JP4367142B2 - 耐蝕性部材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
1)基材の調製
石英ガラス基板に図5に示すような複トーチ型プラズマ溶射装置を用いて、プラズマガスとして窒素を5SLM流し、21kwのパワーでプラズマを生成させ、溶射距離を80mmとし、原料粉末を供給せずに溶射ガンを80mm/分の速度で移動させて予熱した。このときのプラズマの長さは約30cmで層流状態であった。次に石英粉末を4.5g/分の速度で供給し、溶射ガンを160mm/秒の速度で移動させながら溶射した。当該溶射面に対し原料粉末を供給せずに溶射ガンを300mm/分の速度でプラズマ照射して表面に付着している粉末状物質を溶融し、表面粗さRaが15μmの石英溶射膜を被覆した石英ガラス基材(基材A)を調製した。
表1に示した各金属元素の酸化物をそれぞれ混合した後、1700℃に加熱溶融し、150mmφ×20mmtのガラス体を調製した。当該ガラス体を粉砕、分級し、粒径38〜105μm(平均粒径60μm)のガラス溶射粉末とした。
1)で調製した各種基材を用い、図5に示す複トーチ型プラズマ溶射装置を用いて、プラズマガスとして窒素を5SLM(Standard Litter per Minite)流し、溶射距離を100mmとし、溶射ガンを160mm/秒の速度で移動させながら、11〜20kwのパワーでプラズマを生成し、原料粉末を供給することなく、基材の予熱を行った。
3)で調製した各種組成の耐蝕性ガラスを溶射した耐蝕性部材を用い、フッ素系ガスを含むプラズマに曝した時のエッチング速度とパーティクル量の測定試験を行なった。耐蝕性ガラス溶射膜の表面の組成は蛍光X線分析、基材との界面の組成はEPMAで測定した。いずれの界面も溶融層の形成が認められた。また、中間層を作製した基材中の中間層の厚みは150μmであった。エッチング条件は、反応処理室内の圧力1torr、反応ガスにCF4/O2ガスを用い、電極板間に300Wの高周波電力を印加することによりプラズマを発生させた。エッチング厚みは段差測定法を用いて測定し、パーティクル発生は走査型電子顕微鏡により耐蝕性部材表面の粒状物質の観察によって評価した。結果を表1に示した。いずれの耐蝕性部材もエッチングレートは0.2μm/hrと小さく、耐食性に優れ、パーティクルの発生が少なかった。
3)で調製した各種組成の耐蝕性ガラスを溶射した耐蝕性部材を、大気中で800℃に加熱し、室温までの冷却を繰り返した。基材A、B、Gを用いた部材では、昇温、冷却を10回繰り返した後に基材と耐蝕性ガラス溶射膜の剥離は見られなかったが、ブラスト又はブラストとエッチングによる基材(基材C、D、E、F)を用いたものは、一部で剥離が見られ、SiO2を含むガラス溶射膜の中間層を施した方が、熱サイクルに対する密着性に優れていた。
1)耐蝕性溶射膜の形成・評価
実施例1の1)で調整した基材Dに対し、表2に示した各金属元素の酸化物を実施例1の2)と同様の方法で作製した溶射粉末を用い、図5に示すような複トーチ型プラズマ溶射装置を用いて、プラズマガスとして窒素を16SLM流し、32kwのパワーでプラズマを生成させ、溶射距離100mmとし、原料粉末流量を7g/分とし、速度を400mm/秒、ピッチ3mmで溶射ガンを移動させながら25回溶射し、耐蝕性溶射膜を形成した。この時のプラズマフレームの状態は乱流であった。この溶射膜に対し、性能評価として溶射膜断面のSEM観察によって膜質を確認し、緻密なものを○、気孔の多いものを×とした。また、X線回折法によるガラス化の確認を行ない、回折図形が非晶質を示すハローパターンのみである場合を○、結晶質の存在を示すピークが出現した場合を×とした。結果を表2のNo.21〜35に示す。成膜した溶射膜の膜厚は0.30mmを超えていた。これらの溶射膜のうち、ガラス化を確認できた試料について、実施例1の4)と同様の方法で耐蝕性の評価を行った。いずれの耐蝕性部材もエッチングレートは1.0μm/hr以下と小さく、耐食性に優れていた。特に、No.22、24、25、29、30、33、34の組成が緻密で、エッチングレートが0.4μm/hr以下と小さく、非常に耐食性に優れていた。
実施例1の1)で調整した基材Dに対し、上記1)と同様の条件で表2のNo.36内部組成の内部溶射膜を溶射した後、原料粉末流量を4g/分とし、回数を5回とした以外は上記1)と同様の条件で表2のNo.37表面組成の溶射を行い、表面に突起層を形成した。図6に形成した突起層を示す。この表面突起層の形状は球形であり、Raは15μmであった。
上記2)で得られた試料の付着物に対する保持性を評価するため、試料をプラズマエッチング装置内部の膜が堆積する部位に使用した。その結果、通常50時間でメンテナンスを行っていたものが100時間まで連続で使用することが出来た。
出発原料として、AlとLaの酸化物を用いて実施例と同様の方法で表面粗さRaが15μmのSiO2溶射膜を被覆した石英ガラス基材(基材A)に結晶質の溶射膜を作製した部材(No.16)、実施例に用いた溶射被膜と同様の組成のバルクのガラスインゴットを表面粗さRaが1μmとなるまで表面を機械的に研磨した部材(No.17)、溶射被膜を施していない石英ガラス基材(No.18)を夫々実施例と同様の方法でエッチング速度、パーティクル量の測定、並びに熱サイクル試験(熱サイクル試験は溶射部品であるNo.16のみ)を行った。
11:アノード
12:プラズマガス
13:溶射粉末(供給口)
14:溶射距離
15:基材
16:ガラス溶射膜
17:電源
20:カソード
21:アノード
22:プラズマガス(供給口)
23:溶射粉末(供給口)
24:溶射距離
25:基材
26:ガラス溶射膜
27:プラズマガス(供給口)
28:主電源
29:補助電源
Claims (10)
- 元素周期律表3a族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含み、アルミノシリケートガラスである耐蝕性ガラス溶射膜を被覆した基材からなる耐蝕性部材であって、Si−Al−3a族三成分系三角図で表したときに、各金属元素の原子比(Si:Al:3a族)=70:20:10、50:20:30、30:40:30、30:50:20、45:50:5、70:25:5の各点を結ぶ範囲内にその組成を有することを特徴とする耐蝕性部材。
- 元素周期律表3a族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含み、ジルコニアシリケートガラスである耐蝕性ガラス溶射膜を被覆した基材からなる耐蝕性部材であって、Si−Zr−3a族三成分系三角図で表したときに、各金属元素の原子比(Si:Zr:3a族)=70:25:5、70:10:20、50:20:30、30:40:30、30:50:20、45:50:5の各点を結ぶ範囲内にその組成を有することを特徴とする耐蝕性部材。
- 元素周期律表2a族の元素からなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含み、ジルコニアシリケートガラスである耐蝕性ガラス溶射膜を被覆した基材からなる耐蝕性部材であって、Si−Zr−2a族三成分系三角図で表したときに、各金属元素の原子比(Si:Zr:2a族)=70:25:5、45:25:30、30:40:30、30:50:20、50:45:5の各点を結ぶ範囲内にその組成を有することを特徴とする耐蝕性部材。
- 基材と耐蝕性ガラス溶射膜の間にSiO2を含むガラス溶射膜の中間層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の耐蝕性部材。
- 基材と耐蝕性ガラス溶射膜、又は基材とSiO2を含むガラス溶射膜の中間層と耐蝕性ガラス溶射膜のいずれかの界面が相互に溶融した溶融層を形成している請求項1〜3のいずれかに記載の耐蝕性部材。
- 耐蝕性ガラス溶射膜の表面粗さRaが0.01〜5μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の耐蝕性部材。
- 溶射フレームによって基材表面を溶融しながら耐蝕性ガラス溶射膜を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の耐蝕性部材の製造方法。
- 溶射フレームで耐蝕性ガラス溶射膜を溶融することによって、当該耐蝕性ガラス溶射膜の表面粗さRaを0.01〜5μmとすることを特徴とする請求項7の耐蝕性部材の製造方法。
- 表面粗さRaが1〜50μmの基材の上にSiO2を含むガラス溶射膜の中間層及び/又は耐蝕性ガラス溶射膜を溶射する請求項7または請求項8に記載の耐蝕性部材の製造方法。
- 溶射膜最表面層に球状突起層が形成されており、該球状突起層はアルミニウム又はジルコニウム及び2a族及び3a族の元素のうち少なくとも一つの濃度が低い状態となっている請求項1〜3のいずれかに記載の耐蝕性部材。
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