JP2002043995A - 無線装置 - Google Patents
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Abstract
での送信指向性の劣化を抑制することが可能な無線装置
を提供する。 【解決手段】 無線装置1000は、アダプティブアレ
イアンテナ#1〜#4からの信号のうち特定の端末から
の信号を受信ウェイトベクトル計算機20で計算される
受信ウェイトベクトルに基づいて分離する。受信応答ベ
クトル計算機22は、特定の端末からの信号の伝搬路の
受信応答ベクトルを導出する。送信応答ベクトル推定機
32は、受信応答ベクトル計算機22の推定結果に、伝
搬環境に応じたパラメータで外挿処理を施し、送信時点
の送信応答ベクトルを予測する。送信ウェイトベクトル
計算機30は、送信応答ベクトル推定機32の予測結果
に基づいて、送信時のアンテナ指向性を制御する。
Description
アンテナ指向性を変更可能な無線装置の構成に関し、特
に、アダプティブアレイ無線基地局において用いられる
無線装置の構成に関する。
数の有効利用を図るべく種々の伝送チャネル割当方法が
提案されており、その一部のものは実用化されている。
vision Multiple Access:FDMA),時分割多重接続
(Time Division Multiple Access :TDMA)および
PDMA(Path Division Multiple Acess)の各種の通信
システムにおけるチャネルの配置図である。
AおよびPDMAについて簡単に説明する。図9(a)
はFDMAを示す図であって、異なる周波数f1〜f4
の電波でユーザ1〜4のアナログ信号が周波数分割され
て伝送され、各ユーザ1〜4の信号は周波数フィルタに
よって分離される。
ユーザのデジタル化された信号が、異なる周波数f1〜
f4の電波で、かつ一定の時間(タイムスロット)ごと
に時分割されて伝送され、各ユーザの信号は周波数フィ
ルタと基地局および各ユーザ移動端末装置間の時間同期
とにより分離される。
り電波の周波数利用効率を高めるために、PDMA方式
が提案されている。このPDMA方式は、図9(c)に
示すように、同じ周波数における1つのタイムスロット
を空間的に分割して複数のユーザのデータを伝送するも
のである。このPDMAでは各ユーザの信号は周波数フ
ィルタと基地局および各ユーザ移動端末装置間の時間同
期とアダプティブアレイ(adaptive array)などの相互
干渉除去装置とを用いて分離される。
の動作原理については、たとえば下記の文献に説明され
ている。
Systems, "Proc. IEEE, vol.55, No.12, pp.2143-2159
(Dec. 1967 ). S. P. Applebaum :“Adaptive Arrays ", IEEE Trans.
Antennas & Propag.,vol.AP-24, No.5, pp.585-598
(Sept. 1976). O. L. Frost, III:“Adaptive Least Squares Optimiz
ation Subject to Linear Equality Constraints, "SEL
-70-055, Technical Report, No.6796-2, Information
System Lab., Stanford Univ.(Aug. 1970 ). B. Widrow and S. D. Stearns :“Adaptive Signal Pr
ocessing, "Prentice-Hall, Englewood Cliffs (198
5). R. A. Monzingo and T. W. Miller :“Introduction t
o Adaptive Arrays,"John Wiley & Sons, New York (1
980). J. E. Hudson:“Adaptive Array Principles,"Peter P
eregrinus Ltd., London(1981). R. T. Compton, Jr.:“Adaptive Antennas − Concept
s and Performance,"Prentice-Hall, Englewood Cliffs
(1988). E. Nicolau and D. Zaharia:“Adaptive Arrays," Els
evier, Amsterdam(1989). 図10は、このようなアダプティブアレイ無線基地局の
動作原理を概念的に示す模式図である。図10におい
て、1つのアダプティブアレイ無線基地局1は、n本の
アンテナ♯1,♯2,♯3,…,♯nからなるアレイア
ンテナ2を備えており、その電波が届く範囲を第1の斜
線領域3として表わす。一方、隣接する他の無線基地局
6の電波が届く範囲を第2の斜線領域7として表わす。
話機4とアダプティブアレイ無線基地局1との間で電波
信号の送受信が行なわれる(矢印5)。一方、領域7内
で、他のユーザBの端末である携帯電話機8と無線基地
局6との間で電波信号の送受信が行なわれる(矢印
9)。
の電波信号の周波数とユーザBの携帯電話機8の電波信
号の周波数とが等しいとき、ユーザBの位置によって
は、ユーザBの携帯電話機8からの電波信号が領域3内
で不要な干渉信号となり、ユーザAの携帯電話機4とア
ダプティブアレイ無線基地局1との間の電波信号に混入
してしまうことになる。
の混合した電波信号を受信したアダプティブアレイ無線
基地局1では、何らかの処理を施さなければ、ユーザA
およびBの双方からの信号が混じった信号を出力するこ
ととなり、本来通話すべきユーザAの通話が妨げられる
ことになる。
成および動作]アダプティブアレイ無線基地局1では、
このユーザBからの信号を出力信号から除去するため
に、次のような処理を行なっている。図11は、アダプ
ティブアレイ無線基地局1の構成を示す概略ブロック図
である。
ーザBからの信号をB(t)とすると、図10のアレイ
アンテナ2を構成する第1のアンテナ♯1での受信信号
x1(t)は、次式のように表わされる: x1(t)=a1×A(t)+b1×B(t) ここで、a1,b1は、後述するようにリアルタイムで
変化する係数である。
2(t)は、次式のように表わされる: x2(t)=a2×A(t)+b2×B(t) ここで、a2,b2も同様にリアルタイムで変化する係
数である。
3(t)は、次式のように表わされる: x3(t)=a3×A(t)+b3×B(t) ここで、a3,b3も同様にリアルタイムで変化する係
数である。
xn(t)は、次式のように表わされる: xn(t)=an×A(t)+bn×B(t) ここで、an,bnも同様にリアルタイムで変化する係
数である。
は、ユーザAからの電波信号に対し、アレイアンテナ2
を構成するアンテナ♯1,♯2,♯3,…,♯nのそれ
ぞれの相対位置が異なるため(たとえば、各アンテナ同
士は互いに、電波信号の波長の5倍、すなわち1メート
ル程度の間隔をあけて配されている)、それぞれのアン
テナでの受信強度に差が生じることを表わしている。
bnも同様に、ユーザBからの電波信号に対し、アンテ
ナ♯1,♯2,♯3,…,♯nのそれぞれでの受信強度
に差が生じることを表わしている。各ユーザは移動して
いるため、これらの係数はリアルタイムで変化する。
(t),x2(t),x3(t),…,xn(t)は、
対応するスイッチ10−1,10−2,10−3,…,
10−nを介してアダプティブアレイ無線基地局1を構
成する受信部1Rに入り、ウエイトベクトル制御部11
に与えられるとともに、対応する乗算器12−1,12
−2,12−3,…,12−nの一方入力にそれぞれ与
えられる。
ベクトル制御部11からそれぞれのアンテナでの受信信
号に対する重みw1,w2,w3,…,wnが印加され
る。これらの重みは、後述するように、ウエイトベクト
ル制御部11により、リアルタイムで算出される。
1(t)は、乗算器12−1を経て、w1×(a1A
(t)+b1B(t))となり、アンテナ♯2での受信
信号x2(t)は、乗算器12−2を経て、w2×(a
2A(t)+b2B(t))となり、アンテナ♯3での
受信信号x3(t)は、乗算器12−3を経て、w3×
(a3A(t)+b3B(t))となり、さらにアンテ
ナ♯nでの受信信号xn(t)は、乗算器12−nを経
て、wn×(anA(t)+bnB(t))となる。
−3,…,12−nの出力は、加算器13で加算され、
その出力は下記のようになる: w1(a1A(t)+b1B(t))+w2(a2A
(t)+b2B(t))+w3(a3A(t)+b3B
(t))+…+wn(anA(t)+bnB(t)) これを信号A(t)に関する項と信号B(t)に関する
項とに分けると次のようになる: (w1a1+w2a2+w3a3+…+wnan)A
(t)+(w1b1+w2b2+w3b3+…+wnb
n)B(t) ここで、後述するように、アダプティブアレイ無線基地
局1は、ユーザA,Bを識別し、所望のユーザからの信
号のみを抽出できるように上記重みw1,w2,w3,
…,wnを計算する。たとえば、図11の例では、ウエ
イトベクトル制御部11は、本来通話すべきユーザAか
らの信号A(t)のみを抽出するために、係数a1,a
2,a3,…,an,b1,b2,b3,…,bnを定
数とみなし、信号A(t)の係数が全体として1、信号
B(t)の係数が全体として0となるように、重みw
1,w2,w3,…,wnを計算する。
は、下記の連立一次方程式を解くことにより、信号A
(t)の係数が1、信号B(t)の係数が0となる重み
w1,w2,w3,…,wnをリアルタイムで算出す
る: w1a1+w2a2+w3a3+…+wnan=1 w1b1+w2b2+w3b3+…+wnbn=0 この連立一次方程式の解法の説明は省略するが、先に列
挙した文献に記載されているとおり周知であり、現にア
ダプティブアレイ無線基地局において既に実用化されて
いるものである。
nを設定することにより、加算器13の出力信号は下記
のとおりとなる: 出力信号=1×A(t)+0×B(t)=A(t) [ユーザの識別、トレーニング信号]なお、前記のユー
ザA,Bの識別は次のように行なわれる。
ム構成を示す概略図である。携帯電話機の電波信号は大
きくは、無線基地局にとって既知の信号系列からなるプ
リアンブルと、無線基地局にとって未知の信号系列から
なるデータ(音声など)とから構成される。
無線基地局にとって通話すべき所望のユーザかどうかを
見分けるための情報の信号系列を含んでいる。アダプテ
ィブアレイ無線基地局1のウエイトベクトル制御部11
(図11)は、メモリ14から取出したユーザAに対応
したトレーニング信号と、受信した信号系列とを対比
し、ユーザAに対応する信号系列を含んでいると思われ
る信号を抽出するようにウエイトベクトル制御(重みの
決定)を行なう。このようにして抽出されたユーザAの
信号は、出力信号SRX(t)としてアダプティブアレイ
無線基地局1から外部出力される。
号STX(t)は、アダプティブアレイ無線基地局1を構
成する送信部1Tに入り、乗算器15−1,15−2,
15−3,…,15−nの一方入力に与えられる。これ
らの乗算器の他方入力にはそれぞれ、ウエイトベクトル
制御部11により先に受信信号に基づいて算出された重
みw1,w2,w3,…,wnがコピーされて印加され
る。
力信号は、対応するスイッチ10−1,10−2,10
−3,…,10−nを介して、対応するアンテナ♯1,
♯2,♯3,…,♯nに送られ、図10の領域3内に送
信される。
用いて送信される信号には、受信信号と同様にユーザA
をターゲットとする重み付けがされているため、送信さ
れた電波信号はあたかもユーザAに対する指向性を有す
るかのようにユーザAの携帯電話機4により受信され
る。図13は、このようなユーザAとアダプティブアレ
イ無線基地局1との間での電波信号の授受をイメージ化
した図である。現実に電波が届く範囲を示す図10の領
域3に対比して、図13の仮想上の領域3aに示すよう
にアダプティブアレイ無線基地局1からはユーザAの携
帯電話機4をターゲットとして指向性を伴って電波信号
が放射されている状態がイメージされる。
方式では、同一チャネル干渉を除去する技術が必要であ
る。この点で、干渉波に適応的にヌルを向けるアダプテ
ィブアレイは、希望波のレベルより干渉波のレベルが高
い場合でも効果的に干渉波を抑制できるため、有効な手
段である。
用いた場合には、受信時の干渉除去だけではなく、送信
時に不要な放射を低減することも可能である。このと
き、送信時のアレイパターンは、受信時のアレイパター
ンを用いるか、到来方向推定などの結果から新たに生成
する手法が考えられる。後者はFDD(Frequency Divi
sion Duplex)、TDD(Time Division Duplex)を問
わず適用することができるが、複雑な処理が必要とな
る。一方、前者をFDDで用いる場合、送受信のアレイ
パターンが異なるため、アレイ配置やウエイトなどの補
正が必要となる。このため、一般には、TDDでの適用
が前提となり、外部スロットが連続した環境では良好な
特性が得られている。
ブアレイを用いたTDD/PDMA方式では、上り回線
で得られたアレイパターン(ウェイトベクトルパター
ン)を下り回線で使用する際に、角度広がりのある動的
なレイリー伝搬度を想定した場合には、上下回線間の時
間差により下り回線で送信指向性が劣化する場合があ
る。
ザ端末から基地局に電波が送信されてから、逆に基地局
から下り回線(ダウンリンク)によりユーザ端末に電波
を射出するまでに時間間隔があるため、ユーザ端末の移
動速度が無視できない場合、基地局からの電波の射出方
向と実際のユーザ端末の存在する方向との誤差のために
送信指向性が劣化してしまうためである。
線用ウエイトの推定法として、上り回線で得られた受信
応答ベクトルを用いた外挿処理により下り回線の送信応
答ベクトルを推定する手法が提案されている。
リング誤差などにより上り回線で推定された受信応答ベ
クトルに推定誤差があれば、外挿処理の結果に誤差が生
じ、下り回線の送信応答ベクトルを正確に推定できず、
ひいては良好な送信指向性制御を行なうことができない
という問題があった。
ためになされたものであって、たとえ上り回線で推定さ
れた受信応答ベクトルに推定誤差があっても、下り回線
の送信応答ベクトルを正確に推定することができ、ひい
ては良好な送信指向性制御が可能な無線装置を提供する
ことを目的とする。
ムにアンテナ指向性を変更し、複数の端末との間で信号
の送受信を時分割で行なう無線装置であって、離散的に
配置された複数のアンテナと、信号の送受信時に複数の
アンテナを共用する送信回路および受信回路とを備え、
受信回路は、受信信号の受信時に、複数のアンテナから
の信号に基づいて、複数の端末のうち特定の端末からの
信号を分離するための受信信号分離手段と、受信信号の
受信時に、複数のアンテナからの信号に基づいて、特定
の端末からの伝搬路の受信応答ベクトルを推定する受信
伝搬路推定手段とを含み、送信回路は、受信伝搬路推定
手段の推定結果に基づいて、送信信号の送信時の伝搬路
の送信応答ベクトルを推定する送信伝搬路推定手段と、
送信伝搬路推定手段の推定結果に基づいて、送信信号の
送信時のアンテナ指向性を更新する送信指向性制御手段
とを含む。送信伝搬路推定手段は、受信伝搬路推定手段
によって推定された特定の端末からの上り回線スロット
の複数の受信応答ベクトルに基づく外挿処理により、特
定の端末への下り回線スロットの前記送信応答ベクトル
を算出する外挿手段と、伝搬路の伝搬環境に応じて予め
決定された、外挿処理に用いる複数のパラメータを保持
した記憶手段と、伝搬路の伝搬環境を推定して、保持さ
れた複数のパラメータのうち推定された伝搬環境に対応
するパラメータを選択して外挿手段による外挿処理に適
用する選択手段とを有する。
された受信応答ベクトルに推定誤差があっても、伝搬路
の伝搬環境に応じて外挿処理に用いるパラメータを選択
することにより、下り回線の送信応答ベクトルを正確に
推定することができ、ひいては良好な送信指向性制御を
実現することができる。
る外挿処理における外挿距離であり、記憶手段は、伝搬
環境を表すドップラー周波数に応じて予め決定された複
数の外挿距離を保持し、選択手段は、伝搬路のドップラ
ー周波数を推定して、保持された複数の外挿距離のうち
推定されたドップラー周波数に対応する外挿距離を選択
して外挿手段による外挿処理に適用する。
クトルに推定誤差があれば外挿処理時の外挿距離が長く
なるほど外挿誤差が大きくなることに鑑み、伝搬環境を
表すドップラー周波数に応じた外挿距離を選択すること
により正確な送信応答ベクトルの推定が可能となる。
ドップラー周波数が低いほどより短い外挿距離を選択
し、高いほどより長い外挿距離を選択する。
いほど伝搬環境の変動が小さいため外挿距離を短くする
ことにより実際の変動量以上に外挿を行なうことを防止
し、ドップラー周波数が高いほど伝搬環境の変動が大き
いため外挿距離を長くすることにより十分な外挿を行な
うことができる。
による外挿処理における外挿距離であり、記憶手段は、
伝搬環境を表わす、分離された信号と期待される所望信
号との信号誤差に応じて予め決定された複数の外挿距離
を保持し、選択手段は、伝搬路の信号誤差を推定して、
保持された複数の外挿距離のうち推定された信号誤差に
対応する外挿距離を選択して外挿手段による外挿処理に
適用する。
上り回線の受信応答ベクトルの推定誤差が大きくなり外
挿誤差も大きくなることに鑑み、伝搬環境を表わす信号
誤差に応じた外挿距離を選択することにより正確な送信
応答ベクトルの推定が可能となる。
信号誤差が大きいほどより短い外挿距離を選択し、小さ
いほどより長い外挿距離を選択する。
外挿誤差が大きくなるため外挿距離を短くすることによ
り外挿誤差を抑制し、信号誤差が小さいほど外挿誤差が
小さくなるため外挿距離を長くすることにより十分な外
挿を行なうことができる。
による外挿処理における外挿距離であり、記憶手段は、
伝搬環境を表す、ドップラー周波数、および分離された
信号と期待される所望信号との信号誤差に応じて予め決
定された複数の外挿距離を保持し、選択手段は、伝搬路
のドップラー周波数および信号誤差を推定して、保持さ
れた複数の外挿距離のうち推定されたドップラー周波数
および信号誤差に対応する外挿距離を選択して外挿手段
による外挿処理に適用する。
び信号誤差が外挿誤差を大きくすることに鑑み、伝搬環
境を表わすドップラー周波数および信号誤差に応じた外
挿距離を選択することにより正確な送信応答ベクトルの
推定が可能となる。
ドップラー周波数に対応する外挿距離を仮に選択し、推
定された信号誤差に対応して仮に選択した外挿距離を補
正する。
を与えるドップラー周波数によって基本的な外挿距離の
選択を行ない、さらに信号誤差に基づく外挿距離の補正
を行なうことによって、より正確な送信応答ベクトルの
推定が可能となる。
ータとの関係は、無線装置ごとに個々に決定される。
伝搬環境とパラメータとの対応関係を事前測定により求
めているので、より精度の高い送信応答ベクトルの推定
が可能となる。
ータとの関係は、複数の無線装置に共通に決定される。
小さい場合には、伝搬環境とパラメータとの対応関係を
複数の無線装置間で共通化することにより無線装置の製
造過程の簡素化を図ることができる。
の実施の形態のPDMA用基地局の無線装置(無線基地
局)1000の構成を示す概略ブロック図である。
1とPS2とを識別するために、4本のアンテナ♯1〜
♯4が設けられている。ただし、アンテナの本数として
は、より一般的にN本(N:自然数)であってもよい。
は、アンテナ♯1〜♯4からの信号を受けて、対応する
ユーザ、たとえば、ユーザPS1からの信号を分離する
ための受信部SR1およびユーザPS1への信号を送信
するための送信部ST1が設けられている。アンテナ♯
1〜♯4と受信部SR1および送信部ST1との接続
は、スイッチ10−1〜10−4により、選択的に切換
えられる。
た受信信号RX1(t),RX2(t),RX3(t),
RX4(t)は、対応するスイッチ10−1,10−
2,10−3,10−4を介して受信部SR1に入り、
受信ウェイトベクトル計算機20、受信応答ベクトル計
算機22に与えられるとともに、対応する乗算器12−
1,12−2,12−3,12−4の一方入力にそれぞ
れ与えられる。
イトベクトル計算機20からそれぞれのアンテナでの受
信信号に対する重み係数wrx11,wrx21,wr
x31,wrx41が印加される。これらの重み係数
は、従来例と同様に、受信ウェイトベクトル計算機20
により、リアルタイムで算出される。
22において算出された受信応答ベクトルを受けて、後
に説明するように、送信時での伝搬路を推定、すなわ
ち、送信時点での仮想的な受信応答ベクトルを推定する
ことで送信応答ベクトルを求める送信応答ベクトル推定
機32と、送信応答ベクトル推定機32との間でデータ
を授受し、データを記憶保持するメモリ34と、送信応
答ベクトル推定機32の推定結果に基づいて、送信ウェ
イトベクトルを算出する送信ウェイトベクトル計算機3
0と、それぞれ一方入力に送信信号を受け、他方入力に
送信ウェイトベクトル計算機30からの重み係数wtx
11,wtx21,wtx31,wtx41が印加され
る乗算器15−1,15−2,15−3,15−4とを
含む。乗算器15−1,15−2,15−3,15−4
からの出力は、スイッチ10−1〜10−4を介して、
アンテナ#1〜#4に与えられる。
SR1および送信部ST1と同様の構成が、各ユーザに
対しても設けられている。
SR1の動作を簡単に説明すると以下のとおりである。
(t),RX2(t),RX3(t),RX4(t)は、
以下の式で表される。
=1,2,3,4)のアンテナの受信信号を示し、信号
Srxi (t)は、i番目(i=1,2)のユーザが送
信した信号を示す。
受信された、i 番目のユーザからの信号の複素係数を示
し、nj (t)は、j番目の受信信号に含まれる雑音を
示している。
記すると、以下のようになる。
は、[…]の転置を示す。ここで、X(t)は入力信号
ベクトル、Hi はi番目のユーザの受信応答ベクトル、
N(t)は雑音ベクトルをそれぞれ示している。
したように、それぞれのアンテナからの入力信号に重み
係数wrx1i〜wrx4iを掛けて合成した信号を受信
信号SRX(t)として出力する。
ば、1番目のユーザが送信した信号Srx1 (t)を抽
出する場合のアダプティブアレイの動作は以下のように
なる。
(t)は、入力信号ベクトルX(t)とウエイトベクト
ルW1 のベクトルの掛算により、以下のような式で表わ
すことができる。
目の入力信号RXj (t)に掛け合わされる重み係数w
rxj1(j=1,2,3,4)を要素とするベクトルで
ある。
(t)に対して、式(5)により表現された入力信号ベ
クトルX(t)を代入すると、以下のようになる。
的に動作した場合、周知な方法により、ウエイトベクト
ルW1 は次の連立方程式を満たすようにウエイトベクト
ル制御部11により逐次制御される。
にウエイトベクトルW1 が完全に制御されると、アダプ
ティブアレイ100からの出力信号y1(t)は、結局
以下の式のように表わされる。
のユーザのうちの第1番目のユーザが送信した信号Sr
x1 (t)が得られることになる。
は、この発明の前提となる無線装置1000の基本的な
動作の概要を説明するためのフローチャートである。
ブアレイのウエイトベクトル(重み係数ベクトル)が各
アンテナ素子における受信応答ベクトルにより一意に表
わせることに着目し、受信応答ベクトルの時間変動を推
定することによって間接的にウエイトを推定する。
基づいて、受信信号の伝搬路の推定を行う(ステップS
100)。伝搬路の推定は、式(1)〜(4)におい
て、ユーザから送られる信号のインパルス応答を求める
ことに相当する。
て、たとえば、受信応答ベクトルH1が推定できれば、
ユーザPS1からの信号受信時の伝送路の推定が行える
ことになる。
が、送信時の伝搬路の予測、すなわち、受信時の受信応
答ベクトルから送信時点での受信応答ベクトルの予測を
行う(ステップS102)。この予測された受信応答ベ
クトルが送信時の送信応答ベクトルに相当する。
が、予測された送信応答ベクトルに基づいて、送信ウェ
イトベクトルの計算を行い、乗算器15−1〜15−4
に出力する(ステップS104)。
ぎに、図1に示した受信応答ベクトル計算機22のこの
発明の前提となる基本的な動作について説明する。
するユーザ数を2人とした場合、各アンテナを経て受信
回路から出力される信号は、上述した式(1)〜(4)
で表わされる。
れるアンテナの受信信号をベクトルで表記した式を再び
記すことにすると、以下の式(5)〜(8)のようにな
る。
していると、各ユーザからの信号を分離・抽出している
ため、上記信号Srxi (t)(i=1,2)はすべて
既知の値となる。
号であることを利用して、受信応答ベクトルH1 =[h
11,h21,h31,h41]およびH2 =[h12,h22,h
32,h42]を以下に説明するようにして導出することが
できる。
信号、たとえば第1のユーザからの信号Srx1 (t)
を掛け合わせて、アンサンブル平均(時間平均)を計算
すると以下のようになる。
均を示し、S* (t)は、S(t)の共役複素を示す。
この平均をとる時間が十分長い場合、この平均値は以下
のようになる。
信号Srx1 (t)と信号Srx2(t)に互いに相関
がないためである。また、式(19)の値が0となるの
は、信号Srx1 (t)と雑音信号N(t)との間に相
関がないためである。
均は結果として以下に示すように、受信応答ベクトルH
1 に等しくなる。
ザPS1から送信された信号の受信応答ベクトルH1 を
推定することができる。
信号Srx2 (t)のアンサンブル平均操作を行なうこ
とで、2番目のユーザPS2から送信された信号の受信
応答ベクトルH2 を推定することが可能である。
ば、受信時の1つのタイムスロット内の先頭の所定数の
データシンボル列と最後尾の所定数のデータシンボル列
について行われる。
発明の前提となる送信応答ベクトル推定機32の基本的
な動作を説明するための概念図である。PDMAバース
トとして上下回線にそれぞれ4ユーザずつ割当てた8ス
ロット構成を考える。スロットの構成は、たとえば、先
頭の31シンボルを第1のトレーニングシンボル列、後
続の68シンボルをデータシンボル列、さらに最後尾の
31シンボルを第2のトレーニングシンボル列とする。
よび最後尾にトレーニングシンボル列を設け、上述の受
信応答ベクトル計算機22のアルゴリズムを用いて両方
の受信応答ベクトルを算出する。
回線用の受信応答ベクトルを推定する。
の1つの時刻tにおける値をf(t)とすると、上り回
線スロットの先頭トレーニングシンボル列の時刻t0で
の値f(t0)と、上り回線スロットの最後尾トレーニ
ングシンボル列の時刻t1での値f(t1)とに基づい
て、下り回線スロットの時刻tにおける値f(t)は、
以下のように予測できる。
(t1−t0)×(t−t0)+f(t0) なお、以上の説明では、上り回線スロットの先頭と最後
尾にトレーニングシンボル列を設け、一次外挿すること
としたが、さらに、上り回線スロットの中央部にもトレ
ーニングシンボル列を設け、受信応答ベクトルの上り回
線スロット中の3点の値から、時刻tの値f(t)を2
次外挿で推定する構成としてもよい。もしくは、上り回
線スロット中のトレーニングシンボル列を設ける位置を
増やせば、さらに高次の外挿を行うことも可能である。
り回線用の受信(送信)応答ベクトルの推定方法の改良
に関するものであり、その詳細については後で説明する
こととし、先に送信ウェイトベクトルの決定について説
明する。
うにして送信時点での受信応答ベクトルの推定値が求ま
ると、以下の3通りのいずれかの方法で、送信ウェイト
ベクトルを求めることができる。
間間隔)におけるウェイトベクトルW(1)(i)=[w
tx11、wtx12、wtx13、wtx14]を考える。ユ
ーザPS2にヌルを向けるためには、以下の条件が満た
されればよい。
信応答ベクトル)をV(2)(i)=[h1´(2)(i)、
h2´(2)(i)、h3´(2)(i)、h4´(2)(i)]と
する。ここで、hp´(q)(i)はq番目のユーザの、p
番目のアンテナに対する受信応答ベクトルの時刻iに対
する予測値である。同様にして、ユーザPS1に対して
も伝搬路V(1)(i)を予測してあるものとする。
となるように、W(1)(i)を決定する。拘束条件とし
て、以下の条件c1)、c2)を課す。
に相当する。 ii)擬似相関行列を用いる方法 ここで、上述の通り、アダプティブアレイはいくつかの
アンテナ素子と各素子ウエイト値を制御する部分とから
なる。一般に、アンテナの入力ベクトルをX(t)、ウ
エイトベクトルをWと表わすと、出力Y(t)=WTX
(t)と参照信号d(t)との平均二乗差を最小にする
ようにウエイトベクトルを制御した場合(MMSE基
準:最小2乗誤差法基準)、最適ウエイトWoptは次式
(Wiener解)で与えられる。
転置を、Y*はYの複素領域を、E[Y]はアンサンブ
ル平均を表わす。このウエイト値によりアダプティブア
レイは不要な干渉波を抑圧するようにアレイパターンを
生成することになる。
は、上記式(21)を以下に説明する擬似相関行列によ
り計算する。
h′(k)n(i)を用いて、ユーザkのためのウエイトベ
クトルW(k)(i)を計算する。第k番目のユーザのア
レイ応答ベクトルをV(k)(i)とおくと、上述のとお
り、以下のように求めることができる。
の自己相関行列Rxx(i)はV(k)(i)を用いて次式
で表わされる。
に付加する仮想雑音項である。本発明における計算で
は、たとえば、N=1.0×10-5とした。
(i)は次式で表わされる。
より、時刻t=iTにおける下り回線用ウエイトを求め
ることができる。
補助定理により、ユーザkに対して最適に計算できる。
特に2ユーザの場合には次のような簡単な式でウエイト
が算出される。
ウェイトベクトルを計算する方法については、たとえ
ば、文献:T.Ohgane、Y.Ogawa,and
K.Itoh,Proc.VTC‘97,vol.
2,pp.725−729,May 1997、また
は、文献:田中、大鐘、小川、伊藤、信学技報、vo
l.RCS98−117,pp.103−108,Oc
t.1998に記載されている。
法 ビームをユーザPS1に向けると言う点のみに着目する
と、以下の式を満たせばよい。
トベクトルを決定して送信すれば、角度広がりなど動的
なレイリー伝搬路を想定した場合、TDD/PDMA方
式においても上下回線間の時間差により発生する下り回
線での送信指向性の劣化を抑制することが可能である。
推定原理を説明するための概念図である。図4の上段に
示す「理想状態」は、基本的には図3に示す概念図をさ
らに簡略化したものである。
22によって図2のステップS100において計算され
た上り回線の同一スロット内の2点の受信応答ベクトル
である受信応答ベクトル1および受信応答ベクトル2に
基づいて、下り回線の対応するスロットの本来の送信タ
イミングまで直線外挿を行なうことによって下り回線の
正しい送信応答ベクトルを推定することができる。
信応答ベクトル1および2に推定誤差がないことを前提
としている。
ル推定誤差を含む場合」に示すように、たとえば受信応
答ベクトル2に、ノイズやサンプリング誤差による推定
誤差のために受信応答ベクトル2’のように誤りが生じ
た場合、これらの受信応答ベクトル1および2’に基づ
いて「理想状態」と同様に(同じ外挿距離で)直線外挿
を行なえば、送信タイミングにおける送信応答ベクトル
はさらに大きくずれてしまい、誤った送信応答ベクトル
を推定してしまうことになる。
クトルに基づいて、図1の送信ウェイトベクトル計算機
30によって送信ウェイトの決定処理(図2のステップ
S104)を行なえば、得られる送信ウェイトも誤った
ものとなり、下り回線の指向性の誤りすなわち送信エラ
ーを引き起こすことになる。特に、無線基地局と端末と
の間は長距離のため、わずかな指向性のエラーは大きな
送信エラーの原因となる。
ベクトルに推定誤差が存在するものとして、伝搬路にお
ける伝搬環境に応じて外挿処理のための適切なパラメー
タ、特に外挿距離を調整することにより、下り回線にお
ける正しい送信応答ベクトルを推定し、正しい送信指向
性を実現しようとするものである。
離決定の原理を説明するための概念図である。
信係数の変動、すなわちフェージングの程度によって表
わされる。フェージングの程度は物理量としては、いわ
ゆるドップラー周波数(FD)によって表現される。
たとえば次のようにして推定される。すなわち、アダプ
ティブアレイ処理で分離された各ユーザごとの受信信号
の時間的に前後する2つの受信応答ベクトルの相関値を
計算する。フェージングがなければ、2つの受信応答ベ
クトルは一致し、相関値は1となる。一方、フェージン
グが激しければ受信応答ベクトルの差は大きくなり、相
関値は小さくなる。このような受信応答ベクトルの相関
値とドップラー周波数FDとの関係を予め実験的に求
め、メモリに保持しておけば、受信応答ベクトルの相関
値を算出することによって、そのときのドップラー周波
数FDを推定することができる。
ラー周波数に着目して、この発明の実施の形態の動作原
理について説明する。
誤差により受信応答ベクトル2’のようにずれていると
き、外挿距離が長くなるほど外挿誤差が大きくなり、本
来の送信応答ベクトルからますます誤ったものになって
しまうことになる。
なわちドップラー周波数FDが低いほど、伝搬路の受信
係数の変動は小さい。そこでこのような場合には外挿距
離を短くすることにより実際の変動量以上の外挿を行な
ってしまうことを防止している。より具体的には、ドッ
プラー周波数FDが低いときには、図5(A)の場合の
ように受信応答ベクトル2’からX印のa点までの短距
離の外挿を行ない、このa点の送信応答ベクトルを推定
してX印のb点の正しい送信応答ベクトルとみなすよう
にしている。
すなわちドップラー周波数FDが高いほど、伝搬路の受
信係数の変動は大きい。そこでこのような場合には外挿
距離を長くすることにより十分な外挿を行うようにして
いる。より具体的には、ドップラー周波数FDが高いと
きには、図5(B)の場合のように受信応答ベクトル
2’からX印のc点までの比較的長距離の外挿を行な
い、このc点の送信応答ベクトルを推定してX印のd点
の正しい送信応答ベクトルとみなすようにしている。
答ベクトル推定機32によって実行される。図6は、こ
のようなドップラー周波数FDに着目した外挿処理を表
わすフローチャートである。
まず図1の受信応答ベクトル計算機22により伝搬路の
推定がなされ、具体的には上り回線の受信応答ベクトル
1および2’が推定される。
によりフェージングの程度すなわちドップラー周波数F
Dが推定される。
応答ベクトル推定機32により、図5に関連して説明し
た方法で、ドップラー周波数FDに応じた最適の外挿パ
ラメータすなわち外挿距離の決定がなされる。なお、こ
の目的で、ドップラー周波数FDの高低に応じて事前測
定によって決定されていた最適の外挿距離が図1のメモ
リ34に予め保持されているものとする。
ップS3で決定された外挿パラメータ(外挿距離)を用
いて外挿処理がなされ、下り回線の伝搬路の推定、すな
わち送信応答ベクトルの推定がなされる。
信ウェイトベクトル計算機30により、上述のステップ
S4で決定された下り回線の送信応答ベクトルに基づい
て送信ウェイトが推定される。
プラー周波数FDの高低により最適の外挿距離を選択し
ているので、上り回線の受信応答ベクトルに推定誤差が
あっても、正しい送信応答ベクトルの推定が可能とな
る。
アレイ出力から得られる信号のウェイト推定誤差によっ
ても表わされる。このような誤差は、アダプティブアレ
イ出力から得られる信号値と、期待される所望信号値と
の平均自乗誤差(Mean Square Error:以下MSE)で
表わされ、このMSEが小さいほど上り回線において理
想的なウェイトベクトルの推定ができたことになり、ア
ダプティブアレイ出力信号の精度が良いことになる。逆
に、MSEが大きいほど上り回線において推定されたウ
ェイトベクトルが最適ではなかったことになり、アダプ
ティブアレイ出力信号の精度が悪いことになる。なお、
このMSEの算出方法については周知であるためその説
明を省略する。
上り回線の受信応答ベクトルに推定誤差が生じ、さらに
外挿誤差が生じることになる。
明の他の実施の形態の動作原理について説明する。
信応答ベクトルの推定誤差が大きい場合には、外挿距離
が長くなると外挿誤差が大きくなるため、外挿距離を短
くしている。より具体的には、MSEが大きいときに
は、図5(A)の場合のように受信応答ベクトル2’か
らX印のa点までの短距離の外挿を行ない、このa点の
送信応答ベクトルを推定してX印のb点の正しい送信応
答ベクトルとみなすようにしている。
が小さく受信応答ベクトルの推定誤差が小さい場合に
は、外挿距離が長くなっても外挿誤差が小さいため、外
挿誤差を比較的長くしている。より具体的には、MSE
が小さいときには、図5(B)の場合のように受信応答
ベクトル2’からX印のc点までの比較的長距離の外挿
を行ない、このc点の送信応答ベクトルを推定してX印
のd点の正しい送信応答ベクトルとみなすようにしてい
る。
答ベクトル推定機32により実行され、図7は、このよ
うなMSEに着目した外挿処理を表わすフローチャート
である。
を除いて図6に示したフローチャートと同じである。す
なわち、ステップS12において、周知の方法によりM
SEが算出され、次にステップS13において、図1の
送信応答ベクトル推定機32により、図5に関連して説
明した方法で、MSEに応じた最適の外挿パラメータす
なわち外挿距離の決定がなされる。なお、この目的で、
MSEの大小に応じて事前測定によって決定されていた
最適の外挿距離が図1のメモリ34に予め保持されてい
るものとする。
明したとおりなので、ここではその説明を繰り返さな
い。
Eの大小により最適の外挿距離を選択しているので、上
り回線の受信応答ベクトルに推定誤差があっても、正し
い送信応答ベクトルの推定が可能となる。
の形態による外挿処理を示すフローチャートである。図
6の実施の形態ではドップラー周波数FDにより最適の
外挿距離を決定し、図7の実施の形態ではMSEにより
最適の外挿距離を決定していたが、以下に説明する図8
の実施の形態では、ドップラー周波数FDおよびMSE
の双方を考慮して最適の外挿距離を決定しようとするも
のである。
はドップラー周波数FDに基づいて外挿パラメータ(外
挿距離)を仮に決定し、その後MSEに基づいて外挿パ
ラメータを補正して最終的に決定しようとするものであ
る。
図6のフローチャートと同じであるので説明を繰り返さ
ない。ステップS2においてドップラー周波数FDが推
定されれば、メモリ34に予め保持されているドップラ
ー周波数FDと外挿距離との対応関係から、最適な外挿
距離が選択され、仮に決定される。
推定されれば、ステップS22において、このMSEの
大小に応じて外挿距離が補正される。たとえば、MSE
が大きい場合には外挿距離を短く補正する必要があり、
X<1の係数で補正される。一方、MSEが小さい場合
には外挿距離を長く補正する必要があり、X>1の係数
で補正される。これらの係数は、予め実験的に求めら
れ、メモリ34に保持されているものとする。
距離が最終的に決定されると、図6に関してすでに説明
したステップS4および5により送信ウェイトが推定さ
れる。
誤差に大きな影響を与えるドップラー周波数FDによっ
て仮の外挿距離を選択し、さらにMSEによって外挿距
離の補正を行なっているので、より正確な送信応答ベク
トルの推定が可能となる。
やMSEと、外挿距離との対応関係は、無線装置の筐体
ごとの個体差により異なるため、一般的には無線装置ご
とに事前に測定され、決定される。しかしながら、個体
差が小さいと考えられる場合はシステム全体で複数の無
線装置に共通の対応関係を用いても良い。
離に限らず、たとえば外挿の傾きなど他のパラメータで
あってもよい。
例示であって制限なものではないと考えられるべきであ
る。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範
囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および
範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
え上り回線で推定された受信応答ベクトルに推定誤差が
あっても、伝搬環境に応じて外挿処理に用いるパラメー
タを選択することにより、下り回線の送信応答ベクトル
を正確に推定することができ、ひいては良好な送信指向
性を実現することが可能である。
線装置(無線基地局)1000の構成を示す概略ブロッ
ク図である。
要を説明するためのフローチャートである。
を説明するための概念図である。
するための概念図である。
理を説明するための概念図である。
説明するためのフローチャートである。
要を説明するためのフローチャートである。
理の概要を説明するためのフローチャートである。
PDMAの各種の通信システムにおけるチャネルの配置
図である。
を概念的に示す模式図である。
す概略ブロック図である。
す概略図である。
の間の電波信号の授受をイメージ化した模式図である。
ナ、10−1〜10−4 スイッチ回路、12−1〜1
2−4 乗算器、13 加算器、15−1〜15−4
乗算器、20 受信ウェイトベクトル計算機、22 受
信応答ベクトル計算機、30 送信ウェイトベクトル計
算機、32 送信応答ベクトル推定機、34 メモリ、
1000 無線装置(無線基地局)。
Claims (9)
- 【請求項1】 リアルタイムにアンテナ指向性を変更
し、複数の端末との間で信号の送受信を時分割で行なう
無線装置であって、 離散的に配置された複数のアンテナと、 信号の送受信時に前記複数のアンテナを共用する送信回
路および受信回路とを備え、 前記受信回路は、 受信信号の受信時に、前記複数のアンテナからの信号に
基づいて、前記複数の端末のうち特定の端末からの信号
を分離するための受信信号分離手段と、 前記受信信号の受信時に、前記複数のアンテナからの信
号に基づいて、前記特定の端末からの伝搬路の受信応答
ベクトルを推定する受信伝搬路推定手段とを含み、 前記送信回路は、 前記受信伝搬路推定手段の推定結果に基づいて、送信信
号の送信時の伝搬路の送信応答ベクトルを推定する送信
伝搬路推定手段と、 前記送信伝搬路推定手段の推定結果に基づいて、前記送
信信号の送信時の前記アンテナ指向性を更新する送信指
向性制御手段とを含み、 前記送信伝搬路推定手段は、 前記受信伝搬路推定手段によって推定された前記特定の
端末からの上り回線スロットの複数の前記受信応答ベク
トルに基づく外挿処理により、前記特定の端末への下り
回線スロットの前記送信応答ベクトルを算出する外挿手
段と、 前記伝搬路の伝搬環境に応じて予め決定された、前記外
挿処理に用いる複数のパラメータを保持した記憶手段
と、 前記伝搬路の伝搬環境を推定して、前記保持された複数
のパラメータのうち前記推定された伝搬環境に対応する
パラメータを選択して前記外挿手段による外挿処理に適
用する選択手段とを有する、無線装置。 - 【請求項2】 前記パラメータは、前記外挿手段による
外挿処理における外挿距離であり、前記記憶手段は、前
記伝搬環境を表すドップラー周波数に応じて予め決定さ
れた複数の外挿距離を保持し、前記選択手段は、前記伝
搬路のドップラー周波数を推定して、前記保持された複
数の外挿距離のうち前記推定されたドップラー周波数に
対応する外挿距離を選択して前記外挿手段による外挿処
理に適用する、請求項1に記載の無線装置。 - 【請求項3】 前記選択手段は、推定されたドップラー
周波数が低いほどより短い外挿距離を選択し、高いほど
より長い外挿距離を選択する、請求項2に記載の無線装
置。 - 【請求項4】 前記パラメータは、前記外挿手段による
外挿処理における外挿距離であり、前記記憶手段は、前
記伝搬環境を表す、前記分離された信号と期待される所
望信号との信号誤差に応じて予め決定された複数の外挿
距離を保持し、前記選択手段は、前記伝搬路の信号誤差
を推定して、前記保持された複数の外挿距離のうち前記
推定された信号誤差に対応する外挿距離を選択して前記
外挿手段による外挿処理に適用する、請求項1に記載の
無線装置。 - 【請求項5】 前記選択手段は、推定された信号誤差が
大きいほどより短い外挿距離を選択し、小さいほどより
長い外挿距離を選択する、請求項4に記載の無線装置。 - 【請求項6】 前記パラメータは、前記外挿手段による
外挿処理における外挿距離であり、前記記憶手段は、前
記伝搬環境を表す、ドップラー周波数、および前記分離
された信号と期待される所望信号との信号誤差に応じて
予め決定された複数の外挿距離を保持し、前記選択手段
は、前記伝搬路のドップラー周波数および信号誤差を推
定して、前記保持された複数の外挿距離のうち前記推定
されたドップラー周波数および信号誤差に対応する外挿
距離を選択して前記外挿手段による外挿処理に適用す
る、請求項1に記載の無線装置。 - 【請求項7】 前記選択手段は、前記推定されたドップ
ラー周波数に対応する外挿距離を仮に選択し、前記推定
された信号誤差に対応して前記仮に選択した外挿距離を
補正する、請求項6に記載の無線装置。 - 【請求項8】 前記伝搬環境と前記複数のパラメータと
の関係は、前記無線装置ごとに個々に決定される、請求
項1に記載の無線装置。 - 【請求項9】 前記伝搬環境と前記複数のパラメータと
の関係は、複数の前記無線装置に共通に決定される、請
求項1に記載の無線装置。
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