JP3579363B2 - 無線受信装置および無線受信方法 - Google Patents

無線受信装置および無線受信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線受信装置および無線受信方法に関し、より特定的には、移動体通信システムにおいて、アダプティブアレイ処理により特定の移動端末装置からの受信信号を抽出する無線受信装置、およびそのような無線受信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、急速に発達しつつある移動体通信システム(たとえば、Personal Handyphone System:以下、PHS)では、基地局と移動端末装置との間の通信に際し、基地局の無線受信装置において、アダプティブアレイ処理により所望の特定の移動端末装置からの受信信号を抽出する方式が提案されている。
【0003】
アダプティブアレイ処理とは、移動端末装置からの受信信号に基づいて、基地局のアンテナごとの受信係数(ウェイト)からなるウェイトベクトルを計算して適応制御することによって、特定の移動端末装置からの信号を正確に抽出する処理である。
【0004】
基地局の無線受信装置においては、受信信号のシンボルごとにこのようなウェイトベクトルを計算する受信ウェイトベクトル計算機が設けられ、この受信ウェイトベクトル計算機は、受信信号と算出されたウェイトベクトルとの複素乗算和と、既知の参照信号との誤差の2乗を減少させるようウェイトベクトルを収束させる処理、すなわち特定の移動端末装置からの受信指向性を収束させるアダプティブアレイ処理を実行する。
【0005】
アダプティブアレイ処理では、このようなウェイトベクトルの収束を、時間や信号電波の伝搬路特性の変動に応じて適応的に行ない、受信信号中から干渉成分やノイズを除去し、特定の移動端末装置からの受信信号を抽出している。
【0006】
ところで近年、PHSのような移動体通信システムにおいては、スロットダイバーシチの概念が提案されている。このスロットダイバーシチの概念について簡単に説明する。
【0007】
移動体通信システム、たとえばPHSにおいては、規格で定められているように、基地局と移動端末装置との間の上り/下りの信号の送受信は、複数のスロットからなるフレーム単位で行なわれる。
【0008】
従来、各フレームにおいて、たとえば複数の移動端末装置から基地局への上りの通信は、時分割された互いに周波数の異なる複数のスロットに、複数の移動端末装置からの通信チャネルを一対一で割当てることによって行なわれてきた。
【0009】
このように、各フレームにおいて、1つの移動端末装置からのチャネルを1つのスロットだけに割当てるのでは、たとえば移動端末装置が遠方にある場合など、ノイズが大きく通話環境が良くない場合には、当該スロットにおいて受信エラーとなり、当該移動端末装置からの信号を受信できなくなる可能性が高い。
【0010】
そこで、スロットダイバーシチの考え方では、各フレームにおいて、1つの移動端末装置からの通信チャネルを、従来のように1つのスロットではなく、タイミングおよび周波数の異なる複数の(たとえば2つの)スロットに割当てて同一内容の情報を送信するようにするものである。
【0011】
このように、同じ情報を、タイミングおよび周波数の異なる複数のスロットで送信することにより、通話環境が良くなく、たとえあるスロットで受信エラーとなった場合でも、他のいずれかのスロットで同一の移動端末装置からの同一内容の情報が基地局に到達する可能性があり、最終的に信号が受信される可能性が高まる。このように、スロットダイバーシチの手法では、全体として、ノイズに強く、遠方の移動端末装置からの電波であっても受信しやすい移動体通信システムを実現することができる。
【0012】
図6は、基地局の無線受信装置のデジタルシグナルプロセッサ(DSP)によってソフトウェア的に実行される、アダプティブアレイ処理およびスロットダイバーシチ処理を機能的に説明するための機能ブロック図である。
【0013】
図6を参照して、無線基地システムの複数本のアンテナ、たとえばL本のアンテナA1,A2,・・・,ALでそれぞれ受信された移動端末装置からの受信信号からなる受信信号ベクトルは、図示しないA/D変換機でそれぞれデジタル信号に変換される。
【0014】
これらのデジタル信号は、基地局の図示しないDSPに与えられ、図6に示す機能ブロック図にしたがって以後ソフトウェア的にアダプティブアレイ処理およびスロットダイバーシチ処理が施される。
【0015】
図6を参照して、アンテナA1,A2,・・・,ALで得られた受信信号ベクトルは、乗算器M1,M2,・・・,MLのそれぞれの一方入力に与えられるとともに、受信ウェイトベクトル計算機12に与えられる。
【0016】
受信ウェイトベクトル計算機12は、周知のアダプティブアレイアルゴリズムにより、アンテナごとのウェイトからなるウェイトベクトルを算出し、乗算器M1,M2,・・・,MLのそれぞれの他方入力に与えて、対応するアンテナからの受信信号ベクトルとそれぞれ複素乗算する。加算器10によりその複素乗算結果の総和であるアレイ出力信号が得られる。
【0017】
上述のような複素乗算和の結果は、一旦復調回路11によってビットデータに復調された後、再変調回路14によって再変調される。
【0018】
受信ウェイトベクトル計算機12には、カウンタ16のカウント値によって規定される参照信号期間に、メモリ15に予め記憶されている既知の参照信号d(t)がスイッチ回路13によって与えられ、アダプティブアレイアルゴリズムによるウェイトベクトルの計算に供される。この参照信号d(t)は、移動端末装置からの受信信号が含むすべてのユーザに共通の既知の信号であり、たとえばPHSでは、受信信号のうち、既知のビット列で構成されたプリアンブル(PR)およびユニークワード(UW)の区間が用いられる。
【0019】
一方、カウンタ16のカウント値によって参照信号期間の終了が検出されると、受信ウェイトベクトル計算機12には、再変調回路14によって再変調されたアレイ出力信号がスイッチ回路13によって与えられ、アダプティブアレイアルゴリズムによるウェイトベクトルの計算に供される
この受信ウェイトベクトル計算機12では、RLS(Recursive Least Squares)アルゴリズムやSMI(Sample Matrix Inversion)アルゴリズムのようなアダプティブアレイアルゴリズムを使用している。
【0020】
このようなRLSアルゴリズムやSMIアルゴリズムは、アダプティブアレイ処理の分野では周知の技術であり、たとえば菊間信良著の「アレーアンテナによる適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳細に説明されているので、ここではその説明を省略する。
【0021】
一方、復調回路11で復調されたビットデータ列は、メモリ17に与えられて蓄積されるとともに、エラー判定回路18に与えられる。復調回路11によって復調されたスロットごとの復調データには、CRC等の誤り識別符号が付加されており、エラー判定回路18は、スロットごとの復調データがエラーであったか否かを判定する。その判定結果は、スロットごとの復調ビットデータと対応付けてメモリ17に格納される。
【0022】
スロット選択回路19は、メモリ17に格納されているエラー判定結果を調べ、上述のスロットダイバーシチの考えにしたがって、同一の移動端末装置からの通信チャネルが割当てられた複数の、たとえば2つのスロットのうち、受信エラーが発生していないと判定されたスロットの復調データをメモリ17から読出し、復調ビットデータ列として供給する。いずれのスロットにもエラーが発生していない場合には、いずれか1つのスロットの復調データを選択して出力する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上述のようなスロット選択回路を用いたスロットダイバーシチの手法では、同一の移動端末装置からの通信チャネルが割当てられた複数のスロットのうち、いずれか1つでも受信エラー無しと判定されれば、そのスロットから復調データビット列を得ることができる。
【0024】
しかしながら、図6に示したような構成では、遠方からの受信などのようにノイズが多く、同一の移動端末装置からの通信チャネルが割当てられた複数のスロットすべてにおいて受信エラーと判定された場合、もはや当該フレームにおける当該移動端末装置からのデータ復調は不可能となり、スロット選択回路からの復調データ列にエラーが発生することになる。
【0025】
また、図6に示したようなスロット選択回路を用いたスロットダイバーシチの手法では、せっかく1つの移動端末装置に複数のスロットを割当てているのに、結果的にエラー無しと判定された一部の(たとえば1つの)スロットからの情報だけを利用することになり、スロットの利用効率が悪くなる。
【0026】
このように、従来提案されているスロットダイバーシチの手法では、ノイズに十分強い無線受信装置を実現できていないという問題があった。
【0027】
それゆえに、この発明の目的は、改善されたスロットダイバーシチの手法により、ノイズに十分強い無線受信装置および無線受信方法を提供することである。
【0028】
この発明の他の目的は、移動端末装置が遠方に位置する場合など通信環境が良くない場合でも、そのような移動端末装置からの信号をエラーなしで受信することができる無線受信装置および無線受信方法を提供することである。
【0029】
この発明のさらに他の目的は、スロットの利用効率が高いスロットダイバーシチの手法による無線受信装置および無線受信方法を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置から送信された信号を受信する無線受信装置であって、信号は、複数のスロットに時分割されたフレームで構成され、フレームを構成する複数のスロットはさらに複数のスロット群にグループ分けされ、スロット群を構成するそれぞれのスロットでは同一の情報が送信される。無線受信装置は、アダプティブアレイ処理手段と、受信情報生成手段とを備える。アダプティブアレイ処理手段は、複数のスロットの各々ごとに、複数のアンテナで受信した信号に所定のアダプティブアレイ処理を施して、複数の移動端末装置のうちの特定の移動端末装置に対応するアレイ出力信号を合成しかつアダプティブアレイ処理の精度に基づく重み情報を発生する。受信情報生成手段は、スロット群を構成するそれぞれのスロットごとにアダプティブアレイ処理手段から供給される、特定の移動端末装置に対応するアレイ出力信号および重み情報に基づいて、スロット群に対応する受信情報を生成する。
【0031】
好ましくは、受信情報生成手段は、スロット群を構成するそれぞれのスロットごとにアダプティブアレイ処理手段から供給されるアレイ出力信号および重み情報を最大比合成することにより受信情報を生成する最大比合成手段を含む。
【0032】
好ましくは、重み情報は、アダプティブアレイ処理手段によって算出されるアレイ出力信号と所定の参照信号との2乗誤差に基づく情報である。
【0033】
好ましくは、スロット群を構成するそれぞれのスロットでは、互いに異なる周波数で情報が送信される。
【0039】
この発明のさらに他の局面によれば、複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置から送信された信号を受信する無線受信方法であって、信号は、複数のスロットに時分割されたフレームで構成され、フレームを構成する複数のスロットはさらに複数のスロット群にグループ分けされ、スロット群を構成するそれぞれのスロットでは同一の情報が送信される。無線受信方法は、複数のスロットの各々ごとに、複数のアンテナで受信した信号に所定のアダプティブアレイ処理を施して、複数の移動端末装置のうちの特定の移動端末装置に対応するアレイ出力信号を合成しかつアダプティブアレイ処理の精度に基づく重み情報を発生するステップと、スロット群を構成するそれぞれのスロットごとに供給される、特定の移動端末装置に対応するアレイ出力信号および重み情報に基づいて、スロット群に対応する受信情報を生成するステップとを備える。
【0040】
好ましくは、受信情報を生成するステップは、スロット群を構成するそれぞれのスロットごとに供給されるアレイ出力信号および重み情報を最大比合成することにより受信情報を生成するステップを含む。
【0041】
好ましくは、重み情報は、所定のアダプティブアレイ処理によって算出されるアレイ出力信号と所定の参照信号との2乗誤差に基づく情報である。
【0042】
好ましくは、スロット群を構成するそれぞれのスロットでは、互いに異なる周波数で情報が送信される。
【0048】
したがって、この発明によれば、スロットダイバーシチの手法を採用した無線受信装置において、同一の移動端末装置からの同一情報が送信される複数のスロットのそれぞれごとに、アダプティブアレイ処理を実行して得られたアレイ出力信号を、アダプティブアレイ処理の精度または複数のアンテナの受信信号レベルに基づく重み情報に応じて処理することにより特定の移動端末装置からの受信信号を生成するように構成しているので、移動端末装置が遠方に位置する場合などノイズが大きく通信環境が良くない場合でも、そのような移動端末装置からの信号をエラーなしで受信することができるようになる。
【0049】
また、スロットごとの受信エラーの有無に関係なくそれぞれのスロットにおける情報を用いて受信信号を生成しているので、スロットダイバーシチの手法におけるスロットの利用効率を向上させることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0051】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1の無線受信装置によってソフトウェア的に実行されるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。図1に示す構成は、以下の点を除いて、図6に示した従来例の構成と同じであり、共通する部分についての説明は繰返さない。
【0052】
図1に示した実施の形態1では、アンテナA1,A2,・・・,ALで受信された信号と、受信ウェイトベクトル計算機12で計算されたウェイトベクトルとの複素乗算和であるアレイ出力信号がメモリ20に与えられ、受信ウェイトベクトル計算機12で算出された、後述する重み情報も、アレイ出力信号に対応付けてメモリ20に与えられる。図6の従来の無線受信装置とは異なり、復調回路11の出力がメモリ20およびエラー判定回路17(図6)に供給されることはない。
【0053】
最大比合成回路21は、メモリ20に格納されているアレイ出力信号および対応する重み情報のうち、スロットダイバーシチによって同一の移動端末装置からの通信チャネルが割当てられた複数の、たとえば2つのスロットのアレイ出力信号を、対応する重み情報に基づいて最大比合成し、特定の移動端末装置からの受信信号を生成して復調回路22に与える。復調回路22は、与えられた受信信号をビットデータに復調して外部に供給する。
【0054】
次に、図2は、この発明の原理を説明するためのフレーム構成を概略的に示した模式図であり、たとえば移動端末装置から基地局への上りチャネルがスロット1〜スロット4までの4スロットで構成されているものとする。
【0055】
以下に、図1および図2を参照して、この発明による最大比合成回路21の動作について詳細に説明する。
【0056】
まず、図2に示すスロットのうち、互いにタイミングおよび周波数が異なるスロット1および2においてスロットダイバーシチが実行される、すなわち同一の移動端末装置からの同一内容の情報が送信されるものとする。
【0057】
図1の実施の形態1の無線受信装置によって、スロット1においてアンテナA1,A2,・・・,ALで受信された信号をx11(t),・・・,x1L(t)とし、受信ウェイトベクトル計算機12で計算されたそれぞれのアンテナに対応するウェイトをw11,・・・,w1Lとすると、加算器10から出力されるスロット1に対応するアレイ出力信号y1(t)は、次式で表わされる。
【0058】
y1(t)=w1111(t)+・・・+w1L1L(t)
ここで、参照信号をd(t)とすると、受信ウェイトベクトル計算機12で計算される2乗誤差MSE1(MSE:Mean Square Error)は、次式で表わされる。
【0059】
MSE1=(d(t)−y1(t))
次に、スロット2においてアンテナA1,A2,・・・,ALで受信された信号をx21(t),・・・,x2L(t)とし、受信ウェイトベクトル計算機12で計算されたそれぞれのアンテナに対応するウェイトをw21,・・・,w2Lとすると、加算器10から出力されるスロット2に対応するアレイ出力信号y2(t)は、次式で表わされる。
【0060】
y2(t)=w2121(t)+・・・+w2L2L(t)
ここで、受信ウェイトベクトル計算機12で計算される2乗誤差MSE2は、次式で表わされる。
【0061】
MSE2=(d(t)−y2(t))
ここで、MSE1,MSE2は、物理的には、それぞれ対応するスロットにおけるアダプティブアレイ処理の結果得られたアレイ出力信号y1(t),y2(t)に含まれる所望波以外の信号成分、すなわち残留干渉波および雑音信号の電力を示している。
【0062】
受信ウェイトベクトル計算機12からメモリ20を介して最大比合成回路21に与えられる重み情報は、それぞれのスロットごとに受信ウェイトベクトル計算機12で計算される2乗誤差の逆数、すなわち1/MSE1,1/MSE2である。
【0063】
最大比合成回路21は、アレイ出力信号y1(t),y2(t)、および対応する重み情報W1=1/MSE,W2=1/MSE2をメモリ20から読出し、下記の最大比合成式に基づいて、特定の移動端末装置からの受信信号MRC(t)を合成する。
【0064】
MRC(t)=W1y1(t)+W2y2(t)
このように、非所望波成分が小さいアレイ出力信号y(t)に対しては、大きな係数W(重み情報)が乗算され、逆に非所望波成分が大きいアレイ出力信号y(t)に対しては、小さな係数W(重み情報)が乗算されることとなり、最大比合成信号MRC(t)においては、所望波電力対非所望波電力の比率が最大化されることになる。
【0065】
なお、スロット1およびスロット2において受信ウェイトベクトル計算機12で計算されるMSEは、受信信号の当該フレームにおける特定の時間Tで平均した平均値であってもよい。この場合のMSE1およびMSE2は、次式のように表される。
【0066】
MSE1=Σ(d(t)−y1(t))/T
MSE2=Σ(d(t)−y2(t))/T
図3は、DSPで実現される図1の実施の形態1の無線受信装置の動作を説明するフロー図である。図3を参照して、図1の無線受信装置の動作について以下に説明する。
【0067】
まず、スロットダイバーシチによって同一の移動端末装置と通信している複数のスロットのスロット番号をSN(Slot Number)で表わすこととし、ステップS1において、最初のスロットのSNが1に設定される。
【0068】
次に、ステップS2において、当該スロットで受信した信号に対し、アダプティブアレイ処理が実行され、加算器10から当該スロットのアレイ出力信号ySN(t)が合成されるとともに、対応する重み情報WSN=1/MSESNが出力され、ともにメモリ20にストアされる。
【0069】
次に、スロットダイバーシチによって同一の移動端末装置と通信している複数のスロットのスロット番号SNうち、最大のスロット番号をSとすると、ステップS3において、当該スロットのSNがSに達しているか否かが判定される。
【0070】
SNがSに達していなければ、ステップS4においてSNを1だけインクリメントし、ステップS2の処理を再度実行する。ステップS3においてSNがSに達したことが判断されるまで、ステップS2,3および4の処理が繰り返され、同一の移動端末装置と通信している複数のスロットにおけるアレイ出力信号ySN(t)および重み情報WSN=1/MSESNのすべてがメモリ20にストアされたことになる。
【0071】
その後、ステップS5において、上述の最大比合成計算式に基づいて、最大比合成回路21により、当該移動端末装置に対応する受信信号が合成される。
【0072】
合成された受信信号は、ステップS6において、復調回路22によりビットデータ列に復調される。
【0073】
以上のように、この発明の実施の形態1では、スロットダイバーシチの手法を採用した無線受信装置において、同一の移動端末装置からの同一情報が送信される複数のスロットのそれぞれごとに、アダプティブアレイ処理を実行して得られたアレイ出力信号を、アダプティブアレイ処理の精度を反映した重み情報(たとえば参照信号とアレイ出力信号との2乗誤差の逆数)に応じて最大比合成することにより特定の移動端末装置からの受信信号を生成するように構成しているので、移動端末装置が遠方に位置する場合などノイズが大きく通信環境が良くない場合でも、そのような移動端末装置からの信号をエラーなしで受信することができるようになる。
【0074】
また、スロットごとの受信エラーの有無に関係なくそれぞれのスロットにおける情報を用いて受信信号を生成しているので、スロットダイバーシチの手法におけるスロットの利用効率を向上させることができる。
【0075】
[実施の形態2]
図4は、この発明の実施の形態2の無線受信装置によってソフトウェア的に実行されるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。図4に示す構成は、以下の点を除いて、図1に示した実施の形態1の構成と同じであり、共通する部分についての説明は繰返さない。
【0076】
すなわち、図4に示す構成では、重み情報として、図1の実施の形態1における受信ウェイトベクトル計算機12で計算された重み情報W=1/MSEではなく、複数のアンテナA1,A2,・・・,ALで受信された信号の受信レベルに基づいた重み情報(RSSI)を用いて、アレイ出力信号の最大比合成を行なっている。
【0077】
より詳細に、図4の実施の形態2の構成では、アンテナA1,A2,・・・,ALのそれぞれの信号受信レベルが受信レベル測定回路23によって測定され、その測定結果に基づいて、重み情報計算回路24は、スロットごとに重み情報を計算する。具体的には、重み情報計算回路24は、スロットごとに、たとえばL本のアンテナA1,A2,・・・,ALのすべてで受信された信号レベルの平均値を、またはこれらL本のアンテナで受信されたそれぞれの信号レベルのうちの最大値を、重み情報(RSSI)として出力し、メモリ20に与える。
【0078】
メモリ20には、図1の実施の形態1と同様に加算器10から、スロットごとのアレイ出力信号が与えられる。重み情報の種類を除いたその他の動作は図1の実施の形態1と同じなので、これ以上の説明は省略する。
【0079】
図5は、DSPで実現される図4の実施の形態2の無線受信装置の動作を説明するフロー図である。図5のフロー図は、図3の実施の形態1のフロー図のステップS2をステップS12で置換えた点で異なるだけであり、その他の処理については説明を繰返さない。
【0080】
すなわち、図5のステップS12においては、当該スロットで受信した信号に対し、アダプティブアレイ処理が実行され、加算器10から当該スロットのアレイ出力信号ySN(t)が合成されるとともに、対応する重み情報として、受信信号レベルの平均値がWSN=ave(RSSI)として出力され、または受信信号レベルの最大値がWSN=max(RSSI)として出力され、いずれもメモリ20にストアされる。
【0081】
以上のように、この発明の実施の形態2では、スロットダイバーシチの手法を採用した無線受信装置において、同一の移動端末装置からの同一情報が送信される複数のスロットのそれぞれごとに、アダプティブアレイ処理を実行して得られたアレイ出力信号を、複数のアンテナの受信信号レベルを反映した重み情報(たとえば受信信号レベルの平均値または最大値)に応じて最大比合成することにより特定の移動端末装置からの受信信号を生成するように構成しているので、移動端末装置が遠方に位置する場合などノイズが大きく通信環境が良くない場合でも、そのような移動端末装置からの信号をエラーなしで受信することができるようになる。
【0082】
また、スロットごとの受信エラーの有無に関係なくそれぞれのスロットにおける情報を用いて受信信号を生成しているので、スロットダイバーシチの手法におけるスロットの利用効率を向上させることができる。
【0083】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、スロットダイバーシチの手法を採用した無線受信装置および無線受信方法において、同一の移動端末装置からの同一情報が送信される複数のスロットのそれぞれごとに、アダプティブアレイ処理を実行して得られたアレイ出力信号を、アダプティブアレイ処理の精度または複数のアンテナの受信信号レベルに基づく重み情報に応じて処理することにより特定の移動端末装置からの受信信号を生成するように構成している。このため、移動端末装置が遠方に位置する場合などノイズが大きく通信環境が良くない場合でも、そのような移動端末装置からの信号をエラーなしで受信することができるようになる。
【0085】
また、この発明によれば、スロットごとの受信エラーの有無に関係なくそれぞれのスロットにおける情報を活用して受信信号を生成しているので、スロットダイバーシチの手法におけるスロットの利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の無線受信装置によってソフトウェア的に実行されるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図2】この発明の原理を説明するためのフレーム構成を概略的に示した模式図である。
【図3】図1に示したこの発明の実施の形態1による無線受信装置の動作を示すフロー図である。
【図4】この発明の実施の形態2の無線受信装置によってソフトウェア的に実行されるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【図5】図4に示したこの発明の実施の形態2による無線受信装置の動作を示すフロー図である。
【図6】従来の無線受信装置によってソフトウェア的に実行されるアダプティブアレイ処理を機能的に説明する機能ブロック図である。
【符号の説明】
10 加算器、11,22 復調回路、12 受信ウェイトベクトル計算機、13 スイッチ回路、14 再変調回路、15,17,20 メモリ、16 カウンタ、18 エラー判定回路、19 スロット選択回路、21 最大比合成回路、23 受信レベル測定回路、24 重み情報計算回路、A1,A2,・・・AL アンテナ、M1,M2,・・・,ML 乗算器。

Claims (8)

  1. 複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置から送信された信号を受信する無線受信装置であって、
    前記信号は、複数のスロットに時分割されたフレームで構成され、前記フレームを構成する複数のスロットはさらに複数のスロット群にグループ分けされ、前記スロット群を構成するそれぞれのスロットでは同一の情報が送信され、
    前記無線受信装置は、前記複数のスロットの各々ごとに、前記複数のアンテナで受信した信号に所定のアダプティブアレイ処理を施して、前記複数の移動端末装置のうちの特定の移動端末装置に対応するアレイ出力信号を合成しかつ前記アダプティブアレイ処理の精度に基づく重み情報を発生するアダプティブアレイ処理手段と、
    前記スロット群を構成するそれぞれのスロットごとに前記アダプティブアレイ処理手段から供給される、前記特定の移動端末装置に対応する前記アレイ出力信号および前記重み情報に基づいて、前記スロット群に対応する受信情報を生成する受信情報生成手段とを備える、無線受信装置。
  2. 前記受信情報生成手段は、前記スロット群を構成するそれぞれのスロットごとに前記アダプティブアレイ処理手段から供給される前記アレイ出力信号および前記重み情報を最大比合成することにより前記受信情報を生成する最大比合成手段を含む、請求項1に記載の無線受信装置。
  3. 前記重み情報は、前記アダプティブアレイ処理手段によって算出される前記アレイ出力信号と所定の参照信号との2乗誤差に基づく情報である、請求項1または2に記載の無線受信装置。
  4. 前記スロット群を構成するそれぞれのスロットでは、互いに異なる周波数で情報が送信される、請求項1から3のいずれかに記載の無線受信装置。
  5. 複数のアンテナを用いて複数の移動端末装置から送信された信号を受信する無線受信方法であって、
    前記信号は、複数のスロットに時分割されたフレームで構成され、前記フレームを構成する複数のスロットはさらに複数のスロット群にグループ分けされ、前記スロット群を構成するそれぞれのスロットでは同一の情報が送信され、前記無線受信方法は、前記複数のスロットの各々ごとに、前記複数のアンテナで受信した信号に所定のアダプティブアレイ処理を施して、前記複数の移動端末装置のうちの特定の移動端末装置に対応するアレイ出力信号を合成しかつ前記アダプティブアレイ処理の精度に基づく重み情報を発生するステップと、
    前記スロット群を構成するそれぞれのスロットごとに供給される、前記特定の移動端末装置に対応する前記アレイ出力信号および前記重み情報に基づいて、前記スロット群に対応する受信情報を生成するステップとを備える、方法。
  6. 前記受信情報を生成するステップは、前記スロット群を構成するそれぞれのスロットごとに供給される前記アレイ出力信号および前記重み情報を最大比合成することにより前記受信情報を生成するステップを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記重み情報は、前記所定のアダプティブアレイ処理によって算出される前記アレイ出力信号と所定の参照信号との2乗誤差に基づく情報である、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記スロット群を構成するそれぞれのスロットでは、互いに異なる周波数で情報が送信される、請求項5から7のいずれかに記載の方法。
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