JP2004172607A - 島状突起修飾部品及びその製造方法並びにそれを用いた装置 - Google Patents

島状突起修飾部品及びその製造方法並びにそれを用いた装置 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜装置、プラズマ処理装置では、当該装置に用いる部品表面に膜状物質が付着し、それらが剥離することによって装置内の発塵、パーティクルとなり、成膜或いはプラズマ処理する製品の汚染原因となっていた。またその様な汚染を防止するため、装置に用いる部品に膜状物質が僅かに付着する度に頻繁に交換することが必要となり、生産性の低下をもたらしていた。
【解決の手段】部品の表面に数μm〜数百μmの幅並びに高さを有し、球状又は釣鐘状の島状突起で修飾したガラス修飾部品は、成膜装置、プラズマ処理装置に用いた場合、当該部品に対する膜状物質の保持性が高く、耐プラズマ性に優れるため、発塵、パーティクルの発生がなく、また当該形状の修飾部品は気孔が極めて少ないのでパーティクルやガス放出が少なく、さらに、島状突起と基材の熱膨張率の差による応力が小さく加熱しても剥離しないので真空装置に用いるのに適している。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、半導体等の製造における成膜装置、プラズマ処理装置(プラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置)に用いる島状突起修飾部品に係り、これらの装置に用いた場合に当該部品からの脱ガスが少なく発塵がないものを提供するものである。
半導体等の製造において、ポリシリコン、酸化珪素、窒化珪素などのCVD成膜には、耐熱性に優れ、かつ加工し易いガラス部品、例えば石英ガラスや耐熱ガラス製の反応管やベルジャーが主に用いられている。これらの成膜では、目的とする成膜基板だけでなく反応管、ベルジャー等の部品に膜状物質が付着していた。その結果、成膜操作を重ねることにより反応管、ベルジャーに付着した膜状物質が厚くなり、当該物質と石英ガラスの熱膨張率の差により、反応管、ベルジャーにひびが入ったり膜状物質が剥離して発塵となり、成膜基板を汚染するという問題があった。また、窒化チタンや窒化タンタル等のPVD成膜では、金属やセラミック製のシールド部品が用いられており、成膜操作を重ねることによりシールド部品に付着した膜状物質が厚くなり、剥離して発塵となり、成膜基板を汚染するという問題があった。また、プラズマエッチング装置やプラズマクリーニング装置においても、装置部品に付着した膜状物質が厚くなり、剥離して発塵となり、処理基板を汚染するという問題があった。
この様な問題を解決する方法として、例えば被処理体に負のバイアスをかけてプラズマクリーニングを施す装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照)しかしこのようなプラズマクリーニング装置でも、被処理体のエッチングにより飛散した粒子が装置内に膜状に付着し、処理数の増加とともに堆積した膜状物質は剥離して処理製品の汚染原因となっていた。
膜状物質の保持性を向上する方法として、部品の表面にMo、W、Al、WCなどのプラズマ溶射膜を形成することにより、付着した膜状物質の内部応力の分散と接着面の増大を図り、膜状物質の剥離を防止する方法が提案されている。(例えば、特許文献2、3参照)さらに石英ガラス部品の表面に石英よりもプラズマに対して高い耐食性を有する絶縁膜を施す、特に爆発溶射により緻密なアルミナ系セラミックスを形成することが開示されている。(例えば、特許文献4参照)しかし石英ガラス部品に石英ガラス以外の皮膜(Mo、W、Al、WC、アルミナ等)を被覆したものでは、石英ガラスと皮膜の熱膨張率の違いから皮膜自身が剥離し易いという問題があった。
一方、成膜装置やプラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置の部材に付着した膜状物質の剥離問題を解決する方法として、ブラスト処理による粗面化をした石英ガラス部品、或いはブラスト処理後に酸エッチング処理を施した石英ガラス部品が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、ブラスト法で処理された石英ガラス部品は加工された粗面下にマイクロクラックが発生し、かけらが装置内で塵芥(異物)となるという問題があった。また、マイクロクラックの入った部品は機械的強度が低下しており、部品の短寿命化という問題があった。さらにマイクロクラック内へ不純物が浸入すると部品が失透するという問題もあった。かけらによる塵芥(異物)の問題は、ブラスト処理後に酸エッチング処理を行い、さらに熱による表面溶融処理を行うことによりある程度は低減されるが、まだ十分とはいえなかった(例えば、特許文献6、7参照)。またブラスト処理をした石英ガラス部品は、付着した膜状物質を除去するために硝フッ酸洗浄等を繰り返すと、部品表面の粗面がなだらかになり、この様な表面に付着した膜状物質は容易に剥離してパーティクルとなるという問題があった。
他に、石英ガラス部品表面の粗面(凹凸)形状を機械加工によらない化学的処理のみで形成する方法が提案されている。(例えば、特許文献8,9参照)化学的処理法では、部品表面にマイクロクラックが入らないためそれに起因する汚染はないが、得られる表面の凹凸が小さく、付着した膜状物質の剥離防止には不十分であった。また、化学処理法では、処理回数の増加に伴って処理薬剤の性能が経時変化するため、当該部品を安定的に製造することが困難であった。
またガラスの表面形状として、ガラスの表面に幅が70〜1000μm、高さが10〜100μmの小突起物が均一に分布するガラス冶具が提案されている。(例えば、特許文献10参照)当該方法で得られる表面形状は、突起物の表面に亀裂があり、見かけ上大きな突起物の表面に小さな突起物が形成されているものしか得られていなかった。この様な突起物はフッ酸を含む酸による溶解の化学処理法によって形成されたものであったため、大きな突起自体がなだらかなものとなり易く、付着した膜状物質の剥離防止には必ずしも十分ではなかった。また突起物表面にある微小突起、或いは突起物の亀裂がプラズマの電界集中、或いは脱離の原因となるため、それ自身がパーティクルの原因となり易かった。特に、使用後に酸洗浄して再利用する際に、微小突起部分がエッチングされて剥離し、洗浄を繰り返すほどその剥離物によるパーティクル発生の問題があった。
米国特許第5460689号
特開昭60−120515号公報 特開平4−268065号公報 特開平8−339895号公報 特開平10−59744号公報 特開平09−202630号公報 特開2003−212598号公報 特開平11−106225号公報 特開2002−068766号公報 特開2002―110554号公報
成膜装置、或いはプラズマ処理装置の使用において、装置内の部品に付着した膜状物質の剥離による塵芥(異物)、パーティクルの発生を防止することは本発明の技術領域で極めて重要な課題であった。本発明は、成膜やプラズマ処理において、膜状物質の剥離並びにパーティクル発生の防止に優れ、脱ガスが少なく加熱による基材からの剥がれがない溶射膜で修飾した部品及びその製造方法、並びにそれを用いた装置に関するものである。
本発明者は、上述のような現状に鑑み、鋭意検討を行った結果、基材上に、ガラスからなる島状突起を有する島状突起修飾部品で、特にプラズマ溶射法によって形成した島状突起物で、島状突起の球状または釣鐘状である島状突起ガラス修飾部品では、該突起物から脱ガスが少なく、加熱により該突起物の基材からの剥がれがなく、パーティクルの発生がなく、ガラス部品表面に堆積した膜状物質の保持性が高められることを見出した。さらに当該部品は、部品の使用後に酸洗浄処理しても、表面の突起状態が保たれ、パーティクル発生の抑制並びに膜状物質の保持効果が維持されることを見出した。またこの様な島状突起ガラス修飾部品は、プラズマ溶射法によって供給するガラス原料を基材表面積に対して20mg/cm以下とすることによって得られることを見出した。
さらに本発明者は、基材上に、セラミック及び又は金属からなる島状突起修飾部品で、溶射法によって形成した島状突起物で、突起形状が釣鐘状である島状突起修飾部品では、該突起物から脱ガスが少なく、加熱により該突起物の基材からの剥がれがなく、パーティクルの発生がなく、部材表面に堆積した膜状物質の保持性が高められることを見出した。またこの様な島状突起修飾部品は、溶射粉末を半溶融状態で該基材上へ衝突させること、あるいは、溶射粉末を融点の小さい材料が融点の大きい材料を包み込む様に形成し、溶射時には融点の小さい材料を完全に溶融させ、融点の大きい材料を未溶融又は半溶融状態で該基材上へ衝突させることによって得られることを見出した。
加えて本発明の島状突起修飾部品を用いた成膜装置、プラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置では、パーティクルの発生が防止されることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の島状突起修飾部品は、基材上に島状突起を有する島状突起修飾部品、或いはガラスの溶射膜が形成された基材上に、島状突起を有することを特徴とする島状突起修飾部品である。
図1及び図4に基材上にガラスからなる島状突起を有するガラス修飾部品の模式図を示す。本発明の島状突起修飾部品は、平滑なガラス基材10、又は40に、ガラスからなる球状の島状突起、或いは釣鐘状の突起を有するものである。本発明ではこれらの突起は島状に夫々独立したものであり、幾つかの島状突起が重なっていても良いが、球状、或いは釣鐘状の突起が相互に繋がることによって全体として膜となっていないものである。
ここで球状の島状突起とは、厳密な球形状に限定されず、図1の12に示す球が欠けた形状、半球状、丸みを帯びた変形した形状を指し、またこれら幾つかが重なったものを含む。また釣鐘状の島状突起も図4の42に例示する様に、上部が半球状で底部の幅が上部より広い山形の形状や、これら幾つかが重なったものを指す。また、本発明ではこれらの球状、或いは釣鐘状の島状突起が混在しても、重なっていても良いが、これらの幾つかが重なることによって閉ざされた空洞が無い方が好ましい。
本発明の球状、釣鐘状の島状突起は、その形状全体が丸みを帯びているものであり、より好ましくは、鋭角部分がないものである。突起の形状に鋭角部分があると、プラズマ中の電界が鋭角部分に集中して選択的にエッチングされ、パーティクルの発生原因となるからである。
本発明の島状突起1個あたりの大きさは、幅5〜300μm、高さ2〜200μmの範囲であることが好ましい。幅が5μmおよび高さが2μm未満の低くつぶれた突起物では、付着物の保持性が低下する。一方、幅が300μmおよび高さが200μmを越えると付着物の保持性は向上するが、当該部分がプラズマによって部分的にエッチングされ、パーティクルが発生し易くなる。以上のことから、島状突起の特に好ましい大きさは、突起1個当たりの大きさが、幅10〜150μm、高さ5〜100μmの範囲、さらに好ましくは、幅10〜80μm、高さ5〜100μmの範囲である。ここで、幅は、真上から見た島状突起を楕円とみなした時の短軸の長さとする。また、高さは、底部から頂上までの高さとする。
本発明の島状突起の数は、1mm単位面積当たりの個数が20〜5000個の範囲であり、特に50〜1000個/mmであることが好ましい。20個/mm未満では付着物の保持性が低下し、5000個/mmを超えると、島状突起が重なって膜となり、閉気孔が生じ易く、よって、パーティクルが発生し易くなる。
本発明の島状突起による表面層の突起は、例えば特開2003−212598号公報や特開平11−106225号公報に開示されるような化学処理によって得られる凹凸に比べて高低差が大きいため、部品を酸洗浄しても表面の凹凸が維持され易く、付着物の保持性を低下させることなく再利用が可能である。従来の化学処理によって得られる突起物、例えば特開2002−68766号公報等の表面には、微細な小突起或いは亀裂があり、それ自身がパーティクルの発生原因となったが、本発明の島状突起はその表面に微小突起がないため、パーティクルの発生が著しく低減される。
本発明の突起の形、大きさ、突起表面の状態は、ガラス修飾部品の断面または上部を走査型電子顕微鏡などによって確認することができる。
また、本発明のもうひとつの島状突起修飾部品は、基材の表面にガラスの下地層を形成し、その上に上述の島状突起物を形成したものである。図7に模式図を示す。基材70上に、ガラスからなる下地層71が形成され、さらに前記下地層の上に島状突起による表面修飾層72が形成されている。この様に基材表面にガラス下地層を形成すると、基材からの不純物拡散が防止でき、また基材表面に損傷がある場合には、前記下地層が穴埋めして平滑にすることにより、パーティクルの発生をさらに防止することができる。
下地のガラス層の膜厚は100〜1000μmであり、特に緻密で100μm以上の空洞がなく、平滑であることが好ましい。下地表面の平滑性が低いと、その上に形成する島状突起によって形成する高低差が下地の凹凸によって吸収される場合がある。下地表面の平滑性としては、例えば表面粗さRaで1〜5μmの範囲であることが好ましい。
本発明における基材はガラスであっても良いが、金属、セラミック等も用いることが出来る。本発明の部品で、特に基材の上にガラス溶射膜による下地層を形成しているものでは、基材からの不純物混入の問題がなく、ガラス基材と同等の性能を発揮することができる。
本発明の島状突起修飾部品に用いるガラス材料としては、石英ガラス、バイコール(登録商標)、アルミノ珪酸ガラス、ほう珪酸ガラスなどの無アルカリガラスなどの耐熱ガラス、及びシリカに2a、3a族元素などを添加したプラズマ耐性ガラス等を用いることができる。特に本発明の島状突起修飾部品を用いる技術領域では、耐熱衝撃性、高純度が要求されるため、熱膨張率が5×10−6/K以下のガラス、また高純度な石英ガラスを用いることが好ましい。
島状突起、下地層、基材は同じ材質であっても良いが、それぞれ異なる材質でも良い。ここで異なる材質を用いる場合、熱衝撃による割れを抑制するために夫々の材質の熱膨張率の差が5×10−6/K以内であることが好ましい。
さらに本発明の島状突起修飾部品は、基材上にセラミック及び/又は金属からなる島状突起を有し、当該島状突起が釣鐘状であることを特徴とする島状突起修飾部品である。
図10に本発明の島状突起修飾部品の模式図を示す。本発明の島状突起修飾部品は、基材100に、セラミック及び又は金属からなる釣鐘状の突起を有するものである。本発明ではこれらの突起は島状に夫々独立したものであり、幾つかの島状突起が重なっていても良いが、釣鐘状の突起が相互に繋がることによって全体として膜となっていないものである。このようにすることで島状突起に閉ざされた空孔をほとんど無くすことができるため、連続的な溶射膜に比べて脱ガスが大幅に少なくなる。また、加熱した場合でも島状突起が夫々独立しているため、加熱による線膨張の基材との差は島状突起の大きさの範囲で留まるため、基材から剥がれにくい。
ここで釣鐘状の島状突起とは図10(a)に例示する様に上部が半球状で底部の幅が上部より広い山形の形状、図10(b)に例示する様に上部が丸みを帯びて突き出ており底部の幅が上部より広い山形の形状、並びにこれら幾つが重なったものを指す。
本発明において種々の材料で形成される島状突起の高さ104と幅103の比については、その平均値が0.3以上1.5以下であることが好ましい。0.3未満では付着物の保持性が低下し、1.5を超えると島状突起の基材への密着性が低下する。高さと幅の比は島状突起が20〜200個含まれる領域で測定して平均して得られた値であり、さらに、この測定を3箇所以上の領域で実施して平均化する。測定にはレーザー共焦点顕微鏡や走査型電子顕微鏡等の画像の観察と幅・高さの計測が同時に可能な装置を用いることができる。ここで、幅は、真上から見た島状突起を楕円とみなした時の短軸の長さとする。また、高さは、底部から頂上までの高さとする。
本発明の島状突起の下地となる基材表面は、表面粗さRaが5μm以下で粗さのスキューネスが負であることが好ましい。粗さのスキューネスの測定は、JIS又はANSIの表面粗さの測定規格に従った長さで表面粗さ計を用いて基材の粗さプロファイルを測定して、RMS表面粗さR及び、各測定点の高さと中心線高さの差を3乗した値の測定範囲での平均値をRtpとすると、スキューネスRskは以下の式1で表される。
Rsk=Rtp/R (式1)
ここで、一般的にスキューネスが正の場合は山が狭く谷が広いので滑り性が悪く、スキューネスが負の場合は谷よりも山の部分が広くなだらかで滑り性が良好である。図12に模式図を示すが、スキューネスが負になるようにすることにより、溶射の過程で溶融した溶射粉末が基材上で滑らかに広がり、周囲が滑らかな円盤状で中央部が盛り上がった釣鐘状の島状突起121となる。表面粗さRaが5μmより大きい、またはスキューネスが正の場合、図13に模式図を示すように、溶射の過程で溶融した溶射粉末が基材上で広がる時に弾け飛んだり(132)、周囲がぎざぎざとなって気孔133を含んだ島状突起となりやすい。
本発明における基材はガラス、金属、セラミック等、いかなる物でも用いることができる。島状突起、基材は同じ材質であっても良いが、それぞれ異なる材質でも良い。
本発明の島状突起を構成する金属またはセラミックの材料としては、金属においてはAl、Ti、Cu、Mo、W等、セラミックにおいてはアルミナ、ジルコニア、チタニア、スピネル、ジルコン等いかなる材料でも良いが、融点が高い材料の方が、溶射過程で高さと幅の比の制御が容易である。
本発明のもうひとつの島状突起修飾部品は、島状突起を融点の小さい材料が融点の大きい材料を包み込む様な構造とすることにより島状突起を釣鐘状とすることができる。図14に模式図を示す。基材140上に、融点の小さい材料142が融点の大きい材料141を包み込む様な構造の島状突起143が形成されている。融点の小さい材料142と融点の大きい材料141の融点の差は400℃以上あることが好ましい。このようにすることで融点の大きい材料141の高さにより島状突起143の高さが制御できるため、島状突起をより再現性よく形成できる。融点の小さい材料と融点の大きい材料の組み合わせの例としては、金属の場合AlとMo、CuとW等が、セラミックの場合アルミナとジルコニア、コーディエライトとアルミナ等が挙げられる。また、金属とセラミックを組み合わせても良く、Alと窒化ホウ素、Coと炭化タングステンのような組み合わせでも良い。
次に本発明のガラス島状突起修飾部品の製造方法を説明する。
本発明の島状突起修飾部品は、プラズマ溶射法で基材上に島状突起を形成する方法において、用いる原料ガラスの種類によって最適値は異なるが、ガラス原料供給量を基材の表面積に対して1〜20mg/cmとすることによって製造することが出来る。
プラズマ溶射法において、基材の表面積に対する原料供給が20mg/cmを超えた場合、島状突起が重なり、本発明の形状とは異なる膜が形成され易い。一方、1mg/cm未満の原料供給では、得られる島状突起が小さく、またその形成速度が遅いため好ましくない。原料供給としては、特に5〜10mg/cmの範囲であることが好ましい。
島状突起の形成は、基材に対して何回かに分けて溶射可能であるが、1回の溶射で形成することが好ましい。何回に分けて溶射すると、島状突起が重なり合って膜となり易いため、1回の場合より粉末供給速度を小さくする必要がある。一方、島状突起を形成した後で、表面の付着微粒子を除去するため、或いは島状突起の基材への密着性を向上する目的で、原料を供給しないでプラズマジェットを基材表面に照射することが好ましい。
本発明における島状突起修飾部品の島状突起形成は、フレーム溶射法、プラズマ溶射法等の各種溶射法で可能であるが、プラズマ溶射法を用い、プラズマジェットにより基材又は基材上のガラス下地層の表面を溶融する条件で製造することが好ましい。基材又はガラス下地層の表面を溶融させながら原料粉末を供給して溶射を行うことにより、島状突起の基材或いはガラス下地層への密着性を向上することが出来る。また、一旦島状突起を形成した後に、引き続きプラズマジェットを照射して当該表面を溶融すると、島状突起の基材への密着性を高める効果がある。
プラズマジェットを基材に照射するプラズマガンと基材の距離は、用いる装置によって異なるが、例えば図8に示すような通常のプラズマ溶射装置の場合、基材と溶射ガン先端にある粉末供給口の溶射距離は50mm程度、溶射パワーを35kW以上とするような条件が例示できる。一方、減圧プラズマ溶射法を用いれば、プラズマジェットの形状が長くなる為、基材と溶射ガンの距離が100mm以上であってもよい。
特に大型のガラス修飾部品を製造する場合、プラズマ溶射法の中でも複トーチ型プラズマ溶射装置(特公平6−22719、溶射技術 Vol.11,No.1,p.1〜8(1991年)他参照)を用いて層流のプラズマジェットで溶射することが好ましい。図9に複トーチ型プラズマ溶射装置の概要を示す。複トーチ型プラズマ溶射装置では、長さが数百mmの層流炎プラズマ(通常は乱流状態で50mm程度)が形成出来るため、溶射距離が100mm以上でも本発明の島状突起を形成することが出来る。
島状突起の製造に用いるガラス、セラミックス又は金属等の粉末の粒径は、平均粒径10μm以上100μm以下であることが好ましく、平均粒径10μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。平均粒径10μm未満では原料粉末自身に十分な流動性がないためプラズマ中に原料を均一に導入することが難しい。一方、平均粒径が100μmを超えると、溶射粒子の溶融が不均一となり、得られる島状突起の基材に対する密着性が悪くなり易い。また、溶射に用いる粒子の大きさはできるだけ揃っていることが、島状突起の形状を均一にして付着膜の保持性を高めることができる。
本発明では基材表面の温度をあらかじめ予熱することが好ましい。基材表面をあらかじめ予熱することは、基材との密着性の高い島状突起を得るために有効である。基材を予熱しないと島状突起の密着強度が低下し、使用後に付着物を酸エッチング液で除去する際に、島状突起が剥離し易い。予熱温度は用いる基材の種類によっても異なるが、例えば石英ガラス基材の場合700〜1500℃、特に800〜1200℃の範囲が好ましい。予熱温度を上げすぎるとガラスが結晶化して失透したり形状が変化するため好ましくない。
本発明の島状突起修飾部品は、基材の上にガラスの下地層を形成したものでも良い。ガラスの下地層を形成する基材は、ガラス基材だけでなく、金属、セラミックの基材でも良い。この様な下地層の形成方法は、特に限定されないが、ここでもプラズマ溶射法が適用できる。
プラズマ溶射法による下地層の形成方法としては、例えば図8、又は図9に例示した装置並びに条件で、原料粉末の供給量を20mg/cm以上とし、溶射を何回か繰り返すこと以外は上述の島状突起形成と同様の溶射条件で形成することが出来る。下地層の表面は平滑な方が好ましいため、下地層を形成した後、原料粉末を供給しないでプラズマジェットを照射し、下地層表面を溶融処理することが好ましい。
また、島状突起の形成方法として、シリコンのアルコキシド溶液を用いたゾルゲル法とプラズマ溶射法を組合わせて行っても良い。例えば、シリコンのアルコキシド溶液に数μmから数百μmのシリカ粒子を分散することによりシリカの下地層と島状突起を予備形成した後、プラズマ溶射法のプラズマジェットを当該表面に照射することにより、同様のガラス修飾表面を得ることができる。角張ったシリカ粒子を用いた場合、プラズマ溶射法による照射をすることは必須である。なぜならば、照射をしないと本発明に特徴的な球状又は釣鐘状の島状突起、すなわち突起自身の表面が丸みを帯びている、鋭角でない突起とはならないからである。また、球状のシリカ粒子を用いた場合においても、プラズマ溶射法による照射をすることにより、島状突起の基材への密着性を十分高いものとすることができる。
本発明の島状突起修飾部品は、島状突起形成後に酸洗浄することにより付着した微小粒子を除去しても良い。本発明のガラス修飾部品の島状突起は、プラズマ溶射法の操作によって島状突起自身の表面に微小な突起物をなく形成することが出来るが、プラズマ溶射の操作だけでは目には見えにくい微小な付着物が島状突起の表面に残ることがある。その様な微小付着物が残存したままでは、部品の使用中にそれらが脱落し、パーティクル、異物の原因となることがある。そこでプラズマ溶射法によって島状突起を形成した後で、酸で洗浄すれば、その様な付着物を完全に除去することが出来る。ここで酸洗浄は、フッ酸や硝酸の洗浄液で行うことが好ましい。
さらに本発明の島状突起修飾部品は溶射法により基材上への島状突起を形成することで製造できるが、島状突起製造のためには、島状突起が重なり合って連続膜とならないように、通常の溶射より溶射粉末の供給量を少なくする。さらに、溶射時に溶射粉末を半溶融状態で該基材上へ衝突させることによって周囲が円盤状で中央部が盛り上がった釣鐘状の島状突起を製造することが出来る。用いる溶射法は、プラズマ溶射法、フレーム溶射法等が挙げられるが、溶射時に溶射粉末を半溶融状態、つまり溶射パワー、フレームの火力等を調整することで図15に示すように粉末の中心付近が未溶融(153)で周囲が溶融状態(154)となるようにする。ここで、溶射パワー、フレームの火力を強くすると、溶射粉末全体が溶融して、図11に示すようなディスク状の島状突起111が形成され、付着膜の保持性が低下する。
本発明のもうひとつの島状突起修飾部品の製造方法としては、溶射粉末を融点の小さい材料が融点の大きい材料を包み込む様に形成し、溶射時には融点の小さい材料を完全に溶融させ、融点の大きい材料は未溶融又は半溶融状態で該基材上へ衝突させることである。
前述のように、本発明の島状突起の下地となる基材表面は、表面粗さRaが5μm以下でスキューネスが負であることが好ましい。表面粗さRaが5μm以下でスキューネスを負とするには、粗めの研磨剤を用いてグラインダー、研磨機などで研磨するか、平滑に研磨した基材にブラスト法を用いて軽く凹凸を形成するか、ブラスト法を用いて凹凸を形成後、中心線から著しく飛び出した突起を無くすためグラインダー、研磨機などで軽く研磨することで達成される。
基材の表面粗さは粗い方が島状突起の基材に対する密着性が高まるが、前述のように溶射の過程で溶融した溶射粉末が基材上で広がる時に弾け飛んだり、周囲がぎざぎざとなって気孔を含んだ島状突起となりやすい。基材表面をあらかじめ予熱することにより、溶射の過程で溶融した溶射粉末が滑らかに広がり易くなり、島状突起の基材に対する密着性も高まる。予熱温度は用いる基材の種類、溶射材料によっても異なるが、例えばステンレス基材に金属を溶射する場合100〜500℃、特に200〜4000℃の範囲が好ましい。予熱温度を上げすぎると基材が歪んだり、割れることがあるため好ましくない。
溶射法により基材上へ島状突起を形成後、熱処理することが好ましい。このようにすること、表面粗さが小さく平滑な基材に対して密着性の高い島状突起を有する島状突起修飾部品を製造することができる。熱処理の温度は基材の耐熱温度、島状突起の融点を超えない範囲でできるだけ高い温度とすることが好ましい。
さらに本発明では、上記に示した島状突起修飾部品を用いた成膜装置を提案するものである。
本発明でいう成膜装置の成膜方法は限定しないが、CVD法(Chemical Vapor Deposition)、スパッタ法等が例示できる。島状突起修飾部品の使用方法としては、当該装置内で成膜する製品基板以外で、膜状物質が堆積する部分に用いる部品として用いることが好ましい。例えば反応管または、ベルジャーとして用いることが挙げられる。特にポリシリコン、酸化珪素、窒化珪素などを600〜1000℃の高温で成膜するCVD成膜装置において、本発明の表面修飾層や下地層を石英ガラスで形成した石英製の反応管或いはベルジャーを使用すれば、基材の石英ガラスと下地層、修飾層の熱膨張率差による割れや剥がれがなく、付着した膜状物質の剥離によるパーティクルの発生がなく、長時間の連続成膜が可能な装置となり得る。
また、本発明では、上記に示したガラス表面修飾層を有する島状突起修飾部品を用いたプラズマエッチング装置とプラズマクリーニング装置を提案するものである。島状突起修飾部品の使用方法は、これらの装置の中で膜状物質が付着する部位、或いはプラズマと接触して部品表面が剥離し易い部位に用いることが好ましく、例えばリング状フォーカス部品またはベルジャーとして用いることが挙げられる。
さらに島状突起修飾部品の使用方法としては、当該装置内で成膜する製品基板以外で、膜状物質が堆積する部分に用いる部品として用いることが好ましい。例えばベルジャーまたは、シールドとして用いることが挙げられる。特にタングステンやチタンのCVD成膜装置や窒化チタンのスパッタ装置において、本発明の島状突起修飾層をベルジャーやシールドに使用すれば、基材と修飾層の熱膨張率差による割れや剥がれがなく、付着した膜状物質の剥離によるパーティクルの発生がなく、長時間の連続成膜が可能な装置となり得る。
また、本発明では、上記に示した島状突起修飾層を有する島状突起修飾部品を用いたプラズマエッチング装置とプラズマクリーニング装置を提案するものである。島状突起修飾部品の使用方法は、これらの装置の中で膜状物質が付着する部位、或いはプラズマと接触して部品表面が剥離し易い部位に用いることが好ましく、例えばリング状クランプ部品またはシールドとして用いることが挙げられる。
プラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置とは、装置内に設置した製品にプラズマを照射し、製品の表面を剥離、或いは清浄化する装置である。
ここでプラズマエッチング装置で膜が堆積する部分とは、プラズマエッチング装置内で製品にプラズマを照射し、製品表面を剥離した際、剥離された物質が飛散して装置内に付着する部分のことである。本発明でいうプラズマによりエッチングされる部分とは、装置内の製品以外の部分でプラズマが接触してエッチングされる部分をさす。本来これらの装置ではプラズマを製品に照射して当該製品表面を剥離するものであるが、当該プラズマを製品だけに選択的に照射することは困難であり、装置内の製品周辺の装置部品にもプラズマが接触し、当該部分の表面が剥離される。そういう部分の部品に、本発明の部品を用いれば、プラズマによるエッチングがされ難く、パーティクルの発生が少ない。
次にプラズマクリーニング装置で膜が堆積する部分とは、プラズマクリーニング装置内で製品にプラズマを照射して逆スパッタ、即ち製品表面を清浄化した際、清浄化で除去された物質が飛散して装置内に付着する部分のことである。ここでプラズマクリーニング装置でもプラズマエッチング装置でも、製品表面をプラズマで剥離する原理は基本的に同じものである。本発明でいうプラズマクリーニングにより逆スパッタされる部分とは、製品以外の部品にプラズマが接触して逆スパッタ(エッチングによる清浄化)される部分をさす。本来これらの装置ではプラズマを製品に照射して当該製品表面を清浄化するものであるが、当該プラズマを製品だけに選択的に照射することは困難であり、装置内の製品周辺の装置部品にもプラズマが接触し、当該部分の表面も清浄化される。
本発明の島状突起修飾部品を用いた装置は、初期パーティクルの発生がなく、プラズマ処理により堆積した付着物の保持性を高め、付着物の剥離によるパーティクルを減らし、装置の連続使用期間を長くする事ができる。
本発明の島状突起修飾部品、及びそれを用いた装置は、以下の効果を有する。
(1)部品上に堆積する付着物の保持性が高いため、成膜装置、プラズマ処理装置に使用した際、付着物の剥離がなく、発塵、パーティクルの発生がない。
(2)部品上の島状突起が球状又は釣鐘状であるため、成膜装置、プラズマ処理装置に使用した場合、当該部品へのプラズマ電界集中によるパーティクルの発生がない。
(3)ガラス部品上のガラスからなる島状突起上に微小突起がないため、部品の酸洗浄後にも、表面の突起物の剥離によるパーティクル発生がなく、なおかつ形状が保たれ易く、何回も繰り返し使用が出来る。
(4)部品上の島状突起は各々基材上で孤立しているため、部品に熱負荷がかかった場合に、島状突起と基材の熱膨張率の差による応力が小さく剥離しない、また閉気孔が殆どないため脱ガスも少ない。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
図9に示すような複ト−チ型プラズマ溶射装置を用いて、プラズマガス92として窒素を5SLM(Standard Litter per Minute)流し、粉末93を供給する事無く、溶射距離94を80mmとし、溶射ガンを80mm/秒の速度で移動させながら、20kWのパワーで熱プラズマを生成し、平滑な石英ガラス基材面95を1回予熱した。ここで、熱プラズマの長さは300mm程度でプラズマは層流状態であった。プラズマ加熱直後の予熱温度は820℃であった。次に、平均粒径が50μmの石英ガラス粉末の粉末供給量を1g/分とし、速度を100mm/秒、ピッチ4mmで溶射ガンを移動させながら1回溶射し、島状突起物を有する表面層を形成した。この場合の基材表面に対する原料粉末の供給量は5mg/cm相当であった。その後形成した島状突起上に石英ガラス粉末を供給する事無く溶射ガンを120mm/秒の速度で1回溶射し、島状突起と基材表面を溶融し、島状突起表面の付着物の再溶融、並びに島状突起の石英ガラス基材への密着性を向上した。次に、フッ酸5%の水溶液に30分間浸漬し、その後超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。顕微鏡で表面を観察した結果、図2及び図3に示すように表面層には球状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅5〜50μm、高さは5〜60μmで、高さと幅の比の平均値は1.0で、突起の数は180個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さはRaは12μmであった。
実施例2
平均粒径が20μmの石英ガラス粉末を用いたこと以外は実施例1と同条件で行った。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には球状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅5〜20μm、高さは2〜40μmで、突起の数は3000個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは5μmであった。
実施例3
研削加工した石英ガラス基材を850℃に予熱後、石英ガラス粉末の粉末供給量を2g/分とし、溶射距離を80mmで速度を80mm/秒、ピッチ4mmで溶射ガンを移動させ、6回繰り返し溶射することによって石英ガラス基材の上に石英ガラス溶射膜の下地層を形成した。
次に溶射ガンを80mm/秒の速度で石英ガラス粉末を供給する事無く1回溶射し、下地層の表面を再溶融し、表面が平滑で膜厚約300μmの石英溶射膜とした。この平滑な下地層の上に、粉末供給量を2g/分とし、表面層溶射後の再溶融条件として溶射ガンを100mm/秒の速度で行ったこと以外は実施例1と同条件で、島状突起を有する表面層を形成した。
この場合の基材表面に対する原料粉末の供給量は下地層形成で60mg/cm相当、島状突起形成で10mg/cm相当であった。顕微鏡で表面を観察した結果、図5及び図6に示すように表面層には多数の球状および釣鐘状の突起が混在した表面層が認められ、突起1個当たりの大きさは幅10〜150μm、高さは10〜100μmで、高さと幅の比の平均値は0.6で、突起の数は150個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは20μmであった。
実施例4
基材としてジルコン(ZrO・SiO)を用いた以外は、実施例3と同様の方法で石英ガラス下地層及び島状突起を形成した。顕微鏡で表面を観察した結果、下地の膜厚は280μmであった。また表面層には多数の球状および釣鐘状の突起が混在した表面層が認められ、突起1個当たりの大きさは幅10〜150μm、高さは10〜100μmで、高さと幅の比の平均値は0.7で、突起の数は170個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは25μmであった。
実施例5
基材としてステンレス板を用いた以外は、実施例3と同様の方法で石英ガラス下地層及び島状突起を形成した。顕微鏡で表面を観察した結果、下地の膜厚は320μmであった。また表面層には多数の球状および釣鐘状の突起が混在した表面層が認められ、突起1個当たりの大きさは幅20〜160μm、高さは20〜100μmで、高さと幅の比の平均値は0.6で、突起の数は200個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは23μmであった。
実施例6
ガラス基材および溶射粉末材として、バイコールガラスを用いたこと以外は実施例1と同条件で行った。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には球状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅5〜50μm、高さは5〜55μmで、高さと幅の比の平均値は1.1で、突起の数は200個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは10μmであった。
実施例7
ガラス基材および溶射粉末材として、アルミノ珪酸ガラスを用いて、表面層の溶射条件として、粉末を供給する事無く、溶射距離120mmとし、速度を100mm/秒、ピッチ4mmで溶射ガンを移動させながら、20kWのパワーで熱プラズマを生成し、平滑なアルミノ珪酸ガラス基材面を1回予熱した。プラズマ加熱直後の予熱温度は500℃であった。
次に、平均粒径が50μmのアルミノ珪酸ガラス粉末の粉末供給量を1g/分とし、120mm/秒の速度で溶射ガンを移動させながら1回溶射し、島状突起を形成した。その後、溶射ガンを140mm/秒の速度でアルミノ珪酸ガラス粉末を供給する事無く1回溶射し、基材及び島状突起の表面を再溶融した。次にフッ酸5%の水溶液に30分間浸漬し、その後超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には球状および釣鐘状の突起が混在した表面層が認められ、突起1個当たりの大きさは幅5〜30μm、高さは5〜40μmで、高さと幅の比の平均値は1.0で、突起の数は140個/1mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さはRaは8μmであった。
実施例8
平滑な石英ガラス基材表面に、ゾル−ゲル法で島状突起を予備成形し、プラズマ溶射法にて加熱溶融し、当該予備成形突起物を平滑な球状または釣鐘状とした。まず、シリコンのアルコキシド−Si(OC254、アルコール−C25OH、水−H2O、塩酸−HClの混合液を調合した。この混合溶液に溶液の重量に対して5%重量の平均粒径30μmの石英粉末を良く混ぜ撹拌し静置した。粘度が15センチポイズとなった時点でさらに撹拌し、石英粉末を均等に分散させた。次に、石英ガラス基材をこの溶液に浸漬させ、2mm/秒の速度で引き上げ乾燥させた。基材表面上には石英粉末が均等に分散した状態で付着していた。この基材表面を同様のプラズマ溶射装置を用いて、粉末を供給する事無く、溶射距離が80mmで、溶射ガンの速度を100mm/秒、ピッチ4mmで移動させながら、20kWのパワーで熱プラズマを生成し、石英ガラス基材面上を2回照射した。次にフッ酸5%の水溶液に30分間浸漬し、その後超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。表面層の膜厚は40μmであった。顕微鏡で表面を観察した結果、表面には多数の球状および釣鐘状の突起が混在した表面層が認められ、突起1個当たりの大きさは幅5〜50μm、高さは5〜40μmで、高さと幅の比の平均値は0.9で、1mm単位面積当たりの個数が250個であった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さはRaは8μmであった。
比較例1
研磨石英ガラス基板表面をホワイトアルミナ#60のグリットを用いて0.5MPaの圧力でブラストし、その後、フッ酸5%の水溶液に30分間浸漬し、超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。顕微鏡で表面を観察した結果、角張った粗面が確認され、断面観察ではマイクロクッラが多数認められた。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは13μmであった。
比較例2
ガラス基材として、バイコールガラス、アルミノ珪酸ガラスを用いたこと以外は比較例1と同条件で行った。顕微鏡で表面を観察した結果、比較例1同様の角張った粗面及びマイクロクッラが確認された。触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは15μmであった。
比較例3
フッ化水素水溶液、フッ化アンモニウム、酢酸水溶液を混合させた処理液に表面を研削加工した石英ガラス基材を浸漬処理した。薬液処理した石英ガラスの表面粗さRaは1.5μmであった。表面を観察した結果、マイクロクラックは認められなかった。
実施例9
次に得られた試料の付着物に対する保持性を評価するため、スパッタ法を用いて実施例1から8及び、比較例1から3の試料に窒化珪素膜を直接成膜して付着性について試験を行った。到達真空5×10−5Paまで真空に引いた後、珪素のターゲットを用いてアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスを0.3Paの圧力まで導入し、室温で窒化珪素の膜厚を150μm形成した。成膜後、大気に戻して1日放置後に各試料を顕微鏡で検査したところ、実施例1から8では剥離やパーティクルの発生は全く見られなかったが、比較例1から3の試料では剥離が認められた。
実施例10
実施例1から3および実施例6から8、並びに比較例1から3の条件にて、堆積膜が付着するLPCVD成膜装置の石英管内壁および、プラズマエッチング装置のフォーカスリング、プラズマクリーニング装置の石英製のベルジャーを試作し、成膜並びにプラズマ処理に使用した。比較例1から3の条件で試作したベルジャーを使用した場合、処理開始初期からパーティクルが認められ、特に比較例3では使用中に付着物の剥離が認められた。一方、実施例1から3、及び6から8の条件では200時間以上の連続使用でも付着物の剥離、パーティクルの発生は見られなかった。
実施例11
実施例1から3、及び比較例1から3の試料について、耐酸洗浄の評価を行った。硝酸(濃度61%)とフッ化水素酸(濃度46%)を1:1に混合した硝フッ酸洗浄液に実施例1から3および、比較例1から3の試料を浸漬させた。3時間後、実施例1から3の試料では溶射膜表面が中心にエッチングされたが、表面の凹凸は浸漬前と同様のレベルに保たれた。比較例1、2の試料は表面がなだらかになった。比較例3の試料では表面粗さRaが1.0μmに低下した。
次に、同様の条件で処理した石英管、フォーカスリング及び石英ベルジャーをLPCVD成膜装置の石英管内壁、プラズマエッチング装置のフォーカスリング、プラズマクリーニング装置の石英製のベルジャーとして実際使用した。比較例1、2の条件で作製したものは開始初期からパーティクルが認められ、比較例3の条件では付着物が堆積する部分で付着物の保持性が低下し、剥離によるパーティクルが認められた。実施例1から3の条件では200時間以上の連続使用でも付着物の剥離、パーティクルの発生は見られなかった。
実施例12
図8に示すようなプラズマ溶射装置を用いて、プラズマガス82としてアルゴンを35SLM(Standard Litter per Minute)、水素を10SLM流し、粉末83を供給する事無く、溶射距離84を100mmとし、溶射ガンを400mm/秒の速度、4mmピッチで溶射ガンを移動させながらで移動させながら、25kWのパワーで熱プラズマを生成し、予め研磨で表面粗さが0.5μm、スキューネスが−0.3に調整したアルミナセラミック基材85を2回予熱した。プラズマ加熱直後の予熱温度は200℃であった。次に、平均粒径が20μmのアルミナ粉末の粉末供給量を8g/分とし、速度を400mm/秒、ピッチ4mmで溶射ガンを移動させながら25kWのパワーで1回溶射し、島状突起物を有する表面層を形成した。溶射後、基材を熱処理炉に入れて1300℃、1時間加熱した。ここで表面層は、熱処理前はピンセットで押すことにより剥がれたが、熱処理後は剥がれず良好に密着していた。出来上がった試料を純水で超音波洗浄し、乾燥後、顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には釣鐘状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅10〜40μm、高さは4〜30μmで、高さと幅の比の平均値は0.4で、突起の数は1800個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは4μmであった。島状突起の断面を研磨して偏光顕微鏡で観察したところ大部分の島状突起の中央部には核のようなものが見られ、溶射粉末の周辺部が溶融し、中心部が未溶融のまま溶射されていることがわかった。
比較例4
溶射パワーを35kW、予熱温度を250℃とした以外は実施例12と同条件で表面層を形成した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には偏平な島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅15〜80μm、高さは2〜20μmで、高さと幅の比の平均値は0.1で、突起の数は3500個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは3μmであった。島状突起の断面を研磨して偏光顕微鏡で観察したところ大部分の島状突起には核が見られず、溶射粉末が中心まで溶融して溶射されていることがわかった。
比較例5
アルミナ粉末の粉末供給量を30g/分とし、25kWのパワーで2回溶射した以外は実施例12と同条件で溶射して、膜厚140μmの連続的な溶射膜を形成した。溶射後、基材を熱処理炉に入れて1300℃、1時間加熱したところ、溶射膜に歪みが生じ、一部に大きなクラックが入った。
実施例13
溶射パワーを30kWとして予熱温度を220℃、平均粒径が60μmのアルミナ粉末を用いたこと以外は実施例12と同条件で試料を作製した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には釣鐘状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅30〜100μm、高さは20〜120μmで、高さと幅の比の平均値は1.0で、突起の数は300個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは10μmであった。島状突起の断面を研磨して偏光顕微鏡で観察したところ大部分の島状突起の中央部には核のようなものが見られ、溶射粉末の中心部が未溶融のまま溶射されていることがわかった。
実施例14
グラインダーにより表面粗さRaが1μm、スキューネスが−0.5に仕上げたステンレス基材上に溶射パワーを27kWとして予熱温度を200℃、平均粒径が30μmのジルコン粉末を用いたこと以外は実施例12と同条件で試料を作製した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には釣鐘状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅15〜60μm、高さは6〜45μmで、高さと幅の比の平均値は0.5で、突起の数は900個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは6μmであった。島状突起の断面を研磨して偏光顕微鏡で観察したところ大部分の島状突起の中央部には核のようなものが見られ、溶射粉末の中心部が未溶融のまま溶射されていることがわかった。
実施例15
図8に示すようなプラズマ溶射装置を用いて、プラズマガス82としてアルゴンを50SLM流し、粉末83を供給する事無く、溶射距離84を100mmとし、溶射ガンを400mm/秒の速度、4mmピッチで溶射ガンを移動させながらで移動させながら、20kWのパワーで熱プラズマを生成し、予め研磨で表面粗さが0.3μm、スキューネスが−0.2に調整したステンレス基材面85を2回予熱した。プラズマ加熱直後の予熱温度は170℃であった。次に、平均粒径が40μmのモリブデン粉末の粉末供給量を10g/分とし、速度を400mm/秒、ピッチ4mmで溶射ガンを移動させながら20kWのパワーで1回溶射し、島状突起物を有する表面層を形成した。溶射後、基材を熱処理炉に入れて600℃、1時間加熱した。出来上がった試料を純水で超音波洗浄し、乾燥後、顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には釣鐘状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅30〜80μm、高さは10〜70μmで、高さと幅の比の平均値は0.7で、突起の数は800個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは6μmであった。島状突起の断面を研磨して偏光顕微鏡で観察したところ大部分の島状突起の中央部には核のようなものが見られ、溶射粉末の中心部が未溶融のまま溶射されていることがわかった。
比較例6
溶射パワーを30kW、予熱温度を200℃とした以外は実施例15と同条件で表面層を形成した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には偏平な島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅50〜150μm、高さは5〜15μmで、高さと幅の比の平均値は0.1で、突起の数は1200個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは3μmであった。島状突起の断面を研磨して偏光顕微鏡で観察したところ大部分の島状突起には核が見られず、溶射粉末が中心まで溶融して溶射されていることがわかった。
比較例7
モリブデン粉末の粉末供給量を30g/分とし、20kWのパワーで2回溶射して以外は実施例15と同条件で溶射して、膜厚160μmの連続的な溶射膜を形成した。
実施例16
図8に示すようなプラズマ溶射装置を用いて、プラズマガス82としてアルゴンを50SLM流し、粉末83を供給する事無く、溶射距離84を80mmとし、溶射ガンを400mm/秒の速度、4mmピッチで溶射ガンを移動させながらで移動させながら、25kWのパワーで熱プラズマを生成し、予め研磨で平滑にした(表面粗さ0.1μm)ステンレス基材面85を2回予熱した。プラズマ加熱直後の予熱温度は200℃であった。
次に、平均粒径が30μmの炭化タングステン球状焼結粒子の周りに20wt%のCoを塗した粉末を用い、粉末供給量を10g/分とし、速度を400mm/秒、ピッチ4mmで溶射ガンを移動させながら22kWのパワーで1回溶射し、島状突起物を有する表面層を形成した。溶射後、基材を熱処理炉に入れて600℃、1時間加熱した。出来上がった試料を純水で超音波洗浄し、乾燥後、顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には釣鐘状の島状突起が認められ、突起1個当たりの大きさは幅30〜90μm、高さは15〜90μmで、高さと幅の比の平均値は0.8で、突起の数は600個/mmであった。また、触針式の表面粗さ計で測った表面粗さRaは7μmであった。島状突起の断面を研磨して偏光顕微鏡で観察したところ大部分の島状突起の中央部には核のようなものが見られ、溶射粉末の中心部の炭化タングステン粒子が未溶融のまま溶射されていることがわかった。
実施例17
次に得られた試料の付着物に対する保持性を評価するため、スパッタ法を用いて実施例12から16及び、比較例4および6の試料に窒化珪素膜を直接成膜して付着性について試験を行った。到達真空5×10−5Paまで真空に引いた後、珪素のターゲットを用いてアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスを0.3Paの圧力まで導入し、室温で窒化珪素の膜厚を100μm形成した。成膜後、大気に戻して1日放置後に各試料を600℃で1時間加熱し、室温に戻ってから顕微鏡で検査したところ、実施例12〜16では剥離やパーティクルの発生は全く見られなかったが、比較例4および6の試料では剥離が認められた。
実施例18
実施例12から13、及び比較例4から5の条件にて、堆積膜が付着するプラズマクリーニング装置の石英製のベルジャーを試作し、プラズマ処理に使用した。実施例12と比較例5で真空引き時間を比較したところ、実施例12では比較例5の2/3の時間で到達真空に達した。一方、比較例5に比べて実施例12から13では、ベルジャーを装置で使用開始後、堆積膜が剥離しはじめるまでの時間が2倍以上長くなった。
実施例19
実施例14〜16及び比較例6から7の条件にて、TiNの堆積膜が付着するPVD装置の上部シールドを試作し、ウエハへの成膜に使用した。実施例15と比較例7で真空引き時間を比較したところ、実施例15では比較例7の半分の時間で到達真空に達した。一方、比較例6に比べて実施例14〜16では、上部シールドを装置で使用開始後、堆積膜が剥離しはじめるまでの時間が2倍以上長くなった。
本発明の島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 実施例1で得られた試料の走査型顕微鏡の上面観察結果である。 実施例1で得られた試料の走査型顕微鏡の断面観察結果である。 本発明の島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 実施例3で得られた試料の走査型顕微鏡の上面観察結果である。 実施例3で得られた試料の走査型顕微鏡の断面観察結果である。 本発明のガラス修飾部品の構造を示す模式図である。 一般的なプラズマ溶射装置の一例を示す図である。 複トーチ型プラズマ溶射装置の一例を示す図である。 本発明の釣鐘状島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 ディスク状の島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 スキューネスが負の基材に釣鐘状島状突起を形成した本発明の島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 スキューネスが正の基材に釣鐘状島状突起を形成した本発明の島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 島状突起を融点の小さい材料が融点の大きい材料を包み込む様な構造として釣鐘状とした本発明の島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 本発明の釣鐘状島状突起修飾部品の製造方法を示す模式図である。
符号の説明
10:基材
11:表面修飾層
12:球状突起
40:基材
41:表面修飾層
42:釣鐘状突起
70:基材
71:ガラス溶射下地層
72:表面修飾層
80:カソード
81:アノード
82:プラズマガス
83:溶射粉末(供給口)
84:溶射距離
85:基材
86:ガラス溶射膜
87:電源
90:カソード
91:アノード
92:プラズマガス(供給口)
93:溶射粉末(供給口)
94:溶射距離
95:基材
96:ガラス溶射膜
97:プラズマガス(供給口)
98:主電源
99:補助電源
100:基材
101:上部が半球状の釣鐘状島状突起
102:上部が丸みを帯びて突き出た釣鐘状島状突起
103:釣鐘状島状突起の幅
104:釣鐘状島状突起の高さ
110:基材
111:ディスク状島状突起
112:ディスク状島状突起の幅
113:ディスク状島状突起の高さ
120:粗さのスキューネスが負の基材
121:釣鐘状島状突起
130:粗さのスキューネスが正の基材
131:釣鐘状島状突起
132:釣鐘状島状突起の一部が弾けた部分
133:気孔
140:基材
141:融点が高い材料
142:融点が低い材料
143:釣鐘状島状突起
150:溶射ガン
151:溶射フレーム
152:溶射粉末
153:飛行溶射粒子の未溶融部分
154:飛行溶射粒子の溶融部分
155:飛行溶射粒子の未溶融部分から成る釣鐘状島状突起の核
156:飛行溶射粒子の溶融部分から成る釣鐘状島状突起の皮
157:基材
158:溶射距離

Claims (19)

  1. 基材上に幅5〜300μm、高さ2〜200μmの範囲の島状突起を有し、当該島状突起の形状全体が丸みを帯びており、かつ島状突起の個数が20〜5000個/mmである島状突起修飾部品。
  2. 島状突起がガラスで形成され、その形状が球形状、球が欠けた形状、半球状、釣鐘状もしくは山形状、またはこれらの2種以上が混在している請求項1記載の島状突起修飾部品。
  3. 島状突起が、基材上に形成されたガラス溶射膜の上に形成されている請求項1または請求項2のいずれかに記載の島状突起修飾部品。
  4. 島状突起を形成するガラスが石英ガラスである請求項2記載の島状突起修飾部品。
  5. 溶射膜が石英ガラスである請求項3記載の島状突起修飾部品。
  6. 基材または基材上に形成されたガラス溶射膜の表面に対して、突起形成原料供給量を当該表面の表面積に対して1〜20mg/cmとしてプラズマ溶射を行って島状突起を設けることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の突起修飾部品の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載された島状突起修飾部品を用いてなる成膜装置。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載された島状突起修飾部品を、プラズマエッチングによって膜が堆積またはエッチングされる部分に用いたプラズマエッチング装置。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載された島状突起修飾部品を、逆スパッタにより膜が堆積またはエッチングされる部分に用いたプラズマクリーニング装置。
  10. 島状突起がセラミックおよび/または金属からなり、その形状が山形状および/または釣鐘状である請求項1記載の島状突起修飾部品。
  11. 島状突起の高さと幅の比(高さ/幅)の平均値が0.3〜1.5である請求項1に記載の島状突起修飾部品。
  12. 島状突起が形成される基材表面が、表面粗さRaが5μm以下である請求項10または請求項11に記載の島状突起修飾部品。
  13. 島状突起が融点の異なる材料からなり、融点の小さい材料が融点の大きい材料を包み込む様に形成されている請求項10〜12のいずれかに記載の島状突起修飾部品。
  14. 基材表面に対して、突起形成原料粉末を半溶融状態で、当該表面の表面積に対して1〜20mg/cmの供給量で基板上に衝突させることによって突起を設けることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の突起修飾部品の製造方法。
  15. 溶射粉末として融点の小さい材料で融点の大きい材料を包み込んだ粉末を調製し、溶射時には融点の小さい材料を完全に溶融させ、融点の大きい材料は未溶融又は半溶融状態で溶射法により基材上へ衝突させる請求項10〜13のいずれかに記載の島状突起修飾部品の製造方法。
  16. 溶射法により基材上へ島状突起を形成後、更に熱処理することを特徴とする請求項14または請求項15に記載の島状突起修飾部品の製造方法。
  17. PVDまたはCVDにより膜が堆積される部分に請求項10〜13のいずれかに記載の部品を用いた成膜装置。
  18. 請求項10〜13のいずれかに記載の部品を、プラズマエッチングによって膜が堆積またはエッチングされる部分に用いたプラズマエッチング装置。
  19. 請求項10〜13のいずれかに記載の部品を、プラズマエッチングによって膜が堆積またはエッチングされる部分に用いたプラズマクリーニング装置。
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