JP4585260B2 - 半導体製造装置用部品及び半導体製造装置 - Google Patents

半導体製造装置用部品及び半導体製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマエッチング装置やプラズマCVD装置に好適な半導体製造装置用部品及び半導体製造装置に関する。
半導体装置製造における微細加工は、要所に等方性エッチングおよび異方性エッチングの技術が利用されている。その技術を支えるドライエッチングとして、プラズマエッチングは一般的な技術の一つである。
プラズマエッチングは、例えば、石英容器(石英チャンバー)周囲に電極が巻かれた形態を有し、導入されたエッチングガスを低ガス圧状態した後、高周波(RF)を加えると、エッチングガスがプラズマ化する。
上記のようなプラズマエッチング装置では、石英チャンバー部品やSiウェーハを搭載する石英インシュレータ部品の表面に、プラズマエッチング性を有する酸化物を溶射法により施し、その溶射被膜によって石英部品の損耗やダスト(パーティクル)の発生を抑制する手段が講じられている。例えば特許文献1には、石英チャンバー部品にアルマイト加工、溶射法あるいはスパッタ蒸着法により厚さが10〜500μmのAlコーティングを施すことにより、パーティクル低減を図ることが記載されている。
耐プラズマエッチング性を有する酸化物としては、Al23の他に、Y23、ZrO2やそれらの複合酸化物などが挙げられ、一般的にはプラズマ溶射法で処理されている。
最近の半導体素子においては、高集積度を達成するために配線幅の狭小化(例えば0.18μm、0.13μm、さらには0.09μm以下)が進められている。このように狭小化された配線やそれを有する素子においては、例えば直径0.1μm程度の極微小粒子(微小パーティクル)が混入しても、配線不良や素子不良などを引起すことになるため、装置構成部品に起因する微細なダスト(パーティクル)の発生をより一層抑制することが強く望まれている。
特開2002−313780号公報
本発明は、部品から発生する微細なダストの発生を安定かつ有効に抑制することが可能な半導体製造装置用部品及び半導体製造装置を提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、溶射時に供給粉末を溶融せずに堆積した酸化物溶射被膜によると、エッチングプラズマ装置のような半導体製造装置における耐プラズマ性が著しく向上し、ダスト(パーティクル)低減と部品使用の長寿命化を達成できる知見を得た。
まず、従来から行われている供給粉末を溶融させる溶射の原理を図1を参照して説明する。供給粉末1としての酸化物粉末を電気や燃焼ガスあるいはプラズマ放電などを熱源2とした加熱媒体3により溶融し、その溶融粒子4をArガスなどの加速ガス5を利用して溶射トーチ6から基材(被覆物)7に吹付けることにより、溶射被膜が得られる。この方法によると、溶融粒子4が被覆物7に堆積する際、溶融粒子4が衝突エネルギーで扁平に変化して扁平粒子(ラメラー粒子)8aとして堆積し、ラメラー構造を有するものとなる。
本発明者らは、上述した溶かす溶射によると、表面欠陥及び内部欠陥により耐プラズマ性が低下することを究明した。
Al23のようなプラズマエッチング性を有する酸化物粉末を使用し、ArとH2のプラズマ放電またはArとHeガスのプラズマ放電を熱源として利用したプラズマ溶射での溶射被膜の表面の電子顕微鏡写真を図2〜図5に示す。図2は、ArとH2のプラズマ溶射による溶射被膜の電子顕微鏡写真で、図3は図2の要部を拡大したものである。図4は、ArとHeのプラズマ溶射による溶射被膜の電子顕微鏡写真で、図5は図4の要部を拡大したものである。
図2と図3から、ArとH2のプラズマ溶射においては、水素還元によってクレータが発生し、また、溶融粒子が堆積する際の急激な冷却凝固に伴って扁平粒子(ラメラー)にクラックが生じ、さらに溶融粒子が溶射表面に飛び散って堆積した細かな粒子(飛散粒子)の存在が伺える。また、図4と図5から、ArとHeのプラズマ溶射においても、溶融粒子の凝固によるクラックの発生と、飛散粒子の付着を確認できる。
このように、プラズマ溶射のような溶かす溶射によると、表面欠陥が発生しやすい。
また、プラズマ溶射の場合、供給粉末である酸化物粉末の粒径が10〜45μm程度と大きいため、形成された溶射被膜中に気孔(ボイド)が最大15%程度発生するとともに、溶射表面の粗さが平均粗さRaで5μm程度となる。そのような溶射被膜が形成されたプラズマエッチング装置部品を使用した場合、気孔を通じてプラズマエッチングが進行する。さらに、表面粗さが大きいと、プラズマ放電が溶射の凸部に集中して叩かれる。このように内部欠陥にプラズマアタックが集中するのに加えて、表面欠陥で溶射被膜が脆くなっているため、溶射被膜の損耗によるダスト(パーティクル)の発生量が多くなり、部品及び装置の使用寿命の低下を招く。
なお、複合溶射粉末を使用した場合、溶射粉末を溶融して堆積すると、融点の違いにより、酸化物の分離が発生し、本来の複合酸化物の持っている特性が損なわれる問題が発生し、良好な耐プラズマエッチング性を得難くなる。
本発明のような、溶射時に供給粉末を溶融せずに堆積した酸化物溶射被膜によると、溶融粒子が生じ難いために表面欠陥を低減することができる。同時に、溶射被膜の高密度化と表面の平滑化を図ることができるため、内部欠陥を少なくすることができる。さらには、溶射被膜を構成する酸化物の結晶構造の安定性が高くなるため、溶射被膜の化学的安定性を向上することができる。
このような酸化物溶射被膜をエッチングプラズマ装置用部品のような半導体製造装置用部品に施すことによって、耐プラズマ性を向上することができ、ダスト(パーティクル)の発生量を抑えることができると共に、装置クリーニングや部品交換の回数を大幅に減らすことができる。ダスト(パーティクル)発生量の低減は、半導体製造装置で処理する各種の薄膜、さらにはそれを用いた素子や部品の歩留り向上に大きく寄与する。また、装置クリーニングや部品交換回数の低減は、生産性の向上ならびにエッチングコストの削減に大きく寄与する。
本発明に係る半導体製造装置用部品は、部品本体と、平均粒径が10μm未満の酸化物粒子の溶射により前記部品本体の表面に形成された溶射被膜とを具備する半導体製造装置用部品であって、前記溶射被膜中の酸化物粒子の一部は未溶融のままであり、前記溶射被膜の気孔率は5%以下で、かつ前記溶射被膜の表面粗さは平均粗さRaで5μm以下であることを特徴とするものである。
本発明に係る半導体製造装置は、プラズマガスに曝される表面の少なくとも一部が、平均粒径が10μm未満の酸化物粒子の溶射により形成された溶射被膜からなる半導体製造装置であって、前記溶射被膜中の酸化物粒子の一部は未溶融のままであり、前記溶射被膜の気孔率は5%以下で、かつ前記溶射被膜の表面粗さは平均粗さRaで5μm以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、部品から発生する微細なダストの発生が安定かつ有効に抑制され、装置クリーニングや部品の交換などに伴う生産性の低下や部品コストの増加を抑えることができ、高集積化された半導体素子の製造にも適用可能で、稼働率の改善によりエッチングコストの低減などを図ることも可能である半導体製造装置用部品と半導体製造装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
プラズマエッチング装置内のダスト(パーティクル)および部品交換回数の低減に対して、石英で構成される部品(石英チャンバー、石英インシャレータ)の表面にプラズマエッチング性を有する酸化物溶射被膜を施すことが有効であるが、その酸化物溶射は未溶融粒子の堆積した被膜構造が効果を発揮する。
例えば、酸化物としてAl23粉末を溶融して堆積した溶射被膜の場合、熱的に安定で耐酸化性の高いα構造(三方晶コランダム型)のAl23粉末が溶融凝固して、格子欠陥のある化学反応性の高いγ構造(立方晶スピネル型)に相変化しているため、耐プラズマエッチング性の低下を招く。
本願発明のように、溶射被膜中の酸化物粒子の少なくとも一部を未溶融のままとすることにより、酸化物粒子の少なくとも一部が溶融前の結晶構造(例えばα構造Al23)をそのまま維持することができるため、溶射被膜の化学的安定性を高くすることができる。また、溶射被膜が微粒子の堆積構造を有しているため、堆積粒子間の隙間が小さく、溶射被膜を高密度にすることができ、プラズマアタックによるプラズマの侵入とラジカルアタック(例えば活性なFやOラジカル)によるラジカルの侵入を阻止することができる。さらに、微粒子へのクラックの発生と、飛散粒子の付着とを抑制することができる。
これらの結果、プラズマアタック及びラジカルアタックによる損耗と、損耗に伴うパーティクルの発生量を減少させることができ、酸化物溶射被膜の耐プラズマ性と耐食性を向上することができる。
Al23溶射被膜は、この溶射被膜を構成するAl23のうちα構造のAl23の比率を70%以上、98%以下にすることが望ましい。これは以下に説明する理由によるものである。α構造のAl23の比率を70%未満にすると、プラズマエッチングによる損耗が生じやすく、ダスト(パーティクル)発生量が多くなる恐れがある。また、α構造のAl23の比率が98%を超えるものは、粒子間の結合強度が低下してダスト(パーティクル)発生量が多くなる恐れがある。下限比率のより好ましい値は、85%である。一方、上限比率のより好ましい値は、90%である。
溶射被膜の気孔率は、5%以下にすることが望ましい。これにより、気孔内へのプラズマ流入を抑制することができると共に溶射被膜を構成する粒子間の結合強度を高くすることができるため、損耗によるダスト(パーティクル)の発生を低減することができる。この気孔率が5%を超えると、気孔内でプラズマエッチングが集中的に起り、その部分からダスト(パーティクル)の発生が助長される可能性があるとともに、溶射皮膜の剥離が発生し易くなり、部品交換回数が増加して生産性の低下を招く恐れがある。気孔率のより好ましい範囲は、1%以下である。
溶射被膜の表面粗さは平均粗さRaで5μm以下にすることが望ましい。これにより、プラズマエッチングの集中する部分を少なくすることができるため、エッチングの加速による損耗を低減することができ、溶射被膜の寿命を長くすることができる。一方、平均粗さRaが5μmを超えると、その凸部にプラズマ集中が起こって、その部分が選択エッチングされるため、ダスト(パーティクル)の増加と使用寿命の低下を招く恐れがある。平均粗さRaのより好ましい範囲は、3μm以下である。
未溶融にすることによる効果は、Al23に限らず、耐プラズマエッチング性を有する酸化物であれば、得ることが可能である。耐プラズマエッチング性を有する酸化物としては、例えば、Y23、ZrO2などを挙げることができる。特に、Al23やY23などの溶融により結晶構造が変化するセラミックスが好適である。Y23の結晶はβ構造であるが、溶融溶射すると酸素欠乏となり、YとOの組成比が2:3の構造からズレを生じる。Y23粒子の少なくとも一部を未溶融のままとしてβ型結晶構造を維持させることによって、溶射被膜の耐プラズマエッチング性を向上することが可能である。
23溶融溶射中のβ型Y23の比率は、70%以上、98%以下にすることが好ましく、さらに望ましい範囲は85%以上、90%以下である。
このように、プラズマエッチング装置のダスト(パーティクル)低減と部品交換回数の低減(長寿命化)に対しては、酸化物溶射被膜を未溶融状態で堆積することが有効であり、微細で粒径を選定した溶射粉末を利用することにより、気孔率が小さく、最適な溶射表面粗さが得られるため、耐プラズマエッチング性の高い表面形態および溶射構造が達成可能となり、両者の効果が発揮される溶射被膜が得られるのである。
このような溶射被膜を得るには、従来の溶射法では非常に困難であり、粉末粒径が数ミクロン程度に選定された細かな酸化物粒子を使用した超高速フレーム溶射法が有効であることを見出した。
酸化物粒子の少なくとも一部が未溶融の溶射被膜を得るための具体的な方法としては、部品本体の構成材料や形状、使用される環境条件、溶射材料などに応じて、超高速フレーム溶射条件を適宜選択して使用することが望ましい。未溶融結合粒子の大きさを制御するために粉末粒径が数ミクロン程度に選定された細かな酸化物粒子を使用し、結合粒子の大きさと溶射表面粗さのコントロールに対しては、供給粉末の粒径範囲を選定して使用することによって、所望の結合粒子サイズと表面粗さが得られる。そして、電流、電圧、ガス流量、圧力、溶射距離、ノズル径、材料供給量などの溶射条件をコントロールすることによって、未溶融粒子が結合した溶射被膜構造、表面粗さ、気孔率などを制御することができる。
超高速フレーム溶射の際には、燃焼ガスの供給量を少なくして燃焼温度を低くすることによって、粉末の表面のみを溶融状態にすることが可能である。この表面のみ溶融状態にある粉末を、溶融による堆積をさせずに強固に付着させるためには、燃焼加速用の酸素量をアセチレン量に比較して少なくすることで燃焼温度を低温化し、アルゴンガス流量で粒子を高速に加速することで溶融せずに付着させることが可能である。
次に、本発明の半導体製造装置の実施形態について説明する。図6は本発明の半導体製造装置の一実施形態であるプラズマエッチング装置の要部構成を示す模式図である。
支持台10の上面には、石英製のインシュレータ11が配置されている。石英製のインシュレータ11上には、例えばSiウェハー12などの被処理物が配置される。石英製のベルジャー13は、石英製のインシュレータ11を覆うように支持台10上に取り付けられている。石英製ベルジャー13の外側表面には、電極(図示しない)がコイル状に巻かれている。
未溶融の酸化物粒子を含む溶射被膜14は、石英製ベルジャー13の内面と、石英製インシュレータ11のSiウェハー12が配置される面に形成されている。
このようなプラズマエッチング装置では、石英製ベルジャー13内に低圧力のエッチングガスを導入した後、コイル状の電極により高周波(RF)を印加することにより、エッチングガスをプラズマ化させ、Siウェハー12にドライエッチングを施す。
溶射被膜14は、前述したようにプラズマ及びラジカルによる損耗を低減することができるため、溶射被膜14の剥離によるパーティクルの発生を低減することができる。同時に、ベルジャー13及びインシュレータ11の石英表面が露出するのを抑えることができるため、石英表面からの剥離によるパーティクルの発生を少なくすることができる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
前述した図6に示すようなプラズマエッチング装置の石英チャンバーおよび石英インシュレータに、ガス溶射法により、平均粒径が2.5μmのAl23粉末を使用し、燃焼ガスであるアセチレンの供給量を20L/minとし、酸素ガスの供給量を50L/minとし、Al23の酸化物溶射被膜を膜厚150μm一定として施した。
このプラズマエッチング装置において、ArエッチングガスによりSiO2膜のプラズマエッチングを行って、ダスト(パーティクル)の発生量と使用寿命の比較検討を行った。ダスト(パーティクル)の発生量は、8インチウェーハ上の直径0.2μm以上のダスト数をパーティクルカウンタで測定することにより求めた。また、使用寿命は、ダストが増加する使用寿命をウェーハ処理枚数で確認した。これらの結果を表1に示す。
(比較例1)
前述した図6に示すようなプラズマエッチング装置の石英チャンバーおよび石英インシュレータに、プラズマ溶射法により、電流500A、電圧85V、Arガス流量/圧力を100/100に設定し、平均粒径が35μmのAl23粉末を使用し、Al23の酸化物溶射被膜を膜厚150μm一定として施した。
このプラズマエッチング装置において、ArエッチングガスによりSiO2膜のプラズマエッチングを行って、ダスト(パーティクル)の発生量と使用寿命の比較検討を行い、その結果を下記表1に示す。
(実施例2)
前述した図6に示すようなプラズマエッチング装置の石英チャンバーおよび石英インシュレータに、ガス溶射法により、平均粒径が3μmのY23粉末を使用し、燃焼ガスであるアセチレンの供給量を20L/minとし、酸素ガスの供給量を50L/minとし、Y23の酸化物溶射被膜を膜厚150μm一定として施した。
このプラズマエッチング装置において、CF4とO2からなるエッチングガスによりSiO2膜のプラズマエッチングを行って、ダスト(パーティクル)の発生量と使用寿命の比較検討を行い、その結果を下記表1に示す。
(比較例2)
前述した図6に示すようなプラズマエッチング装置の石英チャンバーおよび石英インシュレータに、プラズマ溶射法により、電流550A、電圧75V、Arガス流量/圧力を100/100に設定し、平均粒径が33μmのY23粉末を使用し、Y23の酸化物溶射被膜を膜厚150μm一定として施した。
このプラズマエッチング装置において、CF4とO2からなるエッチングガスによりSiO2膜のプラズマエッチングを行って、ダスト(パーティクル)の発生量と使用寿命の比較検討を行い、その結果を下記表1に示す。
実施例1〜2及び比較例1〜2の溶射被膜の表面粗さRa及び気孔率と、溶射被膜を構成する粒子の結晶構造比率を以下に説明する方法で確認し、その結果を下記表1に併記する。
(溶射被膜の表面粗さRa)
JIS B 0601−1994で規定する算術平均粗さを表面粗さRaとした。
(溶射被膜の気孔率)
溶射被膜の膜厚方向に切断した断面組織を光学顕微鏡で倍率500倍で観察し、縦210μm、横270μmの視野で空孔の面積を測定し、下記(1)式から気孔率(%)として換算し、視野10箇所の平均値を気孔率として下記表1に示す。
気孔率(%)=(S2/S1)×100 (1)
但し、S1は縦210μm、横270μmの視野面積(μm2)で、S2は縦210μm、横270μmの視野内における空孔の合計面積(μm2)である。
Figure 0004585260
表1から明らかなように、実施例1〜2によるプラズマエッチング装置の場合、比較例1〜2に比べてダスト発生量が少なく、使用寿命も長くなることが判った。これらから、実施例1〜2の溶射被膜によりダスト発生を有効かつ安定して防止でき、使用寿命の延長が達成できることが確認された。
以上説明したように、本発明の半導体製造装置用部品によれば、構成部品から発生するダストを安定かつ有効に防止できると共に、剥離防止用の被膜自体の安定性を高めることが可能となる。したがって、装置のクリーニングや部品の交換回数を削減することができる。また、このような半導体製造装置用部品を有する本発明の半導体製造装置によれば、配線膜や素子の不良発生原因となる膜中へのダストの混入を抑制することが可能となると共に、生産性の向上ならびに消耗部品コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
従来の溶射法の原理を説明するための模式図。 ArとH2のプラズマ溶射による溶射被膜の電子顕微鏡写真。 図2の要部を拡大した電子顕微鏡写真。 ArとHeのプラズマ溶射による溶射被膜の電子顕微鏡写真。 図4の要部を拡大した電子顕微鏡写真。 本発明の半導体製造装置の一実施形態の要部構成を示す模式図。
符号の説明
1…供給粉末、2…熱源、3…加熱媒体、4…溶融粒子、5…加速ガス、6…溶射トーチ、7…基材、8a…扁平粒子、10…支持台、11…インシュレータ、12…Siウェハー、13…ベルジャー、14…溶射被膜。

Claims (8)

  1. 部品本体と、平均粒径が10μm未満の酸化物粒子の溶射により前記部品本体の表面に形成された溶射被膜とを具備する半導体製造装置用部品であって、
    前記溶射被膜中の酸化物粒子の一部は未溶融のままであり、前記溶射被膜の気孔率は5%以下で、かつ前記溶射被膜の表面粗さは平均粗さRaで5μm以下であることを特徴とする半導体製造装置用部品。
  2. 前記酸化物粒子は溶融により結晶構造が変化するものであり、前記未溶融の酸化物粒子は溶融前の結晶構造を維持していることを特徴とする請求項1記載の半導体製造装置用部品。
  3. 前記酸化物粒子はAl23 2 3 またはZrO 2 粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体製造装置用部品。
  4. 前記酸化物粒子はAl 2 3 粒子であり、前記未溶融の酸化物粒子はα−Al 2 3 粒子であり、前記溶射被膜を構成するAl 2 3 のうちα−Al 2 3 の比率が70%以上、98%以下であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の半導体製造装置用部品。
  5. 前記酸化物粒子はY 2 3 粒子であり、前記未溶融の酸化物粒子はβ型Y 2 3 粒子であり、前記溶射被膜を構成するY 2 3 のうちβ型Y 2 3 の比率が70%以上、98%以下であることを特徴とする請求項1〜いずれか1項記載の半導体製造装置用部品。
  6. 前記溶射被膜が超高速フレーム溶射法で形成されたものであることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の半導体製造装置用部品。
  7. 前記酸化物粒子の平均粒径が2.5μm以上、3μm以下であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の半導体製造装置用部品。
  8. 請求項1〜に記載の半導体製造装置用部品を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
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