンスの更新時点を示す図である。 他の実施例による適応制御システムの動作を示すフローチャートである。 別の適応制御システムを示す図である。
符号の説明
102 アンテナ素子
104 高周波素子
106 合成部
108 適応制御装置
300 適応制御装置
302 算出部
304 判定部
306 インピーダンス変更
308 第1変更部
310 第2変更部
312 ステップサイズ調整部
314 ディジタルアナログ変換部
316 選択部
1002 無線送信機
1004 伝搬路
1006 無線受信機
1008 送信信号生成部
1010 変調/エンコーダ
1012 高速逆フーリエ変換部
1016 受信部
1018 アナログディジタル変換部
1020 高速フーリエ変換部
1022 送信信号推定部
1024 インパルス応答推定部
1026 インパルス応答修正部
1028 高速フーリエ変換部
1030 所望信号生成部
1032 復調/デコーダ
1034 変調/エンコーダ
1036 算出部
1038 最適化制御部

Claims (11)

  1. 各々が機械的に動かすことの可能な可動部を有し、各自のインピーダンスを変化させることが可能な複数の可変高周波素子を適応制御する適応制御装置であって、
    前記複数の可変高周波素子のインピーダンスに応じて変化する信号、参照信号及び所定のスカラ関数を利用して、スカラ関数値を算出する算出手段と、
    前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを順番に変化させる信号を作成するインピーダンス変更手段と、
    ある可変高周波素子のインピーダンスを変化させた場合に、スカラ関数値の変化する方向が、所望の方向であるか否かを判定する判定手段
    を有し、前記インピーダンス変更手段が、
    前記判定手段の判定結果が肯定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを同一方向に更に変化させる信号を作成する第1手段と、
    前記判定手段の判定結果が否定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを逆方向に変化させる信号、又は別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる信号を作成する第2手段
    を有することを特徴とする適応制御装置。
  2. 前記判定手段が、逐次得られた3以上のスカラ関数値が、連続的に増加しているか否か又は連続的に減少しているか否かを判定する手段を有することを特徴とする請求項1記載の適応制御装置。
  3. 前記判定手段が、逐次得られたK個のスカラ関数値が、連続的に増加しているか否か又は連続的に減少しているか否かを判定する手段を有し、前記Kの値が、前記インピーダンスに応じて変化する信号に含まれるノイズの多少に依存して変更されることを特徴とする請求項1記載の適応制御装置。
  4. 更に、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスの変化量を調整するステップサイズ調整手段を有することを特徴とする請求項1記載の適応制御装置。
  5. 可変高周波素子のインピーダンスを更新する毎に、前記変化量が異なる値をとることを特徴とする請求項4記載の適応制御装置。
  6. 前記複数の可変高周波素子が、適応アレーアンテナを形成する複数のアンテナ素子に接続されることを特徴とする請求項1記載の適応制御装置。
  7. 前記複数の可変高周波素子の各々が、給電されるアンテナ素子に直列に接続された可変キャパシタンス素子又は可変インダクタンス素子の一方より成ることを特徴とする請求項6記載の適応制御装置。
  8. 前記参照信号が、誤り訂正後の復調信号より成ることを特徴とする請求項1記載の適応制御装置。
  9. 前記複数の可変高周波素子が、移動通信装置の高周波回路を形成することを特徴とする請求項1記載の適応制御装置。
  10. 各々が機械的に動かすことの可能な可動部を有し、各自のインピーダンスを変化させることが可能な複数の可変高周波素子を適応制御する適応制御方法であって、
    前記複数の可変高周波素子の内のある可変高周波素子について、インピーダンスを変化させるステップと、
    前記複数の可変高周波素子のインピーダンスに応じて変化する信号、参照信号及び所定のスカラ関数を利用して、スカラ関数値を算出するステップと、
    ある可変高周波素子のインピーダンスを変化させた場合に、スカラ関数値の変化する方向が、所望の方向であるか否かを判定するステップと、
    判定結果が肯定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを同一方向に更に変化させるステップと、
    判定結果が否定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを逆方向に変化させるステップと、
    前記ステップの後に、判定結果が否定的になった場合に、別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させるステップ
    より成ることを特徴とする適応制御方法。
  11. 各々が機械的に動かすことの可能な可動部を有し、各自のインピーダンスを変化させることが可能な複数の可変高周波素子を適応制御する適応制御方法であって、
    前記複数の可変高周波素子の内のある可変高周波素子について、インピーダンスを変化させる第1ステップと、
    前記複数の可変高周波素子のインピーダンスに応じて変化する信号、参照信号及び所定のスカラ関数を利用して、スカラ関数値を算出する第2ステップと、
    ある可変高周波素子のインピーダンスを変化させた場合に、スカラ関数値の変化する方向が、所望の方向であるか否かを判定する第3ステップと、
    判定結果が肯定的であったならば、前記ある可変高周波素子のインピーダンスを同一方向に更に変化させる第4ステップと、
    判定結果が否定的であったならば、別の可変高周波素子のインピーダンスを変化させる第5ステップと、
    前記第1ステップから前記第5ステップまでを反復することで、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを順番に変化させるステップと、
    前記ある可変高周波素子について、インピーダンスを逆方向に変化させるステップと、
    前記第2ステップから前記第5ステップまでを反復することで、前記複数の可変高周波素子のインピーダンスを順番に変化させるステップ
    より成ることを特徴とする適応制御方法。
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