JP4851700B2 - 真空成膜装置用部品及び真空成膜装置 - Google Patents

真空成膜装置用部品及び真空成膜装置 Download PDF

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Description

本発明は、真空成膜装置用部品とそれを用いた真空成膜装置に関するもので、スパッタリング装置やCVD装置などに好適なものである。
半導体部品や液晶部品などにおいては、スパッタリング法やCVD法などの成膜方法を利用して各種の配線や電極などを形成している。具体的には、半導体基板やガラス基板などの被成膜基板上に、スパッタリング法やCVD法などを適用して、各種の金属薄膜や金属化合物薄膜を形成している。これら各薄膜は配線層、電極層、バリア層、下地層(ライナー材)などとして利用されている。
ところで、上述した金属薄膜や金属化合物薄膜の形成に使用されるスパッタリング装置やCVD装置などの真空製膜装置においては、成膜工程中に成膜装置内に配置されている各種部品にも成膜材料が付着、堆積することが避けられない。このような部品上に付着、堆積した成膜材料(付着物)は、成膜工程中に部品から剥離することによりダスト(パーティクル)の発生原因となる。このようなダストが被成膜基板上に混入すると、配線形成後にショートやオープンなどの配線不良を引起し、製品の歩留り低下を招くことになる。
このようなことから、従来のスパッタリング装置などにおいては、防着板やターゲット固定部品などの装置構成部品の表面に、ターゲット材もしくはそれと熱膨張率が近い材料の被膜を形成することが行われている。また、部品表面への被膜の形成方法に関しても種々の提案がなされており、特に部品本体との密着性や成膜材料の付着性などに優れる溶射法が適用されている。このような部品表面の被膜によって、装置構成部品上に付着、堆積した成膜材料(付着物)の剥離、脱落を防止している。
例えば特許文献1には、大気中溶射で被膜中に混入したガスや水分を除去することにより溶射膜中のガス残存量を10Torr・cc/g以下にしてガス成分の放出等に起因する付着物の剥離を防止することが記載されている。この特許文献1に記載の溶射膜によると、気孔を多数含む内部構造で付着物の内部応力が吸収されることも開示されている。特許文献2には、溶射膜の表面粗さをJIS B 0601−1994で規定する局部山頂の平均間隔Sで50〜150μmの範囲、最大谷深さRv及び最大山高さRpをそれぞれ20〜70μmとすることにより、溶射膜に付着した付着膜からの粒子の脱落や付着膜自体の剥離を抑制し、また、この溶射膜が持つ気孔を多数含む内部構造により付着膜の内部応力を吸収することが記載されている。一方、特許文献3には、Cu溶射膜の低硬度特性と、溶射膜の気孔を多数含む内部構造によって、付着物の内部応力を吸収して緩和することが開示されている。また、特許文献4には、Cu合金溶射膜の低硬度特性と、溶射膜の気孔を多数含む内部構造によって、付着物の内部応力を吸収して緩和することが開示されている。
上記したような従来の付着物の剥離防止対策によっても、ある程度の効果が得られている。しかしながら、特許文献1に記載の溶射膜は、プラズマ溶射法、ガス溶射法、アーク溶射法により作製されると記載されているだけで、溶射条件の記載がなく、図1に示す通りにラメラー構造の扁平粒子が堆積された構造を有するものである。特許文献2に記載の溶射膜は、プラズマ溶射時の電圧及び電流が高く、そのうえプラズマガス種としてArとH2の混合雰囲気を使用しているという溶射原料の溶融がより生じ易い条件でのプラズマ溶射か、もしくはアーク溶射により作製されており、図1に示す通りにラメラー構造の扁平粒子が堆積された構造を有するものである。一方、特許文献3に記載されたCu溶射膜と、特許文献4に記載されたCu合金溶射膜は、いずれも、線材を溶射原料とするアーク溶射により作製されたものであるため、溶射原料が溶融して堆積し、ラメラー構造の扁平粒子が堆積された構造を有する。従って、特許文献1〜4に記載された溶射膜では、内部に気孔を含むものの、扁平粒子が堆積された構造を有しているために、例えばTiを成膜材料として金属薄膜や化合物薄膜を成膜して使用効率向上による長寿命化を達成しようとした場合、溶射被膜上の付着膜の堆積量が多くなることにより付着膜の内部応力が増大し、溶射被膜に加わる膜応力によって溶射被膜が耐えきれずにクラックが発生し、ダスト(パーティクル)発生量の増加と溶射被膜が付着膜と一緒に剥離して長寿命化を達成出来ない状況がある。
また、例えばWやTaに代表される高融点の金属を成膜材料として用いて、金属薄膜や化合物薄膜を成膜した場合には、薄膜の内部応力が大きいことに起因して、装置構成部品上に付着、堆積した成膜材料(付着物)の剥離が生じ易いという問題がある。特に、窒化物や酸化物などの化合物薄膜の内部応力が顕著であることから、付着物の装置構成部品に対する密着性が低下して容易に剥離してしまう。
特開平9−272965号公報 特開2001−247957号公報 特開2002−356765号公報 特開2002−363728号公報
上述したように、従来の真空成膜装置の構成部品における付着物の剥離防止対策では、Ti膜およびTiN成膜の長寿命化や、W膜、Ta膜、TiW膜、WN膜、TaN膜などに代表される内部応力が大きい薄膜を成膜する際に、部品表面に付着した成膜材料(付着物)の剥離を十分に抑制することができず、比較的短期間で付着物の剥離が生じてしまうという問題がある。付着物の剥離が発生すると急激にダストの発生量が増加するため、装置のクリーニンク゛や部品の交換が必要となり、結果的に生産性の低下や成膜コストの上昇などが生じてしまう。
すなわち、内部応力が大きい金属薄膜や化合物薄膜を成膜するための真空成膜装置においては、従来の付着物の剥離防止対策が十分に機能せず、生産性の低下や成膜コストの増加などを招いている。さらに、内部応力が大きい薄膜は、被成膜基板に対する付着力も弱いため、成膜時には加熱雰囲気で成膜する場合があり、部品温度も例えば500℃前後まで上昇する。このため、装置構成部品の表面に形成する被膜には、高温環境下での使用に耐え得るような特性を有することが求められている。
また、最近の半導体素子においては、高集積度を達成するために配線幅の狭小化(例えば0.18μm、0.13μm、さらには0.09μm以下)が進められている。このように狭小化された配線やそれを有する素子においては、例えば直径0.2μm程度の極微小粒子(微小パーティクル)が混入しても、配線不良や素子不良などを引起すことになるため、装置構成部品に起因する微細なダスト(パーティクル)の発生をより一層抑制することが強く望まれている。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、内部応力が大きい薄膜を成膜する際に、成膜工程中に付着する成膜材料の剥離を安定かつ有効に防止し、装置クリーニングや部品の交換などに伴う生産性の低下や成膜コストの増加を抑えるとともに、微細なダストの発生を抑制することを可能にした真空成膜装置用部品、さらに成膜した膜中へのダスト混入を抑制し、高集積化された半導体素子などへの対応を図るとともに、稼働率の改善により成膜コストの低減などを図ることを可能にした真空成膜装置を提供することを目的としている。
本発明に係る真空成膜装置用部品は、部品本体と、前記部品本体の表面に形成された溶射被膜とを具備する真空成膜装置用部品であって、
前記溶射被膜は、平均粒子サイズが5μm以上、150μm以下の扁平形状とは異なる形状の粒子が堆積した層構造を有し、下記(1)式で表される密度が75%以上、99%以下であり、
前記粒子は、扁平比率(Y/X)が0.25以上、1.5以下の範囲である(但し、Xは前記溶射被膜を膜厚方向に切断した断面における前記粒子の前記部品本体の前記表面と平行な最小又は最大長さ、YはXと直交する方向の長さである)ことを特徴とするものである。
密度(%)={(S 1 −S 2 )/S 1 }×100 (1)
但し、S 1 は、前記溶射被膜の膜厚方向に切断した断面組織を光学顕微鏡で倍率500倍で観察した際の縦210μm、横270μmの視野の面積(μm 2 )で、S 2 は前記視野内における空孔の合計面積(μm 2 )である。
本発明に係る真空成膜装置は、真空容器と、
前記真空容器内に配置される被成膜基板保持部と、
前記真空容器内に前記被成膜基板保持部と対向して配置される成膜源と、
前記真空容器内に配置され、前記成膜源を保持する成膜源保持部と、
前記真空容器内の前記被成膜基板保持部と前記成膜源保持部の間に配置された防着部品とを具備する真空成膜装置であって、
前記被成膜基板保持部、前記成膜源保持部及び前記防着部品から選択される少なくとも一種類の部材が、前記真空成膜装置用部品から形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、内部応力が大きい薄膜を成膜した際にも、成膜工程中に付着する成膜材料の剥離を安定かつ有効に防止し、装置クリーニングや部品の交換などに伴う生産性の低下や成膜コストの増加を抑えるとともに、微細なダストの発生を抑制することを可能にした真空成膜装置用部品、さらに成膜した膜中へのダスト混入を抑制し、高集積化された半導体素子などへの対応を図るとともに、稼働率の改善により成膜コストの低減などを図ることを可能にした真空成膜装置を提供することができる。
溶射被膜は、粉末やワイヤーなどの溶射材料1を電気や燃焼ガスなどを熱源2とした加熱媒体3により溶融し、その溶融粒子4をArガスや圧縮空気などの加速ガス5を利用して溶射トーチ6から基材(被覆物)7に吹付ける方法により得られることが、例えば特許文献1〜4に示すように知られている。この公知の方法によると、溶融粒子4が被覆物7に堆積する際、図1に示すように溶融粒子4が衝突エネルギーで扁平に変化して堆積する構造(ラメラー構造)を有するものとなる。ここで述べる扁平粒子(ラメラー粒子)8aとは、後述する図20において説明する扁平比率(Y/X)が0.25未満であることを示している。
しかし、扁平粒子8aが堆積した被膜構造の場合、溶融粒子の堆積時に衝突した粒子が飛散して付着するため、図2及び図3に示すように扁平粒子上に飛散粒子9が不安定堆積する表面形態となる。このような表面形態を有する溶射被膜をそのまま真空成膜装置に使用した場合、図4,図5に示すように溶射の形態に応じて付着膜10が堆積するため、付着膜10表面からダスト(パーティクル)11が発生し易い形態となるとともに、堆積膜10の中に空洞12が発生して付着膜10自体が剥離を起し易くなる欠点が生じる。図6に付着膜10表面からダスト(パーティクル)11が発生した状態を模式的に示す。
また、溶融粒子が堆積する際、扁平状となった溶融粒子8aが急激に冷却凝固するため、図7,8に示すように扁平粒子8aに微小クラック13が発生する。図8の顕微鏡写真は、Ti溶射膜の例である。特に、Tiのような高融点材料を溶射材料として使用した場合、クラックの発生が顕著となる。そのため、このような溶射被膜を真空成膜装置に使用した場合、付着膜の膜応力により、この扁平粒子のクラックが進展して溶射膜の強度が低下し、図9〜図12に示すように付着膜にクラックが伝播して膜剥離を引き起す問題が発生する。具体的には、図9に示すように溶射膜8表面の凹凸に起因して付着膜(スパッタ膜)10が凸状に形成されると、図10に示すように付着膜(スパッタ膜)10の段差部にクラックが発生する。このクラック発生により、図11に示すように付着膜(スパッタ膜)10にズレが生じる。その結果、図12に示すように、溶射膜8のクラックが溶射突起段差の膜応力が大きい部分から進展して付着膜(スパッタ膜)10を貫通する。これにより、付着膜(スパッタ膜)10の剥離が生じる。
さらに、大気中で溶射しているため、溶融粒子は大気中の酸素および窒素の影響を受け、堆積した扁平粒子は酸化および窒化して非常に脆化した強度的に弱い被膜となってしまい、付着膜の膜応力に耐えきれず、溶射被膜中にクラックが発生し、付着膜ごと剥離して寿命低下を引き起す問題が発生する。図13に、Ti溶射膜にTiダミースパッタ膜を形成した後、さらにTiNスパッタ膜を形成したものについて、元素分析を行ない、窒素、チタン、酸素及びAlそれぞれの元素分布結果を示す。図13から、大気中溶射により形成されたTi溶射膜中に酸素と窒素が多く存在していることが理解できる。
このように溶融粒子が扁平堆積した被膜構造で溶射被膜全体が構成された場合、溶射被膜の上に堆積した付着物の厚みが大きくなると、堆積した付着物の内部応力を溶射被膜が緩和できなくなり、溶射層の扁平粒子でクラックの発生または存在しているクラックが進展し、溶射被膜と共に付着物が剥離し、ダスト(パーティクル)が発生することが判った。
そのため、図14に例示されるように、溶射粉末を溶融させずに粒子表面のみ溶融させて拡散接合14により堆積し、溶射被膜に空孔15が存在し、かつ使用される溶射用粉末の形状(球状)あるいは楕円状の粒子16が存在する溶射被膜の構造とすることで、付着物の膜応力による粒子界面、特に扁平粒子界面の滑りを抑制することができると共に付着物の内部応力を緩和することができるため、溶射被膜の耐久性(長寿命化)が向上する知見が得られた。この溶射被膜の一例として、図15にAl−Si粉末をプラズマ溶射して得られた溶射組織を示す。プラズマ溶射の条件は、電流450A、電圧32V、Arガス流量/圧力を100/150に設定し、膜厚250μmとして、平均粒径75μmのAl−Si粉末材料を使用した。この溶射被膜の密度は90.7%、粒子14の大きさは8.5〜88.5μm、扁平比率(Y/X)は0.38〜1.3であり、表面粗さRaは26.17μmである。
また、図16に示すように溶射被膜17の表面形態を飛散粒子の存在が無くて粒状の滑らかな形態とすることで付着膜10の表面形態を制御し、これにより柱状晶が規則正しく成長をして図17に示すように溶射被膜17全体にスパッタ粒子が付着して成長し、空隙の少ない付着膜10を得ることによってダスト(パーティクル)低減できる知見が得られた。その一例として、図18,図19にAl−Si溶射被膜の表面形態を示す。図18のクリーニング前のAl−Si溶射被膜の表面形態を、図19のクリーニング後のAl−Si溶射被膜の表面形態と比較することにより、溶射時の飛散粒子が少ないことがわかる。
この場合の溶射表面のクリーニング方法として、ドライアイス・ブラストのように溶射表面にブラスト材が残存せずに不純物汚染がないこと、ソフトクリーニングで溶射被膜にダメージを与えないことなどの利点があり、ドライアイス・ブラストのクリーニング方法を適用することが好ましい。
このような溶射被膜構造に制御することにより、溶射被膜の上に堆積する付着物の内部応力を緩和する機能を有することから、上述したような内部応力が大きい金属の単体薄膜、合金薄膜または化合物薄膜を成膜する場合においても、部品上に堆積した付着物の剥離を安定かつ有効に抑制することができる。また、溶射被膜の表面は粒状の結合形態であるため、その上に堆積する付着膜も粒状形態に応じた付着膜形態となり、溶融堆積した溶射被膜に形成されるダスト(パーティクル)発生を誘発するような異常突起の発生が無いため、ダスト(パーティクル)の発生量を大幅に低減する効果が得られる。
したがって、真空成膜装置用部品上に堆積する付着物の剥離によるダスト(パーティクル)の発生を抑えることができると共に、装置クリーニングや部品交換の回数を大幅に減らすことができる。ダスト(パーティクル)発生量の低減は、真空成膜装置で形成する各種の薄膜、さらにはそれを用いた素子や部品の歩留り向上に大きく寄与する。また、装置クリーニングや部品交換回数の低減は、生産性の向上ならびに成膜コストの削減に大きく寄与する。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。真空成膜装置内のダスト(パーティクル)および部品交換回数の低減に対して、成膜する膜種に応じて適宜溶射被膜の表面粗さを制御する必要がある。Al配線膜の拡散バリアに使用されるTi/TiN膜の場合には、上述の効果を発揮させるためには、表面粗さRa(平均粗さ)を5μm以上、12μm以下の範囲に制御することが望ましく、また、成膜中の温度が500℃近傍まで到達するような高温雰囲気では、表面粗さRa(平均粗さ)を12μm以上、18μm以下の範囲に制御することが望ましい。そのためには、溶射被膜中に存在する空孔による被膜の密度は75%以上、99%以下で、溶射被膜を構成する非扁平粒子の大きさは、溶射被膜の表面粗さ制御によるダスト(パーティクル)低減と応力緩和能力による長寿命化の両方を満足させるために、平均サイズで5μm以上、55μm以下に設定すると効果が発揮される。その密度が99%より大きいか、あるいは平均粒子サイズが5μm未満であると、溶射被膜に応力が負荷された場合に粒子間にクラックが発生し易く、応力緩和力が低下して被膜の剥離が生じる。また、密度が75%未満であるか、平均粒子サイズが55μmを超えると、溶射表面の凹凸が激しくなり、溶射表面形態に応じて堆積した付着物表面から突起に起因したダスト(パーティクル)が多く発生する。密度のさらに好ましい範囲は、97%以上、99%以下である。
一方、ゲート電極膜として使用されるW/WN膜やCu配線膜の拡散バリアとして使用されるTa/TaN膜の場合、膜の内部応力が大きく、長寿命化に対して溶射被膜の表面粗さRa(平均粗さ)は23μm以上、32μm以下の範囲に制御することが望ましい。そのため、溶射膜の密度が75%以上、99%以下で、粒子の平均サイズは、45μm以上、150μm以下に設定すると効果が発揮される。その密度が99%を超えるか、あるいは平均粒子サイズが45μm未満であると、溶射被膜に付着する堆積膜の高応力により粒子間にクラックが発生し易く、応力緩和力が低下して被膜の剥離が生じる。また、密度が75%未満か、平均粒子サイズが150μmを超えると、溶射表面の凹凸が激しくなり、溶射表面形態に応じて堆積した付着物表面から突起に起因したダスト(パーティクル)が多く発生する。密度のさらに好ましい範囲は、97%以上、99%以下である。
このように、真空成膜装置のダスト(パーティクル)低減と部品交換回数の低減(長寿命化)に対しては、成膜する膜種に応じて溶射被膜の密度および溶射被膜中の粒子の大きさを制御して溶射被膜の応力緩和能力を増大することが必要であり、この密度および粒子制御によって溶射表面粗さが最適となり、ダスト(パーティクル)の発生し難い表面形態が達成可能となり、両者の効果が発揮される溶射被膜が得られるのである。
溶射被膜組織に含まれる粒子形状は、扁平形状とは異なる形状を有し、例えば、球状、楕円状の断面を有するものなどを挙げることができる。この粒子は、扁平比率(Y/X)が0.25〜1.5の範囲であることが望ましい。
まず、扁平比率(Y/X)について説明する。溶射被膜の膜厚方向に切断した断面組織を光学顕微鏡で観察した視野内の粒子それぞれについて、最大長さと、これと直交する最小長さを測定する。図20の粒子161に示すように、最大長さが基材(部品本体)表面に対してほぼ平行であるとき、最大長さをXとし、最小長さをYとする。図20の粒子162に示すように、最小長さが基材(部品本体)表面に対してほぼ平行であるとき、最小長さをXとし、最大長さをYとする。基材(部品本体)表面に対して斜め方向から溶射されると、粒子の軸が斜めに傾くことがある。粒子163のように最大長さが基材(部品本体)表面とほぼ平行な場合、最大長さをXとし、最小長さをYとする。また、粒子164のように最小長さが基材(部品本体)表面とほぼ平行な場合、最小長さをXとし、最大長さをYとする。
求める扁平比率(Y/X)は、視野内の粒子のうち扁平比率(Y/X)が0.25未満の粒子を除外して算出した平均値である。
これは以下に説明する理由によるものである。扁平比率(Y/X)が0.25未満のものは、粒子形状が扁平形状に近くなるため、溶射被膜に応力が負荷された場合にクラックが発生し易くなる。一方、扁平比率(Y/X)が1.5を超えるものは、粒子形状が柱状晶に近く、小さな粒子が溶融して大きな粒子の表面に接合する反応が進行しているため、溶射被膜に応力が負荷された場合にクラックが発生し易くなる。扁平比率(Y/X)のさらに好ましい範囲は、0.4以上、1.2以下である。
扁平形状とは異なる形状の粒子の個数は、溶射被膜を膜厚方向に切断した断面0.0567mm2当りに存在する個数を表し、溶射表面粗さの設定で異なり、平均粗さRa5μm以上、10μm未満の場合には50〜120個、平均粗さRa10μm以上、20μm未満の場合には20〜50個、平均粗さRa20μm以上、32μm以下の場合には2〜20個であることが望ましい。これにより、溶射被膜に付着する堆積膜の高応力によって溶射被膜にクラックが発生するのを十分に抑制することが可能になる。但し、粒子存在個数が前記個数の範囲超えるものは、平均粒子サイズが5μm以上、55μm以下を満足していても、小さいサイズの粒子の存在比率が高いため、溶射被膜と基材との密着強度が不十分となる恐れがあるため、粒子存在個数は、平均粗さRa5μm以上、10μm未満の場合には85±20個、平均粗さRa10μm以上、20μm未満の場合には35±10個、平均粗さRa20μm以上、32μm以下の場合には11±5個の範囲にすることがより好ましい。
さらに、溶射被膜には、扁平粒子が存在していると良い。扁平粒子は、溶射材料粉末が溶融した結果として得られるものであり、扁平形状とは異なる形状の粒子の表面を被覆することができるため、粒子の溶射被膜からの脱落を抑制することができるからである。
このような溶射被膜を得る具体的な方法としては、部品本体の構成材料や形状、使用される環境条件、溶射材料などに応じて、プラズマ溶射法、超高速フレーム溶射法などを適宜選択して使用する。溶射材料には、溶射被膜の密度および溶射被膜中の粒子の大きさを制御するために粉末が用いられ、密度、粒子の大きさおよび溶射表面粗さのコントロールに対しては、供給粉末の粒径範囲を選定して使用することによって、所望の密度、粒子サイズおよび表面粗さが得られる。そして、電流、電圧、ガス流量、圧力、溶射距離、ノズル径、材料供給量などの溶射条件をコントロールすることによって、溶射被膜の密度、粒子の大きさや分布状態、表面粗さ、膜厚などを制御することができる。
上記の溶射は、一般的にプラズマ放電あるいは燃焼ガスによる熱源で供給粉末を溶融させて扁平粒子の堆積する膜構造となる溶射被膜を得る方法であるが、電流、電圧およびプラズマガス種、あるいは燃焼用ガス種、燃焼ガス流量などの条件をコントロールすることによって、供給粉末を完全に溶融状態にせずに吹付けることが可能となり、粒状あるいは楕円状の粒子が存在する溶射被膜が得られる。その際、粉末の表面のみが溶融状態となることが粒子の拡散接合を強化するため、上記の溶射条件を細かく制御することが肝要である。例えば、プラズマ溶射の際には、電流及び電圧をプラズマが発生する最低限に設定してプラズマの高温化を防止すると共に、プラズマガス種としてアルゴンガスを選定して燃焼による高温化を防止することによって、粉末の表面のみを溶融状態にすることが可能である。一方、超高速フレーム溶射の際には、燃焼ガスの供給量を少なくして燃焼温度を低くすることによって、粉末の表面のみを溶融状態にすることが可能である。
この表面のみ溶融状態にある粉末を、溶融による堆積をさせずに強固に付着させるためには、プラズマ溶射の場合には吹付けるガス圧力および流量が高いことが望ましく、溶射装置の最大限まで高める必要がある。プラズマガス種としてアルゴンガスを選定しているため、吹付けるガス圧力および流量を高くすることにより、アルゴン雰囲気領域を拡大することができ、溶射被膜の窒化及び酸化を抑制することが可能である。一方、超高速フレーム溶射の際には、燃焼加速用の酸素量をアセチレン量に比較して少なくすることで燃焼温度を低温化し、アルゴンガス流量で粒子を高速に加速することで溶融せずに付着させることが可能である。
このようにして得られた溶射被膜を構成した部品は、膜の軟化や脱ガスなどを目的としてアニーリング処理が施されるため、更なる応力緩和能力を増大させることができる。
次に、本発明の真空成膜装置の実施形態について説明する。図21は本発明の真空成膜装置をスパッタリング装置に適用した一実施形態の要部構成を示す模式図である。
このスパッタリング装置は、真空容器(図示しない)と、真空容器内に配置された成膜源保持部としてのバッキングプレート20と、このバッキングプレート20に固定された成膜源としてのスパッタリングターゲット21とを備える。アースシールド22は、真空容器内のスパッタリングターゲット21の外周部下方に配置されている。被成膜基板23は、被成膜基板保持部としてのプラテンリング24により保持された状態で真空容器内にスパッタリングターゲット21と対向するように配置されている。防着部品としての上部防着板25及び下部防着板26は、真空容器内のバッキングプレート20とプラテンリング24の間に配置されている。アースシールド22、プラテンリング24、上部防着板25及び下部防着板26それぞれの成膜材料付着面には、本発明で用いる溶射被膜27が形成されている。なお、真空容器にはスパッタガスを導入するためのガス供給系(図示しない)と真空容器内を所定の真空状態まで排気する排気系(図示しない)とが接続されている。
上述したスパッタリング装置においては、成膜工程中に被成膜基板23だけでなく、アースシールド22、プラテンリング24、上部防着板25及び下部防着板26それぞれの溶射被膜27表面にスパッタされた成膜材料(ターゲットの構成材料)が付着するが、溶射被膜27によって付着膜からの粒子の脱落及び付着膜の剥離を防止することができる。
なお、上記実施形態では、本発明の真空成膜装置をスパッタリング装置に適用した例を説明したが、これ以外に真空蒸着装置(イオンプレーティングやレーザーアブレーションなどを含む)、CVD装置などに対しても本発明の真空成膜装置は適用可能であり、上述したスパッタリング装置と同様な効果を得ることができる。
[実施例]
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例1〜3)
まず、前述した図21に示す構造を有するスパッタリング装置のアースシールド、上部防着板、下部防着板およびプラテンリングについて、プラズマ溶射法により、溶射粉末の平均粒径が25μmの場合に電流300A、電圧32V、Arガス流量/圧力を100/150に設定し、また溶射粉末の平均粒径が75μmおよび83μmの場合に電流450A、電圧38V、Arガス流量/圧力を100/150に設定し、膜厚250μm一定として、下記表1に示す平均粒径のCu−Al粉末材料あるいはAl−Si粉末材料により溶射被膜を施した後、アニールおよび脱ガス処理として3×10-2Pa以下の真空雰囲気中にて350℃で3時間の条件で熱処理を施し、試料No.1〜5,8〜14,17〜21の真空成膜装置用部品を得た。
(比較例1〜3)
実施例1で説明したのと同様なアースシールド、上部防着板、下部防着板およびプラテンリングについて、プラズマ溶射法により電流500〜600A、電圧65V、Arガス流量/圧力を75/80に設定し、膜厚250μm一定として、下記表1に示す平均粒径のCu−Al粉末材料あるいはAl−Si粉末材料により溶射被膜を施した後、アニールおよび脱ガス処理として3×10-2Pa以下の真空雰囲気中にて350℃で3時間の条件で熱処理を施し、試料No.6〜7,15〜16,22〜23の真空成膜装置用部品を得た。
得られたNo.1〜23の部品の表面に形成された溶射被膜の密度、平均粒子サイズ、表面粗さRa、粒子の扁平比率(Y/X)、粒子存在個数を下記表1に示す。
(溶射被膜の密度)
溶射被膜の膜厚方向に切断した断面組織を光学顕微鏡で倍率500倍で観察し、縦210μm、横270μmの視野で空孔の面積を測定し、下記(1)式から密度(%)として換算し、視野10箇所の平均値を密度として下記表1に示す。
密度(%)={(S1−S2)/S1}×100 (1)
但し、S1は縦210μm、横270μmの視野面積(μm2)で、S2は縦210μm、横270μmの視野内における空孔の合計面積(μm2)である。
{扁平比率(X/Y)、平均粒子サイズ、粒子存在個数}
溶射被膜の膜厚方向に切断した断面組織を光学顕微鏡で倍率500倍で観察し、縦210μm、横270μmの視野内の粒子それぞれについて、前述した図20において説明した扁平比率(Y/X)を算出した。なお、一部のみが視野内に現れている粒子については測定対象から除外し、全体像が確認できる粒子のみを測定対象とした。このような測定を10視野について行なった。得られた測定結果から扁平比率(Y/X)が0.25以上の粒子を選択して平均値を算出し、その結果を下記表1に示す。
前述した10視野について各視野毎(視野面積;0.0567mm2)に扁平比率(Y/X)が0.25以上の粒子個数を算出し、その平均値を下記表1に示す。
前述した10視野から扁平比率(Y/X)が0.25以上の粒子を選択し、そのうちの長径の平均値を平均粒子サイズとして下記表1に示す。
なお、比較例1〜3のように扁平比率(Y/X)が0.25以上の粒子個数が0である場合には、扁平比率(Y/X)が0.25未満の粒子についての扁平比率(Y/X)の平均値と平均粒子サイズを測定した。
(表面粗さRa)
JIS B 0601−1994で規定する算術平均粗さを表面粗さRaとした。
このようにして作製した各部品をマグネトロンスパッタリング装置に取り付け、成膜を行った。
8インチウェーハ上の直径0.2μm以上のダスト数をパーティクルカウンタで測定した。また、膜剥離が発生するまでのスパッタ積算電力値(kwh)を調べて寿命を確認した。これらの結果を表1に示す。
Figure 0004851700
表1から明らかなように、平均粒子サイズが5μm以上、150μm以下の非扁平形状粒子を含む組織を有し、密度が75%以上、99%以下の溶射被膜を備えた実施例1によるマグネトロンスパッタリング装置の場合、比較例1に比べてダスト発生量が少なく、使用寿命も長くなることが判った。成膜材料を変更した実施例2によるマグネトロンスパッタリング装置についても、比較例2に比べてダスト発生量が少なく、使用寿命も長くなった。さらに、成膜材料と溶射材料の双方を変更した実施例3によるマグネトロンスパッタリング装置についても、比較例3に比べてダスト発生量が少なく、使用寿命も長くなった。これらから、平均粒子サイズが5μm以上、150μm以下の非扁平形状粒子を含む組織を有し、かつ密度が75%以上、99%以下の実施例1〜3の溶射被膜によりダスト発生を有効かつ安定して防止でき、使用寿命の延長が達成できることが確認された。
(実施例4)
実施例1で説明したのと同様なアースシールド、上部防着板、下部防着板およびプラテンリングについて、超高速フレーム溶射法により、燃焼ガスであるアセチレンの供給量を30L/minとし、酸素ガスの供給量を15L/minとし、膜厚250μm一定として、下記表2に示す平均粒径のTi粉末材料により溶射被膜を施した後、アニールおよび脱ガス処理として3×10-2Pa以下の真空雰囲気中にて350℃で3時間の条件で熱処理を施し、試料No.24〜27の真空成膜装置用部品を得た。
(比較例4)
実施例1で説明したのと同様なアースシールド、上部防着板、下部防着板およびプラテンリングについて、超高速フレーム溶射法により、燃焼ガスであるアセチレンの供給量を20L/minとし、酸素ガスの供給量を50L/minとし、膜厚250μm一定として、下記表2に示す平均粒径のTi粉末材料により溶射被膜を施した後、アニールおよび脱ガス処理として3×10-2Pa以下の真空雰囲気中にて350℃で3時間の条件で熱処理を施し、試料No.28〜29の真空成膜装置用部品を得た。
得られたNo.24〜29の部品の表面に形成された溶射被膜の密度、平均粒子サイズ、表面粗さRa、粒子の扁平比率(X/Y)、粒子存在個数を前述したのと同様にして測定し、下記表2に示す。
このようにして作製した各部品をマグネトロンスパッタリング装置に取り付け、成膜を行った。
8インチウェーハ上の直径0.2μm以上のダスト数をパーティクルカウンタで測定した。また、膜剥離が発生するまでのスパッタ積算電力値(kwh)を調べて寿命を確認した。これらの結果を表2に示す。
Figure 0004851700
表2から明らかなように、実施例4によるマグネトロンスパッタリング装置の場合、比較例4に比べてダスト発生量が少なく、使用寿命も長くなることが判った。これらから、実施例4の溶射被膜によりダスト発生を有効かつ安定して防止でき、使用寿命の延長が達成できることが確認された。
以上説明したように、本発明の真空成膜装置用部品によれば、成膜工程中に付着する成膜材料の剥離を安定かつ有効に防止できると共に、剥離防止用の被膜自体の安定性を高めることが可能となる。したがって、装置のクリーニングや部品の交換回数を削減することができる。また、このような真空成膜装置用部品を有する本発明の真空成膜装置によれば、配線膜や素子の不良発生原因となる膜中へのダストの混入を抑制することが可能となると共に、生産性の向上ならびに成膜コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
従来の溶射被膜形成方法を説明するための模式図。 従来の溶射被膜の表面形態を示す電子顕微鏡写真。 図2の電子顕微鏡写真の要部を拡大した電子顕微鏡写真。 従来の溶射被膜にスパッタによる付着膜が形成された状態を示す電子顕微鏡写真。 従来の溶射被膜にスパッタによる付着膜が形成された状態を示す模式図。 図5の付着膜からダスト(パーティクル)が発生した状態を説明するための模式図。 従来の溶射被膜にクラックが発生した状態を示す模式図。 従来の溶射被膜にクラックが発生した状態を示す電子顕微鏡写真。 従来の溶射被膜の突起に起因して付着膜が凸状になった状態を示す電子顕微鏡写真。 図9の付着膜の段差部にクラックが発生した状態を示す電子顕微鏡写真。 図9の付着膜にズレが発生した状態を示す電子顕微鏡写真。 図9の溶射膜のクラックが溶射突起段差の膜応力が大きい部分から進展して付着膜を貫通した状態を示す電子顕微鏡写真。 従来の溶射被膜の窒素、チタン、アルミニウム及び酸素についての元素分析結果。 本願発明の一実施形態で用いる溶射被膜の組織の模式図。 本願発明の一実施形態で用いる溶射被膜の電子顕微鏡写真。 本願発明の一実施形態で用いる溶射被膜にスパッタ粒子が付着した状態を示す模式図。 本願発明の一実施形態で用いる溶射被膜にスパッタによる付着膜が形成された状態を示す模式図。 本願発明の一実施形態で用いる溶射被膜のクリーニング前の表面形態を示す電子顕微鏡写真。 図18の溶射被膜のクリーニング後の表面形態を示す電子顕微鏡写真。 溶射被膜の粒状組織の扁平比率(Y/X)の定義を説明するための模式図。 本発明の真空成膜装置をスパッタリング装置に適用した一実施形態の要部構成を示す模式図。
符号の説明
1…溶射材料、2…熱源、3…加熱媒体、4…溶融粒子、5…加速ガス、6…溶射トーチ、7…基材、8a…扁平粒子、8…溶射膜、9…飛散粒子、10…付着膜、11…ダスト(パーティクル)、12…空洞、13…クラック、14…拡散接合、15…空孔、16…未溶融粒子、17…溶射被膜、20…バッキングプレート、21…スパッタリングターゲット、22…アースシールド、23…被成膜基板、24…プラテンリング、25…上部防着板、26…下部防着板、27…溶射被膜。

Claims (5)

  1. 部品本体と、前記部品本体の表面に形成された溶射被膜とを具備する真空成膜装置用部品であって、
    前記溶射被膜は、平均粒子サイズが5μm以上、150μm以下の扁平形状とは異なる形状の粒子が堆積した層構造を有し、下記(1)式で表される密度が75%以上、99%以下であり、
    前記粒子は、扁平比率(Y/X)が0.25以上、1.5以下の範囲である(但し、Xは前記溶射被膜を膜厚方向に切断した断面における前記粒子の前記部品本体の前記表面と平行な最小又は最大長さ、YはXと直交する方向の長さである)ことを特徴とする真空成膜装置用部品。
    密度(%)={(S 1 −S 2 )/S 1 }×100 (1)
    但し、S 1 は、前記溶射被膜の膜厚方向に切断した断面組織を光学顕微鏡で倍率500倍で観察した際の縦210μm、横270μmの視野の面積(μm 2 )で、S 2 は前記視野内における空孔の合計面積(μm 2 )である。
  2. 前記粒子は、球状か、楕円状の断面を有することを特徴とする請求項1記載の真空成膜装置用部品。
  3. 前記溶射被膜の膜厚方向の断面0.0567mm2当りに前記粒子が2個以上存在していることを特徴とする請求項1または2記載の真空成膜装置用部品。
  4. 前記溶射被膜の表面粗さが平均粗さRaで5μm以上、32μm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の真空成膜装置用部品。
  5. 真空容器と、
    前記真空容器内に配置される被成膜基板保持部と、
    前記真空容器内に前記被成膜基板保持部と対向して配置される成膜源と、
    前記真空容器内に配置され、前記成膜源を保持する成膜源保持部と、
    前記真空容器内の前記被成膜基板保持部と前記成膜源保持部の間に配置された防着部品とを具備する真空成膜装置であって、
    前記被成膜基板保持部、前記成膜源保持部及び前記防着部品から選択される少なくとも一種類が、請求項1〜4いずれか1項記載の真空成膜装置用部品から形成されていることを特徴とする真空成膜装置。
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