JP2008189494A - 石英ガラス部品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜装置、プラズマ処理装置では、当該装置に用いる石英ガラス部品表面に膜状物質が付着し、それらが剥離することによって装置内の発塵、パーティクルとなり、成膜或いはプラズマ処理する製品の汚染原因となっていた。またその様な汚染を防止するため、装置に用いる部品に膜状物質が僅かに付着する度に頻繁に交換することが必要となり、生産性の低下をもたらしていた。
【解決手段】石英ガラス部品の表面に平均値径が3μm以上10μm未満、突起最大平均径が80μm以下、個数1000〜6000個/mm、面積占有率が10〜50%、かつフッ化水素酸溶液に浸した際に、面積占有率の減少値が、浸す前の島状突起の面積占有率の平方根で算出される値以下となる島状の突起で修飾した石英ガラス部品は、成膜装置、プラズマ処理装置に用いた場合、当該部品に対する膜状物質の保持性が高く、付着物の剥離によるパーティクルを減らし、装置の連続使用期間を特に長くする事ができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体製造における成膜装置、プラズマ処理装置(プラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置)の治具に好適な石英ガラス部品に係り、これらの装置に用いた場合に当該部品からの発塵が極めて少ないものを提供するものである。
半導体等の製造において、ポリシリコン、酸化珪素、窒化珪素などの成膜の際には、耐熱性に優れ、かつ加工し易いガラス部品、例えば石英ガラスや耐熱ガラス製の反応管やベルジャーが主に用いられている。これらの成膜では、目的とする成膜基板だけでなく石英ガラス製の反応管やベルジャー等の部品にも膜状物質が付着していた。その結果、成膜操作を重ねることにより反応管、ベルジャーに付着した膜状物質が厚くなり、当該物質と石英ガラスとの熱膨張率の差により、反応管、ベルジャーにひびが入ったり膜状物質が剥離して発塵となったりして、成膜基板を汚染するという問題があった。
このような膜状物質の保持性を向上する方法として、本発明者らは、プラズマ溶射法により、石英ガラス表面に石英ガラス溶射膜を形成した石英ガラス部品を見出し(例えば、特許文献1参照)、また、石英ガラス溶射膜の突起を島状とすることで、膜状物質の保持効果を高め、パーティクル発生を抑制した石英ガラス部品を開発してきた(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−2157号公報 特開2004−172607号公報
上記の島状の突起からなる石英ガラス溶射膜を形成した石英ガラス部品を成膜装置の治具として使用した場合においても、付着した膜状物質が厚く堆積すると基材である石英ガラスと膜状物質との熱膨張差、あるいは膜状物質に内在する応力により、膜状物質にひびが入りやすく、膜状物質が剥離して発塵となるだけでなく、島状の突起も剥離し発塵となり、成膜基板を汚染するという問題が生じ、更なる改良が望まれていた。
本発明は、上述問題点を鑑みなされたものであり、成膜工程やプラズマ処理工程において、膜状物質の剥離並びに島状の突起の剥離によるパーティクル発生が極めて少ない石英ガラス部品、その製造方法及びその用途に関するものである。
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、基材上の島状突起の膜の幅の平均値、突起密度、突起の面積占有率、フッ化水素酸による面積占有率の減少値を規定することにより、膜状物質が厚く堆積して基材との熱膨張の差が大きい場合、または膜状物質の応力が大きい場合であっても膜状物質や島状突起が剥離して発塵の原因となりにくい石英ガラス部品を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、石英ガラス基材上に、溶射法により石英ガラスからなる島状の突起を形成した石英ガラス部品であって、該突起の幅の平均値が3μm以上10μm未満、該突起の最大幅の5点平均値が80μm以下、該突起の突起密度の平均値が1000〜6000個/mm、基材に対する突起の面積占有率が10〜50%であり、10wt%フッ化水素酸水溶液(温度:25℃)に石英ガラス部品を30分浸した時に、該突起の面積占有率の減少値が、浸す前の島状突起の面積占有率の平方根で算出される値以下であることを特徴とする石英ガラス部品、その製造方法及びその用途に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、石英ガラス基材上に石英ガラス溶射による島状突起を設けた石英ガラス部品の模式図を示す。本発明の石英ガラス部品は、石英ガラス基材10に溶射法により石英ガラスからなる島状の突起11を形成したものである。本発明における島状の突起は、おおむね球状または釣鐘状の形状をした突起であり、部分的には互いに重なっていても良いが大部分はそれぞれ独立したものである。
本発明における島状突起の幅、密度、面積占有率は、光学顕微鏡像、走査型顕微鏡像、触針式の3次元像等を解析することで得られるが、高い精度で効率良く行う方法として光学顕微鏡で観察して得た写真を画像解析して得ることが好ましい。画像解析法としては、例えば、図2に示すように顕微鏡にて島状突起の画像を1枚当たり0.5mm角の範囲で撮影し、その撮影画像をトレーシングペーパー等上にてトレースし、その球状または釣鐘状の突起部分の面積、突起の個数、突起の径などを市販の画像解析ソフト(例えば、Media Cybernetics社製、商品名「イメージプロプラス」Ver6.0等)を用いて測定することや、市販の画像解析ソフトを用いて撮影画像の明暗を2値化して突起部と基材部を分離した後、突起の部分の幅、個数、面積などを測定することが挙げられる(例えば、ナノシステム(株)社製、商品名「ナノハンターNS2K−Pro Ver7.11等」。
ここで言う2値化とは、画像の背景となっている基材部よりも明るい色や暗い色となっている突起部を抽出し、抽出した部分と背景を白と黒に分離することである。2値化の方式としては、特に制限は無いが、画像全体に明るさのバランスがとれている場合には、画像全体を一定の明るさをしきい値として一律に2値化する通常の方法を用いることができる。
2値化処理後における突起の個数、突起の幅などの測定方法としては、2値化された突起部を円形分離し、分離をしたそれぞれの円の個数や直径を求めればよい。図2を上記商品名「ナノハンター」により2値化し、突起部を円形分離したものを図3に示す。また、測定のバラツキをなくし精度良く評価するために、光学顕微鏡で撮影する島状突起の画像は、決められた範囲内を一定間隔ごとに撮影し集計することが好ましい。
本発明において島状の突起の幅とは、2値化された突起部を円形分離し、分離をしたそれぞれの円の直径を意味し、具体的には、光学顕微鏡等で、0.5mm角の領域の画像を5点撮り、各画像における島状突起の幅を測定し、突起幅の合計を5画像において測定された突起の個数で割った値である。
本発明においてこの島状突起の幅の平均値が3μm以上10μm未満であることが好ましい。突起幅の平均値が10μm以上であると、突起上に平滑部分が発生し、膜状物質が厚く堆積した際に膜応力が一部に集中し易くなり、そこからクラックが発生し、突起が割れることによりパーティクルが発生しやすくなる。一方、突起幅の平均値が3μmより小さくなると、突起自体が堆積した膜応力を緩和する効果が低下し、同様にクラックが発生し、パーティクルが発生しやすくなる。
また、本発明において島状突起の最大幅は、その5点平均が80μm以下であることが好ましく、50μm以下が更に好ましい。最大幅の5点平均が80μmを超えると、膜状物質の保持性が低下し易くなり、パーティクルが発生し易くなる。なお、本発明でいう突起の最大幅の5点平均とは、光学顕微鏡等で0.5mm角の領域の画像を5点撮り、各画像における島状突起の幅から最大幅を決定し、その最大幅を5画像間で平均したものである。
本発明において島状突起の密度は、1000〜6000個/mmの範囲が好ましい。1000個/mm未満では付着物の保持性が低下し、6000個/mmを超えると、島状突起が重なり合う部分が増えて突起の付着が十分でなくなる。本発明において、島状の突起の密度は、2000〜5000個/mmであることがさらに好ましい。
本発明における島状突起の密度の測定方法も、突起幅の測定方法と同様に、光学顕微鏡等で0.5mm角の領域の画像を5点撮り、各画像における島状突起の数を測定し、その合計を5画像において測定された面積で割った値である。
更に、本発明において島状突起が基材表面に占める割合である面積占有率は10〜50%の範囲が好ましい。本発明でいう面積占有率とは、基材の単位面積に対して、上述の方法で測定される、島状突起の底面積の合計が占める割合のことを意味する。
面積占有率が10%未満では付着物の保持性が低下し、50%を超えると、島状突起が重なって膜となり、突起としての効果が低減し、パーティクルが発生し易くなる。本発明において、島状突起が基材中に占める割合である面積占有率は20〜40%であることがさらに好ましい。
面積占有率の測定方法も、上記各値の測定方法と同様、光学顕微鏡等で0.5mm角の領域の画像を5点撮り、各画像における島状突起が占める面積を合計し、5画像分の合計面積を5画像分の基材面積の合計(=0.5×0.5×5mm)で割った値である。
本発明における石英ガラス基材は、その島状突起がない部分で平滑であることが好ましい。具体的には、島状突起を含むエリアを測定する場合、レーザー共焦点顕微鏡(例えば、キーエンス社製、商品名「レーザー顕微鏡」VK−8510を用いて、取り込み画像(295×221μm)内の平滑エリアに50μmの線を引き、その線粗さを測定)で光学的に測定した場合、その表面粗さRaが1μm以下であることが好ましい。また、突起が存在しない平滑基材の表面を測定する場合は、触針式粗さ測定装置で表面粗さを測定(JIS:B0601−2001)することも可能である。
本発明の石英ガラス部品は、この部品を10wt%フッ化水素酸水溶液(温度:25℃)に30分浸した前後で、該石英ガラス部品の島状突起の面積占有率の減少値が、フッ化水素酸に浸す前の島状突起の面積占有率の平方根で算出される値以下であることが好ましい。石英ガラスからなる島状の突起をフッ化水素酸に浸すと、強固な付着をしている突起は表面が溶解するのみであるが、基材との付着が弱い突起は基材から取れてしまうので、付着の弱い突起、即ち、パーティクルの原因となり得る突起が多く存在する程、減少値が増す結果となる。なお、面積占有率の減少値とは、フッ化水素酸水溶液に浸す前の面積占有率からフッ化水素酸水溶液に曝した後の面積占有率を引いたものを意味する。例えば、フッ化水素酸に浸す前の面積占有率が30%とすると、10wt%フッ化水素酸水溶液に浸した後の面積占有率が30−(30)1/2で24.5%以上であればよいことになる。
続いて、本発明の石英ガラス部品の製造方法について説明する。
本発明における石英ガラス部品の島状突起は、プラズマ溶射法によって形成されることが望ましい。プラズマ溶射法を用いた場合、酸水素等のフレーム溶射に比べてプラズマジェットが高温であるため、原料粉末が基材に達する前に溶融し、同時に石英ガラス基材表面又は基材上に別途設けた石英ガラス下地層の表面を溶融する条件で製造することが可能であり、それぞれの突起の独立性が高い島状突起の形成が容易に形成されるので好ましい。
ここで、石英ガラス基材表面又は基材上に設けられた石英ガラス層の表面を溶融させながら溶融した原料粉末を表面に衝突させることにより、基材または石英ガラス層への島状突起の密着を確保することが出来る。なお、ここでいう石英ガラス層への溶射とは、石英ガラス基材表面に直接溶射を行う方法以外に、例えば、溶射やゾルゲル法のような方法によって平滑な石英ガラス層を基材上に形成し、その表面に溶射することも出来る。
従前、プラズマ溶射法によって島状突起を形成した後、その基板表面に石英ガラス粉末を供給せずプラズマジェットのみを当てて、島状突起表面の付着物の再溶融及び島状突起の石英ガラス基材への密着性を向上させる方法が知られているが、更なるパーティクルの低減のためにはこの方法では不充分であることを本発明者らは見出し、更なる検討の結果、密着性の低い突起を少なくして、実使用時における突起の剥離によるパーティクルを減らすためには、溶射法により島状突起を形成した後、当該石英ガラス部品をフッ化水素酸を含む溶液で洗浄することが好ましいことを見出した。
洗浄方法としては、例えば、常温でフッ化水素酸を3〜15wt%含む溶液中に石英ガラス部品を15〜90分浸漬する方法を例示することができる。フッ化水素酸の濃度が3wt%未満の溶液中では洗浄に時間が掛かり生産性が低下する場合があり、また、15wt%を超える溶液では洗浄時間が短く洗浄ムラが生じ易くなる。また、フッ化水素酸を溶解する溶媒しては、水、硝酸などの酸が好ましいが、安定した洗浄を低コストで実施する点で水が好ましい。
本発明において、洗浄を行う理由としては、本発明の石英ガラス部材の島状突起には、溶射法の操作によって密着性の弱い突起が存在したり、目には見えにくい微小な付着物が島状突起の表面に残っているためである。このような状態のままでは、部材の使用中にそれらが脱落し、パーティクルや異物の原因となることがある。そこで溶射法によって島状突起を形成した後で、フッ化水素酸を含む溶液で洗浄すれば、その様な付着の弱い付着物を除去することが出来る。
さらに、付着が不十分な島状突起を効率良く除去する方法として、上記フッ化水素酸溶液で洗浄後、純水中で超音波洗浄を行うことが有効である。その後、残った島状突起の基材への密着性を向上する目的で、原料を供給しないでプラズマジェットにより突起表面を再び溶融させることが好ましい。
更にこの後、当該石英ガラス部品をフッ化水素酸を含む溶液で洗浄し、純水中で超音波洗浄を行うことにより、付着が不十分な島状突起をより効率良く除去することが可能である。フッ化水素酸を含む溶液による洗浄方法としては、例えば、フッ化水素酸を3〜15wt%含む溶液中に石英ガラス部品を5〜30分浸漬すればよい。
ここで付着が弱い島状突起がどの程度ガラス部品に残っているか調べる方法として、純水中に当該石英ガラス部品を浸漬させ超音波を与えて、液中の微粒子量の増加を測定する方法が有効である。具体的には、超音波洗浄槽に純水を投入し、当該石英ガラス部品を浸漬させた後、28KHzの超音波を5W/リットルの強さで当該石英ガラス部品に5分間与えて、超音波を与える前後における、2μm以上の粒子径をもつ液中微粒子の増加量を液中微粒子測定装置を用いて測定すればよい。液中微粒子の増加量が200個/cm以下であることが好ましく、50個/cm以下が更に好ましい。
突起形成に用いる溶射粉末の粒径は、平均粒径(個数頻度換算)として5μm以上から15μm未満の範囲であることが好ましい。平均粒径5μm未満では原料粉末自身に十分な流動性がないためプラズマ中に原料を均一に導入することが難しい場合があり、さらに粒子が小さいことからプラズマ中で溶けやすくなり粒子同士が繋がって大きな突起が発生し易くムラの多い溶射膜になり易い。一方、平均粒径が15μm以上であると、溶射粒子の溶融が不均一となり、得られる島状突起の基材に対する密着性が悪くなったり、突起径が大きくなり易い場合がある。また、溶射により形成された島状の突起の平均幅は、溶射粉末の平均粒径よりも小さくなる。その理由として、溶射粉末がプラズマ中や基材上に衝突して粒子が砕けて小さくなるものがあるためである。従って使用する溶射粉末の平均粒径は、形成される突起の幅より大きいものを使用することができる。溶射粉末の平均粒径を測定する方法としては、例えばレーザー回折式の粒度分布計を用いることがあげられ
る。
また、溶射の際、熱歪による基材割れや温度ムラによる不均一な突起形成を防ぐため、例えば酸水素バーナーなどの加熱手段で予め石英ガラス基材自体を600℃以上に加熱しておくことが好ましい。
これらの基材温度を測定し管理する方法として、スポットで温度を測定出来る放射温度計や基材の温度分布が測定可能なサーモグラフ測定装置を使用することが出来る。
本発明の石英ガラス部品を用いた装置は、初期パーティクルの発生がなく、プラズマ処理により堆積した膜状物質の保持性を高め、付着物の剥離によるパーティクルを減らし、装置の連続使用期間を特に長くする事ができる。
本発明では、上記に示した石英ガラス部品を用いた成膜装置を提案するものである。本発明でいう成膜装置の成膜方法は限定しないが、CVD法(Chemical Vapor Deposition)、スパッタ法等が例示できる。石英ガラス部品の使用方法としては、当該装置内で成膜する製品基板以外で、膜状物質が堆積する部分に用いる部品として用いることが好ましい。例えば反応管などの石英管または、ベルジャーとして用いることが挙げられる。特にポリシリコン、酸化珪素、窒化珪素などを600〜1000℃の高温で成膜するCVD成膜装置において、本発明の表面修飾層や下地層を石英ガラスで形成した石英製の反応管などの石英管或いはベルジャーを使用すれば、基材の石英ガラスと下地層、修飾層の熱膨張率差による割れや剥がれがなく、付着した膜状物質の剥離によるパーティクルの発生がなく、長時間の連続成膜が可能な装置となり得る。
さらにCVD成膜装置に使用される石英部品は、膜状物質がある膜厚まで堆積するとフッ化水素酸などを含む溶液やフッ素ガスなどによる腐食性ガスで堆積膜を除去する工程がある。このような環境でも本発明の島状突起は、基材上の上に突起を形成させることで従来のような表面をブラストなどで基材表面を粗らす方法と比べて、突起の高さが数十μmと高く、さらに突起自体を基材と良く溶着させていることから、これらのエッチング液や耐食性ガスに暴露されても突起自体小さくなることはあるが形状が保たれ易く、何回も繰り返し使用ができ本来の性能を維持することができる。
また、本発明では、上記に示した表面修飾層を有する石英ガラス部品を用いたプラズマエッチング装置とプラズマクリーニング装置を提案するものである。石英ガラス部品の使用方法は、これらの装置の中で膜状物質が付着する部位、或いはプラズマと接触して部品表面が剥離し易い部位に用いることが好ましく、例えばリング状フォーカス部品またはベルジャーとして用いることが挙げられる。
プラズマエッチング装置、プラズマクリーニング装置とは、装置内に設置した製品にプラズマを照射し、製品の表面を剥離、或いは清浄化する装置である。そして、プラズマエッチング装置で膜が堆積する部分とは、プラズマエッチング装置内で製品にプラズマを照射し、製品表面を剥離した際、剥離された物質が飛散して装置内に付着する部分のことである。
また、本発明でいうプラズマによりエッチングされる部分とは、装置内の製品以外の部分でプラズマが接触してエッチングされる部分をさす。本来これらの装置ではプラズマを製品に照射して当該製品表面を剥離するものであるが、当該プラズマを製品だけに選択的に照射することは困難であり、装置内の製品周辺の装置部品にもプラズマが接触し、当該部分の表面が剥離される。このような部分の部品として、本発明の部品を用いれば、プラズマによるエッチングがされ難く、パーティクルの発生が少ない。
次に、プラズマクリーニング装置で膜が堆積する部分とは、プラズマクリーニング装置内で製品にプラズマを照射して逆スパッタ、即ち製品表面を清浄化した際、清浄化で除去された物質が飛散して装置内に付着する部分のことである。ここでプラズマクリーニング装置でもプラズマエッチング装置でも、製品表面をプラズマで剥離する原理は基本的に同じものである。本発明でいうプラズマクリーニングにより逆スパッタされる部分とは、製品以外の部品にプラズマが接触して逆スパッタ(エッチングによる清浄化)される部分をさす。本来これらの装置ではプラズマを製品に照射して当該製品表面を清浄化するものであるが、当該プラズマを製品だけに選択的に照射することは困難であり、装置内の製品周辺の装置部品にもプラズマが接触し、当該部分の表面も清浄化される。
本発明の石英ガラス部品は、部品上に堆積する付着物の保持性が十分高いことから、成膜装置、プラズマ処理装置等に使用した際、付着物の剥離によるパーティクルを減らし、装置の連続使用期間を特に長くすることができる。
本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例1から4、比較例1から3にて、あらかじめファイヤーポリッシュした表面粗さ0.1μmの10cm角の石英ガラス基板及び、LPCVD装置の石英管の内壁、プラズマエッチング装置のフォーカスリング、プラズマクリーニング装置の石英製ベルジャーへ溶射した。
実施例1
図4に示すような複ト−チ電流制御型プラズマ溶射装置を用いて、プラズマガス22としてアルゴンガスに水素ガス30%を添加した混合ガスを10SLM(Standard Litter per Minite)流し、粉末23を供給する事無く、溶射距離24を50mmとし、溶射ガンを500mm/秒の速度で移動させながら、24kWのパワーでプラズマジェットを生成し、平滑な石英ガラス基材面25をピッチ9mm間隔で1回予熱した。ここで、プラズマジェットの長さは300mm程度でプラズマは層流状態であった。プラズマ加熱直後の予熱温度は1050℃であった。前もって石英ガラス基材25は熱歪による基材割れや温度ムラによる不均一な突起形成を防ぐため酸水素バーナー29で予熱した。
次に、平均粒径が10μmの石英ガラス粉末の粉末供給量を2.5g/分とし、速度を300mm/秒、ピッチ4mm間隔で溶射ガンを移動させながら1回溶射し、島状突起物を有する表面層を形成した。その後、フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)に45分間浸漬し、超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。
その後、形成した島状突起上に石英ガラス粉末を供給する事無く溶射ガンを300mm/秒、ピッチ4mm間隔の速度で移動しながらプラズマジェットに当てて、島状突起と基材表面を溶融し、島状突起表面の付着物の再溶融、並びに島状突起の石英ガラス基材への密着性を向上させた。
次に、フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)に15分間浸漬し、その後超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には互いに重なり合わない独立した島状の突起が形成されていた。
0.5mm角の領域5箇所を光学顕微鏡で写真を撮り、ナノシステム(株)社製、商品名「ナノハンターNS2K−Pro Ver7.11」により画像解析した結果、突起の平均粒径7.0μm、突起の数は約3000個/mm、突起の最大幅の5点平均値40μm、突起の面積占有率37%であった。
実施例2
溶射粉末として平均粒径7μmの粉末を用いた以外は実施例1と同条件で行った。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には互いに重なり合わない独立した島状の突起が形成されていた。突起の平均粒径5.5μm、突起の数は約5000個/mm、突起の最大幅の5点平均値35μm、突起の面積占有率45%であった。
実施例3
実施例2と同様の条件で島状突起物を有する表面層を形成し、フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)に45分間浸漬させる代わりに、フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)に90分間浸漬し、超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。その後、石英ガラス粉末を供給する事無く、島状突起と基材表面を溶融し、島状突起表面の付着物の再溶融、並びに島状突起の石英ガラス基材への密着性を向上させた。
次に、フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)で15分間浸漬した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には互いに重なり合わない独立した島状の突起が形成されていた。突起の平均粒径4μm、突起の数は約3000個/mm、突起の最大平均径30μm、突起の面積占有率16%であった。
実施例4
平均粒径が12μmで粉末供給量を3.0g/分としたこと以外は実施例1と同条件で行った。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には互いに重なり合わない独立した球状又は、釣鐘状の島状突起が認められ、突起の平均粒径9.0μm、突起の数は約1100個/mm、突起の最大幅の5点平均値75μm、突起の面積占有率15%であった。
比較例1
粉末を供給する事無く、溶射距離を80mmとし、溶射ガンを80mm/秒の速度で移動させながら、20kWのパワーでプラズマジェットを生成し、平滑な石英ガラス基材面をピッチ9mm間隔で1回予熱した。プラズマ加熱直後の予熱温度は820℃であった。次に、平均粒径が7μmの石英ガラス粉末の粉末供給量を1.0g/分とし、速度を100mm/秒、ピッチ4mm間隔で溶射ガンを移動させながら1回溶射し、島状突起物を有する表面層を形成した。その後、形成した島状突起上に石英ガラス粉末を供給する事無く溶射ガンを120mm/秒の速度で移動しながらプラズマジェットを当てた。
次に、フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)に30分間浸漬し、その後超純水で洗浄し、クリーンオーブンで乾燥した。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には密度が高く重なりあった島状の突起が多く認められ、突起の平均粒径15μm、突起の数は約3000個/mm、突起の最大幅の5点平均値20μm、突起の面積占有率88%であった。
比較例2
平均粒径が20μmで粉末供給量を2.5g/分とし、島状突起を有する表面層を形成した後、フッ化水素酸の溶液に浸漬しなかったこと以外は実施例1と同条件で行った。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には最大突起径が大きい島状の突起が多く認められ、突起の平均粒径120μm、突起の数は約1400個/mm、突起の最大幅の5点平均値90μm、突起の面積占有率18%であった。
比較例3
島状突起物を有する表面層を形成し、フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)に180分間浸漬したこと以外実施例3と同条件で行った。顕微鏡で表面を観察した結果、表面層には粒径の小さい島状の突起が認められ、突起の平均粒径2.5μm、突起の数は約1600個/mm、突起の最大幅の5点平均値20μm、突起の面積占有率10%であった。
(実施例及び比較例の石英ガラス部品のフッ化水素酸浸漬評価)
実施例1から4及び比較例1から3の条件にて、耐酸洗浄の評価を行った。フッ化水素酸10wt%の水溶液(液温:25℃)に実施例1から4及び比較例1から3の試料を浸漬させた。
30分後、実施例1から4の試料では、溶射膜表面が中心にエッチングされたが、表面の凹凸は浸漬前と同様のレベルに保たれ、面積占有率がそれぞれ34%、40%、13%、13%、面積占有率の減少値がそれぞれ3%、5%、3%、2%で浸漬前の面積占有率の平方根で算出される値以下であった。
比較例1から3の試料では、面積占有率がそれぞれ73%、11%、0%、面積占有率の減少値がそれぞれ15%、7%、10%で、浸漬前の面積占有率の平方根で算出される値以上となり、突起の付着性が弱いことがわかった。特に比較例3の試料では突起が完全になくなった。
(実施例及び比較例の石英ガラス部品の液中への微粒子放出量評価)
実施例1から4及び比較例1から3の条件にて、液中への微粒子放出量の評価を行った。28KHz出力の超音洗浄槽に純水を投入し、実施例1から4及び比較例1から3の試料を浸漬させた。その後、5W/リットルの強さで5分間各々の試料に与え、液中微粒子測定装置(RION社製、商品名「液中微粒子計数器」KL−22)を用いて2μm以上の微粒子の増加量を測定した。
実施例1から4の試料では増加量が、9個/cm、15個/cm、80個/cm、20個/cmとなり200個/cm以下であった。
比較例1から3の試料では増加量が500個/cm、260個/cm、450個/cmとなり200個/cmを越えていた。
(実施例及び比較例の石英ガラス部品の付着膜保持性評価)
次に得られた試料の付着物に対する保持性を評価するため、スパッタ法を用いて実施例1から4及び比較例1から3の試料に窒化珪素膜を直接成膜して付着性について試験を行った。到達真空5×10−5Paまで真空に引いた後、珪素のターゲットを用いてアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスを0.3Paの圧力まで導入し、室温で窒化珪素の膜厚を180μm形成した。成膜後、大気に戻して1日放置後に各試料を顕微鏡で検査したところ、実施例1から4では剥離やパーティクルの発生は全く見られなかったが、比較例1から3の試料ではクラック及び堆積膜の剥離が認められた。特に比較例3の試料では、クラック及び堆積膜の剥離が多く認められた。
(実施例及び比較例の石英ガラス部品の装置使用評価)
実施例1から4及び比較例1から3の条件にて、堆積膜が付着するLPCVD成膜装置の石英管内壁および、プラズマエッチング装置のフォーカスリング、プラズマクリーニング装置の石英製のベルジャーを試作し、成膜並びにプラズマ処理に使用した。比較例1から2の条件で試作した石英管および、ベルジャーを使用した場合、どの部品も開始初期からパーティクルの発生は認められず、実施例1から4、比較例1から2の部品では200時間以上の連続使用でも付着物の剥離、パーティクルの発生は見られなかった。比較例3の部品ではパーティクルの発生が認められ、観察の結果、クラック及び堆積膜の剥離が認められ一部突起の剥離も認められた。さらに比較例1から2の部品では使用から250時間以上でパーティクルの発生が認められ、観察の結果、クラック及び堆積膜の剥離が認められ一部突起の剥離も認められた。一方、実施例1から4の条件では250時間以上の連続使用でも堆積物の剥離、パーティクルの発生は見られなかった。
本発明の島状突起修飾部品の構造を示す模式図である。 本発明の島状突起を顕微鏡で撮影した画像である。 図2の画像を2値化し、突起部を円形分離したものを示す図である。 複トーチ型プラズマ溶射装置の一例を示す図である。
符号の説明
10:基材
11:島状の突起
21:アノード
22:プラズマガス(供給口)
23:溶射粉末(供給口)
24:溶射距離
25:石英ガラス基材
26:ガラス溶射膜
27:主電源
28:補助電源
29:酸水素バーナー

Claims (5)

  1. 石英ガラス基材上に、溶射法により石英ガラスからなる島状の突起を形成した石英ガラス部品であって、該突起の幅の平均値が3μm以上10μm未満、該突起の最大幅の5点平均値が80μm以下、該突起の突起密度の平均値が1000〜6000個/mm、基材に対する突起の面積占有率が10〜50%であり、10wt%フッ化水素酸水溶液(温度:25℃)に石英ガラス部品を30分浸した時に、該突起の面積占有率の減少値が、浸す前の島状突起の面積占有率の平方根で算出される値以下であることを特徴とする石英ガラス部品。
  2. 石英ガラス基材表面をプラズマジェットにより溶融しながら石英ガラス原料粉末を基材表面に溶射して島状突起を形成し、島状突起が形成された基材表面を、少なくともフッ化水素酸を含む溶液により洗浄し、その後プラズマジェットにより突起表面を再び溶融させることを特徴とする請求項1記載の石英ガラス部品の製造方法。
  3. 請求項1記載の部品を用いた成膜装置。
  4. プラズマエッチングによって膜が堆積またはエッチングされる部分に請求項1記載の部品を用いたプラズマエッチング装置。
  5. 逆スパッタにより膜が堆積またはエッチングされる部分に請求項1記載の部品を用いたプラズマクリーニング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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