JP4587357B2 - 無線基地システムおよび送信指向性制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線基地システムおよび送信指向性制御方法に関し、より特定的には、移動体通信システムにおいて、リアルタイムにアレイアンテナの指向性を変更し、複数の移動端末装置との間で信号の送受信を行なう無線基地システム、およびそのような無線基地システムにおける送信指向性の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に発達しつつある移動体通信システム(たとえば、Personal Handyphone System:以下、PHS)では、無線基地システム(基地局)と移動端末装置(端末)との間の通信に際し、基地局に空間多重接続している複数の端末のうち、基地局側のアダプティブアレイ処理により特定の端末からの受信信号を分離抽出する方式が提案されている。
【0003】
アダプティブアレイ処理とは、複数の端末から基地局のアレイアンテナで受信した信号に基づいて、アレイアンテナを構成するアンテナごとのウェイトからなる受信ウェイトベクトルを計算して適応制御することによって、特定の端末からの信号を正確に抽出する周知の処理である。
【0004】
基地局においては、受信信号のシンボルごとにこのような受信ウェイトベクトルを計算する受信ウェイトベクトル計算機が設けられ、この受信ウェイトベクトル計算機は、受信信号と算出された受信ウェイトベクトルとの複素乗算和と、既知の参照信号との誤差の2乗を減少させるよう受信ウェイトベクトルを収束させる処理、すなわち特定の端末からの受信指向性を収束させるアダプティブアレイ処理を実行する。
【0005】
アダプティブアレイ処理では、このような受信ウェイトベクトルの収束を、時間や信号電波の伝搬路特性の変動に応じて適応的に行ない、受信信号中から干渉成分やノイズを除去し、特定の端末からの受信信号を抽出している。
【0006】
一方、基地局においては、送信信号のシンボルごとに送信ウェイトベクトルを計算する送信ウェイトベクトル計算機が設けられ、この送信ウェイトベクトル計算機によって計算された送信ウェイトベクトルで重み付けされた送信信号は、受信時と同じアレイアンテナを用いて送信される。
【0007】
ここで、送信ウェイトベクトル計算機が、送信ウェイトベクトルとして、受信ウェイトベクトルをそのままコピーして用いれば、送信信号に対し、受信時と同じ特定の端末をターゲットとする重み付けがされることとなり、送信された電波信号は、あたかも当該端末に対する送信指向性を有するかのように送信される。
【0008】
しかしながら、上り回線(アップリンク)で特定の端末から基地局に電波が送信されてから、逆に下り回線(ダウンリンク)で基地局から当該端末に電波を送信するまでには時間間隔がある。上述のように、上り回線で得られた受信ウェイトベクトルをそのまま送信ウェイトベクトルとして下り回線で使用すると、端末の移動速度が無視できない場合、基地局からの電波の射出方向と、現実に端末が存在する方向とに誤差が生じ、下り回線での基地局からの送信指向性が劣化する場合がある。
【0009】
主として端末の移動による伝搬環境の変動(フェージング)を考慮した下り回線用の送信ウェイトベクトルの計算方法として、上り回線で得られた受信応答(係数)ベクトルを用いた外挿処理により下り回線の送信応答(係数)ベクトルを推定し、推定された送信応答ベクトルに基づいて送信ウェイトベクトルを計算する方法が提案されている。
【0010】
すなわち、フレーム内の上り回線の複数タイミングで受信応答ベクトルを測定し、これらの測定値に基づいて受信応答ベクトルの時間波形を数次外挿(たとえば1次外挿や2次外挿)することにより、下り回線の任意の送信タイミングにおける受信応答ベクトルを推定して送信応答ベクトルとし、これにより送信ウェイトベクトルを計算するものである。
【0011】
このような方法では、端末の移動速度に比例する(フェージングの程度を表わす)ドップラー周波数(以下、FD)が40Hz程度までの状態では、基地局に対する2ユーザの端末の空間多重接続を維持することができる。このようにFD=40Hz程度まで空間多重接続を維持できる点については、たとえば、岸山他による「アダプティブアレーを用いたTDD/SDMA方式における下り回線用ウェイト推定法に関する検討」、信学技報(CS99−44,RCS99−36,1999年6月)に開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような外挿処理を用いた方法では、端末の移動速度が速くなり、受信応答ベクトルの時間波形の変動が周期の短い急激な変動となると、外挿結果が受信応答ベクトルの現実の時間波形から大きくずれることとなり、外挿誤差が大きくなる。
【0013】
特に、端末の移動速度を表わすドップラー周波数が、FD=40Hz程度を超えると、もはや空間多重接続を維持することができなくなる。
【0014】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、たとえ端末の移動速度が速くなり、ドップラー周波数が高くなった場合でも、下り回線の送信応答ベクトルを正確に推定することができ、ひいては良好な送信指向性制御が可能な、無線基地システムおよび送信指向性制御方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の1つの局面によれば、離散的に配置された複数のアンテナの指向性をリアルタイムに変更し、複数の端末との間で信号の送受信を行なう無線基地システムは、受信信号分離手段と、受信応答ベクトル推定手段と、送信応答ベクトル推定手段と、送信指向性制御手段とを備える。受信信号分離手段は、複数のアンテナで受信した信号に基づいて、複数の端末のうち特定の端末からの信号を分離するためのウェイトベクトルを算出する。受信応答ベクトル推定手段は、複数のアンテナで受信した信号に基づいて、特定の端末からの伝搬路の受信応答ベクトルを推定する。送信応答ベクトル推定手段は、受信応答ベクトル推定手段の推定結果に基づいて、送信時における伝搬路の送信応答ベクトルを推定する。送信指向性制御手段は、送信応答ベクトル推定手段の推定結果に基づいて、アンテナの送信指向性を制御する。
【0016】
送信応答ベクトル推定手段は、受信応答ベクトル推定手段によって推定された受信応答ベクトルの各アンテナの要素の時間変化関数を、所定数の互いに異なる所定の周波数成分の信号波形の合成波形とみなして、それぞれの周波数成分の信号波形の送信時の任意のタイミング位置における時間変化を予測して送信応答ベクトルを合成するベクトル予測手段を含む。
【0017】
好ましくは、ベクトル予測手段は、係数推定手段と、算出手段とを含む。係数推定手段は、それぞれの周波数成分の信号波形の係数を推定する。算出手段は、推定された係数および所定の周波数成分に基づいて、送信時における任意のタイミング位置における送信応答ベクトルを算出する。
【0018】
好ましくは、無線基地システムは、端末の移動速度を表わすドップラー周波数を検出する移動速度検出手段をさらに備え、係数推定手段は、互いに異なる所定の周波数成分を、検出されたドップラー周波数に応じて決定する。
【0019】
好ましくは、係数推定手段は、互いに異なる所定の周波数成分を、検出されたドップラー周波数周波数の最大値に対して所定の関係を有するように決定する。
【0020】
好ましくは、送信指向性制御手段は、検出されたドップラー周波数が端末がほとんど移動していないことを示す範囲の値であるときには、送信応答ベクトル推定手段の推定結果に代えて、受信信号分離手段によって算出されたウェイトベクトルに基づいて、アンテナの送信指向性を制御する。
【0021】
好ましくは、係数推定手段は、少なくとも互いに異なる周波数成分の数と同数のタイミング位置で受信応答ベクトルを推定することによって得られる、係数を未知数とする連立方程式を解くことによって係数を推定する。
【0022】
好ましくは、信号の送信および受信は、それぞれ複数のタイムスロットで時分割的に行なわれ、係数推定手段は、受信応答ベクトルを推定するタイミング位置を、受信のための複数のタイムスロットのいずれか1つの中に設定する。
【0023】
好ましくは、信号の送信および受信は、それぞれ複数のタイムスロットで時分割的に行なわれ、係数推定手段は、受信応答ベクトルを推定するタイミング位置を、受信のための複数のタイムスロットのうちの少なくとも2つのスロットに分散して設定する。
【0024】
この発明の他の局面によれば、離散的に配置された複数のアンテナの指向性をリアルタイムに変更し、複数の端末との間で信号の送受信を行なう無線基地システムにおける送信指向性制御方法は、複数のアンテナで受信した信号に基づいて、複数の端末のうち特定の端末からの信号を分離するためのウェイトベクトルを算出するステップと、複数のアンテナで受信した信号に基づいて、特定の端末からの伝搬路の受信応答ベクトルを推定するステップと、推定された受信応答ベクトルに基づいて、送信時における伝搬路の送信応答ベクトルを推定するステップと、推定された送信応答ベクトルに基づいて、アンテナの送信指向性を制御するステップとを備える。
【0025】
送信応答ベクトルを推定するステップは、推定された受信応答ベクトルの各アンテナの要素の時間変化関数を、所定数の互いに異なる所定の周波数成分の信号波形の合成波形とみなして、それぞれの周波数成分の信号波形の送信時の任意のタイミング位置における時間変化を予測して送信応答ベクトルを合成するステップとを含む。
【0026】
好ましくは、合成するステップは、それぞれの周波数成分の信号波形の係数を推定するステップと、推定された係数および所定の周波数成分に基づいて、送信時における任意のタイミング位置における送信応答ベクトルを算出するステップとを含む。
【0027】
好ましくは、送信指向性制御方法は、端末の移動速度を表わすドップラー周波数を検出するステップをさらに備え、係数を推定するステップは、互いに異なる所定の周波数成分を、検出されたドップラー周波数に応じて決定するステップを含む。
【0028】
好ましくは、係数を推定するステップは、互いに異なる所定の周波数成分を、検出されたドップラー周波数周波数の最大値に対して所定の関係を有するように決定するステップを含む。
【0029】
好ましくは、アンテナの送信指向性を制御するステップは、検出されたドップラー周波数が端末がほとんど移動していないことを示す範囲の値であるときには、推定された送信応答ベクトルに代えて、前記算出されたウェイトベクトルに基づいて、アンテナの送信指向性を制御するステップを含む。
【0030】
好ましくは、係数を推定するステップは、少なくとも互いに異なる周波数成分の数と同数のタイミング位置で受信応答ベクトルを推定することによって得られる、係数を未知数とする連立方程式を解くことによって係数を推定するステップを含む。
【0031】
好ましくは、信号の送信および受信は、それぞれ複数のタイムスロットで時分割的に行なわれ、係数を推定するステップは、受信応答ベクトルを推定するタイミング位置を、受信のための複数のタイムスロットのいずれか1つの中に設定する。
【0032】
好ましくは、信号の送信および受信は、それぞれ複数のタイムスロットで時分割的に行なわれ、係数を推定するステップは、受信応答ベクトルを推定するタイミング位置を、受信のための複数のタイムスロットのうちの少なくとも2つのスロットに分散して設定する。
【0033】
以上のように、この発明によれば、伝搬環境の変化による受信応答ベクトルの時間変動が、複数の周波数の信号波形の合成であることに着目し、所定数の互いに異なる所定の周波数成分ごとに送信時における変化を予測して合成することにより、そのときの受信応答ベクトルを推定し、無線基地システムにおける送信指向性の制御に使用している。したがって、外挿処理によって送信時における受信応答ベクトルを推定する場合に比べて、より正確な送信指向性の制御が可能となり、特に、端末の移動が速く、ドップラー周波数が高い場合であっても、無線基地システムに対する複数端末の空間多重接続を維持することが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0035】
まず、この発明の実施の形態について説明する前に、基地局における従来の外挿処理を用いた送信応答ベクトルの推定および送信指向性の制御について説明する。
【0036】
図5は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)によってソフトウェア的に実行される、従来の外挿処理による送信応答ベクトルの推定を行なうための基地局1000の構成を機能的に説明するための機能ブロック図である。
【0037】
図5に示した構成においては、2人のユーザPS1とPS2とを識別するために、4本のアンテナ♯1〜♯4が設けられている。ただし、アンテナの本数としては、より一般的にN本(N:自然数)であってもよい。
【0038】
図5に示した基地局1000では、アンテナ♯1〜♯4からの信号を受けて、対応するユーザ、たとえば、ユーザPS1からの信号を分離するための受信部SR1およびユーザPS1への信号を送信するための送信部ST1が設けられている。アンテナ♯1〜♯4と受信部SR1および送信部ST1との接続は、スイッチ10−1〜10−4により、選択的に切換えられる。
【0039】
ここで、アンテナ♯1〜♯4でそれぞれ受信された受信信号RX1(t),RX2(t),RX3(t),RX4(t)は、下記の式で表わされる。
【0040】
RX1(t)=h11Srx1(t)+h12Srx2(t)+n1(t)
RX2(t)=h21Srx1(t)+h22Srx2(t)+n2(t)
RX3(t)=h31Srx1(t)+h32Srx2(t)+n3(t)
RX4(t)=h41Srx1(t)+h42Srx2(t)+n4(t)
ここで、信号Srx1(t)およびSrx2(t)は、それぞれ、ユーザPS1およびユーザPS2から送信された信号を表わし、係数h11,h21,h31,h41は、アンテナ♯1〜♯4でそれぞれ受信されたユーザPS1からの信号の複素係数を表わし、係数h12,h22,h32,h42は、アンテナ♯1〜♯4でそれぞれ受信されたユーザPS2からの信号の複素係数を表わしている。なお、n1(t),n2(t),n3(t),n4(t)は、アンテナ♯1〜♯4でそれぞれ受信された信号に含まれる雑音成分を表わしている。
【0041】
それぞれのアンテナで受信された上記の受信信号RX1(t),RX2(t),RX3(t),RX4(t)は、対応するスイッチ10−1,10−2,10−3,10−4を介して受信部SR1に入り、受信ウェイトベクトル計算機20、受信応答ベクトル計算機22に与えられるとともに、対応する乗算器12−1,12−2,12−3,12−4の一方入力にそれぞれ与えられる。
【0042】
これらの乗算器の他方入力には、受信ウェイトベクトル計算機20からそれぞれのアンテナでの受信信号に対する重み係数wrx11,wrx21,wrx31,wrx41が印加される。これらの重み係数は、受信ウェイトベクトル計算機20により、リアルタイムで算出される。
【0043】
この受信ウェイトベクトル計算機20では、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやSMI(Sample Matrix Inversion)アルゴリズムのようなアダプティブアレイアルゴリズムを使用して、これらの重み係数からなる受信ウェイトベクトルを計算している。
【0044】
このようなRLSアルゴリズムやSMIアルゴリズムは、アダプティブアレイ処理の分野では周知の技術であり、たとえば菊間信良著の「アレーアンテナによる適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳細に説明されているので、ここではその説明を省略する。
【0045】
図5の受信応答ベクトル計算機22は、上記の式の受信信号RX1(t),RX2(t),RX3(t),RX4(t)を受けて、ユーザPS1から送信された信号の4本のアンテナごとの要素(係数)h11,h21,h31,h41からなる受信応答(係数)ベクトルH1 =[h11,h21,h31,h41]、およびユーザPS2から送信された信号の4本のアンテナごとの要素(係数)h12,h22,h32,h42からなる受信応答ベクトルH2 =[h12,h22,h32,h42]を算出して出力する。
【0046】
図5に示したこのような受信応答ベクトル計算機22の基本的な動作は周知であり、たとえば本願の出願人による国際公開番号WO 00/79702号に詳細に説明されている。したがって、ここではその説明を省略する。
【0047】
一方、送信部ST1は、受信応答ベクトル計算機22において算出された受信応答ベクトルを受けて、後に説明するように、送信時での伝搬路を推定、すなわち、送信時点での仮想的な受信応答ベクトルを推定することで送信応答(係数)ベクトルを求める送信応答ベクトル推定機32と、送信応答ベクトル推定機32との間でデータを授受し、データを記憶保持するメモリ34と、送信応答ベクトル推定機32の推定結果に基づいて、送信ウェイトベクトルを算出する送信ウェイトベクトル計算機30と、それぞれ一方入力に送信信号を受け、他方入力に送信ウェイトベクトル計算機30からの重み係数wtx11,wtx21,wtx31,wtx41が印加される乗算器15−1,15−2,15−3,15−4とを含む。乗算器15−1,15−2,15−3,15−4からの出力は、スイッチ10−1〜10−4を介して、アンテナ#1〜#4に与えられる。
【0048】
なお、図1には図示していないが、受信部SR1および送信部ST1と同様の構成が、各ユーザに対しても設けられている。
【0049】
図6は、従来の外挿処理を採用した図5の基地局1000の基本的な動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0050】
この基地局1000においては、アダプティブアレイのウエイトベクトル(重み係数ベクトル)が各アンテナ素子における応答ベクトルにより一意に表わせることに着目し、前述のような外挿処理により、受信応答ベクトルの時間変動を送信時まで推定することによって間接的に送信ウエイトベクトルを推定する。
【0051】
まず、受信部SR1において、受信信号に基づいて、受信信号の伝搬路の推定を行なう(ステップS100)。言い換えると、たとえば、受信応答ベクトル計算機22により受信応答ベクトルH1が推定できれば、ユーザPS1からの信号受信時の伝送路の推定が行なえたことになる。
【0052】
つづいて、送信応答ベクトル推定機32が、送信時の伝搬路の予測、すなわち、以下に説明する従来の外挿処理によって、受信時の受信応答ベクトルに基づく送信時点での受信応答ベクトルの予測を行なう(ステップS102)。この予測された受信応答ベクトルが送信時の送信応答ベクトルに相当する。
【0053】
さらに、送信ウェイトベクトル計算機30が、推定された送信応答ベクトルに基づいて、ウィナー解などのアルゴリズムを用いて、送信ウェイトベクトルの計算を行ない、乗算器15−1〜15−4に出力する(ステップS104)。送信ウェイトベクトルの計算原理は、周知であり、たとえば本願の出願人による国際公開番号WO00/79702号に詳細に説明されている。したがって、ここではその説明を省略する。
【0054】
図7は、図5に示した送信応答ベクトル推定機32の基本的な動作、すなわち従来の外挿処理による送信応答ベクトルの推定を説明するための概念図である。図7においては、上下回線にそれぞれ4ユーザずつ割当てた8スロットからなるフレーム構成を考える。すなわち、上り回線は、4個の受信スロットRX1,RX2,RX3,およびRX4から構成され、下り回線は、4個の送信スロットTX1,TX2,および図示省略したTX3,およびTX4から構成される。なお、1スロットは、120シンボルで構成されるものとする。
【0055】
図7の例では、送信応答ベクトル推定機32は、受信応答ベクトル計算機22から、受信時(上り回線)の4個のスロットのうち最初のスロットRX1における3点の受信応答ベクトルの測定値を受け、その結果をメモリ34に記憶しておく。そして、送信応答ベクトル推定機32は、それらの測定値に基づく外挿処理によって、送信時(下り回線)における4個のスロットのうちの最初のスロットTX1での受信応答ベクトルを推定する。
【0056】
より詳細に、図7において、横軸は時間軸を表わし、縦軸は受信応答ベクトルを表わしている。上り回線の最初のスロットRX1の前縁部に相当するタイミングx2(18シンボル目)における測定された受信応答ベクトルをy2とし、当該スロットRX1の中央部に相当するタイミングx1(43シンボル目)における測定された受信応答ベクトルをy1とし、当該スロットRX1の後縁部に相当するタイミングx0(68シンボル目)における測定された受信応答ベクトルをy0とする。
【0057】
これら3点x0,x1,x2の受信応答ベクトルy0,y1,y2から、たとえば2次外挿により、時刻tにおける受信応答ベクトルy(t)を推定すると、y(t)は次式であらわされる。
【0058】
【数1】
【0059】
ここで、たとえば下り回線の最初のスロットTX1の60シンボル目、すなわち当該フレームの最初から起算して540シンボル目のタイミングxにおける受信応答ベクトルy(t)は、上記の式(1)に、x0=68、x1=43、x2=18、およびx=540を代入すると、次式のように求められる。
【0060】
【数2】
【0061】
図5の送信ウェイトベクトル計算機30が、このようにして2次外挿により推定された送信応答ベクトルy(t)に基づいて、ウィナー解などのアルゴリズムを用いて送信ウェイトベクトルを算出し、送信指向性の制御が実行される。
【0062】
しかしながら、先にのべたように、このような外挿処理を用いた方法では、端末の移動速度が速くなり(フェージングの程度が激しくなり)、受信応答ベクトルの時間波形の変動が激しくなると、外挿誤差が大きくなるという問題点がある。特に、FD=40Hz程度と超えると基地局はもはや空間多重接続を維持することができなくなる。
【0063】
そこでこの発明は、外挿処理を用いることなく下り回線のタイミングにおける受信応答ベクトルを正確に推定することにより、たとえドップラー周波数FDが高い環境でも正しい送信指向性を実現しようとするものである。
【0064】
図1は、DSPによってソフトウェア的に実行される、この発明の実施の形態による基地局2000の構成を機能的に説明するための機能ブロック図である。
【0065】
図1に示した基地局2000は、以下の点で、図5に示した基地局1000と異なっている。すなわち、受信応答ベクトル計算機22から供給される受信応答ベクトルは、送信応答ベクトル推定機40に与えられるとともに、移動速度判定器36にも与えられる。
【0066】
移動速度判定器36は、与えられた受信応答ベクトルから、端末の移動速度に対応するドップラー周波数FDを検出する。検出されたFDは、送信応答ベクトル推定器40に与えられる。また、移動速度判定器36は、検出されたFDの値に基づいてスイッチ切替信号を発生し、切替スイッチ38の切替制御入力に与える。
【0067】
移動速度判定器36による判定原理について説明する。前述のように、伝搬路の伝搬環境は、伝搬路の受信係数の変動、すなわちフェージングの程度によって表わされ、フェージングの程度は物理量としては、ドップラー周波数FDによって表現される。
【0068】
伝搬環境におけるドップラー周波数FDはたとえば次のようにして推定される。すなわち、アダプティブアレイ処理で分離された各ユーザごとの受信信号の時間的に前後する2つの受信応答ベクトルの相関値を計算する。フェージングがなければ、2つの受信応答ベクトルは一致し、相関値は1となる。一方、フェージングが激しければ受信応答ベクトルの差は大きくなり、相関値は小さくなる。
【0069】
このような受信応答ベクトルの相関値とドップラー周波数FDとの関係を予め実験的に求め、メモリ34に保持しておけば、移動速度判定器36は、受信応答ベクトルの相関値を算出することによって、そのときのドップラー周波数FDを推定することができる。
【0070】
送信応答ベクトル推定器40は、与えられた受信応答ベクトルおよびドップラー周波数FDに基づき、後述するこの発明の推定原理に基づいて送信応答ベクトルを推定する。
【0071】
送信ウェイトベクトル計算機30は、推定された送信応答ベクトルに基づいて、ウィナー解などの周知のアルゴリズムを用いて、送信ウェイトベクトルを計算する。
【0072】
切替スイッチ38の一方の入力には、受信ウェイトベクトル計算機20で計算された受信ウェイトベクトルが与えられ、他方の入力には、送信ウェイトベクトル計算機30で計算された送信ウェイトベクトルが与えられる。
【0073】
移動速度判定器36からは、ドップラー周波数FDが10Hz程度よりも低いと判定したときには、受信ウェイトベクトル計算機20からの受信ウェイトベクトルを選択し、10Hz程度より高いと判定したときには、送信ウェイトベクトル計算機30からの送信ウェイトベクトルを選択するスイッチ切替信号が、切替スイッチ38の切替制御入力に与えられる。
【0074】
切替スイッチ38で選択されたウェイトベクトルが乗算器15−1,15−2,15−3,および15−4のそれぞれの一方入力に与えられる。図1に示した基地局2000のその他の部分の構成および動作は、図5に示した基地局1000と同じなので、その説明はここでは繰返さない。
【0075】
次に、図1の送信応答ベクトル推定器40で行なわれるこの発明による送信応答ベクトルの推定原理について説明する。
【0076】
図2は、この発明の送信応答ベクトルの推定原理を説明するための概念図である。
【0077】
図2を参照して、(A)は、受信応答ベクトルHを構成するアンテナごとの要素(係数)のうちi番目のアンテナに対応する要素(係数)hiの時間軸(横軸)に沿った時間変化を模式的に表わす波形である。この図2(A)の時間変化関数は、互いに異なるいくつかの周波数成分の信号波形の合成波形とみなすことができる。
【0078】
たとえば、図2の例では、波形(A)は、第1の周波数の信号波形(B)と、より高い第2の周波数の信号波形(C)と、より高い第3の周波数の信号波形(D)との合成波形とみなすことができる。
【0079】
より一般的に、このような受信応答ベクトルのアンテナごとの係数の時間変化関数hi(t)を、互いに異なるx種類の所定の周波数成分の信号波形cos(ωxt)の合成波形であると考えると、この関数hi(t)は、次式のように表現される。
【0080】
【数3】
【0081】
ここで、x個の互いに異なる周波数ω1〜ωxを予め決めておけば、係数Ai,1〜Ai,xは時間変化しない定数なので、これらの係数を推定することが可能となる。これらの係数Ai,1〜Ai,xを推定すれば、上記の数式(3)のhi(t)から、下り回線の送信スロットにおける任意のタイミングtにおける送信応答ベクトルの要素を得ることができる。
【0082】
これらの係数Ai,1〜Ai,xの推定方法の一例について説明する。受信応答ベクトルの各要素の時間変化関数hi(t)の値は、受信スロットの区間(上り回線)では、受信応答ベクトル計算機22により直接測定することができる。
【0083】
係数Ai,1〜Ai,xの個数がx個なので、受信時の1つのスロットの区間内で、x以上のM個のタイミングで受信応答ベクトルの値を測定すると、t1〜tMのM個のタイミングのそれぞれで下記の式で表わされるM個の測定値が得られる。
【0084】
【数4】
【0085】
後述するように、x個の互いに異なる周波数ω1〜ωxの値を、移動速度判定器36で検出されたドップラー周波数FDに対して所定の関係を有する値に予め決めておけば、上記の数式(4)は、係数Ai,1〜Ai,xを未知数とする連立方程式となる。上記のように、受信応答ベクトルの測定タイミングの数Mが周波数の個数x以上であれば、係数Ai,1〜Ai,xは適当な解を持ち、この連立方程式を解くことによって係数Ai,1〜Ai,xの値を求めることができる。
【0086】
このようにして求められた係数Ai,1〜Ai,xの値を、上記の数式(3)の時間変化関数hi(t)の式に代入すれば、周波数ω1〜ωxの値はすべて既知であるから、任意の時間tに対して、受信応答ベクトルのi番目のアンテナの係数の時間変化関数hi(t)の値を求めることができる。
【0087】
特に、下り回線の送信スロットのタイミングtに対し、時間変化関数hi(t)を求めることにより、タイミングtにおける受信応答ベクトルの推定が可能となり、この推定された受信応答ベクトルが送信応答ベクトルとして送信応答ベクトル推定機40から送信ウェイトベクトル計算機30に与えられる。
【0088】
このような送信応答ベクトルの計算過程について図2の概念図を再度参照して説明する。上り回線の1つの受信スロットにおいて、(A)に示す受信応答ベクトルの時間変化関数は、上述の数式(3)に示したように、(B)に示す所定の第1の周波数ω1の信号波形cos(ω1t)と、(C)に示す所定の第2の周波数ω2の信号波形cos(ω2t)と、(D)に示す所定の第3の周波数ω3の信号波形cos(ω3t)とに分解することができる。
【0089】
これら3個の信号波形のそれぞれの時間変化しない係数A1,A2,A3は、上述のように受信スロット内の3点のタイミングで関数(A)の測定値を得ることにより得られる連立方程式を解くことにより求めることができる。この結果、関数(B),(C),(D)はそれぞれ求められたことになる。
【0090】
その上で、時間を送信スロット内の任意のタイミングtに進めることにより、そのときの対応する信号波形(B),(C),(D)の変化を予測し、それを合成することによって、当該送信スロットにおけるタイミングtに対応する受信応答ベクトルを得ることができる。
【0091】
このように、この発明の実施の形態による方法では、周波数ごとに信号波形の係数を求め、時間tを大きくすることで周波数ごとの信号波形の変化を予測し、そのときの信号波形を合成することにより時間tにおける受信応答ベクトルを推定している。
【0092】
なお、周波数ごとの信号波形(関数)の係数の求め方は、上述のような連立方程式を解く方法に限られない。ウィナー解や、RLS、LMSなどの周知の適応アルゴリズムを用いた演算を繰返し行なうことにより、様々な方法で係数Aを求めることができる。
【0093】
このような処理は、主として図1の送信応答ベクトル推定機40によって実行される。図3は、このような送信応答ベクトルの推定処理を用いた送信指向性制御方法のフローチャートである。
【0094】
図3を参照して、ステップS1において、まず図1の受信応答ベクトル計算機22により伝搬路の推定がなされ、具体的には上り回線の受信応答ベクトルが推定される。
【0095】
次に、ステップS2において、移動速度判定器36により、前述した判定法によりフェージングの程度すなわちドップラー周波数FDが推定される。
【0096】
次に、ステップS3において、図1の送信応答ベクトル推定機40により、後述する方法で、検出されたドップラー周波数FDに応じた複数の周波数ωの決定がなされる。
【0097】
次に、ステップS4において、送信応答ベクトル推定機40により、ステップS3で決定された複数の周波数ωの信号波形ごとの係数が、数式(3)および(4)に関連して説明した方法で推定され、下り回線の伝搬路の推定、すなわち送信応答ベクトルの推定がなされる。
【0098】
最後に、ステップS5において、図1の送信ウェイトベクトル計算機30により、上述のステップS4で決定された下り回線の送信応答ベクトルに基づいて送信ウェイトが推定される。
【0099】
次に、図3のステップS3におけるドップラー周波数FDに応じた周波数ωの決定方法について説明する。
【0100】
まず、周波数ωの個数xは、送信応答ベクトル推定機40を構成する演算装置の演算精度によって予め決められる。すなわち、個数xをあまり多くしすぎると、求めるべき係数の数も増大し、数式(4)の方程式の数も多くなり、演算量が多くなりすぎることになる。以下に説明する例では、周波数は、ω1〜ω5の5種類とする。
【0101】
図4は、ドップラー周波数に応じた受信応答ベクトルの周波数成分ωの決定処理を示すフローチャートである。図4において、ステップS2は、図3におけるステップS2に対応し、移動速度判定器36により、ドップラー周波数FDの特に最大値を検出する。
【0102】
次の、ステップS3aおよびステップS3bは、併せて図3のステップS3に対応している。まず、ステップS3aにおいて、FDの最大値に対し所定の関係を有するようにωの最大値であるωMAXが決定される。たとえば、ωMAXは、FDの2π倍の値となるように設定されるものとする。
【0103】
次に、ステップS3bにおいて、ω1〜ω5が、上述のωMAXに対し所定の関係を有するように設定される。たとえば、ω1は、−ωMAXに設定され、ω2は、−ωMAX/2に設定され、ω3は0に設定され、ω4は、ωMAX/2に設定され、ω5は、ωMAXに設定される。
【0104】
なお、上述の例では、ωMAXを、ωMAX=2πFDと設定したが、一定のマージンを持たせて、ωMAX=2π(FD+FMARGIN)としてもよい。
【0105】
なお、ドップラー周波数FDが10Hz程度よりも低ければ、端末はほとんど移動していないものと推測される。このようにほとんど止まってしまっている端末に対し、送信応答ベクトル推定機40によって上述のような複雑な送信応答ベクトル推定のための計算を行なうとかえって誤差が生じる恐れがあり、このように止まっている端末に対しては、受信時の受信応答ベクトルをそのままコピーして送信指向性の制御に使う方が好ましいと考えられる。
【0106】
そこで、移動速度判定器36のFDの判定結果に基づいて、検出されたFDが10Hz程度よりも低い場合には、切替スイッチ38は、受信ウェイトベクトル計算機20で計算された受信ウェイトベクトルを選択してそのまま送信ウェイトベクトルとして乗算器15−1,15−2,15−3,15−4に与える。
【0107】
一方、検出されたFDが10Hz程度よりも高い場合には、切替スイッチ38は、送信ウェイトベクトル計算機30で新たに計算された送信ウェイトベクトルを選択して乗算器15−1,15−2,15−3,15−4に与える。
【0108】
この結果、ドップラー周波数FDに応じたより正確で無駄のない送信指向性制御が可能となる。
【0109】
以上の説明では、数式(4)の連立方程式を得るための受信応答ベクトルの測定は、上り回線の1つの送信スロット内に、方程式を解くために必要な個数のタイミングを設定して行なっていた。しかしながら、受信応答ベクトルを測定するタイミングは、1つの送信スロット内に集中して設定する必要はなく、上り回線内の2つまたはそれ以上の送信スロットに分散して設定してもよい。
【0110】
このように複数の送信スロットに分散したタイミングでの受信応答ベクトル測定値を用いることにより、受信応答ベクトルの時間軸上の広範囲の変化を加味した推定処理が可能となり、送信応答ベクトルの推定精度を格段に向上させることが可能となる。
【0111】
以上のように、この発明の実施の形態による送信指向性制御方法では、受信応答ベクトルを周波数ごとの信号波形に分解してその係数を求め、時間tを大きくすることで周波数ごとの信号波形の変化を予測し、そのときの信号波形を合成することにより時間tにおける受信応答ベクトルを推定している。これにより、従来の外挿処理の場合のようにフェージングの影響によって誤差を生じることなく、送信応答ベクトルを推定することができ、正確な送信指向性の制御が可能となる。具体的には、コンピュータシミュレーションの結果、ドップラー周波数FDが100Hz程度を超えるような端末の高速移動の場合であっても、基地局に対する空間多重接続を維持することができることが確認された。
【0112】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0113】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、たとえ端末の移動速度が速く、伝搬環境の変動が激しい場合であっても、推定された受信応答ベクトルを複数周波数の関数の合成波形とみなし、関数ごとに下り回線における時間変化を予測して合成することにより、下り回線における送信応答ベクトルを正確に推定することができ、ひいては良好な送信指向性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態による無線基地システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】この発明による送信応答ベクトルの推定原理を説明するための概念図である。
【図3】図1の無線基地システムの送信指向性制御の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【図4】ドップラー周波数に応じた受信応答ベクトルの周波数成分の決定処理を示すフローチャートである。
【図5】従来の送信応答ベクトル推定処理を行なうための無線基地システムの構成を示す機能ブロック図である。
【図6】図5の無線基地システムの従来の送信指向性制御の基本的な動作を説明するフローチャートである。
【図7】従来の外挿処理による送信応答ベクトルの推定原理を説明するための概念図である。
【符号の説明】
SR1 受信部、ST1 送信部、#1〜#4 アンテナ、10−1〜10−4 スイッチ回路、12−1〜12−4 乗算器、13 加算器、15−1〜15−4 乗算器、20 受信ウェイトベクトル計算機、22 受信応答ベクトル計算機、30 送信ウェイトベクトル計算機、32,40 送信応答ベクトル推定機、34 メモリ、36 移動速度判定器、38 切替スイッチ、1000,2000 無線基地システム(基地局)。
Claims (6)
- 離散的に配置された複数のアンテナの指向性をリアルタイムに変更し、複数の端末との間で信号の送受信を行なう無線基地システムであって、
前記複数のアンテナで受信した信号に基づいて、前記複数の端末のうち特定の端末からの信号を分離するためのウェイトベクトルを算出する受信信号分離手段と、
前記複数のアンテナで受信した信号に基づいて、前記特定の端末からの伝搬路の受信応答ベクトルを推定する受信応答ベクトル推定手段と、
前記受信応答ベクトル推定手段の推定結果に基づいて、送信時における前記伝搬路の送信応答ベクトルを推定する送信応答ベクトル推定手段と、
前記送信応答ベクトル推定手段の推定結果に基づいて、前記アンテナの送信指向性を制御する送信指向性制御手段とを備え、
前記送信応答ベクトル推定手段は、
前記受信応答ベクトル推定手段によって推定された受信応答ベクトルの各アンテナの要素の時間変化関数を、所定数の互いに異なる所定の周波数成分の信号波形の合成波形とみなして、それぞれの周波数成分の信号波形の送信時の任意のタイミング位置における時間変化を予測して前記送信応答ベクトルを合成するベクトル予測手段を含み、
前記ベクトル予測手段は、
前記それぞれの周波数成分の信号波形の係数を推定する係数推定手段と、
前記推定された係数および前記所定の周波数成分に基づいて、送信時における任意のタイミング位置における前記送信応答ベクトルを算出する算出手段とを含み、
前記無線基地システムは、
前記端末の移動速度を表わすドップラー周波数を検出する移動速度検出手段をさらに備え、
前記係数推定手段は、前記互いに異なる所定の周波数成分を、前記検出されたドップラー周波数に応じて決定する、無線基地システム。 - 前記係数推定手段は、前記互いに異なる所定の周波数成分を、前記検出されたドップラー周波数の最大値に対して所定の関係を有するように決定する、請求項1に記載の無線基地システム。
- 前記送信指向性制御手段は、
前記検出されたドップラー周波数が前記端末がほとんど移動していないことを示す範囲の値であるときには、前記送信応答ベクトル推定手段の推定結果に代えて、前記受信信号分離手段によって算出された前記ウェイトベクトルに基づいて、前記アンテナの送信指向性を制御する、請求項1に記載の無線基地システム。 - 離散的に配置された複数のアンテナの指向性をリアルタイムに変更し、複数の端末との間で信号の送受信を行なう無線基地システムにおける送信指向性制御方法であって、
前記複数のアンテナで受信した信号に基づいて、前記複数の端末のうち特定の端末からの信号を分離するためのウェイトベクトルを算出するステップと、
前記複数のアンテナで受信した信号に基づいて、前記特定の端末からの伝搬路の受信応答ベクトルを推定するステップと、
前記推定された受信応答ベクトルに基づいて、送信時における前記伝搬路の送信応答ベクトルを推定するステップと、
前記推定された送信応答ベクトルに基づいて、前記アンテナの送信指向性を制御するステップとを備え、
前記送信応答ベクトルを推定するステップは、
前記推定された受信応答ベクトルの各アンテナの要素の時間変化関数を、所定数の互いに異なる所定の周波数成分の信号波形の合成波形とみなして、それぞれの周波数成分の信号波形の送信時の任意のタイミング位置における時間変化を予測して前記送信応答ベクトルを合成するステップを含み、
前記合成するステップは、
前記それぞれの周波数成分の信号波形の係数を推定するステップと、
前記推定された係数および前記所定の周波数成分に基づいて、送信時における任意のタイミング位置における前記送信応答ベクトルを算出するステップとを含み、
前記送信指向性制御方法は、
前記端末の移動速度を表わすドップラー周波数を検出するステップをさらに備え、
前記係数を推定するステップは、
前記互いに異なる所定の周波数成分を、前記検出されたドップラー周波数に応じて決定するステップを含む、送信指向性制御方法。 - 前記係数を推定するステップは、
前記互いに異なる所定の周波数成分を、前記検出されたドップラー周波数周波数の最大値に対して所定の関係を有するように決定するステップを含む、請求項4に記載の送信指向性制御方法。 - 前記アンテナの送信指向性を制御するステップは、
前記検出されたドップラー周波数が前記端末がほとんど移動していないことを示す範囲の値であるときには、前記推定された送信応答ベクトルに代えて、前記算出されたウェイトベクトルに基づいて、前記アンテナの送信指向性を制御するステップを含む、請求項4に記載の送信指向性制御方法。
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